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日立のERP 前編 SAP® S/4HANA
特集 日立のERP 前編 SAP® S/4HANA 日立が「SAP® S/4HANA」の 活用で実現する ビジネスのリアルタイム化 グローバリゼーションが加速し、さまざまなチャネルでお客さまとの接点強化が課題となる中、企業にはデータ活用を 重視したリアルタイムなスピード経営が求められています。そのため経営資源を一元管理するERP※1システムでも、 イノベーションを支えるプラットフォームの変革が始まっています。今回1月号、2月号の2回にわたって「日立のERP」を特集 エスフォーハナ で取り上げます。前編となる今月号では、次世代エンタープライズソフトウェアとして登場した「SAP® S/4HANA」 の概要、その導入を成功に導く日立のソリューションと「ERP on SAP HANA®」の事例をご紹介します。 ※1 Enterprise Resource Planning スピード経営を実現する次世代 エンタープライズソフトウェア こうしたビジネス環境の急激な変化に 対し、ERPに代表される既存の基幹シス SAP S/4HANA とは テムは、バックエンドのオペレーションを支 日々変化する市場において持続的な える意味合いが強く、データ分析にかか SAP S/4HANAは、超 高 速なインメ 成長をめざすには、既存の発想を転換し るコストやタイムラグの長さから 「リアルタイ モリプラットフォーム※3「SAP HANA」を た新たなビジネスモデルの構築や、付加 ムなビジネスアクションにつながらない」 、 データベースエンジンとし、膨大なデータ 価値の高いサービス・製品を創造してい 「国内外の拠点や組織ごとに導入される くイノベーションが必要です。そのため、 ケースが多い」ことから「M&Aや業務統 る次世代のビジネススイートです。 企業ではグローバルレベルでのスピー 合などに柔軟に対応できない」 といった ※3 メモリ上で高速なデータ処理を実現するソフトウェア ディーな意思決定が求められており、クラ 課題が指摘されていました。SAP社が ウドやスマートデバイスを活用したフレキ 2015年2月から提供を開始したのが、こ ■リアルなビジネス状況の可視化により シブルなワークスタイルへの変 革や、 れらの課題を解決し、スピード重視の経 経営分析や各種業務を効率化 IoT※2/ビッグデータの利活用といったビ 営を支える次世代エンタープライズソフト ジネスに貢献するIT投資への動きが加 ウェア「SAP S/4HANA」です。 造のシンプル化です。これまでトランザク 速しています。 ※2 Internet of Things ションデータの蓄積や分析用に必要だっ の高速処理やリアルタイム分析を実現す その最大の特長となるのが、データ構 はいたっく 2016.1 All Rights Reserved,Copyright ©2016,Hitachi,Ltd. 2 日立の取り組み 「記録・保存・出力」だけでなく 「データ活用」の視点が重要 ・業務縦割りで 定型的なレポートを出力 今まで サマリー データ 営業 システム 生産管理 システム ・サマリーデータを 締め時に投入 過去データの記録・保存・出力だけのシステムではなく、基幹システム内のデータを未来志向で 活用できる形に変えるにはどうするのかが、今後のシステム検討のポイント ECC6.0 FI Excel® CO MM これから 経営者 SAP S/4HANA 明細 データ Supply Chain 営業 システム 大福帳 ・更新が遅い、必要な情報が不足 ・データ抽出が自在にできない 生産管理 システム 明細データ ・必要な粒度、頻度で 明細データを投入 DWH マネージャー Sales Sourcing & Procurement SD PP ダッシュボード Finance 必要に応じて改修 HANA View Excel® 担当 成型レポート ・同じデータソースを元に役割に応じてセルフ サービスでビジネスに必要なデータを分析 ・定型業務も同一環境で実施 図1 SAP S/4HANAで何が変わるのか? たインデックスや集計テーブルが不要とな の高いシステム変更や機能追加が可能 ■「早めにメリットと課題を可視化する」 り、明細データからすべての検索・分析処 なほか、基幹業務だけでなくIoTやビッ ことが導入のコツ 理がリアルタイムに行えるようになります。 グデータなど、広い分野の共通プラット SAP S/4 H A NAは、既存の S A P フォームとしても利用することができます。 ERP(ECC6.0)のアップグレードではな 過去ではなく “現在”のリアルなビジネ く、新たなコンセプトの元で開発された次 ス状況をいつでも可視化できるため、計 画・実行・シミュレーションといった経営 ■意思決定と 世代のソリューションです。このため、従 分析や各種業務を効率化することがで ビジネスイノベーションを加速 来SAPシステムを活用していた企業で きます。独 自の デ ータベ ースビュー もう1つ、マルチデバイス対応のユー も、移行にはシステム運用のみならず組 「SAP HANA View」 とフロントツールを ザーインタフェース「SAP Fiori 」による、 織や業務の見直しなど数々のハードル 使うことで、ユーザーがさまざまな切り口 シンプルで使いやすい画面も大きな特 が待ち構えています。 でデータを分析したりレポートを出力した 長です。ユーザーの役割と業務フローに 現行のECC6.0は2025年までサポー りできるのも、従来では考えられなかった 応じてパーソナライズされた直感的な トの継続が発表されていますが、移行 大きなメリットといえます。 ユーザーエクスペリエンス (UX) を、PCや に向けた期待効果の可視化や、自社の タブレット端末、スマートフォンといったさま ビジネスプロセスおよびIT基盤への適 タ量の削減とスループット向上によるIT ざまなデバイスで体感することができます。 用判断、クラウドを含めたセキュリティポ コスト (サーバ/ストレージコスト)の削減 このようにSAP S/4HANAは、さまざ リシーの再検討など、ロードマップ策定 につながり、より戦略的なIT投資へのシ まな企業データとデバイスや人をリアルタ には早めの対応と準備が必要です。な フトを促します。さらにSAP S/4HANA イムにネットワークでつなぐことで、意思 ぜならお客さまごとに現状課題と期待 は、オンプレミス、クラウド、ハイブリッドと 決定とビジネスイノベーションを加速でき 効果が異なるため、SAP S/4HANAの いう3つのシステム基盤に対応。柔軟性 るように設計されているのです。 導入にあたってはシンプルな共通解が また、データ構造のシンプル化はデー 3 ® はいたっく 2016.1 All Rights Reserved,Copyright ©2016,Hitachi,Ltd. 日立のERP(前編) 新規導入 フェーズ サービス コンサルティング システム インテグレーション 構想立案・要件定義 業務 / IT 開発 次世代基幹システム 構想策定 プラットフォーム 業務 / IT 移行 SAP HANAベース ERP新規構築 SAP S/4HANA 導入計画策定 SAP S/4HANA マイグレーション計画策定 フロントツール 最適化 共通 評価・改善・最適化 ビジネス×IT連携 ステータス診断 ビジネス×IT連携サイクル導入支援 SAP S/4HANA PoCサービス アプリケーション マネージメント アウトソーシング マイグレーション 新規システムへの移行 SAP S/4HANA マイグレーション 経営情報分析ツール 最適化 SAP S/4HANA アプリ運用計画策定 段階的アドオン棚卸 SAP HANA最適化 SAP S/4HANA インフラ最適化計画策定 アプリケーション 運用・移行 アプリケーション 運用・保守サービス 統合プラットフォーム導入 / 運用サービス 開発・検証・移行環境Cloudサービス PoC環境 Cloudサービス 本番環境Cloudサービス 図2 日立のSAP S/4HANAの導入支援ソリューション なく、 きめ細かな個別解が必要となるか 締結し、SAPソリューションをグローバル ア)でもSAP認定製品群を取りそろえ、 らです。 に展開してきました。2011年にはSAP社 プラットフォームベンダーとしての顔も持ち ドイツ本社内に「日立- SAPコンピテンスセ ます。システムインテグレーター、認定プ 日立のSAP S/4HANAへの ンター」を開設しました。SAPソリューショ ラットフォームベンダー、そしてユーザーと 取り組み ンに関する最新技術をいち早く検証す しての豊富な経験とノウハウを持つ企業 る体制を整えて、最新動向への的確な は、世界的に見ても非常にユニークな存 日 立 グル ープ1 2 社 は「日 立 S A P 対応を可能としています。また、現在ま 在といえるでしょう。こうした知見と実績 S/4HANAワーキング」を2015年5月に でに400サイトを超えるSAPシステムの導 をベースに提供されるSAP S/4HANA 立ち上げ、国内外において日立グルー 入実績があり、SAP社より毎年多数の の導 入 支 援ソリューションでは、高い プが培ってきたSAPシステム関 連ノウ SAP AWARDを受賞しています。SAP スキルを持つ専門コンサルタントによる ハウやSAP HANAナレッジ、最新技 S/4HANAの 先 行 バ ージョンで ある 「コンサルティング」や、独自ツールを活用 術 に 関 する情 報をもとにした、SAP SAP Business Suite powered by した「システムインテグレーション」、運用・ S/ 4 H AN Aの導入支援ソリューション SAP HANAについても導入・稼働実績 保守を行う 「アプリケーションマネジメント を開発しました。 があります。 アウトソーシング」、SAP HANA向け 日立は、SAP製品の提供ベンダーで 統合プラットフォームやクラウドの導入・ ■長年の経験と実績に裏打ちされた あるとともに、SAPシステムの大規模な 運用といった「プラットフォーム」の各サー SAPソリューション ユーザーでもあり、ユーザーとしての自 ビスにおいて、SAP S/4HANAへの移 日立は、1994年にSAP社と日本国内 社検証による的確な情報把握とノウハウ 行や新規導入に関する計画策定からシ におけるパートナーシップ契約、2008年 があります。さらに、自社開発のITプラッ ステム運用、保守までをワンストップで提 にグローバルサービスパートナー契約を トフォーム(サーバ、ストレージ、 ミドルウェ 供していきます。 お問い合わせ先 (株) 日立製作所 エンタープライズソリューション事業部 SAPビジネスソリューション部 E-Mail:mk-staff@itg.hitachi.co.jp ■ 情報提供サイト http://www.hitachi.co.jp/sap/ht584/ はいたっく 2016.1 All Rights Reserved,Copyright ©2016,Hitachi,Ltd. 4