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World Adventurers for Kids
By M.G.Edwards
シノプシス
[タイトル]
原書タイトル:
原書タイトル訳:
[原書の情報]
出版社:
刊行年度:
ページ数:
ISBN 10:
ISBN 13:
World Adventurers for Kids Books 1-3
こどものための世界冒険シリーズ 1巻~3巻
クリエートスペース(Createspace)
2013年 6月5日
94 ページ
1480122114
978-1480122116
[著者紹介]
M.G.エドワーズ (M.G. Edwards)
米国ワシントン州立大学にて、中国研究で修士号を取得。又、同大学で MBA
も所得。2011年に本格的に執筆活動に専念するまで、外交官として韓国、パ
ラグアイ、ザンビアに赴任した経験を持つ。現在は妻子とタイのバンコック
に住居。息子のアレキサンダーは本シリーズ第一巻目の共著者でもある。
これまでに6冊の著作があり、ジャンルはスリラー、SF、ノンフィクション、
冒険小説、絵本と幅広い。中でも、世界冒険シリーズの第一作目である著者
のキリマンジェロ登頂への挑戦とその当時の心情をつづった自叙伝 Kilimanjaro: One Man's Quest to Go Over the Hill は 2012年度のBook of the Year
Award (IndieFab Awards といわれる賞の旅行エッセイ部門)と Global eBook
Award (啓蒙書・ノンフィクション部門)の最終審査まで残った。
[原書の内容要点と構成]
本書はこどものための世界冒険シリーズとして、3つの独立した話から成っ
ており、第一巻、サンショウウオのアレキサンダーの物語ではアマゾンでの
冒険を通して大人の言うことを聞くことの大切さを、第二巻、タイに住む像
のエリーの話では夢を持ちそれに向かって努力することの大切さを、第三巻、
シマウマのゾーイの話では学校でのいじめにどう対処したらいいかを、こど
ものレベルでやさしく分かりやすく説いている。
[目次]
第一巻
第二巻
第三巻
サンショウウオのアレキサンダー
ゾウのエリー
シマウマのゾーイ
[あらすじ]
Synopsys
クラーク
真理
World Adventurers for Kids
By M.G.Edwards
第一巻
サンショウウオのアレキサンダー
サンショウウオのアレキサンダーは南米のジャングル奥深く、アマゾン河の
岸にあるリオ入江に住んでいる。夏休みが終わって学校に登校すると転校生
がいた。「ボクの名前はテリー」と自己紹介したタランチュラのテリーとア
レキサンダー、蝶々のエアリーは仲良く遊んでいたが、「ちょっとだけのぞ
いてみよう」とテリーに誘われ、行ってはいけないと言われていたジャング
ルへと入って行ってしまった。コンゴインコとオウムはジャングルには沢山
の生き物がいると教えてくれた。サルのマニーはジャングルは面白いけれど
危険もいっぱいだと忠告するが、三匹は見るものすべてが物珍しく聞く耳を
もたない。色々なジャングルの動物や植物に出会いながらどんどん奥に進ん
で行き、やがてとてもきれいな大きな沼にたどり着いた。そこにはピラニア
のパーシーがいて「ここはリオ入江から随分遠いし、『おそろし沼』って言
って危険が一杯だよ。早く帰ったほうがいいよ」と忠告してくれた。パーシ
ーが言い終わるか終わらないかのうちにお腹をすかせたワニが現れ、三匹を
食べようとする。きわどいところでワニの攻撃から逃れ、ほっとしたのもつ
かの間、今度はアナコンダが待ちかまえていた。そして、一緒にお昼ご飯を
食べようと招待する。アナコンダは三匹を食べてしまうのではないのか?
絶体絶命だと思ったときに学校の先生たち、ジャングルの動物たちとアリの
軍隊が助けに来てくれた。アナコンダは皆ににらまれて退散していった。ジ
ャングルに行ってはいけないといわれていたのに、言いつけを守らなかった
ためにアレキサンダー、エアリー、テリーは怖い思いをしたし、皆に心配を
かけてしまった。今度から先生のいうことをちゃんと守ります。と三匹は反
省した。そして皆は無事、リオ入江に帰って行った。
第二巻
ゾウのエリー
ゾウのエリーはタイにあるパチダム学校に通っている。エリーはスポーツと
科学が大好きで新しいことを勉強したり、いろんなスポーツをするのをとて
も楽しんでいる。エリーの両親は学校を卒業したら畑で働いて欲しいと思っ
ているが、エリーはスポーツ選手になる夢を持っている。一番好きなスポー
ツはエレファント・ポロ。ゾウが走り、背中に乗せた二人の人間の選手の一
人が走る方向を決め、もう一人が長いマレット(クリケットやポロでつかう
ボールを打つ槌)でゴールを決めるスポーツだ。エリーは毎年このスポーツ
のエレファント・カップを見ていて競技の仕方を習いたいと思っている。だ
が、エリーの家族は代々畑仕事をしており、両親はそれが一番だと思ってい
るのだ。
今年もエレファント・カップの季節がやってきた。何とパチダムチームが新
しい選手を募集している! エリーは応募したいと思ったが、両親は許可してく
れるだろうか。家に帰ると思い切ってポロのチームに入りたいと頼んだが、
お父さんは反対し、畑仕事を手伝いなさいと言った。がっくりしたエリーだ
が、翌日、家族の古い友人サルのモンクおじさんとエリーの兄エヴァンの口
ぞえと共にもう一度頼むと、お父さんが許可をしてくれた。次の日からワサ
ンとワタナという二人の男の子とチームを組みトーナメントにむけ猛練習を
始めた。トーナメント初日エリーのチームは勝ったが、エリーは緊張してし
Synopsys
クラーク
真理
World Adventurers for Kids
By M.G.Edwards
まい思うようにプレーができなかった。がっくりしているエリーに両親は、
「今まで一生懸命練習してきたんだから、大丈夫。自信を持って!」と励ま
してくれた。エリーのチームは勝ち進みついに優勝決定戦。エリーはとても
緊張していた。ゲームが始まり相手チームが先制点を入れる。ふと目をあげ
ると両親とエヴァン兄さんが応援してくれているのが見えた。よし、頑張ろ
う!エリーは猛烈に走り、ワタナがゴールを決めた。これで同点!そしてま
た一点!ついにエリーのチームが勝った!エリーのおかげだと皆大よろこび
だ。エリーもこんなに幸せな気分になったことはない。サルのモンクおじさ
んが来て「おまえが一番のチャンピオンだよ、エリー。夢をあきらめなかっ
たからね。おめでとう」と言った。
第三巻
シマウマのゾーイ
シマウマのゾーイはザンビアのサファリに家族と一緒に暮らしている。イン
パラのエマは一番の友だちで、ゾーイはエマと鬼ごっこをしたり、葉っぱを
食べながらおしゃべりしたりするのが大好きだ。ある日、エマとソーセー
ジ・ツリー(ソーセージのような実がなることからついた木の名前)学校へ
った。「お昼ごはんを食べたらすぐ行くよ」と言うウォーリーを後にゾーイ
とエマは学校へと向かった。その日は河でワニに見つからないように水を飲
む方法を習った。結局学校に来なかったウォーリーを心配してゾーイはウォ
ーリーがお昼ごはんを食べていたあたりで「ウォーリー、どこにいるの?」
と呼んでみた。突然茂みの方で物音がしたので行ってみるとハイエナのグル
ープがウォーリーをいじめていた。ゾーイはとっさに間に割って入り、ハイ
エナたちを追い払った。
ゾーイとウォーリーはソーセージ・ツリーのところで他の友だちと合流し事
情を説明した。するとバブーンのバリーが「皆でハイエナたちをこらしめて
やろう!」と言い出した。アフリカスイギュウ、カバ、ライオンが仲間に加
わった。ゾーイが「まず、皆かくれて。わたしとウォーリーがハイエナたち
をおびき寄せるから、そしたら全員でわっと出てきて。ハイエナたちびっく
りして、もうウォーリーをいじめなくなると思う」と作戦を説明した。皆が
かくれて待っているとキリンのくびなが先生が現れた。そして、ハイエナを
脅かしても問題の解決にはならないと諭す。くびなが先生に聞かれると、ハ
イエナたちはいじめたことを認めあやまった。そしてみんなは仲良くなった。
のちにハイエナのハイジとウォーリーは一番の親友になった。ザンベジ河の
ほとりをあるきながら、「わたし、大きくなったらくびなが先生みたいにな
りたい。いじめを止めさせて皆を仲良くさせるなんですごいもの。もし、今
度いじめがあったらすぐ先生に相談するわ」とゾーイはバリーに話すのだっ
た。
[分析・評価]
本書の第一巻は著者がアマゾンへの旅行の後、自分の息子と一緒に書いた物
語で主人公の名前が息子と同じアレキサンダーである。シリーズの第二巻、
第三巻はその続きとして書かれたものである。小学校低学年以下向けに書か
れた本で文体はシンプルで、難しい語彙もない。『大人の言うことをきく』
Synopsys
クラーク
真理
World Adventurers for Kids
By M.G.Edwards
『あきらめない』『いじめ』は子供むけの書籍の永遠のテーマで、類書はシ
ンデレラや浦島太郎、赤ずきんちゃんなど数多く、たいていの低年齢児童む
けの本はこの3つのテーマが主ではないだろうか。本書は各巻ひとつのテーマ
で、物語の最後にはっきりと主旨が述べられている。
一巻ごとのページ数は30ページ強で、この年齢層を対象にした本にしてはや
や多いが、カラフルなジャングル、タイの村、サファリの実際の写真に手を
加えた挿絵が各ページの半分を占めており、書かれている言葉そのものはそ
れほど多くない。また、写真に手を加えることで物語の主人公が身近に感じ
られるという効果をだしている。世界のあちらこちらに生息するさまざまな
生き物が登場するので、物語だけでなく、子供が次のページにどんな動物が
でてくるのか楽しみにできるような工夫もしてあるので、生き物についても
子供たちと話し合える。
ただ、物語に登場する動物、生き物たちの名前や、場所の名前が頭韻をふん
でいるので、(例えば、Ellie the Elephant や Zoe the Zebra lives near the
Zambezi River in the land of Zambia.など) これをどう訳したら原書の意を伝え
ることができるか、または日本語でおもしろく表現できるか、そのためには
変換が必要かなどが考え所である。
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クラーク
真理
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