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NPO/NGO - 人と防災未来センター

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NPO/NGO - 人と防災未来センター
NPO/NGOの災害対応と協働
全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD) 事務局長
明城 徹也
阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター 研究員
菅野 拓
2015年10月15日
阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター
2015年度災害対策専門研修(秋)マネジメントコース エキスパートB
はじめに
自己紹介① 明城 徹也
• 建設会社に勤務 1993年~1996年
• NGO業界に転職 1996年~ (以下、主なプロジェクト)
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
–
コンゴ難民支援事業(タンザニア) 1997年
ルワンダ帰還民支援事業(ルワンダ) 1997年
ケニア東部州ムインギ県における開発支援事業(ケニア) 1999年、2010年
シエラレオネ帰還民支援事業(シエラレオ) 2001年
リベリア難民支援事業(シエラレオネ) 2001年、2005年
アフガニスタン北部における再定住支援事業(アフガニスタン) 2005年
パキスタン地震被災者支援事業(パキスタン) 2005年
南部スーダン帰還民支援事業(スーダン) 2006年
スリランカ北部国内避難民支援事業(スリランカ) 2009年
アフガニスタン・パキスタン支援プログラム(東京)2010年
東日本大震災被災者支援プログラム(東北) 2011年~2015年
※2015年4月から、全国災害ボランティア支援団体ネットワーク(JVOAD)
準備会事務局長として、支援調整の仕組みづくりに取り組む
1
1.はじめに
自己紹介② 菅野 拓
 民間企業→大学院→震災!!→民間緊急支援実施→NPOの仮設住
宅入居者支援事業立ち上げ→足抜けできず3年間運営→気づいたら
大学院終わる→今に至る。
年・月
経歴
1998.4
大阪府立茨木高等学校
2001.4
京都大学 農学部 森林科学専攻 環境デザイン学研究室
2005.4
京都大学大学院 農学研究科 森林科学専攻 環境デザイン学研究室
2007.4
株式会社野村総合研究所 コンサルティング事業本部
2010.4
大阪市立大学大学院 人間行動学専攻 地理学専修(後期博士課程)
2011.3
ホームレス支援全国ネットワーク・グリーンコープ共同体・生活クラブ生協共同事業
体 東日本被災地支援対策本部 事務局長
2011.6
一般社団法人パーソナルサポートセンター 企画調査室長、事務局次長、事務局長、
コミュニティ・ワーク創出事業部長、中間就労支援部長など
2014.4
阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター 研究員
2
本日お話ししたいこと
1.災害対策基本法・防災基本計画の中の市民セクター
2.東日本大震災で活躍した市民セクター
3.東日本大震災で活躍したNPO/NGOの実態
4.東日本大震災時のNPO/NGOの具体的な取り組み
5.東日本大震災時の市民セクターと行政・地域との接点
6.まとめと取り組むべき方向性
3
本日お話ししたいこと
1.災害対策基本法・防災基本計画の中の市民セクター
2.東日本大震災で活躍した市民セクター
3.東日本大震災で活躍したNPO/NGOの実態
4.東日本大震災時のNPO/NGOの具体的な取り組み
5.東日本大震災時の市民セクターと行政・地域との接点
6.まとめと取り組むべき方向性
4
1.災害対策基本法・防災基本計画の中の市民セクター
災害対策基本法では国・地方公共団体はボランティアとの連
携に努めなければならないことになった
 災害対策基本法(平成25年6月21日改正)
(国及び地方公共団体とボランティアとの連携)
第五条の三
国及び地方公共団体は、ボランティアによる防災活動が災害時にお
いて果たす役割の重要性に鑑み、その自主性を尊重しつつ、ボラン
ティアとの連携に努めなければならない。
5
1.災害対策基本法・防災基本計画の中の市民セクター
防災基本計画では人口減少社会においてボランティアが必要
だと認識し、自発的支援を適切に受け入れるべきと定める
 防災基本計画 (26年1月)
 第1編 総則
 第2章 防災の基本理念及び施策の概要
(2) 迅速かつ円滑な災害応急対策
• ボランティア,義援物資・義援金,海外等からの支援を適切に受け入れる。
 第3章 防災をめぐる社会構造の変化と対応
• 国土における人口の偏在状況に拍車がかかっている。都市部では,人口の
密集,危険な地域への居住,高層ビルの増加等がみられ,これらへの対応
として,災害に強い都市構造の形成,防災に配慮した土地利用への誘導,
危険地域等の情報の公開,高層ビル等の安全確保対策等を講ずる必要が
ある。一方,人口減少が進む中山間地域や漁村等では,集落の衰退,行政
職員の不足,地域経済力の低下等がみられ,これらへの対応として,災害
時の情報伝達手段の確保,防災ボランティア活動への支援,地場産業の活
性化等の対策が必要である。
6
1.災害対策基本法・防災基本計画の中の市民セクター
防災基本計画では平常時からボランティア等と連携し災害時
に上手に連携できるようにしておくべきと定める
 防災基本計画 (26年1月)




第2編 各災害に共通する対策編
第1章 災害予防
第3節 国民の防災活動の促進
3 国民の防災活動の環境整備 (2) 防災ボランティア活動の環境整備
• 地方公共団体は,平常時から地域団体,NPO等のボランティア団体の活動
支援やリーダーの育成を図るとともに,ボランティア団体と協力して,発災時
の防災ボランティアとの連携について検討するものとする。
• 国及び地方公共団体は,ボランティアの自主性を尊重しつつ,日本赤十字
社,社会福祉協議会等やボランティア団体との連携を図り,災害時において
防災ボランティア活動が円滑に行われるよう,その活動環境の整備を図るも
のとする。その際,平常時の登録,研修制度,災害時における防災ボランテ
ィア活動の受入れや調整を行う体制,防災ボランティア活動の拠点の確保,
活動上の安全確保,被災者ニーズ等の情報提供方策等について整備を推
進するものとする。
7
1.災害対策基本法・防災基本計画の中の市民セクター
防災基本計画では国・地方公共団体・日本赤十字社・国民・
企業等は自発的支援に適切に対応することと定められた
 防災基本計画 (26年1月)
 第2編 各災害に共通する対策編
 第2章 災害応急対策
 第 11 節 自発的支援の受入れ
• 大規模な災害発生が報道されると,国内・国外から多くの善意の支援申し入
れが寄せられるが,国,地方公共団体及び関係団体は,それらの申入れに
対して適切に対応する。
1 ボランティアの受入れ
2 国民等からの義援物資,義援金の受入れ
3 海外等からの支援の受入れ
8
1.災害対策基本法・防災基本計画の中の市民セクター
仙台防災枠組のなかの市民セクター
 前文
 公共部門、民間部門、市民社会組織(civil society organizations)、ならびに学会や科学
研究機関がより緊密に協力し、協働の機会を創出する必要性、および、企業の経営慣行
に災害リスクを統合する必要性がある。
 ステークホルダーの役割
 利害関係者のための具体的な役割と責任を決定し、同時に関連する既存の国際文書に
基づいたうえで規定する場合、国はすべての公共および民間の利害関係者の一部に対
して次のアクションを促す必要がある。
• 市民社会(Civil society)、ボランティア(volunteers)、組織化された自発的な働きをす
る組織(organized voluntary work organizations) 、コミュニティ組織(communitybased organizations)に対して
• 公的機関との協力のもとでの参加。特に、規範的枠組み、基準や災害リスク軽減の
ための計画の策定と実施との関連で具体的な知識と実践的なガイダンスの提供、地
方・国・圏域・世界の計画や戦略の実施への協力、国民の意識や災害リスクの予防
や教育文化への貢献やサポート、必要に応じてしなやかなコミュニティ(resilient
communities)に対してや集団間の相乗効果を強化するための包摂的(inclusive)で
全社会的な災害リスク管理に対して貢献する政策提言
9
1.災害対策基本法・防災基本計画の中の市民セクター
様々な疑問
 NPO/NGOってそもそもなに?
 NPO/NGOとボランティアは何がちがうの?
 連携って何したらいいの?
 自主性の尊重?(頼んでもやらない、頼まれなくてもやる)
 平常時の活動の支援って?
10
本日お話ししたいこと
1.災害対策基本法・防災基本計画の中の市民セクター
2.東日本大震災で活躍した市民セクター
3.東日本大震災で活躍したNPO/NGOの実態
4.東日本大震災時のNPO/NGOの具体的な取り組み
5.東日本大震災時の市民セクターと行政・地域との接点
6.まとめと取り組むべき方向性
11
2.東日本大震災で活躍した市民セクター
市民セクターの台頭には「公」をめぐる社会環境の変化や法
人格の成立が影響
 「ボランティア元年」(1995年、阪神・淡路大震災)
 公益法人の設立や業務は主務官庁制
 特定非営利活動促進法(NPO法)の成立(1998年)
 特定非営利活動法人の設立には所轄庁の認証が必要
 公益法人制度改革(関連3法成立は2006年、100年以上ぶりの改正)
 一般社団法人や一般財団法人の設立は所轄庁という概念すらなく、定款の公
証人による認証と登記のみで設立が可能
12
2.東日本大震災で活躍した市民セクター
NPO/NGO・ボランティアの用語のイメージ
災害法制上の「ボランティア」
(≒市民セクター)
組織=NPO(広義のNPO)
特定非営利活動法人(狭義のNPO)
個人ボランティア
(狭義のボランティア)
一般社団法人
公益社団法人
・・・
任意団体
国際協力
分野で活
動する団
体(緊急支
援等)
NGO
13
2.東日本大震災で活躍した市民セクター
個人ボランティアの特徴
 個人単位で災害対応を実施する
 直接に被災者のもとに出向くことも
 個人ボランティアのコーディネートを行うNPO/NGOの活動
に参加することも
 個人ボランティアの代表的コーディネート機関は「災害ボラ
ンティアセンター」(市町村と協定を結んでいることが多い)
 基本的に無償の活動
 東日本大震災では災害ボランティアセンター経由で11か月
で延べ92万6千2百名
14
2.東日本大震災で活躍した市民セクター
東日本大震災では発災後半年程度にボランティアが集中する
ものの、3年以上経過してもボランティアは継続している
東日本大震災の災害ボランティアで受け付けたボランティアの延べ人数
200,000
180,000
160,000
140,000
120,000
100,000
福島県
80,000
宮城県
60,000
岩手県
40,000
0
2011年3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
2012年1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
2013年1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
2014年1月
2月
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
20,000
※参照
「災害ボランティアセンターで受け付けたボランティア活動者数の推移(仮集計)」(『全社協 被災地支援災害ボランティア情報』、
http://www.saigaivc.com/、2015年1月17日最終閲覧)
15
2.東日本大震災で活躍した市民セクター
東日本大震災ではNPO/NGOによる支援が台頭
 東日本大震災で支援活動を展開するNPO/NGOは、ある調査(*)でリ
ストアップできただけでも1,420団体。
 NPO/NGO =特定非営利活動法人だけではない。
 任意団体、一般社団法人、一般財団法人、公益社団法人、公益財団法人など。
 多くの人の誤解:「NPO/NGO=組織ボランティア=無償」
 有給職員を抱え、専門的な知識をもとに「仕事」として活動する組織も多数。
 会費・寄付金・民間助成金・行政補助金などが活動原資。
 NGOは「国際協力分野で活動するNPO」として理解されている。
* 一般社団法人パーソナルサポートセンター(2014)「東日本大震災で生じた地域福祉資源の実態および社会的企業
化を促進する仕組みに関する調査研究事業」。以下の資料でも結果を利用。
16
2.東日本大震災で活躍した市民セクター
NPO法人46%、任意団体29%、社団・財団13%。
7割はなんらかの法人格を持つ
調査時点における
被災者支援団体の法人格
法人格の種類
団体数 割合
219 40.3%
特定非営利活動法人
認定特定非営利活動法人
30 5.5%
一般社団法人
41 7.6%
一般財団法人
4 0.7%
公益社団法人
9 1.7%
公益財団法人
14 2.6%
社団法人
1 0.2%
財団法人
0 0.0%
社会福祉法人
15 2.8%
株式会社
11 2.0%
消費生活協同組合
13 2.4%
学校法人等
5 0.9%
宗教法人
7 1.3%
個人事業主
4 0.7%
任意団体
157 28.9%
その他
13 2.4%
合計
543 100.0%
任意団体
29%
[分類名]
[パーセンテー
ジ]
[分類名]
[パーセンテー
一般社団法人ジ]
8%
社団・財団 13%
特定非営利活動法人
一般財団法人
社団法人
株式会社
宗教法人
その他
認定特定非営利活動法人
公益社団法人
財団法人
消費生活協同組合
個人事業主
一般社団法人
公益財団法人
社会福祉法人
学校法人等
任意団体
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本日お話ししたいこと
1.災害対策基本法・防災基本計画の中の市民セクター
2.東日本大震災で活躍した市民セクター
3.東日本大震災で活躍したNPO/NGOの実態
4.東日本大震災時のNPO/NGOの具体的な取り組み
5.東日本大震災時の市民セクターと行政・地域との接点
6.まとめと取り組むべき方向性
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3.東日本大震災におけるNPOの活動実態
2010年度は100万円未満が最大、2011年度以降は1,000万~
1億円未満が最大。1億円以上の団体も約15~20%存在
被災者支援団体の収入規模
0%
2010年度
(N=238)
2011年度
(N=289)
20%
40%
[CELLRANGE]
[CELLRANGE]
80%
100%
[CELLRANGE] [CELLRANGE] [CELLRANGE]
[CELLRANGE]
2012年度
[CELLRANGE] [CELLRANGE]
(N=321)
2013年度
[CELLRANGE] [CELLRANGE]
(予算,N=278)
100万円未満
60%
100万円以上1000万円未満
[CELLRANGE]
[CELLRANGE]
[CELLRANGE]
[CELLRANGE]
[CELLRANGE]
1000万円以上1億円未満
[CELLRANGE]
1億円以上
19
3.東日本大震災におけるNPOの活動実態
保健医療・子ども・まちづくり・災害救援・中間支援が重視され
ている活動分野(5大分野)
21. その他
20.都道府県又は指定都市の条例で定める活動
19.中間支援
18.消費者の保護を図る活動
17.職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
16.経済活動の活性化を図る活動
15.科学技術の振興を図る活動
14.情報化社会の発展を図る活動
13.子どもの健全育成を図る活動
12.男女共同参画社会の形成の促進を図る活動
11.国際協力の活動
10.人権の擁護又は平和の推進を図る活動
9.地域安全活動
8.災害救援活動
7.環境の保全を図る活動
6.学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
5.農山漁村又は中山間地域の振興を図る活動
4.観光の振興を図る活動
3.まちづくりの推進を図る活動
2.社会教育の推進を図る活動
1.保健、医療又は福祉の増進を図る活動
2013年11月時点で重視する活動分野
0%
2%
4%
6%
8%
10% 12% 14% 16% 18% 20
20%
3.東日本大震災におけるNPOの活動実態
被災者支援資金充当額(収入×被災者支援使用割合)をみる
と、収入の多くは寄付・民間助成で賄われ、公費は2割程度
被災者支援資金充当額ベースでみた収入の内訳(万円)と割合(%)
独自事業,
356,237 , 14%
会費, 58,990 ,
2%
その他, 71,575 ,
3%
行政補助金,
307,065 , 12%
行政委託・請負,
211,599 , 8%
緊急雇用,
80,796 , 3%
民間助成,
522,033 , 21%
寄付金,
958,141 , 37%
21
本日お話ししたいこと
1.災害対策基本法・防災基本計画の中の市民セクター
2.東日本大震災で活躍した市民セクター
3.東日本大震災で活躍したNPO/NGOの実態
4.東日本大震災時のNPO/NGOの具体的な取り組み
5.東日本大震災時の市民セクターと行政・地域との接点
6.まとめと取り組むべき方向性
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4.東日本大震災時のNPO/NGOの具体的な取り組み
NPOの動き① 緊急時の救援物資配送
多くのNPOが協働し指定避難所以外へも物資供給
発災後
経過日数
活動内容
主な
協働団体
~1日
仙台市内で
の炊き出し
ワンファミリー
仙台、仙台夜
回りグループ、
萌友(それぞ
れ単独で実
施)
~3日
~5日
~7日
~3週間
~9週間
仙台市内避
難所への炊
き出し
宮城県内の
指定避難所
への物資補
給
行政の依頼
で、宮城県
内の病院・
福祉施設へ
の物資補給
指定外避難
所、寺社・
仏閣・教会
への物資補
給
今まで伺っ
た避難所へ
のフォロー
アップ
SOS対応
ワンファミリー
仙台、仙台夜
回りグループ、
萌友、現地
NPO、セカンド
ハーベストジャ
パン
ワンファミリー
仙台、仙台夜
回りグループ、
萌友、現地
NPO、セカンド
ハーベスト
ジャパン、HL
全国ネット・
GC、市民キャ
ビネットなど
ワンファミリー
仙台、仙台夜
回りグループ、
萌友、現地
NPO、セカンド
ハーベストジャ
パン、HL全国
ネット・GC、市
民キャビネット
など
ワンファミリー
仙台、仙台夜
回りグループ、
萌友、現地
NPO、セカンド
ハーベストジャ
パン、HL全国
ネット・GC、市
民キャビネット
など
ワンファミリー
仙台、仙台夜
回りグループ、
萌友、現地
NPO
23
4.東日本大震災時のNPO/NGOの具体的な取り組み
NPOの動き① 緊急時の救援物資配送
物資の配送
24
4.東日本大震災時のNPO/NGOの具体的な取り組み
NPOの動き① 緊急時の救援物資配送
物資の配送
25
4.東日本大震災時のNPO/NGOの具体的な取り組み
NPOの動き① 緊急時の救援物資配送
指定外避難所の存在
26
4.東日本大震災時のNPO/NGOの具体的な取り組み
NPOの動き① 緊急時の救援物資配送
物資が届かなかった社会福祉施設の存在
27
4.東日本大震災時のNPO/NGOの具体的な取り組み
NGOの被災者支援への拠出は全体の半分程度、団体数は全
体の1割程度、1団体あたりの資金規模は約10倍
100%
250
220
90%
80%
50%
40%
200
180
70%
60%
225
201
45.7%
51.3%
62.5%
48.7%
37.5%
30%
20%
17
10%
2
0%
2010年度
13
56.0%
125
44.0%
100
75
22
50
14
25
0
2011年度
2012年度
国際NGO(被災者支援資
金充当額合計)
175
150
54.3%
百万円
国際NGOかどうかでみた被災者支援資金充当額合計(割合)と1団体あたり平均(百万円)
国際NGO以外((被災者
支援資金充当額合計)
国際NGOの1団体あたり
の平均被災者支援資金
充当額(右軸)
国際NGO以外の1団体あ
たりの平均被災者支援
資金充当額(右軸)
2013年度(予算)
 国際NGO:特定非営利活動法人国際協力NGOセンター(JANIC)の正会員もしくは特定非営
28
利活動法人ジャパン・プラットフォーム(JPF)のNGOユニット加盟団体。
4.東日本大震災時のNPO/NGOの具体的な取り組み
参考)国際NGOとそれ以外のNPOの支援金額の比較
NGOかどうかでみた被災者支援資金充当額(万円)
国際NGO
国際NGO以外
合計
被災者支援資金充当額(万円)
2010年 2011年 2012年
2013年度
度
度
度
(予算)
36,219 505,262
463,052
378,258
34,356 303,727
550,957
296,906
70,575 808,989 1,014,010
675,164
有効回答団体数
2010年 2011年 2012年
2013年度
度
度
度
(予算)
21
23
23
21
189
233
252
219
210
256
275
240
国際NGO
国際NGO以外
合計
1団体あたりの平均被災者支援
資金充当額(万円)
2010年 2011年 2012年
2013年度
度
度
度
(予算)
1,725
21,968
20,133
18,012
182
1,304
2,186
1,356
336
3,160
3,687
2,813
被災者支援資金充額に
占める割合
2010年 2011年 2012年
2013年度
度
度
度
(予算)
51.3% 62.5% 45.7%
56.0%
48.7% 37.5% 54.3%
44.0%
100.0% 100.0% 100.0%
100.0%
 国際NGO:特定非営利活動法人国際協力NGOセンター(JANIC)の正会員もしくは特定非営
利活動法人ジャパン・プラットフォーム(JPF)のNGOユニット加盟団体。
29
4.東日本大震災時のNPO/NGOの具体的な取り組み
NGOによる緊急人道支援の実績: ジャパン・プラットフォーム
(JPF)の事例より
特定非営利活動法人ジャパン・プラットフォームの活動実績
※参照
「特定非営利活動法人ジャパン・プラットフォーム」ホームページ(http://www.japanplatform.org/、2015年1月17日最終閲覧)
30
4.東日本大震災時のNPO/NGOの具体的な取り組み
緊急人道支援を行うNGO団体の例
特定非営利活動法人ジャパン・プラットフォームの加盟団体
※参照
「特定非営利活動法人ジャパン・プラットフォーム」ホームページ(http://www.japanplatform.org/、2015年1月17日最終閲覧)
33
NGOの行動規範
「国際赤十字・赤新月運動および災害救援を行う非政府組織の
ための行動規範」から抜粋
• 人道的見地からなすべきことを第一に考える
– 一部の人々のためや政治的な行為ではない
• 援助は人種、信条、国籍に関係なく、いかなる差別もなしに
行われる。援助の優先度はその必要性に基づいてのみ決定
される。
– 女性の果たす役割の重要性を認識し、・・・女性の役割を支援する
• 地元の対応能力に基づいて災害救援活動を行うように努め
る
– 現地団体、現地政府との適切な協力関係を結び、緊急援助活動の
場合は適切な調整の下に行われることに高い優先度を置く
国連クラスター・アプローチ
クラスター
リード・エージェンシー
農業
FAO
キャンプ調整及び運営
UNHCR(紛争起因)、IOM(災害時)
早期復旧
UNDP
教育
UNICEF/Save the Children
緊急シェルター
UNHCR(紛争起因)、IFRC(災害時)
緊急通信
OCHA(処理)、UNICEF(データ)、WFP(セキュリティ)
保健
WHO
輸送
WFP
栄養
UNICEF
保護
UNHCR(紛争起因、災害時)、OHCHR(災害時)、
UNICEF(災害時)
水と衛生
UNICEF
出典:外務省HP
現地写真・活動報告 (東日本大震災)
人命救急活動
まだ雪の降るなか、家屋を懸命に捜索。
残念ながら生存者を見つけ出すことが
できなかった。
◆岩手県陸前高田市
©JR
A
南三陸町の歌津地区で医療活動。拠点となる「歌
津つつじ苑」では毎日の午前・午後の診療。
また、巡回診療では患者数など状況により、訪問
場所や日程を調節していきます。
イスラエルからの医療チームと協力して支援地
域・内容の拡充に努めました。
ベイサイド・アリーナでは重複処方を避けるため
に薬剤リストを作成するなど、診療だけでなく医療
コーディネート役としても活動。
◆宮城県 南三陸町
©HuMA
▲ 歌津地区の民家に避難している被災者を巡回訪問する甲斐医師
現地写真・活動報告 (東日本大震災)
食糧配布/炊き出し
震災当初は、おにぎりやカレーなどの炊き出し。
徐々に野菜など生鮮食品が届くようになり、
被災者の栄養面を考慮したメニューに切り替
えていきました。
◆宮城県 南三陸町 歌津地区
©JAFS
地元団体と協力して、炊き出しや物資配布。
実施場所は山田町、陸前高田市広田町、遠野市綾
織町、大船渡市赤崎町など広範囲にわたります。
◆岩手県各地
©PB
▲ 大船渡市では、地元の若者の協力を頂きました。
©PB
現地写真・活動報告 (東日本大震災)
支援物資配布
例えば、地震から1週間でAAR(難民を助ける会)が
被災地に届けた支援物資は以下の通りです。
©PWJ
©AAR
▲ 3月14日、仙台市立中野中学校に500人の方に食糧を届け
る
●支援物資
軽油3,600リットル、灯油3,200リットル、水6トン、毛布1,000枚、
簡易寝袋3,400枚、栄養補助食品3,000個、みかん2トン、
米660キロ、下着・衣類18,000枚、マスク5,000枚、紙おむつ17,000枚、
女性用衛生用品7,000個、カイロ4,000個、
その他(粉ミルク、お茶、レトルト食品、菓子類、電池、文房具など)
●配布先
避難所となっている学校や障害者施設、高齢者施設など20数か所
©AAR
石巻市立鹿妻(かづま)小学校(1,600人)、
女川町立第二小学校(約1,500人)、
渡波際(わたのはきわ)地区の民家に避難している方々(約300人)、
山元町の身体障害者更生施設「静和園」(約60人)など
©AAR
©AAR
▲ 宮城県柴田郡大河原町の施設「くすのき」にて
現地写真・活動報告
(東日本大震災)
教育支援
©SVA
4月23日に、山田町に29人乗りのスクールバスが
届き、25日の始業式に間に合いました。
避難所の子どもたちが通学するためのスクール
バス6台の他、制服や体操着の提供、教職員室の
整備及び教職員住環境整備など教育支援を実施。
▲ 進呈式の様子
◆岩手県 山田町
県と市の両教育委員会と連携して、入学式と始業式に合わ
せノートや鉛筆など19種類の学用品セットを気仙沼市内にあ
る11の小学校、1,764人の生徒に届けしました。
◆宮城県 気仙沼市
現地写真・活動報告 (東日本大震災)
運送・ロジ・通信
震災直後、通信環境の整わない中で、衛星電話
の無料開放と充電サービス。
ご家族の安否確認やご自身の生存を伝えるため、
多くの被災者の方々が利用しました。
(約700名が避難している気仙沼中学校にて)
◆岩手県 気仙沼市
©PWJ
県立大船渡病院に設置したBHNの通信システム。産科医がい
ない遠野市から周産期医療などで医師たちが自由に使えるよう
になりました。
◆岩手県 大船渡市
小学校の避難所に設置し
たインターネット通信。
子どもたちもPCを通じて
情報を探したり、友達と
ネット上で連絡を取れるよ
うになりました。
©BHN
©BHN
◆岩手県 大槌町
現地写真・活動報告 (東日本大震災)
災害弱者支援
外国人被災者の支援
被災された外国人の方々への訪問や、多言語での東日本大震災に関する情報発
信。
★For refugees and foreigners in Japan: Earthquake information
http://www.refugee.or.jp/jar/topics/other/2011/03/14-1001.shtml
◆被災地、避難先である首都圏、ホームページ
現地写真・活動報告
(東日本大震災)
その他
写真整理
瓦礫撤去を行う自衛隊や警察などと協力して、写真や賞
状など思い出の品を被災者の方々へお渡ししています。
津波で流されてしまった写真やアルバムは、ボランティ
アの皆さんの手により丁寧に一枚一枚きれいにされて
特設テントに集められ、被災者のお手元に戻っていきま
す。
©JPF/CCP
◆岩手県 大槌町
©JPF/CCP
▲ お孫さんを囲んでの家族との写真や、修学
旅行や夏祭りで友達と、趣味のサークル活動
の仲間たちとなど沢山のアルバムが集まってい
ます。
法律相談
被災者の方々の法律相談を各地の避難所で行っています。
「地震前に購入した住宅のローン支払いは?」など、
弁護士の方々の協力を得て、被災者の心配に答えています。
◆岩手県 大槌町
©JPF/JAR
▲図や絵を用いて、被災者のお悩みに分かり
やすくお答えできるように工夫しています。
東日本大震災寄付金一覧
ジャパン・
プラットフォーム
(JPF)
東日本
受入寄付金の
推移
2011年3月
2011年4月
2011年5月
2011年6月
2011年7月
2011年8月
2011年9月
2011年10月
2011年11月
2011年12月
2012年1月
2012年2月
2012年3月
2012年4月
2012年5月
2012年6月
2012年7月
2012年8月
2012年9月
2012年10月
2012年11月
2012年12月
2013年1月
2013年2月
2013年3月
2013年4月
2013年5月
2013年6月
2013年7月
2013年8月
2013年9月
2013年10月
2013年11月
2013年12月
東日本 計
2013年12月31日現在
企業・団体
件数
金額
個人
件数
合計
金額
件数
金額
内、海外
件数
金額
1,161
658
302
153
99
57
64
55
49
47
37
30
62
32
24
35
22
16
23
16
21
22
10
20
63
24
12
17
15
9
18
14
13
19
3,245,458,493
1,595,769,410
509,136,510
162,927,308
40,084,155
68,946,999
26,478,432
83,982,835
7,670,332
19,172,377
14,591,359
53,536,135
17,652,247
21,538,855
5,663,799
25,370,174
7,225,796
1,286,906
4,687,553
-7,158,305
1,119,099
2,636,664
4,910,624
1,076,579
41,249,527
5,431,737
1,099,620
1,670,218
765,022
1,024,489
785,536
4,942,975
683,037
1,958,318
32,419
4,130
1,198
556
421
329
220
212
180
234
180
145
296
120
118
103
96
94
83
86
78
170
84
97
126
89
108
59
101
68
80
68
55
77
660,611,356
176,707,784
75,283,479
10,236,642
21,026,478
4,930,421
13,697,526
5,713,455
2,768,690
5,211,786
2,244,527
2,067,938
10,086,189
1,540,614
1,528,134
834,726
875,744
2,291,748
33,110,818
3,535,882
2,736,210
6,992,774
852,360
1,553,763
5,420,325
747,512
2,158,210
326,061
1,416,193
1,624,920
1,226,787
994,163
387,372
1,091,768
3 3 ,5 8 0
4 ,7 8 8
1 ,5 0 0
709
520
386
284
267
229
281
217
175
358
152
142
138
118
110
106
102
99
192
94
117
189
113
120
76
116
77
98
82
68
96
3 ,9 0 6 ,0 6 9 ,8 4 9
1 ,7 7 2 ,4 7 7 ,1 9 4
5 8 4 ,4 1 9 ,9 8 9
1 7 3 ,1 6 3 ,9 5 0
6 1 ,1 1 0 ,6 3 3
7 3 ,8 7 7 ,4 2 0
4 0 ,1 7 5 ,9 5 8
8 9 ,6 9 6 ,2 9 0
1 0 ,4 3 9 ,0 2 2
2 4 ,3 8 4 ,1 6 3
1 6 ,8 3 5 ,8 8 6
5 5 ,6 0 4 ,0 7 3
2 7 ,7 3 8 ,4 3 6
2 3 ,0 7 9 ,4 6 9
7 ,1 9 1 ,9 3 3
2 6 ,2 0 4 ,9 0 0
8 ,1 0 1 ,5 4 0
3 ,5 7 8 ,6 5 4
3 7 ,7 9 8 ,3 7 1
- 3 ,6 2 2 ,4 2 3
3 ,8 5 5 ,3 0 9
9 ,6 2 9 ,4 3 8
5 ,7 6 2 ,9 8 4
2 ,6 3 0 ,3 4 2
4 6 ,6 6 9 ,8 5 2
6 ,1 7 9 ,2 4 9
3 ,2 5 7 ,8 3 0
1 ,9 9 6 ,2 7 9
2 ,1 8 1 ,2 1 5
2 ,6 4 9 ,4 0 9
2 ,0 1 2 ,3 2 3
5 ,9 3 7 ,1 3 8
1 ,0 7 0 ,4 0 9
3 ,0 5 0 ,0 8 6
96
83
30
22
15
11
6
4
0
3
0
1
2
2
1
0
2
1
0
1
0
1
0
0
2
0
1
0
0
0
0
0
0
0
121,530,978
150,338,886
139,438,682
46,137,295
19,619,168
14,715,717
8,996,697
14,580,706
0
265,193
0
41,990,173
31,689
16,130,626
1,941,359
0
2,451,637
86,732
0
39,830
0
55,290
0
0
658,903
0
811,516
0
0
0
0
0
0
0
3,219
5,973,374,815
42,480
1,061,832,355
45,699
7,035,207,170
284
579,821,077
①JPFの資金助成について(加盟NGOによる事業)
初動・ニーズ調査
1,424万
6,165円
8件
本格的な支援のため
の調査など
Civic Force
災害人道医療支援会
日本レスキュー協会
日本国際民間協力会
ピースビルダーズ
ピースウィンズ・ジャパン
SEEDS Asia
教育支援
地域復興支援
10億5,812万
4,061円
清掃、瓦礫撤去
避難所運営
障がい者、高齢者支援
など
6件
難民を助ける会
パレスチナ子どものキャンペーン
ジェン
日本国際民間協力会
4億1,110万
1,634円
4件
学用品の配布
就学環境の整備
スクールバスの整備
など
国境なき子どもたち
セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン
シャンティ国際ボランティア会
2011年8月9日現在
食糧・物資支援
医療・公衆衛生支援
27億1,901万
2億1,404万
8,628円
17件
9,989円
3件
医療支援
巡回診療
心理社会的サポート
など
炊き出し、物資配布
仮設住居等への生活物資配布
など
災害人道医療支援会
日本国際民間協力会
その他
5,545万
9,400円
2件
外国人被災者に対す
る法的支援など
難民支援協会
難民を助ける会
ADRA Japan
ブリッジ エーシア ジャパン
BHNテレコム支援協議会
パレスチナ子どものキャンペーン
ICA文化事業協会
アジア協会アジア友の会
難民支援協会
ジェン
国境なき子どもたち
パルシック
ピースウィンズ・ジャパン
企業支援とNGO等とのマッチング(JPF)
(※実際に提供に
至らなかったケー
スもあり得る)
10
6
物資カテゴリ
物資明細
衛生・医療
衛生・医療
衛生・医療
衛生・医療
衛生・医療
日用品
日用品
日用品
衛生・医療
衛生・医療
寝具
寝具
生理用品
ハンドクリーンジェル
石鹸
1
歯ブラシ・歯磨き粉
子供用オムツ
衣料用洗剤
食器用洗剤
キッチンハイター(除菌・漂白)
バスタオル
フェイスタオル
毛布
着る毛布
キルトニットスロー(肩掛け、ひざ掛けになる
布)
キルト多用布
キルト多用布
木製折りたたみデスク
木製折りたたみチェア
アルミふっ素加工鍋・フライパン・ふた3点
セット
ペットボトル 緑茶
ペットボトル ウーロン茶
ペットボトル ジャスミン茶
ペットボトル レモン水
ペットボトル ミルクティ
ペットボトル ジンジャーエール
ペットボトル 和歌山みかんジュース
ペットボトル 有機ルイボスティ(ノンカフェイ
ン)
ペットボトル 黒豆茶(ノンカフェイン)
キャラメルポップコーン
チェダー&ゴーダチーズポップコーン
大袋 チェダー&ゴーダチーズポップコーン
ぶどうのクッキー
黒豆かきもち
黒こしょうせんべい
バターチキンカレー(レトルト)
グリーンカレー(レトルト)
レッドカレー(レトルト)
キーマカレー(レトルト)
サージカルマスク
寝具
寝具
寝具
建築資材・什器他
建築資材・什器他
日用品
食糧
食糧
食糧
食糧
食糧
食糧
食糧
食糧
1
食糧
食糧
食糧
食糧
食糧
食糧
食糧
食糧
食糧
食糧
食糧
衛生・医療
A
D
R
A
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C
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E
D
S
S
N
S
S W
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A J
J
体 P
以 F
外
へ加
盟
団
)
(物資リスト追加
順)
A
A
R
(
企業・ 団体名
NGOとのマッ
チング組数
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
NGOの初動対応(JPFの事例)
3月11日
・地震発生時
14:46
地震発生
17:32
出動決定
18:20
プレスリリース
18:38
寄付の呼びかけ
23:45
在日大使館宛てリリース
助成審査会中
・安否・対応状況の確認(3団体が支援決定)
・代表理事(2名)との連絡・協議
・緊急準備金の確認
・企業から最初の寄付決定の連絡(19:28)
・JPF学生ネット、元スタッフが応援来訪
・週末にかけての体制確認
・4名が事務所にて朝まで対応にあたる
(助成審査員2名も帰宅できず・・・)
NGOの初動対応(JPFの事例) ②
3月12日以降(東京にて)
12日
ヘリコプターでの視察
4団体への事業承認
14日
支援団体間意見交換会
海外支援の受入協議
ボランティア連携室立上げ準備会議
JPF当面の支援方針決定
16日
加盟NGOとの会議
ボランティア連携室会議
JCN世話人会
17日
スタッフの現地派遣を決定
19日
Inter Agency Mtg開催
スタッフ2名が東北入り
・NGOからの助成金申請
・福島第一原発
・海外からの問合せ
・企業からの支援の申出
全体的な支援調整の期待
・通行許可証問題
・医師・医薬品問題
・燃料問題
・物資マッチング開始
・海外NGOの対応
海外からの支援受入窓口を行うには、
支援全体の調整が必要だが、東京では・・・
本日お話ししたいこと
1.災害対策基本法・防災基本計画の中の市民セクター
2.東日本大震災で活躍した市民セクター
3.東日本大震災で活躍したNPO/NGOの実態
4.東日本大震災時のNPO/NGOの具体的な取り組み
5.東日本大震災時の市民セクターと行政・地域との接点
6.まとめと取り組むべき方向性
50
NGOの初動対応(JPFの事例) ③
3月19日以降(東北にて)
(19日
大震災NPO連携ネットワーク会議)
断られた
20日
県社協訪問
宮城県庁訪問
せんだい・みやぎNPOセンターとの会議
政府対策本部避難所視察会議
挨拶だけ
21日
加盟NGO活動視察
22日
仙台市との協議
(WFP倉庫、ガソリンについて)
24日
26日
県、国連機関等との会議
県社協との会議
みやぎ連携復興センター立上決定
大震災NPOネットワーク会議(第2回)
自衛隊、政府現対との会議
みやぎ連携復興センター参加打診
海外NGO窓口、物資マッチングを模索
内閣府防災企画官との出会い
支援調整の実施および政府現地
対策本部会議への参加依頼
UNの申し出断る
県社協ボラセンへの参加要請
炊き出しの調整提案
今後の「4者会議」の基
5.東日本大震災時の市民セクターと行政・地域との接点
宮城現地対策本部においてはボランティア連携が模索された
宮城現地対策本部の体制図
※参照
「宮城現地対策本部配布資料」より
52
対策本部長
NPO/NGO
関係省庁等からのリエゾン
53
5.東日本大震災時の市民セクターと行政・地域との接点
被災者支援4者連絡会議として国・宮城県・自衛隊・市民セク
ターの支援調整会議がもたれた
被災者支援4者連絡会議
※参照
「宮城現地対策本部配布資料」より
54
5.東日本大震災時の市民セクターと行政・地域との接点
被災者支援4者連絡会議をきっかけに、行政と市民セクター間
で種々の支援調整が行われた
【炊き出し】
 石巻市で定期的に三者会議(行政、自衛隊、NPO)を実施し、自衛隊、NPOで避難所を分担し、約30,000
食分(2011年4月下旬時点)をカバー
 気仙沼市で自衛隊とNPOで役割分担を決め、自衛隊は主に主食(米飯、味噌汁)、NPO側は主に副食の
提供を行う協力を実施
【GWボランティア対応】
 気仙沼市、女川町、石巻市、東松島市等の災害ボランティアセンターに、県、NPO、企業から応援人員を
派遣し、ボランティア・バスの受け入れ態勢を整えた
【政府の被災者支援制度の紹介】
 漁業や事業者に関する再建支援制度について、NPO側が疑問点を行政に直接質問し、明確化
 石巻ではNPO/NGOが運営する復興支援協議会のHPで支援制度のリンクをとりまとめ、掲示
【応急仮設住宅対応】
 宮城県内の11市町において、スターターパック約23,000セットを仮設住宅へ提供
【県の支援物資】
 宮城県によせられた支援物資をNPOが有効活用
【暖房器具の配布】
 冬季の寒さ対策として、国、県、市町、NPO等が協力し、民間賃貸住宅(みなし仮設)で生活している被災
者への要望確認を行い、希望する全世帯へ暖房器具を配布
55
自衛隊
石巻市
NGO
56
5.東日本大震災時の市民セクターと行政・地域との接点
応急仮設住宅へ家具・寝具・日用品などのスターターパックを
4者連絡会議で調整のうえNPO/NGOが配布
スターターパックの配布
着工予定戸数
市町
仙台市
山元町
気仙沼市
南三陸町
石巻市
女川町
東松島市
塩釜市
七ヶ浜町
多賀城市
名取市
岩沼市
亘理町
計
担当
NPO/NGO
PSC
ADRA
WVJ
WVJ
JEN
PBT
ADRA
PLAN
PLAN
PLAN
ADRA
1次
119
78
106
56
137
57
112
60
115
45
102
104
116
1,207
2次
114
100
178
53
205
0
154
48
0
0
102
158
95
1,207
3次
4次
5次
6次以降
118
151
114
257
362
0
165
176
88
503
324
557
102
292
195
90
402
80
564
130
200
36
54
326
62
208
1,853
105
0
211
0
179
2,537
57
150
0
50
256
2,174
1,778
793
1,697
2,530
8,175
1,711
1,277
392
187
251
144
6
646
19,587
合計
2,500
1,300
3,000
3,300
10,000
2,000
2,200
500
500
500
885
380
1,500
28,565
57
5.東日本大震災時の市民セクターと行政・地域との接点
宮城県の災害対応検証① 連携・協働の事例
【要介護者支援対策の検証】
長寿社会政策課は、災害後早い段階から沿岸部に入っていいた民間支援団体に対して高速道路通行証
の発行などの支援を行いながら、民間団体から現地の情報を収集することができた。県職員の人数が
限られ、燃料が不足する中で、このような現地で活動する民間団体等との連携は被災地のニーズ把握等に
重要である。今回の教訓を活かし、今後もその連携の在り方を良いものにするため、計画などに反映させる
ことが必要である。(P353)
【学校保健・学校給食の検証】
スポーツ健康課は、学校給食の再開にむけて、ユニセフ協会やワールド・ビジョン・ジャパンと協力関係を構
築して、給食設備を修繕し、子どもたちに給食を提供したり、弁当を提供したりする取り組みを実施した。この
ような取り組みは、行政と民間のNPO/NGOが連携し、相互が持っている資源を共有することで、被災者
の福祉の向上につながったケースである(P624)
【学用品支援関係の検証】
スポーツ健康課は、ランドセルや学用品などの援助物資を宮城県武道館柔道場に受入れ、すでに被災現
場で活動を実施していた各NGO団体等との間で支援の内容を調整したほか、各団体が支援を行わない市
町村に対しては、受け入れたランドセルや学用品の支援を行った。物資の管理と輸送に関しては、災害対策
本部事務局の対応能力を超える事態になっていたために、教育庁は本部事務局を介さずに、NGO団体等と
連携して対応した。スポーツ健康課は、こうしたNGO団体等との定期的案協議をおこなっており、それによ
り物資の輸送の調整について円滑に行うことができた。(P627)
※参照
宮城県(2012)「東日本大震災-宮城県の6か月間の災害対応とその検証- 」
58
5.東日本大震災時の市民セクターと行政・地域との接点
宮城県の災害対応検証② 支援調整、受け入れ態勢の検証
【災害ボランティア活動支援対策の検証】
災害支援への知識・経験が様々な個人・団体がボランティアとして関わる状況では、社会福祉協議会を中
心とした災害ボランティアセンターによる受入態勢のみならず、災害時における支援調整の実績を持
つNGO・NPO等の協力を得て、ボランティアの受け入れ態勢を作ることも検討する必要がある。(P659 )
政府緊急災害現地対策本部、自衛隊、宮城県、ボランティアによる「被災者支援4者会議(4者会議)」が3月
下旬から開催された。(中略)4者会議では、被災者への食事の提供、災害ボランティアセンターの運営支援、
避難所・応急仮設住宅への物資の提供などが議論された。当初は、検討する課題ごとに県の担当部局が異
なっており、NPO/NGOの対応窓口が一本化されておらず、継続した協議が難しいとの指摘がNPO/NGOから
だされた。この点については、その後、社会福祉協議会が調整の中心的役割を担うことにより改善され、会
議は、政府現地対策本部撤退後も継続して行われ、それにより、夏の暑さ対策、地域コミュニティ支援、冬の
寒さ対策など、時節に応じた支援が実現していた。政府とNPO/NGOとの連携による被災者支援は、行政の
支援が届き難いところに対しても支援が可能であるため、今後の災害においても適応が期待されるが、その
ためには、県のNPO/NGOの受け入れ態勢を事前に定めておく必要がある。(P660)
※参照
宮城県(2012)「東日本大震災-宮城県の6か月間の災害対応とその検証- 」
59
5.東日本大震災時の市民セクターと行政・地域との接点
宮城県の災害対応検証③ 個人ボランティアではない
NPO/NGOの受入調整の仕組み
【災害ボランティア活動支援対策の検証】
東日本大震災においては、海外で活動を展開する資金規模が大きいNPO/NGOと行政の連携による被災
者支援が、炊き出し・応急仮設入居者への生活物資(スターター・パック)の提供、学用品の提供などにおい
てみられた。資金・人員の点においても規模が大きく、かつ被災市町の情報に詳しいNPO/NGOと行政との連
携による被災者支援は、迅速に被災者支援を届けることができるという点で有効であった。しかしながら、災
害発生前からNPO/NGOとの連携調整の仕組みが構築されていたわけではなく、宮城県においては、海外
の災害における支援調整の実績を持つNPOが中心となり、また、石巻市においては、当初は阪神・淡路大地
震や中越地震での被災地支援の実績があるNPOが中心となり、その後、石巻市災害復興支援協議会が設
置され、調整が行われた。今後の災害に備えるためには、災害ボランティアセンターを通した、個人ボランテ
ィアの受入調整の仕組みとは異なる、NPO/NGOの受入調整を行うための仕組みを新たに構築する必要
がある。(P660)
※参照
宮城県(2012)「東日本大震災-宮城県の6か月間の災害対応とその検証- 」
60
海外支援の受け入れについて
「東日本大震災と国際人道支援研究会」
 http://www.jrc.ac.jp/ihs/journal_03_annex/index.html
 http://www.jrc.ac.jp/ihs/digest_jp/index.html#
61
5.東日本大震災時の市民セクターと行政・地域との接点
地域における中間支援組織の必要性
 中間支援組織(intermediary)
 NPO/NGOに主として資源(人、モノ、カネ、情報)を仲介したり、 NPO/NGO間のネットワー
ク形成を促進したりすることを役割とするNPO/NGO。
 東日本大震災では被災3県(岩手県、宮城県、福島県)に地域の中核的
NPO/NGOを中心に「連携復興センター」という中間支援組織が成立。
 主としてNPO/NGO間、 NPO/NGO-行政、 NPO/NGO-企業の間で、 情報(情報共有
の場の設定、情報収集、情報発信)、調整(資源調整、組織間調整)、組織基盤強化(人
材育成、資金助成、運営ノウハウ移転、コンサルティング)、アドボカシー(調査、政策提
言)などの機能を担う。
※参照
内閣府「中間支援組織の現状と課題に関する報告書」(2002年、https://www.npo-homepage.go.jp/data/report11_2.html)
田中弥生「NPOと社会をつなぐ―NPOを変える評価とインターメディアリ」(東京大学出版会、2005年)
各県の連携復興センター担当者へのヒアリングから作成
いわて連携復興センター(http://www.ifc.jp/、2015年1月21日閲覧)
62
東日本大震災における支援者間の連携・調整
「多様な支援グループをつなぐネットワークの検証」
63
本日お話ししたいこと
1.災害対策基本法・防災基本計画の中の市民セクター
2.東日本大震災で活躍した市民セクター
3.東日本大震災で活躍したNPO/NGOの実態
4.東日本大震災時のNPO/NGOの具体的な取り組み
5.東日本大震災時の市民セクターと行政・地域との接点
6.まとめと取り組むべき方向性
64
災害対策基本法改正案(平成25年6月17日成立)
【新設】
(国及び地方公共団体とボランティアとの連携)
第五条の三
国及び地方公共団体は、ボランティアによる防
災活動が災害時において果たす役割の重要性に
鑑み、その自主性を尊重しつつ、ボランティアとの
連携に努めなければならない。
問題は・・・・
誰と?
どうやって?
65
内閣府 提言(案)
「大規模災害時におけるボランティア活動の広域連携に関
する意見交換」 (配布資料)
http://www.bousai-vol.go.jp/meeting/150225/date05.pdf
66
全国災害ボランティア支援団体ネットワーク
(JVOAD)の概念
被災者・被災地支援
行政による
被災者支
援
(国、都道府県
区市町村)
JVOAD
災害対応の課題
を解決するため、
支援者間の連携
促進と支援の調
整を実行する
企業による
被災者支
援
市民セクターによる
被災者支援
(NPO・NGO等)
67
JVOADの活動概要(案)
JVOADは、
東日本大震災での課題を踏まえ、
地域の多様なニーズに対応した支援活動を支えるために、
セクターを超えた支援団体者間のネットワークを構築し、
平時から災害対応の環境整備に努め、
災害が起きた際には、以下の機能を発揮する。
[求められる機能]
①被災者/住民/地域のニーズおよび支援状況の情報を集約し全体像を把握する
→支援ギャップの把握
②支援活動に必要な情報共有の環境を整備し、支援者間の連絡調整(コーディネーション)を実
施する
→支援リソース(サービス、人材、物資、資金等)の効果的投入
→支援ギャップの解消と重複の回避
③復旧・復興に向けた支援策の提言および支援全般の検証を実施する
68
JVOADの災害対応構想(案)
現地での支援活動
企
業企
業企
業
団
体
連絡調整会議等の実施
・・・
大
学
現地での支援活動をサポート
「〇〇県災害ボランティ
ア支援団体ネットワー
ク」
県域のネットワークの設置、運営
のサポート
NP
O
企
業
全社
協
団
体
JANI
C
NP
O
NG
O
・・・
企
業
NG
O
1%ク
ラブ
JNPO
C
支援P、JCN
中央
共募
NW団体で構成
分
野
NW
JPF
大
学
日生
協
JVOAD
事務局
日赤
県
域
NW
NP
O
JC
市町村
都道府県
・県災害対策本部との
連携体制構築
国
NP
O
・・・
震つ
な
連絡調整会
議等の実施
③提言・
検証の実施
②情報共有とコーディネーションの実施
①情報集約と支援の全体像の把握
③提言・
検証の実施
NP
O NP
O NP
O
連絡調整会
議等の実施
・情報共有
・課題解決の調整
・災害対策本部(非常、緊
急、現地)との連携体制構
築
・省庁連絡会議の実施
経済界等
69
支援団体等で構成
災害時における行政とNGOとの連携(米国の事例)
協定
NVOAD: National Voluntary
Organizations Active in Disaster
自
治
体
70
JVOAD準備会参加団体
(ネットワーク、中間支援組織)
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
•
国際協力NGOセンター(JANIC)
災害ボランティア支援プロジェクト会議(支援P)
ジャパン・プラットフォーム(JPF)
震災がつなぐ全国ネットワーク(震つな)
全国社会福祉協議会
チーム中越
東京災害ボランティアネットワーク(東災ボ)
日本NPOセンター(JNPOC)
日本青年会議所(JC)
日本赤十字社(日赤)
東日本大震災支援全国ネットワーク(JCN)
(五十音順)
71
6.まとめと取り組むべき方向性
信頼できる「パートナー」としてNPO/NGOと組める状況を作る
必要がある
 大規模な災害時には、外部から多くのNPO/NGO等のボランティアが
くる。NPO/NGOの中には、専門性、機動力、大規模な支援経験をもっ
た団体も多く、災害対応、復興支援の力となりうる。
 事前からの準備がないとうまく連携できない。
 有力なNPO/NGOとお付き合いをしておく(お付き合いできる部門があること、職
員がいること、餅は餅屋だが餅の味を吟味できる舌がないと付き合えない)。
 有事の際の連携の在り方をNPO/NGOと対話しながら決めておく
 訓練への参加等を通じて、関係性の構築・維持。
 地域に有力なNPO/NGOが育つような環境整備。
72
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