...

パルジファル - 新国立劇場

by user

on
Category: Documents
17

views

Report

Comments

Transcript

パルジファル - 新国立劇場
報道用資料
平成 26 年度(第 69 回)文化庁芸術祭主催公演
新国立劇場 2014/2015 シーズンオペラ オープニング公演
新制作
リヒャルト・ワーグナー Richard Wagner
「 パル ジ フ ァ ル 」
舞台神聖祝祭劇
Parsifal
【全3幕/ドイツ語上演/字幕付】
指 揮:飯守泰次郎
演 出:ハリー・クプファー
2014年10月2日(木)~14日(火) 5回公演
新国立劇場オペラパレス
新国立劇場の新時代スタート!
オペラ芸術監督に飯守泰次郎が就任する
2014/2015シーズンのオープニングは「パルジファル」
芸術監督自ら指揮する舞台には、
クリスティアン・フランツ、ジョン・トムリンソン、エヴェリン・ヘルリツィウスなど
世界最高の歌手たちが集結。
そしてドイツの巨匠ハリー・クプファーが新国立劇場のために新演出する
崇高な舞台に満ちる神々しい響き――歴史的名演の予感!
この秋、新国立劇場の新生「パルジファル」にご期待ください。
【好評発売中】 新国立劇場ボックスオフィス 03-5352-9999
<資料・写真のご請求、取材のお問い合わせ>
◎新国立劇場 制作部オペラ 広報担当 小幡 秀美
Tel:03-5352-5733/Fax:03-5352-5709/E-mail:[email protected]
1
■『パルジファル』プロダクションについて
飯守泰次郎次期芸術監督(9月就任予定)が第1シーズンの開幕にとりあげるのは『パルジファル』。ワー
グナー自ら中世の叙事詩に基づいて台本をつくり作曲した舞台神聖祝祭劇です。バイロイト祝祭劇場のた
めに書かれた本作は、ワーグナー芸術の集大成ともいうべき最晩年の傑作で、その深遠さは作品に多様な
解釈の幅を与えています。本作は新国立劇場では初上演となります。
演出は、1981年~2002年にベルリン・コーミッシェ・オーパー首席演出家をつとめ、同劇場在任中、そし
てフリーになった後も世界中の劇場で後世に残るプロダクションを数多く生み出してきた巨匠ハ
ハリ ー・クプフ
ァー。タイトルロールは、世界中でワーグナーの諸役を歌っており、新国立劇場では『ジークフリート』『神々
の黄昏』『道化師』でお馴染みのク
クリスティアン・フランツ、グルネマンツ役には、円熟した声が聴くものを圧
倒する揺るぎない存在、ジ
ジョン・トムリンソン、クンドリー役には、バイロイトの常連ならではの歌唱と役になり
きった演技が評判のエ
エヴェリン・ヘルリツィウスと、今望み得る最高のキャストが揃い、日本におけるワーグ
ナー第一人者である飯守泰次郎次期芸術監督の指揮で上演いたします。
■クプファー演出の『パルジファル』
クプファーは旧東独出身、東独の革命的演出家でベルリン・コーミッシェ・オーパーの創始者であるフェ
ルゼンシュタインが提唱した「ムジークテアター」(音楽と劇が一体化した演出)の考えに共鳴し、フェルゼン
シュタイン亡き後の1981年より同劇場の首席演出家として活躍、東西冷戦の時代からドイツ統一後もベル
リンの地に住み、戦後ドイツの生々しい歴史をその目で見続け、今その時代の観客に必要なメッセージを、
あらゆる演劇的手段を駆使して伝えてきた演出家です。
ワーグナー作品の演出は、1978年のバイロイト音楽祭『さまよえるオランダ人』からですが、88~92年『ニ
ーベルングの指環』四部作を経て、ドイツ統一後の92年に演出したバレンボイム指揮、ベルリン州立歌劇場
上演の『パルジファル』プロダクションは、聖杯騎士団という共同体の矛盾と残酷さを前面に出した演出が
大きな評判を呼びました。美術デザインは今回のプロダクションと同じハンス・シャヴェルノッホで、今回グル
ネマンツ役のジョン・トムリンソンも、このベルリン版『パルジファル』で同役を歌っていました。
クプファーの『パルジファル』はその後、2005年フィンランド国立歌劇場(06年、11年再演)の演出で更に
進化を遂げました。今回約10年ぶりの新演出となる2014年の今、東京・新国立劇場で彼がどのような新た
な視点で『パルジファル』に息を吹き込むか、ご期待ください。
■円熟のワーグナーが『パルジファル』で描いたもの (飯守泰次郎)
この作品の一番の特徴は、偉大で聡明な英雄ではなく、「無垢な愚者」がMitleid(心から同じ苦しみを
共有すること)によって救済をもたらす、という思想です。東洋の宗教観は非常に寛大で、あまり突き詰めた
議論をしないのに対して、ヨーロッパでは厳格な一神教の宗教観が人々の心の根底に歴史的に息づいて
います。このような宗教観の違いはありますが、『パルジファル』では、円熟に到達したワーグナーの手法に
より、言葉以外の要素、つまり音楽によって見事に宗教性が表現されているために、東洋と西洋の違いを超
えて心の奥底に深く届くのです。
宗教性について非常に深く掘り下げる一方で、生身の人間の現実、弱さ、愛と憎しみといった生きざまと、
そこに絡む官能性をここまで追及し、赤裸々に描いた作品は他に例がありません。絶対的な戒律を犯して
救われずに苦しむアムフォルタスは、あまりに人間的であるがゆえに罪を犯したのであり、それは洋の東西
を問わず誰もが持つ人間の一面です。クンドリーも同様で、人間の女性としての側面と、騎士団とともに世
の中を救うという相反する両面を持っているのです。彼らは人間が普遍的に抱えている深い葛藤を表現し
ています。そして、聖杯を守る騎士団が形骸化し教理のみが独走して、人間を救うという本来の目的より組
織の存在自体が優先されてしまうという、人間社会が陥りやすい矛盾を描いています。
2
■エヴェリン・ヘルリツィウス インタビューより(新国立劇場・情報誌「ジ・アトレ」6 月号抜粋)
混沌とした今の時代だからこそ「パルジファル」は多くの共感を得るのでは
「パルジファル」はただの宗教劇ではなく、キリスト教をはじめ、様々な精神世界の題材を用いつつ、宗教とは
直接関係のない普遍的な問いを投げかける作品です。宗教や神秘主義の知識がなくても「パルジファル」を
理解することは十分可能です。混沌とした今の時代だからこそ、多くの共感を得られるのではないでしょうか。
クンドリーは、この世をさ迷う最も哀れな女です
クンドリーは、エレクトラや「ヴォツェック」のマリーにも似ていて、恐ろしいほど深い孤独と罪悪感を抱えて生
きています。ただエレクトラは死ぬし、マリーは殺されるし、最後に終わりを迎えて救われるのですが、クンドリ
ーは死ぬことすら許されません。
第二幕、パルジファルを覚醒させる接吻をする場面で、クンドリーは誘惑しながらも救済を求めています。彼
女はクリングゾルの言いなりでありながら、つねに自分を救済してくれる男性を探し求めているのです。歌うと
きはこうした彼女の両面性を上手く表現しなければいけません。
音が魔法のように融け合う第3幕 ドレスデン・アーメンの美しさにいつも涙が出そうになります
(「パルジファル」で最も心を惹かれる音楽は)第3幕すべてです。音が魔法のように溶け合い、聞き手を恍惚
状態にします。絶妙なタイミングで響き渡るドレスデン・アーメンの美しいこと! いつも涙が出そうになります。
■ジョン・トムリンソン インタビューより(新国立劇場・情報誌「ジ・アトレ」7月号 抜粋)
クプファー氏と一緒に作り上げた作品はいずれも忘れられない経験です
氏はきわめて理知的かつ緻密で、非常に細かいところまで具体的に指示する演出家です。特に立ち位置や
身体の動きなどについての指示は細かく、いわば振り付けに近いぐらいですが、必ずそうした動きを要求する
明確な理由があるので、私たちも納得して従うのです。経験豊かで、作品を知り尽くし、深い考察に裏打ちさ
れていて、たいへん尊敬する演出家です。
「パルジファル」の音楽はスピリチュアリティに満ちています
私の考えでは、「パルジファル」においてキリスト教はオペラの基本になる<神話>として用いられているので
あり、「リング」における北欧神話と同じ位置づけだと言えると思います。その本質はキリスト教のメッセージで
はなく、特定の宗教を超えた普遍的なスピリチュアリティを扱った作品だと思います。またよく指摘されるよう
に、「パルジファル」には仏教的な考え方の影響も見られ、とりわけ最後の場面には輪廻の思想も感じられま
す。そして何よりも「パルジファル」の音楽がそうしたスピリチュアリティに満ちているのです。
聖杯も聖槍も、すべての人々のためにあることをパルジファルは示してくれているのだと思います
パルジファルが聖槍を持ち帰ったことで聖杯と聖槍――すなわち陰と陽――がふたたび一緒になり、騎士
団の病は癒えますが、私の考えではオペラの結末は、騎士団というエリート集団の将来を強化するものでは
ないと思います。むしろ「ニーベルングの指環」の最後で神々たちが滅亡したように、「パルジファル」の騎士
団もいずれ滅ぶのではないかと思います。しかし、そのスピリチュアルな真実はずっと受け継がれていくので
す。聖杯も聖槍も騎士たちのためだけであってはならず、すべての人々のためにあることを<けがれなき愚
か者>は示してくれているのだと思います。
3
【登場人物】
アムフォルタス(バリトン) :モンサルヴァート城主かつ聖杯の守護者。
グルネマンツ(バス)
:騎士団の創設時から一部始終を観てきた老騎士。
かつてアムフォルタスが負傷した時にモンサルヴァートに連れ戻した。
パルジファル(テノール) :「けがれなき愚か者」として、騎士団を救う運命にある者。
クリングゾル(バス)
:魔法使い。かつてティトゥレルに騎士団に入ることを拒否されたために、モンサルヴァ
ートのそばに快楽の花園を作り、花の乙女たちを使って騎士を誘惑する。
クンドリー(ソプラノ)
:モンサルヴァート城に使える女性。暗い過去を持ち、クリングゾルの魔法にかけられ
ると彼の意のままに動かされてしまう。
ティトゥレル(バス)
:アムフォルタスの父で先代の王。天使から聖杯と聖槍を授けられ、モンサルヴァート
に聖堂を建て、騎士団を設立した。
あらすじ
第 1幕
モ ン サ ルヴ ァ ー ト 城 で は 、今 日 も アム フォ ル タ ス が 不 治 の 傷 の 痛 み に 苦 しみ 、 束 の 間 の 安 らぎ を 求
めて水 浴 に向 かう。なぜこうなったかの経 緯 を老 騎 士 グルネマンツが従 者 たちに語 り出 す――聖
杯 と聖 槍 を授 けられたティトゥレル王 のもとに、騎 士 になろうという若 者 が集 った。ティトゥレルに騎 士
団 に 入 る こと を拒 否 された クリ ン グ ゾルは城 を去 る と 魔 術 師 に なり、魔 術 で 騎 士 た ちを快 楽 の 世 界
へと陥 れる。ティトゥレルから王 位 を継 いだアムフォルタスはクリングゾルを征 伐 しようとするが、(クリン
グゾルの魔 術 にかかった)クンドリーの誘 惑 に落 ち、聖 槍 を奪 われ、脇 腹 を刺 される。以 来 、聖 杯 は
奪 われたままである。アムフォルタスの傷 を治 すには「けがれなき愚 か者 」の登 場 を待 つしかない。そ
こに、白 鳥 を矢 で射 った男 パルジファルが現 れる。自 分 の名 も出 身 もわからないパルジファルを見 て、
彼 こそ 「 けが れ なき 愚 か 者 」 だ と 期 待 した グ ルネマ ン ツ は 、パ ル ジファ ルに 聖 杯 の 儀 式 を見 せ るが 、
彼 は儀 式 をまったく理 解 できない。落 胆 したグルネマンツはパルジファルを城 から追 い出 す。
第 2幕
ク リン グゾルはク ン ドリ ーに 、パ ルジファ ルを誘 惑 す る よ う命 じる 。クン ドリー は、魔 法 の 花 園 に やって
きたパルジファルを呼 び止 め、彼 の出 生 の状 況 や、彼 の母 のことを語 り、パルジファルの心 をかき
乱 す。そ してクンドリーが 接 吻 すると、パルジファ ルに智 が備 わり、アムフォルタスの苦 痛 の意 味 と 自
分 の 使 命 を 知 る 。 誘 惑 を拒 み 、アム フォ ル タ ス の も と へ 行 こうと す る パ ル ジファ ルに 向 か っ て 、ク リ ン
グ ゾルは聖 槍 を放 つ 。す る と 聖 槍 はパ ルジファ ルの 頭 上 で 止 ま る 。パ ルジファ ルは聖 槍 を手 に 取 り
十 字 を切 ると、魔 法 は解 け、花 園 は消 える 。
第 3幕
幾 年 も 経 っ た 聖 金 曜 日 。 パ ル ジ フ ァ ル は 聖 槍 を 手 に モ ン サ ルヴ ァ ー ト 城 に 到 着 す る 。 感 激 す る グ
ルネマンツは彼 の頭 に水 を注 ぎ、クンドリーは彼 の足 を清 め、彼 に洗 礼 を施 す。グルネマンツは2
人 を 聖 杯 の 儀 式 へ 連 れ てい く 。パ ル ジフ ァ ルが アム フ ォ ル タ ス の 傷 口 に 聖 槍 を当 てる と 、傷 はみ る
みる消 えた。パルジファルは聖 杯 の王 となり、聖 杯 は光 り輝 く――。
4
平成26年度(第69回)文化庁芸術祭主催公演
新国立劇場2014/2015シーズンオペラ
《新制作》
リヒャルト・ワーグナー
舞台神聖祝祭劇
パルジファル
全3幕〈ドイツ語上演/字幕付〉 オペラパレス
【公演日程】 2014年10月2日(木)4:00、5日(日)2:00、8日(水)2:00、11日(土)2:00、14日(火)4:00
【チケット料金(税込)】 S:32,400円・A:27,000円・B:19,440円・C:12,960円・D:6,480円
指 揮:
Conductor:
飯守 泰次郎
Iimori Taijiro
照 明:
Lighting Design:
ユルゲン・ホフマン
Jürgen Hoffmann
演 出:
Production:
ハリー・クプファー
Harry Kupfer
映 像:
Video Design :
トーマス・ライマー
Thomas Reimer
美 術:
Set Design:
ハンス・シャヴェルノッホ
Hans Schavernoch
演出補:
デレク・ギンペル
Associate Director :Derek Gimpel
衣 裳:
Costume Design:
ヤン・タックス
Yan Tax
舞台監督
Stage Manager :
大仁田 雅彦
Onita Masahiko
アムフォルタス:
Amfortas:
エギルス・シリンス
Egils Silins
ティトゥレル:
Titurel:
長谷川 顯
Hasegawa Akira
グルネマンツ:
Gurnemanz:
ジョン・トムリンソン
John Tomlinson
パルジファル:
Parsifal:
クリスティアン・フランツ
Christian Franz
クリングゾル:
Klingsor
ロバート・ボーク
Robert Bork
クンドリー:
Kundry:
エヴェリン・ヘルリツィウス
Evelyn Herlitzius
第 1・第 2 の聖杯騎士
2 Gralsritter:
村上公太
Murakami Kota
北川辰彦
Kitagawa Tatsuhiko
4 人の小姓:
4 Knappen:
九嶋香奈枝
Kushima Kanae
國光ともこ
Kunimitsu Tomoko
鈴木 准
Suzuki Jun
花の乙女たち:
Klingsors Zaubermädchen:
三宅理恵
Miyake Rie
鵜木絵里
Unoki Eri
小野美咲
Ono Misaki
針生美智子
Hariu Michiko
小林沙羅
Kobayashi Sara
増田弥生
Masuda Yayoi
アルトソロ
Altsolo:
小原啓楼
Ohara Keiroh
池田香織
Ikeda Kaori
合唱指揮:
三澤洋史
Chorus Master:Misawa Hirofumi
協 力:
Cooperation:
日本ワーグナー協会
Richard-Wagner-Gesellschaft Japan
合 唱:
Chorus:
新国立劇場合唱団
New National Theatre Chorus
芸術監督:
Artistic Director:
飯守泰次郎
Iimori Taijiro
管弦楽:
Orchestra:
東京フィルハーモニー交響楽団
Tokyo Philharmonic Orchestra
主催:文化庁芸術祭執行委員会/新国立劇場
特別協賛:JR 東海
5
パルジファル
<主要キャスト・スタッフ プロフィール>
指揮: 飯守泰次郎
Conductor : Iimori Taijiro
桐朋学園短期大学卒業。在学中に藤原歌劇団公演『修道女アンジェリカ』にてデビュー。
1966年ミトロプーロス国際指揮者コンクール、69年カラヤン国際指揮者コンクールでともに
第4位入賞。72年、芸術選奨新人賞とバルセロナのシーズン最高指揮者賞を受賞。これま
でに読売日響指揮者、ブレーメン、マンハイム、ハンブルク、レーゲンスブルクの各歌劇場
の指揮者、エンスヘデ市立歌劇団第一指揮者、名古屋フィル常任指揮者、東京シティ・フィ
ル常任指揮者、関西フィル常任指揮者を歴任。現在、東京シティ・フィル桂冠名誉指揮者、
関西フィル桂冠名誉指揮者。第32回(2000年度)サントリー音楽賞、第54回(03年度)芸術
選奨文部科学大臣賞受賞。2004年紫綬褒章、10年旭日小綬章、12年度文化功労者、日本
芸術院賞。新国立劇場では00年『青ひげ公の城』、08年地域招聘公演『ナクソス島のアリア
ドネ』、12年オペラ研修所公演『フィレンツェの悲劇』『スペインの時』を指揮。2014/2015シー
ズンはほかに『さまよえるオランダ人』を指揮する予定。14年9月新国立劇場オペラ芸術監督
就任予定。
演出: ハリー・クプファー
Production : Harry Kupfer
ベルリン生まれ。1958年ハレ歌劇場『ルサルカ』で演出家デビュー後、ケムニッツ市立歌劇
場、ワイマールのドイツ国民劇場、ザクセン州立歌劇場などで演出。78年『さまよえるオラン
ダ人』でバイロイト音楽祭にデビュー。81年ベルリン・コーミッシェ・オーパーの首席演出家と
なり、2002年にベルリンを離れるまでの間にモーツァルトの主要オペラ全作品、『ラ・ボエー
ム』『カルメン』『エレクトラ』『フィデリオ』『こうもり』『ホフマン物語』『ランメルモールのルチア』
『メリー・ウィドウ』『ニュルンベルクのマイスタージンガー』『オルフェオとエウリディーチェ』『椿
姫』など多数の作品を演出。その後、ネザーランド・オペラ、ブレゲンツ音楽祭、ブエノスアイ
レスのコロン劇場、ハンブルク州立歌劇場をはじめ世界各地の劇場、音楽祭で演出を重
ね、既に 200を超える作品を演出している。今後の演出作品には、ザルツブルク音楽祭『ば
らの騎士』(14年8月)、フィンランド国立歌劇場『ニュルンベルクのマイスタージンガー』、ベ
ルリン・ドイツ・オペラ『フィデリオ』などがある。新国立劇場初登場。
アムフォルタス: エギルス・シリンス
Amfortas : Egils Silins
ラトヴィア出身。1988年ラトヴィア国立歌劇場ボーイト『メフィストーフェレ』でオペラデビュー。
フランクフルト州立歌劇場及びバーゼル歌劇場との専属契約を経て、ウィーン・フォルクスオ
ーパーのソロ歌手となる。その後、ウィーン国立歌劇場、メトロポリタン歌劇場、ミラノ・スカラ
座、バイエルン州立歌劇場、ハンブルク州立歌劇場、ザクセン州立歌劇場、ベルリン・ドイ
ツ・オペラ、バルセロナのリセウ劇場、マリインスキー劇場、チューリッヒ歌劇場、シカゴ・リリッ
ク・オペラなど名だたる歌劇場に出演。『ラインの黄金』『ワルキューレ』ヴォータン、『ジークフ
リート』さすらい人、『パルジファル』クリングゾル、『さまよえるオランダ人』オランダ人、『サロ
メ』ヨハナーン、『トスカ』スカルピア、『椿姫』ジェルモンなど70を超えるレパートリーを持つ。
最近では、チューリッヒ歌劇場『ニーベルングの指環』『サロメ』、パリ・オペラ座『ラインの黄
金』『ワルキューレ』、マドリッドのレアル劇場、ベルリン・ドイツ・オペラ、ザクセン州立歌劇場
での『さまよえるオランダ人』、英国ロイヤルオペラ『サロメ』などに出演。今後の予定には、モ
ンテカルロ歌劇場及び東京・春・音楽祭での『ラインの黄金』、ベルリン州立歌劇場『トスカ』
などがある。新国立劇場初登場。
ティトゥレル: 長谷川 顯
Titurel : Hasegawa Akira
国立音楽大学卒業。二期会合唱団に15年間在籍し、年間40本に及ぶオペラ公演や多数の
演奏会に出演。ソロ歌手としては『ワルキューレ』フンディング、『さまよえるオランダ人』ダー
ラント、『魔笛』ザラストロ、『リゴレット』スパラフチーレ、『ラ・ボエーム』コッリーネ、『トゥーラン
ドット』ティムール、『トスカ』アンジェロッティなどに出演。新国立劇場では『ラインの黄金』ファ
ーゾルト、『神々の黄昏』ハーゲン、『フィデリオ』ロッコ、『リゴレット』スパラフチーレ、『ドン・ジ
ョヴァンニ』騎士長、『魔笛』武士Ⅱ、『カルメン』スニガ、『ばらの騎士』警部、『ローエングリ
ン』ブラバントの貴族Ⅳなど数多く出演。2013年4月『魔笛』では3回目の公演にザラストロ役
で急遽出演。二期会会員。
6
グルネマンツ: ジョン・トムリンソン
Gurnemanz : John Tomlinson
英国・ランカシャー生まれ。これまでに、メトロポリタン歌劇場、ミラノ・スカラ座、ウィーン国立
歌劇場、バイエルン州立歌劇場、ベルリン州立歌劇場、ベルリン・ドイツ・オペラ、バイロイト
音楽祭、ザルツブルク音楽祭など名だたる歌劇場や音楽祭に出演している。また、イングリ
ッシュ・ナショナル・オペラには 1974年以降、英国ロイヤルオペラには77年以降定期的に
出演するほか、他の英国の主なオペラ・カンパニーにも出演している。『ニーベルングの指
環』ヴォータン、さすらい人、ハーゲン、『パルジファル』グルネマンツ及びティトゥレル、『ニュ
ルンベルクのマイスタージンガー』ハンス・ザックス、『さまよえるオランダ人』オランダ人、『ば
らの騎士』オックス男爵、『魔笛』ザラストロをはじめ幅広いレパートリーを持つ。英国の主要
なオーケストラと欧州各地及び米国で共演し、録音も数多い。2014年はこれまでに、英国ロ
イヤルオペラ『ヴォツェック』医者、アントワープのフランダース・オペラ『ムツェンスク郡のマク
ベス夫人』ボリス、ウェールズ・ナショナル・オペラ『モーゼとアロン』モーゼなどに出演。97年
英国エリザベス女王より大英勲章CBEを受勲、2005年にはナイトに叙された。新国立劇場
初登場。
パルジファル: クリスティアン・フランツ
Parsifal : Christian Franz
ミュンヘン生まれ。1991 年に弱冠 23 歳でドイツ国内にて、オペラデビュー作となる『魔弾の
射手』マックスと『ランメルモールのルチア』エドガルドを歌う。以来、世界的なヘルデンテノ
ールとして各地に招かれるようになり、ベルリン州立歌劇場、ウィーン国立歌劇場、メトロポリ
タン歌劇場、ハンブルク州立歌劇場、バイエルン州立歌劇場、バイロイト音楽祭などに定期
的に出演している。『ニーベルングの指環』ジークフリート、ジークムント、ローゲ、『パルジフ
ァル』タイトルロール、『トリスタンとイゾルデ』トリスタン、『オテロ』タイトルロール、『道化師』カ
ニオ、『フィデリオ』フロレスタン、『ナクソス島のアリアドネ』バッカスなど幅広いレパートリーを
持つ。最近では、ハンブルク州立歌劇場『ニーベルングの指環』及び『オテロ』、ブダペスト・
ワーグナー音楽祭『ニーベルングの指環』などに出演。今後の予定には、ライプツィヒ歌劇
場『ジークフリート』タイトルロール、ブダペスト・ワーグナー音楽祭『指環』などがある。新国
立劇場では 03、10 年『ジークフリート』、04、10 年『神々の黄昏』、06 年『道化師』に出演。
クリングゾル: ロバート・ボーク
Klingsor : Robert Bork
アメリカ・シカゴ生まれ。ケルン歌劇場で音楽活動を開始し、『魔笛』パパゲーノ、『マノン』レ
スコー、『カルメン』エスカミーリョ、『愛の妙薬』ベルコーレ、『ドン・パスクワーレ』マラテスタな
どで強烈な印象を残した。これまでに、ミラノ・スカラ座、ハンブルク州立歌劇場、フェニーチ
ェ歌劇場、ストラスブール国立歌劇場、トゥールーズ歌劇場、アントワープのフランダース・オ
ペラなどに出演している。『さまよえるオランダ人』オランダ人、『パルジファル』クリングゾル、
『サロメ』ヨハナーン、『運命の力』ドン・カルロ、『ばらの騎士』ファーニナルなど幅広いレパー
トリーを持つ。最近では、トゥールーズ歌劇場『マノン』、ストラスブール国立歌劇場『青ひげ
公の城』『ドクター・アトミック』などに出演。新国立劇場初登場。
クンドリー: エヴェリン・ヘルリツィウス
Kundry : Evelyn Herlitzius
ハンブルクで音楽と演劇を学ぶ。1993年フレンスブルク歌劇場『タンホイザー』エリーザベト
でオペラデビュー。97年以降、ザクセン州立歌劇場に定期的に出演し、『フィデリオ』レオノ
ーレ、『サロメ』タイトルロール、『影のない女』バラクの妻、『タンホイザー』ヴェーヌス、『パル
ジファル』クンドリーなどを歌っている。他にも、ベルリン州立歌劇場、バイエルン州立歌劇
場、ハンブルク州立歌劇場、ウィーン国立歌劇場、ミラノ・スカラ座、バイロイト音楽祭、ザル
ツブルク音楽祭、エクサンプロヴァンス音楽祭など、各地で活躍。最近では、ベルリン・ドイ
ツ・オペラ『ワルキューレ』『神々の黄昏』ブリュンヒルデ、ローマ歌劇場『トゥーランドット』タイト
ルロール、エッセン歌劇場『トリスタンとイゾルデ』イゾルデなどに出演。今後の予定には、ザ
クセン州立歌劇場及びミラノ・スカラ座『エレクトラ』タイトルロール、ウィーン国立歌劇場『ヴォ
ツェック』マリー、ベルリン・ドイツ・オペラ『パルジファル』クンドリーなどがある。2002年ザクセ
ン州より宮廷歌手の称号を授与される。新国立劇場初登場。
7
Fly UP