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回転体のトルク計算 - サイバネットシステム
EnSight 補足資料 回転体のトルク計算 1.はじめに 2.計算方法の概要 3.各要素の粘性力 4.各要素の圧力による力 5.トルク値の算出 攪拌翼などの回転体のトルクを計算する方法について説明します。 計算機機能を利用して、粘性応力、圧力から境界上の各要素の 力を求め、そこからパート全体のトルクを定数変数(Constant Variable)として出力することを目的としています。 i © 2015 CYBERNET SYSTEMS CO.,LTD. All Rights Reserved. 計算機の概要については別資料「EnSight 補足資料_計算機の利用方法」を御覧ください。 また、各関数の詳細については、UserManual を御覧ください。 2 1.はじめに 2.計算方法の概要 3.各要素の粘性力 4.各要素の圧力による力 5.トルク値の算出 「計算機」機能 を利用して、以下の計算項目を順に実行します。 各計算項目では、計算処理をコマンドで記述しています。GUIによる操作で計算処理を行う 場合は、計算機パネルにてコマンドの計算内容を逐次実行します。 ・各要素の粘性力 境界面の各要素に働く粘性応力を計算します。流体中の歪みを境界面にマッピングし、 面の法線を方向余弦として粘性応力ベクトルを計算し、各要素の面積を掛けることにより 要素毎に働く力を計算します。 利用関数: Grad … 勾配ベクトルの計算 (各速度成分の勾配ベクトルから∇vを形成) CaseMap … 歪みテンソル各成分の翼面へのマッピング Normal … 境界面各要素の法線ベクトルの計算 MakeVect … 任意のスカラー変数、及び数値によるベクトル変数の作成 EleSize … 各要素の面積を計算 ・各要素の圧力による力 境界面の各要素に働く圧力と、法線ベクトル、面積から力を計算します。 利用関数: <各要素の粘性力において既出> ・トルク値の算出 境界面の各要素の位置ベクトルと力ベクトルの外積(要素のモーメント)の総和によりトルクを 計算します。 利用関数: Moment … 各要素でモーメントを算出し、その総和を計算 © 2015 CYBERNET SYSTEMS CO.,LTD. All Rights Reserved. 3 1.はじめに 2.計算方法の概要 3.各要素の粘性力 4.各要素の圧力による力 5.トルク値の算出 i. 速度勾配テンソル∇v を計算します。 コマンド: variables: variables: variables: variables: variables: variables: evaluate evaluate evaluate evaluate evaluate evaluate velx = Velocity[X] vely = Velocity[Y] velz = Velocity[Z] grad_u = Grad (plist, velx) grad_v = Grad (plist, vely) grad_w = Grad (plist, velz) GUI: U x V v x W x i © 2015 CYBERNET SYSTEMS CO.,LTD. All Rights Reserved. Grad関数実行の前処理として 速度の各成分をスカラーとして抽出 4 U y V y W y U z V z W z 計算の前に、流体領域のパートを選択します。 1.はじめに 2.計算方法の概要 3.各要素の粘性力 4.各要素の圧力による力 5.トルク値の算出 ii. 歪みテンソルSを計算します。 コマンド: variables: variables: variables: variables: variables: variables: evaluate evaluate evaluate evaluate evaluate evaluate sxx = 2*grad_u[X] syy = 2*grad_v[Y] szz = 2*grad_w[Z] sxy = grad_v[X]+grad_u[Y] sxz = grad_w[X]+grad_u[Z] syz = grad_v[Z]+grad_w[Y] 対称テンソル6成分 GUI: S v vT i © 2015 CYBERNET SYSTEMS CO.,LTD. All Rights Reserved. 5 計算の前に、流体領域のパートを選択します。 1.はじめに 2.計算方法の概要 3.各要素の粘性力 4.各要素の圧力による力 5.トルク値の算出 iii. 歪みテンソルSを境界面へマッピングします。 コマンド: variables: variables: variables: variables: variables: variables: evaluate evaluate evaluate evaluate evaluate evaluate sxx_w = CaseMap( plist, 1, sxx, 0) syy_w = CaseMap( plist, 1, syy, 0) szz_w = CaseMap( plist, 1, szz, 0) sxy_w = CaseMap( plist, 1, sxy, 0) sxz_w = CaseMap( plist, 1, sxz, 0) syz_w = CaseMap( plist, 1, syz, 0) GUI: S i © 2015 CYBERNET SYSTEMS CO.,LTD. All Rights Reserved. 6 計算の前に、翼面のパートを選択します。 1.はじめに 2.計算方法の概要 3.各要素の粘性力 4.各要素の圧力による力 5.トルク値の算出 iv. 境界面の各要素の法線ベクトルnを計算します。 コマンド: variables: evaluate n = Normal(plist) GUI: n i © 2015 CYBERNET SYSTEMS CO.,LTD. All Rights Reserved. 7 計算の前に、翼面のパートを選択します。 1.はじめに 2.計算方法の概要 3.各要素の粘性力 4.各要素の圧力による力 5.トルク値の算出 v. 粘性応力ベクトルfv を計算します。 コマンド: variables: variables: variables: variables: evaluate evaluate evaluate evaluate fvx = -mu*(sxx_w*n[X]+sxy_w*n[Y]+sxz_w*n[Z]) fvy = -mu*(sxy_w*n[X]+syy_w*n[Y]+syz_w*n[Z]) fvz = -mu*(sxz_w*n[X]+syz_w*n[Y]+szz_w*n[Z]) fv = MakeVect(plist, fvx, fvy, fvz) f v n S GUI: 計算の前に、翼面のパートを選択します。 i 面の法線nを方向余弦として歪みテンソル Sから粘性応力を計算しています。 mu は、粘度です。変数として登録されて いない場合は、数値を直接入力するか、 以下の式を実行して、数値を登録します。 variables: evaluate mu=<粘度> ! © 2015 CYBERNET SYSTEMS CO.,LTD. All Rights Reserved. 8 OpenFOAMなど圧力pが密度ρにより 正規化されている場合は、上式の適用に 注意が必要です。 1.はじめに 2.計算方法の概要 3.各要素の粘性力 4.各要素の圧力による力 5.トルク値の算出 vi. 各要素の粘性力ベクトルFv を計算します。 コマンド: variables: evaluate area = EleSize(plist) variables: evaluate Fv = area*fv GUI: Fv Af v fv A 計算の前に、翼面のパートを選択します。 i © 2015 CYBERNET SYSTEMS CO.,LTD. All Rights Reserved. 9 EleSize関数により各要素の面積を計算 しています。 1.はじめに 2.計算方法の概要 3.各要素の粘性力 4.各要素の圧力による力 5.トルク値の算出 各要素の圧力による力Fpを求めます。 コマンド: variables: evaluate fp = Pressure*n Variables: evaluate Fp = area*fp GUI: Fp Af p fp A 計算の前に、翼面のパートを選択します。 i ! © 2015 CYBERNET SYSTEMS CO.,LTD. All Rights Reserved. 10 計算中の法線ベクトルn 及び各要素の 面積areaは、粘性力の算出で計算済み です。 圧力Pressureが密度ρにより正規化され ている場合は、上式の適用に注意が必要 です。 1.はじめに 2.計算方法の概要 3.各要素の粘性力 4.各要素の圧力による力 5.トルク値の算出 i. 各要素に作用する力Fを計算します。 コマンド: variables: evaluate F = Fv+Fp GUI: Fp Fv F Fv Fp i © 2015 CYBERNET SYSTEMS CO.,LTD. All Rights Reserved. 11 計算の前に、翼面のパートを選択します。 1.はじめに 2.計算方法の概要 3.各要素の粘性力 4.各要素の圧力による力 5.トルク値の算出 ii. モーメント関数によりトルクを計算します。 コマンド: (回転軸がY軸の場合) view_transf: function cursor view_transf: cursor 0.000000 0.000000 0.000000 variables: evaluate torque = Moment(plist, F, [Y]) Y GUI: torque ( Fiz rix Fix riz ) i elem 計算の前に、翼面のパートを選択します。 i コマンドの先頭2行では、カーソルツールの位置を 設定することで、回転軸の位置を明示しています。 Momentの第2引数をFpにすると圧力ベースの トルクを計算することができます。 © 2015 CYBERNET SYSTEMS CO.,LTD. All Rights Reserved. 12 ご利用上の注意: 本書中の解説、及び、図、表は文書による許可なしに、その全体または一部を 無断で使用、複製することはできません。 このドキュメントに記載されている事柄は、将来予告無しに変更される事があります。 なお、サイバネットでは記載内容に関して正確であることに努めていますが、本書の利用に 関して生じた損害については法律上のいかなる責任も負いません。 EnSight は米国 CEI 社の商標です。 上記以外の製品名も一般に開発各社の商標、あるいは登録商標です。 サイバネットシステム株式会社 © 2015 CYBERNET SYSTEMS CO.,LTD. All Rights Reserved. 13