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Ⅳ インバウンド需要と農村の取組
1.訪日外国人旅行者数と旅行消費額の推移
○
○
訪日外国人旅行者数と消費額は、2011年以降増加傾向にあり2015年にはいずれも過去最高を更新。
2020年の目標は2,000万人で、その時の旅行消費額は約4兆円と見込まれている(このうち、約1/4の
約1兆円が食関連と言われている)。
(億円)
(万人)
40,000
35,000
1,974
34,771
旅行消費額(億円)
訪日外国人旅行者数(万人)
1,400
1,341
25,000
1,036
20,000
15,000
11,490
10,000
836
622
8,135
1,800
1,600
30,000
861
2,000
1,200
20,278
1,000
800
14,167
10,849
600
400
5,000
200
0
0
2010
2011
2012
2013
資料:観光庁及び日本政府観光局(JNTO)資料を基に作成。暫定値を含む。
2014
2015
648
2.訪日外国人旅行者消費額の動向
○ 訪日外国人旅行者数と消費額は、2011年以降増加傾向にあり2015年にはいずれも過去最高を更新。
○ 2015年は旅行消費額が前年比71.5%増となり初めて総額で3兆円を超えた(約1/4が食関連と推
定)。
2015年 訪日外実数(総数)
単位:人数(人)、伸率(%)
累計
伸率
総数
19,737,409
47.1
韓国
4,002,095
45.3
中国
4,993,689
107.3
台湾
3,677,075
29.9
香港
1,524,292
64.6
タイ
796,731
21.2
シンガポール
308,783
35.5
マレーシア
305,447
22.4
フィリピン
268,361
45.7
ベトナム
185,395
49.2
英国
258,488
17.5
フランス
214,228
20.0
ドイツ
162,580
15.9
イタリア
103,198
28.1
77,186
27.5
1,033,258
15.9
カナダ
231,390
26.5
豪州
376,075
24.3
1,251,056
64.8
スペイン
米国
その他
出典:観光庁
49
3.訪日外国人旅行者のニーズ
○
外国人旅行者の訪日前アンケート調査では、「日本食を食べること」を一番楽しみにしている。
また、実際に訪日した9割超が日本への再訪を希望。
1.訪日前に期待していたこと
日本食を食べること 76.2%
日本の酒を飲むこと 24.4%
自然・景勝地観光
46.8%
2.日本への再訪意向(リピーター)
必ず来たい・来たい
93.4%
出典:観光庁
50
4.海外で日本の「食」が注目されている
和食ブーム
食を文化としてとらえる世界の潮流
 外国人観光実が
「訪日前に期待すること」
1位「食事」(62.5%)
出典:JNTO 訪日外実訪問時調査(2010年)
 外国人が好きな外国料理
1位「日本料理」(21.1%)
出典:日本貿易振興機構調査(2013年3月)
 海外の日本食レストランの数
2015年
約8万9千店
(外務省調べ、農林水産省推計)
出典:日本食品に対する海外消費者意識アンケート調査(7カ国・地域比較版)(JETRO(2013年3月))
【日本食品・日本料理に関する評価】
◆日本料理が好きな理由
主な理由は「味の良さ」「健康に配慮」「洗練されている・高級感」。
◆日本料理のイメージ
「美味しい」「健康に良い」「おしゃれ」「安全」など総じてポジティブなイメージが強い一
方、4割程度の回答者が「価格が高い」と回答。
◆好きな日本料理
「寿司・刺身」「天ぷら」「ラーメン」などが上位。
出典:日本食品に対する海外消費者意識アンケート調査(6都市比較版)(JETRO(2014年3月))
51
5.戦略的インバウンドの推進①
~オリンピック・パラリンピック東京大会を契機とした取組~
○ FBI戦略を更に推し進めるとともに、「和食」のユネスコ無形文化遺産登録をホップ、ミラノ万博をステップ、
オリ・パラ東京大会をジャンプとして、日本食・食文化を世界に発信。我が国の農林水産物・食品の輸出拡大につな
げ、本物を本場で食べてみたいというニーズを生みだし、インバウンドの増大という好循環につなげる。
1
2 新たな取組
これまでの取組実績等
 国産花きの魅力発信、「和の空間」によるPR、施設等への
木材利用の促進。引き続き、これらの取組を推進。
 欧米からの訪日旅行客のニーズに応じ、GAP、オーガニック・
エコ農産物等の安定供給体制を構築
[訪日外国人旅行者数と消費額の推移]
(万人)
(億円)
20,000
旅行消費額(億円)
20,278
1500
訪日外実数(万人)
1341
14,167
15,000
10,849
10,000
国産花きの素晴らしさを全
世界にアピールする勝利
の花束(ビクトリーブーケ)
を使用
選手村等で和装体験や
呈茶等を实施
事例:エム・ウェーブ
(長野五輪スケート競技施設)
国産カラマツの集成材を
屋根構造に使用
 訪日外国人旅行者のお土産販売(農産物・牛肉)を拡大する
ため、動植物検疫の円滑化
 動植物防疫官の定員増員や検疫探知犬の増頭によるCIQ体制
(動植物検疫)の強化
[2015]
STEP
ミラノ万博開催
HOP
[2020]
オリンピック・
パラリンピック
東京大会
JUMP
5,000
1036
1000
836
0
(独:約1兆円、仏:約5,700億円、英:約2,700億円)
2012-13市場成長率6%
〇米国:総売上額3.2兆円、
2012-13市場成長率8%
〇中国:市場規模は2009-13で約3倍
〇韓国:有機農産物の出荷量は年36%増
500
2012年
2013年
2014年
(事例:訪日外国人)
米国からの観光客15
名が日本茶の手摘
み、手もみによる製
茶を体験(京都の茶
園)

諸外国:有機食品の市場規模は年々増大
〇欧州:総売上額3.1兆円、
日本:有機食品の市場は欧米より
1桁小さい
有機農産物の市場規模:約1,300億円
訪日外国人旅行者2,000万人に向けた「食のおもてなし」体
制の整備 ⇒ 地理的表示産品を国内外に発信するととも
に、インバウンド需要を地域に取り込むための「地域の
食」、多言語対応、宗教・食制限への対応の加速化
「おもてなし体制」の整備に向けて今後の取り組むべき4つの指針
テーマ「地球に食料を、
生命にエネルギーを」
戦略的な「食と農の景勝地」づくり
[2013]
・「地域の食」の本場への観光意欲を刺激
「和食」登録決定
訪日外国人旅行者が食を楽しむ環境整備
地理的表示産品を活用した魅力発信
・地理的表示産品等の魅力ある食の活用
インバウンド対応と輸出促進の一体的推進
・飲食店における多言語対応やムスリム対応 ・道の駅・大型直売所等の免税対応や観光事業
との連携推進
[2015]
和食文化の保護・継承と展開に向けて
一般社団法人和食文化国民会議を設立
ミラノ万博では県花をデザインした菰樽や、最
新テクノロジーを駆使した展示等により日本の
農業や食文化を紹介
 大会が円滑に行われるよう食品テロ対策を構築
52
戦略的インバウンドの推進②
~「食と農」の地域資源を活用した取組~
○ インバウンドの増大に向けて、農山漁村ならではの「食」と「農」の魅力の結び付けなどによるコンテンツの磨き
上げやマーケティング、情報発信等の取組を推進。
○ こうした戦略的な取組を一体的に行う地域単位の体制構築を促進し、訪日外国人の増加を地方創生に結び付け、国
内向けも含めた裾野の広い観光需要を農村地域に取り込むことにより、所得と雇用の増大を図る。
現状
政策の方向
○ 日本食への関心の高まり
H25:「和食」のユネスコ
無形文化遺産登
録
H26:地理的表示保護
制度創設
○ 訪日外国人の増加
農山漁村の観光資源と
結び付けた日本食・食文化の
魅力発信
○ 農山漁村の魅力
・ 日本の豊かな食、自然、文化の魅力を生
かした都市と農村の交流
・世界農業遺産(現在5地域
認定。この他3地域が申請中)
日本食・食文化の「本場」を探
求するインバウンドの促進
(例)パ酒ポート
「道産酒」×「地域の食」×
「ツーリズム」を組み合わせ、
北海道全域で交流を促進させな
がら、道産酒の消費を拡大
(北海道広域道産酒協議会)
2020年の目指す姿
• 輸出増大がインバウンドにつながり、それが更に日本の食材への関心・信頼
を高める好循環の確立
• 農山漁村地域の所得と雇用の増大
日本食・食文化の魅力発信を地方創生に生かす取組
2020年をターゲットとした
「食と農」のインバウンド促進
2020年(オリン
ピック・パラリン
ピック)までに
2,000万人を目
指す
2020年までに
交流人口1,300
万人目標
取組の方向
世界的な日本食への関心や輸出促進がインバウンドにつながるよう
こ
れ
ら
を
結
び
付
け
る
こ
と
に
よ
る
イ
ン
バ
ウ
ン
ド
の
戦
略
的
展
開
食と一体となった農山漁村の魅力 を 世界へわかりやすく発信
魅力ある観光地域づくりに向けた取組
「食と農」を生かした観光戦略の策定
・ 「食と農」の結び付け等による魅力あるコンテンツの掘り起こし・磨き上げ 等
受入地域のマネジメント
マーケティング
(観光資源・サービスの品質管理)
(「食と農」による地域のブランド化と市場創造)
• 農家民宿、農家レストラン、体験農園
等の環境整備 等
• 魅力と特色ある受入れプログラムの策定と
戦略的なプロモーション 等
これらの取組を一体的に行う農山漁村における
地域単位の体制※を構築
※ 欧州では、こうした取組をDMO(Destination Management/Marketing Organization)が实施。DMOには、国、州、
市町村の各レベルの組織が存在し、多くは官民連携の非営利団体。
地域の魅力を世界に発信する取組
世界に分かりやすく伝えるため、3つの取組を实施
各省連携強化
「食と農の景勝地」
食と農のアーカイブズ
• 地理的表示産品の活用など、 • 地域の魅力的な取組を映像で
• 広域観光周遊ルートへの
地域の優れた取組を
組み込みやビジット・ジャパン
アーカイブ化(集積・保護・継承)
等と連携したAll Japanでの発信 「食と農の景勝地」として集成 • さらに多言語化して世界に発信
53
6.訪日外国人旅行者2,000万人への「食のおもてなし」体制の整備
訪日外国人旅行者数は2014年に1,300万人を超え、その旅行消費額のうち食関連消費は約6,000億
円となっており、目標の2,000万人受入が達成されれば、食関連消費も約1兆円となることが期待。
○ 今後、インバウンド需要を地域に取り込むための「地域の食」を磨き上げる地域「食と農の景勝
地」の認定制度の創設と発信体制の構築や、訪日外国人旅行者が食を楽しむ環境整備、インバウンド
対応と輸出促進の一体的推進に取り組む。
○
これまでの状況と取組
今後の取り組むべき4つの指針
(地方への導線)
関係省庁・事業者と連携した魅力発信
• 日本食・食文化普及イベントやメディア活用において、
観光庁等の関係省庁と連携し、食文化の発信を实施。
• 全国の郷土料理を紹介するポータルサイトにより、地域の日本食・食
文化の普及を推進。今後は当該サイトの多言語化を検討。
• 地域食材や国産食材を活用した食品を積極的に提供する観光関連
事業者「日本の食でおもてなしパートナー」の取組をPR。
関連性が希薄
日本の食でおもて
なしパートナーの
取組
郷土料理物語
訪日外国人旅行者・消費の増加
[訪日外国人旅行者数と消費額の推移]
20,000
旅行消費額(億円)
20,278
[2014年 訪日外国人旅行消費額]
1500
訪日外実数(万人)
1341
10,849
10,000
5,000
買い物代
14,167
15,000
1036
1000
836
0
2012年
2013年
2014年
観光庁「訪日外国人旅行者動向調査」
500
7,146億円
35.2%
その他
76億円
0.4%
宿泊費
6,099億円
30.1%
戦略的な「食と農の景勝地」づくり
• 農山漁村地域主体の取組を通じて磨かれる「地域の食」コンテンツを
日本食・食文化の発信の場において効果的に活用・発信することで、
「地域の食」の本場への観光意欲を刺激
地理的表示産品を活用した魅力発信
• 地域の生産者や観光協会等との連携を強化しつつ、日本各地の地理
的表示産品等の魅力ある食を活用し、面的な取組を国内外に発信
(需要の刈り取り)
訪日外国人旅行者が食を楽しむ環境整備
• 地場食材・郷土料理等の情報提供により、訪日外国人が「地域の食」
を楽しめる場を案内する体制・環境を整備
• 「おもてなし」を強みとした飲食店における多言語対応やムスリム対応
の促進等による訪日外国人受入環境の整備
インバウンド対応と輸出促進の一体的推進
旅行消費額
2兆278億円
娯楽サー
ビス費
465億円 交通費
2.3% 2,181億円
10.8%
※買物代のうち2割弱が食関連
飲食費
4,311億円
21.3%
• 道の駅・大型直売所等の免税対応や観光事業との連携を推進するこ
と等により郷土料理や地場の農林水産物・6次産業化商品等の訪日外
国人旅行者向けの販売促進
• ターゲット顧実・品目の設定や物流会社・関係機関等との連携等の戦
略的対応の啓発・普及による免税店の拡大及び購入者の利便性向上
54
7.農林水産物・食品の輸出額の推移
○
近年の輸出は、円高や平成23年3月の原発事故の影響などにより、落ち込みが生じていたが、平成
26年の輸出額は6,117億円(前年比11.1%増)と、過去最高となった。
○ 農林水産物の輸出額
資料:財務省「貿易統計」を基に農林水産省作成
【平成26年輸出額の国・地域別内訳】
資料:財務省「貿易統計」を基に農林水産省作成
555
8.明日の日本を支える観光ビジョン
56
57
58
9.
59
(H28年3月設定)
※数値目標は、今後の今後の訪日旅行市場、政府全体の目標等の変化を踏まえ、必要に応じて、適宜見直しを行う。
60
Ⅴ 農山漁村への支援
1.中山間地域等直接支払制度の導入の背景
61
2.農山漁村振興交付金
【平成28年度概算決定額:8,000 (-)百万円】
○ 農山漁村においては、人口の減尐・高齢化等に伴い、小規模集落の増加や地域コミュニティの活力低下が進み、地域経済が低迷する一
方、都市住民においては、付加価値の高い観光・教育・福祉等へのニ-ズが増大。
○ このため、農山漁村が持つ豊かな自然や「食」を活用した都市と農村との共生・対流等を推進する取組、地域資源を活用した雇用の増大
等に向けた取組、農山漁村における定住を図るための取組等を総合的に支援し、農山漁村の活性化を推進。
農山漁村振興交付金
都市農村共生・対流及び地域活性化対策
○ 農山漁村の持つ豊かな自然や「食」を観光・教育・福祉等に活用する
地域の活動計画づくりや手づくり活動、地域外の若者や意欲ある都
市の若者を長期的に受け入れる取組、地域を越えた人材の活用や優
良事例の情報受発信など、地域資源を活用する取組を支援
○実施主体:地域協議会(市町村が参画)等
農山漁村における
○実施期間:
農林漁業体験・宿泊体験
都市農村共生・対流支援対策:上限2年
小 学 校
地域活性化対策
:上限5年
人材活用対策
:上限3年
○補助率:定額
都市農村共生・対流支援対策:上限800万円
及び地域活性化対策
人材活用対策
:上限250万円
主な重点プロジェクト
農山漁村活性化整備対策
○ 市町村等が作成した定住・交流促進のための計画
の実現に必要な施設等の整備を支援
生産施設等
農林漁業の振興を図る生
産施設等の整備を支援
味噌加工施設
活動計画づくり
生活環境施設
( 観光庁と連携 )
地域間交流拠点施設
山村活性化対策
都市住民や一時的・短期
的滞在等の交流拠点の整
備を支援
○ 特色ある豊かな地域資源を有する山村の
雇用の増大等に向け、薪炭・山菜等の山村
の地域資源等の潜在力を再評価し活用する
取組を支援
○実施主体:市町村等
○実施期間:上限3年
○補助率 :定額 (1地区当たり上限1,000万円)
廃校・廃屋等改修交流施設、
農林漁業・農山漁村体験施
設、地域連携販売力強化施設
等
地域産品の加工・商品化
高齢者や障害者、生活困
窮者等を対象とした福祉
農園の拡大・定着を推進
農観連携
プロジェクト
廃屋利用の滞在施設
高齢者生きがい農園
子どもの農山漁村での宿
泊による農林漁業体験や
自然体験活動等を推進
( 厚生労働省と連携 )
簡易給排水施設、防災安全施設、
農山漁村における
農林漁業体験・宿泊体験等
農山漁村定住促進施設
外国人の農村体験
(総務省、文部科学省と連携)
「農」と福祉の
連携プロジェクト
農林水産物処理加工・集出荷貯
蔵施設、育苗施設 等
良好な生活の場である農
山漁村の生活環境整備を
支援
子どもたちの農業体験
子ども農山漁村
交流プロジェクト
グリーン・ツーリズムと
他の観光の組合せや、訪
日外国人旅行者の農山漁
村への呼び込みを推進
空き家・廃校活用
交流プロジェクト
( 総務省、文部科学省、
国土交通省、厚生労働省と連携)
農産物直売施設
○実施主体:都道府県、市町村、農業者が組織する団体等
○実施期間:上限5年
○補助率 :1/2以内等
空き家・廃校等を活用し
た定住希望者の受け皿や
集落拠点施設等の整備を
支援
※その他、地方創生や重点
「道の駅」等の取組と連携
62
3.中山間地域等担い手収益力向上支援事業
63
4.農山漁村おみやげ農畜産物販売促進事業
○訪日外国人の農村への受入促進
○訪日外国人の増加
・訪日外国人旅行者は平成26年には
1,300万人に達するなど、年々増加。
平成27年は1月~9月で1,448万人
・訪日外国人旅行消費額は平成26年
には2兆278億円であり、訪日外国人
旅行者の増加に伴い増加
・アジア太平洋地域における資金やビ
ジネス関係者の往来が更に活発化
・高品質な日本の農林水産物を本場で
直接体験
地産地消から輸出促進へ
・地産地消による地域の収益力強化に加え、訪日外国人に
よる農林水産物を購入し、お土産としての持ち帰り等の新
たな需要を創出
・帰国後の旅行者による産品購入の増加や輸入ビジネス
の創出も促進
農村への
受入環境整備
※動植物検疫手続きの円滑化に向けた事業も活用して实施。
要 件
ソフト対策 (補助率:定額 )
【対象地域】
【対象要件】
○広域観光周遊ルート上の農山漁村地域(主
要観光地からの移動時間が概ね1~2時間
以内の地域を想定)
○農山漁村への外国人受入戦略の策定
訪日外国人の農林水産物購入を促進する環境構築
①輸出戦略策定、訪日外国人への販売体制づくり(専門家派遣)
外国人受入戦略(イメージ)
②クレジット決済システム導入、Wi-Fi環境、多言語標示板の整備 等
・ 事業実施体制(構成員)
・ 目標設定(目標、成果の把握の方法)
・ 外国人の満足度向上のための農業体験、
郷土料理提供などのプラン
・ プランに必要な施設
・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
等
ハード対策 (補助率:1/2)
農山漁村における外国人の農林水産物購入促進のために必要
な施設整備を实施
・農産物直売所の整備
・農産物直売所に付帯し地域食材を提供するための施設の整備
64
Ⅵ 管内の取組事例
1.「ディスカバー農山漁村(むら)の宝」優良事例
○ 「ディスカバー農山漁村(むら)の宝」とは、農山漁村が持つポテンシャルを引き出す
ことにより地域の活性化、所得向上に取り組んでいる優良事例を選定し、全国に発信
するもの。
○ 第1回の選定(平成26年)では、全国より251地区の応募(東海管内15地区)
○ 全国で23地区の優良事例が選定(東海管内から以下の2地区が選定)
○ 第2回目となる平成27年も、全国より683地区の応募(東海管内42地区)
○ 全国で27地区(東海管内から2地区が選定)の優良事例選定後、選定された各地区
の代表者が集い、安倍内閣総理大臣や林農林水産大臣(当時)の出席の下で、首相官
邸での選定証授与式及び交流会が開催された。
~「(株)篠島お魚の学校」~
愛知県南知多町の篠島で農林漁家民宿の活動を発展させ、平成22年に
体験加工施設「お魚の学校」をオープン。
子ども達への漁業体験や魚料理体験により魚食を通じた食育の推進を図る
と供に、6次産業化の認定を受け、特産品である、えび、しらす等を活用した
新商品の製造販売により地域の活性化に寄与しています。
子供達の魚料理体験
~「(有)せいわの里」~
平成15年に三重県多気町において、地元女性が中心となり組織を設立。
平成17年に地域農産物を提供し、加工品を製造・販売する農村レストラン
「まめや」を開店。農村レストラン等で総勢52人のスタッフを雇用するほか、
地域イベント等を含め、県内外より年間30万人程度が地域を訪れるなど、
地域の活性化に寄与しています。
22
大豆中心のバイキング料理
65
ディスカバー農山漁村(むら)の宝(第2回選定)
23
66
2.中山間地域等直接支払制度の取組事例
[かんきつの直売・加工品開発等]
67
3.子ども農山漁村交流プロジェクト取組事例
ぐじょう
いなか
【岐阜県郡上市】 郡上・田舎の学校
[子ども農山漁村交流による地域活性化]
○ 郡上市内の観光資源としての伝統行事、習慣等を地域活性化に繋げるため、小どもを中心とした教育旅行(子ども農山漁
村交流)を活動の目玉として事業展開。
○ 市内の観光案内人「紡ぎ人」、「まち歩き里歩き」を育成し、市外から訪れた子ども達の体験学習等をサポート
【地区の現状】
【課題】
○ 郡上・田舎の学校は、「子ども農山漁村交流プロジェクト」の受入協議会と
して、郡上市内の12団体が結集して設立。
○ アルバイトスタッフとして若者を雇用し活動に協力してもらっているが、年
収等の経済的理由で定住し続けることが困難となっている。
○ 市の観光の1つである冬季でのスキー実も平成5年をピークに減尐してお
り、新たな観光資源の開発が急務となっている。
○ 郡上市内でグリーン・ツーリズムの活動が北部と南部で分散し、市内全域
の観光資源を生かしきれていない。
○ 地域市の観光の目玉である「郡上踊り」の中心地である八幡町へは多くの
観光実が訪れるが、この来実者を他の地域へ誘導したり、グリーン・ツーリ
ズムへの活動に繋げられない等、うまく連動していない。
○ 子ども農山漁村交流プロジェクトでの一定期間の滞在により、市内全体の
地域活性化が推進できるよう都会の学校、関係団体への普及活動が重要。
【活動の取組】
・
・
・
・
教育旅行プロジェクトチームによる活動展開として、月1回のプロジェクト会議を開催し、市内観光エリアの作業分担と進捗状況の確認、市全体の活動状況を把握。
観光案内人である「紡ぎ人」、「まち歩き里歩き」の人選、育成、雇用活動を展開し、教育旅行構成スタッフを充实。
地域別体験メニューの企画立案を行うため、現地調査、地域の代表者等との懇談会を開催。
地元観光会社と協力して、モニターツアーを实施し、都会の学校関係者等へのPR活動を展開。
田植え体験
猟師体験トレッキング
長良川ラフティング
68
4.農福連携取組事例
市街化調整区域
【三重県松阪市】社会福祉法人
まつさか福祉会
農福連携
[障がい者の就労環境を整備し、雇用場所の確保と収益の増加を目指す]
NPO等
○耕作放棄地と遊休ハウス施設を利用したイチゴ施設の整備と障がい者の雇用確保。
○いちごを加工した商品を開発し、6次産業化による収益向上を目指す。
活動のきっかけ・経過
○まつさか福祉会が運営する生活介護事業
所の一つである八重田ファームは、自然豊か
な環境のもと、労働意欲の高い障がい者が
個々の適性に合わせて農作業を分担して、生
産性を高めつつ安心安全な農産物づくりを行
うとともに、加工品の製造・販売などの6次産
業化を目指している。
○障がい者ができる農作業の可能性を検証
するために行ってきたイチゴ栽培が安定生産
の目処が立ったこと、イチゴとその加工品の
需要が増えたことにより、面積を拡大する必
要に迫られた。
■活動主体のタイプ
社会福祉法人を主体に行政機関と連携
■地域資源キーワード
活動の効果
活動の概要
(農業生産能力の増強)
イチゴ栽培を廃業した農業者から借り受け
たハウス(16a)に高設栽培システムを組み込
んだ。
○売上は、栽培面積を拡大したことにより収穫量が増
えたことから、生鮮品として出荷した分だけで目標で
ある750万円を上回る900万円に達した。
○八重田ファームの作業に従事する障がい者の数
は、当初目標の25名に対し、30名となった。
26年度も近隣農家からの農地や施設の提供を受
け、農園の面積が増えたことにより、当初予定よりも
従事する障がい者が増加した。
○薬剤散布等難しい判断を求められる作業について
は写真等を利用するなど可視化を進めた。また収穫
等丁寧な扱いを求められるものは作業の細分化や器
具の改良等を行い、従事できる作業の幅を広げた。
<活動体制>
事務局
社会福祉法人
まつさか福祉会
社会福祉法人 まつさか福祉会
・遊休農地・施設の有効活用
活動の实績(H25实績)
○いちごの売上金額:900万円
協力
○三重県
○三重県農業大学校
○農園利用者数:30名
69
農業生産能力の増強
整備した高設栽培イチゴハウス
ハウス内での作業
○ 農業生産能力の増強と栽培技術の訓練強化
平成25年に实施したイチゴハウス整備は同年11月下旬に工事完了。
本来の植付時期から2ヶ月遅れで植付を行う。植付の遅れにより期待
していた収穫量には届かなかったが、障がい者個々のイチゴ栽培技術の
向上のための訓練期間とし、個々の能力を高めることができた。
【活動の波及効果】
オリジナルのラッピング
イチゴジャムの加工
○イチゴハウスの増設
高齢により廃業した農家より農地と施設の提供を受け、26年度に施設の改修工
事を行い、27年度には更に栽培面積が増加した。
○販路・取引先の拡大
事業開始前の販売先は、松阪市内のファーマーズマーケット1店舗とスーパー
マーケット2店舗だったが、面積の増加による生産量の増加に伴い、県内で27店舗
を持つスーパーマーケットと直接取引を行うようになった。また、県外農家の産直
市場へも出荷するようになった。
出荷の際のラッピングを八重田ファームオリジナルに変更したところ各所で事業
所の名称を目にする機会が増えたことにより、イチゴ以外の野菜についても企業
からの問合せがあり、一部では取引を開始した。
○取組内容の広報普及
生産能力の向上により、事業所の生活支援が注目されることとなった。
生活支援の充实と生産活動の向上のリンクについての理解が高まり、各所で事
業内容の発表を行う他、県内外からの視察を受け入れる機会が増加した。
【問い合わせ先】 「社会福祉法人 まつさか福祉会」
〒515-0044 三重県松阪市久保町1843-7 電話0598-29-2030
ウェブサイト:http://www.mukaiyaebell.or.jp/index.html
70
5.都市農村交流の取組事例
岐阜県下呂市
【岐阜県下呂市】馬瀬地方自然公園づくり委員会
山間地域
交流
[日本一の鮎と米が育つ馬瀬地域は、里山ミュージアムと日本一の農村景観を目指す]
地域住民
○「日本で最も美しい村」の農村景観が生み出す「味の景勝地づくり(美味しい村、美しい村づくり)」をテーマに、農村景観の中で
鮎と米・鮎漁文化を活用したグリーン・ツーリズムを实施し、馬瀬川を軸とした持続可能な農村の自然生態系の継承とブランド化
の推進による地域活性化を目指す。
活動の概要
活動の効果
( 地域資源を活用したグリーン・ツーリズム)
○集落の野外を博物館に見立てた「里山ミュージア
ム」や地域を網羅するウォーキングコースの設定、
ウォーキングイベントの開催、馬瀬川の伝統的な漁
法である「火ぶり漁」観光ツアーなどを実施。
(ブランド化の推進)
○「味の景勝地づくり(美味しい村,美しい村づくり)」
をテーマに、「馬瀬地方自然公園5ヶ年計画」を作
成、「日本一の鮎と米のブランド化」を目指し
た各種取組を実施。
○「里山ミュージアム」「ノルディック・ウォー
ク」「火ぶり漁観光ツアー」などの新たな取組
により、イベント参加者が増加し、都市と農村
の交流人口が増加。
○「馬瀬川上流の鮎」と「まぜひかり(コシヒカ
リ)」のブランド認証基準を定め、ブランドを活
用した地域特産品を開発。
○景観など地域の魅力を積極的に発掘し活
かす取組を続けることで、地域住民の自主
的な取組の機運が醸成。
活動のきっかけ・経過
○平成16年の市町村合併を契機に、フランス
の「地方自然公園制度」の精神を取り入れ、
自然と歴史文化が共存した持続的農村の発
展を目指す「馬瀬地方自然公園」を発足。住
民と行政が協働した地域づくりは「日本で最も
美しい村連合」への加盟などで全国から注
目。
○馬瀬地域が築き上げてきた、森林・農地・暮
らし・川が有機的に結合した「馬瀬川エコリ
バーシステム」の継承と、地域の自然生態系
を象徴する「日本一の馬瀬川上流の鮎」を活
用した観光商品を開発し、地域活性化を推
進。
■活動主体のタイプ
行政と地域住民団体との連携
■地域資源キーワード
<活動体制>
馬瀬地方自然公園
づくり委員会
・日本一の「鮎と米」
・平成の名水百選に選ばれた清流「馬瀬川」
・日本で最も美しい村の農村景観
活動の实績(H26实績/目標)
○雇用人数:38人/35人
下呂市
さんまぜ工房産直組合
馬瀬川上流漁業協同組合
NPO法人馬瀬川プロデュース
(連携団体)
○交流人口:141.5千人/132.5千人
○売上げ:4.2億円/4.15億円
事務局
岐阜県森林文化
アカデミー
南飛騨馬瀬川観光協会
清流馬瀬川観光ヤナ組合
馬瀬総合観光(株)(美輝の里)
美しい場所を景観ポイントに指定
71
地域資源を活用したグリーン・ツーリズム
馬瀬の観光「火ぶり漁」
馬瀬清流の里ウォーク大会
○馬瀬川火ぶり漁、馬瀬川薪能、馬瀬川清流の里健康ウォーク、冬の散策ツアー
(かんじき、花餅づくり体験)などの観光モニターツアーを企画、どのツアーも参加者
から好評であり、今後の着地型観光への足がかりができた。
○西村地区の棚田集落を「里山ミュージアム」に設定し、学術的な調査を实施すると
ともに、紅葉時期(11月中旬)にガイドツアーを实施。(愛知県内から551人参加)
○また、きのこ刈りやそば打ち体験など、外国人との交流農村体験プログラムも企画
し、年に6回開催。(外国人16人、日本人36人参加)
○地域において、各種イベントなどの取組状況の情報共有化を図るため、馬瀬地方
自然公園づくり委員会と南飛騨馬瀬川観光協会を中心に、構成団体による「馬瀬観
光づくり事業体(DMC)に関する会議」を定期的に開催。
【問い合わせ先】 「馬瀬地方自然公園づくり委員会」(下呂市馬瀬振興事務所内)
〒509-2612 岐阜県下呂市馬瀬名丸406 電話0576-47-2111
ウェブサイト: http://www.maze-shizenkouen.jp/
ブランド化の推進
馬瀬川上流の鮎
○「馬瀬地域ブランド化戦略会議」を開催し、馬瀬鮎
とまぜひかり(コシヒカリ)のブランド認証基準を定
め、認証マークを設定。ブランドを活用した特産品と
して、「馬瀬鮎だし入り醤油 まぜひかり卵かけごは
ん」、「馬瀬鮎だし入り醤油 七理十里五十淵」を開
発。
○鮎のブランド化地域認証の創設と並行して、創作
料理を5品目開発。特産品の開発から火ぶり漁、薪
能、ぎふ清流馬瀬川鮎比べ交流会といった鮎と清
流を活用したイベント・観光プログラムづくりまで総
合的に实施。
○また、米のブランド化を通して、棚田の里山ミュー
ジアムと都市農村交流プログラムも实施。
【その他】マスコミ・メディアによる紹介
中日新聞、読売新聞、岐阜新聞等にて紹介
72
都市農村交流の取組事例
三重県熊野市
【三重県熊野市】一般財団法人 熊野市ふるさと振興公社
[女子大生と連携し農地等の保全と都市と農村の交流等を通じた熊野市の活性化]
山間地域
学生活用
公社等
○ 相模女子大学と連携し、女子大生を短期研修生として受け入れ、丸山千枚田や金山地区の樹園地等における農作業体験等
を通じた農地等の保全と地域住民との交流を推進。
○ 大学の学園祭等を通じて熊野市の特産品を販売、関東圏での販路拡大や女子大生の視点を活かした地域の魅力づくり。
活動のきっかけ・経過
活動の概要
○熊野市は紀伊半島南東部に位置し、名古
屋から約200km離れ就業の場も尐ないことか
ら若者を中心に流出が進み、過疎化・高齢化
が著しく進行。
○一方、豊かな自然環境を有し、熊野古道や
丸山千枚田など歴史・文化も豊富。
○平成20年度から相模女子大の学生を受け
入れ、都市部の若者ニーズを把握し、熊野市
の魅力を再発見。
(大学生による農地保全)
○相模女子大学の学生を短期研修生として時期を
分けて受け入れ、丸山千枚田での稲刈りや金山地
区での柑橘等の収穫作業等を行い、農地の保全や
労働力不足を補完。
(特産品等の販売促進)
○「相模女子大学相生祭地域物産展」や「農林水産
祭实りのフェスティバル」等で熊野市の農産物や加
工品の販売を行ったほか、これらのイベント等を通
じて、熊野市の魅力を関東圏の消費者へ発信。
■活動主体のタイプ
一般財団法人を主体に大学等との連携
■地域資源キーワード
・丸山千枚田(日本の棚田百選)、自然環境
・耕作放棄地の解消、女子大学との連携
・「新姫(にいひめ)」(香酸かんきつ)等の柑橘類
活動の实績(H26实績/目標)
○交流人口:374人/150人
○売上げ:1,228千円/200千円
○耕作放棄地解消面積:24.7a/20a
活動の効果
○相模女子大学の学生を受け入れ、丸山千
枚田の保全や柑橘農家等の労働力不足を
補うことで、農地の保全や耕作放棄地を解
消。
○農作業や地域活動を通じて、大学生と地
域住民との交流を促進するとともに、大学生
の視点による地域の魅力を再発見。
○相模女子大学等のイベント等を通じて、熊
野市の農産物や特産品等の販売を行うこと
で、関東圏での認知度が向上。
<活動体制>
事務局
(一財)
熊野市ふるさと
振興公社
(連携団体)
(一財)熊野市ふるさと振興公社
相模女子大学(研修派遣)
個人農家(農作業指導・補助)
熊野市(指導、行政情報提供等)
(一財)農村開発企画委員会(コーディネートの企画等)
相模女子大学生と地元
農家との柑橘収穫交流
73
大学生による農地保全
特産品等の販売促進
熊野の応援団づくり
相模女子大生による米の脱穀作業
大学の文化祭での熊野市PR
相模女子大生と地域の人達との集合写真
○熊野市では農業者の高齢化や担い手不足等に
より農地等の耕作放棄地化が問題。
○熊野市には特産の柑橘類を始め、「新姫」を使っ
たジュースやぽん酢等の加工品、熊野地鶏など多く
の特産品がある。
○平成20年度に始まった農水省の「田舎で働き
隊!」事業を契機に、熊野市では毎年、相模女子
大学の学生を地域に受入れ。
○相模女子大学との繋がりにより、同大学の協力を
得て、これまで西日本に偏りがちだった産地フェアを
都心や相模原市で開催。
○熊野市へ研修で参加する学生のほとんどが、毎
年リピーターとして参加するなど、实践活動を通じ
た社会学習の場として評価。
○「相模女子大学相生祭地域物産展(相模原市・11
月3~4日)」、「農林水産祭实りのフェスティバル
(豊島区・10月31日~11月1日)」、「相模女子大地
域連携展(町田市・3月19~25日)」での熊野市の農
産物・農産加工品の販売のほか、自然景観や文化・
歴史などのパネル展示やチラシ等の配布。
○女子大生が熊野市に訪れることで、地元住民に
とっても様々な気づきや地域の再発見を促すことに
なり、都市農村交流や世代間の交流に役立ってい
る。
○相模女子大学の学生を丸山千枚田等での収穫
作業(9月13日~19日・5名)や、紀和・金山地区の
柑橘類の収穫作業(10月26日~11月1日・5名、11
月9日~15日・4名)に短期研修生として受け入
れ、農作業等を通じた農地の保全や収穫体験によ
り、圃場の保全・活用を促進。
○耕作放棄地に熊野市特産の「新姫(香酸かんき
つ)」を定植することにより、耕作放棄地の解消(約
25a)と特産品の栽培振興に繋がった。
○学生達が活動経験を活かして、本市及び周辺市
町村から現地に来訪した都市住民や児童への作
業指導を行うなど、交流活動が活発化。
○これらのイベントへの出店にあたり、女子大生も
販売等に協力し、熊野市の農産物等の販売では
1,228千円の売上。
【問い合わせ先】 「一般財団法人 熊野市ふるさと振興公社」
〒519-5413 三重県熊野市紀和町板屋78 電話0597-97-0640
ウェブサイト:http://www.kumano-furusato.com/
○これら研修事業等で熊野市に訪れた学生の中に
は、家族ぐるみで訪れたりするなど、第2のふるさと
として遊びに来てくれる人も多い。このため、研修
生が熊野市のリピーター及びスピーカーとなった応
援団づくりにも貢献。
【その他】マスコミ・メディアによる紹介
中日新聞、吉野熊野新聞等にて紹介
74
都市農村交流の取組事例
白川町農園付きコテージ(岐阜県白川町)の取組
1
農園付きコテージの趣旨
・白川町の「農園付きコテージ」は、できる限り集落の中に建築し、地域の人々と
のコミュニケーションを大切に、普通お付き合いを通じて本物の田舎暮らしが
できる住宅として、平成18年から3か年間で建設されました。
2 コテージの概要
・敷地面積は約300㎡/1棟。建物は約64~98㎡/1棟です。
・5つの団地に19棟を建設。どの建物も居間、食堂、台所、寝室、トイレ、脱
衣所、バスルーム、収納、客室(ロフト)、ペレットストーブと30㎡の農園
がついてます。
3 使用料金、契約期間及び管理
・使用料金・共益費は63,000円/月です。
・町内で使っていただける地域振興券(毎月5,000円)がついています。
・契約期間は1年間ですが、継続しても利用できます。
・管理は地元農家による管理組合が管理し、トマト、なす、スイカ、キュウリなど
の野菜栽培のお手伝いもしてくれます。
鱒淵団地(平成20年竣工)
30㎡の農園
(位置図)
とうもろこし収穫祭
75
6.インバウンド取組事例
一般社団法人 ふるさと体験飛騨高山 〔岐阜県高山市〕
○ 観光地としての知名度を活かし、市街地のみならず、周辺農山村地域への交流促進を図るため、新たな体験プ
ランを提供。
○ 各所に活動拠点を設け、広域的な体制整備を確立。
○ 高山市の外国人観光実の宿泊者数はH25年で約225,000人。高山の伝統的な食・工芸文化の体験や古民家の
散策、山岳地帯での自然体験の行程が多く、アジアを中心に欧米等、幅広い国々から来訪。
地域の特徴
○ 高山市は、岐阜県の北部に位置し、旧飛騨
国の中心として発展してきた。農業販売額は県
内第一位で、ほうれん草、トマトを中心とする野
菜の生産が盛んであり、飛騨牛は全国ブランド
となっている。
また、観光地としての高山市は、豊かな森林
資源を活用した工芸技術が伝承された「飛騨の
匠」として全国に知られ、古い町並みの市街地、
郊外に点在する古民家への散策や春と秋に行
われる「高山祭」を含めた伝統文化にふれたい
観光実が年間約390万人訪れ、市の総生産の
約30%を観光産業が占めている。
○ (一社)ふるさと体験飛騨高山は、平成19年に
市内全域をカバーする協議会として設立し、平
成22年4月に法人化。豊かな自然の中での農
業、伝統食・生活文化等の体験旅行、教育旅
行、インバウンド活動を通じて地域の活性化を
推進。
活動の効果
活動内容
高山市の外国人観光実宿泊者数
(子ども農山漁村交流プロジェクトのプログラム開発)
小・中学校の農作業、間伐、家畜等の体験や登山、虫取り
等の自然体験、伝統食作りなど様々な取組メニューの企画・
实践。
また、子ども農山漁村交流プロジェクトの受入協議会とし
て、関係省庁、県、関係団体との情報を共有。
(受入体制強化に向けた研修会の開催)
モニターツアーや体験イベント等の運営スタッフの意識向
上、体験時の安全指導等の研修会を实施。
(誘致活動の实施)
合併前の旧市町村別に活動拠点を配置し、きめ細やかな
情報発信による誘致強化と受入体制を整備し、グリーン・ツー
リズム、インバウンド関係の集実を推進。
(インバウンドの受入活動)
北米、ヨーロッパを中心に家族、グループ単位で受入民宿
を活動拠点に滞在し、食体験、農体験、自然散策を提供。
H25
H24
H23
H22
H21
0
100,000 200,000 300,000
北米
ヨーロッパ
アジア
中南米
地域の食、特産品など
高冷地野菜、飛騨牛、伝統工芸品
写真
写真
写真
写真
小学生の田植え体験
小学生の野菜収穫体験
小学生の五平餅作り
イギリス人のそば打ち体験
76
インバウンド取組事例
ち ゅ
ら
ぼ
し
株式会社 美ら地球 〔岐阜県飛騨市〕
○
社会交流人口を増やす事業を通じ、世界中の人々が訪れ・住みたくなるようなクールな田舎を創り、日本の地方
における新たなライフスタイルを提案するため、平成19年に「株式会社 美ら地球」を設立。
○ 飛騨地域の特徴である家屋、食文化、自然を体験できる様々なツアーを企画し、自治体、農家、観光等の関係
者と協力して地域の活性化を推進。
○ 設立当初からインバウンドも視野に入れたツーリズムビジネスに取組み、平成26年の飛騨市における外国人宿
泊者数は、3,647人に急増。
○ 飛騨市は岐阜県の最北部に位置し、北
は富山県、南は高山市に接し、3,000mを超
える北アルプスや飛騨山脈の山々に囲ま
れ、93%を森林が占めている。四季の移り
変わりを肌で感じられる自然に恵まれてい
る。
○ 高地の特色を活かし、夏期は青尐年や
实業団等のスポーツ合宿、冬期はスキー
に適した施設が充实し、温泉保養施設や祭
事・イベント行事も含め、平成26年には年
間約1,090,000人の観光実が来訪。
市内神岡町にはスーパーカミオカンデ
(東京大学宇宙線研修所神岡宇宙素粒子
研究施設)があり、世界的にも注目を集め
ている。
○ 株式会社「美ら地球」の代表者は、前職
のコンサルティング経験や長期外国旅行の
体験を活かし、日本の誇るべき田舎へのイ
ンバウンド活動を实践するため、起業した。
地域の食、特産品など
活動の効果
活動内容
地域の特徴
(グリーン・ツーリズムによる外国人への受入活動)
サイクリングツアー、食文化・酒文化紹介、里山の暮らしツ
アー等の各種プログラムを企画。
(社会貢献活動を目的としたプログラムの開発)
飛騨地方で伝承されている匠の技術継承や林業、農業も含
めた担い手確保のため、築50年以上の民家を中心に聞き取
り調査を行う「ひだ山村・民家活性化プロジェクト」により、家
屋保存のための修復・改修工事や観光資源としての活用方
法について検討。
(外部人材の活用)
上記プロジェクトの一環として、「飛騨民家のお手入れお助
け隊」を組織し、外部からのボランティアの募集等の活動を展
開している。外国からの参加者もある。
(誘致活動の实施)
調査結果を基に、使われなくなった家屋について、再利用
可能に改修し、企業のオフサイトオフィスや外国人のロングス
テイ等、ニーズに応じた利用形態に取り組む「飛騨里山オフィ
ス」を運営し地域の活性化を推進。
飛騨市の外国人宿泊者数の推移
H26
H25
H24
H23
H22
H21
0
2000
4000
ホテル・旅館
公共・民営宿泊施設
キャンプ場
。
写真
写真
写真
サイクリングツアー
里山の暮らしツアー
飛騨の民家お手入れお助け隊の活動
写真
飛騨牛、清酒、木工品
食文化・酒文化紹介
77
Fly UP