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東京大学情報基盤センター
Case study 東京大学 情報基盤センター Citrix Application Delivery Provisioning Server 導入でネットブート型シンクライアントを構築 for Education PC の集中管理や起動時間短縮など効果的な情報教育インフラを実現 東京大学 情報基盤センターは、1999 年 4 月 1 日に大型計算機センター、教育用計算機センターおよび附属図書館の一部 を改組し、現行サービスの維持とその質的改善、サービス提供の効率化、大学における教育の情報化と研究成果の発信の 支援、データベースや図書情報などの情報コンテンツサービスの充実、大学における情報基盤の発展に関する研究の 5 つ 今 回 の シ ス テ ム 更 新 で は、 既 に を目的に発足した研究と情報業務の両方の機能を兼ね備えた全国共同利用施設です。同センターでは現在、学内共同利用 Ardence の導入実績があったため、 の情報メディア教育部門、学術情報部門、ネットワーク部門と、全国共同利用のスーパーコンピューティング部門の 4 つ その他の選択肢はあまり考えてい の部門からなり、それぞれ研究部門とこれを支援する事務組織(業務支援系)で構成され、学内外の幅広いユーザーに、良い ませんでした。 Provisioning Server サービスを提供できるコンピューティング環境の実現を目指した取り組みを展開しています。 の採用は最適な選択でした。 情報メディア教育部門では、学内で利用されている教育用計算機システム(ECCS:Educational Campuswide Computing 東京大学 System)に Citrix Provisioning Server for Desktops(以下、Provisioning Server)を導入。OS とソフトウェアスタック で構成されるデスクトップイメージをネットワーク経由で、複数のデスクトップ PC にオンデマンドで配信できるネット 情報基盤センター ワークブート型のシンクライアントソリューションを実現しています。 情報メディア教育研究部門 助教 博士(情報理工学) 丸山 一貴氏 課題:分散した PC の効果的な集中管理を模索 情報メディア教育部門では、ECCS を構成する機能として、Windows ベースの PC で構成される 186 台の CAD 端末と、 同じく Windows ベースの PC とプリンタで構成される 41 台のプリントシステムを含む、数多くのコンピューティング 環境を運用しています。これらのコンピュータは、地理的にも駒場キャンパスと本郷キャンパスに分散していることから、 集中管理が可能な仕組みを導入することが必要でした。 情報基盤センター 情報メディア教育研究部門 助教 博士(情報理工学)の丸山 一貴氏は、次のように語ります。「PC の OS をバージョンアップしたり、セキュリティパッチを適用したりするなどの作業を 1 台ずつ行うことは現実的ではあり ません。また、少ない人員でシステムを管理しているため、遠隔地に設置されている PC やサーバーなどに故障が発生し た場合に、設置場所まで移動して対応することは困難です」。さらに、学内に設置されているコンピュータの多くは Macintosh(Mac)環境ですが、CAD システムやプリンタを利用するためには Windows ベースの PC の利用は不可欠 でした。同センターでは、インテル版の Mac を導入していたので仮想化技術を利用して、Mac 上で Windows 環境を利 用することも可能でした。しかし多くのリソースを必要とする CAD システムを Mac 上の Windows 環境で利用するの ベネフィット • 集中管理による管理作業の効率化 はパフォーマンス的にも厳しいものでした。同センターではこのような課題を解決するために、デスクトップイメージを サーバー側で集中管理し、必要に応じてデスクトップ PC にオンデマンドで配信できる Windows ベースのネットワーク ブート型シンクライアントシステムを構築しました。 • 起動時間短縮で授業を効率化 • 特別な教育が不要な操作性 導入アプリケーション • CAD システム • プリントシステム ソリューション:Provisioning Server 導入でネットブート型シンクライアントを構築 情報メディア教育部門のシンクライアントソリューション活用の歴史は古く、1999 年 3 月に Citrix MetaFrame(現在 の XenApp)を導入したことから始まります。その後、2004 年 3 月には Ardence(現在の Provisioning Server)を導 入し、さらに 2008 年 3 月に Provisioning Server の最新版にバージョンアップを行っています。XenApp によるサーバー サイドの集中管理から、管理を集中しながら処理を分散するオンデマンド配信に移行した理由を丸山氏は、次のように語 ります。 「2000 年当時に利用していたアプリケーションはサーバー側での集中管理が可能でした。しかし CAD システムのような リソースを必要とするアプリケーションをサーバー側で処理するためには高いスペックのサーバーが必要であり、デスク トップ PC 側に分散させてネイティブに稼働させた方が効率的だと考えました。ただし、デスクトップ PC 側で OS やハー ドディスクを個別に管理したくなかったので Provisioning Server に移行しました」。このように同センターでは、いく つかのシステム仕様を一通り検討しネットブート型に決定しました。最終的に NEC からの提案により Provisioning Server の導入を決定しました。 ベネフィット:集中管理や起動時間短縮、作業の効率化などを実現 ネットワーク環境 • Citrix Provisioning Server for Provisioning Server を導入した効果を丸山氏は、次のように語ります。「CAD 端末やプリンタの操作端末は、学内に分散して いるので、これを一元管理できるのは非常に便利です。また、CAD 端末の電源を入れてログイン画面が出るまでに約 1 分 40 秒∼ 2 分、ログインして利用可能になるまでに 30 ∼ 40 秒程度と起動時間も短縮され、利用者からも好評です」 。 起動時間の短縮は、システムを構築した NEC が採用した「ReadCache システム for Citrix Provisioning Server(開発元: Desktops • ReadCache システム for Citrix Provisioning Server 株式会社シー・オー・コンヴ) 」により実現されています。ReadCache システムは、Provisioning Server の起動時に読み込ん だ情報をクライアント側のローカルディスクにキャッシュ情報として保存し、2 回目以降の起動処理はキャッシュ情報をもと にシステムを起動することで起動時間を短縮し、サーバーへのトラフィックを改善することができます。 丸山氏は、 次のように語ります。 「マイクロソフトから提供される OS のアップデートは基本的に月 1 回であり、 毎回ブートサー バーから取得する必要はないので、一度ダウンロードしたものはローカルのハードディスクに保存し、更新されていなければ それを利用する仕組みにしています。これにより起動時間を短縮できるのです」 。 また今までは、デスクトップイメージを作成しそのイメージの端末への割り当てを手作業で行う必要がありましたが、NEC 製 管理ツール「System Management for Ardence」を利用することで、一度デスクトップイメージを作成して配信の設定をして おけば後は自動で配信してくれるので作業効率が向上しました。さらに、ユーザーは特別な操作を覚えることなく、通常利用 している Windows 環境とほとんど変わらない操作性で利用できることも導入効果といえます。 今後のプラン:分散から集中へ̶仮想化環境の検討 今後のプランについて丸山氏は、次のように語ります。「集中と分散のコンピューティングパラダイムは交互にやってく るので、次はまた集中の方向に向かうかもしれません。学生が持っているノート PC などをもっと学内で活用できる仕組 みの検討も必要かもしれません。いつでも、どこでもコンピューティングリソースの活用ができる環境が必要です」。 丸山氏はさらに、次のように話しています。「学生は自宅や帰省先からも学内と同じ環境が使いたいというニーズもある でしょう。また、教員にとっては自分の研究室で端末利用環境を確認しながら教材準備をしたいというニーズもあります。 そのためには、情報漏洩をはじめとするセキュリティの面からもサーバー側でアプリケーションを利用し、結果の画面 イメージだけを配信する方式や、デスクトップ仮想化環境なども検討していきたいと思っています」。 東京大学 情報基盤センター 情報メディア教育研究部門 助教 博士(情報理工学) 丸山 一貴氏 駒場キャンパス 柏キャンパス メールサービス サーバー群 ファイルサーバー 情報基盤センター 演習室 iMac CAD iMac 認証サーバー群 MAC ブートサーバー Provisioning Server (Windows ブートサーバー) Web 利用追跡 サービス群 WDM WDM 認証サーバー群 Provisioning Server (Windows ブートサーバー) iMac MAC ブートサーバー 分散環境 MAC ブートサーバー CAD 本郷キャンパス iMac Provisioning Server iMac iMac (Windows ブートサーバー) iMac 情報教育棟 演習室 情報教育棟 演習室 CAD iMac iMac 分散環境 分散環境 Citrix Solution について Citrix Provisioning Server ™ for Desktops は、独自のストリーミング技術を使用して、1 つの標準的なデスクトップイメージ(OS とソフトウェアスタック) をネットワークサービスから物理デスクトップにオンデマンド配信します。共有デスクトップイメージは、一元的に設定、配信、管理されるため、TCO が 減少し、安全性と柔軟性が高まり、妥協を許さない使用感が得られます。 その他の社名、商品名はそれぞれの所有者の商標または登録商標です。 シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社 カスタマーサービス CSJ/TUI/0309/5000 0120-941-133 ©2009 Citrix Systems, Inc. All rights reserved. Citrix® および Citrix Provisioning ServerTM は Citrix Systems, Inc. の米国あるいはその他の国における登録商標または商標です。 受付時間:月∼金 9:45 ∼ 17:30 www.citrix.co.jp (土日・祝日は除く) Email:[email protected]