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中国経済の行方(2) - 東京大学社会科学研究所
中国の経済規模 中国経済の行方（２） ・２０１０年に中国 の 経済規模（国内 総生産＝ＧＤｐ ） は日本を抜いて世界第２位となりました。では 世界最大の工業国の行方 ２０１５年 に は 日 本 のＧＤＰをｌｏｏとした 時、 中 国 の ＧＤＰは どれ ぐらいだった でしょうか ？ 駒場・書き直される中 国近現代史（その９） ①１１５ ②１５６ ③１８２ ④２０５ ⑤２６４ 丸 川 知 雄（社 会 科 学 研 究 所） ， ２０１６ 年 １０ 月 ２７ 日 １ ．圧倒 的な 工 業力 世界の化学繊維生産 世界の粗鋼生産（ ２０１５年） ｇ回 ′ ー・ ーム ‘みん ” 日本 ′ ぶ‐ もも 一喜 ２． 中 国 経済 の三元構 造 自動車生産台数でもアメリカの２倍、日本の３倍弱 世界の自動車生産台数（ ２ ５年） ０ １ クター 国有セクター − 外資セクター 民 間 セ クター 民間セクター 家 庭 経営・集団所有 ３５ ５．９ ３ １７ ４ １７ ． ． ３７ ２ ． ９． ５ ・ 国有セクター：国有 企業と公的部門 ・ 民間企業と外資系企業 ・ 家庭経営・集団 所有：農 村 メキシコ 計画経済時代（１９５３年∼９０年代）に形成された国有企業群 入ル ヨ締Ｈ叫飼斜め 鼓肥厳封為報言源川緯 ︲ も ６ 二 − “ に ・ ‘“ ‘ ・ 業万 号 鞭鯖郊ド ⋮ドァ︲ 堂百 ：：． 委員会が管理する 「中央企業」 ・ 国 有銀行・保 険会 社 ・ 地方政府が管理する 国 有企 業 ・ 国有企業の総数は 約１０万社 」＝ ” 試 ｇＥ ‘ ］ ，ｑ 、． １ 」 民間企業（ １９８０年代 以 降） ・ 国有資産監督管理 ・ 華 為 技 術（ファ ー ウ ェイ、Ｈｕａｗｅ ｉ ） ・ 吉 利 汽 車（Ｇｅｅ ｌ ） ｙ ・ 海 爾（ハイアー ル、Ｈａ ｉ ）− 正 確 に言 え ば集 団 所 有 制 ｅｒ 企業 ・ アリ バ バ（阿 里） ・ 騰 訊（絶ｎｃｅｎｔ ） ・ ・ ・ ・ 滴滴快行 華住集団 自営業まで含 めれ ば４０００万社 外資系企業−グロー バ ル５００社 がこぞって中国へ進 出 ‘ 、 ．・ ・ − − − − ・ ． ・ ‐ ． ・ ‐ ．・ ・‐ “− − −− −． −− ． ‐ ーー ・・・ ー 家庭経営・集団所有 ・ 農村の土地は集 団所有（村 で所 有、というの に近い）し、各農 民家庭に耕作権 が割り当 て られ ている。 人 口 の 半 分 近くが 農 村 に居 住。 ３セクター 間 の 関係 ・ 農村セクターから民間・外資セクターに対して３億人の労 働力が提供されたことが中国 の経済発展と産業発 展の大 きな要 因 だった。 ・騒が螺 ′縮樗需蕎薪童謡桑翻 養 育可薄晩 醒 翠響き して「改制」という名 目で民営化が行われた。しかし、中 国 Ｆ 闇繁書禦繋 ぎ 綴 喜辞書 嵩腐護衛湾だき 泳 ・ 鉄道、送変電、通信、石油、鉄鋼、金融、教育などで国有 塞難聴繋辞甑鮪笹繋辞晶闇 し露キ署顎。 ３． 中国の産業発展を特徴づけるキーワード 』ｄｉ ｉ ｉｎｔｅｇｒａｔ ｔ ｛１）垂 直 分 裂（ｖｅｒ ｉｏｎ） ｃａ ｓ 「垂直分裂」とは、基幹部品と組立（ブランド）とが別々の企業に よって担わ れること。 パソコンに典 型 的。家 電産 業でも日 本企 中 国の自動車メーカーはエンジンを社外から調達す ることが 多い。言い換えれば、エンジンを作れないよ うな企業でも自動車の生産に参入する。 業は垂直統合、中国企業は垂直 分裂 ９ｏ年代初めまでの日本のテレビ 垂統 合 − 中国の代表的家 電メーカー「ハイアール」 幽 裂 中国の自動車メーカーにおけるエンジンの内製・外製 ｉ ｔａｌ ２）大 衆 資 本 主 義（ｍａｓ ｓｍ） （ ｓｃａｐｉ ・ 中国の 民間企業はす べ て１９８０年代 以降に少 数の創 業者 が 小さな資本でスタート。特別 の 技術やアイディア が あるというより、周りに影 響されて起 業。２０１５年に中 国 政府 は「大衆創 業、方衆創 新」をキーワ ードとして庶 民の起 業を支 援するようになった。 ３ （ ）キャッチ ダ ウン型イノベ ーション （ｃａｔｃｈｄｏｗｎｉｎｎｏｖａｔ ｉｏｎ） ・ 国家主導によるスー パ ーコンピューター、高速 鉄道、有人宇宙飛行など先進国に「追いつき追 い越せ」とやっているキャッチアップ型技術開発 がある一 方で、先進 国の 技術を換骨奪胎し、中 国の所得水準や社会のニーズにあった製品や サービスを作る動きも盛ん。 ・ 先進国へのキ ヤソチアップを目指すのではなく、 先進国の技術の他の可能性を引き出したり、先 進国では淘汰された技術を再 生したりする。例 え ばビデオｃＤ （ＶＣＤ ） 格安スマホ、山案携帯電話（ゲリラ携帯電話） ・ 豆 乳 器 は 大 豆 を入 れる 崩 と豆乳が作れる機械 ・ 新 江 省 の 民 間メーカ ー が開発し 、年数千万台 − の市場を形成 ・ 中国の米料理に対応し た炊飯器 輔 〆 誉べ 電 動 自 転 車 廉 価 版 アニメ 児 童用ウェアラフル端末 ４ ． 世界的に競争 力 のある分 野 ・ 大麓創 新科技（Ｄ ）：２００６年、香港科 技大の 院 生 Ｊ − だったｉＥ唇が３人の同級生と奨学資金を使って深堀 で創 業。ドローンの 飛行を制御するフライト・コント ローラーを開発・生産。 ・ 空 中撮 影用ドローンという市場に 目をつけ、２０１２年 から生産 開始。飛 行、ラック、カメラを研究開 発 目 。 下、従 業 員４０００人 の 規模に拡 大 ・ これまで空中撮影に焦点を当ててきたが、今後ド ローンの応用 分 野はさらに広 がる可能 性 が ある。 ず ま 部 ． ５ ．中 国 の 産 業 の 問 題 過剰生産能力の問題：鉄鋼 １ （ ）過 剰 生 産 能 力 １ ・ ２００６年 以 降、３ ４４兆 元の 投資 が 石 炭産 業で行 わ れ、４０ ． 億トンの 生産 能力を形成。さらに建設中の能力 が１０億ト ンある。一 方、大 気 汚染問 題 や省エネ の 進 展もあり、 石 炭 需 要 は１５年に４％減 少。１５年の 石 炭 生産 量 は３７ ５億ト ． ンで、前 年より３ 減 割 上 少 ３ ％の が 以 の石 炭企 業 赤 字 ． 。８ − 経 営。 ． ・ 安全性に問題がある鉱山の閉鎖、３年以上赤字の石炭 企業の合 併・閉鎖等を進めているがまだ能力過剰が著し い。 次 の５年間 に石 炭企 業を現 状 の６３９０社 から３０００社 以 １ １ 内に減らすことも提起され ている。中小炭鉱の多い内モ ンゴルではすでに半数が生産を停止している。 ｉ ・ 石炭企業に多額の融資をしてきた山西省など地元の銀 行は不良債権の比率が上昇しはじめた。 −− − − − − −−− − − −−−−− −− − −−−−− − −−−− − ・ ２０１５年の粗鋼生産 能力は１ ２億トン、実際の生産量は８億 トン。 鋼材 は１１億トン生 産し、１億１２４０万トンを輸 出（前 年 比２０％増）。 ・ 国務院は鉄鋼と石炭の生産能力を圧縮することを重点 課 題として取り組むことに決めた。 鉄鋼では粗 鋼１ １ ５億 ‐ ． トンの能力を数年か けて削減する。 ・ 今年から毎年１ ００ ０億 元の資金を中央財政から出して鉄 鋼と石炭の生産能力削減の支援に使う。 ・ 遼寧省の東北特殊鋼（大連、撫順などの鉄鋼メーカーを 束ねた国有企業）が９月末に破産。潮海鋼鉄 集団（天 津 市傘下の製鉄 企業を束ねた国有企業、生産 能力２０００万 トン、世界１８位）も約３兆円の負債を抱えてまずい状 況 。 ２ （ ）国有大企業の非効率性 表３ 中国鉄鋼業 のＲＯＡ （総資産利 潤 率） 重点鉄鋼 それ以外の 企業 ２０１０年 ２０１１年 ２０１２年 ２０１３年 ・ 鉄鋼企業 ２． ６％ ２ ３ も ．９ １１． ３％ １０， ６％ ０． ０９ ６ ０ ５ ％ ． １０． ７％ ７， ７％ ３ （ ）イノベ ー ンヨンの 物 足りなさ ４ （ ）公害防止、労働環境の改善 ６ ．中 国の産業 発展のインパクト 輸出における中国依存度 世 界 経 済 の 構 造 変 化（１９７０∼２０３０年） ， １ ｉ ｎ濁面回面髭面罰岡−薫る 悶 劉合 ， ４ 年 ｝ ２０３０年の世界ＧＤＰ分布 ｉ ・ ノ ノ ノノ ニ， ノ、 ・ γ二 ご ｉ −一 どき − ノニミ ミニキ′ ′ ノγ ノ ノご ノニ ノ ニ ， ノ′ ノ ノ ノ マ ノノ ．ノ ノ 寿 ぎ 三二 もノーＡ｛ ノ も ′ん 一 ‐ミ ニ ｒノ 三〆 ノ ノ 、二言÷ ノ ご− ∼ 圏冨Ａ ル ヘ ヱ Ｍ ；話 − マ … ノヂセ ） ノ ノノ ノ ノ” 、 ノ ノ ノ ノ 、 ノ‘ ′ 〉 ． ′ １ り − 隆 こ 艦ノ ノ‘ − ノノノ ノ ノき 一 メ 髭 メ ノ メ ！ −− ：．： ・， ： − ＼ ． １導 き き き ニ ノ ー， ある程 度工 業化 が進んでいる国 々でも中 国 への 輸 出 は一 次 産 − 品に 偏っている ２０１４年） インドネシア からの 輸入 内 訳（ ２０１ ４年） オーストラ． ノアからの輸入の内訳【 ブラジル からの 輸 入内 訳（２０１４年） １ ２ ０ １ ４年｝ 南ァフリヵから中国への輸出内訳（ 分析から見えてくる世界像 ・ 貿 易 構 造からみるかぎり、中国と他の 途上国の ， 関係 はかつての「南 北関係」とまったく同じであ ， 中国の貿易相手の多くは単一の製品の輸出に特化 る。 − ・ 中国 は工 業製品を輸 出し、他 の 途上国 から一 次 Ｃ 産品（およびＩ ）を輸入する構図がますます強 ま っ て い る。 ● ： ． アフリカ、 南 米、 東 南 ア ジ ア などへ の 直 接 投 資 や 融資を通じてその工 業化を支援 する、というかつ， て「北」の国々に求められた役割 がこれからの中 国にも期待される。 鱈マ リ フ ８ 『銅鉱石 ０ ８ モ Ｂ ＊ ８ ４ ７ ・ Ｂ 肺％ ４ ５ ％古紙 ４ ∼ ８ぴ ２ ’ ａ鴇 ０ ％ ８ ０ す ５。鉄鉱石 ６ ０ ら ７ ２ ９ ｏ ４ モ÷リタニア ０ ９ ８ ０ ０ ５浅 原油 ３ ５ 争 ５ ９ ３ ４ ス÷ダン １ 掌 ０ る液晶パネル ０ ４ ３ 集積回路 ８も ２ も ４ ？ ｏ ３ ９ 台湾 。 ４ 船 ０ ８ ０ ０ ４ ？ も木材 ３ ５ ２ ２ｏ ４ ％ リ ガンビア ９ ９ ％ ｏ ４ ０ ５鱗 ５ ｄ原油 綿？ アンゴラ ｏ ４ ｑ ｌ ｏ ｏ ０ ｏ ３ ８ ％冷凍魚 ？ ７ ６ セ 。 ） ６ ミ １ マーシャル諸島 ２ ８ ％銅、コバルト ０ 原油 ３ 油 ９ ４ １ も ７ １４。 ４ コンゴ民主共和国 ９ 隻コ ｃ ２ ソケル鉱石 ０ 集積回路 ０ ６ ３ 寧 ３ ろ ３ １ ３ ７ ａ 。 ６ フィリピン ０ ６ ． ６ ｐ ３嫌 原油 ％ ３ ７ ４ ３ ４ ∼ ３ イエメン ９ ８ ９ ｛ ３ ３総 集積回路 ３ ｂ ２ド ｏ ３“ ｏ ３ コスタリカ ４桃 鋤鉱石 ０ 銅稔木材 … ４ ら ６塾 ３ 帆 ラオス ５ ％ ９ １ も原油 ０ ３ ４ ５ ％ ２ ７ 弔 ２ ８ オマーン ０ ２ ６ ０ ０ ｎ ３び ３ 綿も ３ ｏ集積回路 ２ ８ ｏ 韓国 ， ６ 婁 ５ ８ ％鉄鉱石 ２ ０ も ９ ４ ２ ー鮎 オ而ストラリア ７ 祭 る 半貴石 隻長石及び ｏ ２ ７ １ ４％ ｑ ｌａ １ ６ ミャンマー り ｔ ヒ ０ ８ ％鉄鉱石 ２ ６ ０ ９ ９ ６ も ４ ７ ｏその他 ｏ ｏ １ 南アフリカ ｕ 鉄鉱石 ９ ８ ９ ふ ｏ ６ ０ ２ ９ ３ ｂ ０ も ） ａ シエラレオネ ？ ９ ９ ‘ ２後 天然ガス ・ せ ４ ９ １ ６ 腕 ｎ ５ リ トルクメニスタン 鑓 ？ ｂ ３ ％粗鋼 ｏ縮製鋼 ２ 錦 Ｑ ６。 ３ ７ ， ｏ ３ ザンビア ｑ ４ ２ も ２だ ８ も ２ ５ も ２ ｏ籍製鋼 のも チリ ５ ？ そ リ ４ ０ ２ ２ ４ ％ ２ ｏ集積回路 ５ １ ５ も ２ リ マレ「シア ％乗用車 ８ ０ ２ ２ も集積回路 ０ ４ ％ ３ １８ ０ ２ ０ ２ 日本 ｑ ６ ７ ａ １ 原油 ２ ０ １ ９ 能ｏ ３ Ｔ ３ ｏ イラン 間 ＞ （ Ｔ ｄ Ｔ ｆ Ｆ ａ ｎ ｄ Ｂ ａ ｅ ａ 曜 Ｕ ｒ − ｏ ｏ ｒ ｅ ｎ ｒ Ｎｃ ｉ ｅ ｍ （ ｓ ） １ｒ ａｅ ｏ ｎ ｒ ｃ ｅ ｏ ｕ 、ｕ モンゴル