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ミリ波帯無線装置の高能率化技術の 研究開発
ミリ波帯無線装置の高能率化技術の 研究開発 三菱電機株式会社 独立行政法人 情報通信研究機構 株式会社 村田製作所 1 課題名: ミリ波帯無線装置の高能率化技術の研究開発 ミリ波帯無線装置の高能率化技術の研究開発 ア ミリ波帯MMICの高能率化技術に関する研究開発 (三菱電機株式会社) ア-1) 高効率増幅器MMICの研究開発 ア-2) 高能率スイッチMMICの研究開発 ア-3) 高出力発振器MMICの研究開発 イ ミリ波帯HEMTの高信頼性耐湿化技術に関する研究開発 (三菱電機株式会社) イ-1) 高電力密度高利得HEMTの研究開発 イ-2) 高耐湿HEMTの研究開発 ウ 低損失誘電体素材技術、及びその他の回路構成手法を用いた (独立行政法人 情報通信研究機構) 無線装置の高能率化のための技術に関する研究開発 (株式会社 村田製作所 ) ウ-1) PDTL線路を用いた高Q、低損失フィルタの研究開発 ウ-2) フォトニック結晶を用いた高Q、低損失フィルタの研究開発 ウ-2-4) ミリ波帯部品素材の高速測定評価装置の開発 ウ-3) ミリ波無線放射装置の高能率化研究開発 2 ア ミリ波帯MMICの高能率化技術に関する研究開発 ア-1) 高効率増幅器MMICの研究開発 <目標> 18年度:30GHz帯において35%以上の効率 19年度:60GHz帯において35%以上の効率 20年度:70~80GHz帯において20%以上の効率 ★ [H18成果] ★ [H19成果] H19 目標 ★ [H20成果] InP H20 目標 GaAs 先行技術、開発目標、および開発成果 3 ア-1) 高効率増幅器MMICの研究開発 実施年度 H17年度 実施内容 設計データ取得 H18年度 目標/成果 ミリ波帯増幅器の測定系の整備、設計 データの取得、理論検討 F級、逆F級動作が高効率化 に有効であることを示した。 効率改善のためゲートドレイン間距離の 短縮化による、素子の電力損失低減化 目標:35%以上の効率 成果:35.6% 素子の高性能化(高利得化、高出力化)と 整合回路の高精度設計、バイアス回路を 含む整合回路の低損失化 目標:35%以上の効率 成果:37.2% 高利得化を高効率実現のキーポイントとし、 入出力整合回路の利得整合化 目標:20%以上の効率 成果:29.2% 達成度 30GHz帯増幅器MMIC H19年度 60GHz帯増幅器MMIC H20年度 77GHz帯増幅器MMIC 4 ア-1) 高効率増幅器MMICの研究開発 入出力整合回路の線路長最適化による トランジスタの利得整合化 c a c b d d a トランジスタ Wg=60 um x 2 等価回路 レイアウト 77GHz帯 増幅器MMIC Vd1=Vd2=3 V, Id1=Id2=12 mA 30 Pout(dBm), Gp(dB), PAE(%) b Freq.=78GHz 25 29.2 % 20 Pout Gp PAE 15 10 5 0 -10 0 10 20 Pin (dBm) 入出力特性 最大電力負荷効率 : 29.2% 1.58 x 1.45 mm2 5 ア ミリ波帯MMICの高能率化技術に関する研究開発 ア-2) 高能率スイッチMMICの研究開発 <目標> 18年度:30GHz帯において通過損失1.2dB以下、アイソレーション42dB以上 19年度:60GHz帯において通過損失1.7dB以下、アイソレーション40dB以上 20年度:70~80GHz帯において通過損失2.0dB以下、アイソレーション35dB以上 目標 ★ [H18成果]★ ★ [H20成果] [H19成果] ★ [H18成果] ★ [H20成果] ★ [H19成果] 目標 通過損失 アイソレーション 先行技術、開発目標、および開発成果 6 ア-2) 高能率スイッチMMICの研究開発 実施年度 H17年度 実施内容 設計データ取得 H18年度 目標/成果 ミリ波帯スイッチの測定系の整備、設計 データの取得、理論検討 アイソレーション向上のため、素子 のオン抵抗低減、寄生インダクタ ンス低減の有効性を示した 素子レイアウトの最適化による、寄生 インダクタンス成分の低減化 目標:1.2dB以下の通過損失 :42dB以上のアイソレーション 成果:1.1dBの通過損失 :44dBのアイソレーション 素子構造の最適化によるオン抵抗の 低減 と、高アイソレーション整合回路の 適用によるスイッチの高アイソレーション 化 目標:1.7dB以下の通過損失 :40dB以上のアイソレーション 成果:1.5dBの通過損失 :43dBのアイソレーション 前年度に開発した素子構造、および 高アイソレーション整合回路技術の適用 目標:2.0dB以下の通過損失 :35dB以上のアイソレーション 成果:1.8dBの通過損失 :43dBのアイソレーション 達成度 30GHz帯スイッチMMIC H19年度 60GHz帯スイッチMMIC H20年度 77GHz帯スイッチMMIC 7 ア-2) 高能率スイッチMMICの研究開発 スイッチのアイソレーション向上 チャネル抵抗低減 FETオン抵抗低減 Vc (0V/-3V) loss (dB) 通過損失 アクセス抵抗低減 FET装荷型スタブ 0 -2 -4 -6 -8 -10 -12 -14 -16 -18 -20 FETオン抵抗低減 Isolation (dB) ポートP リターンロス (ポートP) スイッチ-ON時の特性 ポートB FET装荷型スタブ リターンロス (ポートB) 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 frequency (GHz) 77GHz帯SPDTスイッチMMIC ポートA 1.8dB@77GHz 1.75mm×1.20mm 通過損失: 1.8 dB @77GHz アイソレーション: 43 dB @77GHz 0 -5 -10 -15 -20 -25 -30 -35 -40 -45 -50 アイソレーション 43dB@77GHz 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 frequency (GHz) スイッチ-OFF時の特性 8 ア ミリ波帯MMICの高能率化技術に関する研究開発 ア-3) 高出力発振器MMICの研究開発 <目標> 18年度:30GHz帯において出力電力0dBm以上、位相雑音-106dBc/Hz以下 19年度:70~80GHz帯の発振器 MMICの課題抽出と設計手法の確立 20年度:70~80GHz帯において出力電力0dBm以上、位相雑音-106dBc/Hz以下 →19年度検討において達成 20年度(再設定):固定発振器からVCO化 70~80GHz帯において出力電力0dBm以上、位相雑音-103dBc/Hz以下 -60 -60 -70 -70 -80 -80 38G -90 104G -100 30.9G -110 39G 77G 35G 58G 76.5G 37G ★ ★ ★ SiGe HBT InGaP HBT GaAs HEMT CMOS Gunn Diode 77G -120 [H18成果] [H20成果:再設定] OSC 30GHz 目標 VCO 77GHz -130 1MHz離調位相雑音(dBc/Hz) 1MHz離調位相雑音(dBc/Hz) [H19成果] OSC 77GHz -90 [H18成果] -100 [H19成果] ★ ★★ -110 -120 [H20成果:再設定] -130 目標 -140 -140 -10 -5 0 5 10 15 20 1 出力電力(dBm) 先行技術、開発目標、および開発成果 10 100 1000 出力周波数(GHz) 9 ア-3) 高出力発振器MMICの研究開発 実施年度 H17年度 実施内容 設計データ取得 H18年度 目標/成果 ミリ波帯発振器の測定系の整備、設計 データの取得、理論検討 InGaP、InP、SiGeについて検討、 高調波取り出し型の有効性を示し た InGaP HBTを用いて、2倍波整合回路 を最適化した高調波取出し型発振器 を試作 目標:0dBm以上の出力電力 :-106dBc/Hz以下の位相雑音 成果:1.89dBmの出力電力 :-109dBc/Hzの位相雑音 素子の入力側の2倍波負荷インピーダン スを最適(ショート)化 H20年度目標 目標:0dBm以上の出力電力 :-106dBc/Hz以下の位相雑 音 成果:0.2dBmの出力電力 :-106dBc/Hzの位相雑音 達成度 30GHz帯発振器MMIC H19年度 77GHz帯発振器MMIC VCOの可変共振器に2倍波ショートスタブ 目標の上方修正 目標:VCO化 を用い、素子の入力側2倍波負荷の :0dBm以上の出力電力 ショート化、及び2倍波信号のバラクタへの :-103dBc/Hz以下の位相雑音 伝播を抑制 成果:-2.9dBmの出力電力 H20年度 77GHz帯VCO-MMIC (-6dBのATTを含む) :-110dBc/Hzの位相雑音 10 ア-3) 高出力発振器MMICの研究開発 2倍波のバラクタへの伝播を抑制 λ@2倍波ショートスタブ Vb Vc RF out バラクタ Vt 2倍波負荷 ショート化 発振周波数 調整用線路 基本波Q値 調整用線路 基本波出力 抑制用スタブ λ/4@基本波 出力スペクトル特性 77GHz帯VCO-MMIC 出力周波数および位相雑音特性 1.40mm×2.35 mm 出力周波数 = 77.034 GHz 変調範囲 = 150 MHz 出力電力 = -2.9 dBm (出力に6dBATTを一体化) 位相雑音 = -110 dBc/Hz @1MHz offset 11 課題名: ミリ波帯無線装置の高能率化技術の研究開発 ミリ波帯無線装置の高能率化技術の研究開発 ア ミリ波帯MMICの高能率化技術に関する研究開発 (三菱電機株式会社) ア-1) 高効率増幅器MMICの研究開発 ア-2) 高能率スイッチMMICの研究開発 ア-3) 高出力発振器MMICの研究開発 イ ミリ波帯HEMTの高信頼性耐湿化技術に関する研究開発 (三菱電機株式会社) イ-1) 高電力密度高利得HEMTの研究開発 イ-2) 高耐湿HEMTの研究開発 ウ 低損失誘電体素材技術、及びその他の回路構成手法を用いた (独立行政法人 情報通信研究機構) 無線装置の高能率化のための技術に関する研究開発 (株式会社 村田製作所 ) ウ-1) PDTL線路を用いた高Q、低損失フィルタの研究開発 ウ-2) フォトニック結晶を用いた高Q、低損失フィルタの研究開発 ウ-2-4) ミリ波帯部品素材の高速測定評価装置の開発 ウ-3) ミリ波無線放射装置の高能率化研究開発 12 イ ミリ波帯HEMTの高信頼性耐湿化技術に関する研究開発 イ-1) 高電力密度高利得HEMTの研究開発 実施年度 実施内容 H17~18年度 TaN Cat-CVD膜 ゲート電極 Lrd Au ソース電極 ドレイン電極 コンタクト層(n+) 埋込層 目標/成果 効率改善のためゲートドレ イン間距離(Lnd)の短縮化 による、素子の電力損失 低減化 30GHz帯 目標:800mW以上の電力密度 :9dB以上の利得 成果:922mWの電力密度 :10dBの利得 ゲート長の短縮、電子供 給層濃度の向上、ステッ プリセス構造の適用 60GHz帯 目標:500mW以上の電力密度 :7dB以上の利得 成果:495mWの電力密度 :7dBの利得 短ゲート化、電子供給層 濃度の向上、埋込層薄層 化、ステップリセス構造の 内側リセス幅短縮 70~80GHz帯 目標:400mW以上の電力密度 :7dB以上の利得 成果:625mWの電力密度 :8.2dBの利得 ショットキー接合層 達成度 チャネル層(アンドープ) バッファ層 電子供給層(n+) 半絶縁性基板 HEMT構造断面図 H19年度 ステップリセス構造 内側リセス幅短縮 (0.4→0.2µm) TaN異方性スパッタ(PCM法) Cat-SiN厚膜保護膜 エピ高Ns・高gm化 埋込厚薄層化 H20年度 短Lg化(<0.2µm) イ-3 ゲートスパッタ装置の導入と適用 H18年度 装置立ち上げ完了 H19~20年度、短ゲートプロセスに適用 異方性スパッタ装置 13 イ-1) 高電力密度高利得HEMTの研究開発 【Cat *1) -SiN 厚膜保護膜(断面SEM)】 ゲート電極 Cat膜 ソース電極 ドレイン電極 有機膜 Cat膜多重積層⇒高耐湿化 Psat [W/mm] 0.8 *1) Catalytic ステップリセス構造 0.6 Lrd拡大⇒耐圧向上しても ミリ波出力低下抑制可能 0.4 従来リセス構造 0.2 0 0.5 1 1.5 Lrd [µm] Pout[dBm],Glp[dB],PAE[%] 30 2 PAE:27.2% 25 20 Glp:11.7dB 15 Psat:18.4dBm 10 *2 5 0 -5 0 5 Pin [dBm] 10 15 ショットキー厚150Åにて最大効率・利得・出力 *2) Individually grounded Source Viahole 14 イ ミリ波帯HEMTの高信頼性耐湿化技術に関する研究開発 イ-2) 高耐湿HEMTの研究開発 実施年度 実施内容 H18年度 高温信頼性・耐湿性について 判断基準、劣化機構を分析 文献調査、検討 H17年度 Source Cat-SiN厚膜化 (600nm) Gate 目標/成果 達成度 高温信頼性・耐湿性向上に対して TaN/Auゲート、Cat-CVD適用の有効 性を示した Drain Cat-SiN層の厚膜化の 検討、および適用 目標:85℃、85%RH、1,000hr以上 成果:HAST(130℃,85%)、96hr以上 (目標と同等以上の条件) 分光エリプソメータの導入 による、正確な多層膜の 膜厚制御 目標:分光エリプソメータ装置導入 成果:導入完了、Cat-SiN膜厚測定 に適用開始 Cat-SiN膜厚2.1μmの 厚膜被覆HEMT構造を 開発 目標:85℃、85%RH、5,000hr以上 成果:85℃、85%RH、5,000hr以上 HAST(130℃,85%)、1000hr 以上の高耐湿性確認 TaN 空洞 H19年度 分光エリプソメータ H20年度 高耐湿HEMT 15 イ-2) 高耐湿HEMTの研究開発 イ-3) 異方性スパッタ装置 分光エリプソメータ装置 ウエハ評価台 RF出力ボックス ウエハ搬入口 中にターゲット チャンバー (中に基板) 入射光源 入射光の偏光状態 Ta粒子 変化 反射光の偏光状態 TaN薄膜 スペーサ絶縁膜 従来スパッタリング:側壁厚 異方性スパッタリング:側壁薄 異方性スパッタ:側壁薄く、短ゲート長でも上部金属が入り易い ⇒短ゲート長で低ゲート抵抗のトランジスタが形成可能 分光エリプソメータ ・入射光の波長変化 →多層膜などのより 精確な情報が得られる16 課題名: ミリ波帯無線装置の高能率化技術の研究開発 ミリ波帯無線装置の高能率化技術の研究開発 ア ミリ波帯MMICの高能率化技術に関する研究開発 (三菱電機株式会社) ア-1) 高効率増幅器MMICの研究開発 ア-2) 高能率スイッチMMICの研究開発 ア-3) 高出力発振器MMICの研究開発 イ ミリ波帯HEMTの高信頼性耐湿化技術に関する研究開発 (三菱電機株式会社) イ-1) 高電力密度高利得HEMTの研究開発 イ-2) 高耐湿HEMTの研究開発 ウ 低損失誘電体素材技術、及びその他の回路構成手法を用いた (独立行政法人 情報通信研究機構) 無線装置の高能率化のための技術に関する研究開発 (株式会社 村田製作所 ) ウ-1) PDTL線路を用いた高Q、低損失フィルタの研究開発 ウ-2) フォトニック結晶を用いた高Q、低損失フィルタの研究開発 ウ-2-4) ミリ波帯部品素材の高速測定評価装置の開発 ウ-3) ミリ波無線放射装置の高能率化研究開発 17 ウ) 低損失誘電体素材技術、及びその他の回路構成手法を 用いた無線装置の高能率化のための技術に関する研究開発 株式会社 村田製作所 (平成17年度~18年度) 達成状況 まとめ ウ-1) PDTL 線路を用いた高Q、低損失フィルタに関する研究 誘電体 達成状況:○ 入出力 共振器:Q値 1,850 @60GHz (目標値1,500以上) フィルタ:IL 0.45dB @59-62GHz (目標値0.5dB以下) 導体 フィルタ(TE210, 3段) 共振器(TE020) PDTL: Planar Dielectric Transmission Line (両面にパターン形成) ウ-2) フォトニック結晶構造を用いた高Q、低損失フィルタに関する研究 誘電体柱 達成状況:○ 欠陥 連結 電界 共振器 (1段) 共振器:Q値 4,920 @60GHz (目標値1,500以上) フィルタ:IL 0.30dB @60GHz (目標値0.5dB以下) フィルタ(3段) 18 ウ-1) PDTL 線路を用いた高Q、低損失フィルタに関する研究 ■本研究の位置付け: モジュールの小型・低損失化を狙った取り組み 共振器の構造 測定結果 無負荷Q: 1,850 @60GHz 無負荷Q算出式: f 1 Qu = 0 ⋅ IL − ∆f 20 1 − 10 f0 : ピーク周波数 ∆f : 半値幅 IL : ピークの挿入損失 フィルタの構造 ■設計 リップル:0.02dB, 帯域幅:4.7GHz 〔結合係数(k):9.1%, 外部Q(Qe): 9.2 〕 測定結果 挿入損失: 0.45dB @ 59~62GHz 19 ウ-2) フォトニック結晶構造を用いた高Q、低損失フィルタに関する研究 ■本研究の位置付け: 共振器の高Q性能を追求する取り組み 共振器の構造 3.8 1.3 欠陥 0.6 2.0 0 0.7×0.7×1.9mm 材料:アルミナ 0.7 導波管 入力 誘電体柱 (24本) S21(dB) (単位:mm) 測定結果 出力 52-70GHz -40 -30 -40 欠陥 あり -50 -80 60.6 1.9 結合窓 45 フィルタの構造と等価回路 k f0 k f0 計算 Qe Z0 Z0 2 0.7 x 結合窓 0 0 -20 入力 (導波管) w -8 58 -80 出力 ■設計 リップル:0.1dB, 帯域幅:1.29GHz 〔結合係数(k):2.0%, 外部Q(Qe): 48 〕 -4 -40 -60 3.8 測定 挿入損失 20 S21(dB) f0 55 周波数(GHz) 測定結果 S21(dB) Qe 無負荷Q: 4,920 @60GHz 欠陥 65 なし 75 -120 10 60.65 60 62 64 周波数(GHz) 45 55 65 周波数(GHz) 75 IL(top): 0.19dB @ 62GHz ※周波数ずれは設計に反映することにより、調整可能 2007年 電子情報通信学会 ソサイエティ大会 にて発表(講演番号:CS-2-6) 20 ミリ波無線放射装置の高能率化に関する研究 ウ-3 ) L Vd Vg RFチョーク θ トランジスタ 扇形パッチ 【目標】60GHz帯無線放射装置で 40%以上の超高効 率のDC-RF変換の達成 ① 放射器構造と発振の為の共振器を兼ねた構成 ② 給電損失の無い高効率無線放射装置の構成 により、大振幅動作の限界効率に迫る高能率の可能性 t 65GHz 誘電体基板 InP-HEMT L InP-HEMT (fT.ext=280GHz, fmax.ext =260GHz )を用いた 無線放射装置発振スペクトラム 無線放射装置の基本構成 65GHz帯の放射スペクトラム 高能率動作 DC-RF変換率 超低電力動作 1- 3 mW動作 表1.放射出力周波数とパッチ寸法 L[mm] fosc[GHz] Vd[V] Id[mA] 1.6 49.5 0.50 2 1.4 53.4 0.50 3 1.2 58.3 0.50 4 1.0 65.0 0.50 6 【結果】DC電力-ミリ波空間放射 電力変換効率は、20~30%にとど まり目標達成に至らなかった。 60GHz帯、0.5mWのミリ波放射出 力を2mWのDC電力消費で達成 (世界最高水準の省エネ動作) 21 ウ-3 ) ミリ波無線放射装置の高能率化に関する研究 無線放射装置方式の一般性の検証 三菱電機製pHEMTを用いた無線放 射装置の共同試作開発を実施し 周波数27.3GHz EIRP約4dBm達成 P-HEMTチップ 高感度センサへの応用 ① 空間への高効率なミリ波放射装置 ② 自己発振型の周波数変換装置として反射波 の高感度受信機能 ・CW動作: ドップラーレーダ、微少変異検出 ・FM-CW動作: 測距、動きの検出 2.8 mm 27.3GHz帯無線放射装置RF部 27.3GHz 中心周波数 27.3GHz 周波数スパン 100MHz DC-RF変換効率 20-30% pHEMT無線放射装置の放射スペクトル ・パルス動作: レーダー ③ ミリ波に対する素材特性・形状特性による変 化を検出可能。可視、赤外光や、超音波と異 なる探査・計測手段を与える。 ミリ波無線放射装置 反射体 反射体の材質、位置の変化により反射波の 位相及び振幅の変化が信号として検出される。 22 ウ-2-4 ) ミリ波高速測定評価装置の開発 60GHz帯ミリ波高感度センサ応用 ミリ波回路部 ミリ波による 素材計測 ミリ波高速測定評価装置 60GHz帯無線センサ装置 ミリ波高速測定評価装置 ■ 60GHz帯高能率無線放射装置を 高感度ミリ波センサとして応用。 ■ 素材サンプル①ゴムシート(誘電 体)、素材サンプル②金属素材の反射 測定では、サンプルの素材特性と形状 配置を反映したパターン特性が得られ ミリ波計測の可能性が確認できた。 ■ 光センサや光学画像によっては、 通常識別困難な素材の計測が可能。 今後の、新たな応用分野への展開に 期待。 素材サンプル ① 天然ゴムシート 素材サンプル ②金属凹凸面 ①天然ゴムシート ②金属凹凸面 測定時の検知出力信号時間軸波形 23 成果物一覧 特許出願 31件(国内16件、海外15件) 出願国 産業知財 権の種類 出願日 出願番号 出願人 1 電界効果トランジスタ 日本 特許 平成18年5月22日 特願2006-141257号 三菱電機 25 2 ミリ波RFプローブパッド 日本 特許 平成18年9月19日 特願2006-252593号 三菱電機 26 電界効果トランジスタ 及びその製造方法 日本 特許 平成18年10月12日 特願2006-278464号 三菱電機 No. 得られた研究成果の種類 3 4 電界効果トランジスタ 台湾 特許 平成18年11月8日 5 電界効果トランジスタ 米国 特許 平成18年11月8日 6 電界効果トランジスタ 韓国 特許 平成18年11月27日 7 電界効果トランジスタ ドイツ 特許 平成18年12月11日 8 高周波発信器 日本 特許 平成18年12月14日 9 電界効果型トランジスタ 第9514285号 優先権主張: 特願2006-141257号 第11/557,551 優先権主張: 特願2006-141257号 第2006-117447号 優先権主張: 特願2006-141257号 第102006058324.8号 優先権主張: 特願2006-141257号 特願2006-336943号 第200610063663.3号 優先権主張: 特願2006-141257号 第11/690,255 優先権主張: 特願2006-336943号 出願国 産業知財 権の種類 出願日 出願番号 出願人 電界効果型トランジスタ 及びその製造方法 日本 特許 平成20年3月2日 特願2009-048185号 三菱電機 2次元周期構造体を有する高周波デ バイス 日本 特許 平成18年7月27日 特願2006-204213 村田製作 所 27 マイクロ波ミリ波センサ装置 日本 特許 平成19年4月2日 特願2007-96545 情報通信 研究機構 三菱電機 28 マイクロ波ミリ波センサ装置 PCI国際 出願 特許 平成20年3月31日 PCT/JP2008/056834 国際出願 情報通信 研究機構 三菱電機 29 パルスレーダー装置 日本 特許 平成20年10月7日 特願2008-260828 国内出願 情報通信 研究機構 三菱電機 30 パルスセンサシステム 日本 特許 平成20年10月15日 特願2008-266848 国内出願 情報通信 研究機構 三菱電機 31 センサシステム 日本 特許 平成20年10月15日 特願2008-266918 国内出願 情報通信 研究機構 三菱電機 中国 特許 平成18年12月29日 10 高周波発信器 米国 特許 平成19年3月23日 11 ミリ波スイッチMMIC 日本 特許 平成19年5月8日 特願2007-123025号 三菱電機 平成19年6月14日 第102007027416.7 優先権主張: 特願2006-336943号 三菱電機 特願2007-217020号 三菱電機 12 高周波発信器 ドイツ 特許 13 2倍波発信器 日本 特許 平成19年8月23日 14 ミリ波スイッチMMIC 米国 特許 平成19年9月26日 15 ミリ波スイッチMMIC ドイツ 特許 平成19年12月10日 16 2倍波発信器 米国 特許 平成20年2月22日 17 ミリ波帯スイッチ 日本 特許 平成20年4月9日 18 2倍波発信器 ドイツ 特許 平成20年4月29日 19 ミリ波帯スイッチ 米国 特許 平成20年7月22日 20 ミリ波帯スイッチ 中国 特許 平成20年8月29日 21 ミリ波帯スイッチ ドイツ 特許 平成20年9月16日 22 カスコード回路 日本 特許 平成20年9月11日 23 電圧制御発振器 日本 特許 平成20年9月1日 24 高周波半導体スイッチ 日本 特許 平成21年3月3日 第11/861,396号 優先権主張: 特願2007-123025号 第102007059426.9号 優先権主張: 特願2007-123025号 第12/035,724号 優先権主張: 特願2007-217020号 特願2008-101270号 第102008021331.4号 優先権主張: 特願2007-217020号 第12/177,177号 優先権主張: 特願2008-101270号 200810130961.9 優先権主張: 特願2008-101270号 102008047445.2 優先権主張: 特願2008-101270号 三菱電機 三菱電機 三菱電機 No. 得られた研究成果の種類 学会発表・論文 (16件) 題目 A Nonlinear Drain Resistance Model for a High Power Millimeter-wave PHEMT 発表機関・雑誌 発表日 発表人 IEEE IMS2006 2006年5月22日 三菱電機 ミリ波帯RFプローブパッド構造の検討 電子情報通信学会 ソサエティ大会 2006年9月21日 三菱電機 高出力ミリ波帯HEMTの非線形ドレイン抵抗モデル 電子情報通信学会 研究会 2007年1月19日 三菱電機 IEEE IMS2007 2007年6月6日 三菱電機 電子情報通信学会 研究会 2007年6月15日 三菱電機 ミリ波帯 高出力・高信頼性pHEMT構造 電気学会調査専門委員会 2007年7月20日 三菱電機 高調波負荷整合回路付きKa帯2倍波取り出し型発振器 電子情報通信学会 ソサエティ大会 2007年9月10日 三菱電機 電子情報通信学会 研究会 2007年11月27日 三菱電機 A High Power and High Breakdown Voltage Millimeter-wave GaAs pHEMT with Low Nonlinear Drain Resistance ミリ波帯高出力・高耐圧pHEMT ~非線形ドレイン抵抗低減による出力・耐圧の両立~ 三菱電機 三菱電機 三菱電機 三菱電機 三菱電機 高調波負荷を最適化したKa帯2倍波発振器 High Moisture Resitant and Reliable Gate Structure Design in 電子情報通信学会英文論文誌 Vol.E91-C, No.5, May. 2008. High Power pHEMTs for Millimeter-Wave Applications 60GHz High Isolation SPDT MMIC Switches Using Shunt IEEE IMS2008 pHEMT Resonator 2008年5月 三菱電機 2008年6月19日 三菱電機 高調波負荷を最適化したW帯2倍波高出力発振器 電子情報通信学会 研究会 2008年8月29日 三菱電機 三菱電機 高調波負荷整合回路付きW帯2倍波取り出し型発振器 電子情報通信学会 ソサエティ大会 2008年9月16日 三菱電機 三菱電機 A V-band High Power and High Gain Amplifier MMIC using GaAs PHEMT IEEE CSICS2008 2008年10月15日 三菱電機 特願2008-232803号 三菱電機 60GHz帯高アイソレーションSPDT MMICスイッチ 電子情報通信学会 研究会 2008年12月19日 三菱電機 特願2008-223274号 三菱電機 高調波負荷を最適化した高出力低位相雑音76GHz MMIC発振 電子情報通信学会和文論文誌 (採択済み) 三菱電機 三菱電機 誘電体柱を用いた2次元フォトニック結晶のミリ波フィルタへの 電子情報通信学会 ソサエティ大会 シンポジウム 応用研究 2007年9月13日 村田製作所 特願2009-049206号 24 まとめ ミリ波帯無線装置の高能率化技術の研究開発 ア ミリ波帯MMICの高能率化技術に関する研究開発 (三菱電機株式会社) ・ 高能率ミリ波無線装置開発の基盤技術の確立のため、その構成要素である増幅器、スイッチ、 VCOのミリ波帯MMICを試作し、77GHz帯において、効率29.2%の増幅器MMIC、 アイソレーション43dBのスイッチMMIC、位相雑音 -110dBc/HzのVCO MMICを開発。 イ ミリ波帯HEMTの高信頼性耐湿化技術に関する研究開発 (三菱電機株式会社) ・異方性スパッタ装置、分光エリプソメータの導入による、短ゲート化、高耐湿Cat-SiN保護膜の厚膜化 により、625mW/mmの電力密度、および、85℃、85%RH、5,000hr以上、HAST(130℃,85%)、1000hr 以上の高耐湿性を達成。 ウ 低損失誘電体素材技術、及びその他の回路構成手法を用いた (独立行政法人 情報通信研究機構) 無線装置の高能率化のための技術に関する研究開発 (株式会社 村田製作所 ) ・高誘電体基板上にPDTLを用い、60GHz帯にて0.45dB、誘電体柱配列構造の応用により、0.3dBの 低損失フィルタを開発。 ・高能率ミリ波無線装置をミリ波センサに応用し、素材の高速測定評価装置を試作してミリ波による 計測装置としての機能を実証。 ・60GHz帯無線放射装置を試作し、24%のDC-RF電力変換効率、2mWの低消費電力にて 0.5mWの 空間放射電力を達成。 25