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大学との万引き共同研究(PDF 387KB)

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大学との万引き共同研究(PDF 387KB)
1.アンケート結果に見る少年の万引き被疑者像
学校生活の様子
①自分で意識しなくても、学校のきまりを守れる(約8%)
②何でも相談できる先生がいる(約 15%)
③学校のきまりをまじめに守っている(約 15%)
④学校の行事や係活動には協力的である(約 15%)
【特徴】学校規則の遵守、学校行事等への参加、相談できる
先生の存在を肯定する回答は2割に満たない。
生活実態
・家出したことがある(約 38%)
・過去に補導されたことがある(約 48%)
【困った時の相談相手】
先輩や友人(67.7%)>家族(16.1%)>先生(6.5%)
自分の性格
万引きは悪
いこと
約 97%
学校で「万引きは
犯罪」と教わった
少 年
①イライラしていると、すぐ態度に出る(約 57%)
②カッとなると、自分を抑えるのが難しい(約 45%)
③自分の思い通りにいかないと腹がたつ(約 42%)
約 73%
近所の人との関係
・近所の人とはよくあいさつする(約 37%)
・近所には信頼できる人がいる(約 13%)
・近所の人とは関わりがない(約 40%)
【特徴】近隣(地域)の人との交流があま
りなされていない。
【特徴】自分の性格について、衝動的な感情や欲求
を抑えることが難しいと認識している。
共犯者がいる
予め万引きを
計画していた
約 55%
約 26%
家族との関係
・家族に必要とされている(約 36%)
・家族は困った時に助けてくれる(約 45%)
・家族と気持ちが通いあっている(約 23%)
・家族に十分受け入れられている(約 23%)
・家族とその場はうまくやっているが、気持ちが通じあって
いない(約 32%)
・家族には私を理解してくれる人がいない(約 36%)
【特徴】友人と比較して、家族との関係は良くないと考えて
いる。
過去に万引きし
たことがある
約 77%
友人との関係
・友人に必要とされている(約 52%)
・友人は困った時に助けてくれる(約 71%)
・友人と気持ちが通いあっている(約 61%)
・友人に十分受け入れられている(約 67%)
・友人とその場はうまくやっているが、気持ちが通じあって
いない(約 13%)
・友人には私を理解してくれる人がいない(約7%)
【特徴】家族と比較して、友人との関係は良好と考えている。
万引きの動機
①お金は無かったが、どうしても欲しかった(約 58%)
②好奇心から(約 45%)
③でき心から(約 42%)
④万引きは簡単だと思ったから(約 32%)
万引きをした店舗を選択した理由
①品物の種類が多い(約 45%)
②客が多くて気づかれにくい(約 26%)
③店員や警備員が少ない(約 19%)
所持金はあった
約 52%
万
引
き
万引きをしたことを家族・友人が知った際に予想される反応
家族の反応
友人の反応
①家族は怒る(約 97%)
②家族は悲しむ(約 81%)
③家族は困る(約 81%)
④家族は驚く(約 61%)
⑤家族は心配してくれる(約 48%)
友人は怒る(約 32%)
友人は悲しむ(約 36%)
友人は困る(約 26%)
友人は驚く(約 58%)
友人は心配してくれる(約 48%)
【特徴】家族と比較して、友人の反応はそれほど大きなものと予想してい
ない。
万引きを断念する対策
万引き直後(捕まる前)の気持ち
①見つかったら警察に連れて行かれる(約 77%)
②もうやりたくない(約 77%)
③情けない(約 71%)
①店員や警備員が多い(約 65%)
②防犯ボランティアが巡回している(約 65%)
③店員から(目があって)声をかけられる(約 61%)
【特徴】ボランティア等による巡回・パトロールや店員に
よる声かけなどの回答が多い。
協力:愛媛大学、富山大学
2.アンケート結果に見る高齢者の万引き被疑者像
生活実態
必要とする社会的支援
・1世帯あたりの年収 100 万円未満(約 52%)
・独居である(約 37%)
【困った時の相談相手】
家族(44.2%)>いない(41.9%)>親戚や友人(16.3%)
①医療費や介護費にかかる支援(約 50%)
②生活保護受給にかかる支援(約 33%)
③就労するための就職支援(約 24%)
自分の性格
①イライラしていると、すぐ態度に出る(約 29%)
②カッとなると、自分を抑えるのが難しい(約 26%)
③自分の思い通りにいかないと腹がたつ(約 26%)
万引きは悪
いこと
約 98%
①いつの出来事か思い出せない(約 55%)
②物をどこに置いたか分からない(約 50%)
③人や物の名前が出てこない(約 45%)
約0%
・家族に必要とされている(約 52%)
・家族は困った時に助けてくれる(約 62%)
・家族と気持ちが通いあっている(約 55%)
・家族に十分受け入れられている(約 52%)
・家族とその場はうまくやっているが、気持ちが通じあって
いない(約 27%)
・家族には私を理解してくれる人がいない(約 24%)
【特徴】友人と比較して、家族との関係は良好と考えている。
約 38%
①近隣の人とは気持ちか通じあっている(約 26%)
②近隣には心から信頼できる人がいる(26%)
③近隣の人に十分受け入れられている(約 26%)
【特徴】近隣(地域)の人との交流があまりなされ
ていない。
共犯者がいる
家族との関係
①家族との団らん(約 50%)
②友人との交流(約 33%)
③趣味のサークル活動(約 26%)
近所の人との関係
高齢者
【特徴】いずれの項目も3割に満たず、攻撃的な性
格であるとは言えない。
認知症の症状
新聞・テレビで「万引
きは犯罪」と知った
生きがい
予め万引きを
計画していた 約5%
過去に万引きし
たことがある
約 58%
友人との関係
・友人に必要とされている(約 36%)
・友人は困った時に助けてくれる(約 43%)
・友人と気持ちが通いあっている(約 45%)
・友人に十分受け入れられている(約 41%)
・友人とその場はうまくやっているが、気持ちが通じあって
いない(約 24%)
・友人には私を理解してくれる人がいない(約 21%)
【特徴】家族と比較して、友人との関係は良くないと考えて
いる。
万引きの動機
①でき心から(約 68%)
②お金は持っているがもったいないから(約 48%)
③生活が苦しいから(約 43%)
④たいしたことはないと思ったから(約 21%)
万引きをした店舗を選択した理由
①品物の種類が多い(約 43%)
②店員が声かけしない(約 19%)
③店員や警備員が少ない(約 14%)
所持金はあった
約 98%
万
引
き
万引きをしたことを家族・友人が知った際に予想される反応
家族の反応
友人の反応
①家族は怒る(約 79%)
友人は怒る(約 60%)
②家族は困る(約 76%)
友人は困る(約 55%)
③家族は心配してくれる(約 74%)
友人は心配してくれる(約 60%)
④家族は驚く(約 48%)
友人は驚く(約 64%)
【特徴】家族と比較して、友人の反応はそれほど大きなものと予想してい
ない。
万引きを断念する対策
万引き直後(捕まる前)の気持ち
①もうやりたくない(約 69%)
②情けない(約 67%)
③見つかったら警察に連れて行かれる(約 62%)
①店員から(目があって)声をかけられる(約 52%)
②店員や警備員が多い(約 48%)
③防犯ボランティアが巡回している(約 48%)
【特徴】店員による声かけやボランティア等による巡回・パト
ロールなどの回答が多い。
協力:愛媛大学、富山大学
3.万引きに係る少年被疑者と高齢被疑者の比較
◎生活実態の比較
同居者の有無
高齢者は少年と比べ、「独居」と回答した者が多い。
◎性格の比較
自分の性格
少年は高齢者と比べ、怒りや劣等感などに起因する感情を抑制
することが難しいと回答した者が多い。
【分析】少年は高齢者と比べ、自分の性格を攻撃的であると認
識している。
◎家族・友人関係の比較
困った時の相談相手
困った時の相談相手として、少年については「先輩や友人」、高
齢者については「家族」と回答した者が多い。
【分析】高齢者は相談相手が「いない」と回答した者の割合が高
いことから、少年と比べて家族や地域社会から孤立した
状況にあると推察される。
家族・友人との関係
少年は、家族より友人との関係が良好であると考えている一方
で、高齢者は、友人より家族との関係が良好であると考える傾向
にある。
(万引きを知った時の)家族・友人の反応
少年は高齢者よりも、
「家族は怒る」
「家族は何とも思わない」
「友
人は“勇気がある”と感心する」「友人は何とも思わない」と予
想する一方で、高齢者は「家族は心配してくれる」と予想する傾
向にある。
◎万引きに対する考え方及び過去の
万引き経験の比較
万引きについての考え
高齢者は少年と比べ、「捕まっても弁償すれば許される」と回
答した者が多い。
【分析】高齢者は少年と比べ、(万引きして)捕まっても金さ
え払えばかまわないと思考する傾向にある。
過去の万引き経験
少年は高齢者に比べ、
「ある」と回答した者が多い。また、
「2
回以上(ある)」と回答した者のうち、その回数を比較したと
ころ、その平均値は高齢者をはるかに上回る。
【分析】少年は高齢者と比べ、過去に万引きの経験が多く、万
引きを何度も繰り返す傾向にある。
◎万引き実態の比較1
◎万引き実態の比較2
万引きの動機
少年は「でき心から」だけでなく、複数の動機に亘って回答する
傾向にあるが、高齢者は「でき心から」と回答した者が多い。
万引きした店舗を選択した理由
少年は高齢者と比べ、「陳列が乱雑で万引きし易い」「防犯ミラ
ーがなく死角が多い」など複数に亘って回答した者が多い。
【分析】少年は高齢者と比べ、万引きの動機が多岐に亘っている
が、これは少年が複数で犯行に及ぶケースが多いためで
ある。また、高齢者が万引きする動機が「でき心から」
に集中しているのは、少年と比べ計画性なく犯行に及ん
でいる証左である。
【分析】少年は高齢者と比べ、店舗の防犯体制を意識している
ことを示唆しており、これは、少年が高齢者より計画性
をもって犯行に及んでいる証左である。
犯行の計画性の有無
少年は高齢者に比べ、予め計画して犯行に及ぶ傾向にある。
万引き
共犯者の有無
少年は高齢者に比べ、複数で犯行に及ぶ傾向にある。
万引きを行った時の所持金の有無
少年は高齢者と比べ、
「なかった」と回答した者がはるかに多い。
【分析】少年は、初めから万引きすることを目的としている者
が多いため、所持金を持たずに入店している者が多い
と推察される。
万引きした金額
少年は高齢者と比べ、高額な物を万引きする傾向にある。
万引き直後(捕まる前)の気持ち
少年は高齢者と比べ、
「たぶん見つからない」
「見つかったら警察
に連れていかれる」と回答した者が多い
【分析】少年で「たぶん見つからない」という回答が多いのは、
過去、実際に万引きを行った結果、店員に見つからずに
済んだ経験が多いためと推察される。また、「見つかっ
たら警察に連れて行かれる」という回答が多いのは、高
齢者と比べ、補導されることに敏感であることを示唆し
ている。
◎万引き対策への認識に関する比較
犯行を断念する対策
少年は高齢者と比べ、「店員や警備員が多い」「防犯ボランティ
アが巡回している」と回答した者が多い。
【分析】少年は高齢者と比べ、
「店員や警備員が多い」場合、
「防
犯ボランティアが巡回している」場合に犯行を断念する
傾向にある。これは、少年が高齢者より店舗の防犯体制
を意識していることを示唆している。
協力:愛媛大学、富山大学
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