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対抗性反応の範囲 バランスのとれた対抗性反応
対抗性反応の範囲 対抗性過保護 対抗性攻撃 • • • • • • • 見えないふり 反応を遅らせる 皮肉を言う どなりつける 重すぎる罰を科す 脅す 身体暴力 見えないふり 規則を甘くする 特別扱いする 彼(女)には無理、私がやって あげなければ • 子どもの味方をする必要がある と感じる • わかってあげられるのは私だけ • 過剰に贈り物をする • • • • 19 バランスのとれた対抗性反応 ヒール 対抗性攻撃 理解せず変化を期待 疎外・孤立 ヒーロー 愛着の機会と 自立(個性化)の機 会をともに提供する 対抗性過保護 変化を期待せず理解 依存・融合 20 理解と変化への期待の バランスがとれた効果的介入とは 自己認識 • 対抗性反応、他からの指摘に開かれている • その瞬間に何が起きているか(思考・感情・身体反応)を認識す る • 自身のそれに名前をつける(裁かず注意深く) • 強い感情を体験しているときは介入しない 自己統制 • 「対抗して行動する」傾向をとめる 新たな 解決法 • 行動の意味の理解に努める(葛藤サイクルに沿って相互交流と 行動を追う⇒パターンが見えてくる • 健康であること、健全であること • それはうまくいくか?うまくいっているかどうすればわかるか 21 2 非行への対応 (1) 働きかけのコツ (2) チーム・アプローチ:協働とは? (3) リスクとニーズ、そして4つの壁 22 (1)働きかけのコツ (迷いどころ) • • • • • • 支援者における二重の責任 秘密保持の原則とその限界 被害と加害への立ち位置 逆転移/対抗性反応への対処 悩んでいない者への支援 家族・社会との関係 価値・規範から逃れられない ☞腰が据わっていること 23 非行・反社会的行動への対応 ∼腰のすえ方の例 *被害者の安全と安心(被害を減らす) *暴力行動を抑える 法的,制度的対処&加害行動への対処 暴力に対する社会の態度 *対等で協力的な関係性を作り,維持する 力を育てること 自己と他者 ☞一人一人が自分らしく生き、可能性を進展 する権利を尊重する。ただし、他者のその 24 権利を侵してはならない。 「問題」とみなされうる行動とは? ①自己中心的 自分にとってはよいが,他に害を与える ②近視眼的 その時はよいが,後々悪影響が出る ③非効果的 いくつかの欲求は満足させるが,その他 の満足を阻害する 25 「責任」を負うとは? 修復的司法の考え方 ×処罰を受ける,施設に入れられる ×過去の「失敗」の「悪玉」を探す ○自らの行動の結果を引受ける ○「問題とされる行動」を振り返る ○将来の再犯罪防止 ○被害者に対する謝罪・償い行動 説明責任/再犯防止責任/謝罪償い責任 ハワード・ゼア『責任と癒し∼修復的正義の実践ガイド』 築地書館 26 非行少年を扱うのに 効果的な治療者の特徴 • 意味ある関係を作ることができる 暖かさ,的確な共感,報いること • 向社会的方向性を提供する スキル,問題解決,価値 アファーメーションを覚えよう 27 相談を受ける際のポイント • 自身の被害と加害への態度を自覚する • 被害者を出すことは許容できないという毅 然とした態度 • 嘘や隠し事にごまかされない • 具体的に話を聞く • 当事者の力を信じる • 当事者の役に立てる 28 非行関係のインタヴューのコツ • • • • • 傾聴&客観的情報収集 正したい病をやっつけろ ボクシングから合気道へ 変化への動機づけ 感情(特に怒り)への対処 29 変化の段階に応じて適切な介入方法は変わる。 前考慮 変わることを考えていない。「変化」に焦点をあてると逆効果。 「変化への動機づけ」がまず必要。 →モチベーショナル・インタビューイング うまくいくと、「問題」を認め、 問題とされる行動のマイナス面に気付き始める。 考慮 変化を考え始める。問題に関する情報を求め始める。変化に伴うプラスとマ イナスを比べる。(再評価) →問題に関する適切な情報を提供し、問題意識を高める。自分と環境に関す る見直しを促進する。うまくいくと、変化を自己決定する。 準備 意識啓発と自他の再評価をさらに進める。 実際の変化のための行動に焦点を移していく。 →コミットメントと自己開示を促す。変化の目標・優先順位・行動プラン作 成 実行 変化のための行動を実践する。問題行動への逆戻りを防止するスキルを学ぶ。 認知・感情の変化、社会的技能の習得、ソーシャル・サポートの活用、高危 険状況への気づきと対処方法の獲得 →行動変化のための具体的介入。行動が変化し、自己効力感が高まる。 維持 達成した変化の維持に努める。再発回避に注意を払う。 →新しいライフスタイルの支援、新たな対処スキルの獲得支援、サポート 30 モーチベーショナル・インタビューイング Motivational Interviewing 4つの基本原則 1)共感を表明:心情に充分共感 2)食い違いを作りだす:現在の状況と望む姿の ギャップ 3)抵抗とともに転がる:ガチンコ勝負はしない 4)自己効力感を支援する:変化への希望 「正したい病」をやっつけろ31 (2)チーム・アプローチ ∼協働とは • メンバー全員が、安心して、新たな関わりと行 動を探求することができる信頼できる「関係の ネットワーク」を提供することによって、人に 安全と感じさせるもの。(安全・安心の関係ネ ットワーク) • 父母(教師、支援者)は、現在の関係に責任を 負い、関わる。 • 探求の過程に責任を負い、関わることに同意す る。 • 協働関係の発展に努めるという責任を受け入れ 32 る。 協働のつまづき • コミュニケーションの問題 • 主たる問題、進むべき方向について、 合意がない • 仲間のひび割れ、メンバー喪失 • 全体的アプローチについての教育がな いこと • やり抜かないこと 33 新たな関係を体験する 機会を提供する • 不安定な家庭と激しやす いコミュニケーション • 事態が困難になると、放 り出すか、怒りだす • 頼りにならないが、制限 だけする • 家庭内不和 • 非難の応酬 • 虐待や暴力の問題を避け る • 見捨てる • 対抗性反応に陥る • 安定したチームと安全な コミュニケーション • 困難時には、選択肢を話 合い、柔軟に対応 • 頼りになる、制限もする • 統一戦線 • 責任を負う • 虐待や暴力の苦しい現実 に向き合う • 支える • 対抗性反応に気づき対処 34 する 自己と関係性の変化 をもたらすポイント • 新しい関係を体験させることができる • 一貫性を保つことによって、自己主張 をして、内的統制力を持つことができ るようエンパワーできる • 尊重し、目的ある限界設定は、健康な 関係に必要な制限を教えることができ る。 35