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平成 23 年 日常生活における事故予防

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平成 23 年 日常生活における事故予防
平成 23 年 日常生活における
日常生活における事故予防
における事故予防
(一般負傷関係)
一般負傷関係)
救急事故の傾向について
事故種別
神戸市における平成 23 年中の救
45,000
40,624
急搬送者数は 62.587 人で、
「事故種
40,000
別」でみると最も多いのは「急病」
35,000
30,000
で 40,624 人(65%)、第 2 位は「一
事
故 25,000
般負傷」の 9,804 人(16%)です。 人 20,000
数
15,000
第 3 位以下は、「交通事故」5,538
9,804
10,000
5,5384,234
人(9%)、
「転院搬送」4,234 人(7%)、
5,000
862 522 446 397 49 19
「自損行為」862 人(1%)と続い
0
ています。
このうち「一般負傷」は、「風呂
場で滑って転倒」、
「階段から転落」、
「餅をのどに詰める」等、日常生活の様々な要因によって起こっていますが、
注意を払ったり整理したりすれば、防ぐことができると思われます。
2 一般負傷の発生状況について
(1)「年齢層別」発生状況
一般負傷で救急搬送された 9,804 人を「年齢層別」にみると、
「65 歳以上」
の高齢者は 6,366 人で 6 割以上を占めており、最も多いのは「75~84 歳」で
2,782 人(28%)、第 2 位は「85~94 歳」の 1,756 人(18%)、第 3 位は「65
~74 歳」で 1,638 人(17%)となっています。又、高齢者以外では、乳幼児
(「0~4 歳」)が、599 人(6%)と多くなっています。
このようなことから一般負傷は、加齢とともにだんだん身体機能が低下し
てくる「高齢者」や身体機能がまだ十分に発達していない「乳幼児」に多く
みられます。
1
2,500
65%を占めています。
1,638
1,756
239
281
35
~
44
歳
430
534
55
~
64
歳
346
25
~
34
歳
599
500
45
~
54
歳
1,009
15
~
24
歳
事 2,000
故
1,500
人
数 1,000
2,782
190
-1-
95
歳
以
上
85
~
94
歳
75
~
84
歳
65
~
74
歳
5~
14
歳
0~
4歳
0
そ の他
65 歳以上は、6,366 人で
水難
3,000
火災
運動競技
労働災害
加害
自損行為
転院搬送
交通事故
一般負傷
急病
一般負傷(年齢層別)
92
(2)「場所別」発生状況
次に、事故の発生状況を「場所別」にみると、事故が最も多かったのは「住
宅(庭などを含む)」で 5,061 人(52%)、第 2 位は「道路」で 2,161 人(22%)
、
第 3 位は「公衆の出入りする場所」で 2,052 人(21%)となっています。
意外にも、家族の憩いの場となるべき住宅において、過半数以上の事故が
起きています。
一般負傷(発生場所別)
その他
345
仕事場
185
公衆の出入りする
場所
2,052
住宅
5,061
道路
2,161
(3) 「事故の要因別」発生状況
事故のきっかけとなった「要因別」にみると、
「転倒」が 6,452 人(66%)
で最多、第 2 位は「転落等」で 1,513 人(15%)、第 3 位は「過負担(重い
物の持ち上げ等)」で 437 人(4%)となっています。
「事故の要因」の 8 割以上を、「転倒」と「転落等」で占めています。
一般負傷(要因別)
7,000
6,452
6,000
5,000
事
故 4,000
人 3,000
数
2,000
1,513
1,000
437
227
182
139
100
99
81
69
66
32
407
水
溺
の
他
そ
落
下
物
れ
ま
誤
物
挟
飲
れ
異
咬
ま
ど
け
や
等
物
窒
突
衝
息
刃
過
負
担
等
落
転
転
倒
0
(4)「傷病程度別」発生状況
「傷病程度別」にみると、圧倒的に「軽症」が多くて 6,441 人(66%)、入
院の必要がある「中等症」が 2,960 人(30%)、3 週間以上の入院が必要とさ
れる「重症」以上が 403 人(4%)となっています。
-2-
(5) 「月別」発生状況
「発生月別」にみると、12 月が最多で 987 人、第 2 位は 10 月で 881 人、
第 3 位は 1 月で 852 人となっています。
月別発生状況
1200
987
1000
852
713
事 800
故
600
人
数 400
781
825
819
803
765
753
778
3月
4月
5月
6月
7月
8月
9月
881
847
10月
11月
200
0
1月
2月
12月
(6) 「時間帯別」発生状況
「発生時間帯別」にみると、9 時台が 619 人で最多、第 2 位は 10 時台の
616 人、第 3 位は 17 時台の 601 人となっています。
時間帯別発生状況
700
619 616
600
509
601 574
557 533 573 535 565 577
522
500
人 400
数 300
457 462
374
303
223
200
183
149
111 111 135
322
193
100
23時
21時
22時
20時
19時
17時
18時
16時
15時
13時
14時
12時
11時
9時
10時
8時
7時
5時
6時
4時
3時
1時
2時
0時
0
【一般負傷(n=9,804 人)の事故概要】
・年齢層別では、「高齢者」と「乳幼児」に事故が多くなっています。
・場所別では、意外と住宅(52%)で最も多く発生しています。
・事故の要因別では、「転倒」と「転落等」で 81%を占めています。
・傷病程度別では、「軽症」が 66%(6,441 人)を占めています。
・男女別救急搬送人数では、女性が 5,266 人、男性が 4,538 人で、女性の
方が約 700 人多く搬送されています。
-3-
家庭内事故の発生状況について
次に、一般負傷は、日常生活を営む住宅(以下「家庭」という。)で最も多
く発生(52%)していることから、一般負傷のうち、家庭内事故で救急搬送さ
れた 5,061 人を対象として分析を行います。
(1)「年齢層別」発生状況
「年齢層別」に見ると、
「65 歳以上」が 3,559 人(70%)で最多、第2位
は「0~4 歳」で 378 人(7%)、第 3 位は「60~64 歳」で 281 人(6%)と
なっています。
3
家庭内事故(年齢層別)
4,000
3,559
3,500
3,000
事 2,500
故
2,000
人
数 1,500
1,000
378
500
69
36
38
23
87
68
57
110
101
281
141
113
以
歳
64
65
~
上
歳
歳
59
60
~
55
~
54
49
50
~
44
45
~
40
歳
歳
歳
歳
39
歳
~
35
30
~
29
34
歳
歳
~
25
~
20
~
19
24
歳
歳
14
15
~
9歳
10
5~
0~
4歳
0
(2)「場所別」発生状況
家庭内のどこで事故が発生したか詳しくみると、最も多かったのは「居
室」で 3,218 人(64%)、第 2 位は「階段」で 408 人(8%)、第 3 位は「庭
等」で 355 人(7%)となっています。
家庭内事故(場所別)
3,500
3,218
3,000
2,500
事
故 2,000
人 1,500
数
1,000
500
408
355
295
184
139
114
階段
庭等
廊下
台所
浴室
トイレ
348
0
居室
-4-
その他
次に、65 歳以上の高齢者 3,559 人は、どの場所で負傷したのか、詳しくみる
と、最も多かったのは「居室」で 2,294 人(64%)、第 2 位は「庭等」で 245
人(7%)、第 3 位は「廊下」で 244 人(7%)となっています。
高齢者の家庭内事故(場所別)
2,500
2,294
2,000
事
故 1,500
人
1,000
数
500
245
244
215
129
97
92
庭等
廊下
階段
台所
トイレ
浴室
37
33
173
0
居室
ベランダ 洗面所 その他
続いて、 乳幼児 378 人は、どの場所で負傷したのか、詳しくみると、最も多
かったのは「居室」で 277 人(73%)
、第 2 位は「階段」で 36 人(10%)
、第 3
位は庭等で 20 人(5%)となっています。
乳幼児の家庭内事故(場所別)
300
277
250
事 200
故
150
人
数 100
36
50
20
10
8
4
4
2
庭等
浴室
台所
廊下
ベランダ
洗面所
0
居室
階段
(3)「傷病程度別」発生状況
次に、
「傷病程度別」
にみると、「軽症」が
2,909 人(57%)、
「中
等 症 」 が 1,909 人
(38%)、「重症」が
178 人(4%)、
「重篤」
が 65 人(1%)とな
っています。
家庭内事故(傷病程度別)
重症, 178
重篤, 65
中等症, 1,909
軽症, 2,909
-5-
17
その他
(4)「事故の要因別」発生状況
事故のきっかけとなった「要因別」にみると、「転倒」が 3,076 人(61%)
で最多、第 2 位は「転落等」で 820 人(16%)、第 3 位は「過負担」で 329
人(7%)となっています。
家庭内事故(要因別)
3,500
3,076
3,000
事 2,500
故 2,000
人 1,500
数 1,000
820
417
329
500
105
88
85
刃物等
窒息
衝突
82
59
0
転倒
転落等
過負担
家庭内での転倒場所
「転倒」した 3,076 人が
家庭内のどこで「転倒」
したのか詳しくみると、
最も多いのは「居室」で
1,964 人(64%)、第 2 位
は「廊下」で 264 人(9%)、
第 3 位は「庭等」で 205
人(7%)となっています。
やけど 異物誤飲 その他
ア
家庭内の転倒事故(場所別)
2,500
2,000
1,964
事
1,500
故
人
1,000
数
500
264
205
103
97
96
台所
階段
トイレ
82
40
33
192
0
居室
家庭内での転落等場所
「転落等」した 820 人
が家庭内のどこで「転落
等」したのか、詳しくみ
ると、最も多いのは「居
室」で 358 人(44%)、
第 2 位は「階段」で 308
人(38%)、第 3 位は「庭
等」で 82 人(10%)とな
っています。
廊下
庭等
浴室 ベランダ 洗面所 その他
イ
家庭内の転落等事故(場所別)
400
350
300
事 250
故
200
人
数 150
100
50
0
358
308
82
居室
-6-
階段
庭等
15
11
7
4
2
台所
廊下
ベランダ
浴室
トイレ
33
その他
【家庭内での主な転倒事例(n=3,076 人)】
◆バランスを崩す(n=975 人)
・回転椅子の背もたれをつかんだところ椅子が回転し、バランスを崩し
転倒(84 歳女性、中等症)
・トイレに行こうとした際、バランスを崩し転倒(77 歳女性、中等症)
◆滑る(n=647 人)
・フローリングの床を歩行中、足を滑らせて転倒(74 歳女性、重症)
・居間で、落ちていたファイルを踏んで転倒(73 歳女性、中等症)
・台所のマットを踏んだ際、マットが滑り転倒(84 歳女性、重症)
・絨毯で足を滑らせ転倒(74 歳女性、中等症)
◆つまずく(n=586 人)
・浴室で段差につまずき転倒(76 歳男性、重症)
・椅子につまずき転倒(85 歳男性、重症)
・扇風機の電源コードに足を引っ掛けて転倒(85 歳女性、重症)
【家庭内での主な転落等事例(n=820 人)】
◆バランスを崩す(n=351 人)
・椅子の上に立ち、バランスを崩し転落(67 歳男性、中等症)
・階段からバランスを崩し転落(73 歳男性、重症)
◆踏み外す(n=117 人)
・階段を下りる際に、踏み外し転落(75 歳男性、重症)
・2 段ベッドから降りている時、足を踏み外し転落(88 歳女性、重症)
◆滑る(n=108 人)
・新品のスリッパで階段を下りていた際、滑って転落(75 歳女性、軽症)
・脚立にて作業中、足を滑らせ転落(86 歳女性、軽症)
・下り階段で、足を滑らせ転落(16 歳男性、重症)
(5) 「負傷部位別」負傷状況
「負傷部位別」にみると、最も多いのは「頭顔部」で 1,631 人(32%)、第 2 位
は「下肢」で 1,371 人(27%)、第 3 位は「腰臀部」で 728 人(14%)でした。
家庭内事故(負傷部位別)
1,800
1,631
1,600
1,371
1,400
1,200
事
故 1,000
人 800
数
600
728
467
403
400
189
200
132
110
胸部
背部
30
0
頭顔部
頚肩部
上肢
-7-
腹部
腰臀部
下肢
その他
(6)「月別」発生状況
「発生月別」にみると、12 月が最多で 509 人、第 2 位は 1 月で 464 人、第
3 位は 10 月で 430 人となっています。
(7)「時間帯別」発生状況
「発生時間帯別」にみると、9 時台が 419 人で最多、第 2 位は 8 時台の 351
人、第 3 位は 10 時台の 316 人となっています。
【家庭内事故の概要(n=5,061 人)】
・年齢層別では、
「高齢者」が家庭内事故の約 7 割を占めて最多、次いで「乳
幼児」が多くなっています。
・場所別では、「居室」が最多で 3,218 人(64%)、2 位は「階段」の 408 人
(8%)、3 位は「庭等」の 355 人(7%)となっています。なお、「居室」
で負傷するきっかけは「転倒」が 1,964 人(61%)で最多、
「階段」で負傷
するきっかけは「転落等」が 308 人(75%)で最多となっています。
・事故の要因別では、「転倒」と「転落等」で 77%を占めています。
・負傷部位別では、「頭顔部」や「下肢」が多くなっています。
・男女別救急搬送人数では、女性が 3,064 人、男性が 1,997 人で女性の方が
1,000 人以上多くなっています。
【参考(家庭内での救急搬送者数と事故種別)】
家庭内での救急搬送者数は 36,701 人で、全救急搬送者数(62,587 人)の
59%を占めています。
「事故種別」でみると最も多いのは「急病」で 30,554 人(83%)、第 2 位は「一
般負傷」で 5,061 人(14%)、第 3 位は「自損行為」で 696 人(2%)となって
います。
事故種別(家庭内)
35,000
30,554
30,000
事 25,000
故 20,000
人 15,000
数 10,000
5,061
5,000
696
198
37
155
自損行為
加害
火災
その他
0
急病
一般負傷
-8-
次に、一般負傷は、65 歳以上の高齢者が全体の 6 割以上(6,366 人)を占め
ていることから、高齢者の事故発生状況について分析を行います。
4 65 歳以上の高齢者の事故発生状況について
(1)「性別」、「年齢層別」発生状況
「性別」にみると、女性が 3,855 人(61%)
、男性は 2,511 人(39%)でし
た。又、75 歳以上の後期高齢者 4,728 人では、女性が 3,039 人(64%)、男
性が 1,689 人(36%)で、女性の搬送人数は男性の約 1.8 倍となっています。
(2)「場所別」発生状況
「場所別」にみると、事故が最も多かったのは「家庭内」で 3,559 人(56%)、
第 2 位は「道路」で 1,513 人(24%)、第 3 位は「公衆の出入りする場所」
で 1,119 人(18%)となっています。
高齢者の事故(発生場所別)
その他
111
仕事場
64
公衆の出入りす
る場所
1,119
住宅
3,559
道路
1,513
(3)「事故の要因別」発生状況
事故のきっかけとなった「要因」をみると、「転倒」が 4,811 人(76%)
で最多、第 2 位は「転落等」で 781 人(12%)、第 3 位は「過負担」で 221
人(3%)となっています。転倒者が 4,811 人と非常に多いのは、高齢期特
有の症状(骨粗しょう症、すり足など)が影響していると考えられます。
高齢者の事故(要因別)
-9-
の
れ
他
13
挟
ま
物
17
け
ど
や
下
溺
22
そ
28
水
33
落
物
36
飲
咬
ま
れ
刃
物
等
43
誤
衝
突
57
異
息
窒
担
負
等
過
落
転
転
倒
6,000
4,811
5,000
事 4,000
故
3,000
人
数 2,000
781
1,000
221 153
0
151
(4) 「傷病程度別」発生状況
「傷病程度別」にみると、
高齢者の事故(傷病程度別)
「軽症」が 3,752 人(59%)、
重篤, 93
死亡, 2
重症, 244
「中等症」が 2,275 人(36%)、
「重症」以上が 339 人(5%)
中等症, 2,275
となっています。
全年齢層の「傷病程度」
軽症, 3,752
と比較すると、軽症の割合は
7%減少し、中等症では 6%
の増加となっています。
(5) 「月別」発生状況
「発生月別」にみると、12 月が最多で 666 人、第 2 位は 10 月で 592 人、
第 3 位は 1 月で 576 人となっています。
高齢者の事故(月別)
666
700
592
576
600
486
500
事
故 400
人 300
数
200
517
517
517
486
460
472
6月
7月
8月
514
563
100
0
1月
2月
3月
4月
5月
9月
10月 11月 12月
(6) 「時間帯別」発生状況
「発生時間帯別」にみると、9 時台が 482 人で最多、第 2 位は 10 時台の
463 人、第 3 位は 11 時台の 425 人となっています。
高齢者の事故(時間帯別)
600
482 463
500
379
事 400
故
人 300
数 200
425
377 389 360 356 388 386 371
312
224
99 83 76 71 72 94
100
265
235
166 159
134
- 10 -
2 3時
2 1時
2 2時
2 0時
1 8時
1 9時
1 7時
1 6時
1 4時
1 5時
1 3時
1 1時
1 2時
1 0時
8時
9時
7時
6時
4時
5時
3時
1時
2時
0時
0
【高齢者(n=6,366 人)の事故概要】
・男女別救急搬送人数では、女性が 3,855 人、男性が 2,511 人で、女性の方
が約 1,300 人(1.5 倍)多く搬送されています。
・年齢層別では、やはり年齢が上がる 75 歳以上に多く発生しています。
・場所別では、全年齢層と同様、住宅で多く発生しており、又、住宅での負
傷事故の 7 割は、「居室」・「階段」で発生しています。
・事故の要因別では、殆どが「転倒・転落等(88%)」で占めています。
・傷病程度別では、やはり軽症(59%)が多いです。
【高齢者の事故事例】
【転倒事例(n=4,811)】
主な原因 バランスを崩す:1,378、つまずく:1,164、滑る:742
・椅子から立ち上がる際、バランスを崩し転倒
(81 歳女性、重症)
・自宅洗面所でバランスを崩し転倒(72 歳女性、
中等症)
・カーペットにつまずき転倒(82 歳女性、中等症)
・玄関先の段差につまずき転倒(76 歳女性、中等症)
・フローリングの床をスリッパで歩行した際、足が滑り転倒(88 歳女性、
重症)
【転落事例(n=781)】
主な原因 バランスを崩す:350、踏み外す:118、滑る:88
・階段からバランスを崩し転落(73 歳男性、重症)
・脚立を使って 2 階外壁のペンキ塗りをした際、バランスを崩し転落
(66 歳男性、重症)
・階段を踏み外し転落(69 歳男性、中等症)
・ベランダ(高さ 15m)で作業中、柵が破損し転落
(70 歳男性、重篤)
・階段を下りていて、7 段目から足を滑らせ転落
(83 歳女性、中等症)
【過負担(n=221)】
主な原因 無理な体勢:64、重いもの:31、立ち上がる:19
・床下収納庫から物を持ち上げようとした際、腰部を負傷(84 歳女性、
軽症)
・足を滑らせた際、股割りの様な体勢となり、右下肢を負傷(72 歳男性、
軽症)
・孫を抱きかかえたときに、腰痛(73 歳女性、軽症)
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・灯油缶を持ち上げた際、腰部を負傷(76 歳女性、中等症)
・トイレで立ち上がった際、左膝を負傷(75 歳男性、中等症)
【窒息(n=153)】
・食事中にもちを喉に詰めた(88 歳男性、重篤)
・食事中にパンを喉に詰めた(77 歳男性、重症)
・食事中にかまぼこを喉に詰めた(72 歳女性、
軽症)
【衝突(n=57)】
・駅構内にて、通行人とぶつかり転倒(76 歳女性、軽症)
・歩行中にふらつき、電柱と衝突(76 歳男性、軽症)
【異物誤飲(n=43)】
・自宅にて食器用洗剤を誤飲(80 歳女性、軽症)
・食事中に、誤って義歯を飲み込んだ(68 歳男性、中等症)
・薬を服用する際、錠剤の薬ケースを誤飲した(76 歳女性、軽症)
【やけど(n=17)】
・てんぷら鍋をひっくり返し、熱傷を負った(82 歳女性、中等症)
・酩酊状態で入浴し、熱傷を負った(68 歳男性、重症)
【高齢者の事故防止】
◆転倒・転落等の事故を防ぐために
・敷居などの、つまずきやすい段差を少なくするなど工夫する
・居室内の整理整頓を心がけ、床や階段などに物を置かない
・電化製品のコード類は床に這わせない
・新聞紙、チラシ等は、床に放置しない
・滑りやすい靴下やスリッパを履かない
・浴室、浴槽内には、滑り止めのマットを敷く
・階段、廊下、玄関、浴室、トイレなどに「手すり」を設けて利用する
・階段、廊下、玄関などに「明るい照明」をつける
・電球の交換など、手が届かない高所で作業をする場合は、回転式の椅子な
どは使用せず、安定した踏み台を使用し、家族等に支えてもらう
◆過負担事故を防ぐために
・運動するときは準備運動を十分に行い、急に体を動かさない
・重いものを持ち上げるときは、腰を曲げて持ち上げるのではなく、しゃが
んで背筋を伸ばし脚の力で持ち上げる
◆窒息事故を防ぐために
・食事の際は、お茶や水を飲んで喉を湿らせてから少しずつ、ゆっくりよく
噛んで食べる
・餅などの粘りのある食品を食べる場合は、小さく切って食べる
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次に、乳幼児(0~4 歳:n=599 人)の事故発生状況について分析します。
5 乳幼児(0~4 歳)の事故発生状況について
(1)「性別」、「年齢別」発生状況
「性別」にみると、男児が 352 人(59%)、女児が 247 人(41%)であっ
た。
「年齢別」では 1 歳児が 170 人(28%)で最多、次いで2歳児 143 人
(24%)、3 歳児 123 人(21%)、4 歳児 84 人(14%)、0 歳児 79 人(13%)、
となっています。
(2)「場所別」発生状況
「場所別」にみると、事故が最も多かったのは「家庭内」で 378 人(63%)、
第 2 位は「公衆の出入りする場所」で 141 人(24%)、第 3 位は「道路」
で 44 人(7%)となっています。
(3) 「事故の要因別」発生状況
事故のきっかけとなった「要因別」にみると、「転倒」が 219 人(37%)
で最多、第 2 位は「転落等」で 176 人(29%)、第 3 位は「やけど」と「衝
突」で 41 人(7%)となっています。
乳幼児の事故(要因別)
219
200
事
故 150
人
100
数
50
176
41
41
42
25
18
11
9
9
4
れ
落
下
物
咬
ま
窒
息
過
負
担
刃
物
等
れ
挟
ま
衝
突
異
物
誤
飲
や
け
ど
転
倒
転
落
等
0
3
1
溺
水
そ
の
他
250
次に、主な要因別に事故が発生するきっかけとなった原因を調べます。
ア 「転倒」のきっかけとなった原因
「転倒」した 219 人では、「バランスを崩し」が 68 人(31%)で最
多、第 2 位は「つまずき(段差、物品)」で 62 人(28%)、第 3 位は
「滑り(濡れ、滑りやすい材質)」で 30 人(14%)となっています。
イ 「転落等」のきっかけとなった原因
「転落等」した 176 人では、「バランスを崩し」が 82 人(47%)で
最多、第 2 位は「踏み外し」で 14 人(8%)
、第 3 位は「滑り」で 10
人(6%)となっています。
ウ 「やけど」のきっかけとなった原因
「やけど」した 41 人では、
「食事中」が 17 人(41%)で最多、第 2
位は「調理中」で 3 人(7%)、第 3 位は「入浴中」で 1 人(2%)と
なっています。
- 13 -
エ
「衝突」のきっかけとなった原因
「衝突」した 41 人では、
「走っていて」が 17 人(41%)で最多、第
2 位は「遊戯中」で 16 人(39%)、第 3 位は「滑り」で 2 人(5%)
となっています。
オ 「異物誤飲」のきっかけとなった原因
「異物誤飲」した 25 人では、
「遊戯中」が 17 人(68%)で最多、第
2 位は「喉詰め」で 3 人(12%)、第 3 位は「食事中」で 1 人(4%)
となっています。
カ 「挟まれ」のきっかけとなった原因
「挟まれ」した 18 人では、
「自分で閉めて」と「他人が閉めて」が 4
人(22%)で最多、第 3 位は「自転車乗車中」で 2 人(11%)となっ
ています。
(4)「傷病程度別」発生状況
「傷病程度別」にみると、「軽症」が圧倒的に多くて 540 人(90%)、「中
等症」が 57 人(10%)
、「重症」以上が 2 人(0.3%)となっています。
(5) 「月別」発生状況
「発生月別」にみると、8 月が最多で 62 人(10%)、第 2 位は 4 月で 57
人(10%)、第3位は 6 月で 54 人(9%)となっています。
(6) 「時間帯別」発生状況
「発生時間帯別」では、18 時台が最多で 56 人(9%)、第 2 位は 13 時
台と 15 時台の 50 人(8%)、次いで 14 時台の 48 人(8%)となっていま
す。
【乳幼児(n=599 人)の事故概要】
・男女別救急搬送人数では、男児が 352 人、女児が 247 人で、男児の方が
105 人多く搬送されています。
・年齢別では、1 歳児と 2 歳児に多く発生しています。
・場所別では、全年齢層と同様、家庭内で多く発生しています。
・事故の要因別では、「転倒・転落等」で 7 割を占めています。
・
「転落等」による事故人数は 176 人で、事故人数全体(1,513 人)の 12%
弱を占めており、年齢層(5 歳階級)別事故人数の中で、最多となってい
ます。
・乳幼児は頭が大きくバランスが悪いため転倒しやすく、頭部を負傷する割
合が高いが、転倒しても落差が小さいことや、体が柔らかいことなどから
重症化しにくい傾向にあります。
・傷病程度別では、ほとんどの事故が軽症(90%)となっています。
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【乳幼児の事故事例】
【転倒事例(n=219)
】
・椅子にあがろうとして、バランスを崩し転倒、台で
頭部を打撲(1 歳男児、中等症)
・滑り台を滑った後、バランスを崩し転倒(2 歳男児、
軽症)
・階段を上っていて、段差につまずき転倒(4 歳男児、
軽症)
・床上のクッションにつまずき転倒(1 歳女児、軽症)
・浴室内の洗い場で足を滑らせ転倒(2 歳男児、軽症)
【転落事例(n=176)】
・公園の滑り台からバランスを崩し転落(4 歳女児、
中等症)
・椅子の上からバランスを崩し転落(4 歳男児、軽症)
・階段で足を踏み外し転落(2 歳女児、軽症)
・テーブル(高さ 80cm)から足を踏み外し転落(4 歳
女児、軽症)
・階段で足を滑らせ転落(1 歳男児、軽症)
・水場の石(高さ 1.2m)で遊んでいて、足を滑らせ転落(3 歳男児、軽症)
【やけど(n=41)】
・テーブルのお吸い物を手でひっくり返し、やけどした
(0 歳男児、中等症)
・食事中、コーヒーをこぼし、子どもがやけどした(1 歳女
児、中等症)
・やかんを誤って倒したため、沸騰したてのお湯が体にか
かり、やけどした(1 歳女児、中等症)
・乳幼児用バスタブで入浴中、誤って熱湯が足にかかり、やけどした(0 歳
男児、軽症)
【衝突(n=41)】
・居室で走り回っていた際、木製の柱に前額部を激突
(3 歳女児、軽症)
・保育園の廊下を走っていて、木製の棚に頭部を激突(4 歳男児、中等症)
・自宅のテーブルの下で遊んでいて立ち上がった際、テーブルの天板と頭頂
部が衝突(2 歳女児、軽症)
・ソファーで飛び跳ねて遊んでいたところ、バランスを崩して窓枠と後頭部
が衝突(2 歳男児、軽症)
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【異物誤飲(n=25)】
・夕食の準備で母親が目を離した際、誤って薬を食べ
た(1 歳男児、軽症)
・母親が電話中に、風邪薬を誤って食べた(1 歳男児、
中等症)
・口の中に 100 円玉を入れて遊んでいたところ、誤飲
した(4 歳女児、軽症)
・自宅でタバコを誤飲した(0 歳女児、軽症)
【挟まれ(n=18)】
・子供用の折りたたみテーブルで、左手の指を挟んだ(2 歳男児、中等症)
・自転車の後部座席に乗車中、後輪に左足を挟まれた(3 歳男児、軽症)
・自宅で、ドアに左手を挟まれた(1歳女児、軽症)
・エレベータの扉に、右手を挟まれた(1 歳男児、軽症)
【乳幼児の事故防止】
◆転倒・転落等の事故を防ぐために
・敷居などのつまずきやすい段差を少なくするなど工夫する
・居室内の整理整頓を心がけ、床や階段などに物を置かない
・新聞紙、チラシ等は踏むと滑りやすいので、床に放置しない
・乳幼児の高い椅子への乗り降りは、必ず大人が行う。また、踏み台になる
ようなものはベランダや階段近くに置かない
◆やけどの事故を防止するために
・熱傷の原因【①お茶・コーヒー類(14 人(34%))、②熱湯(11 人(27%))、
③味噌汁・スープ類(5 人(12%))、④ポット・魔法瓶等(2 人(5%))】
となるものを幼児の手の届くところに置かない
◆衝突事故を防ぐために
・子どもには、狭いところや室内では、走らせない
(特に、
「走っていて(17 人(41%))
」や、
「遊戯中(16 人(39%))」に多
く衝突している)
◆異物誤飲事故を防ぐために
・床や低いテーブルの上など、幼児の手の届くところに誤飲しやすい小さな
もの(①医薬品(4 人(16%))とビニール(4 人(16%))③たばこ(3
人(12%)、④硬貨・玩具(2 人(8%))、ボタン電池、乾燥剤など)を置
かない
(特に遊戯中に 17 人(68%)と多く誤飲している)
◆挟まれ事故を防ぐために
・ドア(家のドア 7 人、エレベータのドア 3 人、電車のドア 3 人)に挟ま
れる事故が最多で、13 人(72%)を占めているので、ドアの蝶番側には、
市販の隙間防止カバーを利用するなどして、指詰めしない環境をつくる
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