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カウンターストライクのダウンロード
金の特性 ―
外見は金属、本質は通貨
ワールド ゴールド カウンシルについて
目次
ワールド ゴールド カウンシルは、金市場の育成を目的とする組織です。
相場低迷でもコモディティの重要性は不変
03
金は独自の特徴をもつ資産クラス
04
投資、宝飾品、
テクノロジー、政府・中央銀行関連の分野において、金に対する
持続的な需要を喚起するためのリーダーシップ活動を行っています。
金がしばしばコモディティとして定義される理由は?
04
ワールド ゴールド カウンシルは、金市場に関する真の洞察力を生かし、
広範でバランスのとれた金の供給源は、金価格の不確実性や
金をベースにしたソリューションやサービス、市場の育成を行っています。
乱高下を抑制
こうした活動を通じ、主要市場分野における金需要の構造的変化を
金は「消費されて消えてしまう」
ことがないため、
喚起しています。
その地上在庫水準は他の金属を圧倒
05
広範な分野と地域にわたる金の需要源
06
他のコモディティと比較して金のカウンターパーティ・リスクは低い
07
金は、世界の景気循環と低い相関
07
ワールド ゴールド カウンシルは国際金市場に対する洞察を提供することに
より、富の保全や社会・環境面で金が果たせる役割についての理解を深める
活動を行っています。
ワールド ゴールド カウンシルは世界の主要鉱山会社をメンバーに持ち、
英国本部のほかインド、極東、欧州、米国にオフィスを有しています。
詳細情報
詳細はインベストメント・リサーチにお問い合わせください。
Maxwell Gold
[email protected]
+1 212 317 3858
Johan Palmberg
[email protected]
+44 20 7826 4773
金は、
コモディティよりも通貨に似た動きをする
08
ポートフォリオにもたらす金特有のメリット
11
参照
12
本レポートは、
「Gold Investor:
Risk management and capital preservation,
Volume 6, June 2014」の中で発表されたものです。
Volume6には、この他にも以下のレポートが掲載されています:
– How gold improve alternative asset performance
– The most liquid of all ‘liquid alts’
Juan Carlos Artigas
[email protected]
+1 212 317 3826
Marcus Grubb
マネージング・ディレクター、インベストメント
[email protected]
+44 20 7826 4724
Scan with your mobile device to
access our research app for investors
本レポートは、2014年6月に刊行した英語版レポート
『Gold: metal by design, currency by nature 』Gold Investor Volume 6を翻訳したものです。
本レポートと英語版レポートの内容に相違がある場合には、英語版レポートが優先されます。英語版レポートは、http://www.gold.orgをご参照ください。
金の 特 性 ― 外見は金 属、
本 質は通 貨
04
金の特性 ― 外見は金属、本質は通貨
ワールド ゴールド カウンシルは、最近相場低迷が続くコモディティに
ついて詳細な分析を行った。その結果、①コモディティはポートフォリオ・
パフォーマンスにとって重要なツールである、②金については、
ひとつの資産クラスとして扱うすべきである、
という結論が得られた。
分析結果は、金がコモディティのカテゴリーに収まりきれないことを
示唆している。例えば、金と通貨の変動要因は多く点で一致する。
さらに、景気循環との相関性は他のコモディティよりずっと低い。
これは、
最適なポートフォリオ・パフォーマンスを追求する投資家にとっては
良い知らせである。
相場低迷でもコモディティの重要性は不変 相場の低迷が続いているため、
コモディティ相場の現在の低迷が始まったのは1年半ほど前だが、株式・債券に対してパフォーマンスが劣後する状況は
多くの投資家の間でコモディティへの
2009年から続いている。2013年を通して、パッシブ・コモディティ・インデックス・ファンドから500億ドルの資金が
関心が薄れている...
流失した1。その背景にはコモディティ相場の低迷、中国の景気停滞、コモディティ取引の規制強化があった。
バークレイズによる短期パフォーマンスに関する最新レポートでは、
コモディティ全体に悲観的な予測が見られ、
ベースメタルについては最も厳しい見通しをしている2。
コモディティ市場では激しい値動きが止まらない。2014年に入っても多くの出来事があり、コモディティ相場の
不安定な動きが続いている。例えば、ニッケル価格はインドネシアがニッケル鉱石の禁輸を1月に発表してから5月
までに50%も急騰した。第1四半期を通して、世界のプラチナ
(白金)生産の約40%を占める南アフリカでの鉱山
ストも市場に大きな影響を及ぼした3。非鉄金属以外でも、
ココア相場は世界最大の生産国コートジボワールの
政情不安、
コーヒー相場はブラジルでの深刻な干ばつの影響をそれぞれ受けて大きく動いた。相場の大幅変動は
投機筋には喜ばれるが、
コモディティの現物を取り扱う会社や消費する側には深刻な問題をもたらす。
...しかし、苦境の終わりが
しかし、すべてのコモディティの先行きが悪いわけではない。楽観派に属するゴールドマン・サックスによると、景気循環
近いことを示す兆候が見られる。
を考慮するとコモディティのパフォーマンスは予想の範囲内だと評価するとともに、
コモディティ全体が世界経済の
回復の恩恵を受けると予測している。さらに、今後の株式市場について懸念する一部のファンド・マネジャーは、
ポートフォリオの多様化の対象としてコモディティに再び積極的に注目しつつある4。
コモディティ全体の動きは、背景情報として欠かせない。各種コモディティのなかには金と類似点をもつものがあり、
そのことを知るうえではコモディティ全体の理解が役立つ。さらに、ポートフォリオ運用におけるコモディティのメリット
やコモディティのインフレへの影響を理解しておくことも重要である。今回のレポートでは、①金と他のコモディティ
との明白な違い、②その理由、③違いが投資家にもたらす意味あいに焦点をあてる。
1 フィナンシャル・タイムズ FT.com,『Investors starting to look at commodities again 』, 14 April 2014.
2 バークレイズ Barclays,『Global Macro Survey 』, 18 March 2014.
3 ロイター Reuters,『Platinum firm Lonmin says bleeding from South Africa strike 』, 19 May 2014.
『 株式リスク・バランスにおいて、金は債券の代替となりうるか? 』
(Can gold replace bonds in balancing equity risk?),
4 ワールド ゴールド カウンシル、
Gold Investor, Volume 5, March 2014.
03
金は独自の特徴をもつ資産クラス 運用戦略においてコモディティ
全体を一括りで扱うことは間違い
ではないが、金が他のコモディティ
金がしばしばコモディティとして定義される理由は?
投資家、運用会社を問わず、金は往々にしてコモディティの集合体としてくくられる。金は、
コモディティ指数
(S&Pゴールドマン・サックスコモディティ指数、
ダウ・ジョーンズ UBSコモディティ指数など)の構成品目であり、
とは明白に異なる資産クラスである
ETFのひとつであり、商品取引所の先物取引銘柄の1つであり、金はコモディティのひとつとしてみなされている。
ことを認識しておくべきだ。
金に最も近いコモディティと、
さらには、それ以外のコモディティ集合体と金がどれほど異なるかを明らかにする前に、
類似点を紹介する。
一般によく知られている取引可能なコモディティと比較すると、金には他のコモディティと共通する特徴が見られる。
金には他のコモディティと
似ている点がいくつかある。
やはり金は金属...
・ 金も採掘され、希少価値、消費、代替可能性などの点で、他のコモディティとの共通性がある。
・ コモディティ指数の構成品目。金は多くの有名なコモディティ指数に組み込まれているために、他のコモディティ
価格の一部と常に連動する。コモディティ指数の年末のリバランス
(構成品目のウェイト変更)
に伴う先物市場での
売買、そうした指数をトラッキングする上場コモディティへの影響などがその例である。
金と他のコモディティとには若干の類似点があることは疑う余地がない。
しかし、需給関係を詳細に見れば、
類似点より相違点の方が多いことがわかる。
広範でバランスのとれた金の供給源は、金価格の不確実性や乱高下を抑制
...しかし、相違点が
金が他の金属やコモディティと違う動きをする大きな理由は、金の需給構造にある。それらの違いから、
コモディティ
類似点を上回る。
全体とは明白に異なる、金特有のファンダメンタルな供給構造が存在する。表1は、金の主要生産地の地理的分布を、
精錬所ではなく鉱山の所在地に基づいて示している5 。
表 1: 地域的な広がりがある金生産
様々なコモディティの供給
(採掘)の地理的分布
北米
アルミニウム
鉛
亜鉛
中南米
欧州
ユーラシア
中東
アフリカ
アジア・
オセアニア
9.7%
3.8%
8.6%
7.9%
0.0%
3.6%
66.5%
13.6%
26.5%
15.2%
0.0%
0.0%
3.9%
40.8%
60.5%
9.2%
20.0%
7.8%
0.0%
0.0%
2.5%
13.3%
41.7%
5.1%
5.5%
0.1%
9.4%
24.8%
9.1%
8.0%
2.7%
11.3%
0.0%
3.5%
65.5%
27.9%
29.1%
7.9%
8.6%
0.4%
1.7%
24.3%
6.0%
0.0%
0.0%
13.5%
0.0%
80.5%
0.0%
パラジウム
15.0%
0.0%
0.0%
41.6%
0.0%
43.4%
0.0%
金
15.3%
17.6%
0.8%
13.8%
0.2%
20.0%
32.3%
銅
ニッケル
銀
プラチナ
補足説明は、本レポート末尾を参照。
(出所)Bloomberg, GFMS, Thomson Reuters, World Gold Council
供給ショックへの
世界のベースメタル
(銅を除く)生産において、アジア・オセアニア地域は驚くほど大きな位置を占めている。
バッファーという点で、
例えば、
インドネシアはニッケルの世界最大の生産国で、そのシェアは30%に上る。中国は、銅鉱石の生産量(2013年)
広範な地域で生産される金は
は世界の10%に及ばない
(2013年)
が、銅の精錬量のシェアは30%を超す。プラチナとパラジウムの生産シェアは
他のコモディティよりずっと
アフリカとユーラシアに驚くほど集中している
(南アフリカとロシアを合わせたシェアはほぼ80%に達する)
。
優れている。
銀は地理的分布に大きな偏りがなく、年間生産量で見ると30%を超すシェアをもつ地域は存在しない。
銀の国別生産ランキング
(2013年)
の1位はメキシコで21%を占めた。
5 金属類の加工と精錬(例えば、ボーキサイトがアルミナ、そしてアルミニウムに生まれ変わる過程)は異なる場所で行われる。供給データをまとめるうえでは、
第一次生産が最も比較しやすい段階である。川下部門における製品のストックには、第一次生産段階におけるショックを吸収する役割がある。
金の 特 性 ― 外見は金 属、
本 質は通 貨
金の生産地の地理的分布(2013年)
が最もバランスがとれている。世界最大の生産国は世界シェアが15%の中国で、
同国を含む18カ国の合計シェアは80%となる。これに対して、銀の場合はわずか8カ国で世界の80%を占める。
コモディティ市場では供給の混乱が起こりがちであることを考慮すると、サプライチェーンのバッファーとしての
在庫水準が低い場合は、供給の集中度が高いほど相場変動と相場の先行きに大きな影響を及ぼす可能性が高くなる。
二次供給(リサイクル)のシェアと
次に、ほとんどの金属のサプライチェーンには二次供給(リサイクル)市場が存在する。
リサイクル供給は大きな相場
地理的広がりは、市場にバランスと
変動につながる可能性がある一次供給の停止に対するバッファーとなる。2013年の金のリサイクル供給量は金の
流動性をもたらす...
全供給量の30%に上った
(3年平均では35%)。この比率は、世界金融危機後の2009年に過去最高の42%に達した。
1997年のアジア金融危機の際にも、金のリサイクル供給の比率は1998年に倍増した。金のリサイクル供給の大半は
宝飾品が占める。このことは、市場のバランス維持、相場変動へのバッファー、需要増に応じた流動性の供給などに
役立っている。対照的に、白金系メタル(PGM)
と銀のリサイクル供給量は全体の20%程度にとどまり、
しかも、
リサイクル供給源の地理的な偏りは金よりひどく、供給のほとんどを北米、欧州、アジア・オセアニア地域の工業部門に
依存している。金のリサイクル供給量の30%は中東、中南米、ユーラシア、アフリカが占める。
金は「消費されて消えてしまう」ことがないため、その地上在庫水準は他の金属を圧倒
...流通する金の大きなストックに
金市場の最大の特徴の1つは
(金の需給不均衡を見極めようとする投資家を戸惑わせる要因でもあるが)、その地上
支えられている。
在庫の規模である。全世界でこれまでに採掘された金をすべて集めて立方体を作ると、縦横21メートルの立方体が
6
できる
(2014年3月Gold InvestorのFocus「拡大する金融市場におけるヘッジとしての金の見通し」を参照)
。
それを思い描けば、金がいかに貴重であるかは一目瞭然だろう。同時に、立方体の大きさは、必要が生じた場合に
動員できる流通可能な金の量を示しているが、そのことは、消費されて消滅することがなく、価値の貯蔵手段として
機能する金が他のコモディティと決定的に違う点を強調している7。
図1は、各金属の現時点でのフォワード・カバー(在庫カバー期間)の水準を表している。鉛市場のフォワード・カバー率か
らは、需要が現在のペースで維持する場合、2.8週間分に相当する在庫しか存在しないことがわかる。ベースメタルに分
類される金属や白金系メタル(PGM)
と金市場との差も歴然である。金は、現在の需要で見ても2,260週(約43年)分の
在庫が存在する。個人が蓄財のために貯めている金の量だけで需要の8.9年分に相当する。
図1:現在の金の地上在庫は43年分の需要をカバーできる
在庫カバー期間(週)
2,500
2,260
2,000
150
100
48.9
50
0
33.4
2.8
3.8
4.3
6.5
6.8
9.6
9.7
鉛
スズ
銅
亜鉛
アルミニウム
銀
ニッケル
プラチナ
パラジウム
金
ニッケルについては「市場内」在庫。Roskillによると、
「市場外」在庫は27週分の需要に相当するという。補足説明は、本レポート末尾を参照。
(出所)Bloomberg, Roskill Nickel Market Outlook, GFMS, Thomson Reuters, World Gold Council
『 A perspective on gold as a hedge in an expanding financial system 』, Gold Investor, Volume 5, March 2014.
6 ワールド ゴールド カウンシル、
7 金の年間生産量は2,900トン。現時点での金の地上在庫は17万7,200トン。言い換えれば、地上在庫は年間生産量によって毎年1.6%ずつ増加している。すぐに市場に出回る
可能性がある個人保有の金は3万5,500トン
(推計)。それに比べると、新たに採掘される金の比率は非常に小さい。
4 _5
広範な分野と地域にわたる金の需要源
しかし、他の金属と比べて、
需要サイドの構造も供給サイドと同様に重要である。図2は需要源別に分けて表示している。工業・テクノロジー部門
金が抜きん出た存在である理由は
からの需要はマクロ経済の動向によって左右されることが推測できる。
供給サイドだけではない。
需要側の集中度も比較的に低い…
図2: 金には、世界の景気循環に影響されない需要がある
比率 %
100
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
アルミニウム
鉛
宝飾・消費者
亜鉛
銅
工業・テクノロジー
投資
ニッケル
銀
プラチナ
パラジウム
金
その他
銅にもわずかながら消費者及び投資関連の需要があるが、無視しても良い水準にとどまっている。補足説明は、本レポート末尾を参照。
(出所)Bloomberg, GFMS, Thomson Reuters, World Gold Council
...カテゴリー別、
ベースメタルはほぼ例外なく工業用途に使用される。銅価格には経済の先行指標として景気をよく反映する特性が
地域別を問わない。
あることから、経済コメンテーターは銅のことをしばしば「Dr. Copper」
(銅博士)
と呼ぶ。工業・テクノロジー需要が
ベースメタルの需要の圧倒的な比率を占めることは疑いない事実である。
プラチナ、パラジウム、銀にも宝飾需要があるものの、いずれの場合も需要源の地理的分布は金とは異なる
(図3参照)。
プラチナやパラジウムと比較すると、金の需要はアジア・オセアニア地域の比率が著しく高い。プラチナとパラジウムの
需要は自動車産業が中心だから、地理的分布の意味合いは薄れる。さらに、金の需要では中南米、ユーラシア、
中東の比率
(合計で14.5%)
が他の金属より高い。
図3:金の需要ではアジアの比率が著しく高いが、カテゴリー別分布はバランスがとれている
比率 %
100
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
アルミニウム
鉛
アジア・オセアニア
亜鉛
北米
銅
中南米
ニッケル
ヨーロッパ
銀
プラチナ
ユーラシア
補足説明は、本レポート末尾を参照。
(注)
プラチナ、パラジウムについては、4地域(アジア・オセアニア、北米、
ヨーロッパ、その他)で分類。
(出所)Barclays, Bloomberg, GFMS, Thomson Reuters, World Gold Council
金の 特 性 ― 外見は金 属、
本 質は通 貨
中東
パラジウム
その他
金
他のコモディティと比較し金のカウンターパーティ・リスクは低い
金取引では現物が先物を凌ぐ。
ほとんどのコモディティは、債券や株式に見られるクレジット・リスクとは無縁だが、特に先物絡みの取引では
これも他の金属とは対照的な
カウンターパーティ・リスク
(取引相手によるショート契約の不履行リスク)
が生じる可能性がある。
特性である。
現物市場で活発に取引される金の場合、投資家は現物市場で金現物の受け渡しをする、すなわち分別管理される
口座
(allocated accounts)
で金を保管する、
またはすでにallocated accountsで保有されている商品
(例えば、様々な金現物を裏付けとるするETF)
を利用することで、
カウパーティ・リスクを最小限に抑えることができる。
金のファンダメンタルな特性は、他の金属とは違う。他の金属の場合、何らかの共通する特性が見られるが、
金には金にしかない特性があり、それによって金と他の金属との相場の動きに差が生まれる。
金は、世界の景気循環と低い相関
他の金属に比べると、
需要と供給の違いに対しても、金は他のコモディティ全般とは異なる動きをする。それぞれのコモディティと世界の
金の景気循環との相関性は低い。
景気循環との関係
(図4)
を調べるために、今回の分析では四半期ごとのそれぞれのコモディティ価格の変化と
とりわけ、株式相場との相関性は
鉱工業生産
(IP)
の関係を比較した。分析では、市場の期待変化を除外して経済変数やコモディティ価格変動の
非常に低い。
特質性は考慮せず、基本的な方法を採用した。これにより、一定のパターンを見つけることができると思われる。
図4:金の世界の景気循環との相関性は低い
相関
係数
0.30
1.8
1.6
0.25
1.4
1.2
0.20
1.0
0.15
0.8
0.10
0.6
0.4
0.05
0.2
0
鉱工業生産との相関の平均値
金
銀
豆
大
砂
糖
プ
ラ
チ
ナ
小
麦
コ
ー
ヒ
ー
銅
パ
ラ
ジ
ウ
ム
花
鉛
綿
亜
生
ト
牛
ウ
モ
ロ
コ
シ
ア
W
T
I原
ブ
油
レ
ン
ト
原
油
天
然
ガ
ス
ル
ミ
ニ
ウ
ム
ニ
ッ
ケ
ル
0
米ドルレートの影響調整後
補足説明は、本レポート末尾を参照。
(出所)Bloomberg, Datastream, World Gold Council
ベースメタルとエネルギーは、濃い緑の棒グラフと左y軸が示すとおり、世界の景気循環に対する相関は他の
コモディティより高い。逆に、農産品、銀、金は最も相関が低いことがわかるが、それは金(および銀)の米ドルに
対する負の相関を反映しているためと思われる。すなわち、経済成長は金利上昇をまねき、そして最終的には
通貨高につながる。
米ドル指数の変化を考慮しても、世界の鉱工業生産の変化の影響を最も受けにくいコモディティは、金であることが
改めて確認できる
(薄い緑の正方形と右y軸)。また、鉱工業生産の伸び率をGDP
(国内総生産)の実質成長率に
置き換えてさらに分析していくと、金の景気循環感応度のランキングに若干の上昇が見られる。
しかし、
これは直感的
に、所得効果
(金需要の推進要因)
が、鉱工業生産指数(IP)のような製造業関連要因よりもGDPのようなマクロ
データにより多く反映されるからである。
金価格の景気循環への感応度の低さは、他の貴金属を含めた他のコモディティとの相違点の1つである。そのことは、
鉱工業生産との相関が高い株式に対する分散投資先としては金がより優れた資産であることを示している
(株式の
世界の鉱工業生産に対する相関は、世界の鉱工業生産とMSCIワールド株価指数の前年比変化で見ると、0.56になる)
。
6_ 7
金は、コモディティよりも通貨に似た動きをする 金の主要な特徴は通貨の特徴と
多くの人は金をコモディティの範疇でとらえるが、金の通貨に似た特性は傑出している。経済構造の一部として、
一致する。
さらに通貨の支え役としての実績は、他に並ぶものがない。金は、中央銀行の準備資産に占める割合では米ドルと
ユーロに次ぐ3番目の大きさを維持し、全世界では約13%を占める。
金がもつ特徴で、通貨の特徴と合致する点はほかにもある。
・ 勘定のひとつの単位:金は世界中で毎日24時間取引され、その国の通貨に最も容易に変換することができる
資産のひとつである。
・ 価値の貯蔵手段:金は事実上不滅であり、供給は限られ、供給手段が誰かに独占されているわけではない。
・ 交換手段:金は正式の通貨ではないが、古代から交換手段として使われてきた。家屋からニワトリまで取引の
決済手段として使われているほか、
スイスやメキシコなどでは代替通貨として関心が高まっている8。
・ 外貨準備資産:中央銀行が金を保有していることは周知の事実である。国際決済銀行(BIS)
の2013年版年次報告は
「金は、その価格変動
(ほぼ一貫してコモディティより低い)
が通貨により一致していることや、金融機関が通貨と
同様な取り扱いをしている事実から、
コモディティとしてではなく、通貨として取り扱われるべきだ」
と記してある。
「金と通貨 ― 進化する米ドルとの関係」9のなかで、
ワールド ゴールド カウンシルは、金と米ドルの関係、それに3つの
通貨関連テーマ
(米ドルの多通貨に対する価値、世界のマネーサプライ
(通貨供給量)、外貨準備における金の役割)
が
金に及ぼす影響について焦点をあてた。
そうしたテーマが金相場に影響を与え、金がコモディティとは違う動きをするとすれば、市場はコモディティの価格と
これらの金の特徴の間に生じる違いに注目することになるだろう。
金には通貨関連変数と
この違いを正確に示している。金には、他のコモディティよりも、世界の広義マネーサプライの前年比の
図5と図6は、
より強い関係が見られる。
変化とより強い相関性が見られる。潜在的インフレ
(貨幣価値の低下)の先行指標である貨幣の過剰供給10と正の
相関を有しているのは、
コモディティのなかでは金だけである。さらに、金は米ドルに対して最も高い負の相関を持つ。
最後に、金は世界の外貨準備と最も強い関係を保持している。その背景には、中央銀行が増え続ける外貨準備の
一定比率を金で保有しようとする姿勢を堅持していることと、新興国市場の台頭がある。新興国の外貨準備は、
富の創造と金保有意欲の高まりを反映して、急増している。
『 Gold and currencies: the evolving relationship with the US dollar, Gold Investor 』, Volume 4, October 2013。
8 ワールド ゴールド カウンシル、
9 同上
10 名目マネーサプライの増加から名目GDP成長を除した値。
金の 特 性 ― 外見は金 属、
本 質は通 貨
図5:金とマネーサプライおよび金と貨幣の過剰供給との相関は、他のコモディティより高い
金
ブレント原油
WTI原油
プラチナ
小麦
銅
アルミニウム
綿花
ニッケル
大豆
トウモロコシ
金
マーシャルのKとの相関
銀
コーヒー
生牛
亜鉛
パラジウム
天然ガス
マネーサプライとの相関
-0.6
-0.4
-0.2
0
-0.2
-0.4
-0.6
相関
マーシャルのKは、広義マネーサプライから名目GDPを差し引いた値と定義されている。補足説明は、本レポート末尾を参照。
(出所)Thomson Reuters Datastream, World Gold Council
図6:他のコモディティと比べ、金の米ドルへの相関は低く、世界の外貨準備との相関性は高い
パラジウム
天然ガス
亜鉛
生牛
トウモロコシ
コーヒー
大豆
銀
小麦
綿花
ブレント原油
ニッケル
米ドルとの相関
世界の外貨準備との相関
WTI原油
アルミニウム
プラチナ
銅
金
-0.8
金
-0.6
-0.4
-0.2
0
-0.2
-0.4
-0.6
-0.8
相関
補足説明は、本レポート末尾を参照。
(出所)Bloomberg, Datastream, World Gold Council
金の取引量は他のコモディティの
さらに、金は非常に流動性が高い資産でもある。金の日々の取引高は主要通貨ペアの出来高に匹敵し、米ドル、
取引量より多く、主要通貨ペアの
ユーロ、日本円、英ポンドに次ぐ規模となっている。金の先物取引所や店頭取引所における日中出来高は、
出来高に匹敵する
コモディティのなかでは最大級の水準で推移している。そのことは、消費されて消滅する他の多くのコモディティと
異なる点から推察すると、金は一定期間に数回取引されていることになる。金は、現物を扱う店頭取引所、金ETF
(上場投資信託)
、先物などを取り扱う世界中の数多くの市場を通して常に取引が可能である。世界の多くの国・
地域では22カラットの金宝飾品が投資対象として取引されている。このように利便性に優れたアクセスは他の
コモディティでは考えられない。
8_ 9
金のファンダメンタルズは、
金は、その外見、用途、魅力によって、他のコモディティとは違う値動きをする。金は、供給源の広さと厚さから、
金の価格動向自体を
単一の供給源に起因する供給停止によるショックを受けにくい。同様に、需要サイドの多様性により、金価格は
左右するとともに、金が非常に
景気循環あるいは市場センチメントの変化の影響も受けにくい。他のコモディティ市場と比べると、金市場では、
貴重なポートフォリオの資産である
1人の投資家が売り手に回れば、1人の工業用あるいは宝飾用に金を必要とする買い手が現れる可能性がより高い。
所以でもある。
その逆もまた然りである。流動性の高さは金市場の安定とボラティリティの軽減に貢献している。金市場も他の
コモディティ市場と同じように相場低迷が長引いているが、図7からは、金のボラティリティが他のコモディティより
低く
(変動幅は黒のボックス=%。相対的なバブルの幅がわかる)、突然のドローダウン
(下落幅)の影響をはるかに
受けにくいことがわかる。
図7:金のボラティリティは他のコモディティよりずっと低い
最大ドローダウン
(下落幅)%
-40
金
-50
大豆
-60
小麦
銀
トウモロコシ
-70
綿花
-80
-90
16%
銅
アルミニウム
米
ブレント原油
鉛
亜鉛
ニッケル
パラジウム
コーヒー
天然ガス
プラチナ
砂糖
52%
-100
-45
-40
エネルギー
-35
貴金属
補足説明は、本レポート末尾を参照。
(出所)Bloomberg, World Gold Council
金の 特 性 ― 外見は金 属、
本 質は通 貨
-30
ベースメタル
-25
-20
ソフト商品
-15
穀物
-10
-5
0
最大週間損失 %
ポートフォリオにもたらす金特有のメリット 金はポートフォリオの中で
今まで述べてきたように、金のユニークな特性は投資家にとって有益であるが、そのためには投資家は
特別な存在。既にコモディティを含む
何をすべきだろうか。ワールド ゴールド カウンシルでは、
コモディティは、ボラティリティが大きいものの、
ポートフォリオでも、金の組み入れは
賢明な分散投資戦略には必要だという見方を変えていない。
しかし、多くの投資家は、金はコモディティ全体を
リスク調整後リターンのさらなる
構成する単なる一部分と見なし、
コモディティ全体を含む総合指数のひとつに投資をしているケースが多く見られる。
増加につながる。
それは、
リスク・リターンの関係で見ると最適ではない。
金は、その特性ゆえに、他のコモディティとは異なっており、他のコモディティとは切り離された別の資産として
考えるべきである。金については、
コモディティと通貨のいずれかに厳密に分類するのではなく、両者の特性を
併せもつハイブリッドだと認識する必要がある。
『Gold: a commodity like no other 』
と題するレポート11の中で、
ワールド ゴールド カウンシルは以前に発表した
コモディティ総合指数(S&Pゴールドマン・サックス・エナジー・ライト・コモディティ指数=SP GSEL)
をベンチマークとし
既にコモディティを組み入れているポートフォリオの場合でも、金がそのポートフォリオ全体のパフォーマンスの向上に
貢献することを紹介した。表2には、その分析結果である。長期の戦略的リターン、20年間のボラティリティと相関を
使って分析を行った結果、金を組み入れることで、すでにコモディティが組み入れられているケースでも、
リスク対比で
のメリットを享受できることが示された。
すなわち、金をポートフォリオに加えることで、
リスク調整後リターンが増えるとともに市場リスクの予想最大損失額を
測定する指標であるバリュー・アット・リスク
(VaR)
を軽減する効果が得られることが明らかになった。
表 2: 各資産のリターン・リスクと金を組み入れた場合のポートフォリオ 1
Portfolio2
Asset
リターン
ボラティリティ
実効レシオ
5% VaR
Gold
(US$/oz)
MSCI US
Index
MSCI ex
US Index
BarCap
US Agg
Index
6.8%
7.1%
4.1%
6.9%
4.3%
3.2%
6.0%
6.1%
6.3%
15.6%
17.2%
17.8%
3.9%
0.3%
15.3%
8.9%
8.6%
8.5%
0.43
0.41
0.23
1.74
13.23
0.21
0.67
0.71
0.74
3.39%
3.74%
3.53%
0.85%
0.01%
3.09%
1.67%
1.65%
1.67%
JPM 3M
T-bill
Index
S&P
GSEL
0% gold
5% gold 10% gold
1)分析に使用した数値は、週次のトータルターンをもとに、年率換算リターンとボラティリティ。
2)分析に使用したポートフォリオの資産配分は、米国株 30%、米国以外の株式 20%、債券 39%、キャッシュ1%。残り10%を金と
コモディティへ配分。金配分が 0%の場合は SP GSELへの配分比率は10%。金配分が 5%では SP GSELの比率は5%、同10%の場合は
SP GSELの比率は0%になると想定。
(出所)Barclays, JP Morgan, MSCI, Standard and Poor s, World Gold Council
『 Gold: a commodity like no other 』, April 2011.
11 ワールド ゴールド カウンシル、
10_11
参照
表1: 地域的な広がりがある金生産
ロシア、
全てのデータは3年平均。地域別については国別データを使って商品別の整合性を確保した。地域割りに関しては、主要国ではトルコ、
旧CIS諸国をユーラシア、
イランを中東、
メキシコを北米にそれぞれ含めた。
図1: 現在の金の地上在庫は43 年分の需要をカバーできる
金の地上在庫は2013年現在の数字。厳密な意味のフロー変数ではなく、ある年のデータより求めた。週単位のフォワード・カバーの期間は
現在の金の地上在庫と週単位の需要を使って計算した。データの出所は、Barclays、Bloomberg(Industries)、Roskill Nickel Market
Outlook 2014、GFMS、Thomson Reuters。
図 2: 金には、
世界の景気循環に影響されない需要がある
わずかだが消費(装飾用など)
や投資(ETF)
に伴う需要があるものの、量的には無視しても
全てのデータは3年平均。銅については、
差し支えなく、現在のフローが続いたとしても、銅価格に影響を与えることは全く考えられない。
図 3: 金の需要ではアジアの比率が著しく高いが、
カテゴリー別分布はバランスがとれている
全てのデータは3年平均。地域別については国別データを使って商品別の整合性を確保した。地域割りに関しては、主要国ではトルコ、
ロシア、
旧CIS諸国をユーラシア、
イランを中東、
メキシコを北米にそれぞれ含めた。
図 4: 金の世界の景気循環との相関性は低い
における工業生産に対する各コモディティ価格の相関を非加重(単純)平均で示している。欧州連合(EU)
については、
図4は、主要20カ国(G20)
ドイツ、
フランス、英国、
イタリアのデータを使用した。サウジアラビアはデータ不足から対象から除外した。相関は、各変数の四半期ごとの
対前期比変化で求めた。鉱工業生産の年間変化(対前年比)
や世界各国の鉱工業生産のGDP加重平均を使った場合より、結果は安定的であった。
新興国市場の成長をより良く反映させるように、非加重平均法を用いた。
ドル指数の変化を調整するために、
コモディティ価格を従属変数、
鉱工業生産の伸び率と貿易加重ドル指数の変化を独立変数として、単純な最小二乗法(OLS)
を用いて計算し、その後、計数は相関に沿って
平均化した。結果は、加重平均による分析より優れた分析となった。同じ方式をGDP成長率についても適用した。可能な限り季節調節済みの
指数を利用した。1990年第4四半期から2014年第1四半期までの四半期別データを使用した。
図
他のコモディティより高い
5: 金とマネーサプライおよび金と貨幣の過剰供給との相関は、
と
対象期間は1995年第1四半期から2014年第1四半期。同期間の四半期ベースのデータを使用。コモディティ価格の前年比変化率(%)
世界の広義マネーサプライの前年比伸び率及び世界の貨幣の過剰供給(広義マネーサプライと名目GDP年間成長率の差)
との相関を
表している。世界のマネーサプライは、米国、英国、中国、
日本、
スイス、
ロシア、
インド、
ブラジル、それにユーロ圏主要国のドイツ、
フランスの
マネーサプライをドル換算して算出した。
図 6: 他のコモディティと比べ、
金の米ドルへの相関は低く、
世界の外貨準備との相関性は高い
と、
対象期間は1995年第1四半期から2014年第1四半期。同期間の四半期ベースのデータを使用。コモディティ価格の前年比変化率(%)
広義の貿易加重米ドル指数と世界の外貨準備(IMF調べ。四半期ベースのデータは1999年第1四半期以降。ただし総計は1990年第4四半期
以降のもの)
との相関を表している。
図7: 金のボラティリティは他のコモディティよりずっと低い
(ただし、天然ガスは1990年4月以降、亜鉛は1989年1月以降)。
週次の対数リターンを使用。期間は1987年12月から2014年5月
価格は、ベースメタルがロンドン金属取引所(LME)の3カ月先物価格、その他については、貴金属を除き、
すべて米国取引所での価格。貴金属は
1オンス当たりの米ドル建てスポット価格。
金の 特 性 ― 外見は金 属、
本 質は通 貨
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「信じる」
「期待する」
「かもしれない」
「示す」及び類義語は、
「将来を予想する」記述として確認されるべきです。この文章に含まれる
将来の予想に関する記述は、
リスクや不確実性のある現在の予想に基づいています。この将来
の予想に関する記述は、
ワールド ゴールド カウンシルの分析に基づいています。将来の予想に
関する記述に関連した仮定は、正確に予想するのが困難または不可能な将来の経済、
経済競争、
市場の状態についての判断に基づいています。さらに、金の需要や国際金市場には大きな
リスクが伴うので、将来の予想に関する記述固有の不確実性を高めます。ここに含まれた将来
の予想固有の不確実性の高さを鑑みると、そのような情報が含まれることで、将来の予想が
そのまま達成されるとワールド ゴールド カウンシルが表現していると捉えられるべきでは
ありません。ワールド ゴールド カウンシルは、将来の予想に過重な依存をしないよう注意を
促します。ワールド ゴールド カウンシルは、新しい情報、未来の予測などを得たとしても、通常の
出版サイクルの中でアップデートが適切と判断される場合を除き、将来の予想をアップデート
したり、改定したりする計画はありませんし、将来の予想をアップデートする責任を負いません。
過去の実績は将来の結果を示唆するものではありません。
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投資上などのアドバイスを与えたりするためのもではありません。アドバイスとは、たとえば、
投資検討者に金関連の取引がいかなる投資目的、経済状態であっても適切だと取られるような
アドバイスをここでは指しています。この文書のいかなる記述によっても、金や金関連商品、
その他の商品、債券、投資案件への投資を決定すべきではありません。投資に関する決定を
する前に、
ファイナンシャル・アドバイザーに助言を求めたり、個々の財政的な必要性や状況を
考慮に入れたり、あるいは投資決定に係わるリスクを慎重に熟慮したりすべきです。本レポート中
の意見は筆者のものであり、予告なしに変更されることがあります。
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to ISO14001 environmental standards.
I088201406
14 _15
World Gold Council
10 Old Bailey, London EC4M 7NG
United Kingdom
T +44 20 7826 4700 F +44 20 7826 4799 Wwww.gold.org
英語版発行 : 2014 年 6月
日本語版発行: 2014 年10月
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