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2014 ADOBE EDUCATION FORUM - Adobe Japan Education

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2014 ADOBE EDUCATION FORUM - Adobe Japan Education
2014 ADOBE EDUCATION FORUM
[イベントレポート Part 1]
大学経営におけるデジタルマーケティングの重要性を考える
グローバル競争に挑む海外の大学は、マーケティングを重要視し始めています。その一端として、全学のすべての大学活動について
広報およびマーケティングを統括する役員であるChief Marketing Officer (CMO)を産業界から招く動きが活発化しています。
6月5日(木)東京・JPタワー ホール&カンファレンスにて開催された「2014 Adobe Education Forum」では広報・マーケティン
グについて、米国を中心とする世界の潮流や国内で先進的に取り組んでいる大学の事例の紹介をもとに、今後の大学経営とマー
ケティングについてディスカッションを行いました。その模様をレポートします。
グローバルなトレンドは、データ解析とモバイルへ
オープニングとなる基調講演には、米アドビ システムズ社 Worldwide
Education 担当シニアディレクターのトレバー ベイリーが登壇。
「 経営
課題としての大学マーケティング」と題し、主にアメリカの情勢を中心に
報告しました。
「アメリカの大学では、マーケティングは重要な課題に浮上しています」
と述べ、その要点を、
( 1)ソーシャルメディアの台頭(2)ICT技術を駆使
した動的なユーザー解析(3)モバイルメディアへの移行の3つの項目と
して提示。
こうした変革への対応策としてアメリカでは、大学が産業界からCMOを
招く動きが始まっているといいます。
「例えば小売りなど、一見教育と何ら
関わりがないような分野で活躍していた人材も、デジタルマーケティング
フォーラムは6月5日(木)、東 京 駅 丸の内南口のJPタワーホール&カンファレンスで
の観点からはむしろ適任といえます」。
開催。高等教育機関の教 員・職員の方々を中心に、180席の定員がほぼ満席の盛況
となった
その後講演は、特に重要性の高まるモバイル対応についての詳しい事例
紹介へと移り、
スクリーンでは、
デイトン大学やインディアナ大学、韓国・全
州大学など、数多くの有力大学によるデジタルパブリッシングを活用した
大学マーケティング活動の実例が紹介されました。
「重要なのはその背後
でアクセス解析が動いていること」
とベイリーは説明します。
「それによりコ
ンテンツ提供者は、閲覧者数はもちろんのこと、閲覧者の地域やページご
との閲覧数、閲覧に費やされた時間などを知ることができ、
またその情報
に基づいてパーソナル化されたインフォメーションを、一人ひとりに届ける
ことができるのです」。
日本を代表する大学の危機感と取り組み
続いて開催されたパネルセッションでは、
ファシリテーターに明治大学経
営学部教授・広報センター副センター長の歌代豊氏、パネリストに大阪
大学理事・副学長(国際・広報戦略、社学連携担当)の岡村康行氏と早稲
田大学理事(研究推進部門統括・情報化推進担当)の深澤良彰氏、およ
ディスカッションに先だち各校の取り組
早 稲田大学理事(研 究推 進部門統 括・
み事例が紹介された。大阪大学理事・副
情報化推進担当)の深澤良彰氏からは、
学長(国際・広報戦略、社学連携担当)
コミュニティサイトやスマートフォンアプ
の岡村康行氏は、国立 大学には希有な
リをはじめ、同学が学内外に発信する多
教 員による広報 組 織「クリエイティブユ
彩なメディアと運用手法が紹介された
ニット」の概要について述べた
びトレバー ベイリーが登壇。
「グローバル時代の大学マーケティング」
と題
し、今後の大学広報・マーケティングの発展の可能性についてディスカッ
ションが行われました。
各大学の取り組み事例の紹介では、
まず大阪大学の岡村氏が同校で立ち
上げられた「クリエイティブユニット」の紹介を行いました。研究型総合大学
である大阪大学では、少子化を迎える現代において研究の活性化をはか
るためには「優秀な学生・教職員の獲得」が重要と認識。
その課題に全学横
断的・かつ専門的に対応する大学広報組織として、教職員で構成される「ク
リエイティブユニット」を2008年に創設しました。
それ以前は各部局が独自
に広報活動を行っており、大学としての統一感やブランディングのなさ、費
用対効果の低さなどが問題だったと岡村氏は説明。
そこで当初は公式ウェ
ブサイトのリファインを目的に設立された組織が、統一的な視点からの大
学ブランディングと、各部局の広報活動に対するコンサルティングまでを担
う組織へと発展した経緯について紹介しました。
ディスカッションのファシリテーターは明治大学経営学部教授・広報センター副セン
ター長の歌代豊氏が担当。時に同学の取り組み事例の紹介も交えながら、日本の高
等教育機関が直面する課題について、要点が整理された議論を進行した
続いて早稲田大学の深澤氏からは、従来十分に組織化されていなかっ
た卒業生や「早稲田ファン」の力を統合し、来たる2032年の創立150周年
り分けが必要。
どの媒体がと言うより、使い分けが重要」
と指摘すると、ベ
に向けて取り組み始められた大学活性化プロジェクト
「Waseda Vision
イリーも
「メディアの特性に応じた組み合わせが重要であり、唯一解はな
150」の一助ともするための、新たなコミュニティの組織化・運営への
い。大切なのはターゲットを明確に定め、
それに応じた媒体を選ぶこと」
取り組みが紹介されました。会場のスクリーンには、学部や学科、ゼミ、
と同意しました。
サークルをはじめとする在学中のコミュニティを卒業後も維持継続する
ことを支援する会員制コミュニティサイト
「QuonNet」や、在学生から受
験生・卒業生・早稲田ファンにまで、大学情報を効果的に届けるスマート
フォンアプリ
「WASEDA Mobile」、40歳以上の卒業生をターゲットに、健
康情報の提供・高度な検査の無料実施と研究データの取得を両立する
「WASEDA'S Health Study」、卒業後も利用できる「永久メールアドレス」
の提供など独自の仕組みが次々と登場。
「QuonNet」は月間200万ビュー、
「WASEDA Mobile」は累計3万ダウンロードなど、
その取り組みが次第に
浸透している様子が紹介されました。
歌代氏も明治大学での取り組みを紹介。大学公式サイトのリニューアルで
は、
コンテンツマネジメントシステム
(CMS)の導入によりウェブ知識のない
各部局の担当者でも容易に情報発信できるようにし、
また本体サイトとあ
えて切り分け、
ブランディングのための情報発信サイト
「meiji.net」を新設し
研究者のオピニオンや研究動向の動画等をジャーナル風に発行している
とのこと。
「今後はオウンドメディアを充実させ、
そこからアーンドメディア
への展開、
ソーシャルメディアへの拡散をしていく仕掛けが重要」
と意図を
語った。
新たな技術・ツールと学内の環境整備について、歌代氏がその活かし方
への意見を求めると、岡村氏は「新技術を取り入れることは、学生に対す
大学広報・マーケティングが向かうべき方向性
続いて行われたディスカッションでは、
基調講演で述べられたグローバルな
潮流、
また日本を代表する2大学の取り組み事例を受け、主に今後重要とな
る広報媒体とその活かし方と新たな技術・ツールと環境整備の観点から、
多
様な意見交換が行われました。
る教育効果の面でも効果が大きい」と、教員主導の内製化を実現してい
る研究型大学ならではの回答。深澤氏も「最新システムの導入は、在学
生・卒業生の母校に対する誇りや帰属意識を高める可能性もあるので
はないか」と今後の展開に意欲を示しました。ベイリーからは「予算の制
約があるなかでIT化の目標を達成するには、産業界の人材を活用するこ
とも視野に入れるべきではないか」と述べたのを受け、歌代氏は「これま
今後重要となる広報媒体とその活かし方について、歌代氏から「どんな
で日本の大学の組織・人事は、ゼネラリスト指向、内部資源重視であった
背景にもとづき、
どのような媒体がこれから重要になると考えるか」との
が、
グローバル競争が加速する中、内部スペシャリスト育成と外部パート
問いかけがなされると、
それに対し深澤氏は、大学がコストをかけて運営
ナー活用の双方を強化していくことが課題」
と述べ、セッションを締めくく
する独自SNSと広く一般に普及しているソーシャルメディアも効果的な切
りました。
戦略的なICT環境をもたらすETLA
ETLAで、アドビのクリエイティブツールを全学導入する戦略的な大学が増えています。
ETLA導入事例
詳しくはこちら > www.adobe.com/jp/jos/education/admin/etla.html
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