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乱流工学 流れの可視化
1 乱流工学 第7回 流れの可視化と流体力計測 (Flow Visualization ・ Aerodynamic Force Measurement) 流体工学特論 2 流れの可視化 流れの可視化の分類 ・壁面トレース法…..油膜法、電解腐食法、感温塗料 ・タフト法………….表面タフト、デプスタフト、タフトグリッド ・直接注入トレーサー法 …………. 流脈法、流跡法、懸濁法、タイムライン法 ・化学反応法……….反応発色法、電解液発色法 ・電気制御法 …………. 水素気泡法、火花追跡法、スモークワイヤ法 ・光学的方法 …シャドウグラフ、シュリーレン、マッハツェンダ干渉法 流体工学特論 1 3 可視化手法と適用範囲 0.1mm/s 1mm/s 1cm/s 10cm/s 1m/s 10m/s 100m/s M=1 水素気泡法 懸濁法 油膜法 電解発色法 タフト 注入流脈法 スモークワイヤ 火花追跡法 液体 気体 感温塗料 光学的手法 流体工学特論 4 光源 太陽光,白熱電球,水銀灯 Xe(キセノン)ランプ キセノンガスを高圧封入し、アーク放電により発光。 太陽光に近い発光を人工的に得られる Xeフラッシュ レーザー光源 単色性・指向性・干渉性 高輝度LED 流体工学特論 2 5 壁面トレース法 油膜法: 油と顔料の混合物を物体表面に塗布して、流れの状態を観察。 例)ディーゼル油+酸化チタン+オレイン酸 注意点:遠心力・重力等による外力の影響を受ける Re=0.82×105 流体工学特論 6 油膜法による流れの可視化 流動パラフィン +酸化チタン+オレイン酸 表面に顔料入りの油を塗って, 塗料の動きで流れを観察する方法 流体工学特論 3 油膜法による可視化例(1) 7 流体工学特論 油膜法による流れの可視化( 2) 油膜法による流れの可視化(2) 8 流体工学特論 4 9 数値解析によるオイルフロー表示 オイルフローは古くから使われているので 設計資料などが残されていることが多い 数値解析データをもとにオイルフローを 模擬する場合が多い(FIELDVIEW) 流体工学特論 10 タフト法の特徴 •水槽・風洞で利用可能 •低速から高速まで適用可能 •手軽に利用可能 • 注意点: 気流に追従させるため、軽い材質を選ぶ 絹糸(和裁の刺繍糸:湯せん後、まっすぐにす る) タンポポの種、ナイロン繊維など) 重力の影響を受けやすい 流体工学特論 5 タフト法 11 •表面タフト:物体の表面に貼り付ける •タフトグリッド:タフトを格子状に配置 •デプスタフト:物体表面にポストを立てて、表面 から離れた位置の流れを観察 流体工学特論 12 注入流脈法 トレーサー法: 流れの中に目印となる物質を混入し、その描く線 から流れを調べる。 レイノルズの実験(1883)が最も有名 流体工学特論 6 13 注入流脈法 ・タバコや線香の煙 煙のコントラスト:粒子径と密度に依存 低速気流1μ、高速気流10μ ・ミスト法 ケロシン・軽油・流動パラフィンの蒸気 流速適用範囲:0.5m~20m/s 流体工学特論 流動パラフフィンミスト発生装置 14 ミスト オイルタンク ヒーター グラスウール コック 空気 ブロワ 流体工学特論 7 15 ドライアイス法 ドライアイスをミストにする方法 ・10m/s以上、無害・無臭 ・水滴を伴う・比重大・浮力の影響 ミスト ドライアイス 水 流体工学特論 16 四塩化チタン •四塩化チタン(TiCl4) 融点-23℃,沸点136.4℃ 比重1.76 →空気中で加水分解→白色煙 コントラストが強い 導管不要 境界層の可視化 • 注意点: 塩酸を含むので人体に有害、金属表面を腐食させる 流体工学特論 8 色素流脈法 17 水流中に色素を混入して流れ を観察する方法 ローダミンB(赤) フルオレセイン(緑) メチレンブルー(青) ミルク+アルコール 流体工学特論 注入流跡法 シャボン玉 18 ライポン20%液 流体工学特論 9 19 懸濁法 水中に混入された空気の泡や比重の異なる油、 アルミ紛をトレーサーとした可視化方法 気流の場合:ステアリン酸亜鉛(散乱特性良) あらかじめ流れ場全体に粒子を混入しておく 流体工学特論 20 水素気泡法 水中に設置された電極に電流を流し、水を電気分解 →水素気泡が発生 陰極線(25μ程度) 流れ 流体工学特論 10 21 電極の形状と水素気泡の軌跡 直線 キンク まだら はしご 直流 電圧 パルス 電圧 流体工学特論 22 電圧装置(例) 細線材料: 白金線 タングステン線 印加電圧:400V~1000V パルス幅:0.8~100ms パルス周期:4~600ms + - 反転増幅回路 サイリスタ サイリスタ パルスジェネレータ + Q=0.396×10-3(273+θ)i [cm3/s] - 50~150 μm 流体工学特論 11 23 火花追跡法 高電圧・ 高周波 パルス発 生装置 電圧:100kV パルス幅:1μsec 周波数:50Hz 高電圧パルス ↓ 空気のイオン化 ↓ 電気抵抗低下 (気流とともに移動) ↓ 電圧パルス:放電 流体工学特論 ゴルフボール周りの流れ 空気 24m/s 円柱直径 20mm(黄銅製) 印加電圧60kV・7kHz 24 流体工学特論 12 25 スモークワイヤ法 金属細線に流動パラフィンを塗布し、瞬間的に電流 を流すとパラフィンがミスト化する ディレイ時間:1ms~250ms 抵抗R=数10オーム10V~100V 細線径 0.1~0.2mm程度(ニクロム線) ストロボ 制御装置 直流電源 スイッチング回路 ディレイ回路 流体工学特論 26 風洞ノズルの整流 カメラ 制御装置 整流装置 流体工学特論 13 金網による整流効果 27 流体工学特論 22次元噴流の可視化 次元噴流の可視化 28 マルチ スモーク トリガ信号 ↓ 流れと同期 流体工学特論 14 29 パンタグラフモデル U=5m/s 1/15モデル 流体工学特論 新幹線先頭モデル 30 流体工学特論 15 31 光学的手法 sin i C1 = =n sin j C 2 媒質中の温度・密度の 不均一→屈折率の変化 光源 気体 n~1 Gladstone-Daleの式 i 光速C1 n = 1 + Kρ j 光速C2 流体工学特論 32 シャドウ・グラフ d スクリーン K ∂ρ ∂ρ dz ≈ Kd ∂y 0 n ∂y dεy ∂ 2ρ dI ∝ ∝ 2 dy ∂y εy = 光源 y εy d ∫ 観測気体 z 流体工学特論 16 33 シュリーレンの撮影例 超音速噴流の干渉 閃光時間2×10-6sec 流体工学特論 34 シュリーレン法 • ナイフエッジによって光をさえぎる • 密度変化があるとナイフエッジを通過する 光量が変化 測定対象 光源 εy dI ∝ F2 α I F2焦点距離 カメラ スクリーン ナイフエッジ 流体工学特論 17 シュリーレン法のレイアウト 35 流体工学特論 シュリーレンの撮影例 36 シャドウグラフとの比較 超音速噴流の干渉 閃光時間2×10-6sec 流体工学特論 18 カラーシュリーレン法 37 超音速噴流(M=2) D=9mm 流体工学特論 マッハツェンダ干渉法 38 スプッリタで分離された光:BS→SM→RSA→SC 一方の光路中に透過物体を挿入 →屈折率分布に応じた干渉縞 流体工学特論 19 39 密度と干渉縞の関係 ρ = ρ0 + 1 λ (2 N − 1) K 2d N:干渉縞次数 λ:光の波長 d: 観測部のZ軸方向 流体工学特論 40 撮影事例 タービン翼列 Re=8×105 酸水素炎 流体工学特論 20 流体力の測定 41 物体に働く流体力 抗力 (流れ方向) 揚力 (鉛直方向) 横力 (横方向) モーメント ピッチング ヨー ローリング 流体工学特論 42 市販のロードセル装置 流体工学特論 21 ロードセルの原理 43 力F 金属細線 電気抵抗R ブリッジ回路 流体工学特論 風洞における流体力の測定 44 風洞ノズル ロードセル 流体工学特論 22 ストラット型 (自動車) ストラット型(自動車) 45 流体工学特論 ストラット型(航空機) 46 流体工学特論 23 最新 F-1用風洞 最新F-1用風洞 47 流体工学特論 55ベルト方式 ベルト方式 (ダイムラークライスラー) 48 流体工学特論 24 吊り下げ型 49 流体工学特論 磁力支持天秤装置 50 測定部寸法:60cm×60cm 風速範囲:0~35m/s 最大模型質量 :7kg 抗力:16N 横力:35N 揚力:109N ローリングモーメント 0N・m ピッチングモーメント 13.7N・m 流体工学特論 ヨーイングモーメント 6.8N・m 25 51 パンタグラフ揚力測定実験 ロードセル用ワイヤ 揚力特性改善実験 流体工学特論 52 流体工学特論 26 53 測定結果 6 集電パンタ(なびき) 270km/h 揚力 [N] 5 4 3 2 1 1/3 スケールモデル 0 0 5 10 15 スロープ角度 [deg] 流体工学特論 揚力測定実習 54 風洞:流体研究回流風洞 流速:30 m/s 翼モデル:NACA0012 迎角:0~15度 測定データ:揚力、抗力、流速 データ整理方法:迎角αに対するCl及びCdの変化を グラフにまとめる 流速測定方法:ピトー管、傾斜管マノメータ 流体力測定方法:ロードセル 流体工学特論 27 55 測定例 1.2 Cl 1 Cd Cl, Cd 0.8 Lift 0.6 0.4 Drag 0.2 0 0 5 10 15 20 25 30 α(°) 流体工学特論 28