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浄水場浄水汚泥の有効利用に関する基礎的研究
京都府中小企業技術センター技報№3 9 (2 0 1 1 ) 浄水場浄水汚泥の有効利用に関する基礎的研究 田 中 康 司*1 河 村 眞 也*2 [要 旨] 浄水場で発生する浄水汚泥の有効利用を目的とした資材加工法の開発を行うに先立ち、当該技術の実 用化に対する不確定要因を除くため、事業環境の検討を行った。具体的には、汚泥供給量と加工資材の 需要量のバランスを見通しつつ、利用法(適用対象)を探索し、事業化に必要な基盤を有する(共同研 究開発の相手として好適な)府内企業の有無について調べた。 検討の結果、該当する企業(候補)が7社存在することがわかった。 1 はじめに 表1 京都府営水道乙訓浄水場浄水汚泥の組成 浄水汚泥は、浄水場で河川等の原水を浄化する ర⚛ฬ ⚵ᚑ୯䋨䌷䌴䋦䋩 際、不可避に発生する。これらは一部グランド 改 㪦 㪌㪋㪅㪉 良材として廉価で売買されるが、多くは廃棄物と 㪪㫀 㪈㪎㪅㪉 して処分されるのが現状である。 㪘㫃 㪈㪌㪅㪈 浄水汚泥を高付加価値の資材に加工する方法と 㪚 㪎㪅㪈 新規用途を確立できれば、廃棄物の有効活用だけ 㪝㪼 㪉㪅㪐 でなく製品としても環境負荷低減に寄与できる。 㪢 㪈㪅㪉 資材化を考えるにあたり、浄水汚泥のおよその 䈠䈱ઁ 㪉㪅㪊 組成として、京都府営水道乙訓浄水場の浄水汚泥 を蛍光X線分析した結果を表1に示す。汚泥には 度、特定の物質の吸脱着、湿分調整、化学反応促 土砂等に由来するケイ酸塩、浄水処理の過程で注 進(触媒)などの機能によって、環境負荷低減型 入される凝集剤のポリ塩化アルミニウムが含まれ の材料開発につながるものと期待される。 ている。このケイ酸塩とアルミ化合物の混合物は しかし、リサイクル素材技術開発においてまま 水熱合成反応させることでポーラスシリカ、ゼオ 見受けられるのは、事業化の見通しを欠いたまま ライトを得ることができる。また、汚泥中に含ま 開発を進め、結果、採算問題や、需給バランスが れる有機物からは、活性炭又はそれに類似する炭 解決できず頓挫してしまうケースである。 素化合物を得ることも可能である。 浄水汚泥のリサイクル資材を開発する上で整理 これらの機能素材は、どちらも微細な空孔を多 しておくべき事業環境の諸元について、以下の3 数有するその構造から、軽量な割に高い機械的強 点にまとめ調査したので報告する。 ① 文献調査によるゼオライト等多孔質材料の 工業的用途の可能性確認 *1 基盤技術課 副主査 *2 基盤技術課 主任研究員 ② ゼオライト系リサイクル材の市場規模(出 -6 3 - 京都府中小企業技術センター技報№3 9 (2 0 1 1 ) 2.3 市場性が伺える適用先(品目)業種の 荷量、出荷額)の確認 府内企業立地状況の確認 ③ ②から市場性が伺える適用先(品目)業種 の府内企業立地状況の確認 2.2において市場性が伺えた適用先(品目) の多くが建設・建築業(建材)と土石・窯業の2 2 調査内容 業種であった。このうち、研究開発系企業の比率 2.1 ゼオライト等多孔質材料の工業的用途 が高いと推測される土石・窯業を市場性が伺える の可能性確認 適用先(品目)業種として、当所の企業登録デー 文献探索を行い、ゼオライト及びゼオライトに タである「企業情報システム」から検索し、そこ 類似した多孔質構造を有するケイ酸化合物である から通常の社業と平行して研究開発を行うだけの メソポーラスシリカ並びに浄水汚泥のリサイクル 企業規模の要件として法定の小規模企業者区分で 材及び浄水汚泥に類似する窯業系廃棄物のリサイ ある従業員数2 0 人未満の企業を除いた上で、更に、 クル材(以下「ゼオライト系リサイクル材」とい 当該企業のHP等による業容確認を踏まえ、可能 う。)について、それぞれの論文において目論まれ、 性のある企業を選出した。 期待されている用途(機能)を確認した。 今回は、更に、上記のとおり選出された企業の 所在地と、府内の河川表流水を原水とし一定規模 2.2 ゼオライト系リサイクル材の市場規模 (出荷量、出荷額)の確認 を有する浄水場の所在地を地図にプロットし、立 地適性についても確認して、浄水汚泥リサイクル 2.1の確認から絞り込まれたゼオライト系リ 材開発の事業化に必要な基盤を有する(共同研究 サイクル材の用途(機能)を踏まえ、経済産業省 開発の相手として好適な)企業とした。 が取りまとめ、発表している工業統計調査「平成 2 0 年確報 品目編」のデータを用い、ゼオライト 3 調査結果及び考察 系リサイクル材の市場(=ゼオライト系リサイク 3.1 ゼオライト等多孔質材料の工業的用途 の可能性確認 ル材によって既存材を代替し得る)として可能性 があると思われる適用先(品目)をピックアップ 文献探索の結果は表2のとおり。 した。 対象物質として溶質、ガスを合わせると「吸着」 さらに、技術開発を行った現場で事業化するこ 機能に着目したものが7件とほぼ半数を占め、次 とを想定し、ピックアップしたデータから、京都 に「保水・調湿」機能が3件、他は窯業材料、土 府内において出荷数量50 0 トン以上又は出荷金額 木資材、電波吸収材となった。 1億円以上の規模がある適用先(品目)に絞り込 しかし、これらの機能については、概ね従来か んだ。これは、浄水汚泥が相当の規模で排出され ら、ゼオライトが有するあるいは有する可能性が ることを考慮するものである。例えば、府南部7 あるものと認められてきた既知の機能といえ、 「電 市3町に水道水を供給している府営水道は1日の 波吸収」の機能がわずかに新規性が認められる程 実績送水量が約1 1 0 千m3であるが、年間1 , 6 0 0 トン 度のものであると思われる。 もの浄水汚泥が発生している。 -6 4 - 京都府中小企業技術センター技報№3 9 (2 0 1 1 ) 表2 ゼオライト、メソポーラスシリカ及びゼオライト系リサイクル材についての文献検索結果 ⊒ᐕᐲ ⊒⠪ ᚲዻ ⮮↰㩷ੳ྾ ᣣ┙ㅧ⦁ ㇢ 㗴 ᵺ᳓ᳪᵆ䈎䉌䈱䉷䉥䊤䉟䊃ൻ䈱 ㅧᴺ ᧚ᢱ ടᎿ᧦ઙ ᗐቯ↪ㅜ 㪈 㪈㪐㪐㪎 㪉 㪈㪐㪐㪏 ᧻ᧄ㩷⼾ 㕒ጟᎿᬺᛛⴚ䉶䊮 ឃ᳓ਛ䈱䊥䊮䉕㒰䈜䉎ήᯏ♽ๆ 䉺䊷 ⌕䈱㐿⊒ 㪊 㪈㪐㪐㪏 ਛ㩷㕒ᄦ ⍹Ꮉ⋵Ꮏᬺ⹜㛎 ႐ 㪋 㪈㪐㪐㪏 Ꮉ㩷㓉ᄦ ᚭ㍑ᚲ 䉷䉥䊤䉟䊃䈱วᚑᣇᴺ 㪌 ፉᩮ⋵┙Ꮏᬺᛛ 㪈㪐㪐㪐 ዊᎹ㩷ੳ৻ ⴚ䉶䊮䉺䊷 㪥㪸ဳ䉷䉥䊤䉟 ᄤὼ䉷䉥䊤䉟 ᄤὼ䉷䉥䊤䉟䊃䈮䉋䉎㋦䈱ๆ⌕․ᕈ 䊃䋨䊝䊦䊂䊅䉟 䊃䉕㪈㪇䋦㪥㪸㪚㫃 ṁ⾰ๆ⌕᧚ 䈮䈧䈇䈩 䊃䇮䉪䊥䊉䊒䉼 ṁᶧ䈪⺞ᢛ 䊨䊤䉟䊃䋩 㪍 㪉㪇㪇㪊 ᤊ㩷ᐘੑ 㪎 㪉㪇㪇㪋 㪏 㪉㪇㪇㪋 ᵺ᳓႐⊒↢ᳪᵆ䈱┇ᬺේᢱ䈻䈱 ല↪ ᵺ᳓ᳪᵆ ᳓ᾲวᚑ ᄙ↪ㅜ ᵺ᳓ᳪᵆ䊶䉝 䊦䊚䊅☳ᧃ䊶 ᷙ✵ᚑ ṁ⾰ๆ⌕᧚ 㣮ᴧ䊶䉦䉨 Ზ䊶䉧䊤䉴☳ ᚑဳഥᷝട ᵺ᳓ᳪᵆ 䋨น႟ᕈะ ┇ᬺ᧚ᢱ ⋡⊛䋩 ⍹Ἧ䇮ਅ᳓ ᳪᵆළ‛䇮 㪥㪸㪉㪚㪦㪊ᷝട ⚕䉴䊤䉾䉳 ᚑ䋫㉄ᵞᵺ ਇ ළ‛䇮䌆䌒䌐 䋫᳓ᾲวᚑ Άᱷᷲ䇮 ⷐ䈲㫂㪼㫐㩷㫎㫆㫉㪻 ੇ῎䇮ๆ⌕䇮⸅ᇦ䇮䊝䊧䉨䊠䊤䊷䉲䊷䊑䋨ಽሶ◎䋩䇮䉟䉥 䊮឵᧚䇮⢈ᢱ䇮ფᡷ⦟䇮᳓ಣℂ䇮ㄘᬺ↪⾗᧚䈱Ⴧ ㊂᧚䇮⣕⥇䉕ᗐቯ䇯 ᳓↥ടᎿឃ᳓ಣℂ䈱ಣℂ᳓䇮䊥䊮ๆ⌕䇮䋳䇮䋴࿁ౣ↢䋨㪏㪌㪇㷄 㪈㪿㫉ᚑ䋩䇮䉪䉣䊮㉄᳓ṁᶧ䈪䉅ౣ↢น⢻ ᵺ᳓ᳪᵆ䈲☼㋶‛䈱㊂ዋ䇮☸ᓘ㪈䌾㪉㪇㱘㫄 ㋕䉴䊤䉫╬ 㪉㪇㪇㪌 㘩ຠᎿ႐♽ ㈩วᷝട䋫 ᄙሹ⾰᧚ ㉄䉦䊦䉲䉡䊛䉴䊤䉾䉳䉕ᵴ↪䈚䈢 ㉄䉦䊦䉲䉡䊛 ᚑ 䋨᭴ㅧ᧚䋩 ᳓ᾃⅽ䈱㐿⊒ 䉴䊤䉾䉳 ᳓㉄ൻ䉦䊦䉲 ᗲ⍮⋵ᏱṖ┇ᬺ ਇᚑ䈮䉋䉎䊍䊷䊃䉝䉟䊤䊮䊄ൻ㒐 ☼ⅽਇ⦟ຠ ᄙሹ⾰᧚ 䉡䊛ᷝട䋫ᄤ ᤊ㩷ᐘੑ ᛛⴚ䉶䊮䉺䊷 ᱛኻ╷↪᳓ਇΆᑪ᧚䈱㐿⊒ ☳⎈ᑄ᫈‛ 䋨᭴ㅧ᧚䋩 ᣣੇ῎ 䊜䉸⚦ሹ䉕䈜䉎ᵺ᳓ᳪᵆ䈱᳓ᾲ ᶖ⍹Ἧᷝട᳓ 䉧䉴ๆ⌕᧚ ೨ᶉ㩷ᵗノ 㪠㪥㪘㪯 ᵺ᳓ᳪᵆ ᾲวᚑ ࿕ൻ 䋨⺞Ḩ䋩 ᗲᇫ⋵⚕↥ᬺ⎇ 䊒䊤䊮䊃䊧䊔䊦䈮䈍䈔䉎ฦ⒳ੱᎿ䉷 ⚕䉴䊤䉾䉳 ᳓䉧䊤䉴ᷝട ၂ౝ㩷ᥙ ਇ 䉥䊤䉟䊃䈱ㅧ⹜㛎 䋨ᳪᵆ䋩 ⓥ䉶䊮䉺䊷 䋫᳓ᾲวᚑ ᳓ᾲวᚑ䇮䉟 ၯ₹⋵↥ᬺᛛⴚ ㍌‛ᑄ⍾䈎䉌䈱㜞ᯏ⢻ဳ䉷䉥䊤䉟 ㍌‛ᑄ⍾䇮䉝 ㋈ᧁ㩷⾗ 䉥䊮឵䇮ㅧ 䉧䉴ๆ⌕᧚ ✚ว䉶䊮䉺䊷 䊃䈮䉋䉎㉄⚛Ớ❗ଏ⛎ⵝ⟎䈱㐿⊒ 䊦䊚䉴䊤䉾䉳 ☸䇮ᚑ 㒻⏛ེຠ䈱 ⾐⋵┇ᬺᛛⴚ䉶 ┇ᬺ♽ᑄ᫈‛䈱ౣ↪ൻ䈫․ᕈ⹏ ᑄ᫈‛☳ᧃ䇮 ⏛⍹⎇⏴☳ᷝ ൎᧁ㩷ብᤘ 㔚⏛ᵄๆ᧚ 䊮䉺䊷 ଔ ᑄ᫈⍹⤉ဳ☳ ട䋫᳓ᾲวᚑ ᧃ ⍹Ꮉ⋵Ꮏᬺ⹜㛎 䊜䉸䊘䊷䊤䉴䉲䊥䉦䈱วᚑ䈫㋦ๆ⌕ ᯏၮ䉕䉃 ṁ⾰ๆ⌕᧚ ╣ᧁ㩷ື ႐ ․ᕈ 䉲䊥䉦ൻว‛ ᗲ⍮⋵ᏱṖ┇ᬺ ᛛⴚ䉶䊮䉺䊷 㪐 㪉㪇㪇㪌 㪈㪇 㪉㪇㪇㪍 㪈㪈 㪉㪇㪇㪎 㪈㪉 㪉㪇㪇㪏 ਛጊ㩷⢻ਭ ችፒ⋵Ꮏᬺᛛⴚ䉶 Ꮏᬺ↪᳓ᵺ᳓ᳪᵆ䈱ല↪ 䊮䉺䊷 㪈㪊 㪉㪇㪇㪐 㩷⟤ ਃ㊀⋵Ꮏᬺ⎇ⓥ ᚲ ᵺ᳓ᳪᵆ䉕↪䈇䈢✛ൻ็ઃ䈔↪⾗ ᵺ᳓ᳪᵆ ᧚䈍䉋䈶Ꮏᴺ䈱㐿⊒ 㪈㪋 㪉㪇㪈㪇 ㋈ᧁ㩷ᱜ ↥ᬺᛛⴚ✚ว⎇ ⓥᚲ ၯ₹⋵ⅣႺൻቇ ࿖㓙䉶䊮䉺䊷 㪈㪌 㪉㪇㪈㪈 ᧁᜬ㩷⻞ Ꮏᬺ↪᳓ᵺ᳓ න⚐ᚑ ᳪᵆ ┇ᬺ᧚ᢱ ㋦ๆ⌕ ᳓䈮䉋䉎䊍䊷䊃䉝䉟䊤䊮䊄ኻ╷ലᨐ ᳓䈮䉋䉎䊍䊷䊃䉝䉟䊤䊮䊄ኻ╷ലᨐ ⓸⚛ๆ⌕⚦ሹᓘಽᏓ᷹ቯ䈎䉌䊜䉸⚦ሹ䉕᷹ቯ䇯⺞Ḩ᧚ᢱ䈫 䈚䈩น⢻ᕈ䈅䉍䇯 ⚕䉴䊤䉾䉳ළἯ䈱ല↪ ᳇ಽ㔌 䊙䉫䊈䉺䉟䊃ᷝട䈮䉋䉍䊙䉟䉪䊨ᵄๆᕈ䈏Ⴧട 㛽ᩰ᭴ㅧ䈱⇣䈭䉎䊜䉸䊘䊷䊤䉴䉲䊥䉦䉕วᚑ䇮㋦ๆ⌕⢻䉕Ყ セ䇯 ┇ᬺ᧚ᢱᬌ⸛ ᬀ↢ၮ᧚䋫 ᳓᧚䋫ᦑ⎈┻ ᧁ⾗᧚ 䋫ൻᚑ⢈ᢱ䈱 ᷙ✵ 䉮䊮䉪䊥䊷䊃Ⓧ䉂䈱䉍㕙䈻䈱✛ൻ็ઃ䈔Ꮏᴺ䈮䈧䈇䈩ല ᕈ䉕⏕䇯 ੑ㉄ൻ⚛䉕ല₸⊛䈮࿁䈜䉎ή ਇ䋨䊊䉴䉪 䊧䉟䋩 ᯏᄙሹ⾰᧚ ᳓ᾲวᚑ 䉝䊦䊚䊆䉡䊛䉬䉟㉄Ⴎ䇮䌐䌓䌁䉲䉴䊁䊛䈮䉋䉎䌃䌏㪉ๆ⌕ 䉷䉥䊤䉟䊃䉐ᐥ䈫ᬀᩱ䉕⚵䉂ว䉒䈞 ᄤὼ䉪䊥䊉䊒 䈢㉿Ꮉౣ↢ᛛⴚ䈱ታᴡᎹ䈻䈱ㆡ↪ 䉼䊨䊤䉟䊃 䈫⛽ᜬ▤ℂ 䊚䉪䊥 䋨㪪㫇㪸㫉㪾㪸㫅㫀㫌㫄 ṁ⾰ๆ⌕᧚ 㪼㫉㪼㪺㫋㫌㫄䋩䈫⚵ 䉂ว䉒䈞ᬀᩱ 3.2 ゼオライト系リサイクル材の市場規模 䉧䉴ๆ⌕᧚ ᬀ↢䊝䉳䊠䊷䊦䈮⓸⚛䇮䊥䊮䈱㒰ലᨐ䈅䉍䇯 機器2品目となった。 (出荷量、出荷額)の確認 3.1の結果を踏まえ、工業統計データからの 3.3 市場性が伺える適用先(品目)業種の 府内企業立地状況の確認 ピックアップにあたってはコンクリート関連製品、 窯業(セラミックス)製品のほか、ゼオライトが 2.3に示した手順により条件に該当する企業 使用される無機工業品として、合成洗剤(ビ ル を抽出したところ、10 社が該当した。各社の企業 ダー) 、研削・研磨材、触媒、調湿機材等を抽出し 規模、業種、主要製品の一覧表を表5に示す。表 た。今回の作業でピックアップした品目(全国デー 中のS社については、歯科材料を中心とした製品 タ)を表3に示す。 の製造を行っており、製品化において薬事法の許 また、京都府内の出荷量、出荷額データを表4 認可等の要件が厳しく、リサイクル材の適用分野 に示す。表4は、出荷数量5 0 0 トン以上又は出荷金 としては明らかに不適当であるため、除外するこ 額1億円以上の規模要件で絞り込みを行ったため、 ととした。 全国データでは38 品目であったものが13 品目に限 また、H社については、所在地が京丹波町であ 定されることとなった。 り、今回想定しているリサイクル材の原料供給が 1 3 品目の内容を見ると、コンクリート関連製品 規模と浄水工程の面で可能と考えられる浄水場が 5品目、それ以外の無機工業製品6品目、装置・ 付近にないため、除外とした。 -6 5 - 京都府中小企業技術センター技報№3 9 (2 0 1 1 ) 表3 ゼオライト系リサイクル材の活用可能性が見込まれる品目の工業統計データ(全国) 㪈␠䈅䈢䉍 ⩄㊄㗵 㪈␠䈅䈢䉍 ⩄㊄㗵 ↥ ⩄ᢙ㊂න ⩄㊄㗵 䋯 ⩄ᢙ㊂ 㩿⊖ਁ㪀 ᬺᚲᢙ 䇼㩹䋭㩹䈲ᢙ㊂⺞ᩏ䈭䈚䇽 䋨⊖ਁ䋩 ⩄ᢙ㊂ 㪇 㪉㪌㪉㪈㪈㪈 䊘䊦䊃䊤䊮䊄䉶䊜䊮䊃 ో࿖ 㪌㪉㪃㪏㪎㪎㪃㪌㪉㪏 㪈㪃㪌㪈㪇㪃㪎㪏㪎 㪊㪈㪎㪃㪇㪉㪇 㪐㪃㪇㪌㪏 㪇㪅㪇㪈 㪊㪌 䊃䊮 㪉㪌㪉㪉㪈㪈 ↢䉮䊮䉪䊥䊷䊃 㪇 ో࿖ 㪈㪇㪋㪃㪋㪋㪉㪃㪋㪋㪈 㪊㪉㪃㪈㪍㪍 㪈㪃㪉㪊㪇㪃㪈㪏㪎 㪊㪎㪐 㪈㪈㪅㪎㪏 㪊㪃㪉㪋㪎 ┙ᣇ䊜䊷䊃䊦 㪉㪌㪉㪊㪈㪏 䊒䊧䉴䊃䊧䉴䊃䉮䊮䉪䊥䊷䊃ຠ 㪇 ో࿖ 㪈㪃㪉㪌㪎㪃㪐㪎㪈 㪈㪎㪃㪇㪇㪇 㪋㪉㪃㪊㪎㪉 㪌㪎㪊 㪊㪊㪅㪍㪏 㪎㪋 䊃䊮 㪉㪇㪌㪉㪉㪈 ᵞữ↪วᚑᵞ 㪇 ో࿖ 㪎㪌㪍㪃㪊㪏㪏 㪈㪋㪃㪌㪋㪍 㪈㪏㪏㪃㪌㪋㪐 㪊㪃㪍㪉㪍 㪉㪋㪐㪅㪉㪏 㪌㪉 䊃䊮 㪊㪌㪌㪃㪎㪍㪋 㪈㪇㪃㪈㪍㪌 㪉㪎㪃㪇㪎㪊 㪎㪎㪋 㪎㪍㪅㪈㪇 㪊㪌 䊃䊮 㪉㪌㪌㪐㪉㪈 ੱㅧ⠴Ἣ᧚ 㪇 ో࿖ 㪉㪌㪉㪊㪈㪎 〝↪䉮䊮䉪䊥䊷䊃ຠ 㪇 ో࿖ 㪈㪇㪃㪌㪈㪏㪃㪇㪋㪎 㪐㪃㪍㪉㪊 㪉㪉㪈㪃㪌㪇㪋 㪉㪇㪊 㪉㪈㪅㪇㪍 㪈㪃㪇㪐㪊 䊃䊮 㪉㪌㪉㪊㪈㪍 ᧁ↪䉮䊮䉪䊥䊷䊃䊑䊨䉾䉪 㪇 ో࿖ 㪌㪃㪏㪇㪌㪃㪍㪌㪈 㪏㪃㪍㪌㪉 㪐㪎㪃㪇㪏㪊 㪈㪋㪌 㪈㪍㪅㪎㪉 㪍㪎㪈 䊃䊮 㪉㪌㪉㪊㪉㪈 䊁䊤䉹䊷ຠ 㪇 ో࿖ 㪈㪏㪍㪃㪎㪏㪊 㪎㪃㪎㪏㪊 㪈㪃㪉㪇㪏 㪌㪇 㪍㪅㪋㪎 㪉㪋 ᐔᣇ䊜䊷䊃䊦 㪉㪌㪌㪈㪈㪈 ☼⾰⠴Ἣ䉏䉖䈏 㪇 ో࿖ 㪈㪐㪐㪃㪋㪍㪉 㪍㪃㪇㪋㪋 㪊㪌㪃㪏㪎㪊 㪈㪃㪇㪏㪎 㪈㪎㪐㪅㪏㪌 㪊㪊 䊃䊮 㪉㪌㪉㪊㪈㪌 ⓨᵢ䉮䊮䉪䊥䊷䊃䊑䊨䉾䉪 㪇 ో࿖ 㪉㪍㪍㪃㪏㪏㪌 㪈㪃㪉㪋㪎 㪊㪊㪃㪋㪋㪍 㪈㪌㪍 㪈㪉㪌㪅㪊㪉 㪉㪈㪋 ජ 㪉㪌㪌㪐㪈㪈 ⠴Ἣ䊝䊦䉺䊦 㪇 ో࿖ 㪌㪍㪃 㪎㪐㪎 㪈㪃㪉㪇㪏 㪋 㪃㪉 㪌 㪋 㪐㪈 㪎㪋㪅㪐㪇 㪋 㪎 䊃䊮 㪉㪇㪌㪍㪈㪈 䉪䊧䊮䉱䊷 㪉㪎㪃㪐㪇㪉 㪇 ో࿖ 㪈㪃㪈㪍㪊 㪍㪃㪊㪈㪋 㪉㪍㪊 㪉㪉㪍㪅㪉㪐 㪉㪋 䊃䊮 㪉㪌㪎㪉㪈㪈 䊎䊃䊥䊐䉜䉟䊄⎇䈫⍹䋨䉲䊥䉬䊷䊃⎇䈫⍹䉕䉃䋩 㪇 ో࿖ 㪈㪊㪃㪊㪍㪎 㪊㪊㪋 㪈㪍㪃㪎㪋㪇 㪋㪈㪐 㪈㪃㪉㪌㪉㪅㪊㪋 㪋㪇 䊃䊮 㪉㪇㪉㪐㪉㪉 ⸅ᇦ 㪇 ో࿖ 㪇 㪊㪍㪈㪃㪉㪐㪉 㪈㪇㪃㪊㪉㪊 㪊㪌 䋭 㪉㪌㪋㪌㪈㪈 ℂൻቇ↪䊶Ꮏᬺ↪㒻⏛ེ 㪇 ో࿖ 㪇 㪈㪈㪈㪃㪐㪐㪌 㪋㪃㪏㪍㪐 㪉㪊 䋭 㪉㪌㪋㪈㪈㪈 ⴡ↢㒻ེ䋨㒝ዻຠ䉕䉃䋩 㪇 ో࿖ 㪇 㪏㪎㪃㪈㪏㪍 㪈㪃㪏㪐㪌 㪋㪍 䋭 㪉 㪌 㪌 㪈 㪈 㪐 䈠 䈱 ઁ 䈱 ⠴ Ἣ 䉏䉖 䈏 㪇 ో࿖ 㪇 㪏 㪋 㪃 㪐 㪍㪏 㪈 㪃㪏 㪏㪏 㪋㪌 䋭 㪉㪇㪉㪐㪊㪐 䈠䈱ઁ䈱ήᯏൻቇᎿᬺຠ 㪇 ో࿖ 㪇 㪎㪋㪈㪃㪊㪋㪍 㪈㪃 㪍㪋㪎 㪋 㪌㪇 䋭 㪉㪌㪎㪈㪈㪈 ᄤὼ⎇⏴᧚䋬ੱㅧ⎇᧚ 㪇 ో࿖ 㪇 㪍㪍㪃㪈㪌㪊 㪈㪃㪌㪊㪏 㪋㪊 䋭 㪉㪇㪈㪉㪈㪉 ㈩ว⢈ᢱ 㪇 ో࿖ 㪇 㪈㪈㪏㪃㪐㪐㪍 㪈㪃㪈㪎㪏 㪈㪇㪈 䋭 㪉㪌㪋㪋㪈㪐 䈠䈱ઁ䈱㔚᳇↪㒻⏛ེ ో࿖ 㪐㪉㪉 㪌㪏 䋭 㪇 㪇 㪌 㪊 㪃 㪋㪏 㪐 㪉㪐㪎㪏㪈㪈 䉐ㆊᯏེ 㪇 ో࿖ 㪇 㪈㪉㪏㪃㪎㪇㪏 㪏㪊㪇 㪈㪌㪌 䋭 㪉㪌㪋 㪍 㪈㪈 䊝 䉱 䉟 䉪 䉺 䉟䊦 㪇 ో࿖ 㪇 㪈 㪐㪃㪍㪎 㪉 㪎 㪇㪊 㪉㪏 䋭 㪉㪌㪎㪉㪈㪐 䈠䈱ઁ䈱⎇䈫⍹ 㪇 ో࿖ 㪇 㪊㪌 㪃 㪋 㪇㪐 㪌㪐 㪇 㪍㪇 䋭 㪉 㪌㪋㪍 㪈 㪐 䈠 䈱ઁ 䈱 䉺䉟 䊦 㪇 㪇 㪋 㪈 㪃㪌㪋㪏 㪌㪋㪇 㪎㪎 䋭 ో࿖ 㪉㪌㪎㪐㪈㪐 䈠䈱ઁ䈱⎇⏴᧚䋬หຠ 㪇 ో࿖ 㪇 㪋㪎㪃 㪉㪉㪎 㪌㪈㪊 㪐㪉 䋭 㪈㪍㪉㪉㪈㪉 ․ᱶว᧼ 㪇 ో࿖ 㪇 㪈㪋㪋㪃㪎㪐㪐 㪋㪌㪈 㪊㪉㪈 䋭 㪉㪌㪋㪍㪈㪉 ౝⵝ䉺䉟䊦 㪇 ో࿖ 㪇 㪏㪃㪋㪈㪇 㪋㪋㪊 㪈㪐 䋭 㪉㪐㪎㪏㪉㪉 ⅣႺⵝ⟎䋨ൻቇ⊛ಣℂ䉕ⴕ䈉䉅䈱䋩 㪇 㪇 㪎㪈㪃㪌㪐㪍 㪋㪊㪈 㪈㪍㪍 䋭 ో࿖ 㪇 ో࿖ 㪇 㪉㪐㪃㪌㪋㪏 㪋㪉㪉 㪎㪇 䋭 㪉㪌㪌㪐㪉㪐 䈠䈱ઁ䈱⠴Ἣ‛䋨☼⾰䉎䈧䈿䉕䉃䋩 㪇 㪉㪐㪎㪏㪈㪎 ੇ῎ᯏེ ో࿖ 㪇 㪊㪎㪃㪈㪊㪐 㪋㪈㪊 㪐㪇 䋭 㪉㪌㪐㪐㪈㪐 䈠䈱ઁ䈱┇ᬺ䊶⍹ຠ 㪇 ో࿖ 㪇 㪈㪋㪉㪃 㪐㪎㪈 㪋㪈㪇 㪊㪋㪐 䋭 㪉㪌㪏㪌㪈㪈 ㋶‛䊶⍹☳⎈䊶䈠䈱ઁ䈱ಣℂຠ 㪇 ో࿖ 㪇 㪈㪊㪍㪃㪌㪎㪐 㪊㪐㪋 㪊㪋㪎 䋭 㪉㪌㪏㪉㪈㪈 ੱᎿ㛽᧚ 㪇 ో࿖ 㪇 㪈㪊㪃㪏㪎㪈 㪊㪊㪏 㪋㪈 䋭 㪉㪌㪋㪋㪈㪉 㔚᳇↪․ᱶ㒻⏛ེ 㪇 ో࿖ 㪇 㪏㪃㪏㪉㪊 㪊㪉㪎 㪉㪎 䋭 㪉㪇㪈㪐㪈㪐 䈠䈱ઁ䈱ൻቇ⢈ᢱ 㪇 ో࿖ 㪇 㪉㪊 㪃 㪌 㪌 㪇 㪉㪐㪋 㪏㪇 䋭 㪉㪌㪉㪊㪈㪐 䈠䈱ઁ䈱䉮䊮䉪䊥䊷䊃ຠ 㪇 ో࿖ 㪇 㪈㪎㪈㪃㪍㪐㪈 㪉㪐㪈 㪌㪐㪈 䋭 㪉㪌㪊㪐㪈㪐 䈠䈱ઁ䈱ᑪ⸳↪☼ຠ 㪇 ో࿖ 㪇 㪏 㪃㪉 㪍 㪈 㪐㪉 㪐㪇 䋭 㶎䇭⚻ᷣ↥ᬺ⋭⚻ᷣ↥ᬺ╷ዪ⺞ᩏ⛔⸘ㇱ䇸Ꮏᬺ⛔⸘⺞ᩏ䇭ᐔᚑ䋲䋰ᐕᐲ⏕ႎ䇭ຠ⋡✬䇹䉋䉍ᚑ ຠ⋡䉮䊷䊄 ຠ⋡ฬ⒓ ⋵ 䉮䊷䊄 ⋵ฬ ⩄ᢙ㊂ 表4 ゼオライト系リサイクル材の活用可能性が見込まれる品目の工業統計データ(京都府) ຠ⋡䉮䊷䊄 ຠ⋡ฬ⒓ ⋵ 䉮䊷䊄 ⋵ฬ ⩄ᢙ㊂ ⩄㊄㗵 㩿⊖ਁ㪀 㪉㪌㪉㪉㪈㪈 ↢䉮䊮䉪䊥䊷䊃 㪉㪍 ੩ㇺ 㪈㪃㪈㪊㪐㪃㪉㪇㪇 㪉㪌㪉㪊㪈㪎 〝↪䉮䊮䉪䊥䊷䊃ຠ 㪉㪍 ੩ㇺ 㪎㪐㪃㪊㪍㪊 㪉㪌㪉㪊㪈㪍 ᧁ↪䉮䊮䉪䊥䊷䊃䊑䊨䉾䉪 㪉㪍 ੩ㇺ 㪎㪈㪃㪌㪈㪇 㪉㪌㪉㪊㪈㪌 ⓨᵢ䉮䊮䉪䊥䊷䊃䊑䊨䉾䉪 㪉㪍 ੩ㇺ 㪍㪃㪍㪋㪌 㪉㪌㪎㪉㪈㪈 䊎䊃䊥䊐䉜䉟䊄⎇䈫⍹䋨䉲䊥䉬䊷䊃⎇䈫⍹䉕䉃䋩 㪉㪍 ੩ㇺ 㪐㪎㪌 㪉㪇㪉㪐㪊㪐 䈠䈱ઁ䈱ήᯏൻቇᎿᬺຠ 㪉㪍 ੩ㇺ 㪉㪌㪎㪐㪈㪐 䈠䈱ઁ䈱⎇⏴᧚䋬หຠ 㪉㪍 ੩ㇺ 㪈㪍㪉㪉㪈㪉 ․ᱶว᧼ 㪉㪍 ੩ㇺ 㪉㪌㪎㪉㪈㪐 䈠䈱ઁ䈱⎇䈫⍹ 㪉㪍 ੩ㇺ 㪉㪐 㪎㪏㪈 㪈 䉐 ㆊᯏ ེ 㪉㪍 ੩ㇺ 㪉㪍 ੩ㇺ 㪉㪌㪉㪊㪈㪐 䈠䈱ઁ䈱䉮䊮䉪䊥䊷䊃ຠ 㪉㪌㪐㪐㪈㪐 䈠䈱ઁ䈱┇ᬺ䊶⍹ຠ 㪉㪍 ੩ㇺ 㪉㪐㪎㪏㪈㪎 ੇ῎ᯏེ 㪉㪍 ੩ㇺ 㶎䇭⚻ᷣ↥ᬺ⋭⚻ᷣ↥ᬺ╷ዪ⺞ᩏ⛔⸘ㇱ䇸Ꮏᬺ⛔⸘⺞ᩏ䇭ᐔᚑ䋲䋰ᐕᐲ⏕ႎ䇭ຠ⋡✬䇹䉋䉍ᚑ 㪈㪎㪃㪌㪊㪊 㪈㪃㪌㪌㪌 㪈㪃㪈㪏㪋 㪍㪇㪌 㪈㪃㪎㪌㪉 㪈㪉㪃㪊㪋㪈 㪏㪃㪉㪍㪎 㪍㪃㪎㪐㪎 㪉㪃㪏㪊㪍 㪉㪃 㪋 㪌㪈 㪏㪉㪇 㪍 㪇㪍 㪋㪐㪐 ⩄㊄㗵䋯 ↥ ⩄ᢙ㊂න ⩄ᢙ㊂ ᬺᚲᢙ 䇼㩹䋭㩹䈲ᢙ㊂⺞ᩏ䈭䈚䇽 䋨ජ䋩 㪈㪌㪅㪊㪐 㪋㪏 ┙ᣇ䊜䊷䊃䊦 㪈㪐㪅㪌㪐 㪐 䊃䊮 㪈㪍㪅㪌㪍 㪏 䊃䊮 㪐㪈㪅㪇㪌 㪋 ජ 㪈㪃㪎㪐㪍㪅㪐㪉 㪋 䊃䊮 㪈㪋 䋭 㪋䋭 㪍䋭 㪌䋭 㪋䋭 㪋䋭 㪊䋭 㪊䋭 上記2社を除き、残る8社について、各企業の 3.4 考察 所在地と浄水場の位置関係を地図上にプロットし 今回、最終的に抽出された7社を、各社の主要 たものを図1に示す。 製品から見ると、研磨材メーカ等が4社、ファイ 図からも明らかなとおり、亀岡市内にあるS社 ンセラミックスメーカ3社となった。企業データ (プロット番号2)が最寄りの浄水場(府営水道乙 を「土石・窯業」で絞り込んだため当然の結果と 訓浄水場)から10 k m以上の距離にあるものの、他 いえる。本来であれば、市場性が確認された適用 の7社については全て最寄りの浄水場から概ね 先(品目)として挙がっていた建設・建築業(建 5k m以内と近接した立地となることがわかった。 材)についても確認できればよかったが、施工の みを行う企業と建材の開発・製造を行う企業が、 -6 6 - 京都府中小企業技術センター技報№3 9 (2 0 1 1 ) 表5 「土石・窯業」企業(小規模企業者を除く)一覧表 ⇟ภ ડᬺฬ ⾗ᧄ㊄ 䋨⊖ਁ䋩 ᚲ ᓥᬺຬ 䋨ੱ䋩 ᬺ⒳䋱 ᬺ⒳䋲 ਥ䈭ຠ 㪈 䌎㒻ᬺ ੩ㇺᏒጊ⑼ 㪋㪐 㪊㪊 ┇ᬺ䊶⍹ 㪉 䌓↥ᬺ ጟᏒ 㪊㪇 㪈㪊㪉 ┇ᬺ䊶⍹ ᑪ⸳ᬺ 㪊 䌓Ꮏᬺ ቝᴦᏒ 㪎㪌 㪈㪈㪏 ♖ኒᯏ᪾ 㪋 䌋 ੩ㇺᏒફ 㪈㪈㪌㪃㪎㪇㪊 㪈㪃㪊㪎㪋 ┇ᬺ䊶⍹ ♖ኒᯏ᪾ 㪌 䌓 ੩ㇺᏒ᧲ጊ 㪋㪃㪋㪎㪌 㪋㪉㪇 ┇ᬺ䊶⍹ ♖ኒᯏ᪾ 㪍 䌅䊁䉾䉪 ਭਭᓮጊ↸ 㪎 䌅 ੩ㇺᏒફ 㪊㪏 㪏 䌈 ੩ਤᵄ↸ 㪐㪏 㪐 䌍 ၔ㓁Ꮢ 㪋㪌 㪉㪌㪇 ┇ᬺ䊶⍹ ⎇䊶䊶䊖䊷䊆䊮䉫⎎⍹ 㪈㪇 䌎⎇⎎ ੩ㇺᏒධ 㪐㪇 㪈㪍㪋 ┇ᬺ䊶⍹ ৻⥸ᯏ᪾ ⎎⍹ 㪌㪉㪇 䊶ᑪ▽Ꮏ䇮ᧁᎿ䇮ㅧᎿ 䊶↢䉮䊮䉪䊥䊷䊃ㅧ 䉻䉟䊟䊝䊮䊄⎎⍹䊶Ꮏౕ䇮วᚑ᮸⢽♽ᓸ ┇ᬺ䊶⍹ ☸ሶ⎇⏴ຠ䇮䉶䊤䊚䉾䉪♽ᓸ☸ሶ⎎ ⍹䇮․ᱶ䊋䊐ຠ䇮⎇⏴ⵝ⟎ 䊐䉜䉟䊮䉶䊤䊚䉾䉪䉴䇮㔚ሶㇱຠ䇮㔚ሶ䊂 䊋䉟䉴䇮ඨዉ╬ ਇㆡಾಽ㘃䈫⠨䈋䉌䉏䉎䈢䉄䇮ኻ⽎ ᱤ⑼⸻≮ᯏེ䊶᧚ᢱ䇮ᛛᎿᯏེ䊶᧚ᢱ╬ ᄖ䈫䈜䉎䇯 䊶䊤䉟䊮䉣䊮䉳䊆䉝䊥䊮䉫䇮♖ኒᯏ᪾䇮⎇ ⏴ⵝ⟎╬ 䊶⎇⏴᧚ᢱ ඨዉ㑐ㅪຠ䇮䊐䉜䉟䊮䉶䊤䊚䉾䉪䉴 㪈㪈㪇 ┇ᬺ䊶⍹ ຠ䇮㜞᷷䊶ᾲಣℂ㑐ㅪຠ䇮శቇ㑐ㅪ ຠ䇮ಽᨆᯏེ䇮⠴ᾲ䉧䊤䉴 ᧁㅧ↪シ㊂䉶䊜䊮䊃䊝䊦䉺䊦䇮ਅ⺞ᢛ ਇ ᑪ⸳ᬺ ┇ᬺ䊶⍹ Ⴃ᧚䇮᧚䇮ṭ༟䇮䉶䊦䊐䊧䊔䊥䊮䉫 ᧚䇮ๆ᳓⺞ᢛ᧚ 㪈㪇㪇 ┇ᬺ䊶⍹ ♖ኒᯏ᪾ ᗐቯ䈜䉎ᕈ⁁䈱ᵺ᳓ᳪᵆ䋨ᴡᎹᵹ ᳓䉕ේ᳓䈫䈜䉎䉅䈱䋩䉕ឃ䈜䉎ᵺ᳓ ႐䈏ઃㄭ䈮䉄䉌䉏䈭䈇䈢䉄䇮ኻ⽎ ᄖ䈫䈜䉎䇯 調査結果からは、距離の要因が輸送経費に大きな ࿑ਛ䈱䈲ᵺ᳓႐䉕ਛᔃ䈫䈚䈢ඨᓘ䋵km䈱▸࿐䉕␜䈜䇯 ᬺ႐䊒䊨䉾䊃䈱⇟ภ䈲䋵䈱⇟ภᰣ䈱⇟ภ䉕␜䈜䇯 影響を及ぼす可能性が低いことが伺えた。 Ꮢ᧻䊱ፒᵺ᳓႐ 2 ⠨ 䊶䉳䊦䉮䊮䇮䊛䊤䉟䊃䇮䉝䊦䊚䊅䇮⓸ൻ䉝䊦 䊚䊆䉡䊛䇮䊕䉺䊤䉟䊃╬ 䊶ᯏ᪾䇮㔚ሶ䇮ඨዉ䇮⸅ᇦ䇮⺃㔚╬ ੩ㇺᏒ ጟᏒ Ꮢなᵺ᳓႐ ᐭਸ⸠ᵺ᳓႐ 10 1 4 4 今後の課題とまとめ Ꮢᣂጊ⑼ᵺ᳓႐ 7 6 ਭᓮጊ↸ 今回は初めての検討ということもあり、考察で ቝᴦᏒ 3 ᐭቝᴦᵺ᳓႐ も触れたとおり、建材関連の企業探索には踏み込 9 めなかった。しかし、「土石・窯業」からの探索の 0 10km 結果絞り込まれた企業数が10 社程度であることを ᐭᧁᵤᵺ᳓႐ 考えれば、規模要件等で絞り込んだ後に、個別企 図1 浄水汚泥再生材の想定供給先候補企業の所在図 業の業容を確認する手順で探索できると見込まれ システム上、分類されていないデータベースをも る。来年度以降の課題としたい。 とに作業したために、今回は対象から外さざるを また、今回、抽出された企業については、アン 得なかった。 ケートなどを用いたアプローチで、より具体的に 浄水汚泥は、ゼオライトに加工して付加価値を 共同開発を行うための条件を整理し、リサイクル 高める場合でも、重量あたりの単価には一定の限 材開発を行う大学研究者との仲介等関係づくりを 度がある。単価が相対的に低くなるおそれがある 行っていくべきものと考える。 こと(表2の「出荷金額/出荷数量」データで数 当初の計画で予定していたゼオライト系リサイ 値が出た品目の平均値は1 5 8 , 0 0 0 円/トン)を想定 クル材の物性データ取得等、未達項目についても、 すると、加工・販売にあたっては運搬距離を可能 引き続き課題として、実用的な材料を開発する必 な限り抑制しなければならない。この点で今回の 要があると考える。 -6 7 - 京都府中小企業技術センター技報№3 9 (2 0 1 1 ) いずれにせよ、大学や公設試験機関だけでは、 指導を賜りましたこと、厚く御礼申し上げます。 浄水汚泥のリサイクル材開発は困難であり、排出 者(水道事業者)、リサイクル材の需要者(企業) (参考資料) との協力が欠かせないことから、今回、リサイク 1)京都府文化環境部, 京都府営水道環境レポー ル事業化に必要な基盤を有する(共同研究開発の ト(平成2 1 年度決算版), 相手として好適な)府内企業のイメージを朧気な h t t p : / / www. p r e f . k y o t o . j p / k o e i / r e s o u r c e s / 1 2 9 7 7 3 8 がらにも描く作業ができたのは成果といえるので 2 0 0 3 3 6 . p d f はないかと考える。 2)経済産業省経済産業政策局調査統計部,工業 統計調査 平成2 0 年確報 品目編, 謝辞 h t t p : / / www. me t i . g o . j p / s t a t i s t i c s / t yo / k o u g y o / r e s u l t 本小論をとりまとめるにあたり、京都学園大学 2 / h 2 0 / k a k u h o / h i n mo k u / i n d e x . h t ml 准教授 石本弘治氏には、適時適切なるご助言・ご -6 8 -