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ノバルティス ファーマ株式会社 〒105-6333 東京都港区虎ノ門1丁目23番1号 虎ノ門ヒルズ森タワー http://www.novartis.co.jp MEDIA RELEASE • COMMUNIQUE AUX MEDIA • MEDIENMITTEILUNG 2016年6月16日 報道関係各位 ノバルティス ファーマ株式会社 この資料は、ノバルティス(スイス・バーゼル)が2016年6月2日(現地時間)に発表したものを日本語に翻訳(要 約)したもので、参考資料として提供するものです。資料の内容および解釈については英語が優先されます。英 語版はhttp://www.novartis.comをご参照ください。 ノバルティスの「アフィニトール®」、消化管(GI) および肺原発の進行性神経内分泌腫瘍(NET)の治療薬として EUの承認を取得 • 「アフィニトール」は肺を原発とする進行性の非機能性 NET で承認された初 の治療薬で、消化管原発の進行性の非機能性 NET に対する初の経口治療薬と して、EU の重要なニーズに対応している • 消化管および肺原発の非機能性 NET は、進行した段階で診断される場合が多 く、予後が不良な稀少がんである 1,2 • 「アフィニトール」は現在では、最も一般的な 3 種類の進行性 NET の治療薬 として、EU で承認されている 3,4 2016年6月2日、スイス・バーゼル発 – ノバルティスは、欧州委員会が「アフィニトール ®」(エベロリムス)を、消化管(GI)または肺を原発とする切除不能または転移性の高 分化型(グレード1またはグレード2)非機能性神経内分泌腫瘍(NET)の成人患者さんに 対する治療薬として承認したことを発表しました。 「アフィニトール」は、欧州連合(EU) 加盟28カ国すべてに加え、アイスランドおよびノルウェーで肺原発NETに対し承認された 初の治療薬であり、さらに消化管原発NETに利用できる数少ない治療選択肢の一つです。 ノバルティス・オンコロジー事業部のプレジデントであるブルーノ・ストリジニ(Bruno Strigini)は次のように述べています。「この決定を受け、『アフィニトール』は現在では 最も一般的な3種類のNETの治療薬として、EUで承認されています。NET患者さんに対す る医療を前進させることに長く尽力してきた企業として、私たちはこの新たなマイルスト ーンによって、これまでに承認された治療選択肢がほとんど、あるいは全くなかったEUの 患者さんに『アフィニトール』を提供できるようになることを嬉しく思います」 神経内分泌腫瘍(NET)は、全身の神経内分泌細胞から生じるタイプのがんで、消化管、 肺または膵臓に最も多く発生します1,4。NETには、機能性のものと非機能性のものがあり ます5。NET患者さんの大半(72%)は非機能性NETで、消化管NETでは腸閉塞、疼痛お よび出血、そして肺NETでは喘息、慢性閉塞性肺疾患および肺炎など、腫瘍の増殖によっ て引き起こされる症状が見られます5,6,7,8,9。対照的に機能性NETは、ホルモンやその他の 物質の過剰分泌によって引き起こされる症状を特徴としています5。診断されたときには、 消化管NET患者さんの5~44%(腫瘍発生部位によって異なる)および肺NET患者さんの 28%がすでに進行している状態、つまりがんが体の他の領域に転移しており、患者さんは 限られた治療選択肢と向き合うことになります1,4。疾患進行、あるいは腫瘍の持続的増殖 1/4 や転移が見られると、一般的には予後不良となる傾向にあります10。 今回のEUによる「アフィニトール」の承認の根拠となったのは、消化管または肺原発の高 分化型の進行性の非機能性NET患者さんを対象に、「アフィニトール」とプラセボを比較 して評価を行った、ピボタル第III相試験(RADIANT-4)の有効性および安全性データで した。この試験の結果では、プラセボと比較して「アフィニトール」は疾患の進行リスク を52%(ハザード比 = 0.48;95%信頼区間[CI]、0.35-0.67;p<0.00001)低下させた ことが示されました。また中央判定による無増悪生存期間(PFS)の中央値は、アフィニ トール投与群で11.0カ月(95% CI, 9.2-13.3)、プラセボ投与群で3.9カ月(95% CI, 3.6-7.4) であり、「アフィニトール」がPFS中央値を7.1カ月延長させたことも明らかになりました 3。 本ピボタル試験で多く見られた治療に関連した全グレードの有害事象(AE)(発生率20% 以上)はアフィニトールおよびプラセボでそれぞれ、口内炎(63%と19%)、下痢(31% と16%)、倦怠感(31%と24%)、感染症(29%と4%)、発疹(27%と8%)、末梢浮 腫(26%と4%)でした。多く見られた治療に関連したグレード3/4の有害事象(発生率5% 以上)はアフィニトールとプラセボで、口内炎(9.0%と0.0%)、下痢(7.0%と2.0%)、 感染症(7.0%と0.0%)でした3。 米国食品医薬品局は2016年2月、切除不能、局所進行または転移性の消化管または肺を原 発とする高分化型の進行性の非機能性NETを有する成人患者さんの治療薬として、「アフ ィニトール」を承認しました。また欧州医薬品庁(EMA)のヒト用医薬品委員会(CHMP) は2016年4月、進行を伴う消化管または肺を原発とする切除不能または転移性の高分化型 (グレード1またはグレード2)の非機能性NETの治療薬として、「アフィニトール」錠の 承認勧告を採択しました。「アフィニトール」は2016年5月、カナダでこの適応での承認 を取得し、現在も世界各国でさらなる承認申請が行われています。日本では、2015年9月 に神経内分泌腫瘍に対する効能追加の承認申請を行いました。 RADIANT-4試験について:進行性NETを対象とした最大規模の治験プログラムの一環 RADIANT-4(RAD001 In Advanced Neuroendocrine Tumors)は第III相・前向き・二重盲 検・無作為化・並行群間・プラセボ対照・多施設共同試験です。本試験では「アフィニト ール」+ベスト・サポーティブ・ケア(BSC)群とプラセボ+BSC群における有効性と安 全性を、消化管(膵原発を除く)/肺原発の局所進行、転移性または切除不能の高分化型の 進行性非機能性NET患者さん302名を対象に検証しました。RADIANT-4の主要評価項目は、 RECIST(Response Evaluation Criteria in Solid Tumors)規準による独立した画像評価に基 づくPFSでした。副次的評価項目は、全生存期間と最良総合効果(完全奏効+部分奏効と 規定)を含みます3。 患者さんは、「アフィニトール」10 mgを毎日経口投与する群とプラセボを毎日経口投与 する群に2:1の割合で無作為に割り付けました。治療期間中、すべての患者さんがBSCを 受けましたが、ソマトスタチンアナログ(SSA)は除外されました。患者さんは、低/中等 度グレードの組織像を有し、カルチノイド症候群の既往または症状がなく、試験前の6カ 月以内に病勢進行が確認されており、試験開始前の4週間はSSA治療を中止しました3,11。 「アフィニトール」の安全性プロファイルはこれまでの試験で観察されたものと一致しま した3。 「アフィニトール®」(エベロリムス)について アフィニトール(エベロリムス)錠は、局所進行、転移性または切除不能な膵臓原発の進 行性神経内分泌腫瘍の治療薬として、米国を含む110カ国と欧州連合で承認されています。 アフィニトールは米国では、機能性カルチノイド腫瘍を有する患者さんの治療は適応とし ていません。現在ではアフィニトールは米国およびEUにおいて、切除不能、局所進行また は転移性の消化管または肺原発の高分化型(グレード1またはグレード2)進行性非機能性 2/4 神経内分泌腫瘍を有する成人患者さんの治療薬としても承認されています。 また、米国とEUを含む120カ国以上で、血管内皮増殖因子(VEGF)標的治療薬による治 療中または治療後(米国では、スニチニブおよびソラフェニブによる治療後)に疾患が進 行した転移性腎細胞がん治療薬として承認されています。 さらに、「アフィニトール」は米国および欧州を含め110カ国以上でHR陽性/HER2陰性の 進行性乳がんにも、内分泌療法を受けた後のエキセメスタン(exemestane)との併用療法 として承認されています。 日本では、「アフィニトール®錠」の販売名で、2010年1月に根治切除不能または転移性の 腎細胞癌、2011年12月に膵神経内分泌腫瘍、2012年11月に結節性硬化症に伴う腎血管筋 脂肪腫および結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫、2014年3月に手術不能または 再発乳癌を効能または効果として承認を取得しており、2015年9月に神経内分泌腫瘍に対 する効能追加申請を行いました。また、「アフィニトール®分散錠」については、2012年 12月に結節性硬化症に伴う上衣下巨細胞性星細胞腫を効能または効果として承認されて います。この他、現在、結節性硬化症に伴うてんかんを対象とした第III相の国際共同治験 に参加しています。 エベロリムスは、「アフィニトール」またはVotubia®、「サーティカン®」、Zortress®な どの製品名で、がん以外の領域でも治療薬として承認されており、また薬剤溶出性ステン トの用途に関する独占的販売権がアボットに、サブライセンスがボストン・サイエンティ フィックに供与されています。 適応症は国によって異なり、すべての適応症がすべての国で承認されているわけではあり ません。承認されている適応症以外では、エベロリムスの安全性と有効性のプロファイル は確立されていません。臨床試験の結果は不確実であるため、エベロリムスが世界のどこ かの国でさらなる適応症の治療薬として効能追加されるという保証はありません。 「アフィニトール®」に関する重要な安全性情報 「アフィニトール」/Votubiaは、肺・呼吸器障害、感染症(敗血症を含む)、腎不全など、 死亡の可能性のある重篤な副作用を引き起こすことがあります。ACE阻害剤を服用してい る患者さんでは血管性浮腫のリスクが高まることがあります。よく見られる副作用には、 口腔内潰瘍および口内痛があります。「アフィニトール」/Votubiaは、血球数、腎・肝機 能、血糖・コレステロール・トリグリセリド値に影響を及ぼすことがあります。「アフィ ニトール」/Votubiaは、妊娠中の女性に重大な害を及ぼすことがあります。「アフィニト ール」/Votubiaを服用中または服用終了後8週間以内で、妊娠の可能性がある女性は、効果 の高い方法で避妊することが推奨されます。また、「アフィニトール」/Votubiaを服用中 の女性は授乳を避けてください。「アフィニトール」/Votubiaの服用によって、男性およ び女性の妊孕性に影響が出ることが考えられます。 最もよく見られる副作用(発生率10パーセント以上)は感染症(のどの痛みと鼻汁、上気 道感染、肺炎、副鼻腔炎および尿路感染を含む)、口腔内潰瘍、発疹、疲労感、下痢、発 熱、嘔吐、吐き気、せき、食欲減退、赤血球減少、頭痛、味覚異常、無月経、にきび、肺 組織の炎症、月経異常、四肢または他の部位の腫脹、血糖値の上昇、脱力感、掻痒感、体 重減少、コレステロール値の上昇、鼻出血です。最もよく見られるグレード3~4の副作用 (発生率2パーセント以上)は口腔内潰瘍、感染症(肺炎を含む)、赤血球減少、血糖値 の上昇、疲労、無月経、下痢、白血球減少、肺組織の炎症、脱力感、発熱、突発的な出血 やあざが報告されています。B型肝炎ウィルスの再活性化、肺または下肢の血栓、ニュー モシスチス・イロベッティ肺炎(PJP)の症例が報告されています。血液学的および生化 学的な検査値異常も観察されています。 3/4 免責事項 本リリースには、現時点における将来の予想と期待が含まれています。したがって、その 内容に関して、また、将来の結果については、不確実な要素や予見できないリスクなどに より、現在の予想と異なる場合があることをご了解ください。なお、詳細につきましては、 ノバルティスが米国証券取引委員会に届けておりますForm20-Fをご参照ください。 ノバルティスについて ノバルティスは、ヘルスケアにおける世界的リーダーです。革新的な新薬、アイケア(眼 科用医療機器、コンタクトレンズなど)、高品質かつ安価なジェネリック医薬品など、幅 広い分野の製品を提供しています。ノバルティス グループ全体の2015年の売上高は494 億米ドル、研究開発費は89億米ドル(減損・償却費用を除くと87億米ドル)でした。スイ ス・バーゼル市に本拠を置くノバルティスは約118,000人の社員を擁しており、世界180 カ国以上で製品が使われています。詳細はホームページをご覧ください。 http://www.novartis.com 参考文献 1. 2. 3. 4. 5. American Cancer Society. Gastrointestinal Carcinoid Tumors. Available at http://www.cancer.org/acs/groups/cid/documents/webcontent/003102-pdf.pdf. Accessed May 2016. American Cancer Society. Lung Carcinoid Tumors. Available at http://www.cancer.org/acs/groups/cid/documents/webcontent/003117-pdf.pdf. Accessed May 2016. Afinitor Summary of Product Characteristics. Yao J, et al. One hundred years after "Carcinoid:" Epidemiology of and prognostic factors for neuroendocrine tumors in 35,825 cases in the United States. J Clin Oncol. 2008; 26: 3063-72. Öberg K, et al. Gastrointestinal neuroendocrine tumors. Annals of Oncology. 2010; 21: vii72–vii80. 6. Choti M.A., et al. Prevalence of functional tumors in neuroendocrine carcinoma: An analysis from the National Comprehensive Cancer Network Neuroendocrine Tumors database. The North American Neuroendocrine Tumor Society (NANETS) Symposium. October 2012, San Diego, US. 7. Modlin I, et al. 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