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第8章 環境影響評価の結果

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第8章 環境影響評価の結果
8.1.3 動
物
8.1.3
動
物
1. 重要な種及び注目すべき生息地(海域に生息するものを除く。)
(1)調査結果の概要
① 哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類及び昆虫類に係る動物相の状況
a. 哺乳類の状況
(a) 文献その他の資料調査
ア. 調査地域
対象事業実施区域及びその周辺とした。
イ. 調査方法
第 8.1.3-1 表に示す文献その他の資料から、対象事業実施区域及びその周辺におい
て生息記録のある種を調査地域の生息種とし、抽出した。なお、文献その他の資料
の調査範囲を第 8.1.3-1 図に示した。
第 8.1.3-1 表
資
料
哺乳類に係る文献その他の資料
名
対象データ
1
「第 2 回自然環境保全基礎調査
-動植物分調査報告書(哺乳類)-」(環境庁、昭和 53 年)
対象事業実施区域周辺の
メッシュ
2
「第 4 回自然環境保全基礎調査
-北海道自然環境情報図(胆振・石狩・空知支庁)-」
(環境庁、平成 7 年)
対象事業実施区域周辺の
メッシュ
3
「生物多様性情報システム-基礎調査データベース検索-
(第 4 回動植物分布調査)」
(http://www.biodic.go.jp/kiso/fnd_f.html)
「石狩」「札幌北部」「太美」
「札幌東北部」 注
4
「生物多様性情報システム-基礎調査データベース検索-
(第 5 回動植物分布調査)」
(http://www.biodic.go.jp/kiso/fnd_f.html)
「石狩」「札幌北部」「太美」
「札幌東北部」 注
5
「第 6 回自然環境保全基礎調査 種の多様性調査
哺乳類分布調査報告書」(環境省、平成 16 年)
対象事業実施区域周辺の
メッシュ
6
「北海道の希少野生生物 北海道レッドデータブック 2001」
(http://rdb.hokkaido-ies.go.jp/)(閲覧日:平成 27 年 4 月)
石狩市、小樽市、札幌市、石
狩振興局、後志総合振興局
7
「石狩湾新港に係る環境影響評価書(確定)(資料編)」
(北海道、平成 9 年)
対象事業実施区域
及びその周辺
8
「石狩浜定期観察による植物開花状況の記録(2004/2005)
対象事業実施区域
石狩浜海浜植物保護センター調査研究報告 第 4 号」
(石狩浜海
及びその周辺
浜植物保護センター、平成 18 年)
9
「北海道市町村別コウモリマップ」(道北コウモリ研究セン
石狩市、小樽市、札幌市
ターホームページ、閲覧日:平成 26 年 3 月)
注:国土地理院発行の 1/25,000 の地形図名称
8.1.3-1
(353)
第 8.1.3-1 図
文献その他の資料の調査範囲
8.1.3-2
(354)
ウ. 調査結果
文献その他の資料において確認された哺乳類は、第 8.1.3-2 表のとおり、7 目 12 科
40 種であった。
なお、第 8.1.3-1 表の資料 2 については、対象事業実施区域周辺における哺乳類の
分布情報が得られなかったため、第 8.1.3-2 表には掲載していない。
第 8.1.3-2 表
文献その他の資料による哺乳類の調査結果
文献その他の資料
1
目名
科名
種名
モグラ
トガリネズ
ミ
カラフトヒメトガリネズミ
コウモ
リ
ウサギ
ネズミ
ネコ
アザラ
シ
ウシ
7目
トド
シカ
エゾシカ
12 科
4
5
○
○
○
○
○
○
○
○
○
6
8
9
石
狩
市
小
樽
市
札
幌
市
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
40 種
7
後
振石 振
志
興 興総
局狩 局
合
石 北札 太 東札 石 北 札 太 東札
北
北
狩 部幌 美 部幌 狩 部 幌 美 部幌
エゾトガリネズミ
オオアシトガリネズミ
ニホンジネズミ
キ ク ガ シ ラ ニホンコキクガシラコウモ
コウモリ
リ
ニホンキクガシラコウモリ
ヒナコウモ
ヒメホオヒゲコウモリ
リ
カグヤコウモリ
モモジロコウモリ
ウスリドーベントンコウモ
リ
アブラコウモリ
クロオオアブラコウモリ
ヤマコウモリ
ヒナコウモリ
チチブコウモリ
ニホンウサギコウモリ
ニホンコテングコウモリ
ニホンテングコウモリ
ウサギ
エゾユキウサギ
リス
エゾリス
エゾシマリス
エゾモモンガ
ネズミ
ミカドネズミ
エゾヤチネズミ
ミヤマムクゲネズミ
エゾアカネズミ
カラフトアカネズミ
エゾヒメネズミ
ニホンハツカネズミ
ニホンクマネズミ
ニホンドブネズミ
クマ
エゾヒグマ
アライグマ アライグマ
イヌ
エゾタヌキ
キタキツネ
○
イタチ
ホンドイタチ
キタイイズナ
ミンク
アシカ
3
○
○
○
1 種 11 種 11 種 13 種 3 種 11 種 15 種 15 種 4 種 1 種 11 種 6 種 13 種 6 種 2 種 1 種 14 種
注:1.種名及び配列は、主として「日本産野生生物目録」(環境庁、平成 5 年)に従った。
2.資料名は第 8.1.3-1 表を参照。
8.1.3-3
(355)
(b) 現地調査
ア. 調査地域
対象事業実施区域及びその周辺とした。
イ. 調査地点
哺乳類調査は、任意踏査(フィールドサイン調査)、捕獲調査の 15 地点並びに自
動撮影調査の 4 地点とした。また、コウモリ調査では 23 地点とした。調査地点の位
置は第 8.1.3-2 図、調査地点の概要は第 8.1.3-3 表、第 8.1.3-4 表のとおりである。
ウ. 調査期間
(ア) フィールドサイン調査
夏季調査:平成 25 年 7 月 25 日、27 日、28 日
秋季調査:平成 25 年 10 月 22 日、23 日、25 日、28 日
冬季調査:平成 25 年 12 月 9 日~12 日
春季調査:平成 26 年 5 月 12 日~15 日
(イ) 捕獲調査
夏季調査:平成 25 年 6 月 12 日~15 日(地点 No.1~10)
平成 25 年 8 月 26 日~29 日(地点 No.11~15)
秋季調査:平成 25 年 9 月 14 日~17 日(地点 No.1~15)
(ウ) 自動撮影調査
春季調査:平成 26 年 5 月 12 日~15 日
(エ) コウモリ生息状況調査
夏季調査:平成 25 年 7 月 25 日~27 日
平成 25 年 8 月 27 日~29 日
エ. 調査方法
(ア) フィールドサイン調査
調査地域を広く踏査し、生息個体あるいはフィールドサイン(死体、足跡、糞、
食痕、爪痕等の痕跡)の確認に努め、哺乳類とその生息状況を把握した。フィール
ドサイン等については、確認地点を記録し、写真撮影による記録も行った。フィー
ルドサイン調査中に生体を目撃した場合は、種名、確認状況等をあわせて記録した。
なお、重要な種が確認された場合は確認位置及び個体数、確認状況を記録した。
(イ) 捕獲調査
対象事業実施区域及びその周辺区域を代表する環境を網羅するように、15 地点を
設定した。ワナは生け捕り罠であるシャーマン型トラップを用い、1 地点当たり 5m
間隔で 5×5 列、計 25 個を 3 晩設置した。餌としては生ピーナッツを用い、見回り
は 1 日 1 回実施した。捕獲された小型哺乳類については、外部計測、種の同定を行
い、ペイントマーカーで個体識別をした後、速やかに放逐した。
8.1.3-4
(356)
(ウ) 自動撮影調査
対象事業実施区域及びその周辺を代表する環境を網羅するように、自動撮影装置
(赤外線探知型カメラ)を 4 地点(1 地点当たり各 1 台)設置し、生息するキタキ
ツネ等の中・大型哺乳類の確認に努めた。
(エ) コウモリ生息状況調査
日没後から夜間にかけては、バットディテクター(機種名:SSF BAT2)を用いて
コウモリ類の生息状況の確認に努めた。
8.1.3-5
(357)
8.1.3-6
(358)
第 8.1.3-2 図
哺乳類調査地点の位置
第 8.1.3-3 表
調査方法
捕獲調査
調査
地点
環境
概況
地点 1
樹林
(落葉広葉樹林)
ヤチダモ植林を主とした環境
地点 2
草地
(二次草地)
ススキ群落を主とした環境
地点 3
草地
(海浜草地)
ハマナス群落を主とした環境
地点 4
樹林
(落葉広葉樹林)
カシワ群落を主とした環境
地点 5
樹林
(落葉広葉樹林)
ハリエンジュ群落を主とした環境
地点 6
樹林
(落葉広葉樹林)
シラカンバ群落を主とした環境
地点 7
草地
(二次草地)
トクサ群落を主とした環境
地点 8
樹林
(落葉広葉樹林)
エゾイタヤ-ミズナラ群落を主とした環境
地点 9
樹林
(落葉広葉樹林)
ハンノキ-ヤチダモ群落を主とした環境
地点 10
樹林
(落葉広葉樹林)
ヤナギ高木群落を主とした環境
地点 11
草地
(湿性草地)
ヨシ群落を主とした環境
地点 12
草地
(湿性草地)
ヨシ群落を主とした環境
地点 13
草地
(二次草地)
オオアワダチソウ群落を主とした環境
地点 14
草地
(湿性草地)
ヨシ群落を主とした環境
地点 15
草地
(二次草地)
ススキ群落を主とした環境
第 8.1.3-4 表
調査方法
哺乳類の調査地点の概要(捕獲調査)
哺乳類の調査地点の概要(自動撮影調査)
調査
地点
環境
CO1
草地
(二次草地)
水路脇の草地環境
CO2
草地
(二次草地)
市街地と落葉広葉樹林に隣接する草地環境
CO3
樹林
(落葉広葉樹林)
カシワ群落を主とした環境
CO4
樹林
(落葉広葉樹林)
ハリエンジュ群落を主とした環境
自動撮影調査
概況
8.1.3-7
(359)
オ. 調査結果
現地調査において確認された哺乳類は、第 8.1.3-5 表のとおり、6 目 8 科 15 種であっ
た。
調査時期を通じて、樹林から市街地まで幅広く利用する種であるキタキツネが多
く確認された。樹林及びその周辺の草地等を利用するエゾシカについても、夏季を
除くすべての調査時期で確認された。数は少なかったものの、樹林及び林縁部を利
用するエゾユキウサギも確認された。また特定外来生物であるアライグマ、国内移
入種であるホンドイタチも確認された。
捕獲調査では、樹林から草地にかけて利用する種であるオオアシトガリネズミ、
ミカドネズミ、エゾヤチネズミ、エゾアカネズミが夏季及び秋季調査時に確認され
た。また、数は少ないものの、主に樹林を利用するカラフトヒメトガリネズミ、エ
ゾヒメネズミ、主に市街地及びその周辺を利用するニホンドブネズミが確認された。
コウモリ生息状況調査では、ヒナコウモリ科の一種 1、ヒナコウモリ科の一種 2
の 2 種が確認された。ヒナコウモリ科の一種 1 は 20kHz~30kHz のエコーロケーショ
ン音の確認であり、ヤマコウモリ、ヒナコウモリ等、高空の開けた空間で採餌する
種であると考えられる。また、ヒナコウモリ科の一種 2 は 50kHz 前後のエコーロケー
ション音の確認であり、ヒメホオヒゲコウモリ、カグヤコウモリ、モモジロコウモ
リ、ドーベントンコウモリ等、樹林内や水面上等、比較的狭い空間で採餌する種で
あると考えられる。
外来種としては、第 8.1.3-6 表のとおり、ニホンドブネズミ、アライグマ、ホンド
イタチ、イタチ属の一種の 2 目 3 科 4 種が確認された。
このうち、「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」(平成
16 年法律第 78 号)で指定されている特定外来生物としては、アライグマ、イタチ属
の一種の 2 種が確認された。イタチ属の一種はホンドイタチ、ミンクの可能性があ
るが、ミンクの場合に特定外来生物に該当する。
8.1.3-8
(360)
第 8.1.3-5 表
No.
8.1.3-9
(361)
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
目名
モグラ
科名
トガリネズミ
コウモリ
ヒナコウモリ
ウサギ
ネズミ
ウサギ
ネズミ
ネコ
アライグマ
イヌ
イタチ
ウシ
シカ
6目
8科
種名
カラフトヒメトガリネズミ
オオアシトガリネズミ
ヒナコウモリ科の一種 1
ヒナコウモリ科の一種 2
エゾユキウサギ
ミカドネズミ
エゾヤチネズミ
エゾアカネズミ
エゾヒメネズミ
ニホンドブネズミ
ネズミ科の一種
アライグマ
キタキツネ
テン属の一種
ホンドイタチ
イタチ属の一種
イタチ科の一種
エゾシカ
哺乳類の調査結果
学名
Sorex gracillimus
Sorex unguiculatus
Vespertilionidae sp.1
Vespertilionidae sp.2
Lepus timidus ainu
Myodes rutilus mikado
Myodes rufocanus bedfordiae
Apodemus speciosus ainu
Apodemus argenteus hokkaidi
Rattus norvegicus caraco
Muridae sp.
Procyon lotor
Vulpes vulpes schrencki
Martes sp.
Mustela itatsi itatsi
Mustela sp.
Mustelidae sp.
Cervus nippon yesoensis
15 種
夏季
○
○
○
調査時期
秋季
冬季
春季
○
○
○
○
○
○
○
○
●
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
●
11 種
●
○
10 種
○
○
4種
○
5種
確認形態
捕獲
死体、捕獲
バットディテクター
バットディテクター
食痕
捕獲
捕獲
捕獲
捕獲
捕獲
足跡、食痕、死体
糞
目撃、糞、足跡、巣
糞
捕獲
糞
糞、足跡
足跡
注:1.種名及び配列は、主として「日本産野生生物目録」(環境庁、平成5年)に従った。
2.「~目の一種」、「~科の一種」、「~属の一種」については、同一の分類群に属する種が確認されている場合には種数に計上しないこととし、同一の分類群に属する種が
確認されていない場合には、1種として計上した。ここでは、「●」表示の種が計上しない種に該当する。
3.ヒナコウモリ科の一種1はバットディテクターによって20kHz~30kHzのエコーロケーション音が確認されたものであるが、種の特定には至らなかった。該当する可能性のあ
る種として、ヤマコウモリ、ヒナコウモリ等が考えられる。
4.ヒナコウモリ科の一種2はバットディテクターによって50kHz前後のエコーロケーション音が確認されたものであるが、種の特定には至らなかった。該当する可能性のある種
として、ヒメホオヒゲコウモリ、カグヤコウモリ、モモジロコウモリ、ドーベントンコウモリ等が考えられる。
5.テン属の一種は、種の特定には至らなかったが、有識者からの意見聴取結果からホンドテンの可能性が高い。
6.イタチ属の一種は、種の特定には至らなかったが、該当する可能性のある種として、ホンドイタチ、ミンクが考えられる。
第 8.1.3-6 表
目名
科名
確認された哺乳類の外来種
種名
外来種指定状況
I
II
A3(国外)
アライグマ
特定
A1(国外)
ホンドイタチ
A2(国内)
イタチ属の一種(ミンクの場合)
特定
A1(国外)
2目
3科
4種
2種
4種
注:1.イタチ属の一種は、ホンドイタチ、ミンクの可能性が考えられるが、ミンクの場合、特定外来生物に
該当する。
2.外来種の指定状況は以下のとおりである。
I 「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」(平成 16 年法律第 78 号)により指
定されている種、及び「要注意外来生物リスト」
(http://www.env.go.jp/nature/intro/1outline/caution/index.html)として環境省により選定されている種
特定:特定外来生物
未:未判定外来生物
要注 A:被害に係る一定の知見があり、引き続き特定外来生物の指定の適否について検討する外来生
物
要注 B:被害に係る知見が不足しており、引き続き情報の集積に努める外来生物
要注 C:特定外来生物や未判定外来生物の選定の対象とならないが、注意喚起が必要な外来生物(他
法令の規制対象種)
II 「北海道ブルーリスト 2010」(北海道、平成 22 年)に選定されている種
<カテゴリー区分>
A1:緊急に防除対策が必要な種
A2:本道の生態系等へ大きな影響を及ぼしており、防除対策の必要性について検討する種
A3:本道に定着しており、生態系等への影響が報告または懸念されている種
B :本道に定着しているが、生態系等への影響が不明な種。
C :本道への定着は不明であるが、生態系へ影響が報告または懸念されている種
D :本道への定着は不明であるが、定着及び影響が不明である種。
E :本道へ定着していない可能性が高いが、生態系へ影響が報告または懸念されている種
h :導入される可能性が高く、導入されると定着し影響が懸念される等、特に注意が必要と考えら
れる種
<原産地区分>
(国外):国外外来種
(国内):国内外来種
(不明):不明
ネズミ
ネコ
ネズミ
アライグマ
イタチ
ニホンドブネズミ
8.1.3-10
(362)
b. 鳥類の状況
(a) 文献その他の資料調査
ア. 調査地域
対象事業実施区域及びその周辺とした。
イ. 調査方法
第 8.1.3-7 表に示す文献その他の資料から、対象事業実施区域及びその周辺におい
て生息記録のある種を調査地域の生息種とし、抽出した。
第 8.1.3-7 表
資
料
鳥類に係る文献その他の資料
名
2 回自然環境保全基礎調査 動物分布調査報告書
1 「第
-日本産鳥類の繁殖分布-」(環境庁、昭和 56 年)
対象データ
「石狩」「札幌」 注 1
2
「第 3 回自然環境保全基礎調査 動植物分布調査報告書
-鳥類-(環境庁、昭和 63 年)
「石狩」「札幌北部」「太美」
「札幌東北部」 注 2
3
「第 6 回自然環境保全基礎調査 種の多様性調査
鳥類繁殖分布調査報告書」(環境省、平成 16 年)
「石狩」「札幌」 注 1
4
「生物多様性情報システム-ガンカモ類の生息調査-」
(http://www.biodic.go.jp/gankamo/gankamo_top.html)
対象事業実施区域及びその周
辺の調査地点
石狩川-4~7、石狩湾-2~7
5
「環境省報道発表資料
-希少猛禽類調査(イヌワシ・クマタカ)の結果について-」
(http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=5218)
「石狩」「札幌北部」「太美」
「札幌東北部」 注 2
「北海道の希少野生生物 北海道レッドデータブック 2001」
(http://rdb.hokkaido-ies.go.jp/)(閲覧日:平成 27 年 4 月)
「すぐれた自然地域 自然環境調査報告書-道南圏域・道央圏
域-(第 3 節 石狩川下流部湿原)」(北海道環境科学研究セン
ター、平成 5 年)
石狩市、小樽市、札幌市、石
狩振興局、後志総合振興局
8
「石狩湾新港に係る環境影響評価書(確定)(資料編)」
(北海道、平成 9 年)
対象事業実施区域及び
その周辺
9
「石狩浜定期観察による植物開花状況の記録(2004/2005)
石狩浜海浜植物保護センター調査研究報告 第 4 号」
(石狩浜海浜植物保護センター、平成 18 年)
対象事業実施区域及び
その周辺
6
7
10 「北海道 探鳥ガイド」(松田忠徳編、昭和 59 年)
表 3-3-3-2 石狩川下流部湿原
鳥類リスト
石狩川河口
注:1.国土地理院発行の1/50,000の地形図名称
2.国土地理院発行の1/25,000の地形図名称
ウ. 調査結果
文献その他の資料において確認された鳥類は、第 8.1.3-8 表のとおり、19 目 51 科
238 種であった。
なお、第 8.1.3-7 表の資料 5 については、対象事業実施区域及びその周辺における
鳥類の分布情報が得られなかったため第 8.1.3-8 表には掲載していない。
8.1.3-11
(363)
第 8.1.3-8 表(1)
文献その他の資料による鳥類の調査結果
1
目名
キジ
カモ
カイツブリ
科名
キジ
カモ
カイツブリ
ハト
ハト
アビ
コウノトリ
カツオドリ
アビ
コウノトリ
ウ
ペリカン
サギ
ツル
ツル
クイナ
種名
2
石
札
狩
幌
3
石 北札 太 東札 石
北
狩 部幌 美 部幌 狩
文献その他の資料
4
札
幌
エゾライチョウ
a
b
ウズラ
b
b
キジ
a
a
ヒシクイ
ハイイロガン
マガン
ハクガン
シジュウカラガン
コクガン
コハクチョウ
オオハクチョウ
ツクシガモ
オシドリ
オカヨシガモ
ヨシガモ
ヒドリガモ
アメリカヒドリ
マガモ
カルガモ
ハシビロガモ
オナガガモ
シマアジ
トモエガモ
コガモ
オオホシハジロ
ホシハジロ
キンクロハジロ
スズガモ
コケワタガモ
シノリガモ
ビロードキンクロ
クロガモ
ホオジロガモ
ミコアイサ
カワアイサ
ウミアイサ
カイツブリ
アカエリカイツブリ
カンムリカイツブリ
ミミカイツブリ
ハジロカイツブリ
キジバト
アオバト
アビ
コウノトリ
ヒメウ
ウミウ
サンカノゴイ
ヨシゴイ
オオヨシゴイ
アオサギ
ダイサギ
チュウサギ
コサギ
カラシラサギ
マナヅル
クイナ
ヒメクイナ
ヒクイナ
バン
石
狩
市
○
○
6
7
8
9
後
札 振石 小 振
志
幌 興
樽 興
総
市 局狩 市 局
合
○
○
○
○
○
○
○
河石
狩
口川
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
b
b
○
○
○
b
b
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
c
c
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
b
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
b
a
a
c
b
b
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
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c
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a
a
8.1.3-12
(364)
10
○
○
○
第 8.1.3-8 表(2)
文献その他の資料による鳥類の調査結果
1
目名
カッコウ
ヨタカ
アマツバメ
チドリ
科名
種名
ジュウイチ
ツツドリ
カッコウ
ヨタカ
ヨタカ
アマツバメ ハリオアマツバメ
アマツバメ
チドリ
タゲリ
ケリ
ムナグロ
ダイゼン
コチドリ
シロチドリ
メダイチドリ
ミヤコドリ ミヤコドリ
セイタカシギ セイタカシギ
シギ
ヤマシギ
オオジシギ
タシギ
オグロシギ
オオソリハシシギ
コシャクシギ
チュウシャクシギ
ハ リ モモ チ ュ ウ シ ャ
ク
ホウロクシギ
ツルシギ
コアオアシシギ
アオアシシギ
カ ラ フト ア オ ア シ シ
ギ
コキアシシギ
クサシギ
タカブシギ
キアシシギ
ソリハシシギ
イソシギ
キョウジョシギ
オバシギ
ミユビシギ
トウネン
ヒバリシギ
アメリカウズラシギ
ウズラシギ
サルハマシギ
ハマシギ
ヘラシギ
キリアイ
エリマキシギ
ア カ エリ ヒ レ ア シ シ
ギ
ツバメチドリ ツバメチドリ
カモメ
ユリカモメ
ウミネコ
カモメ
ワシカモメ
シロカモメ
セグロカモメ
オオセグロカモメ
アジサシ
クロハラアジサシ
ハ ジ ロク ロ ハ ラ ア ジ
サシ
2
石
札
狩
幌
3
石 北札 太 東札 石
北
狩 部幌 美 部幌 狩
b
b
b
カッコウ
b
文献その他の資料
4
6
札
幌
石
狩
市
7
b
b
b
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b
a
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9
10
河石
狩
口川
○
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b
a
8
後
札 振石 小 振
志
幌 興
樽 興
総
市 局狩 市 局
合
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8.1.3-13
(365)
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第 8.1.3-8 表(3)
文献その他の資料による鳥類の調査結果
1
目名
科名
種名
トウゾクカモ
トウゾクカモメ
メ
ウミスズメ ウミガラス
ウミバト
ケイマフリ
マダラウミスズメ
ウミスズメ
コウミスズメ
タカ
ミサゴ
ミサゴ
タカ
ハチクマ
トビ
オジロワシ
オオワシ
チュウヒ
ハイイロチュウヒ
ハイタカ
オオタカ
ノスリ
ケアシノスリ
クマタカ
フクロウ
フクロウ
シロフクロウ
フクロウ
キンメフクロウ
アオバズク
トラフズク
コミミズク
ブッポウソウ カワセミ
アカショウビン
カワセミ
ヤマセミ
キツツキ
キツツキ
アリスイ
コゲラ
コアカゲラ
オオアカゲラ
アカゲラ
クマゲラ
ヤマゲラ
ハヤブサ
ハヤブサ
チョウゲンボウ
コチョウゲンボウ
チゴハヤブサ
シロハヤブサ
ハヤブサ
コウライウグ
スズメ
コウライウグイス
イス
モズ
モズ
アカモズ
オオモズ
カラス
カケス
ハシボソガラス
ハシブトガラス
ワタリガラス
キクイタダキ キクイタダキ
シジュウカラ ハシブトガラ
コガラ
ヤマガラ
ヒガラ
シジュウカラ
ヒバリ
ヒバリ
ツバメ
ショウドウツバメ
ツバメ
イワツバメ
2
石
札
狩
幌
3
石 北札 太 東札 石
北
狩 部幌 美 部幌 狩
文献その他の資料
4
札
幌
石
狩
市
6
7
8
9
後
札 振石 小 振
志
幌 興
樽 興
総
市 局狩 市 局
合
10
河石
狩
口川
チドリ
○
○
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c
c
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c
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a
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a
a
8.1.3-14
(366)
b
b
b
b
b
b
b
a
c
c
a
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○
第 8.1.3-8 表(4)
文献その他の資料による鳥類の調査結果
1
目名
スズメ
科名
種名
ヒヨドリ
ウグイス
ヤブサメ
エナガ
エナガ
ムシクイ
メボソムシクイ
エゾムシクイ
センダイムシクイ
メジロ
メジロ
センニュウ マキノセンニュウ
シマセンニュウ
エゾセンニュウ
ヨシキリ
オオヨシキリ
コヨシキリ
レンジャク キレンジャク
ヒレンジャク
ゴジュウカラ ゴジュウカラ
キバシリ
キバシリ
ミソサザイ ミソサザイ
ムクドリ
ムクドリ
コムクドリ
ヒタキ
マミジロ
トラツグミ
クロツグミ
マミチャジナイ
シロハラ
アカハラ
ツグミ
ノゴマ
コルリ
ルリビタキ
ジョウビタキ
ノビタキ
サメビタキ
コサメビタキ
キビタキ
オオルリ
スズメ
ニュウナイスズメ
スズメ
セキレイ
キセキレイ
ハクセキレイ
セグロセキレイ
ビンズイ
タヒバリ
アトリ
アトリ
カワラヒワ
マヒワ
ベニヒワ
ベニマシコ
ギンザンマシコ
イスカ
ウソ
シメ
イカル
ホオジロ
ホオジロ
ホオアカ
カシラダカ
ミヤマホオジロ
シマアオジ
アオジ
コジュリン
2
石
札
狩
幌
石 北札 太 東札 石
北
狩 部幌 美 部幌 狩
b
a
a
ヒヨドリ
ウグイス
3
○
○
○
c
b
文献その他の資料
4
札
幌
石
狩
市
6
7
b
b
b
b
b
b
○
a
a
c
a
a
b
b
○
a
○
c
b
b
b
b
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b
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b
a
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a
a
8.1.3-15
(367)
○
○
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c
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a
○
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10
河石
狩
口川
○
○
○
○
○
a
b
9
後
札 振石 小 振
志
幌 興
樽 興
総
市 局狩 市 局
合
b
b
b
b
b
b
b
a
8
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○
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○
第 8.1.3-8 表(5)
文献その他の資料による鳥類の調査結果
文献その他の資料
1
目名
スズメ
ハト
19 目
科名
ホオジロ
ハト
51 科
種名
オオジュリン
カワラバト(ドバト)
238 種
2
石
札
狩
幌
3
石 北札 太 東札 石
北
狩 部幌 美 部幌 狩
a
b
4
札
幌
6
石
狩
市
7
8
後
札 振石 小 振
志
幌 興
樽 興
総
市 局狩 市 局
合
a
13 種 66 種 19 種 18 種 1 種 34 種 28 種 78 種 14 種 21 種 25 種 45 種 5 種 43 種
10
河石
狩
口川
○
162
種
○
○
○
○
211
38 種 27 種
種
注:1.種名及び配列は、主として「日本鳥類目録 改訂第 7 版」(日本鳥学会、平成 24 年)に従った。
2.文献その他の資料は第 8.1.3-7 表参照。
3.資料 1 及び 3 の凡例
a:繁殖を確認した。b:繁殖の確認はできなかったが、繁殖の可能性がある。
c:生息を確認したが、繁殖の可能性はどちらともいえない。
4. 資料 4 については全地点を統合して記載した。
5. 資料中で不明な種については割愛した。
8.1.3-16
(368)
9
(b) 現地調査
ア. 調査地域
対象事業実施区域及びその周辺とした。
イ. 調査地点
ラインセンサス法による調査、ポイントセンサス法による調査、空間飛翔調査、
任意観察調査の位置は第 8.1.3-3 図、レーダー調査の位置は第 8.1.3-4 図、調査地点の
概要は第 8.1.3-9 表のとおりである。
調査地点はそれぞれラインセンサス 3 ルート、ポイントセンサス 4 地点、空間飛
翔調査 4 地点とした。
ウ. 調査期間
夏季調査:平成 25 年 8 月 23 日~ 24 日
秋季調査:平成 25 年 10 月 1 日~ 2 日、 20 日~ 23 日
冬季調査:平成 25 年 12 月 9 日~ 10 日
春季調査:平成 26 年 5 月 1 日~ 2 日
エ. 調査方法
ラインセンサス法による調査、ポイントセンサス法による調査、空間飛翔調査、
任意観察調査及びレーダー調査を行った。
(ア) ラインセンサス法による調査
調査地域の代表的な環境に 3 ルート(R1~R3)を設定し、約 1.5km/h の速度で歩
行しながら、目撃や鳴き声により確認された鳥類の種名、個体数を記録した。観察
幅は片側 50mとした。
(イ) ポイントセンサス法による調査
見通しの良い定点を 4 地点(P1~P4)設定し、それぞれ 30 分間、周辺に出現し
た鳥類の種名、個体数の記録を行った。できるだけ多くの情報を得るため観察幅は
設けなかった。
(ウ) 空間飛翔調査
「鳥類等に関する風力発電施設立地適正化のための手引き」(環境省自然環境局
野生生物課、平成 23 年)に準拠し、一定時間内に飛翔した鳥類を観察し、記録した。
対象事業実施区域(方法書時点)内の 3 地点(P1~P3)、比較対照地点として対象事
業実施区域(方法書時点)外に設定した 1 地点(P4)の計 4 地点において、30 分間
を目安とし、その間に出現した種、個体数、高度、時刻、行動状況等を記録した。
高度区分は第 8.1.3-5 図のとおり、A(明らかにブレード回転領域内)、B(回転域の
縁)、C(充分に回転域より低空)、D(充分に回転域より高空)とした。
(エ) 任意観察調査
調査地域を任意に踏査し、目視観察及び鳴き声により確認した種を記録した。
(オ) レーダー調査
「風力発電施設バードストライク防止策実証業務」(環境省
平成 19 年~21 年)
で開発された船舶レーダーによる鳥類飛来監視システム(仮称)を用いた。これは
8.1.3-17
(369)
レーダーで観測した映像をパーソナルコンピューターに画像ファイルとして連続記
録し、動体監視ソフトにより、画像データ群から鳥類と判断される移動物体を抽出
するものである。
8.1.3-18
(370)
8.1.3-19
(371)
第 8.1.3-3 図
鳥類調査地点の位置
8.1.3-20
(372)
第 8.1.3-4 図 レーダー調査及び可動範囲の位置
第 8.1.3-9 表
鳥類調査地点の概要
(ラインセンサス法、ポイントセンサス法、空間飛翔調査)
調査方法
ライン
調査地点
主な環境
概況
R1
樹林(広葉樹林)、低木林 対象事業実施区域周辺のカシワ群落、ハマナス群
(海浜草地)
落
R2
樹林(広葉樹林)
対象事業実施区域周辺のヤナギ高木群落
R3
草地、市街地
対象事業実施区域周辺のカモガヤ-オオアワガエ
リ群落、工場地帯
P1
樹林(広葉樹林)
対象事業実施区域周辺のヤナギ高木群落
P2
開放水面
対象事業実施区域周辺の開放水面
P3
樹林(広葉樹林)
対象事業実施区域周辺のハマナス群落
P4
開放水面、造成地
対象事業実施区域周辺の開放水面、造成地
センサス法
ポイント
センサス法
・
空間飛翔
調査
8.1.3-21
(373)
170m
145~170m
145m
25~145m
25m
0~25m
(0m)
約 117m
(ブレード長 58.5m×2)
注:風力発電機の出力は 3.3MW で、ブレード長 58.5m、タワー高 86.5m(ブレード回転域の最高端は 145
m)とした。なお、これらの数値については、採用を検討する風力発電機のうち、環境影響が最も大
きくなる数値を選んだ。
第 8.1.3-5 図
空間飛翔調査における高度区分
8.1.3-22
(374)
オ. 調査結果
(ア) ラインセンサス法、ポイントセンサス法、空間飛翔調査、任意観察調査
現地調査において確認された鳥類は第 8.1.3-10 表のとおり 15 目 42 科 163 種であっ
た(別途実施した後述の鳥類の渡り時の移動経路調査及び希少猛禽類の生息状況調
査、「8.1.5 生態系」の典型性注目種(カワラヒワ)にかかる調査で確認された種を
含む)。ラインセンサス法による調査結果は第 8.1.3-11 表、ポイントセンサス法によ
る調査結果は第 8.1.3-12 表のとおりである。
調査範囲内の大部分は準工業地域、工業地域、工業専用地域であるが、北側には
カシワ群落、茨戸川左岸沿いにはヤナギ高木群落からなる樹林が分布する。また、
カモガヤ-オオアワガエリ群落、ススキ群落が広くみられる。カシワ群落ではアリ
スイ、シジュウカラ、アカゲラ、キビタキ等、ヤナギ高木群落ではコゲラ、シメ、
イカル、アオジ、センダイムシクイ等の樹林部に生息する種が確認された。
また、調査範囲内の西側には、低木林、高茎草地がみられ、カモガヤ-オオアワ
ガエリ群落、ススキ群落では草地を好むヒバリ、ウグイス、ホオジロ、ホオアカ、
モズ等が確認された。
空間飛翔調査の結果は第 8.1.3-13 表のとおりであった。高度区分別の確認個体数
は、高度 A(明らかにブレード回転域内)で 48 個体(全確認個体数の 8.9%)、B(ブ
レード回転域の縁)で 15 個体(2.8%)、C(充分に回転域より低空)475 個体(88.3%)、
D(充分に回転域より高空)0 個体(0.0%)であり、高度 A、B 及び C において鳥
類の飛翔が確認され、そのうち高度 C で飛翔する個体が卓越していた。いずれの地
点でも同様の傾向が認められ、対象事業実施区域及びその周辺での鳥類の一般的な
飛翔状況であると考えられた。
外来種としては、第 8.1.3-14 表のとおり、キジ(コウライキジ)、カワラバト(ド
バト)の 2 目 2 科 2 種が確認された。
このうち、「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」(平成
16 年法律第 78 号)により指定されている特定外来生物は確認されなかった。
8.1.3-23
(375)
第 8.1.3-10 表
目
名
全
鳥類の調査結果
平成 25 年
体
夏季
科数
種数
キジ
1
1
0
カモ
1
22
カイツブリ
1
ハト
秋季
生態系
平成 26 年
猛禽類
春季
渡り鳥
主な確認種
8.1.3-24
(376)
科数
種数
科数
種数
科数
種数
科数
種数
科数
種数
科数
種数
0
0
0
0
0
1
1
0
0
1
1
0
0
1
2
1
7
1
11
1
13
1
21
1
15
1
8
4
1
3
1
2
1
2
1
3
1
4
1
3
1
1
1
3
1
1
1
2
0
0
1
3
1
3
1
3
1
1
アビ
1
1
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
1
1
0
0
キジ(コウライキジ)
ヒシクイ、マガン、オオハクチョウ、
オシドリ、マガモ、キンクロハジロ、
シノリガモ、ミコアイサ
カイツブリ、アカエリカイツブリ、
カンムリカイツブリ
キジバト、アオバト、カワラバト(ド
バト)
ハシジロアビ
カツオドリ
1
3
1
1
1
1
1
1
1
3
1
3
1
3
1
1
ヒメウ、カワウ、ウミウ
ペリカン
1
2
1
1
1
1
1
1
1
2
1
2
1
2
1
1
アオサギ、ダイサギ
カッコウ
アマツバメ
1
1
2
2
0
0
0
0
0
1
0
1
0
0
0
0
1
1
2
2
0
1
0
2
1
1
1
2
0
0
0
0
チドリ
6
38
2
3
2
3
1
3
3
23
6
35
3
16
4
9
タカ
2
11
1
1
2
4
1
1
2
11
2
9
2
11
1
2
ツツドリ、カッコウ
ハリオアマツバメ、アマツバメ
ムナグロ、ダイゼン、コチドリ、メ
ダイチドリ
ミサゴ、チュウヒ、ハイタカ、オオ
タカ、ノスリ
ブッポウソ
ウ
1
1
1
1
0
0
0
0
1
1
0
0
1
1
1
1
カワセミ
キツツキ
1
4
1
2
1
1
1
2
1
4
1
3
1
4
1
3
ハヤブサ
1
3
1
1
0
0
0
0
1
2
1
3
1
3
0
0
スズメ
22
66
12
17
12
15
10
16
21
61
18
40
21
45
14
27
アリスイ、コゲラ、アカゲラ、ヤマ
ゲラ
コチョウゲンボウ、チゴハヤブサ、
ハヤブサ
カケス、ハシブトガラス、ツバメ、
ヒヨドリ、ウグイス、エゾムシクイ、
ムクドリ、スズメ、イカル、ホオジ
ロ
38 科
111 種
26 科
54 種
15 目
科数 種数
冬季
平成 25 年~26 年
42 科 163 種 23 科 33 種 23 科 37 種 17 科 37 種 37 科 131 種 34 科 125 種
注:調査期「生態系」は「8.1.5 生態系」 カワラヒワの生息状況調査で確認された種、「渡り鳥」は鳥類の渡り時の移動経路調査で確認された種、「猛禽類」は希少猛禽類の生息状
況調査で確認された種を示す。
第 8.1.3-11 表
ラインセンサス法による確認種数及び個体数
確認種数
調査時期
平成 25 年
平成 26 年
目数
科数
種数
夏季
8目
19 科
25 種
秋季
7目
19 科
25 種
冬季
6目
12 科
24 種
春季
9目
23 科
40 種
第 8.1.3-12 表
平成 25 年
夏季
秋季
冬季
平成 26 年
春季
目数
科数
種数
11 目
19 科
26 種
9目
7目
8目
R2
R3
樹林
樹林
草地
市街地
18 種
17 種
14 種
78 個体
99 個体
76 個体
15 種
19 種
12 種
188 個体以上
96 個体
59 個体
15 種
13 種
7種
78 個体
88 個体
93 個体以上
25 種
31 種
22 種
196 個体
199 個体
132 個体
ポイントセンサス法による確認種数及び個体数
確認種数/地点
調査時期
R1
15 科
15 科
22 科
26 種
27 種
42 種
P1
P2
P3
P4
樹林
開放水面
樹林
開放水面
造成地
10 種
10 種
7種
15 種
30 個体
92 個体以上
90 個体以上
98 個体以上
10 種
8種
12 種
21 種
78 個体
20 個体
153 個体以上
273 個体以上
11 種
11 種
11 種
12 種
58 個体
55 個体
31 個体
264 個体
19 種
18 種
13 種
24 種
88 個体
87 個体
53 個体
191 個体
8.1.3-25
(377)
第 8.1.3-13 表
種名
調査地点
水
鳥
大
型
小
型
猛
禽
類
鳥
類
種
大
型
陸
鳥
小
型
P1
P2
P3
P4
オオセグロカモ
メ
マガモ
ウミネコ
アオサギ
ウミウ
オシドリ
カワアイサ
カモメ
シロカモメ
シギ科の一種
コチドリ
トビ
チュウヒ
ノスリ
ハヤブサ
ミサゴ
ハシブトガラス
ハシボソガラス
カワラヒワ
ヒヨドリ
アトリ科の一種
ヒバリ
ハクセキレイ
キジバト
ムクドリ
ツグミ
ベニヒワ
アオジ
アカゲラ
カワセミ
シジュウカラ
ヒガラ
合計
平成
26 年
平成 25 年
調査地点
分 類
空間飛翔調査の結果概要
夏季
調査
秋季
調査
冬季
調査
高度区分別の個体数
高度区分
春季
調査
A
B
計
C
D
(個体数)
23
9
12
16
42
19
112
65
47
47
4
5
17
57
13
50
18
21
5
4
7
7
1
0
104
104
135
132
129
132
141
136
5
137
2
10
6
1
147
154
6
5
1
1
2
2
11
12
1
2
2
1
1
14
12
2
3
2
2
1
1
6
1
43
1
1
1
1
40
21
128
26
17
11
10
9
9
8
7
2
2
1
1
1
538
8
5
1
2
1
1
1
2
2
1
1
1
1
6
8
13
1
1
11
1
11
19
4
6
5
73
13
5
2
2
4
48
15
1
7
3
14
1
1
15
5
41
1
2
2
7
6
12
8
24
17
7
8
7
1
1
1
60
11
1
1
2
1
1
238
1
1
103
137
6
1
20
1
1
1
1
25
12
126
26
17
11
10
9
9
8
7
2
2
1
1
1
475
0
注:1.高度区分は、A:明らかにブレード回転領域内、B:回転域の縁、C:充分に回転域より低空、
D:充分に回転域より高空
2.表中の「水鳥」と「陸鳥」の区分は、「原色 日本野鳥生態図鑑」(保育社、平成 7 年)を参考にした。
3.表中の「大型」「小型」はキジバトの全長を目安とし、キジバトより大きい種を「大型」、小さい種を
「小型」とした。
8.1.3-26
(378)
第 8.1.3-14 表
目名
科名
確認された鳥類の外来種
種名
外来種指定状況
I
II
キジ(コウライキジ)
A3(国外)
カワラバト(ドバト)
A3(国外)
2目
2科
2種
0種
2種
注: 外来種の指定状況は以下のとおりである。
I 「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」
(平成 16 年法律第 78 号)により指定されてい
る種、及び「要注意外来生物リスト」
(http://www.env.go.jp/nature/intro/1outline/caution/index.html)として環境省
により選定されている種
特定:特定外来生物
未:未判定外来生物
要注 A:被害に係る一定の知見があり、引き続き特定外来生物の指定の適否について検討する外来生物
要注 B:被害に係る知見が不足しており、引き続き情報の集積に努める外来生物
要注 C:特定外来生物や未判定外来生物の選定の対象とならないが、注意喚起が必要な外来生物(他法令の規制
対象種)
II 「北海道ブルーリスト 2010」(北海道、平成 22 年)に選定されている種
<カテゴリー区分>
A1 :緊急に防除対策が必要な種
A2 :本道の生態系等へ大きな影響を及ぼしており、防除対策の必要性について検討する種
A3 :本道に定着しており、生態系等への影響が報告または懸念されている種
B :本道に定着しているが、生態系等への影響が不明な種。
C :本道への定着は不明であるが、生態系へ影響が報告または懸念されている種
D :本道への定着は不明であるが、定着及び影響が不明である種。
E :本道へ定着していない可能性が高いが、生態系へ影響が報告または懸念されている種
h :導入される可能性が高く、導入されると定着し影響が懸念される等、特に注意が必要と考えられる種
<原産地区分>
(国外)
:国外外来種
(国内)
:国内外来種
(不明)
:不明
キジ
ハト
キジ
ハト
8.1.3-27
(379)
(イ) レーダー調査
対象事業実施区域及びその周辺において第 8.1.3-15 表のとおりレーダー調査を行っ
た。その結果は、第 8.1.3-6 図のとおり、飛翔高度別における頻度は、夜間では 500m
~850m 付近で高いことが明らかとなった。また、日中(日の出~午前 10 時)では、
50~150m で他高度よりも相対的に高い結果となった。既設風力発電機付近の飛翔経路
は第 8.1.3-7 図のとおりであった。
なお、これらの結果は参考資料として記載したものであり、事業の実施による鳥類
への影響予測には用いなかった。
第 8.1.3-15 表
年月日
平成 25 年
10 月 20 日
レーダー稼働
調査期間及び飛翔軌跡の抽出状況
レンジ半径(km)
仰角(度)
9:48-23:59
1.5
10
0:00-7:01
1.5
10
時間
水平・垂直
軌跡抽出時間
9:48-18:57
19:35-19:51
なし
8:23-9:56
平成 25 年
10 月 21 日
7:09-19:01
1.5
水平
10
10:47-11:10
11:33-13:06
13:52-19:01
19:09-23:59
平成 25 年
10 月 22 日
平成 25 年
10 月 22 日
平成 25 年
10 月 23 日
3.0
10
19:09-23:59
0:00-1:51
00:00-19:01
3.0
10
1:54-6:35
6:38-19:01
19:51-23:59
1.5
0
19:51-23:59
1.5
0
0:00-10:01
垂直
00:00-10:01
注:降雨により軌跡抽出時間が制限されている。
8.1.3-28
(380)
1000
n = 14697
800
600
頻
度
400
200
1400-1449
1300-1349
1200-1249
1100-1149
高度 (m)
ブレード回転域(m)
1000-1049
900-949
800-849
700-749
600-649
500-549
400-449
300-349
200-249
100-149
0-49
0
第 8.1.3-6 図(1) 飛翔高度別の飛翔軌跡頻度分布(垂直)
(夜間:10 月 22 日 19:51~翌日 5:56)
400
n = 1673
300
頻 200
度
100
ブレード回転域(m)
第 8.1.3-6 図(2)
1400-1449
1300-1349
1200-1249
1100-1149
1000-1049
高度 (m)
900-949
800-849
700-749
600-649
500-549
400-449
300-349
200-249
100-149
0-49
0
レーダー調査による飛翔高度別の飛翔軌跡頻度分布(垂直)
(午前:10 月 23 日 5:57~10:00)
8.1.3-29
(381)
8.1.3-30
(382)
第 8.1.3-7 図
既設風力発電機付近の飛翔軌跡分布(水平)
c. 爬虫類の状況
(a) 文献その他の資料調査
ア. 調査地域
対象事業実施区域及びその周辺とした。
イ. 調査方法
第 8.1.3-16 表に示す文献その他の資料から、対象事業実施区域及びその周辺にお
いて生息記録のある種を調査地域の生息種とし、抽出した。
第 8.1.3-16 表
資
料
爬虫類に係る文献その他の資料
名
対象データ
1
「第 2 回自然環境保全基礎調査 動物分布調査報告書-日本の 対象事業実施区域
重要な両生類・爬虫類(北海道版)-」(環境庁、昭和 57 年) 及びその周辺
2
「生物多様性情報システム-基礎調査データベース検索-
(第 4 回動植物分布調査)」
(http://www.biodic.go.jp/kiso/fnd_f.html)
「石狩」「札幌北部」「太美」
「札幌東北部」 注
3
「生物多様性情報システム-基礎調査データベース検索-
(第 5 回動植物分布調査)」
(http://www.biodic.go.jp/kiso/fnd_f.html)
「石狩」「札幌北部」「太美」
「札幌東北部」 注
4
「北海道の希少野生生物 北海道レッドデータブック 2001」
(http://rdb.hokkaido-ies.go.jp/)(閲覧日:平成 27 年 4 月)
石狩市、小樽市、札幌市、石
狩振興局、後志総合振興局
「石狩湾新港に係る環境影響評価書(確定)(資料編)」
(北海道、平成 9 年)
「石狩浜定期観察による植物開花状況の記録(2004/2005)
石狩浜海浜植物保護センター調査研究報告 第 4 号」
(石狩浜海浜植物保護センター、平成 18 年)
対象事業実施区域
及びその周辺
5
6
対象事業実施区域
及びその周辺
注:国土地理院発行の 1/25,000 地形図の名称
ウ. 調査結果
文献その他の資料において確認された爬虫類は、第 8.1.3-17 表のとおり、1 目 4 科
6 種であった。
なお、第 8.1.3-16 表の資料 1、資料 2、資料 3 及び資料 4 については、対象事業実
施区域周辺における爬虫類の分布情報が得られなかったため、第 8.1.3-17 表には掲載
していない。
第 8.1.3-17 表
文献その他の資料による爬虫類の調査結果
文献その他の資料
5
6
トカゲ
トカゲ
トカゲ
○
○
カナヘビ
カナヘビ
○
ヘビ
シマヘビ
○
ジムグリ
○
アオダイショウ
○
○
クサリヘビ
マムシ
○
1目
4科
6種
6種
2種
注:1.種名及び配列は、主として「日本産野生生物目録」(環境庁、平成 5 年)に従った。
2.資料名は第 8.1.3-16 表を参照。
目名
科名
種名
8.1.3-31
(383)
(b) 現地調査
ア. 調査地域
対象事業実施区域及びその周辺とした。
イ. 調査地点
第 8.1.3-8 図に示す任意踏査ルートとした。
ウ. 調査期間
夏季調査:平成 25 年 7 月 25 日、27 日、28 日
秋季調査:平成 25 年 10 月 22 日、23 日、25 日、28 日
春季調査:平成 26 年 5 月 12 日~15 日
エ. 調査方法
(ア) 直接観察及び捕獲調査
調査範囲を任意に踏査し、目撃や捕獲等により生息種の確認に努めた。
8.1.3-32
(384)
8.1.3-33
(385)
第 8.1.3-8 図
爬虫類調査地点の位置
オ. 調査結果
現地調査において確認された爬虫類は、第 8.1.3-18 表のとおり、1 目 3 科 3 種であっ
た。確認されたのは、主に樹林から市街地まで幅広い環境を利用する、トカゲ、カ
ナヘビ、シマヘビであった。
外来種としては、
「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」
(平成 16 年法律第 78 号)により指定されている種、「要注意外来生物リスト」
(http://www.env.go.jp/nature/intro/1outline/caution/index.html )として環境省により選
定されている種、及び「北海道ブルーリスト 2010」(北海道、平成 22 年)に選定さ
れている種は確認されなかった。
第 8.1.3-18 表
爬虫類の調査結果
調査時期
No.
目名
科名
1
トカゲ
トカゲ
トカゲ
Eumeces latiscutatus
○
2
カナヘビ
カナヘビ
Takydromus tachydromoides
○
3
ヘビ
シマヘビ
Elaphe quadrivirgata
○
1目
3科
種名
学名
3種
夏季
3種
秋季
確認形態
目撃
目撃、捕獲
○
0種
注:種名及び配列は、主として「日本産野生生物目録」(環境庁、平成5年)に従った。
8.1.3-34
(386)
春季
1種
目撃
d. 両生類の状況
(a) 文献その他の資料調査
ア. 調査地域
対象事業実施区域及びその周辺とした。
イ. 調査方法
第 8.1.3-19 表に示す文献その他の資料から、対象事業実施区域及びその周辺にお
いて生息記録のある種を調査地域の生息種とし、抽出した。
第 8.1.3-19 表
資
料
両生類に係る文献その他の資料
名
対象データ
1
「第 2 回自然環境保全基礎調査 動物分布調査報告書-日本の 対象事業実施区域
重要な両生類・爬虫類(北海道版)-」(環境庁、昭和 57 年) 及びその周辺
2
「生物多様性情報システム-基礎調査データベース検索-
(第 4 回動植物分布調査)」
(http://www.biodic.go.jp/kiso/fnd_f.html)
「石狩」「札幌北部」
「太美」「札幌東北部」 注
3
「生物多様性情報システム-基礎調査データベース検索-
(第 5 回動植物分布調査)」
(http://www.biodic.go.jp/kiso/fnd_f.html)
「石狩」「札幌北部」
「太美」「札幌東北部」 注
4
「北海道の希少野生生物 北海道レッドデータブック 2001」
(http://rdb.hokkaido-ies.go.jp/)(閲覧日:平成 27 年 4 月)
石狩市、小樽市、札幌市、
石狩振興局、後志総合振興
局
5
「石狩湾新港に係る環境影響評価書(確定)(資料編)」
(北海道、平成 9 年)
対象事業実施区域
及びその周辺
6
「石狩浜定期観察による植物開花状況の記録(2004/2005)
石狩浜海浜植物保護センター調査研究報告 第 4 号」
(石狩浜海浜植物保護センター、平成 18 年)
対象事業実施区域
及びその周辺
注:国土地理院発行の 1/25,000 の地形図名称
8.1.3-35
(387)
ウ. 調査結果
文献その他の資料において確認された両生類は、第 8.1.3-20 表のとおりであり、2
目 3 科 3 種であった。
なお、第 8.1.3-19 表の資料 1 及び資料 2 については、対象事業実施区域周辺にお
ける両生類の分布情報が得られなかったため、第 8.1.3-20 表には掲載していない。
第 8.1.3-20 表
文献その他の資料による両生類の調査結果
3
目
名
科
名
種
名
サンショウウオ
カエル
文献その他の資料
4
石
北札
太
狩
部幌
美
5
サンショウウオ エゾサンショウウオ
○
○
○
アマガエル
アマガエル
○
○
アカガエル
エゾアカガエル
○
2目
3科
3種
0種 0種 1種 0種 1種 1種 3種
注:1.種名及び配列は、主として「日本産野生生物目録」(環境庁、平成5年)に従った。
2.資料名は第8.1.3-19表を参照。
8.1.3-36
(388)
6
後
東札 振石 振
志
北
興
興
総
部幌 局狩 局
合
○
1種
(b) 現地調査
ア. 調査地域
対象事業実施区域及びその周辺とした。
イ. 調査地点
第 8.1.3-9 図に示す任意踏査ルートとした。
ウ. 調査期間
夏季調査:平成 25 年 7 月 25 日、 27 日、28 日
秋季調査:平成 25 年 10 月 22 日、 23 日、25 日、28 日
春季調査:平成 26 年 5 月 12 日~ 15 日
エ. 調査方法
(ア) 直接観察及び捕獲調査
対象事業実施区域及びその周辺を任意に踏査し、目撃や捕獲等により生息種の確
認に努めた。
8.1.3-37
(389)
8.1.3-38
(390)
第 8.1.3-9 図
両生類調査地点の位置
オ. 調査結果
現地調査において確認された両生類は、第 8.1.3-21 表のとおり、2 目 3 科 3 種であっ
た。樹林に隣接する止水域で産卵を行うエゾサンショウウオは、海岸林を通る作業
道上の水たまりで確認された。また、アマガエル、エゾアカガエルについては目撃、
鳴き声等により確認された。
外来種としては、
「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」
(平成 16 年法律第 78 号)により指定されている種、「要注意外来生物リスト」
(http://www.env.go.jp/nature/intro/1outline/caution/index.html )として環境省により選
定されている種、及び「北海道ブルーリスト 2010」(北海道、平成 22 年)に選定さ
れている種は確認されなかった。
第 8.1.3-21 表
両生類の調査結果
No.
目名
科名
種名
学名
1
サンショウウオ
サンショウウオ
エゾサンショウウオ
Hynobius retardatus
2
カエル
アマガエル
アマガエル
Hyla japonica
アカガエル
エゾアカガエル
Rana pirica
3
2目
3科
3種
調査時期
夏季
秋季
確認形態
○
目撃、捕獲
○
○
目撃、鳴き声
○
○
目撃、捕獲
2種
0種
注:種名及び配列は、主として「日本産野生生物目録」(環境庁、平成5年)に従った。
8.1.3-39
(391)
春季
3種
e. 昆虫類の状況
(a) 文献その他の資料調査
ア. 調査地域
対象事業実施区域及びその周辺とした。
イ. 調査方法
第 8.1.3-22 表に示す文献その他の資料から、対象事業実施区域及びその周辺にお
いて生息記録のある種を調査地域の生息種とし、抽出した。
第 8.1.3-22 表
資
料
昆虫類に係る文献その他の資料
名
対象データ
1
「第 2 回自然環境保全基礎調査 動物分布調査報告書
-日本の重要な昆虫類(北海道版)-」(環境庁、昭和 55 年)
対象事業実施区域
及びその周辺
2
「生物多様性情報システム-基礎調査データベース検索-
(第 4 回動植物分布調査)」
(http://www.biodic.go.jp/kiso/fnd_f.html)
「石狩」「札幌北部」「太美」
「札幌東北部」 注
3
「生物多様性情報システム-基礎調査データベース検索-
(第 5 回動植物分布調査)」
(http://www.biodic.go.jp/kiso/fnd_f.html)
「石狩」「札幌北部」「太美」
「札幌東北部」 注
4
「北海道の希少野生生物 北海道レッドデータブック 2001」
(http://rdb.hokkaido-ies.go.jp/)(平成 27 年 4 月閲覧)
石狩市、小樽市、札幌市、
石狩振興局、後志総合振興局
5
「すぐれた自然地域 自然環境調査報告書-道南圏域・道央圏域-(第 表 3-2-3-2 石 狩 海 岸 昆 虫 類
2 節 石狩海岸)」(北海道環境科学研究センター、平成 5 年)
リスト
6
「石狩湾新港に係る環境影響評価書(確定)(資料編)」
(北海道、平成 9 年)
対象事業実施区域
及びその周辺
7
「小樽市新川河口地区のトンボ相 小樽市総合博物館紀要 No.21」
(小樽市総合博物館、平成 20 年)
対象事業実施区域
及びその周辺
8
「小樽市新川河口地区昆虫相調査報告(1)~(5) 小樽市総合博物館紀要 対象事業実施区域
No.21~25」(小樽市総合博物館、平成 20 年~平成 24 年)
及びその周辺
9
「石狩湾の海浜地帯で得られた小甲虫類について(第 1 報~第 10 報) 対象事業実施区域
北海道昆虫同好会 jezoensis 第 26 号~第 35 号」
及びその周辺
(北海道昆虫同好会、平成 11 年~平成 21 年)
注:国土地理院発行の 1/25,000 の地形図名称
ウ. 調査結果
文献その他の資料において確認された昆虫類は、第 8.1.3-23 表のとおり、11 目 193
科 1,554 種であった。
第 8.1.3-22 表の資料 4 については対象事業実施区域及びその周辺における分布情
報が得られなかった。
8.1.3-40
(392)
第 8.1.3-23 表
文献その他の資料による昆虫類確認種の概要
名
科数
種数
トンボ
7
36
エゾイトトンボ、オオルリボシヤンマ、ノシメトンボ
バッタ
8
24
エゾエンマコオロギ、ハネナガキリギリス、トノサマバッタ
ハサミムシ
3
4
カメムシ
30
156
アミメカゲロウ
4
8
コウチュウ
55
478
ハチ
16
112
シリアゲムシ
1
1
ハマベハサミムシ、オオハサミムシ、クギヌキハサミムシ
アブラゼミ、ヒメミズカマキリ、カシワカスミカメ、ホソコバネナ
ガカメムシ、ブチヒゲカメムシ
ヒロバカゲロウ、クモンクサカゲロウ、コウスバカゲロウ
カワラゴミムシ、エリザハンミョウ、イシカリクロナガオサムシ、
コツブゲンゴロウ、ハマベエンマムシ、ミヤマクワガタ、ウスバカ
ミキリ、カシワクチブトゾウムシ
コモンツチバチ、トビイロシワアリ、エゾアカヤマアリ、クロスズ
メバチ、ホクダイコハナバチ、エゾオオマルハナバチ
プライヤシリアゲ
ハエ
19
46
ヤマトアブ、ホソヒタラアブ、ヒメフンバエ、オオイエバエ
トビケラ
3
4
チョウ
47
目
11 目
193 科
主な確認種
ウンモントビケラ、ゴマダラヒゲナガトビケラ、エグリトビケラ
ボクトウガ、オオアトキハマキ、コチャバネセセリ、エゾシロチョ
685
ウ、ミドリシジミ、カギシロスジアオシャク、ショウブヨトウ
1,554 種
-
注:種名及び配列は、主として「日本産野生生物目録
無脊椎動物編Ⅱ」(環境省、平成7年)に従った。
8.1.3-41
(393)
(b) 現地調査
ア. 調査地域
対象事業実施区域及びその周辺とした。
イ. 調査地点
ベイトトラップ及びライトトラップによる採集調査の 3 地点(T1~T3)、任意採
集調査の踏査ルートとした。調査地点の位置は第 8.1.3-10 図、トラップ地点の概要は
第 8.1.3-24 表のとおりである。
ウ. 調査期間
夏季調査:平成 25 年 7 月 22 日~23 日、 8 月 19 日~ 20 日、 22 日、
26 日~27 日、29 日
秋季調査:平成 25 年 9 月 9 日~ 12 日
春季調査:平成 26 年 5 月 28 日~ 31 日
エ. 調査方法
昆虫類調査は、任意採集法のほか、ライトトラップ法及びベイトトラップ法によ
り実施した。また、夏季調査では、エゾアカヤマアリの巣の分布についても調査を
実施した。
(ア) 任意採集法
調査地域内を踏査し、直接観察法、スィーピング法、ビーティング法等により採
集を行った。重要な種及び注目すべき生息地が確認された場合はその個体数、確認
位置、生息環境等を記録した。採集された昆虫類は基本的に室内で検鏡・同定した。
また、チョウ類、トンボ類等現地での同定が容易で、かつ採集しにくい種につい
ては、採集せずに現地にて野帳に記録した。
(イ) ベイトトラップ法
調査地点において、誘引餌をプラスチックコップ(口径 70mm、高さ 90mm)に
入れ、口が地表面と同じになるように埋設し、地表徘徊性の昆虫を捕獲した。1 地
点当たり各 10 個のプラスチックコップを埋設し、一晩放置して翌日回収した。
なお、誘引餌にはさなぎ粉を用いた。また、採集された昆虫類は室内で検鏡・同
定した。
(ウ) ライトトラップ法
調査地点において、白色蛍光灯及びブラックライト(6W)を光源とし、下部に
ロート部及び捕虫器を配置したボックス法ライトトラップを設置し、夜行性の昆虫
類を誘引し、捕獲した。
トラップは、1 地点当たりそれぞれ 1 器を夕方日没前に設置し、翌朝回収した。
採集された昆虫類は室内で検鏡・同定した。
8.1.3-42
(394)
第 8.1.3-24 表
調査方法
ベイトトラップ法
ライトトラップ法
調査
地点
昆虫類調査地点の概要
環境
概況
T1
樹林
(落葉広葉樹林)
対象事業実施区域周辺のカシワ群落
T2
樹林
(落葉広葉樹林)
対象事業実施区域周辺のハンノキ-ヤチダモ群
落
T3
樹林
(落葉広葉樹林)
対象事業実施区域周辺のカシワ群落
8.1.3-43
(395)
8.1.3-44
(396)
第8.1.3-10図
昆虫類調査地点の位置
オ. 調査結果
現地調査において確認された昆虫類は、第 8.1.3-25 表のとおりであり、12 目 181
科 679 種であった。また、任意採集法の結果は第 8.1.3-26 表、ベイトトラップ法の結
果は第 8.1.3-27 表、ライトトラップ法の結果は第 8.1.3-28 表のとおりである。
確認種及び出現状況は以下のとおりである。
対象事業実施区域及びその周辺は、造成跡地等の人工的環境が多くを占めるが、
海岸沿いにはカシワ林、内陸部には、エゾイタヤ-ミズナラ林やハンノキ-ヤチダ
モ林からなる防風林、ヤナギ河畔林等の樹林地がみられる。また、造成跡地周辺に
はススキ群落やカモガヤ群落等の草地が広く分布し、海岸にはハマナスやハマニン
ニク、ハマエンドウ等からなる海浜植生がみられる。
カシワ林や防風林、河畔林等の樹林地では、カシワカスミカメ、ミヤマクワガタ、
ゴマダラカミキリ、ヤマナラシハムシ、ハヤシミドリシジミ、オニベニシタバ等の
樹林性の種が多く確認された。造成跡地や路傍等の草地では、エゾツユムシ、トノ
サマバッタ、フタトゲムギカスミカメ、ヨシツトガ、ジャノメチョウ等の草地性の
種が多く確認された。
また、調査範囲北西側の海岸部では、オオハサミムシ、コホネゴミムシダマシ、
スナムグリヒョウタンゾウムシ等の海浜性の種が確認され、海岸砂丘沿いの水たま
りや河川沿いでは、アオイトトンボ、ルリボシヤンマ、ヒメアメンボ、コガシラミ
ズムシ、ヒメゲンゴロウ等の水辺に生息する種が確認された。
ベイトトラップによる採集では、主に、オオルリオサムシ、ヒメクロオサムシ、
キベリアオゴミムシ、ヒラタシデムシ、センチコガネ等の地表徘徊性のコウチュウ
類や、アメイロアリ、アズマオオズアリ、トビイロケアリ等のアリ類が確認された。
ライトトラップによる採集では、主に、ヒメマダラエダシャク、クスサン、ヨシ
カレハ、カシワキリガ等のガ類のほか、コガシラアワフキ、スコットカメムシ、ハ
ラアカモリヒラタゴミムシ、マエモンシデムシ、ウスイロカユスリカ等が確認され
た。
外来種としては、第 8.1.3-29 表のとおり、カブトムシ、オオモンシロチョウ等の 2
目 3 科 4 種が確認された。このうち、「特定外来生物による生態系等に係る被害の防
止に関する法律」(平成 16 年法律第 78 号)により指定されている特定外来生物は確
認されなかった。
8.1.3-45
(397)
第8.1.3-25表
目
名
平成
25 年
全 体
夏季
昆虫類の調査結果概要
平成
26 年
秋季
春季
主な確認種
カゲロウ
1
0
0
1
フタバカゲロウ
トンボ
17
13
11
2
アオイトトンボ、ルリボシヤンマ、シオカラトンボ
バッタ
22
18
17
1
エゾエンマコオロギ、キタササキリ、ミカドフキバッタ
ハサミムシ
4
3
2
1
オオハサミムシ、コブハサミムシ、クギヌキハサミムシ
カメムシ
92
66
52
21
エゾゼミ、モンキアワフキ、ヒメアメンボ、カシワカスミカメ
アミメカゲロウ
7
4
3
3
ヤマトヒメカゲロウ、クモンクサカゲロウ、コウスバカゲロウ
コウチュウ
242
162
60
101
アオカタビロオサムシ、ココノホシテントウ、スナゴミムシダマシ、
ゴマダラカミキリ、ヤマナラシハムシ、グミチョッキリ
ハチ
60
42
38
27
トビイロシワアリ、スズバチ、ハエトリバチ、ホクダイコハナバチ
シリアゲムシ
1
1
0
0
プライヤシリアゲ
ハエ
91
53
43
41
シオヤアブ、フデヒメヒラタアブ、シリグロニクバエ
トビケラ
チョウ
12 目
4
2
2
1
ニセウスバキトビケラ、ニッポンウスバキトビケラ
138
89
53
26
ヨシツトガ、ハヤシミドリシジミ、ジャノメチョウ、クスサン
679 種
453 種
281 種
225 種
-
注:種名及び配列は「日本産野生生物目録 無脊椎動物編Ⅱ」(環境省、平成7年)に従った。
第 8.1.3-26 表
種
任意採集法の確認種数及び主な確認種
調査地点
調査時期
数
任意
平成 25 年夏季
316 種
オオルリボシヤンマ、ジャノメチョウ、トガリフタモンアシナガバチ
平成 25 年秋季
215 種
アキアカネ、クルマバッタモドキ、ブチヒゲカメムシ、ケブカスズメバチ
平成 26 年春季
198 種
オツネントンボ、ヒメビロウドコガネ、ワタセヒメハナバチ
第 8.1.3-27 表
主な確認種
ベイトトラップ法の確認種数及び主な確認種
調査地点
調査時期
T1
平成 25 年夏季
16 種
クギヌキハサミムシ、キベリアオゴミムシ、エゾホソナガゴミムシ
平成 25 年秋季
10 種
エゾホソナガゴミムシ、クロヒラタシデムシ、アズマオオズアリ
平成 26 年春季
12 種
オオルリオサムシ、ビロウドヒラタシデムシ、トビイロケアリ
平成 25 年夏季
13 種
ヒラタシデムシ、ニセセミゾハネカクシ、アメイロアリ
平成 25 年秋季
6種
イシカリクロナガオサムシ、ヒラタシデムシ、アズマオオズアリ
平成 26 年春季
7種
クロズアカチビゴモクムシ、ヒラタシデムシ、アズマオオズアリ
平成 25 年夏季
9種
ヒメクロオサムシ、コクロツヤヒラタゴミムシ、ヒラタシデムシ
平成 25 年秋季
4種
クロツヤヒラタゴミムシ、ヒラタシデムシ、ニセセミゾハネカクシ
平成 26 年春季
6種
アオカタビロオサムシ、ニセセミゾハネカクシ、トビイロケアリ
T2
T3
種
数
第 8.1.3-28 表
ライトトラップ法の確認種数及び主な確認種
調査地点
調査時期
T1
平成 25 年夏季
60 種
スジヒメガムシ、ウスイロカユスリカ、ヨシカレハ、カシワマイマイ
平成 25 年秋季
46 種
スコットカメムシ、ギンボシトビハマキ、クスサン、オニベニシタバ
平成 26 年春季
10 種
マエモンシデムシ、ツマキリエダシャク、アトジロキリガ
平成 25 年夏季
61 種
オヌキヨコバイ、ヨシツトガ、コスジシロエダシャク、サザナミスズメ
平成 25 年秋季
25 種
ハラアカモリヒラタゴミムシ、クスサン、ヤスジシャチホコ
平成 26 年春季
4種
ハラアカモリヒラタゴミムシ、ヒメカレハ、ハガタキリバ
平成 25 年夏季
65 種
コガシラアワフキ、ヒメコガネ、ヒメマダラエダシャク、ヨシカレハ
平成 25 年秋季
26 種
ヨツボシモンシデムシ、リンゴスガ、クシヒゲウスキヨトウ
平成 26 年春季
6種
ハラアカモリヒラタゴミムシ、ハイイロシャチホコ、カシワキリガ
T2
T3
種
主な確認種
数
主な確認種
8.1.3-46
(398)
第 8.1.3-29 表
目名
科名
確認された昆虫類の外来種
種名
外来種指定状況
I
II
カブトムシ
A2(国内)
キンケクチブトゾウムシ
A3(国外)
ケチビコフキゾウムシ
A3(国外)
チョウ
シロチョウ
オオモンシロチョウ
A3(国外)
2目
3科
4種
0種
4種
注:外来種の指定状況は以下のとおりである。
I 「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」(平成 16 年法律第 78 号)により指定さ
れている種、及び「要注意外来生物リスト」(http://www.env.go.jp/nature/intro/1outline/caution/index.html)
として環境省により選定されている種
特定:特定外来生物
未:未判定外来生物
要注 A:被害に係る一定の知見があり、引き続き特定外来生物の指定の適否について検討する外来生物
要注 B:被害に係る知見が不足しており、引き続き情報の集積に努める外来生物
要注 C:特定外来生物や未判定外来生物の選定の対象とならないが、注意喚起が必要な外来生物(他法令
の規制対象種)
II 「北海道ブルーリスト 2010」(北海道、平成 22 年)に選定されている種
<カテゴリー区分>
A1:緊急に防除対策が必要な種
A2:本道の生態系等へ大きな影響を及ぼしており、防除対策の必要性について検討する種
A3:本道に定着しており、生態系等への影響が報告または懸念されている種
B :本道に定着しているが、生態系等への影響が不明な種
C :本道への定着は不明であるが、生態系へ影響が報告または懸念されている種
D :本道への定着は不明であるが、定着及び影響が不明である種
E :本道へ定着していない可能性が高いが、生態系へ影響が報告または懸念されている種
h :導入される可能性が高く、導入されると定着し影響が懸念される等、特に注意が必要と考えられる種
K :(昆虫類のみ)導入されている「室内昆虫」(貯穀害虫等)
<原産地区分>
(国外):国外外来種
(国内):国内外来種
(不明):不明
コウチュウ
コガネムシ
ゾウムシ
8.1.3-47
(399)
② 重要な種及び注目すべき生息地の分布、生息の状況及び生息環境の状況
a. 重要な種及び注目すべき生息地
(a) 文献その他の資料調査
「北海道の希少野生生物
北海道レッドデータブック 2001」(北海道、平成 13 年)
等による情報の収集並びに当該情報の整理及び解析を行った。
ア. 調査地域
対象事業実施区域及びその周辺とした。
イ. 調査方法
文献その他の資料により確認された動物について、第 8.1.3-30 表の選定基準に基
づき学術上又は希少性の観点から重要な種及び注目すべき生息地を抽出した。
第 8.1.3-30 表
重要な種及び注目すべき生息地の選定基準
対象となる動物
選定根拠
①
「文化財保護法」
カテゴリー
・天然記念物(天)
(昭和 25 年法律第 214 号) ・特別天然記念物(特天)
「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存
・国内希少野生動植物種(国内)
② に関する法律」
・緊急指定種(緊急)
(平成 4 年法律第 75 号)
・絶滅(EX)
・野生絶滅(EW)
・絶滅危惧 IA 類(CR)
・絶滅危惧 IB 類(EN)
「レッドデータブック 2014」
③
・絶滅危惧 II 類(VU)
(環境省、平成 26 年~平成 27 年)
・準絶滅危惧(NT)
・情報不足(DD)
・絶滅のおそれのある地域個体群
(LP)
・絶滅種(Ex)
・野生絶滅種(Ew)
・絶滅危機種(Cr)
④ 「北海道の希少野生生物 北海道レッドデー ・絶滅危惧種(En)
タブック 2001」(北海道、平成 13 年)
・絶滅危急種(Vu)
・希少種(R)
・地域個体群(Lp)
・留意種(N)
⑤
「北海道生物の多様性の保全等に関する条例」 ・特定希少野生動植物(特定)
(平成25年北海道条例第9号) ・指定希少野生動植物(指定)
8.1.3-48
(400)
哺
爬 両 昆
鳥
乳
虫 生 虫
類
類
類 類 類
○ ○ ○ ○ ○
○ ○ ○ ○ ○
○ ○ ○ ○ ○
○ ○ ○ ○ ○
○
ウ. 調査結果
(ア) 重要な哺乳類
前述の選定基準(第 8.1.3-30 表)に該当する種を重要な種として選定し、第 8.1.3-31
表にとりまとめた。
文献その他の資料調査で確認された種のうち、ヒメホオヒゲコウモリ、ヤマコウ
モリ、エゾシマリス、カラフトアカネズミ等 15 種が重要な種として選定された。
第 8.1.3-31 表
重要な哺乳類(文献その他の資料調査)
文献その他の資料
重要種選定基準
No.
目
1
モグラ
トガリネズミ
ニホンジネズミ
○
コウモリ
ヒナコウモリ
ヒメホオヒゲコウモ
リ
○
○
Vu
3
カグヤコウモリ
○
○
R
4
ウスリドーベントン
コウモリ
○
○
R
5
クロオオアブラコウ
モリ
○
○
DD
R
6
ヤマコウモリ
○
○
VU
R
7
ヒナコウモリ
○
○
R
8
チチブコウモリ
○
○
R
9
ニホンコテングコウ
モリ
○
○
R
10
ニホンテングコウモ
リ
○
R
2
11
名
ネズミ
12
科
名
種
名
1
○
リス
エゾシマリス
ネズミ
ミヤマムクゲネズミ
13
○
ネコ
クマ
エゾヒグマ
15
アザラシ
アシカ
トド
5目
6科
4
5
○
6
○
7
8
9
①
②
○
○
15 種
3
種
0
種
13
種
R
LP
Lp
N
○
3
種
NT
○
○
0
種
④
DD
○
○
③
R
○
カラフトアカネズミ
14
3
2
種
0
種
9
種
0
種
0
種
NT
R
6
種
14
種
注:1.種名及び配列は、主として「日本産野生生物目録」(環境庁、平成 5 年)に従った。
2.資料名は第 8.1.3-1 表を参照。
3.重要種選定基準は第 8.1.3-30 表を参照。
4.エゾヒグマについて、選定基準③の LP は、石狩西部の絶滅のおそれのある地域個体群及び天塩・
増毛地方の絶滅のおそれのある地域個体群として、選定基準④の Lp は、積丹・恵庭(石狩西部)
の地域個体群及び天塩・増毛の地域個体群として選定されている。
(イ) 重要な鳥類
前述の選定基準(第 8.1.3-30 表)に該当する種を重要な種として選定し、第 8.1.3-32
表にとりまとめた。
文献その他の資料調査で確認された種のうち、エゾライチョウ、マガン、カンム
リカイツブリ、ヨシゴイ、クイナ、ヨタカ、オオジシギ、ウミガラス、ハチクマ、
コアカゲラ、アカモズ等 70 種が重要な種として選定された。
8.1.3-49
(401)
第 8.1.3-32 表(1)
No.
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
33
34
35
目名
キジ
カモ
カイツ
ブリ
コウノ
トリ
カツオ
ドリ
ペリカ
ン
ツル
ヨタカ
チドリ
科名
キジ
カモ
カイツブ
リ
コウノト
リ
37
38
39
41
42
43
44
45
ツバメチ
ドリ
ウミスズ
メ
3
4
6
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
コウノトリ
サンカノゴイ
セイタカ
シギ
シギ
2
○
サギ
ヨタカ
チドリ
1
ウズラ
ヒシクイ
マガン
ハクガン
シジュウカラガン
コクガン
コハクチョウ
ツクシガモ
オシドリ
トモエガモ
コケワタガモ
シノリガモ
ミコアイサ
カンムリカイツブ
リ
ヒメウ
ツル
クイナ
文献その他の資料
エゾライチョウ
ウ
36
40
種名
重要な鳥類(文献その他の調査)
ヨシゴイ
オオヨシゴイ
チュウサギ
カラシラサギ
マナヅル
クイナ
ヒメクイナ
ヒクイナ
ヨタカ
ケリ
シロチドリ
8
○
○
○
○
○
○
10
11
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
③
④
DD
R
VU
※
NT
CR
国内 CR
VU
R
R
R
R
Vu
R
R
VU
DD
VU
LP
R
R
R
R
Vu
Vu
特天 国内 CR
En
EN
○
○
○
EN
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
天
天
②
○
○
○
①
天
○
○
○
○
○
○
○
○
○
9
○
セイタカシギ
オオジシギ
オオソリハシシギ
コシャクシギ
ホウロクシギ
ツルシギ
カラフトアオアシ
シギ
タカブシギ
ハマシギ
ヘラシギ
7
重要種選定基準
○
NT
CR
NT
NT
VU
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
NT
NT
DD
VU
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
R
R
R
R
R
R
VU
R
NT
VU
EN
VU
VU
R
Vu
R
国内 CR
Vu
VU
NT
CR
Vu
VU
R
ツバメチドリ
○
ウミガラス
○
国内 CR
Cr
ウミバト
ケイマフリ
マダラウミスズメ
ウミスズメ
○
○
○
○
VU
DD
CR
R
Vu
R
Vu
8.1.3-50
(402)
○
○
○
○
En
第 8.1.3-32 表(2)
No.
目名
46
47
48
49
50
51
52
53
54
55
タカ
56
フクロ
ウ
科名
ミサゴ
タカ
フクロウ
57
58
59
ブッポ
ウソウ
カワセミ
60
61
キツツ
キ
キツツキ
62
63
種名
ハヤブ
サ
65
66
スズメ
67
68
69
70
15 目
ハヤブサ
モズ
センニュ
ウ
アトリ
ホオジロ
文献その他の資料
1
ミサゴ
ハチクマ
オジロワシ
オオワシ
チュウヒ
ハイイロチュウヒ
ハイタカ
オオタカ
ケアシノスリ
クマタカ
2
3
4
○
○
○
6
7
8
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
シロフクロウ
○
キンメフクロウ
トラフズク
○
○
重要種選定基準
9
10
11
①
③
④
○
NT
NT
国内 VU
国内 VU
EN
○
NT
国内 NT
Vu
R
En
En
Vu
R
Vu
Vu
R
En
天
天
②
国内 EN
R
CR
R
R
○
R
ヤマセミ
○
R
コアカゲラ
○
R
アカショウビン
オオアカゲラ
クマゲラ
64
重要な鳥類(文献その他の調査)
○
○
○
○
○
○
○
シロハヤブサ
ハヤブサ
アカモズ
○
○
マキノセンニュウ
○
○
ギンザンマシコ
シマアオジ
コジュリン
○
○
24 科
70 種
9
種
5
種
11
種
○
○
○
○
2
種
55
種
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
NT
○
○
○
36
種
○
○
○
49
種
CR
VU
53
種
VU
天
N
Vu
R
国内 VU
EN
○
1
種
6
種
10
種
7
種
9
種
Vu
R
R
R
57
種
注:1.種名及び配列は、主として「日本鳥類目録改訂第 7 版」(日本鳥学会、平成 24 年)に従った。
2.※ ヒシクイについては、亜種ヒシクイの場合 VU、亜種オオヒシクイの場合 NT となる。
3.シノリガモについて、選定基準③の LP は、東北地方以北の繁殖個体群として選定されている。
4.資料名は第 8.1.3-7 表を参照。
5.重要種選定基準は第 8.1.3-30 表を参照。
(ウ) 重要な爬虫類
文献その他の資料において、重要な爬虫類は確認されなかった。
(エ) 重要な両生類
前述の選定基準(第 8.1.3-30 表)に該当する種を重要な種として選定し、第 8.1.3-33
表にとりまとめた。
文献その他の資料調査で確認された種のうち、エゾサンショウウオ 1 種が重要な
種として選定された。
8.1.3-51
(403)
第 8.1.3-33 表
No.
1
目名
サンショウウオ
1目
科名
サンショウウオ
1科
重要な両生類(文献その他の資料調査)
種名
3
文献その他の資料
4
5
6
エゾサンショウウオ
1種
0種
○
○
1種
1種
0種
重要種選定基準
②
③
④
N
DD
Lp
0種 0種 1種 1種
①
注:1.種名は、「日本産野生生物目録」(環境庁、平成 5 年)に従った。
2.資料名は第 8.1.3-19 表を参照。
3.重要種選定基準は第 8.1.3-30 表を参照。
4.選定基準④のうち Lp は石狩平野のエゾサンショウウオ個体群として選定されている。
8.1.3-52
(404)
(オ) 重要な昆虫類
前述の選定基準(第 8.1.3-30 表)に該当する種を重要な種として選定し、第 8.1.3-34
表にとりまとめた。
文献その他の資料調査で確認された種のうち、セスジイトトンボ、マダラヤンマ、
オオコオイムシ、カワラハンミョウ、カバイロシジミ等の 6 目 28 科 61 種が重要な
種として選定された。
第 8.1.3-34 表(1)
No.
目名
重要な昆虫類(文献その他の資料調査)
科名
文献その他の資料
種名
1
2
3
5
6
7
重要種選定基準
8
9
①
②
③
④
セスジイトトンボ
○
○
○
R
2
オオイトトンボ
○
○
○
R
3
マンシュウイトトンボ
○
R
4
カラカネイトトンボ
○
マダラヤンマ
○
アオヤンマ
○
1
トンボ
5
イトトンボ
ヤンマ
6
7
トンボ
マイコアカネ
9
ヒメリスアカネ
フタスジオオウンカ
11
ヨコバイ
スナヨコバイ
12
アメンボ
ババアメンボ
13
ミズギワカメムシ オオミズギワカメムシ
14
コオイムシ
マキバサシガメ
○
○
オオコオイムシ
○
○
ツマグロマキバサシガメ
19
セアカオサムシ
R
○
NT
R
○
NT
N
R
○
コオイムシ
オオウスバカゲロウ
オサムシ
R
○
○
17 アミメカゲロウ ウスバカゲロウ
ハンミョウ
18 コウチュウ
20
R
○
ウンカ
16
R
○
○
10 カメムシ
NT
○
R
○
NT
○
EN Vu
○
NT
○
イグチケブカゴミムシ
NT
○
R
21
コツブゲンゴロウ ヒゲブトコツブゲンゴロウ
○
○
22
ゲンゴロウ
○
○
○
NT
○
○
NT
○
VU
ケシゲンゴロウ
23
キベリクロヒメゲンゴロウ
24
キベリマメゲンゴロウ
25
ゲンゴロウ
○
26
ハイイロゲンゴロウ
○
27
マルガタゲンゴロウ
○
○
VU
○
NT
○
ミズスマシ
オオミズスマシ
○
NT
29
ガムシ
シジミガムシ
○
EN
エゾコガムシ
○
NT
31
32
ガムシ
コガネムシ
33
34
カミキリムシ
○
ダイコクコガネ
○
R
R
28
30
N
R
○
カワラハンミョウ
R
NT Vu
ナツアカネ
8
15
R
NT
○
○
NT
VU
○
N
R
ヨツバコガネ
○
R
カラフトヨツスジハナカミキリ
○
R
R
35
ジャコウカミキリ
36
エゾカミキリ
○
R
37
チャバネクロツツカミキリ
○
R
38
キクスイカミキリ
○
カワカミハムシ
○
39
40
ハムシ
アオバアシナガハムシ
8.1.3-53
(405)
○
○
R
R
○
R
⑤
第 8.1.3-34 表(2)
No.
目名
41 ハチ
重要な昆虫類(文献その他の資料調査)
科名
アリ
文献その他の資料
種名
1
2
3
ヒラフシアリ
42
5
6
○
○
ツノアカヤマアリ
43
エゾアカヤマアリ
○
7
重要種選定基準
8
9
①
②
③
DD
○
VU
○
DD
○
VU N
スズメバチ
モンスズメバチ
45
アナバチ
ニッポンハナダカバチ
46
ハキリバチ
フルカワフトハキリバチ
○
○
DD
クズハキリバチ
○
○
DD
○
NT
○
○
NT
○
○
NT
○
○
VU
47
48 チョウ
ボクトウガ
ハイイロボクトウ
49
セセリチョウ
ギンイチモンジセセリ
50
シジミチョウ
カバイロシジミ
51
○
キタアカシジミ北日本亜種
○
タテハチョウ
ウラギンスジヒョウモン
53
ヤガ
シロオビヨトウ
○
NT
54
ホシヒメセダカモクメ
○
NT
55
ダイセンセダカモクメ
○
NT
56
ガマヨトウ
○
VU
57
キスジウスキヨトウ
○
VU
58
クシロモクメヨトウ
○
VU
59
マガリスジコヤガ
○
VU
60
ミヤマキシタバ
○
NT
61
ヒメシロシタバ
○
32
種
6目
28 科
61 種
1
種
14
種
N
VU N
○
52
2
種
⑤
R
○
44
○
④
7
種
5
種
17
種
13
種
0
種
0
種
NT
39 34
種 種
0
種
注:1.種名及び配列は、主として「日本産野生生物目録 無脊椎動物編Ⅱ」(環境省、平成 7 年)に従った。
2.資料名は第 8.1.3-22 表を参照。
3.重要種選定基準は第 8.1.3-30 表を参照。
8.1.3-54
(406)
(b) 現地調査
ア. 調査地域
対象事業実施区域及びその周辺とした。
イ. 調査方法
調査地域で確認された動物種について、第 8.1.3-30 表の選定根拠に基づき学術上
又は希少性の観点から重要な種及び注目すべき生息地を抽出した。
ウ. 調査結果
(ア) 重要な哺乳類
現地調査により確認された哺乳類のうち、前述の選定基準(第 8.1.3-30 表)に該
当する種を重要な種として選定し、第 8.1.3-35 表にとりまとめた。
現地調査で確認された種のうち、ヒナコウモリ科の一種 1、ヒナコウモリ科の一
種 2 の 2 種が選定された。現地調査で確認された種の確認状況については以下に、
確認位置は第 8.1.3-11 図に示す。
第 8.1.3-35 表
重要な哺乳類(現地調査)
対象事業実施区域
No.
1
2
目
名
コウモリ
1目
科
名
ヒナコウモリ
種
名
改変区域
内
外
0種
○
○
2種
ヒナコウモリ科の一種 1
ヒナコウモリ科の一種 2
1科
2種
重要種選定基準
内
外
○
○
①
②
③
④
注1
注2
2種
2種
2種
注:1. ヒナコウモリ科の一種 1 は複数種の可能性があり、種によっては重要種の可能性があるため選定した。
可能性のある種は以下のとおりである。
ヤマコウモリ(③:VU、④:R)、ヒナコウモリ(④:R)
2. ヒナコウモリ科の一種 2 は複数種の可能性があり、種によっては重要種の可能性があるため選定した。
可能性のある種は以下のとおりである。
ヒメホオヒゲコウモリ(④:Vu)、カグヤコウモリ(④:R)、ウスリドーベントンコウモリ(④:R)
3.ヒナコウモリ科の一種 1、ヒナコウモリ科の一種 2 については、確認したエコーロケーション音にて明
確に区別できるため、別種としてカウントした。
4.重要種選定基準は第 8.1.3-30 表を参照。
○ ヒナコウモリ科の一種 1
対象事業実施区域内外において、20kHz~30kHz のエコーロケーション音が 6 か
所で計 10 回確認された。改変区域内では確認されていない。
○ ヒナコウモリ科の一種 2
対象事業実施区域内外において、50kHz 前後のエコーロケーション音が 8 か所で
計 12 回確認された。改変区域内では確認されていない。
8.1.3-55
(407)
8.1.3-56
(408)
第 8.1.3-11 図(1)
重要な哺乳類の確認位置
(注:重要種(絶滅危惧種以上)の位置については、種の保護のため示していない。)
8.1.3-57
(409)
第 8.1.3-11 図(2)
重要な哺乳類の確認位置
(注:重要種(絶滅危惧種以上)の位置については、種の保護のため示していない。)
(イ) 重要な鳥類
現地調査により確認された鳥類のうち、前述の選定基準(第 8.1.3-30 表)に該当
する種を重要な種として選定し、第 8.1.3-36 表にとりまとめた。
現地調査で確認された種のうち、マガン、シノリガモ、ホウロクシギ、ミサゴ、
オオタカ、アカモズ、ツメナガセキレイ等 7 目 12 科 29 種が選定された。現地調査
で確認された種の確認状況については以下に、確認位置は第 8.1.3-12 図に示す。
なお、本項で利用した現地調査結果は、鳥類調査に加え、後述する鳥類の渡り時
の移動経路調査(渡り以外の個体を含む)、希少猛禽類の生息状況調査、生態系のカ
ワラヒワの生息状況調査において確認された種も対象とした。確認状況及び位置図
にはこれらの調査結果を包含した内容を記載した。
8.1.3-58
(410)
第 8.1.3-36 表
重要な鳥類(現地調査)
対象事業実施区域
No.
目
名
科
名
種
内
名
改変区域
内
1
カモ
カモ
外
①
○
※3
○
天
②
③
④
※4
※5
NT
R
外
ヒシクイ
2
マガン
-
マガン属の一種
●
3
コクガン
○
4
コハクチョウ
○
5
オシドリ
6
シノリガモ
7
重要種選定根拠
○
○
※6
VU
天
R
R
○
DD
R
○
※8
R
○
Vu
8
カイツブリ
カイツブリ
カンムリカイツブリ
○
Vu
9
カツオドリ
ウ
ヒメウ
○
EN
10
チドリ
チドリ
シロチドリ
○
VU
11
セイタカシギ
セイタカシギ
○
VU
R
12
シギ
オオジシギ
○
NT
R
○
VU
○
VU
ミコアイサ
○
○
○
13
オオソリハシシギ
14
ホウロクシギ
15
ツルシギ
○
VU
16
タカブシギ
○
VU
17
ハマシギ
○
NT
18
○
○
R
ウミスズメ
ケイマフリ
○
VU
Vu
ミサゴ
ミサゴ
○
○
○
NT
Vu
タカ
ハチクマ
○
○
○
NT
R
21
オジロワシ
○
○
○
天
国内
VU
En
22
オオワシ
○
○
天
国内
VU
En
●
天
国内
VU
En
19
タカ
20
-
オジロワシ属の一種
※7
23
チュウヒ
◯
◯
○
EN
Vu
24
ハイタカ
○
○
○
NT
Vu
25
オオタカ
○
○
○
NT
Vu
26
ケアシノスリ
ハヤブサ
ハヤブサ
ハヤブサ
28
スズメ
モズ
アカモズ
○
セキレイ
ツメナガセキレイ
○
合計
7目
12 科
R
○
27
29
国内
○
29 種
9種
○
○
13 種 29 種 6 種
国内
VU
Vu
EN
R
R
5 種 24 種 23 種
注:※1.種名及び配列は、主として「日本鳥類目録 改訂第 7 版」(日本鳥学会、平成 24 年)に従った。
※2.「~の一種」については、同一の分類群に属する種が確認されている場合には種数に計上しない
(●)こととした。
※3.選定根拠①では、亜種ヒシクイ、亜種オオヒシクイいずれも天然記念物に該当する。
※4.選定根拠③では、亜種ヒシクイは VU に、亜種オオヒシクイは NT に該当する。
※5.選定根拠④では、亜種ヒシクイ、亜種オオヒシクイいずれも R に該当する。
※6.マガン属の一種は複数種に該当する可能性があり、ヒシクイもしくはマガンもしくはカリガネの
いずれかの可能性がある。カリガネの場合の選定状況は以下のとおりである。
カリガネ(③:EN)
※7.オジロワシ属の一種は、オジロワシもしくはオオワシに該当する。
※8.選定根拠③では、東北地方以北のシノリガモ繁殖個体群が LP に該当する。
8.1.3-59
(411)
○ヒシクイ
対象事業実施区域外において、鳥類の渡り時の移動経路調査(以下、渡り調査と
する)により 1 回、2 個体が確認された。対象事業実施区域内及び改変区域内では
確認されていない。
○マガン
対象事業実施区域及びその周辺において、希少猛禽類の生息状況調査(以下、希
少猛禽類調査とする)により 1 回、渡り調査により 19 回、合計 20 回、600 個体が
確認された。このうち対象事業実施区域内における確認は 3 回、計 13 個体であった。
改変区域内では確認されていない。
○マガン属の一種
対象事業実施区域外において、渡り調査により 2 回、計 34 個体が確認された。
対象事業実施区域内及び改変区域内では確認されていない。
○コクガン
対象事業実施区域外において、渡り調査により 2 回、計 3 個体が確認された。
対象事業実施区域内及び改変区域内では確認されていない。
○コハクチョウ
対象事業実施区域外において、渡り調査により 1 回、12 個体が確認された。
対象事業実施区域内及び改変区域内では確認されていない。
○オシドリ
対象事業実施区域及びその周辺において、一般鳥類調査により 5 回、希少猛禽類
調査により 1 回、渡り調査により 1 回、生態系のカワラヒワの生息状況調査(以下、
生態系草原性鳥類調査とする)により 2 回、合計 9 回、21 個体が確認された。この
うち対象事業実施区域内における確認は 3 回、計 5 個体であった。改変区域内では
確認されていない。
○シノリガモ
対象事業実施区域外において、一般鳥類調査により 1 回、希少猛禽類調査により
8 回、渡り調査により 4 回、合計 13 回、43 個体が確認された。
対象事業実施区域内及び改変区域内では確認されていない。
○ミコアイサ
対象事業実施区域及びその周辺において、一般鳥類調査により 1 回、希少猛禽類
調査により 6 回、渡り調査により 2 回、合計 9 回、17 個体が確認された。このうち
8.1.3-60
(412)
対象事業実施区域内における確認は 2 回、計 4 個体であった。改変区域内では確認
されていない。
○カンムリカイツブリ
対象事業実施区域外において、一般鳥類調査により 1 回、希少猛禽類調査により
9 回、渡り調査により 6 回、合計 16 回、64 個体が確認された。
対象事業実施区域内及び改変区域内では確認されていない。
○ヒメウ
対象事業実施区域外において、希少猛禽類調査により 11 回、渡り調査により 3
回、合計 14 回、41 個体が確認された。
対象事業実施区域内及び改変区域内では確認されていない。
○シロチドリ
対象事業実施区域外において、渡り調査により 3 回、計 12 個体が確認された。
対象事業実施区域内及び改変区域内では確認されていない。
○セイタカシギ
対象事業実施区域外において、一般鳥類調査により 2 回、渡り調査により 1 回、
合計 3 回、3 個体が確認された。
対象事業実施区域内及び改変区域内では確認されていない。
○オオジシギ
対象事業実施区域及びその周辺において、一般鳥類調査により 1 回、希少猛禽類
調査により 2 回、渡り調査により 1 回、生態系草原性鳥類調査により 15 回、合計
19 回、23 個体が確認された。
対象事業実施区域内における確認は 4 回、計 4 個体であった。このうち改変区域
内で 1 回 1 個体が確認された。
○オオソリハシシギ
対象事業実施区域外において、渡り調査により 1 回、1 個体が確認された。
対象事業実施区域内及び改変区域内では確認されていない。
○ホウロクシギ
対象事業実施区域及びその周辺において、渡り調査により 3 回、計 14 個体が確
認された。
対象事業実施区域内における確認は 1 回 1 個体であり、改変区域内で確認された。
8.1.3-61
(413)
○ツルシギ
対象事業実施区域外において、希少猛禽類調査により 2 回、計 2 個体が確認され
た。
対象事業実施区域内及び改変区域内では、確認されていない。
○タカブシギ
対象事業実施区域外において、希少猛禽類調査により 1 回、生態系草原性鳥類調
査により 1 回、合計 2 回、2 個体が確認された。
対象事業実施区域内及び改変区域内では確認されていない。
○ハマシギ
対象事業実施区域外において、渡り調査により 16 回、計 127 個体が確認された。
対象事業実施区域内及び改変区域内では確認されていない。
○ケイマフリ
対象事業実施区域外において、渡り調査により 1 回、1 個体が確認された。
対象事業実施区域内及び改変区域内では確認されていない。
○ミサゴ
対象事業実施区域及びその周辺において、一般鳥類調査により 3 回、希少猛禽類
調査により 33 回、渡り調査により 42 回、合計 78 回確認された。対象事業実施区域
内における確認は 6 回であり、このうち改変区域内の上空で 1 回の通過が確認され
ている。
本種は一年を通じて確認されているが、特に秋季に多く確認された。これらは主
に、移動中の個体が確認されたと考えられる。
○ハチクマ
対象事業実施区域及びその周辺において、希少猛禽類調査により 5 回、渡り調査
により 4 回、合計 9 回確認された。対象事業実施区域内における確認は 3 回であり、
3 回すべてが改変区域内の上空で通過が確認されている。
本種は特に春季と秋季に多く確認された。これらは主に、移動中の個体が確認さ
れたと考えられる。
○オジロワシ
対象事業実施区域及びその周辺において、希少猛禽類調査により 104 回、渡り調
査により 42 回、生態系草原性鳥類調査により 1 回、合計 147 回確認された。対象事
業実施区域内における確認は 15 回であり、このうち改変区域内の上空で 7 回の通過
が確認されている。
8.1.3-62
(414)
本種は一年を通じて確認されているが、特に冬季及び春季(3 月)に多く確認さ
れた。これらは主に、越冬のために渡来した個体が確認されたと考えられる。
○オオワシ
対象事業実施区域及びその周辺において、希少猛禽類調査により 11 回、渡り調
査により 1 回、合計 12 回確認された。対象事業実施区域内における確認は 1 回であっ
た。改変区域内上空の通過は確認されていない。
本種は特に春季と秋季に多く確認された。これらは主に、移動中の個体が確認さ
れたと考えられる。
○オジロワシ属の一種
対象事業実施区域外において、希少猛禽類調査により 1 回確認された。対象事業
実施区域内及び改変区域内での通過は確認されていない。
○チュウヒ
対象事業実施区域及びその周辺において、一般鳥類調査により 1 回、希少猛禽類
調査により 16 回、渡り調査により 12 回、生態系草原性鳥類調査により 2 回、合計
31 回確認された。対象事業実施区域内における確認は 1 回であり、このうち改変区
域内の上空で 1 回の通過が確認されている。
本種は一年を通じて確認されているが、特に春季と秋季に多く確認された。こら
れは主に、移動中の個体が確認されたと考えられる。
○ハイタカ
対象事業実施区域及びその周辺において、一般鳥類調査により 1 回、希少猛禽類
調査により 29 回、渡り調査により 7 回、合計 37 回確認された。対象事業実施区域
内における確認は 5 回であり、このうち改変区域内の上空で 1 回の通過が確認され
ている。
本種は一年を通じて確認されているが、特に秋季に多く確認された。これらは主
に、移動中の個体が確認されたと考えられる。
○オオタカ
対象事業実施区域及びその周辺において、希少猛禽類調査により 16 回、渡り調
査により 8 回、合計 24 回確認された。対象事業実施区域内における確認は 4 回であ
り、このうち改変区域内の上空で 2 回の通過が確認されている。
本種は一年を通じて確認されているが、特に秋季に多く確認された。これらは主
に、移動中の個体が確認されたと考えられる。
8.1.3-63
(415)
○ケアシノスリ
対象事業実施区域外において、希少猛禽類調査により 6 回確認された。対象事業
実施区域内及び改変区域内での通過は確認されていない。
本種は冬季にのみ確認されており、越冬のために渡来した個体であると考えられ
る。
○ハヤブサ
対象事業実施区域及びその周辺において、一般鳥類調査により 1 回、希少猛禽類
調査により 23 回、渡り調査により 13 回、合計 37 回確認された。対象事業実施区域
内における確認は 6 回であり、このうち改変区域内の上空で 3 回の通過が確認され
ている。
本種は一年を通じて確認されているが、特に秋季に多く確認された。これらは主
に、移動中の個体が確認されたと考えられる。
○アカモズ
対象事業実施区域外において、一般鳥類調査により 2 回、
計 2 個体が確認された。
対象事業実施区域内及び改変区域内では確認されていない。
○ツメナガセキレイ
対象事業実施区域外において、渡り調査により 2 回、計 2 個体が確認された。
対象事業実施区域内及び改変区域内では確認されていない。
8.1.3-64
(416)
8.1.3-65
(417)
第 8.1.3-12 図(1)
重要な鳥類の確認位置(ヒシクイ)
(注:重要種(絶滅危惧種以上)の位置については、種の保護のため示していない。)
8.1.3-66
(418)
第 8.1.3-12 図(2)
重要な鳥類の確認位置(マガン)
8.1.3-67
(419)
第 8.1.3-12 図(3)
重要な鳥類の確認位置(マガン属の一種)(注:重要種(絶滅危惧種以上)の位置については、種の保護のため示していない。)
8.1.3-68
(420)
第 8.1.3-12 図(4)
重要な鳥類の確認位置(コクガン)(注:重要種(絶滅危惧種以上)の位置については、種の保護のため示していない。)
8.1.3-69
(421)
第 8.1.3-12 図(5)
重要な鳥類の確認位置(コハクチョウ)
8.1.3-70
(422)
第 8.1.3-12 図(6)
重要な鳥類の確認位置(オシドリ)
8.1.3-71
(423)
第 8.1.3-12 図(7)
重要な鳥類の確認位置(シノリガモ)
8.1.3-72
(424)
第 8.1.3-12 図(8)
重要な鳥類の確認位置(ミコアイサ)(注:重要種(絶滅危惧種以上)の位置については、種の保護のため示していない。)
8.1.3-73
(425)
第 8.1.3-12 図(9)
重要な鳥類の確認位置(カンムリカイツブリ)(注:重要種(絶滅危惧種以上)の位置については、種の保護のため示していない。)
8.1.3-74
(426)
第 8.1.3-12 図(10)
重要な鳥類の確認位置(ヒメウ)(注:重要種(絶滅危惧種以上)の位置については、種の保護のため示していない。)
8.1.3-75
(427)
第 8.1.3-12 図(11)
重要な鳥類の確認位置(シロチドリ)(注:重要種(絶滅危惧種以上)の位置については、種の保護のため示していない。)
8.1.3-76
(428)
第 8.1.3-12 図(12)
重要な鳥類の確認位置(セイタカシギ)(注:重要種(絶滅危惧種以上)の位置については、種の保護のため示していない。)
8.1.3-77
(429)
第 8.1.3-12 図(13)
重要な鳥類の確認位置(オオジシギ)
8.1.3-78
(430)
第 8.1.3-12 図(14)
重要な鳥類の確認位置(オオソリハシシギ)(注:重要種(絶滅危惧種以上)の位置については、種の保護のため示していない。)
8.1.3-79
(431)
第 8.1.3-12 図(15)
重要な鳥類の確認位置(ホウロクシギ)(注:重要種(絶滅危惧種以上)の位置については、種の保護のため示していない。)
8.1.3-80
(432)
第 8.1.3-12 図(16)
重要な鳥類の確認位置(ツルシギ)(注:重要種(絶滅危惧種以上)の位置については、種の保護のため示していない。)
8.1.3-81
(433)
第 8.1.3-12 図(17)
重要な鳥類の確認位置(タカブシギ)(注:重要種(絶滅危惧種以上)の位置については、種の保護のため示していない。)
8.1.3-82
(434)
第 8.1.3-12 図(18)
重要な鳥類の確認位置(ハマシギ)
8.1.3-83
(435)
第 8.1.3-12 図(19)
重要な鳥類の確認位置(ケイマフリ)(注:重要種(絶滅危惧種以上)の位置については、種の保護のため示していない。)
8.1.3-84
(436)
第 8.1.3-12 図(20)
重要な鳥類の確認位置(ミサゴ)
8.1.3-85
(437)
第 8.1.3-12 図(21)
重要な鳥類の確認位置(ハチクマ)
8.1.3-86
(438)
第 8.1.3-12 図(22)
重要な鳥類の確認位置(オジロワシ)
8.1.3-87
(439)
第 8.1.3-12 図(23)
重要な鳥類の確認位置(オオワシ)
8.1.3-88
(440)
第 8.1.3-12 図(24)
重要な鳥類の確認位置(オジロワシ属の一種)
8.1.3-89
(441)
第 8.1.3-12 図(25)
重要な鳥類の確認位置(チュウヒ)
8.1.3-90
(442)
第 8.1.3-12 図(26)
重要な鳥類の確認位置(ハイタカ)
8.1.3-91
(443)
第 8.1.3-12 図(27)
重要な鳥類の確認位置(オオタカ)
8.1.3-92
(444)
第 8.1.3-12 図(28)
重要な鳥類の確認位置(ケアシノスリ)
8.1.3-93
(445)
第 8.1.3-12 図(29)
重要な鳥類の確認位置(ハヤブサ)
8.1.3-94
(446)
第 8.1.3-12 図(30)
重要な鳥類の確認位置(アカモズ)(注:重要種(絶滅危惧種以上)の位置については、種の保護のため示していない。)
8.1.3-95
(447)
第 8.1.3-12 図(31)
重要な鳥類の確認位置(ツメナガセキレイ)
(ウ) 重要な爬虫類
現地調査により確認された爬虫類のうち、前述の選定基準(第 8.1.3-30 表)に該
当する重要な種は選定されなかった。
(エ) 重要な両生類
現地調査により確認された両生類のうち、前述の選定基準(第 8.1.3-30 表)に該
当する種を重要な種として選定し、第 8.1.3-37 表にとりまとめた。
現地調査で確認された種のうち、エゾサンショウウオ 1 種が選定された。確認状
況については以下に、確認位置は第 8.1.3-13 図に示す。
第 8.1.3-37 表
重要な両生類(現地調査)
対象事業実施区域
No.
目名
科名
種名
内
改変区域
内
1
サンショウウオ
サンショウウオ
エゾサンショウウオ
1目
1科
1種
重要種選定基準
外
①
②
④
DD
N, Lp
1種
1種
外
○
0種
0種
0種
1種
0種
0種
注:1.種名は、「日本産野生生物目録」(環境庁、平成 5 年)に従った。
2.重要種選定基準は第 8.1.3-30 表を参照。
3.選定基準④のうち Lp は石狩平野のエゾサンショウウオ個体群として選定されている。
○ エゾサンショウウオ
対象事業実施区域外において、3 か所で卵嚢及び幼生が確認された。
対象事業実施区域内及び改変区域内では確認されていない。
8.1.3-96
(448)
③
8.1.3-97
(449)
第 8.1.3-13 図(1)
重要な両生類の確認位置(注:重要種の位置については、種の保護のため示していない。)
8.1.3-98
(450)
第 8.1.3-13 図(2)
重要な両生類の確認位置
(注:重要種の位置については、種の保護のため示していない。)
(オ) 重要な昆虫類
現地調査により確認された昆虫類のうち、前述の選定基準(第 8.1.3-30 表)に該
当する種を重要な種として選定し、第 8.1.3-38 表にとりまとめた。
現地調査で確認された種のうち、ナツアカネ、ババアメンボ、ケシゲンゴロウ、
ツノアカヤマアリ等の 20 種が重要な種として選定された。現地調査で確認された種
の確認状況については以下に、確認位置は第 8.1.3-14 図及び第 8.1.3-15 図に示す。
第 8.1.3-38 表
重要な昆虫類(現地調査)
対象事業
重要種選定基準
実施区域
内
No.
目名
科名
種名
改変区域
外
①
②
③
④
⑤
内
外
1
トンボ
トンボ
ナツアカネ
○
R
2
エゾアカネ
○
EN
R
3
ヒメリスアカネ
○
R
4
カメムシ
アメンボ
ババアメンボ
○
NT
N
5
コオイムシ
オオコオイムシ
○
R
6
コウチュウ ゲンゴロウ
ケシゲンゴロウ
○
NT
7
マルガタゲンゴロウ
○
VU
8
ガムシ
ガムシ
○
NT
9
カミキリムシ
ジャコウカミキリ
○
R
10
キクスイカミキリ
○
○
R
11
ハムシ
アオバアシナガハムシ
○
R
12 ハチ
アリ
ツノアカヤマアリ
○
DD
13
エゾアカヤマアリ
○
VU
14
スズメバチ
モンスズメバチ
○
DD
15
チャイロスズメバチ
○
R
16
アナバチ
ニッポンハナダカバチ
○
VU
N
17 ハエ
ニクバエ
キタシリアカニクバエ
○
R
18
エダガタニクバエ
○
R
19 チョウ
シジミチョウ
キタアカシジミ北日本亜種
○
VU
N
20
ヤガ
ヒメシロシタバ
○
NT
6目
13 科
20 種
0 種 1 種 20 種 0 種 0 種 11 種 13 種 0 種
注:1.種名及び配列は、主として「日本産野生生物目録 無脊椎動物編Ⅱ」(環境省、平成 7 年)に従った。
2.重要種選定基準は第 8.1.3-30 表を参照。
3.ツノアカヤマアリ及びエゾアカヤマアリの区域内外の区分は巣の確認位置を含む。
○ ナツアカネ
夏季及び秋季調査において、対象事業実施区域外の 3 か所で合計 4 個体が確認さ
れた。
対象事業実施区域内及び改変区域内では確認されていない。
○ エゾアカネ
秋季調査において、対象事業実施区域外の 1 か所で 1 個体が確認された。
対象事業実施区域内及び改変区域内では確認されていない。
8.1.3-99
(451)
○ ヒメリスアカネ
夏季及び秋季調査において、対象事業実施区域外の 4 か所で合計 20 個体が確認さ
れた。
対象事業実施区域内及び改変区域内では確認されていない。
○ ババアメンボ
春季調査において、対象事業実施区域外の 1 か所で 1 個体が確認された。
対象事業実施区域内及び改変区域内では確認されていない。
○ オオコオイムシ
春季、夏季、秋季調査において、対象事業実施区域外の 2 か所で合計 10 個体が確
認された。
対象事業実施区域内及び改変区域内では確認されていない。
○ ケシゲンゴロウ
春季、夏季、秋季調査において、対象事業実施区域外の 2 か所で合計 15 個体が確
認された。
対象事業実施区域内及び改変区域内では確認されていない。
○ マルガタゲンゴロウ
春季、夏季、秋季調査において、対象事業実施区域外の 3 か所で合計 3 個体が確
認された。
対象事業実施区域内及び改変区域内では確認されていない。
○ ガムシ
春季及び夏季調査において、対象事業実施区域外の 4 か所で合計 4 個体が確認さ
れた。
対象事業実施区域内及び改変区域内では確認されていない。
○ ジャコウカミキリ
夏季調査において、対象事業実施区域外の 7 か所で合計 7 個体が確認された。
対象事業実施区域内及び改変区域内では確認されていない。
○ キクスイカミキリ
春季調査において、対象事業実施区域及びその周辺において、10 か所で合計 10 個
体が確認された。このうち対象事業実施区域内において確認されたものは、2 か所合
計 2 個体であった。改変区域内では確認されていない。
8.1.3-100
(452)
○ アオバアシナガハムシ
春季調査において、対象事業実施区域外の 1 か所で 2 個体が確認された。
対象事業実施区域内及び改変区域内では確認されていない。
○ ツノアカヤマアリ
夏季及び秋季調査において、対象事業実施区域外の 2 か所で合計 5 個体が確認さ
れた。
また、春季及び夏季調査において、本種の巣が対象事業実施区域外の 13 地点で確
認された。巣は、夏季調査で 11 地点と多く確認され、主に調査範囲内北西側のカシ
ワ林沿いや、ススキ草原等の草地沿いに分布していた。
巣及び個体ともに、対象事業実施区域内及び改変区域内では確認されていない。
○ エゾアカヤマアリ
春季、夏季、秋季調査において、対象事業実施区域外の 4 か所で合計 25 個体が
確認された。
また、春季及び夏季調査において、本種の巣が対象事業実施区域外の 72 地点で
確認された。巣は、夏季調査で 67 地点と多く確認され、また、調査範囲内北西側の
海岸部とカシワ林の間に多く分布していた。
巣及び個体ともに、対象事業実施区域内及び改変区域内では確認されていない。
○ モンスズメバチ
夏季及び秋季調査において、対象事業実施区域外の 7 か所で合計 8 個体が確認さ
れた。
対象事業実施区域内及び改変区域内では確認されていない。
○ チャイロスズメバチ
夏季及び秋季調査において、対象事業実施区域外の 3 か所で合計 3 個体が確認さ
れた。
対象事業実施区域内及び改変区域内では確認されていない。
○ ニッポンハナダカバチ
夏季調査において、対象事業実施区域外の 3 か所で合計 3 個体が確認された。
対象事業実施区域内及び改変区域内では確認されていない。
○ キタシリアカニクバエ
春季及び秋季調査において、対象事業実施区域外の 2 か所で合計 2 個体が確認さ
れた。
対象事業実施区域内及び改変区域内では確認されていない。
8.1.3-101
(453)
○ エダガタニクバエ
夏季調査において、対象事業実施区域外の 2 か所で合計 2 個体が確認された。
対象事業実施区域内及び改変区域内では確認されていない。
○ キタアカシジミ北日本亜種
夏季調査において、対象事業実施区域外の 7 か所で合計 121 個体以上が確認され
た。
対象事業実施区域内及び改変区域内では確認されていない
○ ヒメシロシタバ
夏季調査において、対象事業実施区域外の 1 か所で 1 個体が確認された。
対象事業実施区域内及び改変区域内では確認されていない。
8.1.3-102
(454)
8.1.3-103
(455)
第 8.1.3-14 図(1-1)
重要な昆虫類の確認位置
(注:重要種(絶滅危惧種以上)の位置については、種の保護のため示していない。)
8.1.3-104
(456)
第 8.1.3-14 図(1-2)
重要な昆虫類の確認位置
(注:重要種(絶滅危惧種以上)の位置については、種の保護のため示していない。)
8.1.3-105
(457)
第 8.1.3-14 図(2-1)
重要な昆虫類の確認位置(注:重要種(絶滅危惧種以上)の位置については、種の保護のため示していない。)
8.1.3-106
(458)
第 8.1.3-14 図 (2-2)
重要な昆虫類の確認位置
(注:重要種(絶滅危惧種以上)の位置については、種の保護のため示していない。)
8.1.3-107
(459)
第 8.1.3-15 図(1)
エゾアカヤマアリ・ツノアカヤマアリ巣の確認位置
(注:重要種(絶滅危惧種以上)の位置については、種の保護のため示していない。)
8.1.3-108
(460)
第 8.1.3-15 図(2)
エゾアカヤマアリ・ツノアカヤマアリ巣の確認位置(注:重要種(絶滅危惧種以上)の位置については、種の保護のため示していない。)
(カ) キタホウネンエビ
現地調査における確認状況については第 8.1.3-39 表に、調査地点は第 8.1.3-16 図、
確認位置は第 8.1.3-17 図に示す。なお、キタホウネンエビは第 8.1.3-30 表に示す重
要な種の選定基準に該当していない。
第 8.1.3-39 表
キタホウネンエビの確認状況(現地調査)
対象事業実施区域
No.
目名
科名
1
ホウネンエビ
キタホウネンエビ
1目
1科
種名
改変区域
内
外
①
○
0種
②
③
④
外
キタホウネンエビ
1種
重要種選定基準
内
0種
1種
※該当なし
0種
0種
0種
0種
注:1.種名は「青森県レッドデータブック(2010 年改訂版)」(青森県、平成 22 年)に従った。
2.重要種選定基準は第 8.1.3-30 表を参照。
キタホウネンエビは文献資料その他の資料調査では対象項目として整理はされ
ていないが、対象事業実施区域及びその周辺のカシワ林内の融雪プールにて生息が
報告されている。事前に下記の文献を収集して調査地域での生息状況等を把握し、
現地調査実施の参考とした。
なお、いずれの文献でも対象事業実施区域内での融雪プールの存在は確認されて
いない。
・ 北海道環境科学研究センター(2003)石狩湾新港地域浮遊生物(キタホウネ
ンエビ)調査報告書.北海道環境科学研究センター.
・ 志賀健司(2012)石狩海岸林東部の融雪プールの 2011 年の分布と水位変動.
いしかり砂丘の風資料館紀要 第 2 巻
現地調査は、融雪時期(5 月 7 日~9 日)に対象事業実施区域及びその周辺の海岸
沿いのカシワ林を中心に踏査した。調査の結果、31 か所の融雪プールを確認した。
これらの 31 か所の融雪プールにおいて、目視による確認や、タモ網を用いて捕獲を
試みた結果、10 か所の融雪プールにおいて、キタホウネンエビの生息が確認された。
生息が確認された 10 か所の融雪プールはすべて対象事業実施区域外に分布していた。
生息が確認された融雪プールはいずれも止水環境であり、水底には落葉が堆積し
ていた。融雪プールの状況は、小さなものでは数 m 四方、水深十数 cm 程度で既に
渇水気味のものから、大きなものでは水路状で数百 m も続き、水深も 1m 前後と深
い箇所もみられ、水域規模には大きな差がみられた。
また、確認されたキタホウネンエビは、概ね 2cm 弱程度に成長しており、雌の個
体には卵が認められた。
その他、生息が確認された融雪プール内では、カ科やユスリカ科の幼虫、ヒラタ
ガムシ類等の水生昆虫類やミジンコ類等も確認されたが、全体的には水生生物相は
貧弱であり、特にトゲウオ類等の魚類や大型のゲンゴロウ類等、キタホウネンエビ
8.1.3-109
(461)
を捕食する可能性があるような生物は確認されなかった。
なお、詳細な踏査による結果は上記のとおりであるが、対象事業実施区域内にお
いても融雪プールの有無を概査し、融雪プールは存在していないことを確認してい
る。
8.1.3-110
(462)
8.1.3-111
(463)
第 8.1.3-16 図
キタホウネンエビ調査地点の位置
第 8.1.3-40 表
キタホウネンエビの確認結果
水域規模
融雪
プール
No.
確認
1
-
555.0
3.2
100
2
-
1.0
1.0
32
3
-
139.0
9.5
55
4
-
168.0
6.1
54
5
-
35.0
2.4
58
6
-
665.0
3.0
85
7
-
1.5
1.5
5
8
-
1.0
1.0
3
9
-
1.2
1.0
3
10
-
2.0
1.0
5
11
-
221.0
7.0
35
12
○
830.0
9.0
100
13
-
43.0
5.0
42
14
-
37.0
2.5
10
15
-
62.0
3.0
7
16
○
30 以上
5.0
3.0
17
○
50 以上
4.0
18
-
19
○
20
-
21
○
22
-
23
○
24
捕獲数
56
長さ
(m)
幅
(m)
代表水深
(cm)
水温
(℃)
伝導率
(μs/cm)
pH
14.1
7.41
196
12
16.8
7.05
201
1.8
10
17.0
7.09
209
5.0
3.2
25
80.0
6.0
30
15.2
7.68
168
229.0
6.0
84
141.0
6.0
50
12.8
6.93
197
137.0
7.0
80
226.0
7.0
53
12.5
6.98
201
-
10.0
10.0
40
25
-
56.0
7.0
25
26
○
51
111.0
5.5
87
13.2
6.43
197
27
○
38
60.0
1.8
30
13.1
6.82
117
28
○
36
59.0
3.0
64
11.3
6.1
202
29
-
59.0
2.0
35
30
-
43.0
4.2
75
31
○
499.0
11.0
100
12.8
6.81
196
300 以上
49
51
30
注:水質項目については、キタホウネンエビの生息が確認された融雪プールでのみ計測した。
8.1.3-112
(464)
8.1.3-113
(465)
第 8.1.3-17 図(1)
キタホウネンエビの確認位置
8.1.3-114
(466)
第 8.1.3-17 図(2)
キタホウネンエビの確認位置
b. 鳥類の渡り時の移動経路
(a) 現地調査
ア. 調査地域
対象事業実施区域及びその周辺と比較地点(石狩川左岸築堤上)とした。
イ. 調査地点
各回に対象事業実施区域周辺に定点を 3 か所設置し、うち 4 月と 10 月には比較地
点(石狩川左岸築堤上)に定点 1 か所を配置した(第 8.1.3-18 図)。
なお、調査地点の設定根拠は第 8.1.3-41 表のとおりである。
ウ. 調査期間
春季調査
3 月調査 : 平成 25 年 3 月 20 日~ 22 日
4 月調査 : 平成 25 年 4 月 3 日~ 5 日
5 月調査 : 平成 25 年 5 月 16 日~ 18 日
秋季調査
8 月調査 : 平成 25 年 8 月 29 日~ 31 日
9 月調査 : 平成 25 年 9 月 20 日~ 22 日
10 月調査 : 平成 25 年10 月 3 日~ 5 日
11 月調査 : 平成 25 年11 月 25 日~ 27 日
エ. 調査方法
(ア) 定点観察法
対象事業実施区域周辺に定点を配置し、鳥類の移動状況を確認した。確認時には
種名、個体数、飛翔方向、飛翔高度、確認時間等を記録した。
また、記録された飛翔高度は次の 3 区分(第 8.1.3-19 図)に当てはめ、データ集
計及び解析を行った。
高度 L :0~25m(ブレード回転域よりも低空)
高度 M :25~145m(ブレード回転域を含む高度)
高度 H :145m 以上(ブレード回転域より高空)
飛翔高度が L~M、M~H 等のように各高度区分をまたいで飛翔し、かつ高度 M
を含む場合はこの個体を高度 M として集計した。
渡り個体か否かの判断に当たっては、飛翔高度にかかわらず、概ね一定方向遠方
まで飛去したもので、周辺に降下する様子がなく、かつ探餌をしている様子がない
こと、縄張り誇示を行っていないこと等を勘案した。
また、複数個体が一定方向へ飛翔していることや、ミサゴを除いた種が海上を飛
翔している場合等も渡りとして判断した。
8.1.3-115
(467)
8.1.3-116
(468)
第 8.1.3-18 図
鳥類の渡り時の移動経路調査地点の位置(現地調査)
第 8.1.3-41 表
鳥類の渡り時の移動経路調査地点(日別)
調査地点
調査季
春季
調査日
平成 25 年 3 月 20 日~22 日
P1
P2
○
○
○
平成 25 年 4 月 3 日~5 日
秋季
P3
P6
P7
P8
P11
○
○
平成 25 年 5 月 16 日
○
○
○
平成 25 年 5 月 17 日~18 日
○
○
○
平成 25 年 8 月 29 日~31 日
○
○
○
平成 25 年 9 月 20 日~22 日
○
○
○
平成 25 年 10 月 3 日~5 日
○
○
平成 25 年 11 月 25 日~27 日
○
第 8.1.3-42 表
○
比較地点
(P5)
○
○
○
鳥類の渡り時の移動経路調査地点設定根拠
調査地点
設定根拠
P1
対象事業実施区域及びその周辺の南西部地域が見える地点。主に対象事業実施区域及
びその周辺南西部を移動する鳥類を確認するために設定。
P2
対象事業実施区域及びその周辺の西部地域が見える地点。主に対象事業実施区域及び
その周辺西部を移動する鳥類を確認するために設定。
P3
対象事業実施区域及びその周辺の北東部地域が見える地点。主に対象事業実施区域及
びその周辺北東部を移動する鳥類を確認するために設定。
P6
対象事業実施区域及びその周辺の北部地域が見える地点。主に対象事業実施区域及び
その周辺北部を移動する鳥類を確認するために設定。
P7
対象事業実施区域及びその周辺の西部地域が見える地点。主に対象事業実施区域及び
その周辺西部を移動する鳥類を確認するために設定
P8
対象事業実施区域及びその周辺の東部地域が見える地点。主に対象事業実施区域及び
その周辺東部を移動する鳥類を確認するために設定。
P11
対象事業実施区域及びその周辺の北西部地域が見える地点。主に対象事業実施区域及
びその周辺北西部を移動する鳥類を確認するために設定。
比較地点
(P5)
対象事業実施区域の東側約 5km 石狩川左岸築堤上に位置する。主に渡り時期のピーク
確認、対象事業実施区域との確認数の比較のために設定。
8.1.3-117
(469)
145m
25m
第 8.1.3-19 図
鳥類の渡り時の移動経路調査における高度区分
オ. 調査結果
対象事業実施区域及びその周辺、比較地点における調査結果は第 8.1.3-43 表のと
おりであった。本調査では、渡り鳥を猛禽類、ガン・カモ・ハクチョウ類及びその
他の鳥類の 3 つに分類した。猛禽類については、タカ目及びハヤブサ目、ガン・カ
モ・ハクチョウ類については、カモ目とし、その他の鳥類は、それら以外の種とし
た(それぞれの種のレッドリスト等指定状況は第 8.1.3-36 表参照)。
各調査時期の結果概要及び確認位置は第 8.1.3-43 表及び第 8.1.3-20 図~第 8.1.3-21
図のとおりである。
第 8.1.3-43 表(1)
鳥類の渡り時の移動経路調査結果概要
(単位:個体)
調査時期
平成 25 年
分類
春季
3月
秋季
4月
5月
8月
9月
10 月
11 月
猛禽類
0
(0)
9
(0)
1
(0)
0
(0)
1
(0)
4
(0)
1
(0)
ガン・カモ・
ハクチョウ類
0
(0)
68
(12)
4
(0)
13
(0)
83
(0)
6
(6)
0
(0)
その他の鳥類
11
(0)
0
(0)
82
(0)
80
(72)
33
(0)
41
(0)
60
(0)
合計
11
(0)
77
(12)
87
(0)
93
(72)
117
(0)
51
(0)
61
(0)
注:括弧内は対象事業実施区域内の通過個体数を示す。
8.1.3-118
(470)
第 8.1.3-43 表(2)
鳥類の渡り時の移動経路調査結果概要
(比較地点:P5)
(単位:個体)
調査時期
平成 25 年
分類
春季
秋季
3月
4月
5月
8月
9月
10 月
11 月
猛禽類
0
9
0
0
0
0
0
ガン・カモ・
ハクチョウ類
0
550
0
0
0
0
0
その他の鳥類
0
0
0
0
0
37
0
合計
0
559
0
0
0
37
0
8.1.3-119
(471)
8.1.3-120
(472)
第 8.1.3-20 図(1)
渡り時の移動経路(春季:猛禽類)
8.1.3-121
(473)
第 8.1.3-20 図(2)
渡り時の移動経路(春季:ガン・カモ・ハクチョウ類)
8.1.3-122
(474)
第 8.1.3-20 図(3)
渡り時の移動経路(春季:その他の鳥類)
8.1.3-123
(475)
第 8.1.3-21 図(1)
渡り時の移動経路(秋季:猛禽類)
8.1.3-124
(476)
第 8.1.3-21 図(2)
渡り時の移動経路(秋季:ガン・カモ・ハクチョウ類)
8.1.3-125
(477)
第 8.1.3-21 図(3)渡り時の移動経路(秋季:その他の鳥類)
(ア) 春季調査
平成 25 年 3 月から 5 月の月毎の渡り状況については以下のとおりである。
i. 平成 25 年 3 月調査
調査期間中において、対象事業実施区域及びその周辺では第 8.1.3-44 表のとおり、
2 種(11 個体)の渡りが確認された。
猛禽類については、対象事業実施区域及びその周辺において渡りは確認されな
かった。
その他の鳥類について、対象事業実施区域及びその周辺においてアオサギが 2 回、
ホウロクシギが 1 回、合計 11 個体が確認された。渡りは対象事業実施区域の北部
地域において確認された。
高度区分別の渡り状況を第 8.1.3-45 表に示した。
第 8.1.3-44 表
調査地点別の渡り状況(3 月)
(単位:個体)
調査地点
分類
目名
その他の鳥類 ペリカン
チドリ
科名
アオサギ
シギ
ホウロクシギ
2科
P1
P2
P3
P6
P7
P8
P11
4
サギ
2目
合計
種名
比較地点
P5
6
1
1種
2種
1種
4 個体 1 個体
-
-
-
-
1種
-
-
-
-
-
6 個体
-
注:種名は「日本鳥類目録改訂第 7 版」(日本鳥学会、平成 24 年)に従った。
第 8.1.3-45 表
高度区分別の渡り状況(3 月)
(単位:個体)
種類
その他の鳥類
合計
対象事業
実施区域内
通過個体数
対象事業実施区域内高度区分
通過
回数
通過
個体数
3
11
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
3
11
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
高度 L
高度 M
注:括弧内は各分類群の全個体数に対する割合(百分率)を示す。
8.1.3-126
(478)
高度 H
8.1.3-127
(479)
第 8.1.3-22 図
渡り時の移動経路(春季
平成 25 年 3 月:その他)
ii. 平成 25 年 4 月調査
調査期間中において、対象事業実施区域及びその周辺では第 8.1.3-46 表のとおり
3 種(627 個体)の渡りが確認された。
猛禽類については、対象事業実施区域及びその周辺において渡りは確認されな
かった。
ガン・カモ・ハクチョウ類については、対象事業実施区域及びその周辺において
マガン等 68 個体が確認された。対象事業実施区域内を通過した個体は確認されな
かった。
比較地点の P-5 では、ノスリ(9 個体)、マガン、オオハクチョウ等が 2 種(550
個体)確認された。
高度区分別の渡り状況を第 8.1.3-47 表に示した。
第 8.1.3-46 表
調査地点別の渡り状況(4 月)
(単位:個体)
調査地点
分類
猛禽類
目名
科名
種名
P1
P2
P3
P6
P7
P8
P11
9
タカ
タカ
ノスリ
ガン・カモ・ カモ
カモ
マガン
37
マガン属の一種
28
ハクチョウ類
比較地点
P5
536
9
オオハクチョウ
ハクチョウ属の一種
2目
合計
2科
3種
-
0種
-
-
-
-
-
0 個体
-
-
-
-
3
5
2種
3種
68 個体 559 個体
注:1.種名は「日本鳥類目録改訂第 7 版」(日本鳥学会、平成 24 年)に従った。
2.「~の一種」については、同一の分類群に属する種が確認されている場合には種数に計上しないこと
とした。
第 8.1.3-47 表
高度区分別の渡り状況(4 月)
(単位:個体)
対象事業
実施区域内
通過個体数
対象事業実施区域内高度区分
通過
回数
通過
個体数
猛禽類
2
9
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
ガン・カモ・
ハクチョウ類
13
618
0
(0)
0
(0)
12
(1.9)
0
(0)
15
627
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
種類
合計
高度 L
高度 M
注:括弧内は各分類群の全個体数に対する割合(百分率)を示す。
8.1.3-128
(480)
高度 H
8.1.3-129
(481)
第 8.1.3-23 図(1)
渡り時の移動経路(春季
平成 25 年 4 月:猛禽類)
8.1.3-130
(482)
第 8.1.3-23 図(2)
渡り時の移動経路(春季
平成 25 年 4 月:ガン・カモ・ハクチョウ類)
iii. 平成 25 年 5 月調査
調査期間中において、対象事業実施区域及びその周辺では第 8.1.3-48 表のとおり
11 種(87 個体)の渡りが確認された。
猛禽類については、対象事業実施区域周辺においてチゴハヤブサ 1 個体が確認さ
れた。
その他の鳥類については、対象事業実施区域及びその周辺においてオナガガモ、
トウネン、ヒヨドリ等の群れが計 15 回、合計 86 個体が確認された。渡りは対象事
業実施区域の北西部地域において確認された。
高度区分別の渡り状況を第 8.1.3-49 表に示した。
第 8.1.3-48 表
調査地点別の渡り状況(5 月)
(単位:個体)
調査地点
分類
目名
科名
種名
P1
ハヤブサ
チゴハヤブサ
1
ガン・カモ・
カモ
ハクチョウ類
カモ
オナガガモ
4
その他の鳥類 チドリ
チドリ
シロチドリ
1
シギ
チュウシャクシギ
2
キアシシギ
1
イソシギ
2
トウネン
17
ハマシギ
3
猛禽類
ハヤブサ
スズメ
P3
1
ヒヨドリ
ヒヨドリ
21
24
アトリ
カワラヒワ
10 種
1種
7科
P6※1
P7
P8
P11※2
比較地点
P5
1
トウゾクカモメ トウゾクカモメ
4目
合計
P2
9
11 種
53 個体 24 個体
-
1種
-
-
1種
-
-
1 個体
-
-
9 個体
-
注:1.種名は「日本鳥類目録改訂第 7 版」(日本鳥学会、平成 24 年)に従った。
2.※1 5 月 17 日~18 日調査
3.※2 5 月 16 日調査
第 8.1.3-49 表
高度区分別の渡り状況(5 月)
(単位:個体)
対象事業
実施区域内
通過個体数
対象事業実施区域内高度区分
通過
回数
通過
個体数
猛禽類
1
1
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
ガン・カモ・
ハクチョウ類
1
4
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
その他の鳥類
14
82
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
16
87
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
種類
合計
高度 L
高度 M
注:括弧内は各分類群の全個体数に対する割合(百分率)を示す。
8.1.3-131
(483)
高度 H
8.1.3-132
(484)
第 8.1.3-24 図(1)
渡り時の移動経路(春季
平成 25 年 5 月:猛禽類)
8.1.3-133
(485)
第 8.1.3-24 図(2)
渡り時の移動経路(春季
平成 25 年 5 月:ガン・カモ・ハクチョウ類)
8.1.3-134
(486)
第 8.1.3-24 図(3)
渡り時の移動経路(春季
平成 25 年 5 月:その他の鳥類)
(イ) 秋季調査
平成 25 年 8 月から 11 月の月毎の渡り状況については以下のとおりである。
i. 平成 25 年 8 月調査
調査期間中において、対象事業実施区域及びその周辺では第 8.1.3-50 表のとおり
5 種(93 個体)の渡りが確認された。
猛禽類については、対象事業実施区域及びその周辺において渡りは確認されな
かった。
ガン・カモ・ハクチョウ類については、対象事業実施区域周辺においてカモ科の
一種が 1 回 13 個体確認された。
その他の鳥類については、対象事業実施区域及びその周辺においてアオサギ、
チュウシャクシギ、カワラヒワ等の群れが計 6 回、合計 80 個体が確認された。渡
りは対象事業実施区域上空を含む広域で確認された。
高度区分別の渡り状況を第 8.1.3-51 表に示した。
第 8.1.3-50 表
調査地点別の渡り状況(8 月)
(単位:個体)
調査地点
分類
目名
科名
種名
P1
P2
P3
P6
ガン・カモ・
カモ
ハクチョウ類
カモ
カモ科の一種
その他の鳥類 ペリカン
サギ
アオサギ
7
シギ
チュウシャクシギ
19
チドリ
合計
アトリ
4目
P11
比較地点
P5
-
-
-
-
-
-
4
50
カワラヒワ
4科
P8
13
キアシシギ
スズメ
P7
5種
-
1種
-
-
13 個体
-
3種
1種
76 個体 4 個体
注:種名は「日本鳥類目録改訂第 7 版」(日本鳥学会、平成 24 年)に従った。
第 8.1.3-51 表
高度区分別の渡り状況(8 月)
(単位:個体)
対象事業
実施区域内
通過個体数
対象事業実施区域内高度区分
通過
回数
通過
個体数
ガン・カモ・
ハクチョウ類
1
13
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
その他の鳥類
6
80
72
(90.0)
0
(0)
50
(62.5)
22
(27.5)
7
93
72
(77.4)
0
(0)
50
(53.8)
22
(23.7)
種類
合計
高度 L
高度 M
注:括弧内は各分類群の全個体数に対する割合(百分率)を示す。
8.1.3-135
(487)
高度 H
8.1.3-136
(488)
第 8.1.3-25 図(1)
渡り時の移動経路(秋季
平成 25 年 8 月:ガン・カモ・ハクチョウ類)
8.1.3-137
(489)
第 8.1.3-25 図(2)
渡り時の移動経路(秋季
平成 25 年 8 月:その他の鳥類)
ii. 平成 25 年 9 月調査
調査期間中において、対象事業実施区域及びその周辺では第 8.1.3-52 表のとおり
5 種(117 個体)の渡りが確認された。
猛禽類については、対象事業実施区域周辺においてチゴハヤブサが 1 個体確認さ
れた。
ガン・カモ・ハクチョウ類については、対象事業実施区域周辺においてコガモ 1
回、カモ科の一種 3 回の計 4 回、合計 83 個体が確認された。
その他の鳥類については、対象事業実施区域周辺においてアジサシ属の一種が 1
回、カワラヒワの群れが 1 回の計 2 回、合計 33 個体が確認された。
高度区分別の渡り状況を第 8.1.3-53 表に示した。
第 8.1.3-52 表
調査地点別の渡り状況(9 月)
(単位:個体)
調査地点
分類
猛禽類
目名
ハヤブサ
その他の鳥類 カモ
科名
種名
P1
P2
P3
P6
P7
チゴハヤブサ
カモ
コガモ
23
カモ科の一種
60
カモメ
アジサシ属の一種
1
スズメ
アトリ
カワラヒワ
5目
5科
P11
比較地点
P5
-
-
-
-
-
-
1
ハヤブサ
チドリ
合計
P8
32
5種
-
0種
-
-
0 個体
-
2種
2種
33 個体 84 個体
注:1.種名は「日本鳥類目録改訂第 7 版」(日本鳥学会、平成 24 年)に従った。
2.「~の一種」については、同一の分類群に属する種が確認されている場合には種数に計上しないこととし、
同一の分類群に属する種が確認されている場合には 1 種として計上した。
第 8.1.3-53 表
高度区分別の渡り状況(9 月)
(単位:個体)
対象事業
実施区域内
通過個体数
対象事業実施区域内高度区分
通過
回数
通過
個体数
猛禽類
1
1
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
ガン・カモ・
ハクチョウ類
4
83
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
その他の鳥類
2
33
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
合計
7
117
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
種類
高度 L
高度 M
注:括弧内は各分類群の全個体数に対する割合(百分率)を示す。
8.1.3-138
(490)
高度 H
8.1.3-139
(491)
第 8.1.3-26 図(1)
渡り時の移動経路(秋季
平成 25 年 9 月:猛禽類)
8.1.3-140
(492)
第 8.1.3-26 図(2)
渡り時の移動経路(秋季
平成 25 年 9 月:ガン・カモ・ハクチョウ類)
8.1.3-141
(493)
第 8.1.3-26 図(3)
渡り時の移動経路(秋季
平成 25 年 9 月:その他の鳥類)
iii. 平成 25 年 10 月調査
調査期間中において、対象事業実施区域及びその周辺では第 8.1.3-54 表のとおり
8 種(88 個体)の渡りが確認された。
猛禽類については、対象事業実施区域及びその周辺においてミサゴ、ノスリの 2
種 4 個体が確認された。対象事業実施区域内を通過した個体は確認されなかった。
ガン・カモ・ハクチョウ類については、対象事業実施区域内及びその周辺におい
てマガン属の一種が 1 回、6 個体が確認された。
その他の鳥類については、対象事業実施区域内及びその周辺においてシジュウカ
ラ、ヒヨドリ等の群れがそれぞれ 1 回、合計 41 個体が確認された。渡りは対象事
業実施区域周辺の西部地域において確認された。
比較地点の P-5 では、カワラヒワが 37 個体確認された。
高度区分別の渡り状況を第 8.1.3-55 表に示した。
第 8.1.3-54 表
調査地点別の渡り状況(10 月)
(単位:個体)
調査地点
分類
猛禽類
目名
タカ
科名
種名
P1
P2
ミサゴ
ミサゴ
3
タカ
ノスリ
1
ガン・カモ・
カモ
ハクチョウ類
カモ
マガン属の一種
6
その他の鳥類 スズメ
シジュウカラ
シジュウカラ
6
ヒヨドリ
ヒヨドリ
15
メジロ
メジロ
10
ヒタキ
ノビタキ
10
アトリ
カワラヒワ
3目
合計
8科
P3
P6
P7
P8
P11
比較地点
P5
37
8種
-
7種
-
0種
-
-
-
1種
-
51 個体
-
0 個体
-
-
-
37 個体
注:種名は「日本鳥類目録改訂第 7 版」(日本鳥学会、平成 24 年)に従った。
第 8.1.3-55 表
高度区分別の渡り状況(10 月)
(単位:個体)
対象事業
実施区域内
通過個体数
対象事業実施区域内高度区分
通過
回数
通過
個体数
猛禽類
4
4
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
ガン・カモ・
ハクチョウ類
1
6
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
その他の鳥類
5
78
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
10
88
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
種類
合計
高度 L
高度 M
注:括弧内は各分類群の全個体数に対する割合(百分率)を示す。
8.1.3-142
(494)
高度 H
8.1.3-143
(495)
第 8.1.3-27 図(1)
渡り時の移動経路(秋季
平成 25 年 10 月:猛禽類)
8.1.3-144
(496)
第 8.1.3-27 図(2)
渡り時の移動経路(秋季
平成 25 年 10 月:ガン・カモ・ハクチョウ類)
8.1.3-145
(497)
第 8.1.3-27 図(3)
渡り時の移動経路(秋季
平成 25 年 10 月:その他の鳥類)
iv. 平成 25 年 11 月調査
調査期間中において、対象事業実施区域及びその周辺では第 8.1.3-56 表のとおり
2 種(61 個体)の渡りが確認された。
猛禽類については、対象事業実施区域及びその周辺においてオオタカ 1 個体が確
認された。対象事業実施区域内を通過した個体は確認されていない。
その他の鳥類については、調査範囲内においてムクドリの群れが 1 回、60 個体
確認された。渡りは対象事業実施区域周辺の東部地域において確認された。
高度区分別の渡り状況を第 8.1.3-57 表に示した。
第 8.1.3-56 表
調査地点別の渡り状況(11 月)
(単位:個体)
調査地点
分類
猛禽類
目名
タカ
その他の鳥類 スズメ
科名
タカ
オオタカ
ムクドリ
ムクドリ
2目
合計
種名
2科
P1
P2
P3
P6
P7
P8
P11
比較地点
P5
1
60
0種
-
2種
-
1種
0 個体 1 個体
-
-
1種
-
-
-
-
60 個体
-
-
注:種名は「日本鳥類目録改訂第 7 版」(日本鳥学会、平成 24 年)に従った。
第 8.1.3-57 表
高度区分別の渡り状況(11 月)
(単位:個体)
対象事業
実施区域内
通過個体数
対象事業実施区域内高度区分
通過
回数
通過
個体数
猛禽類
1
1
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
その他の鳥類
1
60
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
2
61
0
(0)
0
(0)
0
(0)
0
(0)
種類
合計
高度 L
高度 M
注:括弧内は各分類群の全個体数に対する割合(百分率)を示す。
8.1.3-146
(498)
高度 H
8.1.3-147
(499)
第 8.1.3-28 図(1)
渡り時の移動経路(秋季
平成 25 年 11 月:猛禽類)
8.1.3-148
(500)
第 8.1.3-28 図(2)
渡り時の移動経路(秋季
平成 25 年 11 月:その他の鳥類)
c. 希少猛禽類の生息状況
(a) 現地調査
ア. 調査地域
対象事業実施区域及びその周辺の範囲とした。
イ. 調査地点
各回に 4 地点(越冬調査は 3 地点)の定点を選択した(第 8.1.3-29 図及び第 8.1.3-58
表)。なお、調査地点の設定根拠は第 8.1.3-59 表のとおりである。
ウ. 調査期間
1 月調査 : 平成 25 年 1 月 24 日~ 26 日
2 月調査 : 平成 25 年 2 月 18 日~ 20 日
5 月調査 : 平成 25 年 5 月 19 日~ 21 日
6 月調査 : 平成 25 年 6 月 17 日~ 19 日
7 月調査 : 平成 25 年 7 月 22 日~ 24 日
8 月調査 : 平成 25 年 8 月 26 日~ 28 日
9 月調査 : 平成 25 年 9 月 15 日~ 17 日
10 月調査 : 平成 25 年10 月 15 日~ 17 日、21 日
11 月調査 : 平成 25 年11 月 5 日~ 7 日
12 月調査 : 平成 25 年12 月 11 日~ 13 日
3 月調査 : 平成 26 年 3 月 5 日~ 7 日
エ. 調査方法
(ア) 定点観察法
希少猛禽類が確認された場合には、種名、観察時間、行動内容、飛翔軌跡等を記
録した。1 個体につき 1 回とカウントした。
また、記録された飛翔高度は次の 3 区分(第 8.1.3-30 図)に当てはめ、データ集
計及び解析を行った。
高度 L :0~25m(ブレード回転域よりも低空)
高度 M :25~145m(ブレード回転域を含む高度)
高度 H :145m 以上(ブレード回転域より高空)
飛高度が L~M、M~H 等のように各高度区分をまたいで飛翔し、かつ高度 M を
含む場合はこの個体を高度 M として集計した。
8.1.3-149
(501)
8.1.3-150
(502)
第 8.1.3-29 図
希少猛禽類調査地点の位置
第 8.1.3-58 表
調査月
調査日
希少猛禽類調査地点(日別)
調査地点
P1
P2
P3
P4
平成 25 年 1 月 24 日
○
平成 25 年 1 月 25~26 日
○
2 月調査
平成 25 年 2 月 18 日~20 日
○
○
5 月調査
平成 25 年 5 月 19 日~21 日
○
○
○
○
6 月調査
平成 25 年 6 月 17 日~19 日
○
○
○
○
7 月調査
平成 25 年 7 月 22 日~24 日
○
○
○
○
8 月調査
平成 25 年 8 月 26 日~28 日
○
○
○
○
平成 25 年 9 月 15 日~17 日 ○
平成 25 年 10 月 15 日~17 日、
10 月調査
○
21 日
11 月調査 平成 25 年 11 月 5 日~7 日
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
1 月調査
9 月調査
平成 26 年 3 月 5 日~6 日
平成 26 年 3 月 7 日
第 8.1.3-59 表
P9
P10
P11
P13
P14
○
○
○
○
○
○
○
P8
○
12 月調査 平成 25 年 12 月 11 日~13 日 ○
3 月調査
P7
○
○
○
○
○
○
希少猛禽類調査地点の設定根拠
調査地点
設定根拠
P1
調査範囲の南西部地域が見える地点。主に調査範囲南西部を移動する鳥類を確認す
るために設定。
P2
調査範囲の西部地域が見える地点。主に調査範囲西部を移動する鳥類を確認するた
めに設定。
P3
調査範囲の北東部地域が見える地点。主に調査範囲北東部を移動する鳥類を確認す
るために設定。
P4
調査範囲の北部地域が見える地点。主に調査範囲北部を移動する鳥類を確認するた
めに設定。
P7
調査範囲の西部地域が見える地点。主に調査範囲西部を移動する鳥類を確認するた
めに設定。
P8
調査範囲の東部地域が見える地点。主に調査範囲東部を移動する鳥類を確認するた
めに設定。
P9
調査範囲の北部地域が見える地点。主に調査範囲北部を移動する鳥類を確認するた
めに設定。
P10
調査範囲の西部地域が見える地点。主に調査範囲西部を移動する鳥類を確認するた
めに設定。
P11
調査範囲の北西部地域が見える地点。主に調査範囲北西部を移動する鳥類を確認す
るために設定。
P13
調査範囲の北西部地域が見える地点。主に調査範囲北西部を移動する鳥類を確認す
るために設定。
P14
調査範囲の北東部地域が見える地点。主に調査範囲北東部を移動する鳥類を確認す
るために設定。
8.1.3-151
(503)
145m
25m
第 8.1.3-30 図
希少猛禽類調査における高度区分
オ. 調査結果
調査期間中において、現地調査の結果、渡り個体と判別されるものを除く、タカ
目及びハヤブサ目の希少猛禽類が 9 種確認された(それぞれの種のレッドリスト等
指定状況は第 8.1.3-36 表参照)。確認概要は第 8.1.3-60 表、高度区分別の確認状況は
第 8.1.3-61 表、各種の飛翔経路は第 8.1.3-31 図のとおりである。
8.1.3-152
(504)
第 8.1.3-60 表
調査時期
平成25年
7月
8月
種名
1月
2月
5月
希少猛禽類の確認概要
6月
4 (0)
ミサゴ
ハチクマ
19 (1)
4 (3)
1 (0)
4 (1)
9 (3)
10月
17 (3)
10 (1)
11月
12月
平成26年
3月
合計
33 (4)
5 (3)
3 (0)
8 (0)
24 (2)
25 (2)
104 (9)
オオワシ
2 (0)
3 (0)
1 (0)
5 (0)
11 (0)
オジロワシ属の一種
1 (0)
オジロワシ
9 (0)
2 (0)
9月
8 (0)
チュウヒ
ハイタカ
1 (0)
1 (0)
1 (0)
2 (0)
1 (0)
1 (1)
8 (2)
3 (2)
オオタカ
1 (0)
3 (0)
3 (0)
5 (1)
2 (0)
10 (0)
6 (1)
2 (1)
4 (0)
16 (0)
ケアシノスリ
ハヤブサ
合計
1 (1)
11 (1)
19 (1)
23 (6)
12 (4)
2 (0)
29 (4)
1 (0)
16 (4)
6 (0)
6 (0)
1 (1)
1 (0)
2 (0)
11 (0)
6 (2)
1 (0)
3 (1)
17 (2)
27 (4)
38 (2)
29 (3)
33 (2)
23 (4)
32 (2)
244 (28)
8.1.3-153
(505)
注:括弧内は対象事業実施区域内を通過した回数を示す。
第 8.1.3-61 表
種名
ミサゴ
ハチクマ
オジロワシ
オオワシ
対象事業
実施区域内
通過回数
確認
33
4 (12.1)
5
3 (60.0)
104
9
(8.7)
11
0
(0.0)
1
0
(0.0)
チュウヒ
16
0
(0.0)
ハイタカ
29
4 (13.8)
オオタカ
16
4 (25.0)
オジロワシ属の一種
ケアシノスリ
ハヤブサ
合計
6
23
244
0
高度区分別の確認状況
対象事業実施区域内高度区分
備考
高度L
1
(3.0)
高度M
3
高度H
(9.1)
2 (40.0)
1 (20.0)
1
(1.0)
7
(6.7)
1
(1.0)
2回はとまりで高度区分の結果には含まない。
2
(6.9)
1
(3.4)
1
(3.4)
3 (18.8)
1
(6.3)
1回はとまりで高度区分の結果には含まない。
1
5
(4.3)
(2.0)
1回はとまりで高度区分の結果には含まない。
(0.0)
4 (17.4)
28 (11.5)
1
5
(4.3)
(2.0)
2
18
注:括弧内は種毎の全確認確認回数に対する割合(百分率)を示す。
(8.7)
(7.4)
(ア) ミサゴ
対象事業実施区域及びその周辺において、合計 33 回確認された。このうち、対
象事業実施区域内を通過したものは 4 回あり、通過時の高度区分は高度 L 及び高度
M であった。
春季に個体が 4 回確認されたものの、巣内育数~巣外育雛期である 6 月~7 月に
は確認されなかった。しかしながら、秋季にはハンティング行動、餌運びが確認さ
れていることから、当該地域において確認された個体は、対象事業実施区域周辺に
繁殖地を持つ個体、もしくは繁殖していない個体が当該地域を餌場として利用して
いたものと考えられる。
(イ) ハチクマ
対象事業実施区域及びその周辺において合計 5 回確認された。このうち、対象事
業実施区域内を通過したものは 3 回あり、通過時の高度区分は高度 M 及び高度 H で
あった。
確認された行動はいずれも移動飛翔であり、渡来期と一致することから、繁殖地
に移動中の個体が一時的に確認されたと考えられる。
(ウ) オジロワシ
対象事業実施区域及びその周辺において、合計 104 回確認された。このうち対象
事業実施区域内を通過したものは 9 回あり、通過時の高度区分は全高度区分におい
て確認された。
本種の抱卵期~巣内育雛期である 5 月に、同一個体によるディスプレイ飛翔及び
カラスに対する攻撃が確認されたものの、餌運び、巣材運び等の行動も確認されて
いないことから、対象事業実施区域及びその周辺で繁殖を行った個体の可能性は極
めて低いと考えられる。本種は当該地では一部が留鳥とされているものの、多くは
冬鳥として渡来することが知られている。本調査でも、対象事業実施区域及びその
周辺で一年を通じて確認されてはいるが、特に冬季に確認数が多いことから、主に
越冬のため渡来した個体が確認されたものと考えられる。
(エ) オオワシ
対象事業実施区域及びその周辺において、合計 11 回確認された。このうち対象
事業実施区域内を通過した個体は確認されなかった。
本種は北海道では冬鳥であり、確認時期が 10 月以降であることから、越冬のた
め渡来した個体が確認されたものと考えられる。
8.1.3-154
(506)
(オ) オジロワシ属の一種
対象事業実施区域及びその周辺において 1 回確認された。このうち対象事業実施
区域内を通過した個体は確認されなかった。
(カ) チュウヒ
対象事業実施区域及びその周辺において、合計 16 回確認された。このうち対象
事業実施区域内を通過した個体は確認されなかった。
本種の繁殖期である 5 月~8 月に 10 回確認されたが、繁殖に関わる行動は確認さ
れなかったことから、対象事業実施区域及びその周辺で繁殖を行った個体の可能性
は極めて低いと考えられる。なお、秋季に確認された捕食行動等は当該地域を一時
的なハンティングエリアとして利用している個体によるものと考えられる。
(キ) ハイタカ
対象事業実施区域周辺において、合計 29 回確認された。このうち対象事業実施
区域内を通過したものは 4 回あり、通過時の高度区分は全高度区分において確認さ
れた。
本種の繁殖期である 5 月~8 月に 9 回確認されたが、巣内育雛~巣外育雛期にあ
たる 6 月~7 月に 1 回のみの確認であったことから、対象事業実施区域及びその周
辺で繁殖を行った個体の可能性は極めて低いと考えられる。なお、秋季に確認され
た捕食行動等は当該地域を一時的なハンティングエリアとして利用している個体に
よるものと考えられる。また、本種は特に秋季に多く確認されていることから、主
に移動中の個体が確認されたものであると考えられる。
(ク) オオタカ
対象事業実施区域及びその周辺において、合計 16 回確認された。このうち対象
事業実施区域内を通過したものは 4 回あり、通過時の高度区分は高度 M 及び高度 H
であった。
本種の繁殖期である 5 月~8 月に 7 回確認されたが、巣内育雛~巣外育雛期にあ
たる 6 月~7 月に確認がなかったことから、対象事業実施区域及びその周辺で繁殖
を行った個体の可能性は極めて低いと考えられる。なお、秋季に確認された捕食行
動等は当該地域を一時的なハンティングエリアとして利用している個体によるもの
と考えられる。
(ケ) ケアシノスリ
対象事業実施区域及びその周辺において、合計 6 回確認された。このうち対象事
業実施区域内を通過した個体は確認されなかった。
本種は北海道では冬鳥であり、確認時期が 12 月のみであることから、越冬のた
め渡来した個体が確認されたものと考えられる。
8.1.3-155
(507)
(コ) ハヤブサ
対象事業実施区域及びその周辺において、合計 23 回確認された。このうち対象
事業実施区域内を通過したものは 4 回あり、通過時の高度区分は全高度区分におい
て確認された。
本調査にて繁殖期である 7 月に、1 回確認されたが、巣内育雛~巣外育雛期にあ
たる 5 月~6 月には確認がなかった。本種は 1 年を通じて生息し、崖の岩棚に営巣
する留鳥であるが、対象事業実施区域周辺には本種の営巣に適した崖は確認されて
いない。なお、確認の多くが移動飛翔であること、繁殖指標行動は認められなかっ
たことから、確認された個体は、移動中の個体が一時的に当該地域で滞在したと考
えられる。
8.1.3-156
(508)
8.1.3-157
(509)
第 8.1.3-31 図(1)
希少猛禽類の飛翔経路(ミサゴ)
8.1.3-158
(510)
第 8.1.3-31 図(2)
希少猛禽類の飛翔経路(ハチクマ)
8.1.3-159
(511)
第 8.1.3-31 図(3)
希少猛禽類の飛翔経路(オジロワシ)
8.1.3-160
(512)
第 8.1.3-31 図 (4)
希少猛禽類の飛翔経路(オオワシ)
8.1.3-161
(513)
第 8.1.3-31 図 (5)
希少猛禽類の飛翔経路(オジロワシ属の一種)
8.1.3-162
(514)
第 8.1.3-31 図 (6)
希少猛禽類の飛翔経路(チュウヒ)
8.1.3-163
(515)
第 8.1.3-31 図 (7)
希少猛禽類の飛翔経路(ハイタカ)
8.1.3-164
(516)
第 8.1.3-31 図 (8)
希少猛禽類の飛翔経路(オオタカ)
8.1.3-165
(517)
第 8.1.3-31 図 (9)
希少猛禽類の飛翔経路(ケアシノスリ)
8.1.3-166
(518)
第 8.1.3-31 図 (10)
希少猛禽類の飛翔経路(ハヤブサ)
(2) 予測及び評価の結果
① 工事の実施、土地又は工作物の存在及び供用
a. 造成等の施工による一時的な影響、地形改変及び施設の存在並びに施設の稼働
(a) 環境保全措置
事業の実施に伴う重要な種及び注目すべき生息地への影響を低減するため、以下の措
置を講じる。
・ 工事にあたっては、可能な限り低騒音・低振動型の建設機械を使用する。
・ 対象事業実施区域内の搬入路を工事関係車両が通行する際は、十分に減速し、動物
が接触する事故を未然に防止する。
・ 作業ヤードとしての造成範囲は、必要最小限にとどめる。
・ 改変区域外への必要以上の立ち入りを制限することにより、動物の生息環境を保全
する。
・ 対象事業実施区域内の風力発電機から変電所に至る区間は原則として送電線を地中
埋設することで、鳥類等の移動経路を確保する。
・ 改変部分には必要に応じて素堀側溝、浸透桝を設置することにより濁水の流出防止
を図る。
・ 鳥類や昆虫類が夜間に衝突・誘引する可能性を低減するため、ライトアップは行わ
ないこととする。また、航空法上必要な航空障害灯については、鳥類を誘引しにく
いとされる閃光灯を採用する。
・ 定期的に開催する会議等を通じ、環境保全措置の内容について、工事関係者に周知
徹底する。
8.1.3-167
(519)
(b) 重要な種及び注目すべき生息地に係る予測の手法
ア. 予測地域
対象事業実施区域及びその周辺とした。
イ. 予測対象時期
造成時の施工による動物の生息環境の影響が最大となる時期及び全ての風力発電施
設が定格出力で運転している時期とした。
ウ. 予測手法
環境保全措置を踏まえ、文献その他の資料調査及び現地調査結果に基づき、分布及
び生息環境の改変の程度を把握した上で、重要な種及び注目すべき生息地への影響を
予測する。鳥類の衝突の可能性に関しては、
「鳥類等に関する風力発電施設立地適正化
のための手引き」
(環境省自然環境局野生生物課、平成 23 年)に基づき、定量的に予
測した。
エ. 予測結果
現地調査で確認された 53 種(哺乳類 2 種、鳥類 29 種、爬虫類 0 種、両生類 1 種、
昆虫類 20 種、その他の重要な種 1 種)及び渡り鳥(対象事業実施区域及びその周辺で
渡りと考えられる行動が確認された種をここでは渡り鳥とする)を予測対象種とした。
また、生息環境の減少・喪失に関する影響予測に際しては、第 8.1.3-62 表のとおり
調査範囲における植生の改変面積及び改変率を算出し、可能な限り定量的に行うこと
とした。
8.1.3-168
(520)
第 8.1.3-62 表
事業の実施による植生の改変面積及び改変率
植生面積
改変面積
改変率
改変後
(ha)
(ha)
(%)
(ha)
カシワ群落
0.00
0.00
-
0.00
ハンノキ-ヤチダモ群落
0.00
0.00
-
0.00
ヤナギ高木群落
1.42
0.13
9.26
1.28
エゾイタヤ-ミズナラ群落
3.41
0.01
0.41
3.40
シラカンバ群落
0.00
0.00
-
0.00
クマイザサ群落
0.00
0.00
-
0.00
ススキ群落
43.75
3.81
8.71
39.94
オオイタドリ群落
0.00
0.00
-
0.00
オオアワダチソウ群落
0.00
0.00
-
0.00
トクサ群落
0.00
0.00
-
0.00
カモガヤ-オオアワガエリ群落
5.98
1.48
24.78
4.50
ヨシ群落
0.50
0.00
0.00
0.50
ハマナス群落
0.00
0.00
-
0.00
ハリエンジュ群落
0.00
0.00
-
0.00
ヤチダモ植林
0.00
0.00
-
0.00
植栽樹林群
2.35
0.00
0.00
2.35
耕作地・苗圃
0.00
0.00
-
0.00
グラウンド・公園等
0.00
0.00
-
0.00
工場地帯
100.86
1.46
1.45
99.40
造成地
5.55
0.66
11.81
4.90
開放水面
1.68
0.00
0.00
1.68
合計
165.51
7.55
4.56
157.96
注:1.植生面積の合計は対象事業実施区域の面積に該当する。
2.合計は四捨五入の関係で必ずしも一致しない。
3.改変率において、「0.00」は改変を行わないことを、
「-」は対象事業実施区域内に当該
の群落が含まれないことを示す。
群落名
8.1.3-169
(521)
(ア) 哺乳類
事業の実施による重要な哺乳類への環境影響要因として、以下の 3 点を抽出した。
また、環境影響要因と重要な哺乳類との関係を第 8.1.3-63 表に示した。
・改変による生息環境の減少・喪失
・ブレード・タワー等への接近・接触
・夜間照明による誘引
第 8.1.3-63 表
環境影響要因の選定(重要な哺乳類)
環境影響要因
改変による ブレード・タ
夜間照明に
生息環境の ワー等への
よる誘引
減少・喪失 接近・接触
種名
ヒナコウモリ科の一種 1
○
○
○
ヒナコウモリ科の一種 2
○
○
○
注:「○」は選定、「-」は該当しないことを示す。
i. 分布・生態的特徴
重要な哺乳類の分布・生態的特徴を第 8.1.3-64 表に示す。
第 8.1.3-64 表
種名
ヒナコウモリ科の一種 1
ヒナコウモリ科の一種 2
分布・生態的特徴
分布・生態的特徴
本種に該当する可能性がある重要種として、ヤマコウモリ、ヒナコウモリの
2 種が挙げられる。いずれも北海道、本州、四国、九州に分布し、樹洞等を
昼間の隠れ家にするコウモリである。夕方に隠れ家から飛び出し、高空の開
けた空間で、飛翔する昆虫類を捕食する。昆虫類が飛翔しない冬季には冬眠
する。出産・哺育は雌だけの集団で行われ、初夏に 1~2 仔出産する。
参考:
「日本の哺乳類(改訂 2 版)
」
(東海大学出版会、平成 20 年)
本種に該当する可能性がある重要種として、ヒメホオヒゲコウモリ、カグヤ
コウモリ、ウスリドーベントンコウモリ等が挙げられる。ウスリドーベント
ンコウモリは北海道に、ヒメホオヒゲコウモリ、カグヤコウモリは北海道か
ら本州にかけて分布する。
昼間の隠れ家は樹洞や洞窟、人工物等であり、日没前後から隠れ家を出て活
動する。樹林内や水面上等、比較的狭い空間で、飛翔する昆虫類を捕食する。
参考:
「日本の哺乳類(改訂 2 版)
」
(東海大学出版会、平成 20 年)
8.1.3-170
(522)
ii.影響予測
(i)改変による生息環境の減少・喪失
事業実施に伴う改変による生息環境の減少・喪失への影響を回避・低減するため
の環境保全措置として、
「作業ヤードとしての造成範囲は、必要最小限にとどめる」
こととした。
改変による生息環境の減少・喪失に係る影響予測は、第 8.1.3-65 表のとおりである。
第 8.1.3-65 表
種名
ヒナコウモリ科の一種 1
ヒナコウモリ科の一種 2
改変による生息環境の減少・喪失に係る影響予測
改変による生息環境の減少・喪失
現地調査結果及び生息環境
影響予測
対象事業実施区域内外の樹
林等でエコーロケーション
音が確認されている。主に樹
林環境に依存して生息して
いる。
改変区域における樹林地では、ねぐらや繁殖
場所は認められず、また利用に適した樹洞等
の環境も認められなかったことから、改変に
よる生息環境の減少・喪失の影響は小さいも
のと予測する。
8.1.3-171
(523)
(ii)ブレード・タワー等への接近・接触
事業実施に伴う夜間照明の影響を回避・低減するための環境保全措置として、
「昆
虫類を誘引する可能性を低減するため、ライトアップは行わない」こととした。
ブレード・タワー等への接近・接触に係る影響予測は、第 8.1.3-66 表のとおりであ
る。
第 8.1.3-66 表 ブレード・タワー等への接近・接触に係る影響予測
ブレード・タワー等への接近・接触
種名
ヒナコウモリ科の一種 1
現地調査結果及び生息環境
影響予測
対象事業実施区域内外の樹
林等でエコーロケーション
音が確認されている。主に樹
林環境に依存して生息して
いる。
コウモリ類のブレードへの衝突による死亡事
例1のほか、ブレードへの接近に伴う減圧症と
考えられる死亡事例2も報告されているが、本
事業においては、風力発電機間は、本種が迂
回可能な空間が確保されていること、本事業
では餌となる昆虫類を誘引する夜間照明は行
わないことから、風力発電機のブレード、タ
ワーに接触する可能性は低いものと予測す
る。
コウモリ類のブレードへの衝突による死亡事
1
例 のほか、ブレードへの接近に伴う減圧症
2
と考えられる死亡事例 も報告されている
が、本種が飛翔する空間は樹林内や水面上等、
比較的高度が低いこと、本事業では餌となる
昆虫類を誘引する夜間照明は行わないことか
ら、風力発電機のブレード、タワーに接触す
る可能性は低いものと予測する。
ヒナコウモリ科の一種 2
(iii)夜間照明による誘引
事業実施に伴う夜間照明の影響を回避・低減するための環境保全措置として、
「昆
虫類を誘引する可能性を低減するため、ライトアップは行わない」こととした。
夜間照明による誘引に係る影響予測は、第 8.1.3-67 表のとおりである。
第 8.1.3-67 表
種名
ヒナコウモリ科の一種 1
ヒナコウモリ科の一種 2
夜間照明による誘引に係る影響予測
夜間照明による誘引
現地調査結果及び生態特性
対象事業実施区域内外の樹
林上空等でエコーロケー
ション音が確認されている。
本種は夜行性で、昆虫類を餌
資源とする。
1
影響予測
両種は夜行性で昆虫類を餌資源とするため、
風力発電機をライトアップした場合には、餌
資源となりうる昆虫類が集まることにより、
両種も誘引される可能性がある。しかし、本
事業ではライトアップを行わず、夜間の照明
は航空障害灯に限られることから、夜間照明
により誘引される可能性は低く、影響は小さ
いものと予測する。
Thomas H. Kunz, Edward B. Arnett, Brian M. Cooper, Wallace P. Erickson, Ronald P. Larkin, Todd Mabee, Michael L. Morrison, M. Dale
Strickland, Joseph M. Szewczak (2007) Assessing Impacts of Wind-Energy Development on Nocturnally Active Birds and Bats: A Guidance
Document. The Journal of Wildlife Management 71(8) 2449-2486
2
Erin F.Baerwald, Genevieve H. D’Amours, Brandon J. Klug, Robert M. R. Barclay (2008) Barotrauma is a significant cause of bat
fatalities at wind turbines. Current Biology 18(16) R695-R696
8.1.3-172
(524)
(イ) 鳥類
事業の実施による重要な鳥類への環境影響要因として、以下の 6 点を抽出した。
また、環境影響要因と重要な鳥類との関係を第 8.1.3-68 表に示した。
・改変による生息環境の減少・喪失
・騒音による生息環境の悪化
・騒音による餌資源の逃避・減少
・移動経路の遮断・阻害
・ブレード・タワー等への接近・接触
・夜間照明による誘引
なお、
「改変による生息環境の減少・喪失」
「移動経路の遮断・阻害」
「ブレード・タ
ワー等への接近・接触」の項に記載した現地調査結果については、鳥類調査、鳥類の
渡り時の移動経路調査、希少猛禽類の生息状況調査、生態系のカワラヒワの生息状況
調査(「8.1.5 生態系」に係る調査)時に確認した結果に基づき記載した。なお、現地
調査結果に記載している対象事業実施区域内での通過回数は、とまり行動を除いたも
のとした。
また、
「ブレード・タワー等への接近・接触」の項ではモデルを用いた予測衝突数を
算出した。予測衝突数は、希少猛禽類の生息状況調査若しくは渡り時の移動経路調査
の結果に基づき算出した。これらの調査を対象とした理由は、主な観察対象や調査日
数・時間、観察範囲等を定め調査を実施しているため、予測衝突数算出のためのパラ
メータを求めることが可能であることがあげられる。上述の 2 つの調査以外での確認
記録(鳥類調査や生態系のカワラヒワの生息状況調査時の確認記録)は、予測衝突数
の算出においては省いた。
8.1.3-173
(525)
第 8.1.3-68 表
環境影響要因の選定(重要な鳥類)
環境影響要因
種名
改変による生
騒音による餌
ブレード・タ
騒音による生
移動経路の遮
夜間照明に
息環境の減
資源の
ワー等への接
息環境の悪化
断・阻害
よる誘引
少・喪失
逃避・減少
近・接触
ヒシクイ
○
○
-
○
○
○
マガン
○
○
-
○
○
○
マガン属の一種※1
○
○
-
○
○
○
コクガン
○
○
-
-
-
○
コハクチョウ
○
○
-
○
○
○
オシドリ
○
○
-
○
○
○
シノリガモ
○
○
○
-
-
○
ミコアイサ
○
○
○
-
-
○
カンムリカイツブリ
○
○
○
-
-
○
ヒメウ
○
○
○
-
-
○
シロチドリ
○
○
○
○
○
○
セイタカシギ
○
○
○
○
○
○
オオジシギ
○
○
○
○
○
○
オオソリハシシギ
○
○
○
○
○
○
ホウロクシギ
○
○
○
○
○
○
ツルシギ
○
○
○
○
○
○
タカブシギ
○
○
○
○
○
○
ハマシギ
○
○
○
○
○
○
ケイマフリ
○
○
○
-
-
○
ミサゴ
○
○
○
○
○
-
ハチクマ
○
○
○
○
○
-
オジロワシ
○
○
○
○
○
-
オオワシ
○
○
○
○
○
-
オジロワシ属の一種※2
○
○
○
○
○
-
チュウヒ
○
○
○
○
○
-
ハイタカ
○
○
○
○
○
-
オオタカ
○
○
○
○
○
-
ケアシノスリ
○
○
○
○
○
-
ハヤブサ
○
○
○
○
○
-
アカモズ
○
○
-
○
○
○
ツメナガセキレイ
○
○
-
○
○
○
注:1.「○」は選定、「-」は該当しないことを示す。
「騒音による餌資源の逃避・減少」では、騒音による影響を受けない主に植物食や昆虫食の種以外を選定
した。
「移動経路の遮断・阻害」「ブレード・タワー等への接近・接触」では、対象事業実施区域及びその周辺
で飛翔が確認された種を選定した。
「夜間照明による誘引」では、希少猛禽類を除く一般鳥類を選定した。
2.※1 マガン属の一種は複数種に該当する可能性があり、ヒシクイもしくはマガンもしくはカリガネのいず
れかの可能性がある。
3.※2 オジロワシ属の一種はオジロワシもしくはオオワシのいずれかに該当する可能性がある。
8.1.3-174
(526)
i. 分布・生態的特徴
重要な鳥類の分布・生態的特徴を第 8.1.3-69 表に示す。
第 8.1.3-69 表(1)
種名
ヒシクイ
マガン
マガン属の一種
コクガン
コハクチョウ
オシドリ
シノリガモ
分布・生態的特徴
分布生態的特徴
日本には冬鳥として本州に局地的に渡来するが、北海道では旅鳥。主に亜種
オオヒシクイと亜種ヒシクイの 2 亜種が渡来する。亜種オオヒシクイは主と
して日本海側で越冬し、亜種ヒシクイは宮城県等で越冬する。湖沼、湿地、
農耕地、干潟等に生息する。餌は主に植物質で、草の葉、茎、地下茎、根茎、
種子、果実等。国内では繁殖しない。
参考:
「原色日本野鳥生態図鑑<水鳥編>」
(保育社、平成 7 年)
「日本の野鳥 590」
(平凡社、平成 12 年)
日本には冬鳥として主に北日本に局地的に渡来する。越冬期には宮城県北部、
渡り期には北海道と秋田県の限られた湖沼に集中するが、一部北陸や山陰で
も越冬する。北海道では主に旅鳥だが、少数が越冬する。湖沼、湿地、農耕
地、干潟等に生息する。餌は主に植物質で、草の葉、茎、地下茎、根茎、種
子、果実等。国内では繁殖しない。
参考:
「原色日本野鳥生態図鑑<水鳥編>」
(保育社、平成 7 年)
「日本の野鳥 590」
(平凡社、平成 12 年)
マガン属の鳥類のうち、国内で確認されているマガン、ヒシクイ、カリガネ
のいずれかの種が該当する。なお、カリガネはヒシクイやマガンと類似した
生態を持つ。
参考:
「山溪ハンディ図鑑 7 日本の野鳥」
(山と溪谷社、平成 10 年)
「原色日本野鳥生態図鑑<水鳥編>」
(保育社、平成 7 年)
日本では冬鳥として渡来する。函館湾・陸奥湾・松島湾は良く知られた渡来地
で松島湾では毎年 100 羽近くが越冬する。越冬地では海岸の入り江や内湾の砂
浜、遠浅の砂泥地等にいる。潮干帯の潮溜まりや流れのふちで草や藪の新しい
枝・葉を食べる。越冬地では浅い海でアマモを食べる。
参考:
「山溪カラー名鑑日本の野鳥」
(山と溪谷社、平成 4 年)
「原色日本野鳥生態図鑑<水鳥編>」
(保育社、平成 7 年)
日本では冬鳥として渡来する。北海道西北部を経て本州各地に渡り、春には
逆のコースをたどって北へ帰る。湖沼・内湾・農耕地・河川等に群を作って生息
する。主に植物食で、水草の葉・茎・地下茎・根茎・種子・果実等を食べる。
参考:
「山溪カラー名鑑日本の野鳥」
(山と溪谷社、平成 4 年)
「原色日本野鳥生態図鑑<水鳥編>」
(保育社、平成 7 年)
日本では留鳥又は冬鳥で、主に本州中部以北で繁殖する。冬は本州以南で越
冬するものが多い。湖沼、池、河川等に生息し、森林の水辺で樹洞を使って
繁殖する。主にドングリ等の木の実を好んで食べるが、イネ科の種子、マメ
類、水生植物等の植物質や、水生昆虫類、カタツムリ、小魚等、動物質のも
のも食べる。
参考:
「山溪ハンディ図鑑 7 日本の野鳥」
(山と溪谷社、平成 10 年)
「原色日本野鳥生態図鑑<水鳥編>」
(保育社、平成 7 年)
「日本の野鳥 590」
(平凡社、平成 12 年)
日本には冬鳥として渡来し、主に北日本で越冬するが、少数が本州北部と北
海道で繁殖する。冬は海岸の岩場や崖の多いところ、特に岩礁地でみられる。
主に、貝類、魚、甲殻類等を食べ、繁殖地では水生昆虫、藻類等を食べる。
繁殖期には内陸の森林内の溪流に移動し、溪流沿いの草むらや岩かげ、中洲
の小島等で営巣する。
参考:
「原色日本野鳥生態図鑑<水鳥編>」
(保育社、平成 7 年)
「日本動物大百科第 3 巻鳥類Ⅰ」
(平凡社、平成 8 年)
8.1.3-175
(527)
第 8.1.3-69 表(2)
分布・生態的特徴
種名
ミコアイサ
カンムリカイツブリ
ヒメウ
シロチドリ
セイタカシギ
オオジシギ
オオソリハシシギ
分布・生態的特徴
日本には冬鳥として渡来するが、北海道の豊富町稚咲内では繁殖している。
潜水して魚類よりも他の水生生物をよく採餌し、甲殻類を主食としている。
越冬中は内陸の湖沼、広い河川のよどみ、浅い入り江等でみられる。繁殖期
は森林内の流れの緩やかな川や湖沼に生息し、水辺に近い樹洞で繁殖する。
巣箱を利用することもある。1 巣卵数は 6~10 卵で、抱卵期間は約 28 日間で
ある。
参考:
「山溪カラー名鑑日本の野鳥」
(山と溪谷社、平成 4 年)
「原色日本野鳥生態図鑑<水鳥編>」
(保育社、平成 7 年)
「日本動物大百科第 3 巻鳥類Ⅰ」
(平凡社、平成 8 年)
日本では、青森県と滋賀県の一部では少数が繁殖しているが、主に冬鳥とし
て九州以北に渡来する。海岸、湖沼、池、河川等に生息し、潜水して主に魚
類を採食する。また、甲殻類や昆虫類等も採食する。
参考:「山溪ハンディ図鑑 7 日本の野鳥」
(山と溪谷社、平成 10 年)
「原色日本野鳥生態図鑑 <水鳥編>」
(保育社、平成 7 年)
「日本の野鳥 590」
(平凡社、平成 12 年)
日本では北海道で繁殖し、冬季は本州、九州に生息している。外海に面した
磯浜に生息し、動物食で、魚類を主食とするが、エビ類、カニ類も採食する。
繁殖期には岩壁の棚の上等に小集団で営巣する。巣の材料は枯れ草や海藻で
形は皿形をしている、産卵期は 5 月~7 月。1 巣卵数は 3 個。
参考:「山溪カラー名鑑日本の野鳥」
(山と溪谷社、平成 4 年)
「原色日本野鳥生態図鑑<水鳥編>」
(保育社、平成 7 年)
「日本動物大百科第 3 巻鳥類Ⅰ」
(平凡社、平成 8 年)
主に留鳥として全国に分布するが、北日本では夏鳥として渡来し、関東地方
以西では越冬個体が多い。河口、海岸の砂浜、干潟、河川、埋め立て地等に
生息する。餌は昆虫、クモ、甲殻類、環形動物、小型の貝類等。繁殖期は 3
月~7 月で、砂地や疎らな草の間に窪みを掘り、木片、小石等を敷いて巣と
する。1 巣卵数は 3 個が多く、抱卵日数は 24~27 日位、ヒナは早成性の離巣
性で、27~31 日位で独立する。
参考:「原色日本野鳥生態図鑑<水鳥編>」
(保育社、平成 7 年)
「日本の野鳥 590」
(平凡社、平成 12 年)
日本には旅鳥または留鳥として各地に現れ、東京湾岸沿いの地域を中心に繁
殖も確認されている。浅い淡水・汽水の湖沼、河川とそのふちの湿地帯で繁
殖し、非繁殖期には、湿地帯、河口部や入り江の干潟、河川の氾濫原、水田
等に現れる。双翅類等の昆虫の幼虫や小さな甲殻類、小魚等を食べる。繁殖
期は 5 月~7 月で、1 巣卵数は 4 卵、雌雄で抱卵する。巣は草の疎らな砂泥地
の浅い窪みに造る。
参考:「原色日本野鳥生態図鑑 <水鳥編>」
(保育社、平成 7 年)
「日本動物大百科第 3 巻鳥類Ⅰ」
(平凡社、平成 8 年)
日本が主な繁殖地で、夏鳥として主に本州中部から北海道にかけて渡来し、
繁殖する。広島等中国山地での繁殖例も少数ある。低地から標高 1,400m 程度
の高原まで現れ、湿原や低木の交じる草原、牧場、農耕地等で繁殖する。ミ
ミズ類や昆虫等の動物質の餌を地上で採るが、ミズキやカゼクサ等の植物の
種子も採餌する。北海道では 4 月下旬に現れ、1 巣卵数は普通 4 卵、雌のみが
抱卵する。繁殖期には、非常に特徴的なディスプレイフライトが頻繁にみら
れる。
参考:「山溪カラー名鑑日本の野鳥」
(山と溪谷社、平成 4 年)
「原色日本野鳥生態図鑑<水鳥編>」
(保育社、平成 7 年)
「日本動物大百科第 3 巻鳥類Ⅰ」
(平凡社、平成 8 年)
日本には旅鳥として 8 月~9 月と 4 月~6 月に各地に現れ、
晩夏のほうが多い。
海岸の砂泥地、水溜りや干潟、水田、河川、湖沼の砂泥地でみられ、水の中
を歩きながら、甲殻類、軟体動物、昆虫、小魚等を食べる。
参考:「原色日本野鳥生態図鑑<水鳥編>」
(保育社、平成 7 年)
「日本動物大百科第 3 巻鳥類Ⅰ」
(平凡社、平成 8 年)
8.1.3-176
(528)
第 8.1.3-69 表(3)
分布・生態的特徴
種名
ホウロクシギ
ツルシギ
タカブシギ
ハマシギ
ケイマフリ
ミサゴ
ハチクマ
分布・生態的特徴
日本には旅鳥として各地に現れ、春は 3 月下旬~6 月下旬、秋は 8 月下旬~10
月中旬にみられる。海岸や湖岸の干潟、三角州の水辺に現れ、環形動物、甲
殻類、軟体動物、昆虫、小型水性無脊椎動物を食べる。
参考:「原色日本野鳥生態図鑑<水鳥編>」
(保育社、平成 7 年)
「日本動物大百科第 3 巻鳥類Ⅰ」
(平凡社、平成 8 年)
日本には旅鳥として各地に現れ、8 月~10 月と 3 月~5 月にみられるが、春の
渡り期のほうが多い。渡り期や越冬地では、海岸の湖沼群の砂泥地、水田、
ため池等に現れ、浅い水の中で水生昆虫の成虫・幼虫、甲殻類、軟体動物等
を食べる。
参考:
「原色日本野鳥生態図鑑<水鳥編>」
(保育社、平成 7 年)
「日本動物大百科第 3 巻鳥類Ⅰ」
(平凡社、平成 8 年)
日本には各地に旅鳥として春、秋に現れ、普通にみられる。また、各地で少
数が越冬する。内陸部の河川、湖沼、湿地、水田、河口等、泥の多い水辺で
みられ、砂泥地を歩いて、昆虫の成虫・幼虫、甲殻類等の小動物を食べる。
参考:
「原色日本野鳥生態図鑑<水鳥編>」
(保育社、平成 7 年)
「日本動物大百科第 3 巻鳥類Ⅰ」
(平凡社、平成 8 年)
「北海道野鳥図鑑」
(亜璃西社、平成 15 年)
日本には旅鳥として、8 月~10 月頃と 4 月~5 月頃に現れる。最も普通にみら
れる小型のシギ類で、渡来数も多い。北海道から南西諸島に至る各地の海岸
や内陸の河川で少数が越冬する。渡り期や越冬地では、海岸の砂浜、干潟、
水溜り、潟湖、ため池、水を張った水田、内陸の湖沼や大きな河川の砂泥地
等に現れ、砂泥地を歩き回って、水生昆虫の幼虫、ミミズ、ゴカイ、ヨコエ
ビ等の甲殻類を食べる。
参考:
「原色日本野鳥生態図鑑<水鳥編>」
(保育社、平成 7 年)
「日本動物大百科第 3 巻鳥類Ⅰ」
(平凡社、平成 8 年)
日本では、北海道天売島、知床半島、積丹半島等で繁殖し、冬季は東北地方
やそれよりやや南の海上でみられる。繁殖地では現在個体数が激減している。
イカナゴ等の魚類の他、甲殻類等を捕食する。繁殖場所は断崖でも特に傾斜
のきつい、垂直に近いかオーバーハングになるようなところを選ぶ。断崖の
岩の裂け目や積み重なった岩の隙間、崩れ落ちた岩石の隙間等に、5 月頃産卵
する。7 月に雛の巣立ちが始まり、8 月中旬頃には繁殖地を離れて沖合に出る。
参考:
「原色日本野鳥生態図鑑<水鳥編>」
(保育社、平成 7 年)
「日本動物大百科第 3 巻鳥類Ⅰ」
(平凡社、平成 8 年)
日本では主に留鳥として全国に分布するが、北日本では冬に少なく、南西諸
島では夏に少ない。主に海岸や湖沼、河川等の付近に生息している。餌はボ
ラ、スズキ、トビウオ、イワシ等の魚類。繁殖期は 4 月~7 月で、高い岩上
や断崖の岩棚、海岸や湖近くの大木の上等に木の枝を組み合わせて皿形の巣
を作る。1 巣卵数はおおむね 3 個、抱卵日数は 35 日位、ヒナは 55~60 日で
巣立つ。
参考:
「原色日本野鳥生態図鑑<陸鳥編>」
(保育社、平成 7 年)
「日本の野鳥 590」
(平凡社、平成 12 年)
「図鑑日本のワシタカ類」
(文一総合出版、平成 7 年)
日本には夏鳥として九州以北に渡来する。標高 1,500m 以下の丘陵地や低山の
山林に生息する。餌は主にクロスズメバチ等のハチ類で、両生類や小鳥も食
べる。繁殖期は 5 月下旬~9 月。ナラ等の落葉広葉樹やアカマツ等の針葉樹
に木の枝を組み合わせて皿形の巣を作る。1 巣卵数は 2~3 個、抱卵日数は 30
~35 日、ヒナは 35~45 日で巣立つ。
参考:
「原色日本野鳥生態図鑑<陸鳥編>」
(保育社、平成 7 年)
「日本の野鳥 590」
(平凡社、平成 12 年)
「図鑑日本のワシタカ類」
(文一総合出版、平成 7 年)
8.1.3-177
(529)
第 8.1.3-69 表(4)
分布・生態的特徴
種名
オジロワシ
オオワシ
チュウヒ
ハイタカ
オオタカ
分布・生態的特徴
冬鳥として主に北日本に渡来し、北海道東部や北部では少数が留鳥として繁
殖する。海岸、河口、海沿いの水田や湖沼、ときには内陸の湖沼に生息する。
餌は主に魚類で、海鳥やカモメ類等の鳥類、アザラシの幼獣等の哺乳類等も
食べる。繁殖期は 3 月~8 月。ミズナラ、ダケカンバ、トドマツ等、高木の
太い枝の基部等に、木の枝を積み上げて大きな皿形の巣を作る。1 巣卵数は 2
~3 個、抱卵日数は 34~46 日、ヒナは 70~90 日位で巣立つ。
参考:「原色日本野鳥生態図鑑<陸鳥編>」
(保育社、平成 7 年)
「日本の野鳥 590」
(平凡社、平成 12 年)
「図鑑日本のワシタカ類」
(文一総合出版、平成 7 年)
日本では冬鳥で、主に北海道や北日本の沿岸部に渡来する。越冬地の生息環
境はオジロワシと同様で、海岸や河口等の採餌環境とねぐらとなる森林が同
所的に存在する場所を利用する。採餌場所やねぐらでは、しばしばオジロワ
シと集団でみられる。初冬期までは河川周辺でサケを主な食料としており、
その後は海岸でクジラや鰭脚類の死骸等を食べる。本種の分布は、オジロワ
シに比べて一箇所に極端に集中する傾向がある。
参考:
「原色日本野鳥生態図鑑<陸鳥編>」
(保育社、平成 7 年)
「図鑑日本のワシタカ類」
(文一総合出版、平成 7 年)
日本では北海道、東北地方、中部地方、近畿地方で繁殖が確認されており、
関東地方でも繁殖の可能性が高いといわれているが、その分布は局所的で個
体数は多くない。北海道には主に夏鳥として渡来する。生息環境は湿地や干
拓地、草地、あるいは河川敷にあるヨシ原やササ原等で、その中に枯れたヨ
シやササ類の茎等を積み重ねて地上に巣を造る。餌は生息環境であるヨシ原
や草地等で捕獲できるあらゆる小動物を利用する。その中でもネズミ類の割
合が最も多く、ついで鳥類が多い。繁殖期は 4 月~8 月。1 巣卵数は 5~7 個
で、育雛期間は約 35 日。
参考:
「原色日本野鳥生態図鑑<陸鳥編>」
(保育社、平成 7 年)
「図鑑日本のワシタカ類」
(文一総合出版、平成 7 年)
留鳥として四国以北に分布するほか、全国に冬鳥として渡来する。繁殖は北
海道と本州の一部でしか確認されていない。平地から亜高山帯の林に生息し、
林内、林縁の耕地や草地等で獲物を捕らえる。秋と冬には海岸近くの農耕地
やヨシ原まで出てくることがある。餌は主にツグミ大までの小鳥だが、ネズ
ミやリス、ヒミズ等も食べる。繁殖期(造巣~ヒナの巣立ち)は 3 月~7 月
頃。主にアカマツ等の針葉樹の大径木の樹上に木の枝を組み合わせて皿形の
巣を作る。1 巣卵数は 4~5 個、抱卵日数は 32~34 日、ヒナは 24~30 日で巣
立つ。
参考:「原色日本野鳥生態図鑑<陸鳥編>」
(保育社、平成 7 年)
「日本の野鳥 590」
(平凡社、平成 12 年)
「図鑑日本のワシタカ類」
(文一総合出版、平成 7 年)
主に留鳥として九州以北に分布し、南西諸島では冬鳥。四国、九州の一部及
び本州、北海道の広い範囲で繁殖するが、繁殖記録は東日本で多く、西日本
では少ない。平地から亜高山帯の林に生息し、獲物を求めて農耕地、牧草地、
水辺等に飛来する。餌は主にハト、カモ、シギ、キジ等の中・大型の鳥や、
ツグミ級の小鳥だが、リス、ウサギ等も食べる。繁殖期(造巣~ヒナの巣立
ち)は 2 月~7 月頃。主にアカマツ、スギ等の大径木の樹上に木の枝を組み
合わせて皿形の巣を作る。1 巣卵数は 2~4 個、抱卵日数は 36~41 日、ヒナ
は 40 日位で巣立つ。
参考:「原色日本野鳥生態図鑑<陸鳥編>」
(保育社、平成 7 年)
「日本の野鳥 590」
(平凡社、平成 12 年)
「図鑑日本のワシタカ類」
(文一総合出版、平成 7 年)
8.1.3-178
(530)
第 8.1.3-69 表(5)
分布・生態的特徴
種名
ケアシノスリ
ハヤブサ
アカモズ
ツメナガセキレイ
分布生態的特徴
日本では冬鳥で、少数が主に北日本や日本海側地方に渡来する。平地から山地
の林、農耕地、草原、埋立地、湖沼畔、河原等に生息し、木の枝や杭、土塊等の見
晴らしの良い高みにとまって獲物を待つほか、停空飛翔をしながら獲物を探
す。餌は主にネズミや小鳥。日本では繁殖しない。
参考:
「山溪カラー名鑑日本の野鳥」
(山と溪谷社、平成 4 年)
「原色日本野鳥生態図鑑<陸鳥編>」
(保育社、平成 7 年)
「図鑑日本のワシタカ類」
(文一総合出版、平成 7 年)
主に留鳥として九州以北に分布するほか、冬鳥として南西諸島を含む全国に
渡来する。九州以北で繁殖するのは亜種ハヤブサだが、別亜種の記録もある。
海岸や海岸に近い山地の断崖や急斜面、広い河原、広い農耕地を生活域にす
る。餌は主にヒヨドリ程度の小鳥類やハト、カモ類、シギ・チドリ類だが、
まれにネズミやウサギを捕食する。繁殖期は 3 月~6 月、断崖の岩棚等に直
接産卵する。1 巣卵数は 3~4 個、抱卵日数は 24~34 日、ヒナは 40 日位で巣
立つ。
参考:
「原色日本野鳥生態図鑑<陸鳥編>」
(保育社、平成 7 年)
「日本の野鳥 590」
(平凡社、平成 12 年)
「図鑑日本のワシタカ類」
(文一総合出版、平成 7 年)
日本には夏鳥として渡来し、北海道と本州中部以北で繁殖する。平地から山
地のカラマツ林のような明るい林や、低木のある草原に生息し、昆虫類を食
べる。繁殖期は 5 月~7 月で、密に茂った樹木や藪の中に巣を造る。抱卵日数
は約 14 日でヒナは孵化後 14 日目に巣立つ。
参考:
「山溪カラー名鑑日本の野鳥」
(山と溪谷社、平成 4 年)
「原色日本野鳥生態図鑑<水鳥編>」
(保育社、平成 7 年)
「北海道野鳥図鑑」
(亜璃西社、平成 15 年)
日本では、北海道北部(サロベツ原野、稚内市郊外、ベニヤ原生花園等)で
繁殖する。草原、農耕地、湿地湿原等の特に湿ったあるいは水溜りのある荒
れ地状の草原に生息し、昆虫食で、主として双翅類を食べ、冬は鞘翅類等も
食べる。
参考:
「原色日本野鳥生態図鑑<陸鳥編>」
(保育社、平成 7 年)
8.1.3-179
(531)
ii.影響予測
(i)改変による生息環境の減少・喪失
事業実施に伴う改変による生息環境の減少・喪失への影響を回避・低減するため
の環境保全措置として、
「作業ヤードとしての造成範囲は、必要最小限にとどめる」
こととした。
改変による生息環境の減少・喪失に係る影響予測は、第 8.1.3-70 表のとおりである。
第 8.1.3-70 表(1)
種名
ヒシクイ
マガン
マガン属の一種
コハクチョウ
コクガン
シノリガモ
カンムリカイツブリ
ヒメウ
ケイマフリ
オシドリ
改変による生息環境の減少・喪失に係る影響予測
改変による生息環境の減少・喪失
現地調査結果及び生息環境
影響予測
対象事業実施区域内外で確認 これらの種の一般的な生息環境に該当する耕
された。湖沼、湿地、農耕地、 作地・苗圃、開放水面は改変されないことから、
干潟等に生息する。
改変による生息環境への影響は小さいものと
予測する。
対象事業実施区域外で確認さ 対象事業実施区域内では確認されていないこ
れた。海岸の入り江や内湾の と、これらの種の一般的な生息環境に該当する
砂浜、遠浅の砂泥地等に生息 開放水面は改変されないことから、改変による
する。
生息環境への影響は小さいものと予測する。
対象事業実施区域外で確認さ
れた。海岸の岩場や崖の多い
ところ、特に岩礁地に生息す
る。
対象事業実施区域外で確認さ
れた。海岸、湖沼、池、河川
等に生息する。
対象事業実施区域外で確認さ
れた。外海に面した磯浜に生
息する。
対象事業実施区域外で確認さ
れた。海上に生息する。
対象事業実施区域内外で移動
飛翔及び遊泳が確認された。
繁殖は確認されていない。湖
沼、池、河川等に生息し、森
林の水辺で樹洞を使って繁殖
する。
改変区域には本種の一般的な生息環境に該当
する開放水面は改変されないものの、繁殖環境
となる樹林環境が対象事業実施区域内に分布
していることから、改変により生息環境が減
少・喪失する可能性が考えられる。しかしなが
ら、対象事業実施区域内に分布する樹林環境は
ヤナギ高木群落及びエゾイタヤ―ミズナラ群
落のみであり、改変率も 9.26%、0.41%である
こと(第 8.1.3-62 表)から、改変による生息環
境への影響は小さいものと予測する。
8.1.3-180
(532)
第 8.1.3-70 表(2)
種名
ミコアイサ
シロチドリ
セイタカシギ
オオソリハシシギ
ハマシギ
オオジシギ
ホウロクシギ
ツルシギ
タカブシギ
ミサゴ
改変による生息環境の減少・喪失に係る影響予測
改変による生息環境の減少・喪失
現地調査結果及び生息環境
影響予測
対象事業実施区域内外で移動
飛翔及び遊泳が確認された。
内陸の湖沼、広い河川のよど
み、浅い入り江等に生息する。
対象事業実施区域外で確認さ
れた。河口、海岸の砂浜、干
潟、河川、埋め立て地等に生
息する。
対象事業実施区域外で確認さ
れた。海岸の砂泥地、干潟、
水田、河川、湖沼の砂泥地、
河口部に生息する。
対象事業実施区域内外で移動
飛翔及びディスプレイ飛翔が
確認された。湿原や低木の交
じる草原、牧場、農耕地等に
生息する。
対象事業実施区域内外で移動
飛翔が確認された。海岸や湖
岸の干潟、三角州の水辺に生
息する。
対象事業実施区域外で確認さ
れた。河川、湖沼、湿地、水
田、河口等に生息する。
対象事業実施区域内外で餌運
び、捕獲行動、探餌行動等が
確認された。海岸や湖沼、河
川等の付近に生息する。
対象事業実施区域及びその周
辺において、繁殖等は確認さ
れていない。
本種の一般的な生息環境に該当する開放水面
は改変されないことから、改変による生息環境
への影響は小さいものと予測する。
対象事業実施区域内では確認されていないこ
と、本種の一般的な生息環境に該当するヨシ群
落、開放水面が改変されないことから、改変に
よる生息環境への影響は小さいものと予測す
る。
対象事業実施区域内では確認されていないこ
と、これらの種の生息環境に該当するヨシ群落
は改変されないことから、改変による生息環境
への影響は小さいものと予測する。
本種の一般的な生息環境に該当するススキ群
落、耕作地・苗圃の改変率は、それぞれ 8.71%、
0%(第 8.1.3-62 表)であることから、改変に
よる生息環境への影響は小さいものと予測す
る。
対象事業実施区域内では確認されていないこ
と、本種の一般的な生息環境に該当するヨシ群
落は改変されないことから、改変による生息環
境への影響は小さいものと予測する。
対象事業実施区域内では確認されていないこ
と、両種の一般的な生息環境に該当するヨシ群
落は改変されないことから、改変による生息環
境への影響は小さいものと予測する。
対象事業実施区域内外で確認されているが、対
象事業実施区域やその周辺での繁殖は確認さ
れていないこと、採餌環境である開放水面は改
変されないこと(第 8.1.3-62 表)から、改変に
よる生息環境への影響は小さいものと予測す
る。
8.1.3-181
(533)
第 8.1.3-70 表(3)
種名
ハチクマ
オジロワシ
オジロワシ属の一種
オオワシ
チュウヒ
改変による生息環境の減少・喪失に係る影響予測
改変による生息環境の現状・喪失
現地調査結果及び生息環境
影響予測
対象事業実施区域内外で移動
飛翔が確認された。丘陵地や
低山の山林に生息する。
対象事業実施区域及びその周
辺において、繁殖等は確認さ
れていない。
本種の一般的な生息環境である樹林環境等が
対象事業実施区域内に分布しているものの、対
象事業実施区域では繁殖等は認められていな
いこと、対象事業実施区域内の樹林環境である
ヤナギ高木群落、エゾイタヤ―ミズナラ群落、
植栽樹林群の改変率はそれぞれ 9.26%、0.41%、
0%であること(第 8.1.3-62 表)から、改変に
よる生息環境への影響は小さいものと予測す
る。
対象事業実施区域内外でとま
り、餌運び、捕獲行動、探餌
行動、ディスプレイ行動、移
動飛翔が確認された。海岸、
河口、海沿いの水田や湖沼、
ときには内陸の湖沼に生息す
る。
対象事業実施区域及びその周
辺において、繁殖等は確認さ
れていない。
対象事業実施区域内外で移動
飛翔が確認された。海岸、河
口、海沿いの水田や湖沼、と
きには内陸の湖沼に生息す
る。
対象事業実施区域及びその周
辺において、繁殖等は確認さ
れていない。
両種の一般的な生息環境である樹林環境及び
開放水面等が対象事業実施区域内に分布して
いるものの、対象事業実施区域では繁殖等は認
められていないこと、対象事業実施区域内の樹
林環境であるヤナギ高木群落、エゾイタヤ―ミ
ズナラ群落、植栽樹林群の改変率はそれぞれ
9.26%、0.41%、0%であること(第 8.1.3-62 表)、
開放水面は改変しないことから、改変による生
息環境への影響は小さいものと予測する。
対象事業実施区域内外で移動
飛翔、探餌行動が確認された。
湿地や干拓地、草地、あるい
は河川敷にあるヨシ原やササ
原等に生息する。
対象事業実施区域及びその周
辺において、繁殖等は確認さ
れていない。
本種の主な生息環境に該当するヨシ群落は改
変されないこと(第 8.1.3-62 表)から、改変に
よる生息環境への影響は小さいものと予測す
る。
本種の一般的な生息環境である樹林環境及び
開放水面等が対象事業実施区域内に分布して
いるものの、対象事業実施区域では繁殖等は認
められていないこと、対象事業実施区域内の樹
林環境であるヤナギ高木群落、エゾイタヤ―ミ
ズナラ群落、植栽樹林群の改変率はそれぞれ
9.26%、0.41%、0%であること(第 8.1.3-62 表)、
開放水面は改変しないことから、改変による生
息環境への影響は小さいものと予測する。
8.1.3-182
(534)
第 8.1.3-70 表(4)
種名
ハイタカ
オオタカ
ケアシノスリ
ハヤブサ
アカモズ
ツメナガセキレイ
改変による生息環境の減少・喪失に係る影響予測
改変による生息環境の現状・喪失
現地調査結果及び生息環境
影響予測
対象事業実施区域内外でとま
り、移動飛翔、探餌などが確
認された。平地から亜高山帯
の林に生息する。
対象事業実施区域及びその周
辺において、繁殖等は確認さ
れていない。
両種の一般的な生息環境である樹林環境等が
対象事業実施区域内に分布していること、採
餌・探餌行動も確認されていることから、改変
により生息環境が減少・喪失する可能性が考え
られる。しかしながら、対象事業実施区域内の
樹林環境であるヤナギ高木群落、エゾイタヤ―
ミズナラ群落、植栽樹林群の改変率はそれぞれ
9.26%、0.41%、0%であること(第 8.1.3-62 表)
から、改変による生息環境への影響は小さいも
のと予測する。
対象事業実施区域外で確認さ 対象事業実施区域内では飛翔及び採餌行動は
れた。平地から山地の林、農耕 認められていないことに加え、本種の採餌環境
地、草原、埋立地、湖沼畔、河原 であるススキ群落の改変率は 8.71%であるこ
等に生息する。
と(第 8.1.3-62 表)から、改変による生息環境
への影響は小さいものと予測する。
対象事業実施区域内外でとま 本種の一般的な生息環境である樹林環境等が
り、餌運び、探餌行動、捕獲 対象事業実施区域内に分布しているものの、対
行動、移動飛翔が確認された。 象事業実施区域では繁殖等は認められていな
海岸や海岸に近い山地の断崖 いこと、対象事業実施区域内の樹林環境である
や急斜面、広い河原、広い農 ヤナギ高木群落、エゾイタヤ―ミズナラ群落、
耕地に生息する。
植栽樹林群の改変率はそれぞれ 9.26%、0.41%、
対象事業実施区域及びその周 0%であること(第 8.1.3-62 表)から、改変に
辺において、繁殖等は確認さ よる生息環境への影響は小さいものと予測す
れていない。
る。
対象事業実施区域外で確認さ 対象事業実施区域内では確認されていないこ
れた。平地から山地のカラマ とに加え、本種の生息環境に該当するハマナス
ツ林のような明るい林や、低 群落は対象事業実施区域内に分布しておらず、
木のある草原に生息する。
改変されないこと(第 8.1.3-62 表)から、改変
による生息環境への影響は小さいものと予測
する。
対象事業実施区域外で確認さ 対象事業実施区域内では確認されていないこ
れた。草原、農耕地、湿地湿 とに加え、本種の生息環境に該当するススキ群
原等の特に湿ったあるいは水 落、ヨシ群落の改変率は、それぞれ 8.71%、0%
溜りのある荒れ地状の草原に であること(第 8.1.3-62 表)から、改変による
生息する。
生息環境への影響は小さいものと予測する。
8.1.3-183
(535)
(ii)騒音による生息環境の悪化
事業実施に伴う騒音による生息環境への影響を回避・低減するための環境保全措
置として、
「工事にあたっては、可能な限り低騒音・低振動型の建設機械を使用する」
こととした。
騒音による生息環境の悪化に係る影響予測は、第 8.1.3-71 表のとおりである。
第 8.1.3-71 表(1)
種名
ヒシクイ
マガン
マガン属の一種
コハクチョウ
ヒメウ
騒音による生息環境の悪化に係る影響予測
騒音による生息環境の悪化
現地調査結果及び主な生息環境
影響予測
対象事業実施区域内外で確認さ 工事の実施に伴う騒音により、改変区域周辺に
れた。湖沼、湿地、農耕地、干潟 生息している個体が逃避する可能性が考えら
等に生息する。
れる。しかしながら、環境保全措置として可能
な限り低騒音型・低振動型の建設機械を使用す
ること、工事の実施に伴う騒音は一時的なもの
であることから、工事中の騒音による生息環境
への影響は小さいものと予測する。
供用後の風力発電機から発生する連続的で一
定した騒音により、改変区域周辺に生息してい
る個体が逃避する可能性が考えられる。しかし
ながら、鳥類と騒音についての既往知見では、
カラス類、カモ類、キジバト、ヒヨドリといっ
た種ではプロパンガスを用いた爆音機などに
よる防除対策を行ったところいずれも馴れが
生じて効果がなくなると記されていること3か
ら、供用後の風力発電機から発生する騒音によ
る生息環境への影響は小さいものと予測する。
対象事業実施区域外で確認され
た。外海に面した磯浜に生息す
る。
3
農林水産省生産局農産振興課環境保全型農業対策室(2008)野生鳥獣被害防止マニュアル-鳥類編-.農林水産省,119p
8.1.3-184
(536)
第 8.1.3-71 表(2)
種名
オシドリ
コクガン
シノリガモ
ミコアイサ
カンムリカイツブリ
ケイマフリ
シロチドリ
セイタカシギ
オオソリハシシギ
ハマシギ
オオジシギ
ホウロクシギ
ツルシギ
タカブシギ
騒音による生息環境の悪化に係る影響予測
騒音による生息環境の悪化
現地調査結果及び主な生息環境
対象事業実施区域内外で移動飛
翔及び遊泳が確認された。湖沼、
池、河川等に生息し、森林の水辺
で樹洞を使って繁殖する。
対象事業実施区域外で確認され
た。海岸の入り江や内湾の砂浜、
遠浅の砂泥地等に生息する。
対象事業実施区域外で確認され
た。海岸の岩場や崖の多いとこ
ろ、特に岩礁地に生息する。
対象事業実施区域内外で移動飛
翔及び遊泳が確認された。内陸の
湖沼、広い河川のよどみ、浅い入
り江等に生息する。
対象事業実施区域外で確認され
た。海岸、湖沼、池、河川等に生
息する。
対象事業実施区域外で確認され
た。海上に生息する。
対象事業実施区域外で確認され
た。河口、海岸の砂浜、干潟、河
川、埋め立て地等に生息する。
対象事業実施区域外で確認され
た。海岸の砂泥地、干潟、水田、
河川、湖沼の砂泥地、河口部に生
息する。
対象事業実施区域内外で移動飛
翔及びディスプレイ飛翔が確認
された。湿原や低木の交じる草
原、牧場、農耕地等に生息する。
対象事業実施区域内外で移動飛
翔が確認された。海岸や湖岸の干
潟、三角州の水辺に生息する。
対象事業実施区域外で確認され
た。河川、湖沼、湿地、水田、河
口等に生息する。
8.1.3-185
(537)
影響予測
工事の実施に伴う騒音により、改変区域
周辺に生息している個体が逃避する可能
性が考えられる。しかしながら、環境保
全措置として可能な限り低騒音型・低振
動型の建設機械を使用すること、工事の
実施に伴う騒音は一時的なものであるこ
とから、工事中の騒音による生息環境へ
の影響は小さいものと予測する。
供用後の風力発電機から発生する連続的
で一定した騒音により、改変区域周辺に
生息している個体が逃避する可能性が考
えられる。しかしながら、鳥類と騒音に
ついての既往知見では、カラス類、カモ
類、キジバト、ヒヨドリといった種では
プロパンガスを用いた爆音機などによる
防除対策を行ったところいずれも馴れが
生じて効果がなくなると示されているこ
3
と から、供用後の風力発電機から発生す
る騒音による生息環境への影響は小さい
ものと予測する。
第 8.1.3-71 表(3)
種名
ミサゴ
ハチクマ
オジロワシ
オジロワシ属の一種
オオワシ
チュウヒ
ハイタカ
騒音による生息環境の悪化に係る影響予測
騒音による生息環境の悪化
現地調査結果及び主な生息環境
対象事業実施区域内外で餌運
び、捕獲行動、探餌行動等が確
認された。海岸や湖沼、河川等
の付近に生息する。
対象事業実施区域内外で移動飛
翔が確認された。丘陵地や低山
の山林に生息する。
対象事業実施区域内外でとま
り、餌運び、捕獲行動、探餌行
動、ディスプレイ行動が確認さ
れた。海岸、河口、海沿いの水
田や湖沼、ときには内陸の湖沼
に生息する。
対象事業実施区域内外で移動飛
翔が確認された。海岸、河口、
海沿いの水田や湖沼、ときには
内陸の湖沼に生息する。
対象事業実施区域内外で移動飛
翔、探餌行動が確認された。湿
地や干拓地、草地、あるいは河
川敷にあるヨシ原やササ原等に
生息する。
対象事業実施区域内外で移動飛
翔、探餌が確認された。平地か
ら亜高山帯の林に生息する。
4
影響予測
対象事業実施区域内での確認はあるもの
の、いずれの種も繁殖は認められていな
い。
工事の実施に伴う騒音により、改変区域周
辺に生息している個体が逃避する可能性
が考えられる。しかしながら、猛禽類に関
する既存の事例(クマタカの事例)では、
重機の稼働時や発破時に凝視や驚くしぐ
さが見られるが、それ以外はほとんど気に
する様子はなく、工事の影響は小さいと報
告されている4。さらに、工事に伴う騒音
は一時的なものであり、環境保全措置とし
て可能な限り低騒音型・低振動型の建設機
械を使用することから、工事の実施に伴う
騒音による生息環境への影響は小さいも
のと予測する。
供用後の風力発電機から発生する騒音に
より、改変区域周辺に生息している個体が
逃避する可能性が考えられる。しかしなが
ら、供用後の風力発電機から発生する騒音
も単発的な衝撃音ではなく連続的で一定
した音であること、猛禽類に関する既存の
事例では、オオタカに対して騒音を提示し
た場合、最初は飛び上がって驚いたが、3
回目以降になると驚かなくなったと報告
されていること5から、連続音に対して馴
れが生じるものと考えられる。これらか
ら、風力発電機から発生する騒音による生
息環境への影響は小さいものと予測する。
国土技術政策総合研究所資料 No.721 道路環境影響評価の技術手法「13.動物、植物、生態系」の環境保全措置に関する事例
集(国土交通省 国土技術政策総合研究所、2013 年 pⅡ-49-51)
5
飯森英哲(2013)オオタカに対する騒音・振動の影響.騒音制御 37(1) 16-19.
8.1.3-186
(538)
第 8.1.3-71 表(4)
種名
オオタカ
ケアシノスリ
ハヤブサ
騒音による生息環境の悪化に係る影響予測
騒音による生息環境の悪化
現地調査結果及び主な生息環境
影響予測
対象事業実施区域内外でとまり、 対象事業実施区域内での確認はあるもの
移動飛翔が確認された。平地から の、いずれの種も繁殖は認められていな
い。
亜高山帯の林に生息する。
対象事業実施区域外で確認され 工事の実施に伴う騒音により、改変区域周
た。平地から山地の林、農耕地、 辺に生息している個体が逃避する可能性
草原、埋立地、湖沼畔、河原等に生 が考えられる。しかしながら、猛禽類に関
する既存の事例(クマタカの事例)では、
息する。
重機の稼働時や発破時に凝視や驚くしぐ
対象事業実施区域内外でとまり、 さが見られるが、それ以外はほとんど気に
餌運び、探餌行動、捕獲行動、移 する様子はなく、工事の影響は小さいと報
4
動飛翔が確認された。海岸や海岸 告されている 。さらに、工事に伴う騒音
に近い山地の断崖や急斜面、広い は一時的なものであり、環境保全措置とし
て可能な限り低騒音型・低振動型の建設機
河原、広い農耕地に生息する。
械を使用することから、工事の実施に伴う
騒音による生息環境への影響は小さいも
のと予測する。
供用後の風力発電機から発生する騒音に
より、改変区域周辺に生息している個体が
逃避する可能性が考えられる。しかしなが
ら、供用後の風力発電機から発生する騒音
も単発的な衝撃音ではなく連続的で一定
した音であること、猛禽類に関する既存の
事例では、オオタカに対して騒音を提示し
た場合、最初は飛び上がって驚いたが、3
回目以降になると驚かなくなったと報告
5
されていること から、連続音に対して馴
れが生じるものと考えられる。これらか
ら、風力発電機から発生する騒音による生
息環境への影響は小さいものと予測する。
8.1.3-187
(539)
第 8.1.3-71 表(5)
種名
騒音による生息環境の悪化に係る影響予測
騒音による生息環境の悪化
現地調査結果及び主な生息環境
主な生息環境
対象事業実施区域外で確認され
た。平地から山地のカラマツ林の
ような明るい林や、低木のある草
原に生息する。
工事の実施に伴う騒音により、改変区域周
辺に生息している個体が逃避する可能性
が考えられる。しかしながら、環境保全措
置として可能な限り低騒音型・低振動型の
建設機械を使用すること、工事の実施に伴
う騒音は一時的なものであることから、工
事中の騒音による生息環境への影響は小
さいものと予測する。
供用後の風力発電機から発生する連続的
で一定した騒音により、改変区域周辺に生
息している個体が逃避する可能性が考え
られる。しかしながら、鳥類と騒音につい
ての既往知見では、カラス類、カモ類、キ
ジバト、ヒヨドリといった種ではプロパン
ガスを用いた爆音機などによる防除対策
を行ったところいずれも馴れが生じて効
3
果がなくなると示されていること から、
供用後の風力発電機から発生する騒音に
よる生息環境への影響は小さいものと予
測する。
アカモズ
対象事業実施区域外で確認され
た。草原、農耕地、湿地湿原等の
特に湿ったあるいは水溜りのあ
る荒れ地状の草原に生息する。
ツメナガセキレイ
8.1.3-188
(540)
(iii)騒音による餌資源の逃避・減少
事業実施に伴う騒音による餌資源の逃避・減少の影響を回避・低減するための環
境保全措置として、
「工事にあたっては、可能な限り低騒音・低振動型の建設機械を
使用する」こととした。
騒音による餌資源の逃避・減少に係る影響予測は、第 8.1.3-72 表のとおりである。
第 8.1.3-72 表
種名
シノリガモ
ミコアイサ
カンムリカイツブリ
ヒメウ
ケイマフリ
ミサゴ
シロチドリ
セイタカシギ
オオジシギ
オオソリハシシギ
ホウロクシギ
ツルシギ
タカブシギ
ハマシギ
ハチクマ
オジロワシ
オオワシ
オジロワシ属の一種
騒音による餌資源の逃避・減少に係る影響予測
騒音による餌資源の逃避・減少
餌対象種
主に魚類、甲殻類、水生昆虫
等の水生生物。
主に魚類等の水生生物。
主に昆虫類のほか、底生動物
等の水生生物。
主にハチ等の昆虫類のほか、
騒音の影響を受けると考え
られるネズミ類等の小型哺
乳類。
主に魚類のほか、騒音の影響
を受けると考えられる鳥類
や哺乳類も含まれる。
主に鳥類や哺乳類。
チュウヒ
ハイタカ
オオタカ
ケアシノスリ
ハヤブサ
6
影響予測
魚類、甲殻類、水生昆虫等の水生生物について
は、空気と水中の音響インピーダンス(抵抗)
の差が極めて大きいため、空中から到来した音
波のエネルギーの大部分が反射され、空中の音
6
が水中に伝わることはほとんどないため 、餌
資源である魚類への影響は小さく、騒音による
餌資源の逃避・減少に係る影響は小さいものと
予測する。
鳥類や哺乳類については、工事中の実施に伴う
騒音により、改変区域に生息している餌種の個
体が逃避する可能性が考えられる。しかしなが
ら、環境保全措置を行うこと、工事の実施に伴
う騒音は一次的なものであることから、工事の
実施に伴う騒音による餌資源への逃避・減少に
係る影響は小さいものと予測する。
風力発電機から発生する騒音は、単発的な衝撃
音ではなく、連続的で一定した音である。鳥類
と騒音についての既往知見では、カラス類、カ
モ類、キジバト、ヒヨドリといった種ではプロ
パンガスを用いた爆音機などによる防除対策
を行ったところいずれも馴れが生じて効果が
3
なくなると記されている 。これらから、稼働
後の時間経過に伴い騒音に馴れると考えられ
ることから、逃避が起きたとしても一時的なも
のであると考えられる。また、昆虫類は工事中
の実施に伴う騒音や風力発電機から発生する
騒音による騒音の影響を受けないと考えられ
ることから、餌資源への影響はないものと予測
する。これらから、供用後の風力発電機から発
生する騒音による餌資源への逃避・減少に係る
影響は小さいものと予測する。
竹村 暘(2005)水生生物の音の世界. 成山堂書店
8.1.3-189
(541)
(iv)移動経路の遮断・阻害
事業実施に伴う移動経路の遮断・阻害の影響を回避・低減するための環境保全措
置として、
「対象実施区域内の風力発電機から変電所に至る区間は原則として送電線
を地中埋設することで、鳥類等の移動経路を確保する」こととした。
移動経路の遮断・阻害に係る影響予測は、第 8.1.3-73 表のとおりである。
第 8.1.3-73 表(1)
種名
ヒシクイ
マガン属の一種
コハクチョウ
シロチドリ
セイタカシギ
オオソリハシシギ
ハマシギ
ツメナガセキレイ
マガン
移動経路の遮断・阻害に係る影響予測
移動経路の遮断・阻害
現地調査結果及び主な生息環境
対象事業実施区域内の通過は確
認されなかった。区域内には、
主な生息環境である開放水面、
農耕地等が存在している。
対象事業実施区域内の通過は確
認されなかった。区域内には、
主な生息環境である開放水面、
農耕地、造成地等が存在してい
る。
全確認回数 20 回のうち、3 回が
対象事業実施区域内の通過で
あった。また、3 回とも高度 M
(ブレード回転域を含む高度)
での移動飛翔であった。
区域内には、主な生息環境であ
る開放水面、農耕地等が存在し
ている。
8.1.3-190
(542)
影響予測
これらの種の飛翔は対象事業実施区域外
での確認であることから、渡りや採餌等に
係る移動経路の遮断・阻害への影響は小さ
いものと予測する。
これらの種の飛翔は対象事業実施区域外
での確認であることから、移動経路の遮
断・阻害への影響は小さいものと予測す
る。
渡り時の移動経路として対象事業実施区
域内も利用していることから、風力発電機
が渡り時の移動経路を遮断し、移動を阻害
する可能性がある。しかしながら、本種の
確認は広範囲に及んでいること、対象事業
実施区域の周辺には迂回可能な空間が確
保されていることから、移動経路の遮断・
阻害への影響は小さいものと予測する。
第 8.1.3-73 表(2)
種名
オシドリ
オオジシギ
ホウロクシギ
ツルシギ
タカブシギ
ミサゴ
移動経路の遮断・阻害に係る影響予測
移動経路の遮断・阻害
現地調査結果及び主な生息環境
全確認回数 9 回のうち、3 回が
対象事業実施区域内の通過で
あった。また、すべて高度 L(ブ
レード回転域よりも低空)での
移動飛翔であった。区域内には、
主な生息環境である開放水面等
が存在している。
全確認回数 19 回のうち、4 回が
対象事業実施区域内の通過で
あった。また、すべて高度 L(ブ
レード回転域よりも低空)での
移動飛翔であった。区域内には、
主な生息環境である農耕地、造
成地等が存在している。
影響予測
対象事業実施区域及 しかしながら、すべ
びその周辺に分布す て 風 力 発電 機 の 回
る樹林環境や開放水 転 域 よ りも 低 い 高
面等を採餌場や休息 度 L の高さで飛翔
場として利用する可 していたこと、風力
能性が考えられ、風 発 電 機 間は 迂 回 可
力発電機がこれら生 能 な 空 間が 確 保 さ
息環境内の移動経路 れていることから、
を遮断し、本種の移 採 餌 場 や休 息 場 へ
動を阻害する可能性 の 移 動 経 路 の 遮
断・阻害への影響は
がある。
対象事業実施区域及 小 さ い もの と 予 測
びその周辺に分布す する。
る造成地等を採餌場
や休息場として利用
する可能性が考えら
れ、風力発電機がこ
れら生息環境内の移
動経路を遮断し、本
種の移動を阻害する
可能性がある。
全確認回数 3 回のうち、1 回が 対象事業実施区域及
対象事業実施区域内の通過で びその周辺に分布す
あった。また、すべて高度 L(ブ る自然裸地を採餌場
レード回転域よりも低空)での や休息場として利用
移動飛翔であった。区域内には、 する可能性が考えら
主な生息環境である開放水面、 れ、風力発電機がこ
農耕地、造成地等が存在してい れら生息環境内の移
る。
動経路を遮断し、本
種の移動を阻害する
可能性がある。
対象事業実施区域内の通過は確 対象事業実施区域及
認されなかった。区域内には、 びその周辺に分布す
主な生息環境である開放水面、 る自然裸地を採餌場
農耕地、造成地等が存在してい や休息場として利用
る。
する可能性が考えら
れ、風力発電機がこ
れら生息環境内の移
動経路を遮断し、両
種の移動を阻害する
可能性がある。
全確認回数 78 回のうち、6 回が 確認は対象事業実施区域周辺を含めた広
対象事業実施区域内の通過で 範囲に及んでいること、対象事業実施区域
あった。また、飛翔高度は高度 で確認された飛翔はわずかであり、繁殖や
L(ブレード回転域よりも低空) 採餌に係る飛翔は確認されていないこと
及び高度 M(ブレード回転域を から、繁殖や採餌に係る移動経路の遮断・
含む高度)であった。区域内に 阻害への影響は小さいものと予測する。
は、主な生息環境である樹林環
境、開放水面等が存在するが、
営巣は確認されていない。
8.1.3-191
(543)
第 8.1.3-73 表(3)
種名
ハチクマ
オジロワシ
オオワシ
オジロワシ属の一種
チュウヒ
移動経路の遮断・阻害に係る影響予測
移動経路の遮断・阻害
現地調査結果及び主な生息環境
全確認回数 9 回のうち、3 回が
対象事業実施区域内の通過で
あった。また、飛翔高度は高度
M(ブレード回転域を含む高度)
及び高度 H(ブレード回転域よ
り高空)であった。区域内には、
主な生息環境である樹林環境等
が存在するが、営巣は確認され
ていない。
全確認回数 147 回のうち、15 回
が対象事業実施区域内の通過で
あった。また、飛翔高度は高度
L(ブレード回転域よりも低
空)、高度 M(ブレード回転域
を含む高度)及び高度 H(ブレー
ド回転域より高空)であった。
区域内には、主な生息環境であ
る樹林環境、農耕地、開放水面
等が存在するが、営巣は確認さ
れていない。
全確認回数 12 回のうち、1 回が
対象事業実施区域内の通過で
あった。また、飛翔高度は高度
M(ブレード回転域を含む高度)
であった。区域内には、主な生
息環境である樹林環境、農耕地、
開放水面等が存在している。
対象事業実施区域内の通過は確
認されなかった。区域内には、
主な生息環境である樹林環境、
農耕地、開放水面等が存在する
が、営巣は確認されていない。
全確認回数 31 回のうち、1 回が
対象事業実施区域内の通過で
あった。また、飛翔高度は高度
M(ブレード回転域を含む高度)
であった。区域内には、主な生
息環境である、草地環境、農耕
地等が存在するが、営巣は確認
されていない。
8.1.3-192
(544)
影響予測
確認は対象事業実施区域周辺を含めた広
範囲に及んでいること、対象事業実施区域
で確認された飛翔はわずかであり、繁殖や
採餌に係る飛翔は確認されていないこと
から、繁殖や採餌に係る移動経路の遮断・
阻害への影響は小さいものと予測する。
対象事業実施区域及びその周辺に分布す
る樹林環境や開放水面等を休息場や採餌
場として利用する可能性が考えられ、風力
発電機がこれら生息環境内の移動経路を
遮断し、これらの種の移動を阻害する可能
性がある。しかしながら、確認は対象事業
実施区域周辺を含めた広範囲に及んでい
ること、対象事業実施区域で確認された飛
翔はわずかであり、繁殖や採餌に係る飛翔
は確認されていないことから、繁殖や採餌
に係る移動経路の遮断・阻害への影響は小
さいものと予測する。
対象事業実施区域及びその周辺に分布す
る草地環境、樹林環境等を採餌場や休息場
として利用する可能性が考えられ、風力発
電機がこれら生息環境内の移動経路を遮
断し、本種の移動を阻害する可能性があ
る。しかしながら、確認は対象事業実施区
域周辺を含めた広範囲に及んでいること、
対象事業実施区域で確認された飛翔はわ
ずかであり、繁殖や採餌に係る飛翔は確認
されていないことから、繁殖や採餌に係る
移動経路の遮断・阻害への影響は小さいも
のと予測する。
第 8.1.3-73 表(4)
種名
ハイタカ
オオタカ
ケアシノスリ
ハヤブサ
アカモズ
移動経路の遮断・阻害に係る影響予測
移動経路の遮断・阻害
現地調査結果及び主な生息環境
全確認回数 37 回のうち、5 回が
対象事業実施区域内の通過で
あった。また、飛翔高度は高度
L(ブレード回転域よりも低
空)、高度 M(ブレード回転域
を含む高度)及び高度 H(ブレー
ド回転域より高空)であった。
区域内には、主な生息環境であ
る樹林環境等が存在するが、営
巣は確認されていない。
全確認回数 24 回のうち、4 回が
対象事業実施区域内の通過で
あった。また、高度 M(ブレー
ド回転域を含む高度)及び高度
H(ブレード回転域より高空)
であった。区域内には、主な生
息環境である樹林環境等が存在
するが、営巣は確認されていな
い。
対象事業実施区域内の通過は確
認されなかった。区域内には、
主な生息環境である樹林環境、
農耕地等が存在する。
全確認回数 37 回のうち、6 回が
対象事業実施区域内の通過で
あった。また、飛翔高度は高度
L(ブレード回転域よりも低
空)、高度 M(ブレード回転域
を含む高度)及び高度 H(ブレー
ド回転域より高空)であった。
区域内には、主な生息環境であ
る樹林環境、農耕地等が存在す
るが、営巣は確認されていない。
対象事業実施区域内の通過は確
認されなかった。区域内には、
主な生息環境である樹林環境、
草地環境等が存在している。
8.1.3-193
(545)
影響予測
対象事業実施区域及びその周辺に分布す
る樹林環境等を採餌場や休息場として利
用する可能性が考えられ、風力発電機がこ
れら生息環境内の移動経路を遮断し、両種
の移動を阻害する可能性がある。しかしな
がら、繁殖や採餌に係る飛翔は確認されて
いないこと、対象事業実施区域内を頻繁に
利用することは認められていないことか
ら、繁殖や採餌に係る移動経路の遮断・阻
害への影響は小さいものと予測する。
対象事業実施区域の通過は認められてい
ないことから、採餌等に係る移動経路の遮
断・阻害への影響は小さいものと予測す
る。
対象事業実施区域及びその周辺に分布す
る草地環境を採餌場や休息場として利用
する可能性が考えられ、風力発電機がこれ
ら生息環境内の移動経路を遮断し、本種の
移動を阻害する可能性がある。しかしなが
ら、すべて風力発電機の回転域よりも低い
高度 L の高さで飛翔していたこと、確認は
対象事業実施区域周辺を含めた広範囲に
及んでいることから、移動経路の遮断・阻
害への影響は小さいものと予測する。
対象事業実施区域の通過は認められてい
ないことから、繁殖や採餌に係る移動経路
の遮断・阻害への影響は小さいものと予測
する。
(v)ブレード・タワー等への接近・接触
ブレード・タワー等への接近・接触に係る影響予測は、第 8.1.3-74 表のとおりであ
る。
第 8.1.3-74 表(1)
種名
ヒシクイ
マガン属の一種
コハクチョウ
シロチドリ
セイタカシギ
オオソリハシシギ
ハマシギ
タカブシギ
ツルシギ
ケアシノスリ
アカモズ
ツメナガセキレイ
マガン
オシドリ
オオジシギ
ホウロクシギ
ミサゴ
ブレード・タワー等への接近・接触に係る影響予測
ブレード・タワー等への接近・接触
現地調査結果及び予測衝突数の算出結果
対象事業実施区域内の通過は確認されなかった。
影響予測
これらの種の飛翔は対象事業
実施区域外での確認であるこ
とから、ブレード・タワー等
への接近・接触による影響は
小さいものと予測する。
全確認回数 20 回のうち、3 回が対象事業実施区域内の通過で
あった。また、3 回とも高度 M での移動飛翔であった。この
うち、鳥類の渡り時の移動経路調査において対象事業実施区
域内を飛翔し、かつ高度 M を飛翔したのは 2 回であった。
また、「鳥類等に関する風力発電施設立地適正化のための手
引き」(環境省、平成 23 年)に基づき、第 8.1.3-75 表に示す
パラメータを用いて、対象事業実施区域における予測衝突数
の推定を試みた。その結果、第 8.1.3-76 表(1)のとおり、風力
発電機への年間予測衝突数は 0.0054 個体/年となった。
対象事業実施区域周辺及び風
力発電機間は迂回可能な空間
が確保されていること、また、
対象事業実施区域内で確認さ
れた飛翔はわずかであること
から、ブレード・タワー等へ
の接近・接触による影響は小
さいものと予測する。
全確認回数 9 回のうち、3 回が対象事業実施区域内の通過で
あった。また、すべて高度 L(ブレード回転域よりも低空)で
の移動飛翔であった。
全確認回数 19 回のうち、4 回が対象事業実施区域内の通過で
あった。また、すべて高度 L での移動飛翔であった。
全確認回数 3 回のうち、1 回が対象事業実施区域内の通過で
あった。また、すべて高度 L での移動飛翔であった。
これらの種の移動飛翔が対象
事業実施区域内で確認された
が、すべて風力発電機の回転
域よりも低い高度 L の高さで
飛翔していたこと、対象事業
実施区域周辺及び風力発電機
間は迂回可能な空間が確保さ
れていることから、ブレー
ド・タワー等への接近・接触
による影響は小さいものと予
測する。
全確認回数 78 回のうち、6 回が対象事業実施区域内の通過で 対象事業実施区域周辺及び風
あった。また、飛翔高度は高度 L(ブレード回転域よりも低空) 力発電機間は迂回可能な空間
及び高度 M(ブレード回転域を含む高度)であった。このう が確保されていること、また、
ち、希少猛禽類の生息状況調査において対象事業実施区域内 対象事業実施区域内で確認さ
を飛翔し、かつ高度 M を飛翔したのは 3 回であった。また、 れた飛翔はわずかであること
「鳥類等に関する風力発電施設立地適正化のための手引き」 から、ブレード・タワー等へ
(環境省、平成 23 年)に基づき、第 8.1.3-75 表に示すパラメー の接近・接触による影響は小
タを用いて、対象事業実施区域における予測衝突数の推定を さいものと予測する。
試みた。その結果、第 8.1.3-76 表(2)のとおり、風力発電機へ
の年間予測衝突数は 0.0016 個体/年となった。
8.1.3-194
(546)
第 8.1.3-74 表(2)
種名
ブレード・タワー等への接近・接触に係る影響予測
ブレード・タワー等への接近・接触
現地調査結果及び予測衝突数
ハチクマ
全確認回数 9 回のうち、3 回が対象事業実施区域内の通過で
あった。また、飛翔高度は高度 M(ブレード回転域を含む高
度)及び高度 H(ブレード回転域より高空)であった。この
うち、希少猛禽類の生息状況調査において対象事業実施区域
内を飛翔し、かつ高度 M を飛翔したのは 3 回であった。
予測衝突数の推定を行ったところ、風力発電機への年間予測
衝突数は 0.0010 個体/年となった。
オジロワシ
全確認回数 147 回のうち、15 回が対象事業実施区域内の通過
であった。また、飛翔高度は高度 L(ブレード回転域よりも低
空)、高度 M(ブレード回転域を含む高度)及び高度 H(ブ
レード回転域より高空)であった。このうち、希少猛禽類の
生息状況調査において対象事業実施区域内を飛翔し、かつ高
度 M を飛翔したのは 8 回であった。
予測衝突数の推定を行ったところ、風力発電機への年間予測
衝突数は 0.0128 個体/年となった。
オオワシ
オジロワシ属の一種
チュウヒ
ハイタカ
オオタカ
ハヤブサ
オオワシについては、全確認回数 12 回のうち、1 回が対象事
業実施区域内の通過であった。また、飛翔高度は高度 M(ブ
レード回転域を含む高度)であった。このうち、希少猛禽類
の生息状況調査において対象事業実施区域内を飛翔し、かつ
高度 M を飛翔したのは 0 回であったことから、予測衝突数の
推定は行わなかった。
オジロワシ属の一種については、対象事業実施区域内の通過
は確認されなかった。
全確認回数 31 回のうち、1 回が対象事業実施区域内の通過で
あった。このうち、希少猛禽類の生息状況調査において対象
事業実施区域内を飛翔し、かつ高度 M を飛翔したのは 0 回で
あったことから、予測衝突数の推定は行わなかった。
全確認回数 37 回のうち、5 回が対象事業実施区域内の通過で
あった。また、飛翔高度は高度 L
(ブレード回転域よりも低空)、
高度 M(ブレード回転域を含む高度)及び高度 H(ブレード
回転域より高空)であった。このうち、希少猛禽類の生息状
況調査において対象事業実施区域内を飛翔し、かつ高度 M を
飛翔したのは 2 回であった。
予測衝突数の推定を行ったところ、風力発電機への年間予測
衝突数は 0.0004 個体/年となった。
全確認回数 24 回のうち、4 回が対象事業実施区域内の通過で
あった。また、高度 M(ブレード回転域を含む高度)及び高
度 H(ブレード回転域より高空)であった。このうち、希少
猛禽類の生息状況調査において対象事業実施区域内を飛翔
し、かつ高度 M を飛翔したのは 4 回であった。
予測衝突数の推定を行ったところ、風力発電機への年間予測
衝突数は 0.0021 個体/年となった。
全確認回数 37 回のうち、6 回が対象事業実施区域内の通過で
あった。また、飛翔高度は高度 L
(ブレード回転域よりも低空)、
高度 M(ブレード回転域を含む高度)及び高度 H(ブレード
回転域より高空)であった。このうち、希少猛禽類の生息状
況調査において対象事業実施区域内を飛翔し、かつ高度 M を
飛翔したのは 3 回であった。
予測衝突数の推定を行ったところ、風力発電機への年間予測
衝突数は 0.0008 個体/年となった。
8.1.3-195
(547)
影響予測
対象事業実施区域周辺及び風
力発電機間は迂回可能な空間
が確保されていること、また、
対象事業実施区域内で確認さ
れた飛翔はわずかであること
から、ブレード・タワー等へ
の接近・接触による影響は小
さいものと予測する。
対象事業実施区域周辺及び風
力発電機間は迂回可能な空間
が確保されていること、対象
事業実施区域の利用頻度は全
確認回数の 1 割程度であるこ
とから、ブレード・タワー等
への接近・接触による影響は
小さいものと予測する。
対象事業実施区域周辺及び風
力発電機間は迂回可能な空間
が確保されていること、また、
対象事業実施区域内で確認さ
れた飛翔はわずかであること
から、ブレード・タワー等へ
の接近・接触による影響は小
さいものと予測する。
第 8.1.3-74 表でも示した希少猛禽類の生息状況調査(猛禽類)や鳥類の渡り時の移動経路
調査(一般鳥類)に関して、対象事業実施区域内を飛翔し、かつ高度 M を飛翔した種につ
いて、現地調査結果に基づき年間予測衝突数を求めた。推定する手法として、「鳥類等に関
する風力発電施設立地適正化のための手引き」(環境省自然環境局野生生物課、平成 23 年)
に基づくモデル(以下「環境省モデル」という)を使用した。モデルの概要を以下に示す。
【環境省モデル】
○ 風力発電機回転面積比(P)の算定
P = S1 / S2
P :風力発電機回転面積比
S1 :風力発電機の回転面積(m2)
S1=n・πr2
n :風力発電機基数
r :風力発電機回転半径(m)(=ブレード長)
S2 :調査区域面積(m2)
○ 接触率(T)の算定
t 秒間にブレードが回転する面積(St)(=掃引域:Sweep Area)を求め,風力発電機回
転面積(S)に対する比率を、接触率(T)と定義する。接触率の概念図を第 8.1.3-32 図に示す。
①ブレードを垂直の回転面と見なしたとき、対象種がその面を通過する時間(t)を求める。
t = ℓ/v
― (1)
t :通過時間(s)(=鳥類の先端部から末端部が通過するのに費やす時間)
ℓ :対象種の全長(m)
v :対象種の飛翔速度(m/s)
②t 秒間にブレードが回転する面積(St)を求める。
※t 秒間にブレードが回転する面積(St)は、その時間内におけるブレード先端部分の移
動距離(Lt)がわかれば、それを底辺とし高さを回転面の半径(r)とする三角形の面積
で近似できる。
V =2πr・u / 60
― (2)
V :ブレード先端部分の移動速度(m/s)
u :風力発電機の定格回転数(回転/min)
St = (Lt・r / 2)・3
― (3)
2
St :t 秒間にブレードが回転する面積(m )
Lt :t 秒間におけるブレード先端部分の移動距離(m)
Lt = V・t
(次頁に続く)
8.1.3-196
(548)
③接触率(T)を求める。
T = St / S
― (4)
T :接触率
S :風力発電機回転面積(m2)
S = πr2
第 8.1.3-32 図
接触率の概念図
○年間飛翔頻度(Y)の推定
年間飛翔頻度(Y)=調査時の飛翔頻度×(滞在期間 / 調査日数)
―(5)
○予測衝突数の算定
C = T・P・Q・R
C
T
P
Q
R
―(6)
:衝突率
:接触率
:風力発電機回転面積比
:高度 M の飛翔率
:稼働率
年間衝突数(回避しない)=Y・C
―(7)
年間衝突数(回避する) =Y・C・(1-Av)
―(8)
AV:回避率
8.1.3-197
(549)
第 8.1.3-75 表
パラメータ
風力発電機基数
予測衝突数算出のためのパラメータ
数値
単位
9
基
対象事業実施区域内に設置される風力発電機の基数とした。
ローター径が 117m であることから、その半分の値とした。
回転面の半径
58.5
m
ブレード回転速度
17.7
rpm
備考
ブレードが定格出力で回転する際の 1 分間当たりの回転数とした。
90.7
%
現地の風況観測結果より試算した値とした。
1,655,086.71
m2
全長
※
m
対象事業実施区域の面積とした。
「日本動物大百科第 3 巻鳥類」
(平凡社、平成 8 年)、
「日本動物大百科
第 4 巻鳥類」
(平凡社、平成 9 年)を参考にし、最も大きな数値を採用
した。
例)オオタカ:50~57cm →57cm を採用
飛翔速度
※
m/s
稼働率
調査区域面積
文献①~⑨より抽出し、平均値とした。
確認された鳥類のうち、希少猛禽類の生息状況調査または渡り鳥の移
動経路調査時において対象事業実施区域内を飛翔した個体数とした。
確認された鳥類のうち、希少猛禽類の生息状況調査または渡り鳥の移
※
高度 M 通過頻度
個体 動経路調査時において対象事業実施区域内の高度 M を飛翔した個体数
とした。
希少猛禽類の生息状況調査または鳥類の渡り時の移動経路調査の日数
※
調査日数
日
より、該当する種の調査期間とした。
対象事業実施区域周辺における、該当する種の滞在期間(渡り期間等)
※
滞在期間
日
とした。
文献⑩に記載されている種ごとの値を用いることとし、記載がない種
回避率
※
については、本文に汎用値として記載されている 98%を用いた。
注:1.表中の飛翔速度の引用文献①~⑨は以下のとおりである。
文献① BruceCampbelland Elizabeth Lack(1985)A Dictionary of BIRDS,T & AD Poyser Ltd(A & C Black)
文献② Kerlinger,P.(1995)How Birds Migrate. Stackpole Books Pennsylvnia.[邦訳:丸武志訳(2000)鳥の
渡りを調べてみたら. 文一総合出版, 東京]
文献③ 島田泰夫・前山貴和・小坂克巳(2003)鳥類の飛翔ルートを追跡する(セオドライトによる猛禽類
の飛翔追跡)-II.淡路島におけるサシバの渡りについて-.「野生生物と交通」研究発表会(2)29-36
文献④ 信州ワシタカ類渡り調査研究グループ(2003)タカの渡り観察ガイドブック. 文一総合出版
文献⑤ 武田恵世(1989)日本列島におけるタカの渡り. Strix vol.8:35-123
文献⑥ 樋口広芳(2004)タカの渡り全国集会 in 岐阜 2004 報告書基調講演「タカの渡り-衛星追跡」. タ
カの渡り全国ネットワーク
文献⑦ 森岡照明・叶内拓哉・川田隆・山形則男(1995) 図鑑 日本のワシタカ類(第 2 部総論). 文一
総合出版
文献⑧ 吉居清(2002)タカ目鳥類の渡り時の飛翔速度. Strix vol.20:127-130
文献⑨ ヘンク・テネケス(1999)鳥と飛行機どこがちがうか 飛行の科学入門.草思社
調査時の飛翔頻度
※
個体
注:2.表中の回避率の文献⑩は以下のとおりである。
文献⑩ Scottish Natural Heritage(2010)Use of avoidance rates in the SNH wind farm collision risk model. pp10.
Scotland.
8.1.3-198
(550)
第 8.1.3-76 表(1)
年間予測衝突数の算出結果(マガン)
パラメータ
単位
マガン
風力発電機基数
回転面の半径
ブレード回転速度
稼働率
調査区域面積
全長
飛翔速度
調査時の飛翔頻度
高度 M 通過頻度
調査日数
滞在期間
回避率
基
m
rpm
%
㎡
m
m/s
個体
個体
日
日
-
9
58.50
17.7
90.70
1,655,086.71
0.72
15.4
12
12
6
61
0.98
-
0.0022
個体/年
0.0054
予測衝突数
年間予測衝突数
第 8.1.3-76 表(2)
パラメータ
単位
風力発電機基数
回転面の半径
ブレード回転速
度
稼働率
調査区域面積
全長
飛翔速度
調査時の飛翔頻
度
高度 M 通過頻度
調査日数
滞在期間
回避率
基
m
9
58.50
9
58.50
9
58.50
9
58.50
9
58.50
9
58.50
rpm
17.7
17.7
17.7
17.7
17.7
17.7
%
㎡
m
m/s
90.70
1,655,086.71
0.640
11.3
90.70
1,655,086.71
0.610
11.7
90.70
1,655,086.71
0.980
13.5
90.70
1,655,086.71
0.390
10.6
90.70
1,655,086.71
0.570
8.4
90.70
1,655,086.71
0.510
12.7
個体
4
3
9
4
4
4
個体
日
日
-
3
18
184
0.98
2
15
153
0.98
7
34
365
0.95
1
34
365
0.98
3
34
365
0.98
2
34
365
0.98
予測衝突数
年間予測衝突数
ミサゴ
予測衝突数の算出結果(希少猛禽類)
ハチクマ
オジロワシ
ハイタカ
オオタカ
ハヤブサ
-
0.0020
0.0016
0.0026
0.0004
0.0024
0.0009
個体/年
0.0016
0.0010
0.0128
0.0004
0.0021
0.0008
8.1.3-199
(551)
(vi)夜間照明による誘引
事業実施に伴う夜間照明の影響を回避・低減するための環境保全措置として、
「ラ
イトアップは行わず、航空法上必要な航空障害灯については、鳥類を誘引しにくいと
される閃光灯を採用する」こととした。
夜間照明による誘引に係る影響予測は、第 8.1.3-77 表のとおりである。
第 8.1.3-77 表
種名
(全予測対象種)
7
夜間照明による誘引に係る影響予測
夜間照明による誘引
本事業ではライトアップを行わず、夜間の照明は航空障害灯に限られ
ることから、夜間照明による誘引の可能性は低く、ブレード・タワー
等への衝突による影響は小さいものと予測する。
また、Gehring et al (2009) 7によれば、常時点灯の障害灯よりも点滅す
る閃光灯の方が鳥類の誘引を低減すると指摘されている。本事業にお
いても、航空障害灯には鳥類を誘引しにくい閃光灯を採用することで、
誘引される影響を低減できるものと予測する。
Joelle Gehring, Paul Kerlinger, and Albert M. Manville Ⅱ(2009) Communication towers, lights, and birds: successful methods of
reducing the frequency of avian collisions. Ecological Applications 19:505-514
8.1.3-200
(552)
(ウ) 爬虫類
現地調査で確認された爬虫類の中で、重要な種として選定されたものはなかった。
また、調査地域においては、注目すべき生息地は確認されなかった。
(エ) 両生類
事業の実施による重要な両生類への環境影響要因として、以下の 4 点を抽出した。
また、環境影響要因と重要な両生類との関係を第 8.1.3-78 表に示した。
・ 改変による生息環境の減少・喪失
・ 工事関係車両への接触
・ 移動経路の遮断・阻害
・ 濁水の流入による生息環境の悪化
第 8.1.3-78 表
環境影響要因の選定(重要な両生類)
環境影響要因
種名
改変による
生息環境の
減少・喪失
工事関係車両
への接触
移動経路の
遮断・阻害
濁水の流入に
よる生息環境
の悪化
○
○
○
○
エゾサンショウウオ
注:「○」は選定、「-」は該当しないことを示す。
i. 分布・生態的特徴
重要な両生類の分布・生態的特徴を第 8.1.3-79 表に示す。
第 8.1.3-79 表
種名
エゾサンショウウオ
分布・生態的特徴
分布・生態的特徴
日本固有種。北海道全土(離島を除く)に分布。平地から高地まで、森林と止
水がある場所や、緩やかな流れの沢に分布する。雪どけ直後の時期に、湖・池
沼・水たまりで産卵する。
参考:「自然観察シリーズ 22 日本の両生類・爬虫類」
(小学館、平成 5 年)
8.1.3-201
(553)
ii.影響予測
(i)改変による生息環境の減少・喪失
事業実施に伴う改変による生息環境の減少・喪失への影響を回避・低減するため
の環境保全措置として、
「作業ヤードとしての造成範囲は、必要最小限にとどめる」
こととした。
改変による生息環境の減少・喪失に係る影響予測は、第 8.1.3-80 表のとおりである。
第 8.1.3-80 表
種名
エゾサンショウウオ
改変による生息環境の減少・喪失に係る影響予測
改変による生息環境の減少・喪失
現地調査結果及び生息環境
影響予測
対象事業実施区域外の林道 改変区域には本種の主な生息環境である樹林環境
上の水たまりで確認されて (ヤナギ高木群落、エゾイタヤ-ミズナラ群落)
いる。主に樹林地に生息す が含まれることから、改変により生息環境が減
る。
少・喪失する可能性が考えられる。しかしながら、
これらの樹林の改変率は、それぞれ 9.26%、0.41%
であること(第 8.1.3-62 表)から、改変による生息
環境の減少・喪失への影響は小さいものと予測す
る。
(ii)工事関係車両への接触
事業実施に伴う工事関係車両への接触の影響を回避・低減するための環境保全措
置として、
「対象事業実施区域内の搬入路を工事関係車両が通行する際は、十分に減
速」することとした。
工事関係車両への接触に係る影響予測は、第 8.1.3-81 表のとおりである。
第 8.1.3-81 表
種名
エゾサンショウウオ
工事関係車両への接触に係る影響予測
工事関係車両への接触
現地調査結果及び生息環境
対象事業実施区域外の林道
上の水たまりで確認されて
いる。主に樹林地に生息す
る。
影響予測
対象事業実施区域外での確認であること、さらに、
改変区域とエゾサンショウウオ確認地点は、直線
距離で 3km 程度離れていることから、工事車両に
接触する可能性は低いものと予測する。
8.1.3-202
(554)
(iii)移動経路の遮断・阻害
事業実施に伴う移動経路の遮断・阻害の影響を回避・低減するための環境保全措
置として、
「対象事業実施区域内の搬入路を工事関係車両が通行する際は、十分に減
速し、動物が接触する事故を未然に防止する」することとした。
移動経路の遮断・阻害に係る影響予測は、第 8.1.3-82 表のとおりである。
第 8.1.3-82 表
移動経路の遮断・阻害に係る影響予測
移動経路の遮断・阻害
種名
エゾサンショウウオ
現地調査結果及び生息環境
対象事業実施区域外の林道
上の水たまりで確認されて
いる。主に樹林地に生息す
る。
影響予測
対象事業実施区域外での確認であること、さらに、
改変区域とエゾサンショウウオ確認地点は、直線
距離で 3km 程度離れていることから、移動経路の
遮断・阻害への影響は小さいものと予測する。
(iv)濁水の流入による生息環境の悪化
事業実施に伴う濁水の流入による生活環境の悪化を回避・低減するための環境保
全措置として、
「改変部分には必要に応じて素堀側溝、浸透桝を設置することにより
濁水の流出防止を図る」こととした。
濁水の流入による生息環境の悪化に係る影響予測は、第 8.1.3-83 表のとおりである。
第 8.1.3-83 表
種名
エゾサンショウウオ
濁水の流入による生息環境の悪化に係る影響予測
濁水の流入による生息環境の悪化
現地調査結果及び生息環境
影響予測
対象事業実施区域外の林道 対象事業実施区域外での確認であること、さらに、
上の水たまりで確認されて 改変区域とエゾサンショウウオ確認地点は、直線
いる。主に樹林地に生息す 距離で 3km 程度離れていること、環境保全措置を
る。
講じることから、濁水の流入による生息環境の悪
化への影響は小さいものと予測する。
8.1.3-203
(555)
(オ) 昆虫類
事業の実施による重要な昆虫類への環境影響要因として、以下の 3 点を抽出した。
また、環境影響要因と重要な昆虫類との関係を第 8.1.3-84 表に示した。
・ 改変による生息環境の減少・喪失
・ 夜間照明による誘引
・ 濁水の流入による生息環境の悪化
第 8.1.3-84 表
環境影響要因の選定(重要な昆虫類)
環境影響要因
改変による
生息環境の
減少・喪失
夜間照明に
よる誘引
濁水の流入に
よる生息環境
の悪化
ナツアカネ
○
-
○
エゾアカネ
○
-
○
ヒメリスアカネ
○
-
○
ババアメンボ
○
-
○
オオコオイムシ
○
-
○
ケシゲンゴロウ
○
○
○
マルガタゲンゴロウ
○
○
○
ガムシ
○
○
○
ジャコウカミキリ
○
-
-
キクスイカミキリ
○
-
-
アオバアシナガハムシ
○
-
-
ツノアカヤマアリ
○
○
-
エゾアカヤマアリ
○
○
-
モンスズメバチ
○
○
-
チャイロスズメバチ
○
-
-
ニッポンハナダカバチ
○
-
-
キタシリアカニクバエ
○
-
-
エダガタニクバエ
○
-
-
キタアカシジミ北日本亜種
○
-
-
ヒメシロシタバ
○
○
-
種名
注:「○」は選定、「-」は該当しないことを示す。
8.1.3-204
(556)
i. 分布・生態的特徴
重要な昆虫類の分布・生態的特徴を第 8.1.3-85 表に示す。
第 8.1.3-85 表(1)
種名
ナツアカネ
エゾアカネ
ヒメリスアカネ
ババアメンボ
オオコオイムシ
ケシゲンゴロウ
マルガタゲンゴロウ
ガムシ
分布・生態的特徴
分布・生態的特徴
北海道,本州、佐渡、四国、九州、種子島、奄美、西表に分布する。主に
平地から低山地の丈があまり高くない挺水植物がおい茂る池沼や湿地・湿
原・水田・溝等に生息するが、市街地の社寺の境内池等人工的な小水域に
もしばしば住んでいる。
参考:
「原色日本トンボ幼虫・成虫大図鑑」
(北海道大学図書刊行会、平成 11 年)
北海道に分布する。主に寒冷地の挺水植物がおい茂る湿原に生息する。幼
虫は挺水植物の根ぎわや、浅い水底の植物性沈積物の陰等に潜んで生活し
ている。国内では北海道東部に分布し、北海道の日本海側や青森、秋田県
でも飛来個体と思われる記録がある。産地はかなり局地的である。
参考:
「原色日本トンボ幼虫・成虫大図鑑」
(北海道大学図書刊行会、平成 11 年)
「日本のトンボ」
(文一総合出版、平成 24 年)
リスアカネの北海道亜種で、北海道のほぼ全域に分布しているが産地は局
地的である。主に森林におおわれたやや鬱閉的な挺水植物がおい茂る植物
性沈積物の多い池沼や湿地に生息する。
参考:
「原色日本トンボ幼虫・成虫大図鑑」
(北海道大学図書刊行会、平成 11 年)
日本では北海道から本州に分布する。ヨシ、ガマ等の抽水植物の多い池沼
に生息し、水面に落ちた小昆虫を捕食する。水面を素早く滑走するが、活
動範囲は植物のある範囲に限られ、閉鎖水面を好む。
参考:「日本産水生昆虫-科・属・種への検索-」
(東海大学出版会、平成 17 年)
「レッドデータブックやまぐち」
(山口県、平成 13 年)
日本では北海道、本州、四国、九州に分布する。水生植物が繁茂した浅い
池や、湿地、休耕田等にみられるが、丘陵地から山地に多く、水深が浅く
て水温が低い環境に生息する。雌は雄の背面に卵を産み付け、雄はそれを
孵化するまで保護する。
参考:「日本産水生昆虫-科・属・種への検索-」
(東海大学出版会、平成 17 年)
「福井県のすぐれた自然(動物編)
」
(福井県、平成 11 年)
北海道、本州、四国、九州、南西諸島(トカラ、沖永良部島)に分布する。
池沼、水田、湿地等の止水域に広く普通にみられ、灯火にも飛来する。成
虫は一年中出現する。
参考:「改訂版 図説日本のゲンゴロウ」
(文一総合出版、平成 14 年)
北海道、本州、四国、九州に分布する。北海道では北部を除いて広く分布
している。平地や丘陵地の休耕田、放棄水田、池沼等の水域に生息してい
る。昔は比較的どこでもみられた種類であるが、現在では水質や環境の良
好な水域に限って生息している。灯火にも飛来する。
参考:「改訂版 図説日本のゲンゴロウ」
(文一総合出版、平成 14 年)
北海道、本州、四国、九州に分布する。池沼や水田等にすみ、成虫は 1 年
中みられ、水藻等を食べている。卵は卵嚢につつまれて水面の水草等に付
着し、水上に管を出す。幼虫は夏に現れ、肉食性で他の昆虫を捕食する。
灯火にもよく飛来する。
参考:「学研生物図鑑 昆虫Ⅱ 甲虫」
(学習研究社、昭和 58 年)
「日本産水生昆虫-科・属・種への検索-」
(東海大学出版会、平成 17 年)
8.1.3-205
(557)
第 8.1.3-85 表(2)
分布・生態的特徴
種名
ジャコウカミキリ
キクスイカミキリ
アオバアシナガハムシ
ツノアカヤマアリ
エゾアカヤマアリ
モンスズメバチ
チャイロスズメバチ
ニッポンハナダカバチ
キタシリアカニクバエ
分布・生態的特徴
北海道に分布する。成虫は 6 月~8 月に現れ、昼間活動しヤナギ類の木に
集まる。幼虫もヤナギ類、ポプラ、ドロノキ、ヤマナラシ等の生木の中や、
枝の材部を食べて育ち 3~4 年後に成虫になると考えられている。
参考:「学研生物図鑑 昆虫Ⅱ 甲虫」
(学習研究社、昭和 58 年)
北海道、本州、四国、九州に分布する。成虫は 4 月~7 月に現れ、キク、
ヨモギ等キク科植物の茎をかじり、幼虫はこれらの植物の茎の中で生活
し、蛹化する。年内に羽化するが翌春まで土中で越冬する。
参考:「原色日本甲虫図鑑 Ⅳ」
(保育社、昭和 59 年)
「学研生物図鑑 昆虫Ⅱ 甲虫」
(学習研究社、昭和 58 年)
北海道、本州、九州に分布する。生活史や食餌植物等の詳細については不
明である。小樽市での採集記録では河口やカシワ林付近で採集されてい
る。九州では標高 600m のケヤキの樹皮下で確認されている。
参考:
「北海道レッドデータブック」
(北海道、平成 13 年)
「小樽市新川河口地区昆虫相調査報告(5)
」
(小樽市総合博物館紀要 第 25 号、平成 24 年)
「九州初記録のアオバアシナガハムシ」
(月刊むし No.429、平成 18 年)
北海道、本州に分布する。普通単独で営巣するが、クロヤマアリやヤマク
ロヤマアリに一時的寄生をすることがある。小規模の塚を枯れ草でつく
る。アブラムシやカイガラムシに集まる。
参考:「日本産アリ類の検索と解説(Ⅱ)
」
(日本蟻類研究会、平成 3 年)
北海道南西部、本州中部以北に分布する。比較的明るいところに単独で営
巣し、枯れ草や針葉樹の落ち葉で作られた塚は直径 1m ほどにもなる。単
独で営巣している場合もあるが、雌アリは働きアリにくらべてそれほど大
きくないので、ツノアカヤマアリのように、クロヤマアリ類に一時的寄生
をする可能性がある。羽アリの飛出は 8 月である。
参考:「日本産アリ類の検索と解説(Ⅱ)
」
(日本蟻類研究会、平成 3 年)
北海道、本州、四国、九州に分布する。営巣場所は樹洞、屋根裏、土中等
の閉鎖空間で、途中で巣を引っ越すことがある。幼虫の餌は主に各種のセ
ミ類で、バッタやトンボ等も狩る。攻撃性、威嚇性ともに強く、働きバチ
は夜間も活動することがある。
参考:「スズメバチはなぜ刺すか」
(北海道大学図書刊行会、昭和 63 年)
北海道、本州に分布。寄生性のスズメバチで、女王はモンスズメバチ等の
巣に侵入して女王を殺し、変わって産卵を行い、巣を乗っ取り最後にはす
べてチャイロスズメバチになる。営巣場所は樹洞、屋根裏、土中等の閉鎖
空間。幼虫の餌はフキバッタ等の直翅目が多いが、各種昆虫やクモ等もみ
られる。ヤナギ、コナラ等の樹液も訪れる。
参考:「スズメバチ類の比較行動学」
(北海道大学図書刊行会、昭和 59 年)
「日本の有害節足動物」
(東海大学出版会、平成 9 年)
北海道、本州、四国、九州に分布する。砂質の土中に 40~50cm の坑道を
掘り、その奥をひろげて房室とし、獲物を運び込み産卵する。獲物は、ハ
エ、アブ類の成虫で、幼虫の成長に併せて随時給餌する。
参考:「狩蜂生態図鑑」
(全国農村教育協会、平成 24 年)
日本では北海道にのみ分布する。山地林道沿いの植物の葉上等でみられる
が、稀である。
参考:「Fauna Japonica Sarcophagidae」
(Biogeographical Society of Japan、昭和 42 年)
8.1.3-206
(558)
第 8.1.3-85 表(3)
分布・生態的特徴
種名
エダガタニクバエ
キタアカシジミ北日本亜
種
ヒメシロシタバ
分布・生態的特徴
日本では北海道にのみ分布する。北海道ではオロフレ山等で採集されてい
る。
参考:「Fauna Japonica Sarcophagidae」(Biogeographical Society of Japan、
昭和 42 年)
北海道、青森県、岩手県、秋田県、福島県、広島県に局地的に分布する。
年 1 回発生し、海岸のカシワ林あるいは山地のカシワ林を主体とした落葉
広葉樹林に生息する。北海道では 7 月に発生する。卵はアカシジミと異な
り、卵塊で産卵される。越冬態は卵。野外での食樹はカシワである。
参考:「日本産蝶類標準図鑑」
(学研教育出版、平成 18 年)
北海道、本州、四国、九州に分布する。年 1 化で、6 月中旬から出現し、
10 月中旬までみられる。寄主植物はカシワである。
参考:「日本産蛾類標準図鑑Ⅱ」(学研教育出版、平成 23 年)
8.1.3-207
(559)
ii.影響予測
(i)改変による生息環境の減少・喪失
事業実施に伴う改変による生息環境の減少・喪失への影響を回避・低減するため
の環境保全措置として、
「作業ヤードとしての造成範囲は、必要最小限にとどめる」
こととした。
改変による生息環境の減少・喪失に係る影響予測は、第 8.1.3-86 表のとおりである。
第 8.1.3-86 表(1)
種名
ナツアカネ
エゾアカネ
ヒメリスアカネ
ババアメンボ
オオコオイムシ
ケシゲンゴロウ
マルガタゲンゴロウ
ガムシ
ジャコウカミキリ
改変による生息環境の減少・喪失に係る影響予測
改変による生息環境の減少・喪失
現地調査結果及び生息環境
影響予測
対象事業実施区域外のカシ
ワ群落やヤナギ高木群落、ヨ
シ群落沿い等で確認されて
いる。挺水植物がおい茂る池
沼や湿原に生息する。
対象事業実施区域外のカシ
ワ群落周辺の比較的規模の
大きな水たまり等で確認さ
れている。水生植物が繁茂し
た池沼、水田、湿地等に生息
する。
対象事業実施区域外のヤナ
ギ高木群落等で確認されて
いる。食樹であるヤナギやド
ロノキ、ヤマナラシ等が生育
する樹林に生息する。
対象事業実施区域外での確認であり、さら
に、これらの種の生息環境となりうる池沼等
の水域は改変されないことから、改変による
生息環境の減少・喪失に係る影響はないもの
と予測する。
対象事業実施区域内外の草
地で確認されている。食草で
あるキク科植物が生育する
草地に生息する。
キクスイカミキリ
8.1.3-208
(560)
対象事業実施区域外での確認であるが、本種
の生息環境を勘案した場合、対象事業実施区
域内にも生息している可能性がある。しかし
ながら、本種の主要な生息環境に該当するヤ
ナギ高木群落の改変率は 9.26%であること
(第 8.1.3-62 表)から、改変による生息環境
の減少・喪失に係る影響は小さいものと予測
する。
対象事業実施区域内及び区域外で確認され
ており、改変区域には本種の主な生息環境で
ある草地環境が含まれることから、改変によ
り生息環境が減少・喪失する可能性が考えら
れる。しかしながら、本種の主な生息環境に
該当し、食草であるキク科の植物(外来種含
む)が生育すると考えられるススキ群落、カ
モガヤ-オオアワガエリ群落、オオイタドリ
群落、オオアワダチソウ群落の改変率は、そ
れぞれ 8.71%、24.78%、0%、0%であるこ
と(第 8.1.3-62 表)
、外来種も含めたキク科
植物を含むこれらの群落は対象事業実施区
域周辺にも広く分布することから、改変によ
る生息環境の減少・喪失に係る影響は小さい
ものと予測する。
第 8.1.3-86 表(2)
種名
アオバアシナガハムシ
ツノアカヤマアリ
エゾアカヤマアリ
モンスズメバチ
チャイロスズメバチ
ニッポンハナダカバチ
キタシリアカニクバエ
改変による生息環境の減少・喪失に係る影響予測
改変による生息環境の減少・喪失
現地調査結果及び生息環境
対象事業実施区域外のカシワ
群落周辺の樹林地で確認され
ている。本種の生息環境の詳
細については不明であるが、
確認環境から樹林地周辺に生
息していると考えられる。
影響予測
対象事業実施区域外での確認であるが、本種
の生息環境を勘案した場合、対象事業実施区
域内にも生息している可能性がある。しかし
ながら、本種の生息環境に該当する可能性が
高いカシワ群落、ハンノキ-ヤチダモ群落は
対象事業実施区域外であり改変されないこ
と、ヤナギ高木群落、エゾイタヤ-ミズナラ
群落の改変率は、9.26%、0.41%であること
(第 8.1.3-62 表)から、改変による生息環境
の減少・喪失に係る影響は小さいものと予測
する。
対象事業実施区域外のカシ 対象事業実施区域外での確認であるが、両種
ワ群落周辺や草地で巣や個 の生息環境を勘案した場合、対象事業実施区
体が確認されている。樹林地 域内にも生息している可能性がある。しかし
林縁部や草地の比較的明る ながら、多くの巣が分布するハマナス群落な
い場所に生息する。
どの海浜部分は改変しないこと、両種の主な
生息環境に該当するクマイザサ群落、オオイ
タドリ群落、オオアワダチソウ群落は対象事
業実施区域外であり改変されないこと、スス
キ群落、カモガヤ-オオアワガエリ群落は一
部改変される(前者 8.71%、後者 24.78%、
第 8.1.3-62 表)ものの、造成跡地に成立して
いるこれらの群落は周辺にも広く分布して
いることから、改変による生息環境の減少・
喪失に係る影響は小さいものと予測する。
対象事業実施区域外のカシ 対象事業実施区域外での確認であるが、両種
ワ群落や防風林等の樹林地 の生息環境を勘案した場合、対象事業実施区
周辺で確認されている。主に 域内にも生息している可能性がある。しかし
樹林地に生息する。
ながら、両種の主な生息環境に該当するカシ
ワ群落、ハンノキ-ヤチダモ群落は対象事業
実施区域外であり改変されないこと、ヤナギ
高木群落、エゾイタヤ-ミズナラ群落の改変
率は、9.26%、0.41%であること(第 8.1.3-62
表)から、改変による生息環境の減少・喪失
に係る影響は小さいものと予測する。
対象事業実施区域外の草地 対象事業実施区域外での確認であるが、本種
等で確認されている。海岸や の生息環境を勘案した場合、対象事業実施区
河川敷の砂地や砂質の草地 域内にも生息している可能性がある。しかし
等に生息する。
ながら、本種の主な生息環境と考えられるオ
オアワダチソウ群落、ハマナス群落は対象事
業実施区域外であり改変されないこと、スス
キ群落、カモガヤ-オオアワガエリ群落は一
部改変される(前者 8.71%、後者 24.78%、
第 8.1.3-62 表)ものの、造成跡地に成立して
いるこれらの群落は周辺にも広く分布して
いることから、改変による生息環境の減少・
喪失に係る影響は小さいものと予測する。
対象事業実施区域外の広葉 対象事業実施区域外での確認であるが、本種
樹林や海岸草地で確認され の生息環境を勘案した場合、対象事業実施区
ている。本種の生息環境の詳 域内にも生息している可能性がある。しかし
細については不明であるが、 ながら、本種の生息環境に該当する可能性が
確認環境から、樹林地や海岸 高いカシワ群落、ハンノキ-ヤチダモ群落、
草地周辺に生息していると ハマナス群落は対象事業実施区域外であり
考えられる。
改変されないこと、ヤナギ高木群落、エゾイ
タヤ-ミズナラ群落の改変率は、9.26%、
0.41%であること(第 8.1.3-62 表)から、改
変による生息環境の減少・喪失に係る影響は
小さいものと予測する。
8.1.3-209
(561)
第 8.1.3-86 表(3)
改変による生息環境の減少・喪失に係る影響予測
改変による生息環境の減少・喪失
現地調査結果及び生息環境
影響予測
種名
対象事業実施区域外の広葉樹林や
防風林で確認されている。本種の生
息環境の詳細については不明であ
るが、確認環境から、樹林地周辺に
生息していると考えられる。
エダガタニクバエ
キタアカシジミ北日本亜
種
ヒメシロシタバ
対象事業実施区域外のカシワ群落
周辺で確認されている。海岸のカシ
ワ群落等、食樹であるカシワを主体
とした落葉広葉樹林に生息する。
対象事業実施区域外のカシワ群落
周辺で確認されている。食樹である
カシワを主体とした落葉広葉樹林
に生息する。
対象事業実施区域外での確認であ
るが、本種の生息環境は、対象事業
実施区域内にも存在している可能
性がある。しかしながら、本種の生
息環境である可能性が高いカシワ
群落、ハンノキ-ヤチダモ群落は対
象事業実施区域外であり改変され
ないこと、ヤナギ高木群落、エゾイ
タヤ-ミズナラ群落の改変率は
9.26 % 、 0.41 % で あ る こ と ( 第
8.1.3-62 表)から、改変による生息
環境の減少・喪失に係る影響は小さ
いものと予測する。
対象事業実施区域外での確認であ
り、さらに、両種の生息環境である
カシワ群落は対象事業実施区域外
であり改変されないことから、改変
による生息環境の減少・喪失に係る
影響はないものと予測する。
(ii)夜間照明による誘引
事業実施に伴う夜間照明の影響を回避・低減するための環境保全措置として、
「ラ
イトアップは行わない」こととした。
夜間照明による誘引に係る影響予測は、第 8.1.3-87 表のとおりである。
第 8.1.3-87 表
種名
ケシゲンゴロウ
マルガタゲンゴロウ
ガムシ
ツノアカヤマアリ
エゾアカヤマアリ
モンスズメバチ
ヒメシロシタバ
夜間照明による誘引に係る影響予測
夜間照明による誘引
現地調査結果及び生態特性
影響予測
対象事業実施区域外のカシワ群落
周辺の比較的規模の大きな水たま
り等で確認されている。成虫は走
光性があり、照明に誘引される可
能性がある。
対象事業実施区域外のカシワ群落
周辺や草地で巣や個体が確認され
ている。羽アリは走光性があり、
照明に誘引される可能性がある。
対象事業実施区域外のカシワ群落
や防風林等の樹林地周辺で確認さ
れている。成虫は夜間も活動し、
走光性があるため、照明に誘引さ
れる可能性がある。
これらの種は夜間照明に誘引される
可能性があるが、本事業ではライト
アップを行わず、夜間の照明は航空
障害灯に限られることから、夜間照
明による誘引に係る影響は小さいも
のと予測する。
8.1.3-210
(562)
(iii)濁水の流入による生息環境の悪化
事業実施に伴う濁水の流入による生活環境の悪化を回避・低減するための環境保
全措置として、「改変部分には必要に応じて素堀側溝、浸透桝を設置することにより
濁水の流出防止を図る」こととした。
濁水の流入による生息環境の悪化に係る影響予測は、第 8.1.3-88 表のとおりである。
第 8.1.3-88 表
種名
ナツアカネ
エゾアカネ
ヒメリスアカネ
ババアメンボ
オオコオイムシ
ケシゲンゴロウ
マルガタゲンゴロウ
ガムシ
濁水の流入による生息環境の悪化に係る影響予測
濁水の流入による生息環境の悪化
現地調査結果及び生息環境
影響予測
対象事業実施区域外のカシワ群落
やヤナギ高木群落、ヨシ群落沿い
等で確認されている。挺水植物が
おい茂る池沼や湿原に生息する。
これらの種は対象事業実施区域外で
確認されたこと、さらに、これらの
種の生息環境となりうる池沼等の水
域の改変はされないこと、また、そ
れらの水域の近隣で改変は行わない
ことから、濁水の流入による生息環
境への影響はないものと予測する。
対象事業実施区域外のカシワ林周
辺の比較的規模の大きな水たまり
で確認されている。水生植物が繁
茂した池沼、水田、湿地等に生息
する。
対象事業実施区域外のカシワ林沿
いの水たまり周辺や放水路沿いで
確認されている。池沼や水田等に
生息する。
8.1.3-211
(563)
(カ) キタホウネンエビ
事業の実施によるキタホウネンエビへの環境影響要因として、以下の 2 点を抽出し
た。また、環境影響要因とキタホウネンエビとの関係を第 8.1.3-89 表に示した。
・改変による生息環境の減少・喪失
・濁水の流入による生息環境の悪化
第 8.1.3-89 表
環境影響要因の選定(その他の重要な種)
環境影響要因
改変による
濁水の流入に
生息環境の
よる生息環境
減少・喪失
の悪化
種名
キタホウネンエビ
○
○
注:「○」は選定、「-」は該当しないことを示す。
i. 分布・生態的特徴
キタホウネンエビの分布・生態的特徴を第 8.1.3-90 表に示す。
第 8.1.3-90 表
種名
キタホウネンエビ
分布・生態的特徴
分布・生態的特徴
成体で体長 20mm 前後の、腹部にある 11 対の遊泳脚で腹部を上にして泳ぐ、や
や遊泳力のある大型プランクトンで、大型鰓脚類に分類される。日本固有種で、
北海道の石狩海岸地域と、青森県のむつ市、東通村に生息が知られている。春
に雪が解けて水がたまるような窪地に生息する。1 か月程で成体となって、交
尾する。水たまりは初夏までには干上がり、成体は死ぬ。卵は残り休眠し、次
年の雪解けの水がたまるまでは発生しない。
参考:
「青森県レッドデータブック(2010 年改訂版)」
(青森県、平成 22 年)
8.1.3-212
(564)
ii.影響予測
(i)改変による生息環境の減少・喪失
事業実施に伴う改変による生息環境の減少・喪失への影響を回避・低減するため
の環境保全措置として、
「作業ヤードとしての造成範囲は、必要最小限にとどめる」
こととした。
改変による生息環境の減少・喪失に係る影響予測は、第 8.1.3-91 表のとおりである。
第 8.1.3-91 表
種名
キタホウネンエビ
改変による生息環境の減少・喪失に係る影響予測
改変による生息環境の減少・喪失
現地調査結果及び生息環境
影響予測
対象事業実施区域外の融雪
プールの 10 か所において、
生息が確認された。
なお、本調査では対象事業実
施区域周辺にて計 31 か所の
融雪プールが確認されたが
(本種の確認、未確認を含め)、
いずれも対象事業実施区域
外に分布していた。
対象事業実施区域外での確認であり、本種の
生息する融雪プールは直接的な改変箇所で
はないこと、本種の生息水域周辺に広がる樹
林地の主体となるカシワ群落は対象事業実
施区域外であり改変されないこと(第
8.1.3-62 表)から、改変による生息環境の減
少・喪失に係る影響はないものと予測する。
(ii)濁水の流入による生息環境の悪化
事業実施に伴う濁水の流入による生活環境の悪化を回避・低減するための環境保
全措置として、
「改変部分には必要に応じて素堀側溝、浸透桝を設置することにより
濁水の流出防止を図る」こととした。
濁水の流入による生息環境の悪化に係る影響予測は、第 8.1.3-92 表のとおりである。
第 8.1.3-92 表
種名
キタホウネンエビ
濁水の流入による生息環境の悪化に係る影響予測
濁水の流入による生息環境の悪化
現地調査結果及び生息環境
影響予測
対象事業実施区域外の融雪
プールの 10 か所において、
生息が確認された。
なお、本調査では対象事業実
施区域周辺にて計 31 か所の
融雪プールが確認されたが
(本種の確認、未確認を含め)、
何れも対象事業実施区域外
に分布していた。
対象事業実施区域外での確認であり、本種の
生息環境となりうる融雪プールの改変はさ
れないこと、保全措置を講じることから、濁
水の流入による生息環境への影響は小さい
ものと予測する。
8.1.3-213
(565)
(c) 評価の結果
ア. 環境影響の回避、低減に係る評価
造成等の施工による一時的な影響、地形改変及び施設の存在並びに施設の稼働にお
ける重要な種への影響を低減するための環境保全措置は、次のとおりである。
・ 工事にあたっては、可能な限り低騒音・低振動型の建設機械を使用する。
・ 対象事業実施区域内の搬入路を工事関係車両が通行する際は、十分に減速し、動物
が接触する事故を未然に防止する。
・ 作業ヤードとしての造成範囲は、必要最小限にとどめる。
・ 改変区域外への必要以上の立ち入りを制限することにより、動物の生息環境を保全
する。
・ 対象事業実施区域内の風力発電機から変電所に至る区間は原則として送電線を地中
埋設することで、鳥類等の移動経路を確保する。
・ 改変部分には必要に応じて素堀側溝、浸透桝を設置することにより濁水の流出防止
を図る。
・ 鳥類や昆虫類が夜間に衝突・誘引する可能性を低減するため、ライトアップは行わ
ないこととする。また、航空法上必要な航空障害灯については、鳥類を誘引しにく
いとされる閃光灯を採用する。
・ 定期的に開催する会議等を通じ、環境保全措置の内容について、工事関係者に周知
徹底する。
これらの環境保全措置を講じることにより、造成等の施工による一時的な影響、地
形改変及び施設の存在並びに施設の稼働における重要な種への影響は、現時点におい
て実行可能な範囲内で回避、低減が図られているものと評価する。しかしながら、バー
ドストライクについては、衝突確率等の既往文献等がほとんどないため、予測に不確
実性を伴うことから、事後調査を実施する。事後調査の結果より、バードストライク
の懸念が著しく生じると判断した場合には、専門家の指導や助言を得てさらなる効果
的な環境保全措置を検討することとする。
8.1.3-214
(566)
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