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1. - 患者・一般の皆様

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1. - 患者・一般の皆様
市販直後調査 結果の報告
2013 年 9 月
アボット ジャパン株式会社
安全管理責任者
謹啓 時下ますますご清祥のことと、お慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、「慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)」の効能・効果を有する
「アミティーザ®カプセル24 g」は、2012年11月22日の発売から6ヵ月後の
2013年5月21日まで、薬事法に基づく市販直後調査を実施いたしました。
先生方の多大なるご協力を賜り、誠にありがとうございました。
今般、先生方よりご提供いただきました情報をもとに、市販直後調査の結果を
まとめましたのでご報告いたします。今後も弊社製品の適正使用情報の収集、
提供に努めてまいりますので、引き続きご指導、ご
撻を賜りますよう何卒
よろしくお願い申し上げます。
謹白
医薬品名
アミティーザ カプセル24μg
(一般名:ルビプロストン)
慢性便秘症(器質的疾患による便秘を除く)
効能・効果
<効能・効果に関連する使用上の注意>
薬剤性及び症候性の便秘に対する使用経験はなく、有効性
及び安全性は確立されていない。
集計期間
副作用報告症例数
2012年11月22日(発売日)∼2013年5月21日
363例593件(うち重篤な副作用報告件数22例46件)
1. 報告された副作用の概要
市販直後調査期間中に収集された副作用(アミティーザカプセル24μgとの因果関係が否定できない有害事象)
は363例593件でした。このうち、重篤な副作用は22例46件でした。
副作用の種類(器官別大分類)としましては、胃腸障害(361件)、一般・全身障害および投与部位の状態(72件)、
呼吸器、胸郭および縦隔障害(31件)、神経系障害(30件)の順に多く認められました。主な副作用(発現件数
として10件以上)は、「悪心」が132件と最も多く、「下痢」114件、「嘔吐」47件、「腹痛」21件、「動悸」17件、
「腹部膨満」14件、「呼吸困難」13件、「浮動性めまい」12件、「末梢性浮腫」11件、「食欲減退」10件でした。
これらは「食欲減退」を除きアミティーザ(本剤)の添付文書の使用上の注意に記載されている副作用でした。
これらの副作用のほとんどは、投与開始から数日以内に発現しており、減量又は投与中止により回復して
おります。
2件以上の報告のあった重篤な副作用は、「嘔吐」5件、「悪心」4件、「呼吸困難」、「腎機能障害」、「食欲減退」
が各3件、「過敏症」、「血圧低下」が各2件でした。
400
350
副作用発現件数
300
250
重篤
非重篤
200
150
100
50
臨床検査
免疫系障害
皮膚および皮下組織障害
代謝および栄養障害
生殖系および乳房障害
精神障害
腎および尿路障害
神経系障害
心臓障害
傷害、中毒
および処置合併症
呼吸器、胸郭
および縦隔障害
図1
血管障害
筋骨格系
および結合組織障害
眼障害
肝胆道系障害
一般・全身障害
および投与部位の状態
胃腸障害
0
器官別大分類ごとの副作用発現状況
市販直後調査期間中に収集された副作用の器官別大分類での発現状況は、承認時までに収集した副作用と
同様の発現状況でした。承認時までの国内臨床試験(1日48μg投与例)における副作用は、315例中196例
(62.2%)に認められており、器官別大分類ごとの副作用発現例数は胃腸障害172例、全身障害及び投与局所
様態29例、神経系障害15例、臨床検査10例等でした。
1
市販直後調査 結果の報告
250
200
副作用発現件数
重篤
150
非重篤
100
50
0
0
5
10
15
20
25
30
35
40
45
50
55
60
65
副作用発現時期
図2
発現時期ごとの副作用発現状況(算出可能であった507件の状況)
市販直後調査期間中に収集された副作用のうち、約67%が投与開始初日または翌日に見られ、約90%が投与
開始から2週間以内に認められました。投与開始後30日を過ぎて初めて副作用が認められた例数は7例15件で
あり、「末梢性浮腫」、「悪心」、「下痢」が各2件、「嘔吐」、「血中カリウム減少」、「腎機能障害」、「浮腫」、「尿中
蛋白陽性」、「動悸」、「腹痛」、「低血糖症」、「一過性脳虚血発作」が各1件でした。
2
表1
市販直後調査期間中に報告された副作用一覧表
器官別大分類及び事象名
発現例数
件 数
非重篤
重 篤
1
0
1
1
1
0
125
128
4
2
2
0
1
3
0
1
1
0
111
113
1
1
1
0
1
1
0
1
1
0
消化管運動障害
1
1
0
消化不良
1
1
0
上腹部痛
4
4
0
心窩部不快感
1
1
0
1
1
0
19
20
1
胃腸障害
*
イレウス
*
おくび
*
悪心
*
異常便
*
胃食道逆流性疾患
*
胃腸音異常
*
下痢
*
急性腹症
*
口の感覚鈍麻
*
硬便
*
*
粘液便
*
腹痛
腹部不快感
腹部膨満
*
変色便
*
便秘
*
7
7
0
13
14
0
2
2
0
2
2
0
1
3
0
46
42
5
1
1
0
異常感
3
3
0
顔面浮腫
7
7
0
胸部不快感
6
7
0
倦怠感
6
5
1
口渇
4
4
0
流涎過多
*
嘔吐
一般・全身障害および投与部位の状態
*
悪寒
*
9
9
0
状態悪化
1
1
0
全身性浮腫
2
2
0
3
2
1
*
治療効果減弱
*
*
発熱
不快感
2
2
0
浮腫
9
9
0
10
10
1
1
1
0
1
1
0
2
2
0
3
2
1
*
1
1
0
*
*
末梢性浮腫
*
末梢冷感
*
薬効欠如
*
薬効不十分
*
冷感
肝胆道系障害
肝機能異常
眼障害
眼の異常感
1
1
0
*
1
1
0
*
1
0
1
眼瞼浮腫
視力障害
3
市販直後調査 結果の報告
表1
市販直後調査期間中に報告された副作用一覧表(続き)
器官別大分類及び事象名
発現例数
件 数
非重篤
重 篤
1
1
0
1
1
0
2
1
1
1
1
0
1
1
0
2
2
0
1
0
1
筋骨格系および結合組織障害
*
関節痛
筋骨格硬直
血管障害
*
ほてり
*
血便排泄
*
低血圧
呼吸器、胸郭および縦隔障害
*
咽喉絞扼感
*
過換気
*
咳嗽
8
7
1
13
10
3
7
7
0
2
2
0
15
17
0
2
2
0
1
1
0
1
0
1
1
1
0
1
1
1
5
4
1
1
1
0
1
1
0
睡眠の質低下
1
1
0
頭痛
6
6
0
12
11
1
4
1
3
1
1
0
1
1
0
1
1
0
1
1
0
1
1
0
10
7
3
1
1
0
1
1
0
2
2
0
3
2
1
1
1
0
3
3
0
3
3
0
*
呼吸困難
*
息詰まり感
傷害、中毒および処置合併症
*
過量投与
心臓障害
動悸
頻脈
*
不整脈
神経系障害
*
意識レベルの低下
*
意識消失
*
一過性脳虚血発作
*
感覚鈍麻
*
緊張性頭痛
*
振戦
*
*
浮動性めまい
腎および尿路障害
腎機能障害
*
*
着色尿
*
排尿困難
*
頻尿
生殖系および乳房障害
不正子宮出血
*
精神障害
*
摂食障害
代謝および栄養障害
*
食欲減退
*
脱水
*
低カリウム血症
*
低ナトリウム血症
*
低血糖症
皮膚および皮下組織障害
全身性そう痒症
*
発疹
*
蕁麻疹
*
4
表1
市販直後調査期間中に報告された副作用一覧表(続き)
器官別大分類及び事象名
発現例数
件 数
非重篤
重 篤
免疫系障害
アナフィラキシーショック*
1
0
1
過敏症*
5
3
2
薬物過敏症*
1
0
1
γ−グルタミルトランスフェラーゼ増加*
2
1
1
アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加*
2
1
1
アラニンアミノトランスフェラーゼ増加*
1
1
0
プロトロンビン時間延長*
1
1
0
ヘモグロビン減少
1
1
0
ロイシンアミノペプチダーゼ上昇*
1
0
1
血圧低下*
3
1
2
血小板数減少*
1
1
0
血中アルカリホスファターゼ増加*
1
1
0
血中カリウム減少*
1
1
0
血中クレアチニン増加*
1
0
1
血中クロール減少*
1
1
0
血中ナトリウム減少*
1
1
0
血中ブドウ糖増加
2
2
0
血中尿素増加*
2
1
1
国際標準比増加*
1
1
0
心電図QT延長*
1
0
1
心拍数増加
1
1
0
体重減少*
1
1
0
体重増加
1
1
0
尿中蛋白陽性*
1
1
0
臨床検査
【集計表ご参照に際しての注意事項】
*:集計時点の添付文書から予測できない副作用です。なお、添付文書に記載されている事象であっても経過等から未知と表記して
いる事象が含まれています。
表中の副作用は、報告された副作用名をICH国際医薬用語集日本語版(MedDRA/J 16.0)の基本語(PT:Preferred Terms)に読み替えて記載
しています。本集計表では、自発報告として報告された副作用情報を基に集計したため、臨床試験等と異なり総症例数は明らかではなく、
発現頻度は算出できません。
追加情報等により、副作用名、件数等が変更される場合があります。
5
市販直後調査 結果の報告
2. 重篤な副作用
市販直後調査期間に報告された副作用のうち、重篤と報告された症例又は重篤と判断した症例の概要を以下
に示します。
重篤な呼吸困難が3例報告されましたが、致死的なものではなく、また非可逆的な副作用ではありませんでした。
重篤な腎機能障害が3例報告されましたが、これらも致死的なものではありませんでした。アナフィラキシー
ショックが1例報告されましたが、患者が回復したこと以外、詳細は不明です。
表2
No.
年齢
性別
1
44
女性
重篤症例の概要
原疾患/合併症
便秘症/アレルギー性鼻炎
便秘症/高血圧、
骨粗鬆症、逆流性食道炎、不眠
事象名(PT)
発現時期
処置
転帰
過敏症
1日
投与中止
回復
倦怠感
呼吸困難
過換気
心電図QT延長
2日
2日
2日
2日
投与中止
軽快
軽快
軽快
軽快
過敏症
1日
投与中止
回復
ほてり
悪心
呼吸困難
9日
9日
9日
不明
回復
回復
回復
2
74
女性
3
43
女性
4
48
女性
5
96
女性
慢性便秘症/変形性脊椎症、
認知症、狭心症、骨粗鬆症
食欲減退
8日
投与中止
回復
6
80
女性
便秘
アナフィラキシーショック
1日
不明
回復
7
92
女性
慢性便秘症、急性期脳梗塞、
水腎症、認知症、高血圧症、
心不全
腎機能障害
7日
投与中止
軽快
8
42
女性
血中クレアチニン増加
腎機能障害
血中尿素増加
29日
29日
29日
不明
不明
不明
不明
浮動性めまい
嘔吐
感覚鈍麻
視力障害
意識レベルの低下
悪心
冷感
1日
1日
1日
1日
1日
1日
1日
投与中止
回復
回復
回復
回復
回復
回復
回復
アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加
γ−グルタミルトランスフェラーゼ増加
ロイシンアミノペプチダーゼ上昇
15日
15日
15日
慢性便秘症/鉄欠乏性貧血、
常習性便秘
便秘
−
便秘症
9
48
女性
10
63
女性
慢性便秘症/脂質異常症、
慢性膵炎、慢性胃炎、
γ−GTPのみ上昇、
逆流性食道炎、LAP上昇
11
47
女性
便秘
イレウス
5日
投与中止
回復
低血糖症
一過性脳虚血発作
53日
53日
投与量
変更せず
回復
回復
中止
回復
軽快
軽快
12
73
男性
便秘症/糖尿病、高血圧、
喘息、甲状腺機能低下症、
逆流性食道炎、高脂血症、
高尿酸血症、動脈硬化
13
46
女性
便秘症
嘔吐
1日
投与中止
回復
14
80歳代
女性
便秘
末梢性浮腫
腎機能障害
14日
14日
非該当
(投与終了
後に発現)
未回復
未回復
15
31
女性
便秘症
呼吸困難
咳嗽
薬物過敏症
2日
2日
2日
投与中止
回復
回復
回復
6
表2
重篤症例の概要(続き)
原疾患/合併症
事象名(PT)
No.
年齢
性別
発現時期
処置
転帰
16
66
男性
腹痛
発熱
下痢
2日
2日
2日
投与中止
回復
回復
回復
17
70歳代
男性
悪心
血圧低下
−
−
投与中止
不明
不明
18
90
男性
便秘症/脳梗塞後遺症
食欲減退
8日
投与中止
回復
19
87
男性
便秘症/高血圧症、慢性腎不全、 嘔吐
逆流性食道炎、脂質代謝障害、 食欲減退
腰部脊柱管狭窄症
1日
−
投与中止
軽快
軽快
20
68
男性
便秘/高血圧、糖尿病、
閉塞性動脈硬化症、慢性腎不全
嘔吐
悪心
5日
5日
減量
回復
回復
21
87
男性
慢性便秘症/C型肝炎、
アルツハイマー型認知症、
前立腺肥大症
嘔吐
55日
投与中止
回復
22
85
女性
便秘/腰痛
血圧低下
2日
投与中止
回復
便秘症/糖尿病、慢性腎不全
−
3. まとめ
市販直後調査期間中に報告された副作用は363例593件で、うち重篤な副作用は22例46件でした。
市販直後調査期間中に収集された副作用の発生傾向は、承認時までに収集した安全性情報と比べて大きな
差異はなく、現時点では添付文書の改訂の必要性はありませんでした。
今後も引き続き、本剤との関連が疑われる副作用、特に重篤例をご経験された場合には、減量、中止等の
処置をご考慮いただき、速やかに弊社医薬情報担当者にご連絡いただくなど、安全性情報の収集へのご協力
をお願いするとともに、本剤を適正にご使用いただきますようよろしくお願い申し上げます。
7
41A049
2013年9月作成 
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