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東アジアにおける最終氷期最盛期から 完新世初期の海洋古環境
OKAYAMA Uni ve r s i t y Ea r t hSci e nceRe por t s , Vol .ll ,No.1 ,2331 ,( 2004) 東アジアにおける最終氷期最盛期から 完新世初期の海洋古環境 Pa le o c e a no g r a phyo ft heEa s t e nA r si af r o mt heLa s tGl a c i al Ma x i mumt ot hee ar l yHo l o c e ne 菅 浩仲 田i r o no b uKAN)* As e ie r so fnur ina g ls east h a ta R Se P a r a t e df ro mt hePa c i f i cO ∝a nb yi s l a nda r c sd e v e l o edi p nEast e mA si a ,ne e nv i r o nment a lp r o p e dyoft he s ema 喝i nal seasa mpl i f i e dt md e ras e al e v e ll o wsta ndd u ingt r heLa s tGhc i l a Ma xi mu m ( LGM) .n eJ a p a nSe awa sc ov e r e db yl o ws li a n i t ywa t e rd u ingt r heLGM.Att heb e imi g n go ft he p os t la g c i ls a eかl e v e lr is e ,t heOy a s h i oCt m tf i r s t l yno we di nt ot heJ a p a nSe at h r o ug h t h eTs ugar uS 血 tThe i nf hxo ft heTs I J S h i z n aCt m tst art e d打Ou n d1 0 , 00yBPandbecomevigorousl ya 丘e r8 , 0 0 0y BP. Me a nwd 山C , he t no r t hwa r dm ig r a t i o na n di nf lu xo ft heKt ms h i oCt m ti n t ot heEa s tCh i n aS e as t a r t e da r o t md1 0, 0 0 0y BPa n d s t ren g t h e ne da tq 7 f , 5 0 0y BP.Ther o ut ea lt m t io no ft heKur os hi oCu r r e n tm ig hth a v ec onb i b u t e dt ot he e s t a bl is hme n to ft heTs u s h i maCt m ta nda c t e da sab i g g e rf o rt hedra s ice t nv i r o n me z l t lc a h ng a e sa mu ndt h e m町g na i ls e a si nEa s t qnA si aa (t h et i meo ft hep o s t g l a c i a ls e a 1 e v e lr i se. Ke y wor ds :Pa l e ∝ e a n o g r a phy , La s tGl a c i lMa a x i mu m,Ea r l yHo l oc e n e , Ku ro s hi o, M喝 i mlSeas, East e mA si a . I .はじめに 遍 に関す る今後の研究課題 を示す。 活動的縁辺帯に位置す る東ア ジアには千島-カム チ ャツカ弧,東北 日本弧,西南 日本弧,琉球弧, フ ィ リピン諸島な ど,多 くの島弧一海溝系がみ られ , 島弧の背後 に沿海が連な る。オホーツク海 ・日本海 ・ 東 シナ海 ・南 シナ海 がそれである。背弧海盆の発達 は沿岸 の海洋古環境 に劇的な変化 をもた らす。例 え ば背弧海 盆 のひ とつである沖縄 トラフの拡大 は約 1 , 000万年前 に始ま り,その後 400万年前までの間お よび 20 万年以降の 2回の拡大期 を経て現在 に至 る ( si bue te (a ) .1 9 8 7 ,古川 1 991 ) .更新世の琉球列島に お けるサ ンゴ礁 の形成開始は,2回 目の沖縄 トラフ の拡大にともなって黒潮 が東 シナ海 に流入 した こと が直接 の原 因 と考え られ ている畔 oba1992) 。伊 良部 島の琉球石灰岩掘削 コア中の石灰質ナンノ化石の分 析結果か ら,琉球列島周辺海域でのサンゴ礁形成 開 始は 1 20万年前頃 ( 1 36- 1 1 0万年前)であった こと が明 らかになっている ( Oba t aa ndTs u j i1 992 ,佐渡ほ 994) 0 か 1992,本 田ほか 1993;1 沿海 では氷期 一間氷期サイ クル に伴 う環境変動が 熱帯域の海洋 中央部 より大きい( Wa n g1 999) o沿海 を 境す る島弧は氷期の低海水準の もとで海峡部が陸化 した り水深が浅 くなるため,沿海 は間氷期 と比べて よ り閉塞的な環境 となる ( 図 1) 。本研究では最終氷 期最盛期以降の東ア ジア沿岸域 にお ける海洋古環境 について レビューを行い, 日本列島周辺の古環境変 Ⅱ.最終氷期最盛期 以降の海水準と古水温 ( 1 )最終氷期最盛期の低位海水準 Fa iJ ba n k s( 1 989) はカ リブ海のバルバ ドス島沖の 3 列の沈水サ ンゴ礁 にお けるボー リング結果か ら,同 地域 では最終氷期最盛期の lS, 200年前に海水準が現 21±5m 低 下 していたことを明 らかに した。 在より 1 Yo koya mae fa L .( 20 0;2001 ) はオース トラリア北部 Bonap a r t e 湾か ら得 られ た堆積物 コア中に含 まれ る 汽水性堆積物 を海面指標 として,最終氷期最盛期の 000時期 と海面低下量 を求めた。 これ によると 22, 1 9, 00 年前の間,海面は -1 25±4m 付近 に位置 して 9, 000年前以降に 1 5m/ 5 00年の急激な海面上 お り, 1 昇があった ことを明 らかに した。 斉藤 ( 1 998) は東 シナ海お よびその周辺か ら報告 さ れている 350以上の放射性炭素年代値や 陸成層 と海 成層 の分布深度な どを検討 した結果,東 シナ海 の最 20± 1 0m と推定 した。 た 終氷期の最低位海水準は・1 だ し,外洋での海水準変動量が 1 20m程度であった 場合, 日本列島周辺陸棚の陸に近い ところではハイ ドロアイ ソスタシーの影響で 11 2m よりも浅 くなる ( Na k a d ae ta L . ,1 9 91 ) . 琉球列島では伊 良部 島南西沖の水深 118. 2m の海 底 にて採取 されたボー リングコア ( 全長 92. 8m,大 村・ 辻 1 997)が, 氷期の海水準を示す試料 となった。 8530 岡山市津島中 3丁 目 1 1 *岡山大学教育学部, 〒700∼Fa cl ut y ofEduca t ion ,Ohya m aUni ve r s i y,Okayama70018530,Japa t n 菅 浩 伸 か らも,最終氷期の熱帯大西洋域の水温が現在 よ り 5℃ 程 度 低 か った こ とが示 され たC rhomps on e ta l . 1 995, Thomps one fal .1998) 。また,大気一海洋循環モ デル を用いたシュ ミレー シ ョンにおいて も,LGM に 熱帯域 の SST が酉太平洋で最大 6℃下が ることが推 ha ndPhi l n de a r1 998) O 定 されている四us 一方,熱帯域 における古水温 にも地域差があった 0, 000-7, 000年前 に ことも示 された。温暖化過程 の 1 おける西太平洋の水温は当時のカ リブ海 よ り 6℃程 度低かった ことが,パプアニューギニア Huon 半島 の完新世初期 の化石ハマサ ンゴの Sr / Ca比か ら明 ら Mc Cu ll oc he ta L .1996) 0 かになっている( ( 3)後氷期の海面上昇 Fa ir banks( 1 989) はカ リブ海のバルバ ドス沖の 3列 o I l o2 0 図 1 東アジアの沿海 と最終氷期最盛期の海陸分布 最終氷期最盛期 に陸化す る東アジアの陸棚 を黒で示 すQ Wa ng ( 1 999) の図を一部改変o 日本第 四紀学会 ( 1 987) を基に琉球列島を加筆。 サ ンゴ化石の 2 3 1W 234U 年代値 よ り,コアの上部 24. 4 m は MI S仲血血eI s o t opeSt a ge )3以降に堆積 を開始 し, 最終氷期最盛期以前の 25, 000-22, 000年前 には浅海 域 となった島棚外縁部で造礁サ ンゴが生育 していた。 しか し,その後 の後氷期の海面上昇 に対応で きず, 730年前以降の堆積物 中に造礁サ ンゴは見 られ 約 15, な くな り現在 に至 る。最終氷期最盛期の海面は現海 26- 1 30m の間にあった ことが推 定 さ 面下お よそ 1 れてい る。 ( 2)最終氷期最盛期の古水温 cLm仏 pPr o j e c tMe mbe r s( 1 976,1 981 ) は,世界各地 で掘削 された深海 コア中の有孔虫 ・放散 虫な どの群 集構造か ら氷期の古水温 を地図化 して復元 した。現 在 と比 べ た氷 期 の海 水 温 低 下 は太 平 洋 北 半球 で 2. 3℃,大西洋北半球で 3. 8℃,全球平均 2. 3℃で,高 緯度 ほ ど大きく,熱帯域の水温低下は大き くない と 推定 した。 しか し,後 の研 究 によって熱 帯域 の水温低 下は cLM Pr o j e c tMe mbe r sによる推定 よ りも大きい こ とが証明 された。熱帯域 の表面海水温( SST) を直接復 Ca比,酸素同 元す るためサ ンゴ骨格の SdCa比 ,U/ 位体比 を用いた温度計が開発 され,カ リブ海や酉太 0, 000- 1 4, 000年前 に SSTが現在 よ り 平洋熱帯域で 1 5-6℃低かった ことが明 らかになった( Gui l de r s o ne t .1 994,Be c ke laJ .1997) o熱帯域 の山岳氷河の据削 a/ の沈水サ ンゴ礁 におけるボー リング結果か ら,同地 200年前 に海水準が現海 域では最終氷期最盛期の 18, 面より1 21±5m 低かった こと,その後の海 面上昇過 程では融氷パルス岬 :Mel t wa t e rp ls u e ) l A,l Bの 2回 の融 氷 イベ ン トが 起 きた こ とを提 示 した。 1 7, 1 00- 1 2, 500年前 の 4, 600年間に 20m 上昇 した海 2, 000年前の 1 , 000年未満の間に 2 4m の急 面は,約 1 上昇 を した( MW 1 A) 。その後 ,l l , 000- 1 0, 000年前 にヤンガー ドリアス期の寒の戻 りによって海面上昇 500年前頃に海面がお よそ 28 速度 は減少 し,再び 9, m上昇 した( MWP1 B) 。ここで示 されたヤ ンガー ドリ アス期の海面高度 は約■0-45m である。 Edwa r dse lal .(1 993) はパプアニューギニアの Huon 半島で掘削 した 50m を超 えるコアか ら,1 3, 000年前 2, 300年 以降の海面上昇過程 を示 した。ここでは約 1 6n Jk aで上昇 していた海面が,ヤ ンガー ドリ 前 まで 1 2, 300-l l , 000年 アス期 に相 当す ると考 え られ る約 1 aまで低下す るoBa r de ta L( 1 996) はタ 前の間は 2mn( ヒチ島のサ ンゴ礁 にて 1 20m のボー リングコアを採 取 し,後氷期の堆積層 87m分 に含 まれ る化石サ ンゴ を詳細 に年代測定す ることによって MWP-1 A 以降 の海面上昇 を論 じた。タヒチ島で MWP1 Bに相 当す る1 1 , 500- l l , 000の間の海面上昇はバルバ ドス島 と 比べて小規模 であった。各地で示 された最終氷期以 降の海面上昇過程の主なものを図 2に示す。東アジ アでは,海水準は 1 2, 000 年前にjOm 前後,1 0, 000 年前 に40m 程度 に達 していた と推定 され ている( 斉 藤 1998) Ⅲ .東アジア海域における最終氷期最盛期 から海面 上昇過程の古環境 ( 1 )琉球列島周辺の古環境 氏家 ( 1 998) は,沖縄 トラフ北東部 にあた る九州西 方 海 域 で 採 取 し た 海 洋 底 の ピ ス トン コ ア ( RN95PCl ) か ら約 75, 000-1 2, 000G a lBPの間,熱帯 種 で 特 に黒潮 主 流 沿 い に多産 す る浮 遊性 有 孔 虫 Pul l e nL ' at i naob L t ' q ui l oc u J at a が殆 どみ られない ことか ら,最終氷期 の この期間,黒潮が東 シナ海 に流入 し て い なか っ た こ とを示 唆 して い るO Zheng e ta L . ( 1 994)は中国 ・長江デル タの沖積層堆積過程 と堆積 物 中の花粉分析か ら,現在 の長江デル タ周辺は最終 氷期最盛期前後の約 25, 000- 1 5, 000年前 には同地域 は冷涼で乾燥 した草原であ り,年平均気温は現在 よ りも 8-9℃低かった ことを示 しているo 2 5 東ア ジアにおけ る最終氷期最盛期 か ら完薪世初期の海洋盲環境 15 10 Age(kaBP) 国2 最終氷期以降の海面上昇過程 沖縄島東方の凍球海溝の ピス トンコアより得 られ た最終氷期の堆積物中の C/ N比は沖縄 トラフで得 ら れた最終氷期の値 よりも低 く,沖縄 トラフよ りも陸 源有機物の混入が少なかったことを示 している( Oka L 998 ) . また.底生有孔虫の炭素同位体比の測定結果 などよ り,最終氷期の沖縄島東方海域では一次生産 が増加 した ことが推定されている。 当時の黒潮は東 シナ海-流入せず琉球列島の南で流路を東方-偏 じ ていたため.琉球弧東側で湧昇がお こっていたこと が一次生産 の増加 した理 由 と推定 されている( Ob 1 998 ) .大村 ・ 辻 ( 1 99刀によって伊良部島南西沖の為 朝 より採取 されたJt 終氷期前後の堆穣局中のサンゴ は Fh i ・ ' L ZS P,PI a oy as p _ ,C y ph w' e as pな どの塊状 サンゴであ り,現在の琉球列島のサンゴ硬 を主に柵 成するAovpo r as pはみ られない。この堆積物は,現 在の束球列島 と同様なサンゴ礁ではなく,現在の壱 岐のよ うなより北方でみ られ るサンゴ礁 またはサン ゴ群集( Y皿 OCta/ 2001 )に近いものであったこと が考えられる。 Sh l e h ∼ra /(199 7)は沖縄 トラフ南部か ら採取 した ピス トン=アより.表海水層で特徴的な浮遊性有孔 Ob' ge r ' 1 7 0L de ssoc c u/ I / e rと深層に棲息する浮遊性 虫 C/ 有孔虫 Ne o gl bboqu adr ・ nadL t err nlの酸素および炭素 a) 。その結果. 約 安定同位体比を測定 した ( 図 3l l , 6 0 年前に Gs DC C y / I / e 仁N L hLtW n ・ e tともに 8柑 0億 が軽 くな り,その後 9 , 6α)年前 をビ-クとして 61 ' 0 値が再び重 くなる.G s ac c y / ' / e rの 8' ' 0 値は 9, 6 0 Lt e r L nEの S 年前以降急速に軽 くなるが,底月の N dz t l o値が急#に軽 くなるのは 7 , 5 0 年前以降である。 このことから 7 , 5 0 0年前以降に黒潮 のより深層部が 東 シナ海 に流入 しは じめた と推定 した。U] Uia J l d UJ l l 占(1 999) 揺,九州南部か ら琉球列島周辺海域で渓 7 本の ピス トンコア中の浮藩性有孔虫 うち 取 した 1 PZ J I / e nt o〃1 7 0 グ/ レープの出現数を検討 した結果.琉球 海溝側の ピス トンコアではヤンガー ドリアス期に相 当す ると思われる間も連続的に出現 し続けてその後 も僅かずつ増加す るのに対 して.沖縄 トラフ側のコ アでは 1 0 , 0 0 0年前以降に急激な増加がみ られる.こ れは有孔虫殻の酸素同位対比変動か らも読み とれる ( 図 3b , C ) 。 Sh l e heta/(1 9 97 ) の ピス トンコアでは完薪世長嘆 , 6 0 0年前付近にあらわれる。大木( 20 02 ) による 期は 5 0 0) -5 , ( X 氾 鹿児島湾の沖積層 ポー リング結果から,7, 年前の長暖期に鹿児島湾に黒潮暖水舌が恒常的に流 入 していたことが推定されている。 ( 2 )日本列島南岸の古環嫌 四国沖 ・遠州灘沖 ・房総沖 ・鹿島灘沖の 4地点か ら採取 された海洋底のピス トンコア中の浮遊性有孔 0, 000- 1 6, 000 虫化石か ら,最終氷期最盛期前後の 2 年前には酉南 日本沖の黒潮 の流路は現在 より南にあ り,四国沖 ・遠州灘沖では冷水塊が頻発 していたこ とが推定されている( Chl J I Z e le l oI1 98 7,尾 田 .雑木, 1 99 2 ) 。また,同 ピス トンコア中の浮遊性有孔虫化石 の酸素同位体比か ら約 2 7 , 0 0∼1 4, 0 0 年前に 日本列 島南岸には現在の三陸沖と同様な混合水塊 とその下 居 の親潮潜流が南下 していた ことが示 され た ( 大 t 盛期の黒潮前弟は四国 峯 ・安 田,1992)。最終氷期J 南方, トカラ海峡 と同程度 の片度 (ビス トンコア V2S30 4付近)まで南下 し.親潮前農が房絶沖より 南の伊豆半島付近まで達 していた。遠州#沖 (ピス トンコア C 4 付近)はその間の浪合7 k域に位定 して いた ことが明 らかになった ロ1 1 0 mp S On 1 981 .鎮西 1 987) 。 2 6 菅 その後北上す る黒潮前線 は約 1 6, 000年前頃に遠州 5 , 000-1 4, 000 年前には黒潮は西 灘沖を通過 した。 1 南 日本沖で南に大きく蛇行 しその前線は房総沖にあ った。その後,節 l l , 000- 1 0, 0 00年前にはヤンガー ドリアスに相 当す るとみ られ る寒冷事件があ り,親 潮前線が再び房総半島沖 より南に進出 した。ただ, この時には遠州灘沖ではこの影響が見 られず,混合 水域は最終氷期最盛期 よ り狭 くなっていた ことが推 定 されている。また,1 0, 000-9, 0 00年前 には黒潮の 00 0年前に最 も北上 した こと 流軸が本州に近づき 6, が明 らかになった ( Chi n z e ieta/ .1 98 7,鎮西 1 98 7, 9 92)。小泉( 1 995 ) による小名浜沖の珪 尾 田 ・藤本 1 藻温度指数の変化 ( 図 3J)は黒潮 の最前線での変 動 をあらわ してお り,Uj i i ia ndUj i i i( 1 9 99 ) による沖 縄 トラフにおける有孔虫殻の酸素同位対比の変動 と 同調 している点は興味深い。 sa wa daa ndHa nd a( 1 998) は酉七島海嶺か ら採取 し た 3本のピス トンコア と Chi nz e ie(a) .( 1 98 7) の C4 コアを基に古水温を復元 した結果,本州南岸の黒潮 000年前 ∼2 4, 5 00年前,21 , 0 00年前 ∼1 9 , 000年 は 26, 前 に僅かな蛇行 とともに北- と偏 し,1 6, 000年前∼ 1 5, 00 年前,1 3, 5 00 年前 ∼ 1 3, 0 0 年前 に南方-, 1 3, 000年前以降 7, 000年前までは蛇行を減 じつつ北 - と流路を変化 させた と推定 しているO 大場 ほか( 1 983) は太平洋側房総半島沖の海底堆積 物 に含 まれ る有 孔 虫殻 の酸 素 同位 体 比 か ら過 去 1 6, 0 00年間の古水温を推定 した。 これは底棲有孔虫 の酸素同位体比を基準 として浮遊性有孔虫の酸素同 位体比 との差 を用いて推定 したものであ り,底層付 近の水温が氷期か ら間氷期にかけて変化 しなかった と仮定 して求めた値である。 これ によると親潮が房 総半島沖まで南下 していた約 1 1 , 5 000-1 0, 5 000年前 の寒冷事件時 には房総沖の海水温 は現在 よ り 59℃低かった と推定 されているOその後 ,1 0, 0 00, 000 9, 5 000 年前 に一時的に水温が上昇す るが,約 8 -9, 000年前には再び水温が低下 した後,再び上昇に 転 じ, 約 5, 000-6, 000年前に高水温を示す ( 図 3e ) 0 高水温の時期は房総半島に沼サンゴ層が堆積 した時 期 と一致す る。 ( 3) 日本海の古環境 日本海は浅い 4つの海峡で囲まれた半ば閉ざされ た沿海である。現在は対馬海流が流入 し, 日本海表 層2 00-3 00m を流れた後,津軽海峡か ら北西太平洋 に流出す るが,それ以深は沿海州沖で冷却 されて沈 降 した高溶存酸素の 日本海 固有水 と呼ばれ る水塊で 占め られ る ( 大場 ・赤坂 1 99 0)Oオホーツク海 と日 本海 をつな ぐ宗谷海峡は,最深部が水深 60mの海釜 状地形であ り,海峡中央部で東西に連続 した地形の S( Ma ineI r s o t o pe 水深は 55m程度であるため, MI St a ge )5 a∼e と最終氷期以降の温暖期以外は陸化 し ていた ことがあきらかであ り( ′ J 、 野 1 99 0) ,最終氷期 お よびヤンガー ドリアス期 ともに陸橋が形成 されて 5m であ り同様 に陸橋が形 いた。間宮海峡 も水深約 1 99 0, 成 され ていた ことは疑 いない ( 八 島 ・宮 内 1 it K a mt m e fa L .1 999 )O対馬海峡 と津軽海峡のみ 1 30 m程度の水深 を有す る。 pa r ke tal .( 1 99 6) は対馬海峡の音響層序にて後氷期 の堆積層下に侵食不整合面が存在す ることか ら,最 終氷期最盛期 には対馬海峡は陸化 していたことを指 浩 伸 1 988 ) は 日本海 の 6本の ピス トンコア 摘 したO大場( の酸素同位体分析結果を再検討 し,最終氷期最盛期 に大陸起源の軽い酸素同位体比をもつ淡水が 日本海 -流入 した と考 え られ,その起源が黄河に求め られ るとした。仮 に海水準が 1 00m 低下 した場合,黄河 河 口は済州島の東側であったことが推定 され,最終 氷期に低塩分の表層水が対馬海峡を経て 日本海-流 oa ndPa r k 入 していた可能性 を指摘 した。一方,Yo ( 1 997) は対馬海峡か ら採取 した ピス トンコアに含 ま れていた貝化石か ら 1 5, 08 0-1 5, 4 40年の放射性炭素 年代値 を得たoPa rke fa / .( 2000) は対馬海峡の音響層 序 と新たな年代値 を加 えて,最終氷期最盛期の対馬 0-1 5 km水深 1 0 m の水路状に残 っていた 海峡は幅 1 ことを指摘 した。その上で, この水路を通 して古対 馬海流が 日本海-僅かに流入 していたとし, これが 日本海南西部に影響 を与えていた可能性 を指摘 した。 日本海では ∼ⅡS3末期か ら淡水が供給 され始め, 最終氷期最盛期頃には低塩分水ですっか り覆われた 98 4,1 985) 。その結果,港 と推定 されている ( 小泉 1 水の成層構造が発達 して海底には酸素がほとん ど供 給 されず,還元的海底環境 となった。隠岐椎か ら採 取 した ピス トンコア中の有孔虫殻の酸素同位体比か 000年前の 3 4%O か ら徐々に低下 し, ら,塩分は 23, 1 7, 000-1 5, 400年前には 24‰に達 した。その後 ,6 00 年以内に 3 4%。 前後 にまで急激 に増加 した と推定 さ 9糾) 0 れている( 大場 1 この塩分低下イベ ン トより,氷期における対馬海 峡か らの海水流入量を見積 もる研究がい くつか試み られたO多 田( 1 995 ) は大場( 1 98 4) で示 された塩分変化 を引 き起 こす には 日本海 -の海水流入 量は現在 の 0. 1 -0. 3%程度にす ぎず,潮汐流によるごく少量の海 水の流入があった程度である可能性 を指摘 した。松 1 998 ) による再計算では,最終氷期最盛期 に 井 ほか( 8% にあたる年間 5 00 km 3程度 の流入海水 は現在の 0. 量であった と推定 された。 これは津軽海峡の潮汐流 による海水交換でも説明できるため,短期間陸橋が 成立 した可能性 も否定できない とした。 溝 田 ・松久 ( 1 984) は, 日本海隠岐椎 より採取 した 底質堆積物 コア( KH793,C3 ) の石英含 量が現在 の 3. 8% に対 して最終氷期に 6. 0か ら 8. 6% と高 く,その 粒径 と酸素同位体比か らこれ らの大部分が風成塵起 源であることを明 らかに した。最終氷期における広 域風成塵の増大は 日本海沿岸や琉球列島,北太平洋 中央部付近の海底 コアでも報告 されてお り ( 井上 ・ 成瀬 1 99 0,成瀬 1 998 ,岡本ほか 2 002),氷期におけ るアジア大陸内陸部の乾燥地の拡大が示唆 されてい るoMI S3か ら最終氷期における日本海の環境変化 に は,Da ns g a a r dOe s c hg e rc y c l eのよ うな広域気候変動 が寄与 していると考えられている ( 多田 1 997,Ta d a dae taL .1 9 99) Oすなわち,チベ ッ ト高原が温 1 999, Ta 暖湿潤である時期には,低塩分の沿岸水が東 シナ海 北部に広が り, これが 日本海-流入することによっ て塩分低下イベ ン トがお こるO これによって海水の 成層構造が発達 し,海底が貧酸素の還元的環境 とな り,暗色の堆積層が形成 され るO-方,チベ ッ ト高 原が冷涼で乾燥 していた時期には広域風成塵が増大 す るとともに,東 シナ海沿岸水は縮小 し, 日本海 に は高塩分の外洋水が流入す ることによって海水の鉛 直混合が促進 され る。 これによって海底堆積物 に明 色の堆積層が形成 される。 2 7 東 ア ジア にお け る最終氷 期 最盛 期 か ら完新 世 初期 の海 洋 古環境 15 0 20 5 10 3 . 2 . 0 1 6= 0 1 -3 2C 望 ○ r O -3 - 2C 2 b L O 0 ' JoponSedl 一 . ▲ - A - ]消 雪 u m eper oT r e c ( o ) 5 ∩-) 5 l 0 つ L P ol e f 一 ? r t h c・ f l c.。f fKQS h・ mQ, 5 2 d 9___ (seq 。f。kh。†デk, I I l 20 l I _ _ _ I I A AI l J A J 15 10 1 J c Age (kaBP) 1 _ LL L 』消雪 A l l r I0 I l f l 5 図 3 日本周辺海域 にお ける最終氷期最盛期以降の海洋古環境 faL1 99 7) ,b:沖縄 トラフにお ける q:沖縄 トラフ南部 にお ける有孔虫殻 の酸素同位対比( Shi e he qi i ea ndUj i i i1 999) ,C:南琉球 の琉球海溝側 における有孔虫殻の酸 有孔虫殻の酸素同位対比 ( 素同位対比 ( qi i iz L ndUj i i i1 999) ,d:太平洋小名浜 沖にお ける珪藻温度指数 ( 小泉 1 995 ) ,e:日 本海 隠岐堆お よび太平洋房総沖にお ける有孔虫殻 の酸素 同位対比か ら復元 され た古水温 ( 大場 ほか 1 98 3) ,I :日本海 隠岐椎 にお ける珪藻温度指数 ( 小泉 1 995 ) ,g:オホー ツク海知床沖 にお け る珪藻温度 指数 ( 嶋 田ほか 2 000) 。珪藻温度指数( Td FXw/ G Y wt Xc ) ×l oo g w は暖流系種群 の固 体頻度 ,xcは寒流系種群 の固体頻度) O 28 菅 最終氷期最盛期以降の 日本海では ∼ⅢS2後半の海 000- 1 0, 000 年前) に高塩分の外洋水 面上昇過程(15, が流入す ることによって海水の鉛直混合が再開 され た。 ピス トンコア中に北西太平洋の浅海域 に多 く生 息す る底棲有孔虫が出現す ることか ら, この時期に は津軽海峡か ら親潮が流入 していた ことが推定 され tal .1 991 ,大場 1 995). ている ( 大場 1984,Obae 大場 ほか(1983)によって有孔虫殻の酸素同位体比か ら推定 された古水温は,約 15, 000- 1 3, 000年前には 現在 よりも 1 0- 11 ℃低 く,約 9, 5 00年前に一時的に 約1 5℃に上昇す る ( 図 3e)。この時期,対馬海流域 に 生 息 す る 浮 遊 性 有 孔 虫 Ne o gl oboq uadr i na pac k yde r maの右巻き個体が堆積物 中で一時的に増加 す ることか ら,約 1 0, 000-9, 5 00年前 に日本海に対馬 海流が一時的に流入 した と考え られている。その後, 約 9, 000年前に水温が約 1 1- 1 2℃に再び低下 したの ち上昇 し,約 6, 50 年前以降現在まで約 1 7- 1 8℃ と 比較的高い水温が続 くO対馬海流は約 8, 000年前か ら本格 的 に流入 しは じめた と考 え られ てい る ( 大 場 ・赤坂 1 990,Obae tal .1 991 ) o秋 田沖で採取 された 海底堆積物のコアか らも隠岐堆 と同様の酸素同位体 比の変化が得 られている ( 奥村 ほか 1996)0 この時期の海水準を推定す る資料 として,富山湾 黒部川扇状地北東部の入善沖の水深 22-40m にて 発見 されたハ ンノキとヤナギを主 とする海底林か ら o, 000-8, 0 00 年前の放射性炭素年代値が得 られ 初 l Nas ue ta 1 . ,1 983・ ,Fu j i ie tal . ,1 986) o約 10, 000 ている( 年前には海水準が現在 より40-45m低 く,花粉分析 000年前 に至 る 2, 000年間に 2-3℃の よ りその後 8, 温度上昇 を伴 う海水準の上昇があったことが推定 さ れている( 藤井 1990) 0 オホー ツク海中央部では完新世 に入 って有孔虫殻 の 6 180値が急激に軽 くなる( Gor ba r e nko1 991 ) O嶋田 2000) は,南西オホー ツク海の ピス トンコアか ほか( ら得 られた 7, 300年前以降の珪藻群集中に低頻度な a gi l a r i o ps L ' sd ol i ol u s が,節 が ら混在す る温暖種 Fr 7, 200 年前,6, 000-5, 200 年前,3, 70 ∼3, 3 00 年前 と 1 , 00 年前以降にパルス状に出現す ることを見出 し た ( 図 3g)。約 8, 000年前に本格的に 日本海に流入 しは じめた対馬海流は約 1 , 800 年周期で強弱を繰 り 返 してきた ( 小泉 1 987,図 3f )。オホー ツク海での 温暖種の出現時期は対馬海流の強勢期に一致 してお り,対馬海流の続流である宗谷暖流 もこれ に同調 し て強弱 を繰 り返 した と考えられている。 Ⅰ Ⅴ 東アジア海域の古環境変遷に関する今後の課題 現在全球規模での気候変動 を復元す るモデル とな って い るグ リー ンラ ン ドの氷床 コア ( GI SP I I∫ c e dI c eCo r e ) を比較す ると cor e )と南極の氷床 コアPyr 概 して南極 の気候事変はグ リー ンラン ドのそれ よ り ll A e y 2000) O も弱 く緩やかな変化であることが多い( 極域の気候変動の うちヤンガー ドリアス期以降の温 暖化 の時期はグリーンラン ドの氷床 コア( GI SPI Hc e cor e )か ら得 られ た時期 よ りも, 南極 の氷床 コア βyr dI c eCor e ) か ら得 られた温暖化の時期の方が約 3, 000年早 く現れ る( Sowe r sa ndBe nde r1 995) 。このよ うな時相のずれは熱帯域でもみ られ る。カ リブ海の 4, 000- l l , 500年前に 5-6℃にわ バルバ ドス島では 1 た る急激 な水温上昇 がみ られ る( Gt l i l de r s on e tal . 浩 伸 1 994) が,南西太平洋ではそれ より 3, 000年 ほど遅れ ne tal .2000) O興味 て同様な水温上昇が現れ る( Ga g a 深い ことに,南西太平洋のサンゴ骨格か ら得 られた 古水温の変動曲線は南極 の氷床 コアか ら得 られた気 候変動曲線 よりもグ リー ンラン ドの氷床 コアで得 ら れた曲線 に類似 してお り,カ リブ海のサ ンゴ骨格か ら得 られた古水温の変動 曲線は南極の氷床 コアか ら 得 られた気候変動曲線 に類似 している( Ga 伊 ne taL . 2000) 。ヤンガー ドリアス期お よびそれ以降の急激な 温暖化の時期については,地域によって時相のずれ が発生 している。 東 ア ジアで はチベ ッ ト高原 と西太 平洋 暖水 域 ( We s t e m pa c i icWa f n Pool ) の変化によってもた らさ れた夏季モ ンスー ンが気候変動の引き金 となる ( 福 滞ほか 2003)。最終氷期 M S3 における北大西洋の ic m h 海 洋 底 コア か ら復 元 され た 気 候 変 動 田 ei e ve nt s ,Bondc yc l e s ,Da ns ga ad Oe s c hge re ve nt s ) が,中 国の レス堆積物の粒度変化か ら兄いだされ,偏西風 を介 して北西大西洋 とアジアの気候変動に関連があ t e ra ndA n 1 9 95) 。中国で ることが明 らかになった伊or は最終氷期以降一時的に夏季モンスーンが強 くな り 温暖で湿潤な環境- と変化 したが,ヤンガー ドリア ス相 当期に冷涼で乾燥 した氷期的環境- と戻 り,再 び温暖化す る過程が示 されている( n e A taJ .1 993) 。た だ し, ここでヤンガー ドリアス期に相当す るとみ ら 000 年ほど遅れ る。 れ る時期は ヨーロッパ よりも 2, taL .( 1 99 6,1 998) などによって復元 され また, Zhoue た レス高原 のヤ ンガー ドリアス相 当期 は 11 , 2001 0, 000年の間であ り,冷涼乾燥( l l , 200- 1 0, 600年前) , 1 0, 600- 1 0, 200 年前) ,冷涼乾燥(1 0, 200冷涼湿潤 ( 1 0, 000年前) の 3つの時相 に分けられ る( An2000) 。湖 沼水位 と花粉データを用いて復元 された中国全域の Ⅵl e fa L .2002) か らは,中国南部 と北東 古気温の変遷( 部で約 9, 000 年前 に一時的な寒冷化 がみ られ るo Shi e he taJ .( 1 997) は沖縄 トラフの ピス トンコアで約 9, 600年前に現れ る 6 180値の重い ピークをヤンガー ドリアス期に対応す るとした。 中国は地域 によって異なった気候 システムの影響 を受 けるた め,過去 の気候変動 も地域差 が大 きい ( I s s a r2003) 。中国 Sha ye ma湖 の堆積物中の花粉分析 結果では,ヤンガー ドリアス相 当期以降の急激 な温 1 0 以降 となる 暖化 と降水量の増加が現れ るのが 9, ( J a vi r s1 993) 。完新世の うち中国東部における夏季モ ンスー ンが最大 となる時期にも地域差がみ られ,北 東部では約 9, 000年前に,南東部では約 3, 000年前に n e A tal .2000) 。一方,日本海沿岸の 極大期を迎 える( 水月湖の堆積物か ら復元 された気候変化か らはヤン ガー ドリアス相当の寒冷イベ ン トが 1 2, 3 00- l l , 250 年前 に現れ る。 ここでは北大西洋で報告 されている ヤ ン ガ ー ド リア ス 期 よ り 250- 400 年 遅 れ る Pa kaga wae tal .2 003) Oこのように,東アジアの気候 変動 と北西大西洋の気候変動 との関係については, その因果関係 とともに時相のずれや強度の差 につい ても議論の余地が多い。 東アジア沿岸域の気候変動はチベ ッ ト高原 と西太 平洋暖水域 とが関係 した夏季モンスーンの変動 とと もに,酉太平洋暖水域の変動を東アジア沿岸域 に伝 える黒潮 の変動 も鍵 となると考え られる。最終氷期 最盛期以降,黒潮の流路が どのよ うに変化 したか, またその強度 に変動があったのかについてはまだ明 29 東 ア ジ ア にお け る最 終 氷 期 最 盛 期 か ら完 新 世 初 期 の海 洋 古 環 境 らか に され て いな い点が多 い。 特 に,琉 球列 島周 辺 海 域 で の黒潮 の変 動 に関す る研 究 は少 な い。 東 シナ 港 - の黒潮 の流入 はその分 流 で あ る対馬海 流 と対馬 海 流 の続 流 で あ る宗谷暖流 の成 立 に とって必須 で あ るO 対馬海 流 の変 動 は 日本海 の環境 変遷 の鍵 とな っ てお り, 日本 列 島 をは じめ と した 日本海 周 辺地域 の 気候 変 動 に大 き く寄与す る。 また,東 シナ海 - の黒 潮 の流入 とそ の後 の変動 は,琉球 列 島や 日本列 島南 岸 の気候 変動 に も大 き く寄 与 してい た に違 いない。 最 終氷 期 以降 に黒潮 が東 シナ海 -流入 しは じめ る時 期 とともに,流 路変 更 の過 程 も重 要 とな る。例 えば, 流 路変 更 は急激 で あった のか徐 々 に変 更 した のか, あ るい は上層 部 ・中層部 な ど部分 的 な流路変 更 を重 ね て現 在 の海 流系 が成 立 した のか,流 路 は流入 当初 よ り現在 と同 じ与 那 国島 と台湾 との間の海 峡 部 か ら 東 シナ海 -流入 していたのか , あ るいは一時 的 にせ よ他 の流 路 を とった可能性 が あ るのか,東 シナ海 の流入 後 現在 まで の間に どの よ うな流路 ・強度 の変 動 が あ った のか な ど多 くの疑 問が残 って い る。今 後 , 琉 球列 島周辺 にお け るこれ らの黒潮 変動 を明 らか に してい く必要 が あ る。 Ⅴ おわりに 最終 氷期最盛 期 以 降 の東 ア ジア沿岸 域 で は,夏季 モ ンスー ンの変 動 とともに,黒潮 の東 シナ海 - の流 入 とそ の分 流 で あ る対馬海 流 の 日本海 - の流入 に よ って,海 域環境 ・陸域 の気候 とも急激 に変化 した こ とが考 え られ る。 今後 ,沿海 域 の環境 変化 ,特 に東 シナ海 - の黒潮 流入 時期 とそ の後 の黒潮 変 動 を明 ら か にす る とともに, それ が東 ア ジア の気候 に どの よ うな影 響 を及 ぼ したのか を, シ ミュ レー シ ョンな ど を用 いて推 定 し, そ の結 果 を実際 に得 られ てい る古 環境 変遷 と照 ら し合 わせ なが ら確認 してい く必 要 が あろ う。最 終氷期 以 降 の黒潮 の変 動 は東 ア ジアの気 候 変 動 を解 くための一つ の鍵 とな る可能性 が あ る。 本研究は平成 1 6年度岡山大学学長裁量経費 「 地形変動 との絡みで見たアジア大陸東縁域での気候 ダイナ ミクス に関す る研究」 ( 研究代表者 : 加藤内蔵進)の成果の一部 である。 vt 引用 文献 Al l e y , R. 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