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最新インタフェース の仕組み
じっくり読んで理解する 最新インタフェースの仕組み 第 2回 SATA Express PCI ExpressとSerial ATAの両方を扱える新端子 Serial ATA では 6Gbps 以上の速度が計画されて おらず、SSD の性能が頭打ちになっている。そこ で PCI Express の 信 号 を 引 き 込 ん だ SATA Express が規格化された。PCI Express 接続なら より高速にアクセスできる。 大原 雄介=テクニカルライター ハードディスク(HDD)や SSDと きが速くならないからだ。そのため、 たチップセット(パソコンの主要な いったストレージ機器は、技術の進 ストレージ機器の進化に合わせて、 機能を決定付ける中核となる制御チ 化により機器そのものの読み書きが インタフェースもより速い規格が登 ップ)が登場したのは 2003 年。当初 速くなってくると、パソコンとの接 場してきた。 は 1.5Gbps(8ビットを10ビットに変 続に使うインタフェースの速度が問 現在のパソコンにおいてストレー 換して伝送するため、150MB /秒) 題になってくる。インタフェースの ジ機器の接続には Serial ATA が使 だったが、その後 3Gbps(300MB / 仕様上の最大速度以上には、読み書 われている。Serial ATA に対応し 秒) 、6Gbps(600MB /秒)と高速化 してきた。しかし、2014 年 4 月時点 ● SSD の高速化はまだまだ続く パソコンとの 接続も高速にする 必要がある フラッシュ メモリー で 6Gbpsより速い規格は予定にない。 フラッシュメモリー のスピードが向上 SSD コントローラー フラッシュメモリーを制御する コントローラーもよりパワフルに データ伝送 路の追加 図 1 SSD の内部。フラッシ ュメモリーからのデータ入出 力(I/O)の速度を上げたり、デ ー タアクセスの伝送路を増や し た り す る の に 合 わ せ て、 SSD コントローラーも強化す る。 アクセス速度の向上に合 わせてインタフ ェ ー ス側も高 速 に す る 必 要 が あ る。 図 は SATA-IO が公開している資料 を基に作図した ●ストレージやそのほかの機器を接続するインタフェースの概要 名称 内容 図 2 各種のデバイスを接続す 各種制御チップなどを接続する汎用のイン る汎用のインタフェースが PCI PCI Express タフェース規格 Express。同 Mini Card はそ PCI Express の小型の拡張カ ー ド規格。 の小型スロ ッ ト規格だ。 スト PCI Express Mini Card ノートパソコンや小型パソコンで使われる レージは Serial ATA で接続す Serial ATA ストレージを接続するインタフェース規格 る。mSATA は PCI Express PCI Express Mini Card と同じ端子を使 Mini Card と同じ形状の端子 mSATA って Serial ATA 機器を接続する規格 に Serial ATA の信号を流す規 Serial ATA や PCI Express などの各種 格。M.2 と SATA Express は M.2 インタフェースを搭載できるカード規格 PCI Express と Serial ATA Serial ATA と PCI Express の両方を実 という全く異なる信号を両方 SATA Express 装できるインタフェース規格 扱えるインタフェースだ 最大転送速度 150MB /秒 300MB /秒 600MB /秒 500MB /秒 1GB /秒 2GB /秒 1GB /秒 2GB /秒 4GB /秒 一方、ストレ ージ機器側は特に SSD で高速化が進んでいる(図 1) 。 一般消費者向けでも高速な製品だと、 読み出し速度が 500MB /秒を軽く 超えており、Serial ATA 6Gbpsは、 速 度 面 から限 界を迎えつつある。 「6Gbps の壁」を打ち破るべく出てき たアイデアが PCI Express の活用だ。 図 2 は汎用インタフェースである PCI Express やストレージ関連規格 の用語をまとめたものだ。連載の第 1 回 で 取 り 上 げ た M.2 は、Serial ATA や PCI Express、USB などの 信号線を引き込んだ、機器への内蔵 用の小型拡張カードの規格だった。 今回取り上げる SATA Express は 仕組みとしては M.2 に似ているが、 ●レーンを束ねられるPCI Express が速い インタフェースの種類 Serial ATA 1.5Gbps Serial ATA 3Gbps Serial ATA 6Gbps PCI Express 2.x x1(片方向) PCI Express 2.x x2(片方向) PCI Express 2.x x4(片方向) PCI Express 3.0 x1(片方向) PCI Express 3.0 x2(片方向) PCI Express 3.0 x4(片方向) M.2と似たSATA Express 図 3 S e r i a l A T A と P C I Express の速度をまとめた。 Serial ATA の主流は 6Gbps。 これ以上の速度は規格化され ておらず、 予定もない。PCI Express はバージョンにより 1 レーン(表中の x1)の速度が 異なる。 最新の 3.0 は片方向 1GB / 秒。2 レ ー ン 束 ね る (x2)だと 2GB /秒になる 端子の形状が異なり、M.2 ほどの汎 用性はない。 SATA ExpressもM.2と同様に既 に標準化が完了している。M.2 がモ バイルプラットフォーム向けだった のに対し、SATA Expressはデスク トップパソコンや一部のサーバーな 日経パソコン 2014.4.28 101