Comments
Description
Transcript
まちづくり構想の骨子案 (PDF書類, 3870113 byte)
各検討グループ等による まちづくり構想(骨子案) 資料1 道路・交通グループ 資料2 防災・防犯グループ 資料3 商業環境グループ 資料4 コミュニティグループ 資料5 居住環境グループ 資料6 歴史・文化グループ 資料7 南北連携検討会 ※この資料は、平成 26 年度に各検討グループ等で作成された まちづくり構想(骨子案)です。今後、この骨子案を基に、荻窪 まちづくり会議としてのまちづくり構想を取りまとめていき ます。 資料1 まちづくり構想骨子案(道路・交通) 【道路交通に関する現状と課題】 【まちづくりの目標像】 『人にやさしくて、歩きたくなるまち』 【まちづくりの方向性】 1 歩行者の安全性を基本とした道路環境の改善 (1)自転車と歩行者の動線分離など歩行者の安全性確保 (2)生活道路の交通安全対策の検討 (3)駅前の自転車駐輪対策の推進 2 歩行者動線のバリアフリー化 (1)安全・快適な歩行者空間の形成 (2)無電柱化(電線類の地中化)の促進 (3)わかりやすい交通誘導の検討 1 ※このたたき台は本グループの議論を基に文章化したものです。 最終的には他グループの検討内容等を踏まえ、修正や調整が必要になります。 【まちづくり構想のたたき台】 【現状と課題】 ● 幹線道路などの自転車走行に係る問題 <青梅街道> ・青梅街道の車道には荷捌き車両などの停車が多く、車道を走行して広域移動する自転車に危険 な状況がみられます。 ・また、歩道では、歩行者と買物や通勤・通学などの自転車走行も多く、特に交差点付近の歩道 や横断歩道は、歩行者と自転車の交錯の危険性がある状況です。 ・青梅街道の車道や歩道を走行する自転車のスピードも速く、杉並公会堂のコンサートが終わっ た後などは、青梅街道の歩道は人であふれてしまう状況です。 ・また、沿道にバス停留所のある区間では、実質的に車線数が制限され、車道の自転車走行の障 がいとなっており、青梅街道の歩行者空間や自転車走行空間の確保には、バス停留所やバスレ ーンなどの改善との関係を考慮する必要があります。 <環八通り> ・環八地下道の車道を自転車で通行するのが困難であることから、JR中央線との立体交差区間 は、環八通りの広域的な自転車ネットワークのボトルネックとなっています。 ・6車線区間の歩道は狭い上に電柱の突出などがあるため、歩行者や自転車が通行しにくい状況 です。その一方で、4車線区間の歩道は通勤・通学などの自転車走行も多く、自転車がスピー ドを出しやすくなっており、歩行者と自転車の交錯の危険性がある状況です。 ・また、すずらん通りなど環八通りを横断する道路の歩行者・自転車交通量が多く、交差点での 交通事故が比較的多くなっています。 ● 自転車走行のモラルの問題 ・青梅街道の歩道は「自転車通行可」となっていますが、自転車は道路交通法上の軽車両であり、 歩行者がいる場合は徐行義務があります。しかし、こうした自転車走行のルールは守られてお らず、歩行者の安全性確保が第一に優先すべき原則の徹底をはかることが重要です。 ・高齢社会が進展するなか、歩行者が安心して歩けるよう、自転車走行のモラルについて注意喚 起する取組を進めていく必要があります。 ● 生活道路の交通安全に係る問題 <南口駅前通り(都市計画道路補助 131 号線)> ・南口駅前通り(都市計画道路補助 131 号線)の環八通り~南口バス通りの区間は、現在、一方 通行となっていますが、バスベイを共用していることから車道はバス交通で混雑する上、客待 ちのタクシーが行列し、荷捌車や送迎自家用車の路上駐車も多くなっており、現状は相互通行 化が困難な状況です。一方、駅への送迎や商店の荷捌き利用者にとっては、一方通行は不便な 状況となっています。このため、バスベイやタクシー乗り場、荷捌スペースや送迎用自動車の 停車場を共用する状況における、交通形態の在り方を検討する必要があります。 ・また、歩道は、交番、地下道出入口が設置されていることもあって狭くなっている上、店舗 の看板や自転車等が置かれ、歩行者空間を狭める原因となっています。 2 ※このたたき台は本グループの議論を基に文章化したものです。 最終的には他グループの検討内容等を踏まえ、修正や調整が必要になります。 <南口バス通り> ・沿道に高等学校や保健所などの公共施設、商店街が立地することもあって、歩行者や自転車・ 車椅子の通行・横断が多くなっていますが、歩行者空間が狭くて歩行者に危険な状況がみられ ます。 ・また、バス停留所にバスベイや待合スペースがないため、バス停車による交通渋滞、歩行者や 自転車の通行やバス待合の安全面で支障があります。 ・沿道の開発事業で建物のセットバックにより創出された歩道状空地がありますが、道路の路側 帯との間に段差があり、バリアフリーの歩行者空間として連続性に課題があります。 <すずらん通り> ・環八通りと青梅街道をつなぐ抜け道となっていることから自動車や自転車の通行量が多くなっ ています。また、善福寺川に向かって緩やかな下り坂となっているため、自動車や自転車がス ピードを出しやすく、自動車と自転車・歩行者の通行動線が分離されていないため危険な状況 がみられます。 ・駅周辺のなかでも駅南口周辺は歩行者の事故、特に子どもや高齢者の事故が多くなっています。 沿道には保育園があり、保育園の送迎等で混雑する夕方は、自動車がスピードを出して通行す ると危険な状況があります。 <南口仲通り> ・沿道には物販店中心の商店街が形成されており、特に、朝夕の通勤時間帯や買物時間帯の自転 車と歩行者の交通量が多く交錯する危険性があります。また、桃井第二小学校へのアクセス経 路となっており、児童が自転車でスピードを出すことがあります。 ・店舗への搬入や駅前に向かうタクシーなどの自動車が通行すると、電柱の突出などがあって歩 行者・自転車が通行できない状況になってしまいます。 <八幡通り> ・青梅街道と日大二高通りをつなぐ抜け道となっていることから、通勤・通学の歩行者・自転車 の通行、自動車の通行が多くなっています。 ・特に、天沼小学校、日大二高の通学路となっていることから、通学時間帯には自動車と通学の 歩行者・自転車の交錯の危険性がある状況です。 <教会通り> ・幅員4m未満の区間が多いなか、東京衛生病院への通院者を含む歩行者や自転車の通行量が多 く、特に、朝夕の通勤時間帯や買物時間帯には自転車と歩行者が交錯する危険性があります。 ・自動車の通行は一方通行に規制されていますが、道路幅員が狭いため、一旦、自動車が通りに 侵入すると歩行者・自転車が身動きの取れない状況になってしまいます。 <若杉通り> ・災害時の緊急輸送道路となる青梅街道と震災救援所となる旧若杉小学校、及び後方医療機関と なる東京衛生病院をつなぐ道路ですが、幅員4m未満の区間が多く、震災時には沿道の建物倒 壊による道路閉塞などにより緊急車両の通行に支障の生じる可能性があります。 ・また、青梅街道と日大二高通りをつなぐ道路であることから通勤・通学の歩行者・自転車の通 行、自動車の通行が多く、特に青梅街道入口付近での歩行者・自転車との交錯の危険性がある 3 ※このたたき台は本グループの議論を基に文章化したものです。 最終的には他グループの検討内容等を踏まえ、修正や調整が必要になります。 状況です。 <近衛通り(大田黒公園前の道路)> ・環八通りと青梅街道をつなぐ抜け道となっていることから自動車や自転車の通行量が多くなっ ています。また、善福寺川に向かって緩やかな下り坂となっており、自動車や自転車がスピー ドを出しやすく、歩道が狭い事からも、歩行者や自転車の通行に危険な状況があります。 ・駅方面から荻窪体育館に向かう人が多く、大田黒公園前の道路との交差点に信号機が設置され ていないため、横断に際して危険な状況がみられます。 ● 長期を見据えた道路拡幅への取組が必要 ・沿道に中高層建築物が立ち並んでしまった今日、道路の拡幅は一朝一夕にできるものではあり ませんが、緊急車両の通行動線の確保や歩行者・自転車の安全確保等を図るため道路拡幅が必 要な場合には、長期を見据えて拡幅整備に向けたルールづくりなどの取組を進める必要があり ます。 ● 自転車駐車に関する問題 <放置自転車> ・駅周辺には自転車放置禁止区域が決められ、区域内には区営や民営の自転車駐車場が整備され ているが、店舗前の歩道をはじめ、自転車放置禁止区域境界等に自転車が放置されるケースが 後を絶ちません。 <自転車駐車場> ・駅周辺に区営や民営の自転車駐車場が整備されているが、駅周辺の商店街での買物客用の自転 車駐車場が少なく、地下駐輪場は使いにくいという声があります。 ・杉並区では、「杉並区自転車の放置防止及び駐車場整備に関する条例(自転車条例)」により、 区内で一定規模以上の店舗や娯楽施設、学習教室等を新築、又は増築、用途変更する場合には、 一定台数の自転車駐車場の附置が義務づけられていますが、商店街では、附置義務のない小規 模店舗が多く、店舗前の歩道に放置されることも多いのが実情です。 ● 歩行者空間に存在する様々なバリア(障壁) ・まちの歩行者空間には、道路の段差や凸凹をはじめ放置自転車や立て看板、商品のはみ出し陳 列など、地域住民や来街者のモラルが原因となるバリアもあります。また、視覚障がい者誘導 用ブロックや路面に張られた各種の誘導ステッカーが剥がれて、本来、歩行者を安全に誘導す るために整備されたものが、その維持管理が不備なことにより歩行者空間のバリアとなる場合 もあります。 ・まちなかに人が休息できるところが少なく、高齢者人口が増加するなか、高齢者等が買い物や 散策に外出しやすくなるように休息スポット増やしていく必要があります。また、商店街など は地域住民のふれあいの場所としての道路空間の利活用も求められます。 ● 公共施設の維持管理や更新に要する費用の増大 ・公共施設の維持管理や更新に要する費用が増大するなか、道路や公園など身近なインフラ施設 の維持管理について地域住民も注意を払い、区と協力することで、施設の適正な状態を効率的 に維持する仕組みをつくっていく必要があります。また、維持管理費用について住民や民間事 業者の資金等を導入する工夫も重要です。 4 ※このたたき台は本グループの議論を基に文章化したものです。 最終的には他グループの検討内容等を踏まえ、修正や調整が必要になります。 ● 道路の無電柱化が必要 ・都市景観の向上をはじめ、歩行者空間の確保、地震時の電柱倒壊による道路閉塞の防止などの 観点から、駅周辺の電柱や電線をなくす無電柱化(電線類の地中化)が求められています。 ● 案内標識・誘導サインがわかりにくい ・荻窪駅周辺のまちは、道路が直角に交差せず 45 度に振れていることから方向を見失いやすい 構造になっています。そのため、特に来訪者にとっては案内標識や誘導サインが重要な要素と なりますが、わかりにくい状況にあります。 5 ※このたたき台は本グループの議論を基に文章化したものです。 最終的には他グループの検討内容等を踏まえ、修正や調整が必要になります。 【まちづくりの目標像】 人にやさしくて、歩きたくなるまち 【まちづくりの方向性】 1 歩行者の安全性を基本とした道路環境の改善 (1)自転車と歩行者の動線分離など歩行者の安全性確保 ①青梅街道等における自転車通行動線の確保 ・荻窪駅周辺の青梅街道は、都道のなかでも自転車走行空間確保の必要性が高い路線と位置付け られ、警視庁でも『自転車対策重点路線』に位置付けられています。このため、早期に自転車 走行空間の確保に向けた対策を検討するよう関係機関に求めます。 ・例えば、東京都(道路管理者) 、警視庁(交通管理者)、区、及び周辺商店会・町会等が協力し て、車道の路側空間に自転車レーンを仮設するなどの社会実験を行うことにより、歩行者と自 転車の動線分離の方向性、バスや荷捌き車両の駐車との調整方法など、当面可能な自転車走行 空間の整備手法を検討します。 ・天沼陸橋から四面道にかけての青梅街道については、長期的には、駅前広場の拡充によるバス 停留所の移設、沿道建築物のセットバックによる歩行者・自転車走行空間の拡幅整備による自 転車走行レーンの確保をめざします。そのため、沿道建築物のセットバックの誘導に向けたル ールのあり方を検討します。 ・また、青梅街道の自転車走行の迂回路となるように、旧桃園川遊歩道等を活用した安全な自転 車走行ルートづくりを検討します。 ②「自転車押し歩きエリア」などの検討 ・商店街や駅から一定の範囲においては、 「自転車押し歩きエリア」を設定し、朝夕の通勤時間 帯や買い物時間帯等において自転車の乗車走行を規制して自転車を押して歩くことを推奨す るルールを設け、歩行者の安全を最優先とするモラルの徹底を図ります。 ③自転車の徹底取り締まりと自転車運転マナー向上 ・自転車の乗り方・マナー教室の開催やわかりやすい表示・標識による啓発により、「自転車安 全利用5原則」など歩行者の安全を第一に優先する自転車走行のルールの周知徹底を図ります。 ・また、学校や地域が主体となった自転車の正しい乗り方のルールを身につける学習機会づくり を検討します。 (2)生活道路の交通安全対策 ①南口駅前通り(都市計画道路補助 131 号線)の歩行者空間等の改善の検討 ・南口駅前通り(都市計画道路補助 131 号線)については、バスベイやタクシー乗り場、送迎用 6 ※このたたき台は本グループの議論を基に文章化したものです。 最終的には他グループの検討内容等を踏まえ、修正や調整が必要になります。 自動車の停車場を共用する現状を踏まえ、歩行者空間の安全性確保や自転車走行空間の確保な どの改善検討を求めます。 ・歩道における放置自転車対策を徹底するとともに、沿道店舗の看板や商品ワゴンのはみ出しな ど、路上障害物の撤去を徹底します。 ・歩行者の横断交通量の多い駅入口付近の横断歩道では、自動車や自転車の一旦停止のルールを 徹底します。 ・長期的には、沿道の建物の建て替えにあわせて建物を自主的にセットバックさせることにより、 買物客用の自転車駐車スペースや店舗の前庭空間となるスペースの確保をめざします。 ・また、バスベイやタクシー乗り場などの交通機能の集約を図るよう、南口駅前広場の整備のた めの用地、スペースの確保を区に求めます。 ②南口バス通りの歩行者空間確保 ・歩行者と自動車・自転車の分離を基本として、歩行者空間の拡幅及び歩行者の安全確保をめざ した対策を求めます。 ・路側帯のカラー舗装等により歩行者空間の明確化を図るとともに、沿道の大規模敷地等の協力 を得て、路側帯と連続する歩道状空地の創出を図ります。 ・自動車の減速走行や横断歩道での一旦停止の徹底をはかるように路面の舗装や表示、速度規制 の見直しを求めます。 ・長期的には、沿道建築物のセットバックによる路側帯と連続した歩道状空地の確保をはじめ、 車道と分離した歩道の確保、無電柱化に向けた取組を進めます。 ③商店街や住宅地内の生活道路における自動車の通行規制・速度規制等 ・すずらん通りや南口仲通り、天沼八幡通り、教会通りなどの商店街となっている道路において は、時間帯や曜日による自動車の通行止めなど、歩行者の安全性の確保のための自動車の通行 規制を検討します。 ・駅周辺の一定の範囲は自動車の速度を 20~30 ㎞/h以下に規制し、主要な交差点や横断歩道周 辺における「ハンプ」や「狭さく」などの自動車減速措置を組み合わせて、自動車を最徐行さ せ、通り抜けを抑制するゾーン規制の導入を進めます。(※近傍の南荻窪地域(南荻窪2~3 丁目、西荻窪3~4丁目)ではすでに「ゾーン 30」を導入しています。 ) ・また、前述のように、 「自転車押し歩きエリア」を設定し、朝夕の通勤時間帯や買い物時間帯 等において自転車の乗車走行を規制して自転車を押して歩くことを推奨するルールを設け、歩 行者の安全を最優先とするモラルの徹底を図ります。 ④路上障害物の除去など安全な歩行者空間確保の検討 ・道路の歩行者動線における放置自転車対策を徹底するとともに、沿道店舗の看板や商品ワゴン のはみだしなど、路上障害物の撤去を徹底します。 ・降雪時の雪かきをはじめ、路上ステッカーのはがれや路面の劣化による凹凸などの生活道路の 維持管理について、地域住民と区が連携した仕組みを検討します。 7 ※このたたき台は本グループの議論を基に文章化したものです。 最終的には他グループの検討内容等を踏まえ、修正や調整が必要になります。 ⑤若杉通りの拡幅整備の検討 ・若杉通りは、地域の震災救援所(旧若杉小学校)や後方医療機関(東京衛生病院)と緊急輸送 道路(青梅街道)をつなぐ道路であり、震災時に道路閉塞を起こすことなく円滑に緊急車両が 通行でき、延焼抑止効果のある道路となるよう、幅員6mへの拡幅整備を推進します。 ⑥近衛通り(大田黒公園前の道路)の交通規制の検討 ・地域の公共施設や歴史・文化資源を安全・快適に回れる散策動線となるよう、歩行者の安全性 と快適な沿道空間整備をめざします。 ・路側帯のカラー舗装等により歩行者空間を明確にするとともに、沿道の大規模敷地等の協力を 得て、路側帯と連続する歩道状空地の創出を図ります。 ・自動車の減速走行や横断歩道での一旦停止の徹底をはかるよう路面の舗装や表示、速度規制の 見直し、荻窪体育館に向かう道路との交差点等での歩行者用信号機の設置検討等を求めます。 ・長期的には、南口バス通りの交通機能との関係を考慮しつつ、沿道建築物のセットバックによ る歩道状空地の確保をはじめ、車道と分離した歩道の確保、無電柱化に向けた取組を進めます。 (3)駅前の自転車駐輪対策の推進 ①買物客用の自転車駐車場の確保方策の検討 ・自転車駐車場において時間帯により空いている駐輪スペースの買物客用の一時預かりへの活用、 各店舗や商店街における一定台数の借上げなど、既存施設の有効活用による買物客用の自転車 駐車場の確保などを検討します。 ②店舗や商店街等における自主的な自転車駐車スペースの確保 ・附置義務のない小規模な店舗等の集合する商店街における買物客用自転車駐車場の確保につい て、商店会と区が協力して検討し、対策を進めていきます。 ・放置自転車の多い駅前の商店街においては、大規模店舗の自転車駐車場における「なりすまし 駐輪」対策や地域の放置防止協力員などによる自転車放置防止活動を強化します。 2 歩行者動線のバリアフリー化 (1)安全・快適な歩行者空間の形成 ①歩行空間のバリアフリー対策 ・高齢者や障がい者等の立場で駅周辺のまちの点検を実施し、主要な歩行空間においてバリアと なる要因を把握します。点検結果を踏まえ、主要な歩行空間となる道路や公園、駅やバス停、 公共施設等のバリアフリーや誰もが使いやすくなるような改善について、道路などの管理者や 鉄道事業者に要請します。 ・また、大型店舗はもとより、日常の買い物の中心となる商店街の各店舗についても出入口の段 差の解消などの取組を進めていきます。 ・横断歩道における視覚障がい者誘導用ブロック(エスコートゾーン)の敷設推進など、誰もが 8 ※このたたき台は本グループの議論を基に文章化したものです。 最終的には他グループの検討内容等を踏まえ、修正や調整が必要になります。 安心して歩けるまちになるよう、様々な立場から安全な移動動線のネットワーク化を進めます。 ②歩行空間におけるベンチの設置など ・公園や公共施設だけでなく、バス停や商店街などまちの主要なポイントに誰もが休息できるベ ンチを設置するなど、歩いて楽しめるまちづくりを進めます。 ・商店街では、地域住民のふれあいの場所としての道路空間の利活用のあり方も検討します。 ③路上障害物の除去など安全な歩行者空間確保の検討 ・商店街では歩道上の立て看板の設置や商品のはみ出し陳列を自粛し、安全な歩行者空間の確保 に努めるとともに、買い物客が路上駐輪をしなくても済むように個々の店先や商店街として自 転車駐輪スペースを確保するように努めます。 ・特に、歩行空間に敷設された視覚障がい者誘導用ブロック上の障害物除去を徹底します。 ④地域住民の参加による道路の維持管理システムの検討 ・道路施設の適正な状態を効率的に維持するため、道路の劣化・破損などの状況を日常的に把握 できる住民の情報提供を生かした予防保全型の維持管理システムを検討します。(千葉県千葉 市の「ちばレポ(ちば市民協働レポート) 」の事例等) ・また、降雪時の雪かきや日常的な道路清掃など、地域住民が協力して道路の維持管理に取り組 む仕組みを進めます。 ・道路施設の適正な維持管理を持続させるため、ネーミングライツ等により施設の維持管理費用 を民間から確保する仕組みを検討します。(静岡県磐田市の「官民協働施策推進型ネーミング ライツ制度」の事例等) (2)無電柱化(電線類の地中化)の促進 ①幹線道路や主要な生活道路における無電中化の促進 ・青梅街道や都市計画道路補助第 131 号線における無電柱化の取組を踏まえ、歩行者空間の確保、 都市景観、災害時の電柱倒壊による道路閉塞の防止等の観点から、環八通り、及び南口バス通 りの無電柱化を推進します。 ②身近な生活道路における無電柱化の検討 ・すずらん通り、南口仲通り、教会通り等の歩道のない課題路線については、従来の電線共同溝 方式のみならず、道路幅員や沿道の土地利用状況に応じた無電柱化の新たな工法や仕組みの開 発を関連機関に要請し、長期的に無電柱化をめざします。 9 ※このたたき台は本グループの議論を基に文章化したものです。 最終的には他グループの検討内容等を踏まえ、修正や調整が必要になります。 (3)わかりやすい交通誘導の検討 ①交通標識・誘導サインの改善計画の検討 ・交通標識・誘導サインの設置にあたって、目的に応じてわかりやすい設置場所の選択や視認性 や顕示性を確保する工夫のあり方など、わかりやすい交通標識や誘導サイン計画を検討します。 ・交通標識・誘導サインを見えないようにする屋外広告等の取締り・除去について、地域住民が 協力して取組を徹底します。 ・夜間に災害が発生した場合、地域に不慣れな来街者等を周辺の一時滞在施設に誘導できるよう に夜間でもわかりやすい誘導表示のあり方を検討します。また、緊急時の情報伝達等に役立つ ように、地域コミュニティにおいて共有できる道路(通り)の名称を明確にするような取組も 検討します。 ・表示板や誘導サインにも民間事業者等の資金やノウハウを取り入れる工夫を検討します。 ②人にやさしい誰もが集えるまちづくりの促進 ・人にやさしい誰もが集えるまちをめざして、手話によるコミュニケーションが可能なまちづく り、多言語表記の誘導表示の徹底など特色あるまちづくりを進めます。 10 資料2 まちづくり構想骨子(防災・防犯) 【防災防犯に関する現状と課題】 【まちづくりの目標像】 『地域での新たな知縁の輪を隣近所で拡げることを基本に、住民自らが主体 的に取組む防災及び防犯まちづくりを推進し、自助・共助・公助による安 全・安心な街を目指す』 【まちづくりの方向性】 (1)防災まちづくり (1)-1 地域コミュニティによる防災まちづくり ①事前に自分の部屋・家・仕事場の安全性を確保するとともに対処する ②隣近所における声掛け・助け合い・救援救護 ③隣近所での初期消火活動の実施 ④近隣での助け合いの事前協議の推進 ⑤震災救援所及び広域避難場所への避難の安全確保 ⑥防災マップ・情報案内ボード等の作成と公開 ⑦日常の地域活動を通じた近隣及び地域での防災力の向上 (1)-2 地域での防災まちづくりを支える基盤づくり ①震災救援所などの防災機能の更なる向上 ②震災救援所などへの避難経路の避難機能及び安全性確認 ③荻窪駅及び駅前空間の整備 ④近隣での防災活動拠点としての公園・広場の整備 ⑤狭あい道路の拡幅整備・電柱移設の促進 ⑥電線類の地下埋設化の推進 ⑦建物の防災性能の向上と更なる密集化の防止 (1)-3 災害対策(水害)の促進 (2)防犯まちづくり (2)-1 まちの防犯体制の強化 ①地域ぐるみの通学路の見守り体制の強化 ②防犯パトロールの充実 ③防犯チェックポイントの検討 (2)-2 まちの防犯設備の充実 ①街路灯の再整備の推進 ②防犯カメラのネットワーク構築と情報管理方法の検討 1 このたたき台は本グループの議論を基に文章化したものです。 最終的には他グループの検討内容等を踏まえ、修正や調整が必要になります。 【まちづくり構想のたたき台】 【防災・防犯に関する現状と課題】 ①大震災時に課題を抱える市街地が拡がっている ・荻窪駅北側に拡がる天沼地域は、木造建物が密集し狭あいな道路が多く、大震災時には建物倒壊 や火災の危険性が高く、公園等オープンスペースも少なく、避難経路も狭く入り組んでおり、防 災上の課題を多く抱えている。 ・荻窪駅周辺地域は、震災時には多くの人々が交差し滞留することが想定される。しかし、南北方 向の歩行者動線が貧弱で、駅北口の駅前空間は狭小で、駅南口には駅前空間がない。南北方向の 主要動線の拡大と滞留できる広場空間が必要であり、比較的古いビルも多く耐震性の課題もある。 ・荻窪駅南の住宅市街地は、公園等オープンスペースも少なく、主要道路での電柱の倒壊などの危 険性もあり、防災まちづくりの課題がある。 ②自主防災組織の高齢化、固定化などにより地域での防災力が低下している ・震災時には、近隣で住民が協力して震災に立ち向かう必要があるが、防災会など地域の防災組織 は高齢化やメンバーの固定化の課題を有しており、若い方々や専門知識を有する方々の参加を働 きかけるとともに、防災組織相互の連携を深め、地域の防災力を高めていく必要がある。 ・震災救援所や広域避難場所への避難経路や、地域の防災情報が住民に判りにくい状況があり、町 なかに判り易い案内板や防災情報ボード、家庭には防災マップ等が配備される必要がある。 ・近年マンションが増加しているが、このマンションや近隣商店街、コンビニ等と近隣住民や町会 などの連携は希薄である。震災時には安否確認、災害対応備品の活用、飲み水や食料確保など多 様な側面で協力していくことが望ましく、日頃からの話し合いを継続していく必要がある。 ③善福寺川の浸水対策などを注視する必要がある ・近年、地下貯水槽や護岸整備等により、一時期よりは浸水被害は減少しているが、最近ゲリラ豪 雨など予想を超える集中豪雨も発生しており、東京都が実施する浸水対策の状況を確認し注視し ていく必要がある。 ・環状八号線とJR中央線が交差する箇所で、近年浸水した経緯があり、浸水対策を注視する必要 がある。 ・住宅市街地でも、集中豪雨により道路の冠水が一部発生している。下水道への雨水流入を抑制す るためにも、宅地内での雨水の地下浸透などを促進していく必要がある。 ④地域での相互監視力の低下による犯罪発生が懸念される ・荻窪地域は高齢化や単身居住が進んでおり、空き家も増加している。近隣で相互に気遣うことで 未然に犯罪を抑止してきた犯罪抑止力が低下傾向にある。防犯パトロールの強化や防犯カメラな どを活用するなどの方策が必要である。 ・犯罪が懸念される通学路の安全確保や地下道などの死角になりそうな場所での安全確保などへの 対策を行っていく必要がある。 2 このたたき台は本グループの議論を基に文章化したものです。 最終的には他グループの検討内容等を踏まえ、修正や調整が必要になります。 【防災・防犯まちづくりの目標像】 「地域での新たな知縁の輪を隣近所で拡げることを基本に、住民自らが主体的に取組む 防災及び防犯まちづくりを推進し、自助・共助・公助による安全・安心な街を目指す」 今後30年以内に大規模な地震災害が起こる確率は70%以上という予測があり、非常に現実的 な課題となっている。このような大規模災害時に先ず大切なのは、自らの生命・財産は自らが守る という「自助」の考え方であり、あらかじめ各自が大規模災害に備え、対処することが重要である。 その上で、地域での防災・防犯まちづくりは「共助」の考え方を基本として、お互いが助け合う 姿勢で取組んでいくことが重要である。地域での新たな知縁の輪を隣近所で拡げていくことを基礎 として、住民自らが主体的に取組む防災まちづくり及び防犯まちづくりを推進し、「共助」による 安全・安心な仕組みを構築していくことが重要である。小さな単位での防災・防犯まちづくりを日 頃から意識しイメージし、お互いに知り合い、助け合える可能性を検討し、その輪を日頃から拡げ ていくことで、荻窪地域の防災・防犯システムを構築していくことが重要である。 杉並区役所は、基礎的自治体として「公助」の役割を果たすことが求められ、このような住民に よる自助・共助の取組みを多面的に支援することが重要である。 このような自助・共助・公助による防災・防犯まちづくりを推進し、安全・安心な街として持続 的に荻窪地域が発展していくことを目指す。 ■荻窪地域の防災関連情報 3 このたたき台は本グループの議論を基に文章化したものです。 最終的には他グループの検討内容等を踏まえ、修正や調整が必要になります。 【防災・防犯まちづくりの方向性】 (1)防災まちづくり (1)-1 地域コミュニティによる防災まちづくり ①事前に自分の部屋・家・仕事場の安全性を確保するとともに対処する ・防災の原点は、先ず自らが怪我をせず無事に生き残れる条件を、あらかじめ確保しておくことで ある。 ・そのため、住戸内等での家具等の倒壊を抑止するよう、家具配置を工夫し転倒防止策を実施する。 行政はこれらに関する情報提供など多様な支援を実施していくことが求められる。 ・旧耐震基準の建物等に関しては、建物倒壊が懸念される。自らの生死に関わり近隣への影響も大 きいため、耐震診断を受けるなどして問題がある場合には耐震補強・建替えなどを検討していく。 行政においては、既に各種支援メニューを用意し実施しているが、耐震診断、除却、耐震補強、 耐震建替えなどに関して、更に施策を充実し普及するように努める。 ・大規模震災時の火災発生を未然に防止するため、通電による火災防止、準耐火建物への建替えに より防火性能の向上を図るとともに、初期消火に資する消火器などを準備し、火災防止に努める。 行政においては、火災発生防止策及び住民による初期消火活動がしやすい支援策を推進する。 ②隣近所における声掛け・助け合い・救援救護 ・大震災発生時に先ず自らの生命・財産の安全が確保できたら、次は隣近所の安否確認と助け合い である。 ・建物倒壊や家具転倒などにより、隣近所の方々が怪我していないかの安否情報確認が重要である。 このためには、常日頃から隣近所で挨拶をするなど知り合っている事が大切で、安否確認、救出・ 救護のための防災道具などを身近な場所に確保しておくことも重要である。 ・安否情報に関しては、町会あるいは防災会等での情報の一元化と更新管理が出来るよう工夫して おく必要がある。また、障害者など防災弱者に対する支援も進めていく。 ③隣近所での初期消火活動の実施 ・建物倒壊に次いで危険なのが火災発生である。日常時の火災には消火栓もあり消防車などの消火 活動が期待できるが、大震災時には消防車や消火栓等は当てにしにくい。このため住民相互が協 力して消火活動を実施することが重要であり、特に初期消火が重要である。 ・地域での防災用の貯水槽の充実、D級ポンプの配置やスタンドパイプ・消火器設置を更に進める よう、行政支援を拡充するよう働きかけるとともに、日頃から住民自ら消火訓練などを実施する。 ・また、荻窪地域には古い井戸が多く残っている。区では「災害時生活用水井戸登録制度」があり、 井戸の改修支援等を実施しているが、震災時にはこれらの水源が活用できるよう、「井戸協力の 家」の方々との情報交換を行っておき、後述する防災マップへの表示を工夫する。 ■大震災発生後の時系列での行動 事前 事 前 の 準 備 ~1・2 分 ★発生 自 分 の 身 を 守 る 2~5 分 家 族 の 安 全 確 認 火 の 始 末 ・ 消 火 (杉並区地震発生時の行動マニュアルを参照して作成) 5~10 分 家 の 避 難 経 路 確 保 家 の 安 全 確 認 情 報 収 集 ・ 連 絡 10 分~半日 隣 近 所 の 安 否 確 認 隣 近 所 の 救 出 ・ 救 護 隣 近 所 の 消 火 活 動 3 日~ 半日~3 日 非 常 用 食 料 で 生 活 備 蓄 防 災 用 品 活 用 難 場 所 へ 避 難 震 災 救 援 所 ・ 広 域 避 自 宅 の 片 づ け 再 建 避 難 所 生 活 開 始 復 旧 活 動 開 始 ※地震の発生時間(早朝、日中、夜間)発生曜日(平日・休日)、発生時期(季節)などにより、上記の 行動内容は大きく異なることに留意する必要がある。 4 このたたき台は本グループの議論を基に文章化したものです。 最終的には他グループの検討内容等を踏まえ、修正や調整が必要になります。 ④近隣での助け合いの事前協議の推進 ・例えば震災時には、倒壊しない近隣のマンションなどへ逃げ込め、近隣商店街やコンビニの食料 品などを活用させてもらうなど、あらかじめ地域住民とマンション管理組合、商店街、コンビニ 等事業者などと話し合いを行い、震災時に困らないような協定をあらかじめ締結しておくなど、 地域での防災に関する事前協議を推進し協定を締結する。 ・このため地域の町会、防災会、商店会等地域団体が働きかけていくことが重要である。 ⑤震災救援所及び広域避難場所への避難の安全確保 ・震災後に倒壊等によりやむを得ない場合は、天沼小学校、旧若杉小学校、桃井第二小学校など区 の指定した震災救援所へ避難し、大規模火災などが生じた場合は、広域避難場所へ避難すること になっており、ここでは公的支援が期待できる。 ・しかしその前に、住民自らが一時的に集合し安否情報を確認したり、救護・救助活動を行ったり、 消火活動を行ったりするための、近隣での身近な防災活動拠点が重要である。現在は、上記公立 小中学校に加え、各地に分散立地している公園・児童遊園・公共施設などがその役割を担うこと が期待され、防災道具の倉庫、スタンドパイプ、D級ポンプ配備など住民が取組む防災活動を支 える備品等をあらかじめ配備し、住民が定期的に訓練するようにしておくことが重要である。 ・その際、公園等の樹木は火災に強い樹種にするなど耐火・耐震性能を確保することも大切である。 ・また、主要な避難路沿道については、ブロック塀、家屋、電線類などの倒壊により避難に支障が ないように建物及び塀など工作物の倒壊防止を積極的に推進し、電線類の地下埋設化を進める。 ⑥防災マップ・情報案内ボード等の作成と公開 ・上記のような防災関連情報を住民参加により防災マップとして作成・更新し、各家庭に常備する とともに、駅など人が集まる場所では、視認性の高い情報案内板などを整備する。 ・現在、防災マップは町会ごとに作成されているが、荻窪地域で一定の防災的広がりを有する適正 な区域を設定し、各町会等が連携し住民参加により防災マップを作成し、各戸へ配布する。 ・この防災マップには、消火栓、貯水槽、井戸、備蓄倉庫、震災救援所、一次活動場所、避難ルー トなどきめ細かな情報を掲示し、判り易い地図とする。 ・また、震災救援所、広域避難場所への案内表示板は、住民及び来街者にとって判り易い情報板と して再整備する。 ・駅周辺など人が多く集散する場所では、平常時には荻窪周辺の商店街や地域イベント等の情報ツ ールとして活用し、震災時には正確な震災・防災情報を発信・伝達する、大きな情報ボードを整 備する。 ⑦日常の地域活動を通じた近隣及び地域での防災力の向上 ・地域コミュニティによる防災まちづくりを進めるには、従来の町会・防災会等の既存組織に依存 するだけでは、メンバーの固定化・高齢化等により限界がある。 ・もっと新しい担い手や若い世代、あるいは専門的知識の豊富な方々などを発掘していく必要があ り、地域での日常的な祭りやイベントなどを通じて、これらの担い手を発掘する。 ・地域には元消防団員、消防所員、警察署員など有能な人材も多く存在する。これらの専門家の方々 にも参加して頂けるような工夫を行う。 5 このたたき台は本グループの議論を基に文章化したものです。 最終的には他グループの検討内容等を踏まえ、修正や調整が必要になります。 ・地域での防災力の向上のためには、日常的な防災訓練活動などとともに、震災後の復興まちづく りに関して、事前に検討しておくことも重要である。この荻窪まちづくり会議が主体となり、住 民参加により復興まちづくりの検討を進める。 (1)-2 地域での防災まちづくりを支える基盤づくり ①震災救援所などの防災機能の更なる向上 ・天沼小学校、旧若杉小学校、桃井第二小学校など震災救援所、都立荻窪高校など救援所補助施設、 荻窪地域区民センター等第二次救援所などでの防災機能の更なる強化を区に働きかける。 ・例えば、周辺市街地から救援所へのアクセスが円滑にできるよう、出入り口の工夫を行う、救援 所へ井戸を設置し水を確保するなどの工夫を検討するなど機能強化を進める。 ・桃井第二小学校の改築が予定され、その工事期間には震災救援所の機能維持に不安がある。この ため、代替機能を確保するなどの工夫を検討する。 ②震災救援所などへの避難経路の避難機能及び安全性確認 ・青梅街道の天沼陸橋、環八通りの四面道交差点のJR中央線と道路の立体交差部などの震災時の 安全性について確認する。 (地震時、大雪時のスリップ対策など) 。 ・大規模震災時の緊急道路障害物除去路線の機能確保が図れるか、沿道建物の対策状況を確認する。 ・天沼地域は密集市街地であり、区で進めている青梅街道から旧若杉小学校(震災救援所)へ緊急 車両が円滑に通行できる道路の拡幅整備を促進するなど、防災施設を円滑にネットワークする道 路整備を推進する。これにより消防車、救急車等の緊急車両が円滑に通行でき、震災時に木造密 集地からの火災が周辺地域に延焼するのを遅延させるなどの役割が期待される。 ・善福寺川の河川に架かる橋梁に関しては、既に架設後50年近く経過し安全性が懸念されたが、 区の「橋梁白書」で橋梁に関して定期点検が実施され、耐震補強が既に図られていることを確認 した。今後ともその点検結果を注視していく。 ③荻窪駅及び駅前空間の整備 ・荻窪地域はJR中央線により南と北の街が平面的に分断され、荻窪駅前空間も貧弱である。この ため、震災時には駅周辺で多くの滞留者が発生するとともに、南北を移動する住民が多数存在す るが、滞留空間や南北移動動線が不足すると想定される。 ・このため、荻窪駅前で既存の駅前広場の地下空間を広場状に整備する、あるいは隣接する街区で の再開発事業を誘導し上空などでの駅前広場空間を整備し、防災機能の強化を図る。 ・JR中央線を南北に結ぶ既存動線は、西から環状八号線との交差部(地下)、荻窪駅の西口北側の 自由通路(上空)、東口改札前地下通路(地下)及び南側の荻窪地下道(地下)の4か所であるが、何 れも幅員が狭く勾配も急であるなどの課題がある。震災時の避難が円滑にできるよう、地上及び 地下の通路幅員、勾配などを更にゆとりあるよう、再整備するよう働きかける。 ・荻窪駅北口駅前広場の隣接地区、タウンセブン、ルミネの更新時期などを捉え、駅周辺での再開 発を進め、立体都市計画制度の活用など新しい整備方策を検討し、充実した駅前空間及び通路空 間確保に資するように誘導する。 ・JR用地を防災上有効な空間として活用していくことが必要である。 6 このたたき台は本グループの議論を基に文章化したものです。 最終的には他グループの検討内容等を踏まえ、修正や調整が必要になります。 ④近隣での防災活動拠点としての公園・広場の整備 ・地域内の身近な場での公園・広場整備を推進し、近隣での防災備品等を整備し、地域での住民の 身近な防災活動拠点として機能強化を図る。 ・このため、例えば放置された空き家を小規模な公園にするなど、一定の距離圏域での小規模公園 や広場の整備を進めていく。 ⑤狭あい道路の拡幅整備・電柱移設の促進 ・建築基準法では、建築敷地は道路中心から 2mセットバックする必要があり、区では後退した部 分を道路状に整備するように働きかけているが、残念なことに後退部分へ塀や花壇などの構築物 が突出し、また駐車場として利用する場合がある。現在区で検討している新しい条例で、このよ うなセットバック部分への突出などを禁止し、区で道路状に整備するよう働きかけていく。 ・天沼地域では、大きな街区形成や行止り等により、地震時の避難や救助活動に支障がある街区も 存在する。住民間の避難通路協定の締結を促進し、区で避難扉設置を支援するなどして、2方向 避難が円滑にできるようにしていく。 ・また狭あい道路沿道でのブロック塀の倒壊による避難及び消火活動に支障が出ることを防止する ため、地区計画制度などを活用し、生垣やフェンスにするなど門塀の構造制限を進めていく。 ⑥電線類の地下埋設化の推進 ・震災時の電線類の倒壊は、防災活動を妨げるとともに、景観上も交通安全上も大きな問題で、電 線類の地下埋設化を推進する。 ・従来コストの問題が大きなハードルであったが、国土交通省では新たな設置方法の検討によるコ スト削減の可能性を検証しており、国としてもオリンピックを目指して推奨している状況にある。 ・主要な避難経路や生活道路、通学路等において出来るだけ電線類の地下埋設化を進める。 ⑦建物の防災性能の向上と更なる密集化の防止 ・新たな防火規制に基づき、旧耐震基準の戸建て住宅や集合住宅建物等の建替えを誘導するととも に、耐震補強や修繕を促進していく。 ・地区計画制度の活用を図り、地域特性に応じた最低敷地規模の制限(敷地分割の禁止)や隣地境 界からの建物後退の規制(民法上の規定の地区計画への法定化)を図り、密集市街地の再生産の 防止や、住環境の向上を推進する。 (1)-3 災害対策(水害)の促進 ・環八道路(地下)への雨水流入を防止するため、鉄道事業者と道路管理者の協議と防止策の検討 を注視する。 ・善福寺川流域の水害対策の強化のため、緑地や透水性舗装などを促進することで、雨水を地下へ 返すことにより、河川や下水道のへの負担軽減を図る。また、雨水を地下に返すことで、地下水 道の沈下を防ぎ、震災時の井戸水を確保できるようにする。 7 このたたき台は本グループの議論を基に文章化したものです。 最終的には他グループの検討内容等を踏まえ、修正や調整が必要になります。 (2)防犯まちづくり (2)-1 まちの防犯体制の強化 ①地域ぐるみの通学路の見守り体制の強化 ・例えば、ふれあいカードを通学圏の家庭に配る、通学時間帯に道路側の窓を開けたり外に出て見 守ったりする、そのお返しに学校に招いたりするなどし、ふれあいカードによる通学路の見守り を進める。 ②防犯パトロールの充実 ・例えば、犬を飼っている方が、防犯意識をもって近隣を不定期に歩く「ワンワンパトロール」等 の実施を推奨し、市民パトロール隊をボランティアで組織するなど、住民による防犯活動の充実 を図る。 ・また、交番や警察官の巡回を増やす。このパトロールの円滑化と、犯罪発生抑制に資する逃げや すさ防止のためには、先述した狭あい道路の拡幅と道路状への整備が重要である。 ③防犯チェックポイントの検討 ・商店会、町会、学校、警察や有識者等を交えて防犯マップを検討する。その際重要なのは、どん な場所でどんな犯罪が発生しやすいか、その傾向をチェックすることが重要であり、併せて対策 を検討していくのが有用である。 ・このような検証結果は、各住民団体や家庭に周知し、近隣環境の中で犯罪を未然に防止するよう 協力していく。 (2)-2 まちの防犯設備の充実 ①街路灯の再整備の推進 ・街路灯の設置とメインテナンス費用は、一部商店街などの負担がある。商店街加入者の減少など もあり、地元組織の負担が増加傾向にある。また、照明器具は、長期間使用でき電力消費量の少 ないLEDの時代であり、街路灯の照明方式や公共負担のあり方等に関して検討する。 ②防犯カメラのネットワーク構築と情報管理方法の検討 ・近年の犯罪検挙等において、防犯カメラの有用性は明らかで抑止効果も高い。今後は、荻窪地域 で防犯カメラの設置を地域全体に広く推進する。 ・現在も、商店街によっては費用負担の問題もあり設置済み・未設置など多様であり、荻窪地域に どの程度防犯カメラが設置されているか不明な状況である。まず実態把握が必要で、設置状況の 調査を行う必要がある。なお、商店街へは東京都の助成策があるが、設置時期により助成額の変 動がある。また、商店街だけでなく住宅側にも一定程度必要で、杉並区が通学路に各 5 台ずつ設 置する計画(H27~29 の 3 年間)がある。 ※最近、兵庫県伊丹市は市内全域に計 1,000 台の防犯カメラを設置することを明らかにした。2~3年かけ市内全1 7小学校区の通学路などにそれぞれ約50台を設置し、主要駅前や河川などにも計150台設置する。地方自治体が 設置するカメラ台数としては全国最大規模という。 ・このような防犯カメラは、誰が管理するかが重要であり、個人情報などを考慮すると住民組織よ りも公共側の役割が大きいと考えられる。防犯カメラの管理に関して、公共と設置者の民間組織 との協議を進め。適正な管理体制を確立する。 8 資料3 まちづくり構想骨子案(商業環境) 【商業環境に関する現状と課題】 ① ② ③ ④ 荻窪駅は区内最大の駅でありながら、近接して静かな住宅地が広がる JR線の南北で商店街の環境が異なる 荻窪らしさを積極的に発信することが求められている 商店街間の回遊性の確保と、それを支える商店街どうしの協力関係の構築が求めら れている 【商業環境に関するまちづくりの目標像】 ① にぎわいの方向性 ② にぎわいづくりを考えるべき区域 【商業環境に関するまちづくりの方向性】 (1)魅力的な商業のにぎわいづくり ① 特色ある商業環境づくり ② 個性的な魅力ある店舗づくり (2)荻窪らしいイベントづくり ① 荻窪の魅力をPRし、来街者を増やすイベントの開催 ② イベント空間の確保 (3)荻窪の魅力を伝える情報発信の強化 ① 効果的な情報発信方法の検討・実施 ② 情報発信拠点の整備 ③ 情報発信の主体づくり (4)商店街やまちの回遊性の向上 ① 歩きやすい商店街づくり ② 放射状に広がる商店街間をつなぐ道の活性化 ③ 回遊性を生み出すための文化施設等の整備の検討 (5)商業環境の活性化を進める体制整備 1 このたたき台は本グループの議論を基に文章化したものです。 最終的には他グループの検討内容等を踏まえ、修正や調整が必要になります。 【まちづくり構想のたたき台】 【商業環境に関する現状と課題】 ①荻窪駅は区内最大の駅でありながら、近接して静かな住宅地が広がる ・荻窪駅は、1日当たりの乗降客数が約 24 万人と区内でも最大の駅です。しかし一方で、駅を 出て徒歩数分で天沼・荻窪の静かな住宅地が広がっています。 ・このことから、商業地としてのにぎわいと良好な住環境とが近接して存在しているのが荻窪駅 周辺における商業環境の特徴といえます。 ②JR線の南北で商店街の環境が異なる ・駅北口では、タウンセブン・ルミネといった大規模店舗が立地し、その周辺では飲食店を中心 とした比較的にぎやかな商店街が広がっています。 ・一方、駅南口は、飲食店、物販、サービス業がバランスよく立地した比較的落ち着いた商店街 となっています。 ・このように、JR線を挟んだ駅の南北で、商店街の環境が異なっていることが、荻窪駅周辺の 商業環境のもう一つの特徴といえます。 ③荻窪らしさを積極的に発信することが求められている ・荻窪駅周辺には様々に魅力的なお店や商店街があるものの、チェーン店が増えつつあり、荻窪 らしい個性が失われつつあると言われています。 ・JR中央線沿線の各駅がそれぞれに特色ある商業環境を築いている中、荻窪駅周辺の商店街に おいても「荻窪らしさ」を地区住民及び来街者に積極的に発信することが求められています。 ④商店街間の回遊性の確保と、それを支える商店街どうしの協力関係の構築が求められている ・荻窪駅周辺の各商店街は駅を中心に放射状に広がっているため、複数の商店街を回遊して買い 物を楽しむことができにくくなっています。 ・また、駅周辺の商業活性化のために商店街同士が協力し合う機会が少なくなっています。 ・荻窪駅周辺の商業環境を改善するため、商店街間の回遊性を確保するためのハード・ソフト両 面からの取組みが求められています。 ・あわせて、ソフト面を中心に、商店会同士の協力関係の構築が求められています。 2 このたたき台は本グループの議論を基に文章化したものです。 最終的には他グループの検討内容等を踏まえ、修正や調整が必要になります。 【商業環境に関するまちづくりの目標像】 ①にぎわいの方向性 ・駅周辺各商店街の地区特性に応じたにぎわいづくり …荻窪の商店街は、JR線を挟んだ南北で大きく環境が異なります。この地区特性を踏まえ、 それぞれの特徴に応じたにぎわいづくりを進めていきます。 ・駅北口:区内最大の駅にふさわしい、来街者のニーズにこたえるにぎわい …北口では、大規模店舗と周辺の個店とが共存共栄しつつ、荻窪駅での乗換え客を含む来街者 の多様なニーズに応える、区内最大の駅にふさわしい商店街をめざします。 ・駅南口:地域住民のための高感度なにぎわい …一方、南口では、主に地域住民を対象とした、小規模ながら高感度の店舗が集まる、落ち着 いた商店街をめざします。 ・住宅地とバランスの取れたにぎわいづくり …荻窪駅周辺のにぎわいづくりにあたっては、近接して広がる住宅地の環境に配慮していく必 要があります。商業の発展と住環境の保全とのバランスのとれたにぎわいづくりをめざします。 ・商業地としての荻窪全体のブランドづくり …荻窪の商業地をさらに魅力的なものにするためには、各商店街がそれぞれの特色を持ちなが らも、全体として一定のブランドイメージを発信していくことが重要です。 荻窪には、荻外荘、大田黒公園、杉並公会堂、郷土博物館分館など、数々の歴史・文化資源 があります。それらを背景にした、ゆとり・落ち着きがある点が、荻窪の魅力・特色といえま す。こうした点を基礎として、荻窪のブランドイメージを構築し、発信していきます。 ②にぎわいづくりを考えるべき区域 ・荻窪駅周辺は商業地としてのにぎわいと良好な住環境とが近接している特徴を踏まえ、にぎわ いが住環境に悪影響を与えないよう、にぎわいづくりを考えるべき区域を明確にする必要があ ります。次ページに、主に商業的なにぎわいを考える場所として、住宅地と区分する図を示し ます。 ・ただし、この区分は住宅地と区分する大まかな区域であり、商業環境活性化の具体的な取組み を行うにあたっては、その取組み内容に応じて、今後改めて区域を検討していきます。 3 このたたき台は本グループの議論を基に文章化したものです。 最終的には他グループの検討内容等を踏まえ、修正や調整が必要になります。 4 どちらとも言えない場 所 主に住宅地としての 落ち着き、住民コミュ ニティの活性化を考 える場所 主に商業的なにぎわ いを考える場所 【にぎわいづくりを考えるべき区域】 このたたき台は本グループの議論を基に文章化したものです。 最終的には他グループの検討内容等を踏まえ、修正や調整が必要になります。 【商業環境に関するまちづくりの方向性】 (1)魅力的な商業のにぎわいづくり 以下の取組みによって、荻窪の商業地をより魅力あるものにしていきます。 ①特色ある商業環境づくり ・JR中央線沿線の中で、荻窪にしかない特色を打ち出し、地区の住民や来街者が「荻窪に出か けてみたくなる」 「荻窪で降りてみたくなる」 「荻窪を歩いてみたくなる」商業環境づくりを進 めます。 (具体的な取組みの例) ・これまでの荻窪の特色を活かした魅力づくり…充実した飲食店、アニメ、クラッシックなど、 これまでの荻窪が持ち合わせていた特徴を活かした魅力づくりを進めます。 ・既存施設を活用した、魅力ある拠点づくり…駅周辺の既存施設を活用した公益施設の整備やイ ベントの実施などにより、荻窪に訪れる機会を増やすことで、まちの回遊性を高め、商店街を 利用する機会の増加を図ります。 ※既存施設の例…若杉小学校跡地、天沼弁天池公園、大田黒公園、荻外荘など ・老朽化した商店街や商業施設の更新・再生の検討…荻窪駅北口駅前広場の隣接地区など、老朽 化が進む商店街を更新し、新たな商業拠点として再生していくことを検討します。また、耐震 補強など各種改修を行っているものの、築 30 年以上が経過するルミネ・タウンセブンは、将来 の更新時期を見据え、再生を検討します。 ②個性的な魅力ある店舗づくり ・チェーン店の増加を抑え、個性的で魅力ある店舗を積極的に誘致したり、個々の店舗を支援し たりすることで、他の商業地では経験できない、荻窪の商業地独自の魅力をつくります。 (具体的な取組みの例) ・個性的で魅力ある店舗の誘致…意欲的で魅力ある店舗を不動産経営者等(家主や仲介業者など) が主体的に誘致することで、商店街の活性化を図ります。 ・店舗と公共サービスを組み合わせた、新しい場づくり…カフェなどの店舗が保育サービスを行 うなど、買い物や飲食を楽しみながら生活を支えるサービスを受けられる、新しい形の場作り を検討します。 ・後継者のいない店舗を継承する仕組みづくり…後継者不足により経営を続けられなくなった店 舗の貴重なノウハウを継承できる仕組みづくりを検討します。 ・低廉な家賃設定による店舗更新の活性化…期間限定で低廉な家賃を設定するなど、若い意欲的 な商店経営者が積極的に出店できる環境づくりを進め、店舗更新の活性化を図ります。 ・杉並区商店街連合会、東京商工会議所杉並支部等には、個々の店舗を支援するための研修や融 資の仕組みがあります。これらの周知を進め、経営の活性化を図ります。 5 このたたき台は本グループの議論を基に文章化したものです。 最終的には他グループの検討内容等を踏まえ、修正や調整が必要になります。 (2)荻窪らしいイベントづくり 荻窪のまちの活性化のため、来街者にまちの魅力を伝え、住む人には自分のまちの魅力を知るこ とで誇りを持てるような、荻窪らしいイベントを開いていくことが必要と考えます。 ① 荻窪の魅力をPRし、来街者を増やすイベントの開催 ・多くの人々を楽しませ、荻窪のまちの魅力をPRするイベントの開催が必要と考えています。 (具体的な取組みの例) ・各商店会合同によるイベントの開催…荻窪全域の商店会が協力して、合同のイベントを実施し、 地区全体の活性化を図ります。 ・荻窪音楽祭など、地区のイベントに合わせた商店街イベントの開催 ・イベント開催のための推進委員会の設立…商店会長、町会長、各種団体、学校、その他で構成 する「荻窪共通イベント推進委員会」をつくり、荻窪全体でのイベントを主催します。 ・荻窪まちづくり会議によるイベント開催の検討…荻窪まちづくり会議が主催し、南北の交流な ど、地区住民のコミュニケーションを育むイベントの実施を検討します。 ② イベント空間の確保 ・荻窪駅周辺には、地区全体が関わるイベントが出来るような、まとまった空間が不足していま す。駅前及び周辺に、イベントが開催できる空間の確保が必要です。 (具体的な取組みの例) ・駅前におけるイベント空間の確保…荻窪の中心である駅前に、多くの人々が楽しめるイベント ができる空間が確保できるよう、取り組みを進めます。なお、行政により整備される場合には、 過大な財政負担とならないような配慮が必要です。 ・街の回遊性を高めるための、駅周辺へのイベント空間の確保…駅から少し離れた場所において イベント空間を確保することで、駅からの回遊性を高めます。 ・既存の空間のイベント空間への転用…現在の公園や商店街・通りなどの空間を利用してイベン トを実施するなど、既存の空間の転用によるイベント空間の確保を進めます。 6 このたたき台は本グループの議論を基に文章化したものです。 最終的には他グループの検討内容等を踏まえ、修正や調整が必要になります。 (3)荻窪の魅力を伝える情報発信の強化 荻窪のまちが持っている魅力は、まだまだ人々に充分には伝わっていないといえます。荻窪の魅 力を伝える情報発信を強化し、これから新たに創りだされる魅力もあわせて、もっと世の中に発信 していく取組みが必要と考えます。 ① 効果的な情報発信方法の検討・実施 ・これまで荻窪に関する情報は、さまざまな主体が独自に発信しているなど、必ずしも人々に効 果的に伝わっているとはいえない状況です。 ・インターネットの活用など、これまでにない新しい方法も含め、さまざまな方法で情報を発信 することで、より効果的にまちの魅力を多くの人に伝えていくことが必要と考えます。 (具体的な取組みの例) ・荻窪の商店会合同によるウェブサイトの構築 …商店会の活動、イベントの情報のほか、観光情報なども掲載し、荻窪に関する情報が一元的 に分かるウェブサイトを構築します。 ・荻窪に関する「公式ガイドブック」の作成・発行 …荻窪の魅力を楽しく、分かりやすくまとめた「公式ガイドブック」を作成・発行して、荻窪 駅周辺の書店・コンビニ等で販売します。 ・様々な形での荻窪の魅力の発信する取組み …荻窪駅の発車ベルの変更、ご当地キャラクターの開発、「なみじゃない、杉並」キャンペー ンの活用による発信など、荻窪の魅力を多くの人に伝える様々な取組みを実施します。 ② 情報発信拠点の整備 ・荻窪の情報を集約し、荻窪の魅力を明確に伝えられる場所=情報発信拠点の整備を検討します。 (具体的な取組みの例) ・駅前広場等への総合案内所の設置 ・杉並公会堂、旧若杉小学校など、既存施設を活用した案内所の設置 ・商店街の情報、観光情報などを掲示するための、案内板、電子掲示板などの設置 ③ 情報発信の主体づくり ・上記に示す情報発信を、既存の組織がそれぞれに行うには限界があります。荻窪全体の情報を 集約し、効果的な発信を担う主体づくりが求められます。 (具体的な取組みの例) ・商工会議所、当会連合会など既存組織内に情報発信を担う部署を設ける ・情報発信を担う新たな組織を、各種団体が合同で設立する 7 このたたき台は本グループの議論を基に文章化したものです。 最終的には他グループの検討内容等を踏まえ、修正や調整が必要になります。 (4)商店街やまちの回遊性の向上 荻窪駅周辺の商業地は、駅を中心に放射状に商店街が展開されていますが、商店街間の行き来が しにくく、回遊性が十分とはいえません。買い物客が複数の商店街を楽しめるよう、まちの回遊性 を向上させていく必要があると考えます。 ① 歩きやすい商店街づくり ・現在の商店街では、車の進入、歩行者と自転車との交錯など、歩いて買い物をしやすい環境と は必ずしも言えません。 ・徒歩による買い物客が安心して商店街を歩けるような環境づくりを進めます。 (具体的な取組みの例) ・商店街における自動車の通行規制・速度規制等…すずらん通りや天沼八幡通り、教会通りなど 商店街となっている道路において、時間帯や曜日による自動車の通行止めなど、歩行者の安全 性の確保のための自動車の通行規制を検討します。 ・「自転車押し歩きエリア」などの検討…朝夕の通勤時間帯や買い物時間帯等において、自転車 を乗車走行せず押して歩くことを推奨するルールを設け、歩行者の安全を最優先とするモラル の徹底を図ります。 ・自転車駐輪スペースの確保…現在の自転車駐輪場の一部を商店街のために確保したり、商店街 周辺に買い物客用の小規模な自転車駐輪スペースを設けたりするなど、商店街での違法駐輪を 減らす取組みを進めます。 ・商店街舗装の改修検討…老朽化した商店街の舗装については、改修を検討します。 ・商店街内及び周辺における広場の整備…買い物途中のちょっとした休憩場所となる広場の整備 を進めます。 ② 放射状に広がる商店街間をつなぐ道の活性化 ・放射状に広がる各商店街をつなぐ道について、楽しく歩けるような工夫を行います。 ・ただし、当該道路は住宅地内を通ることをふまえ、周辺の住環境への影響を及ぼさないように 配慮します。 (具体的な取組みの例) ・各商店街の間をつなぐ道の舗装の変更 ・沿道における緑化の推奨 ・沿道におけるカフェ、ギャラリー等の誘致 8 このたたき台は本グループの議論を基に文章化したものです。 最終的には他グループの検討内容等を踏まえ、修正や調整が必要になります。 ③ 回遊性を生み出すための文化施設等の整備の検討 ・駅周辺に回遊性を生み出すための、集客力のある文化施設等の整備を検討します。 (具体的な取組みの例) ・小規模な会合等が出来る貸しホール ・世界レベルの美術品を収集する美術館 ・荻窪に関わりの深い文化人の足跡を分かりやすく伝える資料館 (5)商業環境の活性化を進める体制整備 商業環境の活性化を進めるためには、現在の組織体制だけでは十分とは言えません。行政からの 支援を受けつつ、地元商店会等が主体的に活性化を進められる体制の整備が求められます。 (具体的な取組みの例) ・商業環境の活性化に向けた新たな組織の設立検討…活性化に向けた様々な取り組みの主体とな る、新たな組織の設立を検討します。これは、まちに関わる様々な立場の方が参加し、活性化 に向けた合意形成を図る組織です。なお、本組織の設立、及び活性化の取り組みの実施にあた っては、本まちづくり構想に示した方向性を充分に踏まえることが重要です。 ・まちづくり会社の設立の検討…活性化のための取組みのうち、一定規模以上ものについては、 まちづくり会社を設立して実施していくことが求められます。上記の合意形成のための組織の 設立と合わせて、まちづくり会社の設立を検討します。 ※本項目に関する商業環境グループでの意見について 「商業環境の活性化を進める体制整備」に関しては、商業環境グループにおいて意見が分かれ、 結論に至っていません。そこで、本骨子案においては本項目に関する賛成意見・反対意見の両方を 示します。 本項目に関する取り扱いは、まちづくり構想をまとめる課程の中で引き続き議論を行います。 <主な賛成意見> ・このまちづくり会議で議論してきた内容を担保する組織として必要なのではないか。 ・提言をつくってそのままにするのではなく、何らかのとっかかりをその先も残すべきでは。 ・設立する組織は、区に引っ張られる組織というより、区に提言をしていく組織となるのではな いか。 ・行政の思惑が心配ならば、区は関わらない組織とするのが良いのではないか。 <主な反対意見> ・本構想でこうした内容を書いても、区がこれを根拠に勝手に事を進めるのではないか。あんさ んぶる荻窪廃止の経緯を見れば明らかである。 9 このたたき台は本グループの議論を基に文章化したものです。 最終的には他グループの検討内容等を踏まえ、修正や調整が必要になります。 ・こうした組織を設立しても、行政の思惑に引っ張られ、我々の意見は生かされない。補助 131 号線の相互通行化や荻窪5丁目周辺の用途地域変更、南口周辺の新たな開発等のきっかけにさ れるのではないか。 ・現段階で先の体制まで考える必要はないのではないか。実現方策は、この構想がまとまってか ら検討すればよいのではないか。 ・この件についての議論の時間が十分に取れていない。拙速に設立を決めるべきでない。 ・まちづくり会社の設立・運営によって、無駄な税金が使われることになるのではないか。税金 をかければ商業環境が活性化するとは言えない。 ・設立にあたっての人事の問題もあり、安易に設立を決めるべきでない。 10 資料4 まちづくり構想骨子案(コミュニティ) 【コミュニティに関する現状と課題】 【まちづくりの目標像】 『誰もが気軽に地域情報を得られ、豊かに交流するコミュニティづくり』 【コミュニティの活性化に向けたまちづくりの方向性】 1.地域活動情報を誰もが気軽に得られる環境づくり ①地域の活動情報の一元化 ②地域の活動情報を得られる場「荻窪案内所」づくり ③誰でも情報を知ることができる仕組みづくり 2.地域活動の活性化 ①高齢者の地域活動への参加促進 ②町会活動との連携 3.地域活動の場づくり ①具体的な交流の場づくり:新たな場づくり(コミュニティサロン) ②空き店舗・空き家の活用などによる活動の場づくりの推進 4.地域活動相互の連携促進 ①地域活動相互に連携できる場と機会の充実 ②多様な主体の連携の促進 1 このたたき台は本グループの議論を基に文章化したものです。 最終的には他グループの検討内容等を踏まえ、修正や調整が必要になります。 【コミュニティに関する現状と課題】 1)地域活動の場や活動実態が十分に知られていない 地域内には、区の委託事業である地域包括支援センター(ケア 24)の交流サロン(対象は高齢 者であるが、年代は特に区別しておらず、目指すのは全世代の交流。開設予定も入れて荻窪地 域で2箇所)、社会福祉協議会からの補助で設置する「きずなサロン」(食事・お茶などの催し を通じて交流する場)、 「ゆうゆう舘」など、いくつかの施設・場がある。 ただ、それらについて、誰が使えるのか、どんな人々が集まっているのかなど、情報が十分 知られていない現実がある。 2)高齢者や壮年層などにとって、地域活動への参加機会が得られにくい 健康な高齢者や壮年層など、地域活動への参加のきっかけが得られにくい現実がある。老人 クラブや町会など参加者拡大に努力しているものの、より気軽に参加できる雰囲気やきっかけ づくりが求められている。 3)誰もが気軽に参加できる交流の場の必要性 高齢者や子育て世代などについては、これまで地域や行政の努力によって、交流の場が充実 してきているが、若者や壮年層の交流の場は意外に少ないのが現実となっている。 若者や壮年層も気軽に集まり交流できる場、高齢者や子育て世代も含み多様な世代が交流で きる場の創出が必要となっている。 地域の主なコミュニティ施設 ゆうゆう天沼館・荻窪館・荻窪東館: 高齢者の健康増進、生きがい支援等 を目的とした施設 ケア 24「地域包括支援センター」: 高齢者の介護相談や生活支援等を目 的とした施設。交流サロン等も運営 荻窪きずなサロン:世代を問 わず地域住民が交流する場 (毎月第2水曜の 2 時間開催) 2 このたたき台は本グループの議論を基に文章化したものです。 最終的には他グループの検討内容等を踏まえ、修正や調整が必要になります。 【コミュニティに関するまちづくりの目標像】 「誰もが気軽に地域情報を得られ、豊かに交流するコミュニティづくり」 ・様々な地域活動が盛んな荻窪地域にあって、一方で地域に無関心な人々、参加したくてもき っかけがつかめない人々なども多く存在する。 ・そんな状況においては、 「今どんな活動が行われていて、どうすれば参加できるのか」など、 地域の情報を誰もが気軽に得られるしくみや 場づくりをまず進めることが重要である。 ・そのことによって、高齢者や子ども、子育て世帯などこれまでコミュニティづくりの主要な 対象であった人々に加えて、就業世代や若者なども含め多様で豊かな住民交流を育むコミュ ニティを充実していきたい。 【コミュニティの活性化に向けたまちづくりの方向性】 1.地域活動情報を誰もが気軽に得られる環境づくり ①地域の活動情報の一元化 ・地域としての各種地域活動の情報が一元的に入手できる体勢を整える。 ・杉並区としても、地域活動の情報を一元化した、区民誰もが簡単に検索できるようなシステ ムを構築する。 ②地域の活動情報を得られる場「荻窪案内所」づくり ・ホームページ・SNSの活用とともに、情報を気軽に得られる具体的な場「荻窪案内所」を つくる。 ・荻窪案内所は、来街者への案内(地域のガイドマップの作成と配布、訪問者への具体的案内な ど)を行うとともに、地域の住民に対する地域活動情報の案内などを行う。 ・荻窪案内所は、可能であれば、人々が集まり交流する「コミュニティサロン」の機能も併せ 持つ場としたい。 【情報を得られる場「荻窪案内所」づくりのイメージ】 ■「場」の設定についてこだわるべきこと 1)若者が来られること 2)オシャレな場であること 3)高齢者の居場所にもなること ■既存の場の活用イメージ ・荻窪駅東口地下の地下鉄方面の一角 ・インテグラルビルの一角 ・空き店舗・空き家の活用(公共のバックアップがあれば貸し主も安心できる) ・民間既存事務所の協力 3 このたたき台は本グループの議論を基に文章化したものです。 最終的には他グループの検討内容等を踏まえ、修正や調整が必要になります。 【「荻窪案内所」具体化例の提案】 民間事務所の一角での「荻窪案内所」の展開 ■概要:民間事務所の一角を「荻窪案内所」として、来街者や地域住民への地域情報提供の場 とする。 ■活動内容:・荻窪地域の情報マップなどの作成と提供 ・地域情報の案内(事務所スタッフが常駐しているため、いつでも対応が可能) ・ゆくゆくは、人々が気軽に立ち寄り交流できる「コミュニティサロン」の機能もめざ す。 駅前広場における仮設トレーラーハウスによる「荻窪案内所」の展開 ■概要:仮設のトレーラーハウス(中古約200万円)ボランティアメンバーによる荻窪の各種情報の 提供を行う。(ガイドマップ配布やイベント案内、お店の情報提供など) ■開設期間:当面は1年間を目処に常設展示をする、毎日午前10時から夜20時。 ■要員:ボランティアメンバーを募り、誰でも同じ水準のガイドができるように講習を行う。 「荻窪案内所」においても、例えば週変わりなどでお奨め商品やお奨めのお店紹介などを行 い、マンネリ化を防ぐ。可能であれば下記の「西荻案内所」のようなWebサイト構築を行いたい。 オープンスペースにテーブルや椅子などを少し置いて、カフェの営業も検討したい。 ■概算費用: ・中古トレーラーハウス: 200万円 ・ハウス内備品: 30万円 ・設置費用: 50万円(電力線引き込み含む) ・広告、宣伝物: 100万円 4 このたたき台は本グループの議論を基に文章化したものです。 最終的には他グループの検討内容等を踏まえ、修正や調整が必要になります。 ③誰でも情報を知ることができる仕組みづくり ・人々のニーズは多様であり、発信したい人と参加したい人でもニーズは異なる。それぞれの ニーズがマッチングできるよう情報を整理し提供できる仕組みづくりが求められている。 ・そのため、人々が気軽に集まり地域の活動情報を入手し交流する場づくり、またそれらの情 報をまとめたマップづくりなど、地域の誰でも気軽に情報を得ることができる仕組みを充実 する。 【情報を得られる仕組みづくりのイメージ】 ・ 「マップ」づくり:荻窪地域として、人々が気軽に集まれる施設や場・時間などを示したマッ プをつくる。 ・天沼中学校区域における「あまぬまスマイルカレンダー」(地域の行事の開催場所・日時が載 っているカレンダー)などの例を先例に、地域の活動情報を伝える方法を工夫する。 ・まちづくり会議の展開:まちづくり会議自体の活動を、地域活動情報一元化あるいは調整の 場として活用する可能性を検討する。 2.地域活動の活性化 ①高齢者の地域活動への参加促進 ・老人クラブ会員の減少傾向への対応:町会とは別組織でエリアも異なるが、現在以上に町会 の協力を進める(現在は、町会施設の貸し出しなどは行っている)。 ・高齢者が気軽に集まる場、高齢者自身が一定の仕事ができる場などを充実することで、元気 な高齢者の地域への参加を促していく。 ・また、地域活動の方法等を具体的に教える講座なども充実していく(NPO で有料講座を開いて いる事例もある)。 ・また、町会が主導するラジオ体操への参加も促していく(健康な高齢者でも参加しづらい人 は多い。どう参加させるかは課題) 。 ②町会活動との連携 ・新しい住民へ町会活動を知らせ、加入を促す手段としてもホームページの充実・普及に努め ていく。 ・スタンドパイプ設置など防災に関する話し合いをきっかけに、近所のコミュニケーションを 促して行く。 5 このたたき台は本グループの議論を基に文章化したものです。 最終的には他グループの検討内容等を踏まえ、修正や調整が必要になります。 3.地域活動の場づくり ①具体的な交流の場づくり:新たな場づくり(コミュニティサロン) ・具体的な交流の場づくり:高齢者や子育て世代とともに子どもや若者や壮年層等の集い交流 する場としての「コミュニティサロン」が有効であり、今後新たな場として充実していく。 ・当面、地域の活動情報周知の場としての「荻窪案内所」づくりに取り組み、そこを拠点にコ ミュニティサロンへ展開していく。 ・コミュニティサロンには、施設としての入りやすさ、入りやすい雰囲気づくりがポイントに なる。 ②空き店舗・空き家の活用などによる活動の場づくりの推進 ・空き店舗・空き家の活用により、便利な場所で気軽に集まれる場、情報を得られる場として のコミュニティサロンづくりを進めていく。 ・空き店舗については、活動の場として空き店舗を探している人と、借りてくれる人を探して いる所有者がいる、そのマッチングができるしくみづくりを検討していく。 ・一方、空き店舗の活用については、税制など借り上げに関わるしくみの充実も課題となる。 【具体的なコミュニティの場づくりの検討課題】 ⇒空き家・空き店舗の活用:固定資産税・相続税の問題の解決が課題 ⇒空き地の活用:交流の場としての家庭菜園としての活用など ⇒既存施設:旧若杉小学校校舎、町会施設等の積極的活用 4.地域活動相互の連携促進 ①地域活動相互に連携できる場と機会の充実 ・地域の活動情報を横につなぐ場があると良い。それも具体的な場所があることが望ましい。 ・地域活動やコミュニティ間の連携が大切であり、それぞれの活動のリーダー層が集まって情 報交換する場を確立していく。 ・なお、各種地域活動のリーダー層が集っている「荻窪まちづくり会議」は、それ自体相互の 交流の場としての可能性があり、今後まちづくり会議としての活動のあり方を検討していく。 ②多様な主体の連携の促進 ・行政との連携:地域活動情報の集約と整理などの面では、杉並区とも連携もしていく。ただ し、区の施策は区内全域対象であり、地域として活用するには制約もあるので、地域独自の 情報整理などにも取り組み、区と地域住民互いに補い合っていく。 ・民間企業等との連携も:自分たちでお金を出し合って場所を確保するなど、民間主体にこだ わることも大切。その場合、民間企業などスポンサー獲得の努力も考慮する。 6 資料5 まちづくり構想骨子案(居住環境) 【居住環境に関する現状と課題】 【まちづくりの目標像】 「荻窪らしい 暮らしやすい コンパクトな街へ ~エリアごとの特性を活かしたまちづくり~」 【まちづくりの方向性】 1.荻窪らしい地区特性に応じた住環境等の整備 ① 地区特性に応じた住環境を守り育てるための建築のルールづくり ② 多世代が暮らせるまちづくりの推進 ③ 大田黒公園周辺地区の景観まちづくりの推進 -モデル地区としてのまちづくりの推進- 2.オープンスペースの確保と地区特性に応じた道路整備の推進 ① 子どもや中高生(青少年)世代をはじめ、多世代が快適に過ごせるコミュニティ スペースの確保 ② 震災時に避難可能なオープンスペースの確保 ③ 地区特性に応じた歩行者や生活者の視点に立った道路等の整備推進 3.快適で質の高い緑の空間づくり ① 既存の緑の保全と、連続性のある緑の形成 ② 地区特性に応じた緑化と親しみのもてる空間の創出 1 このたたき台は本グループの議論を基に文章化したものです。 最終的には他グループの検討内容等を踏まえ、修正や調整が必要になります。 【まちづくり構想のたたき台】 【居住環境に関する現状と課題】 1)交通の便がよい一方で、JR 線や青梅街道、環状八号線により地域が分断され、エリアごとに地 域特性や居住環境が異なっている ・地域内に JR 線、青梅街道、環状八号線が通り、地域が分断されている。そのため、エリアご とにコミュニティも別れてしまっている上に居住環境も異なっている。 ・天沼 2・3 丁目地区は、内田秀五郎氏の土地区画整理事業の計画区域外であったために、畑を 残したまま宅地化され基盤整備がされていない箇所がある。4m 未満の迷路状の道路もあり、人、 自転車、自動車が錯綜して危険な通りもある。また、老朽化した建物が増え、土地の細分化も 進んだ密集市街地となっている。その一方で、庶民的な暮らしやすい雰囲気が残っている。 ・荻窪 4 丁目地区をはじめとする大田黒公園周辺地区は、区画が大きい屋敷街で別荘地の面影や 昭和初期の文化住宅が残り、屋敷林や生け垣などの緑を持つ戸建て住宅も多い。歴史や文化の かおりを大切にした、みどり豊かな景観まちづくりも定められている。また、地区計画がかけ られ、最低敷地規模面積も定められていることから、細分化の進行も抑制されている良好な住 宅地である。 ・荻窪 5 丁目の桃二小学校周辺は住みやすい住宅街である。事務所等が入っているビル、また、 最近では中高層のマンションが増加傾向である。 2)オープンスペースの整備や道路整備が進んでいないエリアがある ・荻窪 4 丁目地区は、交通量が多く抜け道となっている箇所がある。近衛通り、大田黒公園前は 歩道が狭く、電柱が邪魔となっている。また、川沿いは緊急車両が進入できない箇所もある。 ・荻窪駅周辺のオープンスペースが有効に活用されてない。2011 年の東日本大震災時にも帰宅困 難等、人が駅前に溢れた。特に南口は、災害時に避難する施設等の活用がうまくされていない。 ・荻窪 5 丁目や天沼 2・3 丁目には、子どもの居場所となるオープンスペースが少ない状況であ る。また全体的に、中高生の集まる空間や施設が少ない。 3)エリアごとに、緑について特色がある地区である ・荻窪 4 丁目周辺、天沼 2・3 丁目周辺、駅周辺と緑の雰囲気が異なり、エリアごとに緑につい ての特色がある地区である。 ・大田黒公園地区周辺は、川・台地など起伏が豊かな地区である。また、善福寺川付近は、自然 (桜、水鳥、みどり)が豊かであるものの、歩行者が快適に歩ける空間としては活かしきれて いない。 ・荻窪 4 丁目地区は、敷地の細分化が一定のルールにより抑制されているために住宅の庭などの 各スペースに良好な緑があり、静かなまちの雰囲気を保っているものの、これまでよりは沿道 の緑や庭の樹木等は減少している。 ・天沼 2・3 地区は、所々、住宅の狭小スペースを工夫しながら緑化している箇所が見られるが、 全体的には、沿道の緑が少ない状況である。 2 このたたき台は本グループの議論を基に文章化したものです。 最終的には他グループの検討内容等を踏まえ、修正や調整が必要になります。 【居住環境に関するまちづくりの目標像】 「荻窪らしい 暮らしやすい コンパクトな街へ ~エリアごとの特性を活かしたまちづくり~」 <目標像の背景> ・荻窪地域は、まちが分断されているという現状を受け入れ、そのエリアごとの特性に応じた居 住環境を形成していく必要がある。 ・荻窪駅近くで交通の便がよいことから、都心等どこへでも出やすく、居住者自身も街への関心 が薄く、地域の外に向かう傾向がある。そのため “荻窪らしい居住環境とは何か”を検討し きれず、街の形成を遮っている。今一度、「荻窪らしい暮らし方や暮らしやすさとは何か」を 考える必要がある。 ・「子育て世代が暮らしやすい場所」、「若者が元気に暮らせる場所」、「高齢者がゆっくりと暮ら せる場所」 、 「若者-子育て世代-高齢者の多世代がコンパクトに住めるまち」であることを目 指すことが居住環境の目標像である。 3 このたたき台は本グループの議論を基に文章化したものです。 最終的には他グループの検討内容等を踏まえ、修正や調整が必要になります。 【居住環境に関するまちづくりの方向性】 1.荻窪らしい地区特性に応じた住環境等の整備 ① 地区特性に応じた住環境を守り育てるためのまちづくりのルールづくりの推進 ・荻窪地域を天沼 2・3 丁目地区、荻窪駅周辺、荻窪 4 丁目地区(構想図参照)とエリアごとに 分けて、地区特性に応じた住環境を守り、育てるため建築協定、景観協定、地区計画等のまち づくりのルールづくりや計画づくりを推進していく。 ② 多世代が暮らせるまちづくりの推進 ・高齢者が暮らしやすい街は、あらゆる世代にとっても暮らしやすい街である。このことからも、 高齢者や生活者の視点に立った、まちづくりを推進することをめざす。 ・高齢者や生活者の視点に立った街とは、「コンパクトな街」を形成することである。このこと が「子ども-若者-子育て世代-高齢者」と多世代が暮らしやすいまちづくりへとつながる。 以下に、エリア別のまちづくりのイメージ(例)を示す。 【多世代が暮らせるまちづくりの推進(例/エリア別イメージ)】 ・基盤整備がされていない箇所がある天沼 2・3 丁目地区は、その界隈性が高い庶民的な暮 らし・交流を維持しつつも、狭小宅地や末接道の老朽木造住宅の共同・協調的建替えの 推進をはかる。また、子育て世代が住みやすいまちづくりを進める。 ・荻窪 5 丁目は、駅周辺の利便性を活かし、事務所等の民間施設を借り上げて高齢者のた めのコミュニティ施設や中高生の拠点づくり等、時代にあった空間づくりに取組む。 (「2.オープンスペースの確保と地区特性に応じた道路整備の推進 ①子どもや中高生 (青少年)世代をはじめ、多世代が快適に過ごせるコミュニティスペースの確保」 (5 頁) 参照) ③ 大田黒公園周辺地区の景観まちづくりの推進 -モデル地区としてのまちづくりの推進- ・荻窪 4 丁目に広がる街区基盤が整っている住宅地については、みどり豊かな閑静な低密度住宅 地としての住環境を保全・育成する。 ・現在の良好な居住環境の維持、荻窪のさらなるイメージアップ、ブランド化をはかるため、荻 窪のモデル地区としてのまちづくりを進める。 ・大田黒公園周辺地区は、敷地の細分化やそれに伴う緑の減少を避けるためのルールを守り、良 好な住宅地を維持し、緑豊かな落ち着きのあるまちなみの形成をはかるため、地区計画の取組 みを推進する。 4 このたたき台は本グループの議論を基に文章化したものです。 最終的には他グループの検討内容等を踏まえ、修正や調整が必要になります。 2.オープンスペースの確保と地区特性に応じた道路整備の推進 ① 子どもや中高生(青少年)世代をはじめ、 多世代が快適に過ごせるコミュニティスペースの確保 ・多世代が快適に過ごせるコミュニティスペースを確保する。公共施設が活用できない場合は、 民間施設の借り上げによる活用も検討する。例えば、駅周辺、駅前は利便性を活かし、事務所 等の民間施設を借り上げたり、住宅地は空き家等を活用し、高齢者のためのコミュニティ施設 や中高生の拠点づくり等、時代にあった空間づくりに取組む。 ・特に、中高生世代の拠点づくりについては、意見を聴く場を設けるなど、青少年世代にとって どのような居場所づくりや空間がほしいかを把握した上で、中高生が求める拠点づくりを整備 する。 ② 震災時に避難可能なオープンスペースの確保 ・駅周辺、あるいは駅前に災害時に帰宅困難者にも対応でき、防災機能も備えた駅前広場やオー プンスペースを有効に活用できるようにする。 ・災害時に帰宅困難者等を受入れ可能な民間施設との連携や公共施設の確保をする。 ③ 地区特性に応じた歩行者や生活者の視点に立った道路等の整備推進 ・天沼 2・3 丁目地区は、緊急車両が通れる生活道路(6m)の整備やカラー舗装により、歩行者 と車の道路の棲み分けをする。特に、天沼八幡通りは、歩道を整備するなど歩行者が安心して 歩ける空間として整備する。 ・青梅街道は、居住者が安全に安心に通行できるよう、自転車レーンの整備を検討するとともに、 自転車の交通ルールを守るような工夫をはかる。 ・荻窪 4 丁目の荻窪体育館・読書の森公園・中央図書館など子どもが施設に行きやすい環境づく りのためにも、モデルケースとして、近衛通りの歩道を整備する。 ・荻窪 4 丁目は抜け道となっている現状から、居住環境が守られる交通ルールの徹底をはかる。 特に近衛通りについては、上記の歩道整備だけでなく、一方通行や時間規制などの検討をし、 歩行者や生活者のことを一番に考えた道路として整備する。 ・また、善福寺川周辺(荻窪 4 丁目)は緊急車両が通れない箇所もあるため、いざという時に通 行できるように整備したり、あるいは、その道路の所有者と協定を結び、緊急時のみ通行可能 になるように働きかけをするなど、その可能性を検討し、協議を重ねる。 5 このたたき台は本グループの議論を基に文章化したものです。 最終的には他グループの検討内容等を踏まえ、修正や調整が必要になります。 3.快適で質の高い緑の空間づくり ① 既存の緑の保全と、連続性のある緑の形成 ・屋敷林等、保存樹木等、既存の緑が保全しやすい仕組みを検討する。 ・区の「みどりのベルトづくり」の考え方や既存の景観まちづくりを推進し、店舗や住宅の樹木、 花、緑を組み合せて個々の緑、さらには公園・道路にある公共の緑とつなげてネットワークを 形成し、連続する街並みとする。 ② 地区特性に応じた緑化と親しみのもてる空間の創出 ・4 丁目の善福寺川沿いは、川に親しみを持てるさんぽ道やジョギングができる通りとして整備 するなどの検討を進める。将来的には、環八方面へ向けて緑地やプロムナードの整備をめざす。 ・天沼 2・3 丁目地区は、住宅の建替えに併せて狭あい道路の拡幅整備や隅切り、緑化を推進す る。ブロック塀等も震災時に危険であり景観上も好ましくないことから、区の接道部緑化助成 を活用して生け垣化するなど改善をしていく。 ・駅周辺や荻窪 5 丁目地区では、マンション等の建替え時にあわせ、公開空地等を活用した緑化 の誘導をはかる。また、スペースがない箇所については、助成制度を活用した屋上緑化や壁面 緑化の推進をはかる。 6 7 資料6 まちづくり構想骨子案(歴史・文化) 【現状と課題】 ①荻窪駅周辺には様々な歴史・文化資源があるが、住民や来街者に十分知られてい ない ②様々な文化活動が行われているが、情報が十分に伝わっていない ③文化活動の場や活動支援の充実が必要である 【まちづくりの目標像】 『住民が荻窪を良く知り、発信し、歴史・文化のあるまちを育てる』 【まちづくりの方向性】 (1)荻窪の歴史・文化の情報発信 ①荻窪の歴史・文化に関する情報の一元化 ②情報提供手段の充実 ③荻窪の歴史・文化の情報発信拠点の整備 (2)歴史・文化資源を活かしたまちづくり ①歴史・文化資源の保全 ②歴史・文化資源の総合的なサインの整備 ③歴史・文化資源のマップの作成やガイドの養成 ④歴史・文化資源をめぐるルートの安全・快適化 (3)荻窪の文化を活かした活動やイベントの活性化 ①『音楽のまち荻窪』のアピール ②文化活動の場の充実、マッチングの実施 ③文化活動・イベントの支援の充実 ④住民が荻窪の歴史・文化を知る機会の充実 1 このたたき台は本グループの議論を基に文章化したものです。 最終的には他グループの検討内容等を踏まえ、修正や調整が必要になります。 【まちづくり構想のたたき台】 【歴史・文化に関する現状と課題】 ①荻窪駅周辺には様々な歴史・文化資源があるが、住民や来街者に十分知られていない ・荻窪駅周辺には荻外荘、大田黒公園、角川庭園など戦前からの住宅地の歴史を伝える資源、文士 の旧宅(与謝野晶子・鉄幹、井伏鱒二、太宰治、上林暁、草川信等)、寺社や用水路など農村の歴 史を伝える資源がある。また、中央図書館(旧杉並区立公民館)は原水爆禁止署名運動の発祥の 地であり、読書の森公園にはガンジー像も置かれ、平和を発信する文化がある。 ・しかしこれらの歴史・文化資源は、まちの中に埋もれてしまい、住民や来街者に十分に知られて いない。これらの歴史・文化資源を住民や来街者に知ってもらえるようなハード、ソフトの取組 みが必要である。 ・また、文化・歴史資源の中には、私有地内にあるものもあり、将来にわたって保全をしていくし くみを作る必要がある。 ②様々な文化活動が行われているが、情報が十分に伝わっていない ・大田黒公園や角川庭園などでのイベント、寺社の例祭、商店街・公共施設が主催するイベント、 荻窪音楽祭を始めとする市民グループが主催するイベントなど様々な文化活動が行われている が、十分に住民等に伝わっていない。情報を一元化して提供するなど、地域のイベントや文化活 動に関する効果的な情報提供の取組みが必要である。 ③文化活動の場や活動支援の充実が必要である ・荻窪駅周辺には、杉並公会堂、郷土博物館分館、中央図書館などの文化施設が立地しているが、 様々な文化活動を行う場所、荻窪の文化を発信する場所について、充実が求められている。 ・また、文化活動については商店街振興等に比べ行政からの活動支援が少ないため、活性化に向け た支援の充実が必要である。 2 このたたき台は本グループの議論を基に文章化したものです。 最終的には他グループの検討内容等を踏まえ、修正や調整が必要になります。 【歴史・文化に関するまちづくりの目標像】 『住民が荻窪を良く知り、発信し、歴史・文化のあるまちを育てる』 <目標像の背景> ・荻窪には豊富な歴史・文化資源や施設、緑豊かな住宅地が広がっている。住民がこうした荻窪の まちの良さをよく知り、まちを愛することがまちづくりの出発点となる。 ・住民が荻窪を良く知ることにより育まれる「まちを愛する気持ち」を発信していくことにより、 「荻窪は良いまちだ」という評判がますます広まり、訪れる人が増えてくると考えられる。こう した循環をつくることで、まちが活性化し、まちの価値が高まる。 ・そこで、「住民が荻窪を良く知り、発信し、歴史・文化のあるまちを育てる」ことを、歴史・文 化分野でのまちづくりの目標像とする。 ■大切にしたい文化・歴史資源 3 このたたき台は本グループの議論を基に文章化したものです。 最終的には他グループの検討内容等を踏まえ、修正や調整が必要になります。 【歴史・文化に関するまちづくりの方向性】 (1)荻窪の歴史・文化の情報発信 ①荻窪の歴史・文化に関する情報の一元化 ・荻窪の歴史・文化資源の場所や由来、歴史・文化等に関するイベントや活動に関する情報を一元 的に入手できる体制を整える。 ・荻窪の歴史・文化に関する情報の一元化にあたっては、地域の活動情報や商店会の情報発信との 連動も考慮して進める。 ②情報提供手段の充実 ・情報提供手段としては、ホームページ・SNSのほか、パンフレットや各種マップ、広報誌など 様々な手法を取り入れていく。 ③荻窪の歴史・文化の情報発信拠点の整備 <駅直近> ・駅直近に、荻窪の歴史・文化資源の案内とイベント情報の提供を行う大型の掲示板を設置する。 イベント情報の更新が容易にできるように、電子形式であることが望ましい。 ・区民や来街者、外国人が、荻窪の歴史や文化に関する情報を気軽に得られる場(インフォメーシ ョンセンター又はビジターセンター)を整備する。 ・インフォメーションセンター又はビジターセンターの運営は、地域の住民が主体となった団体が 行うことが望ましい。将来的には、情報発信だけではなく、文化活動団体や地域団体が交流でき るスペースや、展示・講座を開けるスペースも確保していく。 <その他の地域> ・駅直近のインフォメーションセンター又はビジターセンターに加えて、荻外荘、杉並公会堂、郷 土博物館分館を「歴史・文化の情報発信拠点」として位置づけ、住民が歴史・文化の展示を開催 したり、イベントを行う場として育てていく。 4 このたたき台は本グループの議論を基に文章化したものです。 最終的には他グループの検討内容等を踏まえ、修正や調整が必要になります。 【荻窪の歴史・文化の情報を得られる場(インフォメーションセンター又はビジターセンター)のイメージ】 (趣旨) ・来街者だけでなく、住民が気軽に利用できる場所の 開設を目指す。 (主な機能) ・荻窪のまちの成り立ち、駅南北にある文化スポット の紹介 ・文化イベントの情報提供(将来的には、地域情報や 商店会情報との連動を図る) ・文化活動団体、地域団体同士の交流の促進 (立地場所) ・将来的に駅直近(駅西口改札前を拡充してデッキ上 に設置)、当面は空き店舗などを活用 (運営主体) ・地域住民が主体となったNPO団体等が運営を担う 可能性を検討する 5 ▲インフォメーションセンターの事例 上:かしわインフォメーションセンターHP 下:NPO 法人 ACOBA HPより このたたき台は本グループの議論を基に文章化したものです。 最終的には他グループの検討内容等を踏まえ、修正や調整が必要になります。 (2)歴史・文化資源を活かしたまちづくり ①歴史・文化資源の保全 ・歴史・文化資源を今後も良好な状態で保全していく。特に、私有地に立地するものについては、 所有者の理解や協力を得ながら保全に努めていく。 ②歴史・文化資源の総合的なサインの整備 ・区民や来街者が歴史・文化資源に気軽に訪れることができるように、歴史・文化資源をめぐるル ートを設定し、歴史・文化資源へのわかりやすい案内板等のサインを整備する。 ③歴史・文化資源のマップの作成やガイドの養成 ・歴史・文化資源を気軽に訪れてもらえるように、歴史・文化資源をめぐるマップを作成する。 ・また、歴史・文化資源について知識を深めてもらうために、住民ボランティアによるガイドを養 成し、ガイドツアーやまち歩きイベントを開催していく。 ④歴史・文化資源をめぐるルートの安全・快適化 ・安全で快適に歴史・文化資源をめぐれるように、主要なルートとなる道路の歩行環境の改善やバ リアフリーを進める。 ・将来的には、高齢者や障害者等も気軽に訪れることができるように、南北のミニバスなどのモビ リティを充実させていく。 6 このたたき台は本グループの議論を基に文章化したものです。 最終的には他グループの検討内容等を踏まえ、修正や調整が必要になります。 【歴史・文化資源をめぐるまち歩きルート、サイン等のイメージ】 (まち歩きルート) ・駅南北の主な歴史・文化資源を巡れる8の字 ルートとする。 ・ルートは、できるだけ広い道路とするが、道 路の幅員が狭い区間についても沿道の居住者 の理解を得ながらルートとして示してきた い。 (サイン・案内板) ・案内板は駅の南北に1基づつ、文化・歴史資 源のある場所に1基づつ設置する。 ・ルートの曲がり角にはサインを配置する。 ・サインや案内板は色やデザインを統一させ、 わかりやすくする。 ・目的地までの距離も表示する。 (休憩所) ・大田黒公園、角川庭園、荻外荘、郷土博物館 分館付近には、屋根とベンチのある休憩所を 充実させたい。 7 ▲まち歩きルートの事例 資料:NPO法人すぎなみ学びの楽園すぎなみ文化事業部 このたたき台は本グループの議論を基に文章化したものです。 最終的には他グループの検討内容等を踏まえ、修正や調整が必要になります。 (3)荻窪の文化を活かした活動やイベントの活性化 ①『音楽のまち荻窪』のアピール ・毎年 11 月に行われている荻窪音楽祭について、担い手の充実を図りながら、年間を通した定期 的なコンサートの実施を検討していく。 ・荻窪音楽祭にあわせて、文化イベントを開催するなどして、荻窪の文化やまちの魅力をアピール していく。 ②文化活動の場の充実、マッチングの実施 ・歴史・文化資源、空き店舗等を活用した活動場所の発掘・充実を図るとともに、活動団体への紹 介・マッチングを進める。 ・特に、荻窪音楽祭の際に演奏会場となる場所が駅周辺に 30 か所近くあるが、こうした場所と音 楽を発表したい人をつなげていく仕組みを検討する。 ③文化活動・イベントの支援の充実 ・文化活動やイベントには、ポスターやパネル作成などの費用がかかるものが多い。こうした費用 を団体のみが負担することには限界があるので、区や地域による支援(助成金や協働事業など) を充実していく。 ・文化活動やイベントは、住民どうしの交流やまちの活性化にもつながることから、町会や商店会 と連携して取り組むことも必要である。 ④住民が荻窪の歴史・文化を知る機会の充実 ・住民が荻窪の歴史・文化を知る機会を充実するために、新たな文化イベントの実施について検討 する。 ・特に、将来のまちづくりを担う子どもたちに、子どもたちが身近に感じられる方法によって、荻 窪の歴史・文化を知る機会を充実させていくことが重要である。 【新たな文化イベントの例】 ・過去現在の荻窪居住の著名人を取材・研究・発信するフォーラムの開催 ・ 「荻窪検定」の実施、など 8 資料7 まちづくり構想骨子案(南北連携) 【現状と課題】 ①JR線南北の人・自転車等の通行動線を改善・強化する必要がある ②駅利用や乗り換え等における人の動線分離ができていない ③駅前広場機能や人が集まれるオープンスペースが少ない ④JR荻窪駅の安全性を高めるため駅施設を改善する必要がある ⑤震災時に求められる駅周辺や鉄道空間の役割を考慮する必要がある ⑥南口・北口それぞれの地域特性を尊重し、活かした駅周辺のまちづくりを進める必要が ある 【まちづくりの目標像】 『南口・北口それぞれの個性を楽しめるまちへ』 【まちづくりの方向性】 (1)南北の通行動線の改善・強化 ①東口改札前地下通路の改善・強化 ②荻窪地下道や環八通り地下通路の改善・拡幅 ③自転車等がスムーズに通行できる新たな地下通路の整備 ④西口改札前通路の改良 ⑤コミュニティバス路線の導入 ⑥西口改札前通路等の拡充 (2)駅前広場の充実 ①北口駅前広場の改善 ②北口駅前広場の拡張 ③南口の駅前広場空間の確保 (3)駅舎等の改良・活用 ①ホーム・駅舎の改良 ②災害時の鉄道用地の活用 (4)実現に向けた協議体制づくりと調査・検討 ①「三者協議会」などの協議体制づくり ②実現化に向けた調査・検討の実施 ③長期を見据えた取組みの検討 1 このたたき台は南北連携検討会での議論を基に文章化したものです。 最終的には、各検討グループの検討内容等を踏まえ、調整・修正が必要になります。 【まちづくり構想のたたき台】 【現状と課題】 ①JR線南北の人・自転車等の通行動線を改善・強化する必要がある ○自転車、車椅子、ベビーカー、高齢者、障害者などはJR線路南北を横断するのが困難 ・荻窪駅周辺地区において、現在、歩行者がJR線の線路を南北に横断できる「南北連絡動線」 は、「天沼陸橋」、「荻窪地下道」、 「東口改札前地下通路」、「西口連絡橋」、「環八通り地下通 路」、 「光明院地下道」の6カ所ですが、高齢者やベビーカー、乳幼児を連れた人の立場から みると南北の行き来は非常に困難であり、自転車、車椅子、ベビーカー、高齢者、障がい者 など、誰もがJR線路等の南北を、容易に自由に行き来できる、住みやすく動きやすいまち にしていく必要があります。 ○地下道は、防犯面から夜間は通行しにくく、地下道が深すぎてスロープ等の勾配がきつい ・現在の南北連絡動線のなかでも、「荻窪地下道」、「環八通り地下通路」の地下道は、階段や スロープが急勾配となっており、自転車やベビーカーの押し歩きも大変であり、車いすでの 通行はできない状況です。 ・また、これらの地下道は、防犯面からも夜間等の通行をためらう状況にあります。 ②駅利用や乗り換え等における人の動線分離ができていない ○東口改札前地下通路は駅利用、乗り換え、南北横断の動線が集中し、人が交錯して危険 ・東口改札前地下通路には、特に朝夕の通勤通学時間帯には、北口駅前広場や南口のバスベイ からの鉄道への乗り換え動線が集中し、さらに、JR線と東京メトロ丸ノ内線との乗り換え 客の動線やJR線南北を横断する人の動線が交錯する危険な状況になります。 ・また、通路空間が狭く、改札口周辺で人が待ち合わせのできるスペースもない状況です。 ○駅構内でJRと東京メトロの乗り換え動線をつくる等により、人の横断動線の分離が必要 ・現在、JR線と東京メトロ丸ノ内線との乗り換え客の動線は、一旦改札口を出て東口改札前 地下通路を通行する動線となっていますが、改札内での乗り換え口の設置などで動線を分離 することが必要です。 ③駅前広場機能や人が集まれるオープンスペースが少ない ○駅前広場機能の脆弱性(北口の駅前広場が狭く、南口に駅前広場がない)が駅周辺の交通混 雑の要因 ・荻窪駅周辺では、北口に駅前広場が整備され、バスバースやタクシー待合スペース、人の待 合スペースが整備されていますが、駅前に発着するバス路線の系統や発着本数からみて、現 在の駅前広場の機能では不足しています。 ・また、南口には駅前広場がなく、都市計画道路補助第 131 号線として拡幅整備された南口駅 前通りにおいてバスベイやタクシー乗り場を共用する状況となっており、朝夕のバス発着の ピーク時には交通混雑が著しい状況です。南口駅前通りの環八通り~南口バス通りの区間は、 現在、一方通行となっていますが、バスベイを共用していることから車道はバス交通で混雑 する上、客待ちのタクシーが行列し、荷捌車や送迎自家用車の路上駐車も多くなっており、 2 このたたき台は南北連携検討会での議論を基に文章化したものです。 最終的には、各検討グループの検討内容等を踏まえ、調整・修正が必要になります。 現状は相互通行化が困難な状況です。 ○災害時の一時滞留や日常的なイベントのできる広場・オープンスペースが少ない ・こうした駅前の交通結節機能の不足とともに、日常的にちょっとしたイベントができ、災害 時には来街者の一時滞留空間となるような広場・オープンスペースはほとんどない状況と言 えます。 ④JR荻窪駅の安全性を高めるため駅施設を改善する必要がある ○荻窪駅は全国的に人身事故が多い駅 ・JR東日本の管内でも中央本線における人身事故の発生が多くなっていますが、そのなかで も荻窪駅での人身事故が多い駅というデータがあり、駅の安全性への不安は様々な面からま ちの損失につながっていると思われます。駅利用者の安全性の確保に向けた取組が急務です。 ○災害時等の駅施設の安全性向上が必要 ・荻窪駅施設については、防災面でも災害時の一時滞留空間もないため、鉄道事業者としても 乗客の安全確保を最優先した駅施設の安全性向上が求められます。 ⑤震災時に求められる駅周辺や鉄道空間の役割を考慮する必要がある ○震災時の人の避難等に際してJR線路が阻害要因となることが心配 ・大地震により市街地大火が発生し、人が避難場所に避難するとき、あるいは緊急車両が救援 救護活動を行うときに、JR線の線路がその妨げとなることを心配する声があります。 ○震災時に求められる駅周辺や鉄道空間への期待 ・現在、非常時にJR関係者が線路を横断することができるように横断帯が数カ所設けられて いますが、災害時に鉄道が止まり沿線で火災が発生したときには、これを沿線住民が通行で きるように開放、あるいは鉄道空間へ住民が避難することができないか、という意見があり ます。 ⑥南口・北口それぞれの地域特性を尊重し、活かした駅周辺のまちづくりを進める必要 がある ・JR線南北の交通動線の充実・強化など南北連携まちづくりにおいては、南口、北口それぞ れのまちづくりの経緯を踏まえて、それぞれの地域の良さを生かして発展させることを基本 とし、南北の地域コミュニティがお互いに協力していく必要があります。このため、南北連 携のまちづくりがそれぞれの地域の交通環境などに悪影響を及ぼすことがないように留意 する必要があります。 3 このたたき台は南北連携検討会での議論を基に文章化したものです。 最終的には、各検討グループの検討内容等を踏まえ、調整・修正が必要になります。 【まちづくりの目標像】 「北口・南口それぞれの個性を楽しめるまちへ」 自転車、車椅子、ベビーカー、高齢者、障害者等が、JR線路等の南北を、容易に自由に行き 来できるまち 駅前広場が十分に確保され、JR・東京メトロ・バスなどの交通機関相互の乗り換えは、南北 通行動線とは分離されてスムーズにできるまち 駅前には、人が安全に滞留でき、憩える広場やオープンスペースが確保されているまち 【まちづくりの方向性】 (1)南北の通行動線の改善・強化 ・JR線南北を連絡する現在の地下通路は、より一層利用しやすくなるよう、それぞれ現状の 問題点の改善に向けて取組を進めます。 ・特に、朝夕の通勤・通学時間帯に人が集中する東口改札前地下通路については、これまでの 改善整備への取組経緯を踏まえて重点的に対策を進めます。 早期の実現をめざす取組 ①東口改札前地下通路の改善・強化 ●東口改札前地下通路の 24 時間開放 ・荻窪駅の東口改札前地下通路については、災害時や夜間の通行も可能な「24 時間自由通路」 として常時開放できるように改善が必要です。 ●通路空間の拡幅、昇降装置の充実 ・改札前で人が待ち合わせのできるスペースを確保するよう通路空間の拡幅を図るとともに、 歩行者が集中する通路出入口となる階段部分は駅利用者の安全性確保の面からも拡幅を検 討します。 ・地下通路の北口及び南口には、エレベーター、エスカレーター(通常は上り)がそれぞれ1 カ所ずつ設置されていますが、通路空間の拡幅にあわせて、エスカレーター(下り)の増設 を検討します。 ●乗り換え動線の分離 ・地下通路を南北に横断する歩行者、鉄道乗降客、乗り換え客のそれぞれの動線の分離を図る ため、JR線と東京メトロ丸の内線の乗り換え専用改札口の設置・拡充、JR線のルミネ専 用改札口の設置などを検討します。 ②荻窪地下道や環八通り地下通路の改善・拡幅 ・荻窪地下道や環八通り地下通路については、もっと安心して通行できるよう明るくきれいに するとともに、自転車搬送用コンベア(オートスロープ)の設置など自転車の押し歩きがし やすくなるよう改善を検討します。 4 このたたき台は南北連携検討会での議論を基に文章化したものです。 最終的には、各検討グループの検討内容等を踏まえ、調整・修正が必要になります。 ・また、自転車の押し歩きによる通行の安全性を向上し、さらに車いすでの通行が可能となる よう、通路空間の拡幅やスロープの緩傾斜化、及び自転車搭載可能エレベーターの設置を検 討します。 ・地下通路の改善に際しては、防犯カメラや警報装置の設置をはじめとして防犯の視点からの 改善に取り組みます。 ③自転車等がスムーズに通行できる新たな地下通路の整備 ・荻窪駅周辺の既存の地下道は、いずれも深く掘られているため階段やスロープが急勾配とな っており、自転車では通行がしにくく車いすでの通行はできない状況です。しかし、今日の 鉄道架道橋等の技術や基準からは、現状ほどの深さがなくてもJR線の線路の下を横断する 歩行者自転車道の整備は可能と考えられます。このため、JR線沿線の地形の高低差等を生 かしてJR線の線路の下を横断する新たな歩行者や自転車等の通行動線の整備可能性を考 えます。 ・この場合、駅前における各種交通の動線を分離して相互の安全性を確保するため、歩行者動 線との分離を意図した新たな自転車通行動線の確保をめざします。 ④西口改札前通路の改良 ・地下通路の改善・整備とともに、現在の西口連絡橋についてもグリーン車導入に伴うホーム 延伸等の駅改良工事の機会を捉えて、改札前で人が待ち合わせのできるスペース確保するた めの通路空間の拡幅やエレベーター、エスカレーターの増設などの改良を検討します。 ⑤コミュニティバス路線の導入 ・高齢者や障がい者等が駅周辺の公共施設等を安全・快適に廻ることができるように、荻窪駅 を中心に区の南北をつなぐ新たなコミュニティバス路線の導入などを検討します。 10~20年後のまちの機能更新を見据えて検討に着手する取組 ⑥西口改札前通路等の拡充 ・ルミネやタウンセブンの改築など、まちの機能更新を見据えて、西口改札前通路からつなが るJR線路上空を活用した橋上デッキにより、JR線南北をつなぐ交通動線の強化や災害時 の避難スペース、休息・イベントスペースともなる広場整備等をめざします。 (2)駅前広場の充実 早期の実現をめざす取組 ①北口駅前広場の改善 ・北口駅前広場の人の待合スペースに、ちょっと休息できるベンチや日よけのための屋根を設 置するなど改善を図ります。 10~20年後のまちの機能更新を見据えて検討に着手する取組 ②北口駅前広場の拡張 ・バスやタクシー・送迎自家用車等のための駅前交通広場が不足する状況のなか、北口広場の 上空や地下を活用した駅前広場の拡充、荻窪駅北口駅前広場の隣接地区の再開発やタウンセ 5 このたたき台は南北連携検討会での議論を基に文章化したものです。 最終的には、各検討グループの検討内容等を踏まえ、調整・修正が必要になります。 ブン、ルミネの改築の機会を捉えた再開発と連携して駅前広場を拡充する方策など、新しい 整備方策の実現可能性を検討・追求し、駅前広場機能の強化に資するまちづくりの展開を検 討します。 ③南口の駅前広場空間の確保 ・現在、駅前広場のない駅南口における駅前広場の用地確保のあり方について検討します。 (3)駅舎等の改良・活用 早期の実現をめざす取組 ①ホーム・駅舎の改良 ・ホームドアの設置をはじめ、駅構内の災害時の滞留空間確保など駅施設の安全性向上を目指 します。 ②災害時の鉄道用地の活用 ・駅利用者等の一時滞留空間の確保や沿線住民の避難など、震災時における鉄道事業者や鉄道 空間が果たすべき役割について「荻窪駅前滞留者対策協議会」等を通して検討を進め、災害 時の沿線住民等による鉄道空間の利用可能性について検討協議を図り、災害時の協力協定の 締結をめざします。 (4)実現に向けた協議体制づくりと調査・検討 早期の実現をめざす取組 ①「三者協議会」などの協議体制づくり ・南北の交通動線の改善・強化等の取組については、JR及び東京メトロの協力がなければ実 現は不可能です。このため、少なくも、JR東日本、東京メトロと区の「三者」協議の場(三 者協議会)を設け、具体的な計画条件を検討・協議を図る必要があります。 ・また、「荻窪駅周辺まちづくり構想」に関する提案や協議に際しては、荻窪まちづくり会議 の代表など関係住民を加えた協議の場が必要です。 ・なお、鉄道に関する事業や駅周辺の基盤整備事業の推進に際しては、国や東京都の協力が不 可欠であることから、検討課題に応じて必要な時期に国や東京都との協議の場づくりを図る 必要があります。 ②実現化に向けた調査・検討の実施 ・JR線南北の交通動線の整備を実現していくためには、鉄道施設や地下埋設物、各種の交通 量の動向など必要な調査を行い、鉄道の上部や地下利用等にあたっての各種の計画条件、事 業手法を検討・整理し、実現のための条件及び課題を比較検証しながら具体的な整備計画を 検討していく必要があります。 ・荻窪まちづくり会議を発展的に継続させ、こうした実現に向けた調査・検討をフォローアッ プしていく体制をつくります。 ・また、こうした整備計画作成に向けた調査・計画においては、鉄道事業者の保有する情報や 鉄道事業者との協議による計画条件等の把握・整理が不可欠であることから、JR東日本、 6 このたたき台は南北連携検討会での議論を基に文章化したものです。 最終的には、各検討グループの検討内容等を踏まえ、調整・修正が必要になります。 東京メトロと区の三者協議会を進めるなかで、具体的な計画条件の検討・協議を図ります。 10~20年後のまちの機能更新を見据えて検討に着手する取組 ③長期を見据えた取組の検討 ・駅南北の交通動線のネックとなる要因として青梅街道横断の困難性もあげられます。現在、 駅西口と天沼地域をつなぐ歩行者動線として、西口連絡橋を延伸するかたちでルミネやタウ ンセブンの協力で歩行者デッキが設置され、青梅街道を横断する歩道橋につながる動線が整 備されていますが、青梅街道の歩道橋にエレベーター・エスカレータの昇降装置がないため、 利用しにくい状況があります。西口改札前通路等の拡充・延伸による橋上デッキの整備に際 しては、青梅街道北側における橋上デッキの昇降装置の設置場所確保の検討を含めて、橋上 デッキの青梅街道北側への延伸・充実を検討します。 ・また、JR線路上空を活用して天沼陸橋につながる橋上デッキを整備し天沼陸橋からアクセ スする駅前広場を整備するなど、新たな整備方策の可能性を考えていく必要があります。 ・いわゆる『開かずの踏切』の解消による交通渋滞や鉄道事故の要因をなくすことを主目的と して実施される、鉄道の高架化又は地下化を推進する「連続立体交差事業」については、現 在の適用要件からみると荻窪駅周辺では実施が困難と判断されますが、天沼陸橋の架け替え などの長期を見据えた課題として捉え、その整備イメージや実現可能性を検討していきます。 7