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子宮内容除去術
子宮内容除去術 胎児が既に生存できない状態になっており、妊娠内容物の全部又は一部が子宮の中に残っている状 況にある場合が手術の適応となります。 【手術の必要性】 妊娠を維持することが出来ませんので、妊娠内容物を早期に体外に除去する必要があります。手術 をしなくても自然に体外に出ることもありますが、子宮内に残っていると感染や炎症の原因となりま すので、早く除去する必要があります。 【手術の方法】 麻酔をした上で、 予宮の頚管(入り口)を器械で開いてから子宮内の妊娠内容物を取り出す手術です。 麻酔の方法は、静脈麻酔です。 なお、妊娠 10 週以降のかたは胎児が大きくなっているために、予宮頚管をゆっくりと時間をかけて開 く必要があり、手術も大きくなります。週数が進むと、2-3 日入院が必要で。プレグランディンとい う薬を使うこともあります。また術後のケアもより慎重でなければなりません。詳しい説明をお聞き ください。 【手術に伴う合併症】 子宮内容除去術は手探りで行う手術です。慎重に処置を進めますが、以下のような合併症・偶発症 がおこることがあります。 1.遺残 慎重に手術をしても、時に少量の妊娠内容物・子宮内膜・血液が残ることがあります。多くの場合 には自然に出てきますが、時に手術後も出血が続いたり、あるいは腹痛・発熱などの症状が出ること があります。このような症状が認められた場合には、速やかに受診してください。 2.子宮外妊娠の継続 子宮内の妊娠でなく子宮外妊娠であることもあります。特に初期の場合には診断のむつかしいこと もあります。その場合には術後、出血や下腹痛が続きますから必ず受診してください。 極めて稀ですが、子宮内妊娠と子宮外妊娠が併存していることがあり、子宮内の妊娠内容物を除去し ても子宮外での妊娠は継続しています。子宮外妊娠で卵管が破裂すると、大量の出血などが起こり、 命に関わることもあるため、早期に手術により子宮外での妊娠内容物を摘出しなければなりません。 手術後、出血が続いたり、しばらく経過しても生理が来なかったり、あるいは腹痛がある場合には、 必ず受診してください。 3.子宮の穿孔 手術では慎重に処置を行いますが、妊娠している子宮は柔らかくなっているため子宮壁にもろい場 所があると手術器具により穿孔を起こすことがあります。この場合には緊急に開腹してその場所を縫 うことがあります。 4.頚管裂傷 初めての妊娠や、分娩の時に子宮の頚管(入り口)に傷が残った方は、頚管が硬かったりもろかった りすることがあるので、今回の手術で頚管に傷を付ける恐れがあります。この場合、あらかじめゆっ くり頚管を開くために前日から入院していただくことがあります。 5.子宮収縮不全 妊娠した場合、子宮は次第に大きくなりますが、手術後には再び元の大きさに戻ります。しかし・ 時には子宮の収縮が悪くて出血が続く場合があります。その場合には再び子宮頚管を拡張して溜まっ た子宮内容(子宮内膜、血液、凝血など)を出す必要があります。出血や腹痛、発熱などの症状がある 場合にはすぐ受診してください。 【その他の留意点】 子宮が極めてもろいために傷がついたり収縮不良など手術中や手術後に緊急事態が発生した場合に はその時点で考えられる最善の治療法をとるようにしています。このような場合、できるだけ早くあ なたの配偶者あるいは身内のかたに連絡しますので、手術前に必ず連絡先の電話番号をお知らせくだ さい。また手術当日は連絡が取れるよう配慮してください。連絡先は手術承諾書(同意書)に必ず記載 してください。 【術後の療養について】 ○手術から数日後、指定された日に必ず受診してください。 ○手術後、3 日間は自宅で安静にしてください。 ○手術後、出血は 7-14日間続くことがありますが、それ以上出血が続いたりしばらく経過しても生 理が来なかったり、あるいは腹痛がある場合には、必ず受診してください。 ○手術後は、頭痛・頭重感・めまい・肩こり・下腹のはり・いらいらなどの症状が出やすいので無理 をしないようにしましょう。 ○性交渉は、手術後 2 週間は控えてください。 ○次回生理は通常、術後30∼40日ぐらいで始まります。それ以上たっても来ない場合には受診し てください。 ○ しばらく妊娠したくない場合には避妊法の相談におこしください。