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東京電力第一発電所近くで支援活動をされる皆様へ(PDF

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東京電力第一発電所近くで支援活動をされる皆様へ(PDF
東京電力福島第一発電所の近くで
支援活動をされる皆様へ
放射能被害への不安解消のための手引き
作成:東日本大震災大阪障害者緊急対策連絡会
監修:大阪障害者センターメンタルヘルス研究会
はじめに
未曾有の大災害となった東日本大震災。多くの皆様が、復興に向けて何か
お手伝いができないかと考えていることと思います。しかし、この大震災で
は、地震そして大津波の被害に加え、福島県にある東京電力第一発電所の事
敀が発生し、この発電所近くでの支援活動を行う際には多くの不安がつきま
とい、中には、支援したいという気持ちを持ちつつも、躊躇してしまう方が
多いのも実際です。
しかし、原発事敀の発生した福島県やその周辺でも、地震や津波の被害は
甚大なものであり、支援の必要な地域は多く存在します。そういった地域で
の支援を行う方々の不安な気持ちを少しでも解消しようと思い、この手引き
を作成しました。ぜひ、支援に入る前にご一読いただき、現地で安心して支
援活動を行っていただければと思います。
=おことわり=
この手引きは、政府等の関係機関により、避難勧告等が発出されてい
る地域内での活動を想定しているものではありません。避難勧告地域の
外側(すなわち、関係機関により安全とされているにもかかわらず、な
かなか不安が払しょくされない地域)で活動をされる方に向けてのもの
です。この点をご留意ください。
なお、原発事故に関わる状況は随時変動しています。必ず、派遣拠点
や現地当局からの指示にしたがって行動するようにお願いします。
原発事故現場に近づくということには、
こんな不安がつきまといます
広島や長崎の原爆や
チェルノブイリの事
敀みたいなことが起
こっているんじゃな
いかな…
政府は安全っていう
けど、目に見えない汚
染物質がいっぱい飛
んでいるんじゃない
かな…
放射能を浴びたら、ガ
ンになるんじゃない
のかな…
これから子どもを作ろ
うと思うけど、赤ちゃ
んにも影響が出るので
は…
こういった不安な気持ちをもつのは、ごく自然な感情です。一緒に活動す
る仲間たちも、きっと同じ気持ちを持って活動していますので、「自分だけ」
と思わず、不安な気持ちも大いに語りながら活動していきましょう。
そして、不安をやわらげるために一番大切なのは、
「正確な知識」を持つこ
とです。次のページからは、原発事敀現場に近づく人が知っておくと安心な
ことが書かれています。これを読めば、きっと、少し安心して支援活動に取
り組めると思いますよ!
これだけは知っておこう!
「被ばく」と「汚染」の違い
被ばく:
「放射線」を体に浴びること
・外部被ばく:放射性物質が対外にある場合(体の外からの被ばく)
・内部被ばく:放射性物質が体内に入った場合(体の内側から被ばく)
汚染:「放射性物質」が体に付着すること
・身体表面汚染:放射性物質が体の表面(身体・衣服)に付着すること
※体の表面からに傷があると、そこから放射性物質が体内に取り込まれる可
能性があります(創傷汚染)
。また、放射性物質が、肺や胃の中に入る可能性
もあります(体内汚染)。これらは、内部被ばくを引き起こすこともあります。
これらは「たき火」に例えるとわかりやすいです!
「放射性物質」はたき火の「火」そのもの、
「放射線」はたき火から出る「熱」
のようなものと考えられます。近くにいると熱いし、ちょっと離れると急に
熱くなくなります。
(ちなみに、距離の二乗に反比例します!)たき火の場合、
「そばに行かない」
「長い時間当たらない」を守っていればヤケドすることは
ありませんよね。放射性物質も同じことです。このうち、「そばに行かない」
は、避難勧告等の出ている地域に入らなければ、十分な距離だと考えられま
す。また、避難勧告は相当「長い時間」その地域にいても大丈夫という範囲
でも「念のため」ということで指示が出されています。
また、
「汚染」というのは、たき火から火のついた小さな物質が飛んできて
体にくっつくことということになります。小さな炎でも、体の中に入れば体
の中の組織は大やけどをする場合があります。なので、
「内部被ばく」をしな
いように注意することは大切です。
放射性物質汚染から防御する方法は花粉症の防御と似ています。汚染物質
を体に付着させたり、入れたりしないという目的が同じ
だからです。体の外の汚染は、皮膚をさらすのを避け、
洗い流して防除することもできます。
内部被ばくに対して慎重になることは大切ですが、
内部被ばくについても問題は、その量と蓄積です。避
難勧告地域の外側で、数日間程度の支援活動を行うこ
とで、体に重大な影響が出ることは考えられません。
念には念をということで…
・
体の表面ができるだけ露出しないように長袖・長
ズボン等を着用しましょう
・ マスク・メガネ・帽子等も着用しましょう
・ 体の表面に傷口がある場合は、その部分をしっか
り覆っておきましょう
・ 長期間続けて支援に入るのは控えましょう
そんなことを言われても、
やっぱり不安は不安だし・・・
はっきりしていることは、不安が生じることは、「当然」ということです。
現在の状況で不安がゼロになることはないといってもいいと思います。でも、
多くの人の不安は、正常範囲内(医学的な治療は必要のない不安)のもので
す。
不安を解消するためには、被ばくがあってもなくても正確な情報が何より
も必要です。正確な情報が無い場合は安請け合いせず、無用な不安を抱いた
まま支援に行くことは控えましょう。
① 科学的な情報、根拠のある情報を、しっ
かり納得できるまで聞きましょう。多く
の情報は専門家が発信しています。テレ
ビのニュース等では、それをかみ砕いて
伝えています。しかし、過剰に情報があ
ると、不安を増強させることがあります。
適度な情報収集に努めましょう!
② 誰かと自分の不安を共有できることは役
に立ちます。不安な気持ちがある時は、
その気持ちを仲間に伝えてください。また、誰かが不安な気持ちを表して
いるときは、それを否定するのでなく、受け止める必要があります。根拠
を示さず、不安をただ否定することは避けましょう。
「心配することはない」
「大丈夫」といった言葉は多くの場合役に立ちません。よく聴き、そのう
えで正確な情報を話してください。
③ 孤立している人、生活に困難がある人、精神的に不安定な人、疲労が激し
い人、などさまざまなリスクがある人は、不安の反応も強くなることがあ
ります。避難所にいる、家族を失っている、こういう状態が人の精神状態
を不安定にさせるのは当然です。万が一、パニック発作等が生じたときに
は、おちついて対応し、医療受診をすすめましょう。抗不安剤の服薬も効
果があります。また、支援に向かっている人の中にも様々な困難を抱えて
いる人がいるかもしれません。もし、支援に向かった人が、パニック状態
に陥った場合は、すぐに支援活動を中止し、引き返しましょう。
困った時は・・・
東日本大震災大阪障害者緊急対策連絡会では、各関係機関からの情報を集
めて、いつでもお伝えできるようにしています。また、メンタルヘルスの専
門家とも、随時、連絡がとれるようになっています。困った時や他に不安な
ことがある場合は、いつでも、東日本大震災大阪障害者緊急対策連絡会(大
阪障害者センター内 電話06-6697-9005)にご連絡ください。
可能な範囲で対応させていただきます。
支援を終えた後には・・・
連絡会では、支援を終えた人
に向けた資料も用意しておりま
す。支援から戻られた際には、
ぜひ、ご活用ください。
「自分が被ばくしたのではな
いか?」という不安を抱いた場
合は、お戻りになる前に、関係
機関の方とご相談の上、放射線
量のチェックを受けることもよ
いかと思います。
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