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高森英文先生(国語)推薦本
6月の陰暦別称は水無月。あれ。6月って梅雨だから水有月じゃない。明治で急に気候変動?と思っては い け ま せ ん 。陰 暦 と 陽 暦 は だ い た い 4 0 日 く ら い 日 に ち が ず れ ま す 。水 無 月 は 陽 暦 の 7 月 中 旬 。日 照 り の 時 期 。 皐 月 ( 陰 暦 5 月 ) 1 日 は 現 在 の 6 月 9 日 で 梅 雨 の 頃 。 芭 蕉 の 「 五 月 雨 を 集 め て は や し 最 上 川 」 の 「 五 月 雨 ( サ ミ ダ レ )」 は 梅 雨 平成25年度第2号 武雄高校図書指導部 時の雨です。途切れながらだらだらと続く雨、これから「五月雨式」という言い方も派生します。期末考査を過ぎ るとスカッと仲夏。自分を成長させてくれる本と出会いたいですね。今回は3年学年主任の高森先生と養護教 諭の畠山先生に本を推薦していただきました。ありがとうございます。 H25.6.20発行 高森英文先生(国語)推薦本 ☆『カラマーゾフの兄弟(上・中・下)』☆ ドストエフスキー・原卓也訳☆新潮文庫 前 回 の 紹 介 者 の 選 び 方 が 、 あ ま り に も 絶 妙 だ っ た の で ( 早 速 そ の う ち 4 冊 を 購 入 し ま し た )、 同 じ 伝 で は 到 底 勝 ち 目 は な く 、 見 劣 り す る こ と 必 定 ゆ え 、 ジ ャ パ ニ ー ズ の ネ イ テ ィ ヴ であり、文学部の出身として、王道のど真ん中を行きます。まず、外国文学から。芸術の各ジャンルには、その最盛期に屹立する最高峰の作品がありますが、小説というジャンル で は 、 こ の 作 品 で す 。 わ か る / わ か ら な い は 、 問 題 で は あ り ま せ ん ( 私 も た い し て 何 も わ か っ ち ゃ い ま せ ん )。 高 校 生 の 時 は 、 わ か る 本 を 読 ん で は ダ メ で 、 む し ろ わ か り に く い 本 を読むべきです。そして、最高のもの、一番いいものを手に取ることが大切です。長編なので、一気に読もうとせずに、朝の連続テレビ小説を見るみたいに、少しずつ気長に読み 進めてもいいでしょう。ロシア文学は、登場人物の名前が覚えにくいので、私は、本のはじめのほうの白頁に主要登場人物の名前を書き込みながら読みました。同じ作家の『罪と 罰 ( 上 ・ 下 )』 も 読 み や す く 、 お 勧 め で す 。 ☆『それから』☆ 畠山千穂先生(養護)推薦本 夏目漱石☆新潮文庫 日 本 の 近 代 小 説 の 最 高 峰 は 、『 夜 明 け 前 』( 島 崎 藤 村 ) だ と 思 っ て い る の で す が 、 と っ つ き に く い の で、第一人者、夏目漱石から一冊。高校生にとっては、内容の理解はともかく、漱石の文章に親しむこ と自体が、言語能力を飛躍的に向上させるはずです。主人公は長井代助と平岡三千代。破滅を選んだと いうより、自分の生き方をとおし、心に従って進めたら、必然的にそういことになったということでし ょう。まあな。 ☆『五重塔』☆ 幸田露伴☆岩波文庫 文 語 か ら も 一 冊 。『 金 色 夜 叉 』( 尾 崎 紅 葉 ) の ひ り ひ り す る 感 じ や 、『 に ご り え ・ た け く ら べ 』 ( 樋 口 一 葉 / 新 潮 文 庫 )の せ つ な さ も い い ん で す が 、憧 れ を こ め て 。い っ そ 古 典 な ら 、『 平 家 物 語 』。 武 雄 高 校 の 生 徒 な ら 、 十 分 読 め ま す 。「 波 の 下 に も 都 の 候 ふ ぞ 。」 心 打 た れ ま す 。 芸術鑑賞会 9月27日 サウンドジャグラー Jazz Orchestra 演 奏 会 全員ソロプレイヤーとしての実力 をもつ奏者ばかりで本物のジャズ の素晴らしさ、ビックバンドの迫 力 が 堪 能 で きま す 。 ワ ク ワ ク 。 推薦本コーナーがで きました ★桐島、部活やめるってよ★ 朝井リョウ/集英社文庫 映 画 化 も さ れ て い る ので 、 知 っ て い る 人 も 多 いか と 思 い ま す 。 高校生独特の世界観の心情描写に惹かれます。私自身作者と同じ年代 ということもあり、よりリアルに感じました。桐島が部活をやめること で起こっていく様々な心の動き…、今現在高校生の皆さんは、悩みや喜 びな ど 登 場 人 物 に 共 感 する と こ ろ も 多 く あ る か もし れ ま せ ん 。 ☆ 失 はれ る 物 語☆ 乙 一/角川 文 庫 短編集です。読み始めてすぐに、乙一さん独特の世界に引き込まれま した。1つの話を読み終えるたびに、胸がきゅっとなったり、ほっとし た り … 、「 生 き る 」 と い う こ と に つ い て 考 え さ せ ら れ ま す 。 全 体 的 に は 切ない話が多いのですが、様々な不思議な世界を味わう事が出来ます。 話の 結 末 を 知 っ て い て も何 回 で も 読 み た く な る 本で す 。 ☆くじけそうなときには☆宇佐美百合子/PHP研究所 み な さ ん は 現 在 も 、 そ し て こ れ か ら も 、「 嬉 し い 、 楽 し い 経 験 」 ば か りではなく、悩んだり、思いがけない壁にぶつかって落ち込んだり、自 信をなくしたり、いろいろな「苦しい経験」もしていくと思います。し か し そ の よ う な 時 で も 、「 考 え 方 を 少 し 変 え る だ け で 、 新 た な 自 分 を 発 見できる!」ということを私は思います。くじけそうなときに、新しい 視点を持つヒントになるような、また、心がふっと軽くなるようなすて きな 言 葉 が た く さ ん 載 って い る メ ッ セ ー ジ ブ ッ クで す 。この 本 を 読 ん で、 自分 の お 気 に 入 り の 言 葉を 見 つ け て く だ さ い 。 ◆「つまり、まあ、桐島おらんようになるけど、副キャプテンの孝介中心に、とり あえず次の大会までがんばろう。だからリベロはお前な、風助」油断していた。ふ わっと、視線が重い空気となって自分に向かってきたのがわかった。孝介に、ひじ でこつんと体を突かれる。はい、と返事をしたけれど、なん とも頼り ない声になってしまった。 ■ミーチャに対するカテリーナの愛の、束の間ではあるが、 はげしい 再発は、もはやイワンを完全な狂乱におとしいれた。奇妙な ことに、 すでに記した、アリョーシャがミーチャとの面会の帰りに寄 ったとき に、カ テリーナの家で起ったあの最後の一 幕まで、 イワン は、自分があれほど 憎んでい る兄に 対 し て 彼 女 の 愛 が《 再 発》したにもかかわら ず、ま るひと月の間にただ の一度として彼女の口 から、 ミーチャの有罪に対 する疑念をきいたこと がなか った。さらにもう一 つ注目すべきことは、 彼がミ ーチャへの憎悪が日 ましに強まるのを感じ な が ら 、同 時 に 一 方 で は 、 ●三千代は美しい線を重ねた鮮やかな二重瞼 を持つてゐる。眼の恰 好は細長い方であるが、瞳を据ゑて凝と物を 見るときに、それが何 かの具合で大変大きく見える。代助は是を黒眼の働きと判断してゐた。三千代が細 君にならない前、代助はよく、三千代の斯う云ふ眼遣を見た。さうして今でも善く 覚えてゐる。三千代の顔を頭の中に浮 べ や う と す る と 、顔 の 輪 郭 が 、 まだ出来上らないうちに、此黒い、濕 んだ様に暈された眼が、ぽつ と出て来る。 7/31(消 印 ): 高 校 生 福 祉 文 化賞 エ ッ セ イ コ ン テ スト 「 3 6 ℃ の 言 葉 」 800 字 以 内 8/10( 消 印 ): 佐 賀 県 文 学 賞 [小説 、 随 筆 、 詩 、 短 歌 、 俳句 、 川 柳 ] 9/ 4( 消 印 ): 環 境 論 文( 鳥 取 環 境 大 学 ) 2000 ~ 3000 字 [わ たし た ち が 望 む 未 来 の環 境 ] 9/ 5( 必 着 ): 高 校 生 ・留 学 生 作 文 コ ン ク ール ( 拓 殖 大 ) 原 稿 用紙 4 ~ 5 枚 「 私 の 国際 交 流 体 験」「 私 が で きる 社 会 貢 献 」 9/ 9( 必 着 ): N R I 学生 小 論 文 コ ン ク ー ル( 野 村 総 合 研 究 所 )2500 ~ 3000 字 「 世 界 に向 け て 未 来 を 提 案 しよ う 」 9/ 9( 消 印 ): 全 国 高 校生 創 作 コ ン テ ス ト (高 校 生 新 聞 社)「 短 編 小説 現 代 詩 短 歌 俳 句 」 9/13( 消 印 ): エ ッ セ イ コ ンテ ス ト ( J I C A ) 原 稿 用 紙 4 枚 「 世 界 と日 本 の 幸 せ の た め に― 私 が し た い こ と 、す べ き こ と 」 9 /15 (必 着): 全 国 高 校生 童 話 大 賞 ( 花 巻 市) 原稿 用 紙 5 ~ 20 枚 9/20( 消 印 ): 全 国 高 校 生 付け 句 コ ン ク ー ル ( 豊 田 市 文 化 財 団) 9/20( 消 印 ): 全 国 読 書 体 験コ ン ク ー ル ( 一 橋 教育 振 興 会 ) 9/30( 必 着 ): 青 春 俳 句 大 賞( 龍 谷 大 学 ) 2 句1 組 9/30 (消 印):三 十 一 文 字 コ ン テ スト ( 白 石 町 ) 2 首以 内 [愛 を テ ーマ に し た も の ] 10/28 (消 印 ): 田 辺 聖 子 文 学 館 ジ ュ ニ ア 文 学 賞 (大 阪 樟 蔭 女 子 大 ) [ 小 説 ・エ ッ セ イ ・ 読 書 体 験・ 短 歌 ・ 俳 句 ・ 川 柳] 10/31 (必 着 ):「 SEITO百 人 一 首 」 短 歌コ ン ク ー ル ( 同 志 社女 子 大 ) 10/31(消 印): 高 校 生小 論 文 コ ン ク ー ル ( 読 売 新 聞 ) 個 人 1200 ~ 1600 字 グ ル ー プ 2400 ~ 4000 字 詳 し く 知 り た い 人 は 国語 科 の 馬 場 ま た は 岩 﨑ま で 。 H P か ら で も 応 募 要 領、 応 募 用 紙 が ダ ウ ン ロー ド で き ま す 。 期末考査が終わる頃に閲覧します ★ スタ ー リ ン の 鼻 が 落っ こ ち た / ロ シ ア の 小 説 で す 。 ★ 国 民 の コ ト バ ( 高 橋 源 一 郎 ) / や わ ら か い 内 容 の お も し ろ い 言 語 論 ? た と え ば 「 萌 え な 」 こ と ば 、「 ゼ ク シ ィ な 」 こ と ば と か … ★ 日本語 の〈書 き 〉方 ( 森 山 卓 郎 ) / 日 本 語 学 者 が わ か り や す く 語 る 、 新 し い 文 章 レ ッ ス ン . 森 永 卓 郎 で は あ り ませ ん よ 。 ★ ファ ッショ ン フード、あ ります / 1970 年 か ら の 食 の 文 化 史 で す 。 ★ 百 人一 首百 うた がた り / 百 人 の 歌 人 の も の が た り 。 分 か り や す い 。 ★ 領土 問 題を ど う 解決 す る か ( 和 田 春 樹 ) / ほ ん と う に ど う 解 決 す る ん で し ょ う 。 ★ 知 の逆 転 / D N A 二 重 ら せ ん 構 造 の ワ ト ソ ン 、 生 成 文 法 の チ ョ ム ス キ ー 等 世 界 の 6 人 の 知 の 巨 人 へ の イ ン タ ビ ュ ー 集 で す 。 ★ 学 問は 現実に い かに 関わ るか (三 谷 太 一郎)/ 根本の問題です。一度はしっかり考えておいた方がよいでしょう。難しいけど何かが分かる本。 ★「黄金のバンタム」を破った男(百田尚樹)/世界チャンプのファ イティング原田の物語。知らないだろうなあ。 ★がばいばあちゃんの勇気がわく50の言葉(島田洋七)/わくかな? ★学生諸君/夏目漱石・宮沢賢治・太宰治・井上陽水等、 総 勢 32 人 の 若 者 へ の メ ー セー ジ 集 。 ★ 歴史と はなに か ( 岡 田 英 弘 ) / 歴 史と は 「 在 っ た 」 も ので は あ り ま せ ん 。 書か れ た も の で す 。 そこ か ら 考 え 始 め る こと が よ ろ し い よ う です 。 ★ 歴史学 未来のまな ざし ( 高 山 博) / 「 中 世 シ チ リ ア から グ ロ ー バ ル ・ ヒ ス トリ ー へ 」 と い う subtitle が つ い て い ま す 。 ★ 身 体の零度 ( 三 浦 雅 士 ) /難 し い が 何 か が 分 かる 本 。 よ く 入 試 に も で ま す 。 ★ タ テ ヨ コ 総整理 世界史 ×文 化史集 中講義 / 受 験 用 で す 。 ★ 日本 史タ テ ヨ コ総 整理 / こ れ も で す 。 ★ 日 本とい う国 ( 小 熊 英 二) / 今 の そ し て こ れか ら の 日 本 を 考 え る 見 取 り 図 。 ★ ヒ エ ログ リフ で 学ぼ う ( 吉 村 作 治 ) / 古 代 エ ジ プ ト の 入 門 書 。 ★ ア ラス カ 光と 風 ( 星 野 道 夫 ) / ア ラス カ 撮 影 旅 行 記 で す 。 ★ 世界は 危険で 面白 い ( 渡 部 陽 一 ) / 著 者 は 戦 場 カ メ ラ マ ン の あ の 人 で す 。 ★ 「原 爆 の 子 の 像 」 の 物語 ( N H K 広 島 ) / 原 爆 病 で 12 才 で 亡 く な っ た 少 女 の 物 語 。 ★ 二一 世紀 の 資本 主義 論 ( 岩 井 克 人 ) / 難 し い が 何 か が 分 か る 本 。 よ く 入 試 に も で ま す 。 ★ あ し たを つ か め 平成 若者 仕 事図 鑑 ( N H K ) / あ な た は な に を し た い で す か 。 ★ ボ ラ ン テ ィ ア ( 金 子 都 容 ) / ボ ラ ン テ ィ ア の 本 質 は や っ た 人 に し か 分 か ら な い と 筆 者 は 述 べ て い ま す 。 ★ コ ミ ュ ニ テ ィ ー ・ ス クー ル 構 想 ( 金 子 都 容 ) / 教 育 学 部 希 望 の 人 は 読 ん で お い た 方 が い い で す よ 。 ★ レ イ コ @ チ ョ ー ト 校 / 著 者 の 岡 崎 玲 子 さ ん は ア メ リ カ 東 部 名 門 プ レ ッ プ ス ク ー ル に 通 う 1 6 歳 で す 。 ★ 手 で 笑 っ て 手 で な い て ( 谷 千 春 ) / subtitle は 手 話 で 社 会 を つ な ぐ 、 で す 。 ★ フ ロ ム ・ ミ ー ・ ト ウ ・ ユ ー ( 小 路 幸 也 ) / 小 説 で す 。 え な り か ず き 氏 が 推 薦 し て い ま す 。 ★ 人 は な ぜ 服 を 着る の か ( 鷲田 清 一 ) / 「 わ た し 」 と い う 存 在 を め ぐ る 哲 学 で す 。 こ れ も 難 し い が 何 か が 分 か る 本 。 こ の 著 者 の 書 い た も の も よ く 入 試 に で て い ま す 。 ★ 色彩 を持たない多崎つくる と、彼の巡礼の年 ( 村 上 春 樹 ) / タ イ トル が 長 す ぎ で は 。