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豊島区役所 広報課
業務の合理化で浮いた時間を
職員・住民サービスのアイデア創出へ
豊島区役所では、平成12年に情報通信基盤の基本方針として「豊島区行政情報化推進計画」を策定し、ネッ
トワークや情 報機器などの情報通信基盤を整備し有効活用することで、事務処理の効率化・高度化を図
り、区民サービスの飛躍的な向上を目指しています。
この計画に基づ き、庁内の情報共有化推進のために
Microsoft Office SharePoint Serverが導入されました。
同区役所では従来紙による申請業務が多く、回覧や転記の繰り返しなどで余計な時間がかかっていました。
このような業務 課題に対して、情報管理課では、各種申請や情報収集に関連する業務に IT を効果的に活用
して、庁内の業務合理化を図ることを目指していました。特にホームページ掲載情報の申請、広報誌の入稿
管理、行事予定申請など多くの申請業 務を行っている広報課の申請業務の効率化へ向けたプロジェクトを
計画しました。
ディスカバリーズでは、新たな開発を全く行わずに、既存のIT資産であるSharePointとOfficeの標準機能の
みで申請業務を行う提案を しました。
この結果、非効率な手作業が飛躍的に減り、多くの有益な情報を、
より
お客様プロファイル
人口約26万人、日本第1位の人口
密度をもつ豊島区は、
「文化と品格
を誇れる価値あるまち」を目標に掲
げ、文化創造、都市づくり、環境都市
づくりに積極的に取り組んでいま
す。平成22年には東京初の試みと
して世界保健機関(WHO)が推進す
るセーフコミュニティの取組を宣言
し、地域全体が団結して生活の安全
と健康の質を高めていくまちづくり
活動を推進しています。
早く区民に提供することができるようになりました。
背景とねらい
「豊島区役所では、従来紙による申請業務が多く、決裁フローなど非効率的な業務による時間のロスや膨大
な申請書類の保管場所など、多くの課題を抱えていました。上司の決裁がないと手続きが進まず、不在時に
は手続きが遅れ、交換便などによる紙のやりとりにも時間を取られていました。
また紙による保管のため、検
索ができないということも課題の一つでした。新庁舎への移転が予定されている豊島区役所では、移転時に
紙を60%削減するという目標を設定しており、情報管理課でも課の取り組みとしてペーパーレス化を積極的
に進めていました。
このような課題を解決する方策として、決裁の電子化によって業務の効率化を図り、事務
業務を迅速化させることを目指していましたが、SharePoint のワークフロー機能を簡易決裁に利用できると
いうことを知り、活用を検討しました。広報課では、各課からよせられる行事予定の申請などで毎月大量の紙
による申請の事務処理が発生していましたが、ディスカバリーズ社のサービスを受け、各申請業務が電子化
され、紙による処理が減り業務が合理化されたのではないかと思います。」
活用に向けた取り組み
ホームページ注目情報掲載申請
豊島区役所の広報課は、他課からのホームページの掲載申請において、申出書の受付処理か
ら通知書による承認通知という一連の申請プロセスに作業負荷が高く、また同一の項目の転
記作業も多く、合理化したいと考えていました。
こうした課題に対してディスカバリーズは、既
に導入済みの SharePoint と Office InfoPath といった IT 資産を有効活用することを提案し、
新たな開発をせず、申請者の入力作業およびホームページ担当者の受付業務の負担軽減を
図る新たな掲載申請フローを実装しました。
このような申請業務の電子化により業務が効率化されただけでなく、申請者は承認状況をポー
タルから常に確認することができるようになり、ホームページ担当者は電子データとして蓄積
される過去の申請内容を利用して、集計や分析なども容易に行えるようになったといいます。
豊島区
政策経営部 情報管理課
庁内LANグループ
情報担当係長
木本 隆 氏
効率化で浮いた時間はアイデアの創出に
「広報課の業務は従来紙メインの作業が多く、電子ベースで届く申請
も印刷して部内で処理をすることが多く、非効率だと感じていました。
業務の合理化と可視化がすすんだ
「豊島区役所で発行している広報誌の入稿管理では、様式の統一
ルールはあるものの、寄稿・出稿の申請様式がまちまちで、編集グ
以前に所属していた情報管理課での経験から、このような業務を電
ループで一度手を入れて加工しないと処理が進められないというこ
子化するメリットを知っていたため、申請業務の改善の必要性を強く
とが多く、作業が少なからず発生していました。
感じていました。
職員ポータルを利用した申請業務の効率化によって様式が統一が
申請業務の改善にあたっては、費用をおさえることと自分たちで修正
でき、非効率な作業が減っただけでなく、業務が可視化できるように
ができる柔軟性を重視して、カスタマイズせずSharePointの標準機
なったことも大きなメリットです。入稿管理フローで常に誰もが現在
能のみで実現したいと考えていました。そうすることで、他の業務へ
のステータスを把握できるようになりました。
の転用も可能になり、また費用をかけずに効率化できることが大き
なメリットであると考えていました。
今後は職員ポータルで双方向性のコミュニケーションが取れるよう
な、SNS的なものを期待しています。
」
電子化による申請業務の効率化により、非効率な手作業による転記
が減り、申請業務に取られる時間が格段に減りました。今後は、職員
豊島区 政策経営部 広報課 編集グループ ご担当者
ポータルを単に資料の置き場ではなく、遊び心のあるコンテンツも
増やして、幅広く活用していきたいと考えています。」
豊島区 政策経営部 広報課 ホームページグループ ご担当者
「広報としま」入稿管理
豊島区行事予定申請
豊島区役所では、区政全般にわ
豊島区役所では毎月200件を
たる情報を、わかりやすく正確
超えるイベントが企画・開催さ
に広く区民に伝えるため、広報紙
れており、広報課でイベント管
「広報としま」を毎月3回発行し
理の業務全般を担当していま
ています。広報としまは日刊紙
す。以前は毎月各課から 提出
への折り込まれるほか、区内各
される行事予定連絡票(Excel
駅の広報スタンドや区施設の窓
ファイル)の内容を確認しなが
口で配布され、区政や地域の情
ら別のExcelファイルへ転記し
報、
イベント情報など住民に役立
て一覧にまとめ、そのうち掲載
つ情報が掲載されています。
すべき行事を選択して 豊島区行事予定リストを作成し、各課へメー
広報としまの入稿業務では、原稿様式の修正作業、記事ごとの入稿
フォルダの作成、紙への印刷など、作業に関わる書類が大量で、入稿
管理を担当する広報課担当者の大きな負担となっていました。
ディスカバリーズは、すでにある IT ツールとしてWordに着目し
SharePointと連携した新たな申請フローを取り入れる手法を提案
しました。これにより申請者は使い慣れたWordで原稿を作成し、
SharePointで作った職員ポータルから入稿した原稿の承認状況を簡単
に確認できるようになりました。また制作者である広報課担当者にとっ
ても入稿管理が一元化され、原稿の変更管理が可能になり、課題の一
つであった原稿やヘッダーへの 入力情報(文字数、入力情報)の制御も
可能となり、手戻りや確認作業といった作業から解放されました。
ルや紙で配布していました。
このため、行事予定の転記作業や、申請
内容の修正で生じるメールでのやり取りなどに 時間がかかり、担当
者にとって大きな業務負荷となっていました。
このような課題に対して、ディスカバリーズでは、紙で配布してい
た行事予定リストを廃止し、SharePointで作った職員ポータル上で
InfoPathを使った デジタル申請を実装することで広報課がイベント
情報を一元管理できるようになり、同時に必要な人が職員ポータル
上でイベントの情報を得られるような 仕組みを提案しました。
これに
より、行事予定の転記作業がなくなり、職員ポータル上で承認状況な
ども確認できるようになり、イベントの管理を行う広報課の業務が合
理的に行えるようになりました。
今後の展望
庁内には紙による申請業務が多く残っているため、情報管理課では広報課の申請業務改善が成功例として、全庁的に申請業務の効率化が 進むことを
期待されています。100名を超える現課の情報化推進員に対して、各課の業務の合理化を進めるためのSharePointを使った 電子業務申請やオンライ
ンアンケート形式の情報収集などの研修を行うなどの施策もすでに始まっており、ペーパーレス化の取り組みも継続していきたいと考えています。
本ケーススタディは、インターネット上でも参照できます。http://www.discoveries.co.jp/case/
本ケーススタディに記載された情報は製作当時(2011 年 7 月)のものであり、閲覧される時点では、変更されている可能性があることをご了承ください。
本ケーススタディは、情報提供のみを目的としています。Discoveries は、明示的または暗示的を問わず、本書にいかなる保証も与えるものではありません。
Microsoft Office SharePoint Serverは、米国Microsoft Corporationおよびその関連会社の商標です。
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