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投資用不動産は個人所有か法人所有か?

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投資用不動産は個人所有か法人所有か?
税務セミナー
税務セミナ ー
法人所有の効果向上策のケーススタディ
法人所有の効果向上策の1つとして、私募社債を活用したケースをご紹介いたします。
●私募社債活用のしくみ
9,000万円
1.
投資用不動産を不動産保有法人
(株式会社に限る、妻が社長)名義で所有します。
2.
法人から夫へ、
「社債(私募に限る)」発行することに
より、不動産購入資金を捻出します。
社
債
発
行
3.
法人から夫へ、社債利息を支払います。
土地建物
売主
社
債
利
息
不動産
保有法人
購入代金
1億
法人経費
90万
社債利息
270万
ご本人
高額所得
給 与
給与
90万
奥様
購
入
賃料 600万円
賃貸借契約
収益
不動産
投資用不動産は 個人所有か法人所有か?
投資用不動産を購入するケースに お いて 、個人名義で所有するのと、法人名義で保有するのと、税務上どち
らがメリットがあるのだろうか?とういうご質問をよくい ただきます 。今号では 、より、効率的な資産形成を行
うために 、個人所有と法人所有のメリット、デメリットを整理 、研究してみることにしましょう。
テナント
●具体的効果 夫が受け取る社債利息は総合課税されず、20%の源泉分離課税となるので、手取り額が増額します。
PL
BS
所有形態別のメリット・デメリット
個人所有の場合
法人所有の場合
不動産
保有法人
ご本人高額所得
不動産
保有法人
不動産 1億円
社債 9,000 万円
資本金 1,000 万円
賃料収入
600万円
給与
△90万円
社債利息
△270万円
建物減価償却 △150万円
メリット ○
メリット ○
その他経費
①すべての収入からすべての経費を控除して課税所得を求め ①不動産の時価と相続税評価額との乖離が期待できる。
②不動産譲渡所得が生じても20%(5年超所有)の税金で済む。
るため、必要経費の幅が広い。
②妻を社長にすることで、所得分散が可能となる。
③不動産譲渡損が生じても他の法人利益と相殺可能であり、さら
に欠損金について7年間繰越控除ができる。
デメリット×
②不動産所得に対する税金が累進税率(15%∼50%)により
高くつく。
①不動産の時価と相続税評価額との乖離があまり期待できない。
②運営に人的・物的経費がかかる。
康保険税・介護保険料・国民年金(第三号被保険者から外れる)
(他の不動産譲渡所得のみと通算可)
手取額90万円・・・③
奥様への給料90万円は、
扶養の範囲で税金0。
(手元キャッシュ 150万円)・・・ ①
法人個人
手取合計
①+②+③
ご本人名義で所有した場合 ③妻へ所得分散することで、妻に対する所得税・住民税・国民健
③不動産譲渡損が生じた場合には切り捨てとなる。
手取額 216万円・・・②
社債利息270万(9,000万×3%)
−源泉税54万(20% 分離課税)
利益0:税金0
奥様
456万円
デメリット×
①不動産収入に対する必要経費には限界がある。
ご本人
高額所得
がかかる。
賃料収入600万−課税経費240万(150万+90万)=360万
×50%(税率)=所得税等180万
賃料収入600万−その他経費90万−所得税等180万=
手取額 330万円
△90万円
手取額
126万円増
個人手取額
330万円
所有形態別の効果比較
税務上、個人名義で所有する方がよいか、法人名義で保有する方がよいかは、
ご本人が何を重視して投資用不動産を所有するのかということによります。
賃貸所得の
税金と対策
必要経費の
自由度
譲渡益の税金
譲渡損の通算・繰越
相続対策
個人所有
×
×
○
×
◎
相続対策重視・譲渡益の期待
法人所有
◎
○
×
◎
×
長期保有・譲渡益は期待しない・現役世代
例えば一般的に、相続税対策重視の場合は、個人名義で所有した方が効果がありますし、資産規模
にもよりますが、長期保有をお考えであれば、法人名義で所有することを検討することも一考です。
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