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解剖・栄養生理学

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解剖・栄養生理学
解剖・栄養生理学
血液・循環器系と呼吸器系
参考書:
山本敏行ら「新しい解剖生理学」第9、10、11、19章
Mader, SS. 「Human Biology」 7th Edition 第6、7&9章
この講義で身に付けること
• 「内呼吸」と「外呼吸」の違いについて理解
する
• 肺で行われるガス交換の仕組みを理解する
• 血液の働きについて理解する
• 血管の解剖と役割について学習する
• 心臓の解剖と役割について理解する
• 血圧と健康リスクについて学習する
ヒトは「呼吸」をして生きている
• 「呼息」と「吸息」
• 呼吸をすることで
– 生命維持に必要な成分を
(体内・細胞に)取り込み
– 不要な成分を排出し
– 生命活動に必要なエネル
ギー(ATP)を生産すること
が出来る
http://www.thewaytotheway.com/blog/wp-content/uploads/2009/08/Deep-Breathing.jpg
救命救急のステップ
D
R
A
B
C
D
– Danger (危険・安全確保)
– Response (反応確認)
– Airway (気道確保)
– Breath (呼吸)
– Circulation (循環)
– Defibrillation (除細動・AED)
救命救急のステップ
D
R
A
B
C
D
– Danger (危険・安全確保)
– Response (反応確認)
– Airway (気道確保)
– Breath (呼吸)
– Circulation (循環)
– Defibrillation (除細動・AED)
外呼吸・内呼吸と血液循環の関係
「医学生理学教育シェアリンググループ」による「一歩一歩学ぶ医学生理学」プロジェクト(http://physiology1.org)の一部
体外から酸素を取り込む=呼吸器
•
•
•
•
•
•
鼻腔
咽頭
喉頭
気管
気管支
肺
http://image.blog.livedoor.jp/aura57/imgs/5/d/5da3fbad.gif
気管の解剖
•
•
•
•
•
約10cmの直線状の管
気管軟骨後方は平滑筋
と粘膜のみ(粘性壁)
右の気管支は左より短く
太く垂直になっている異
物が入りやすい
線毛上皮異物を外部に
押し出す役割
肺の中で細分化され末端
は肺胞になる
喉頭
甲状軟骨
輪状軟骨
輪状靭帯
気管軟骨
気管
気管分岐部
http://www.swankpets.com/images/Trachea%20anatomy.jpg
肺の解剖
肺尖
上葉
水平裂
斜裂
斜裂
中葉 心切痕
下葉
下縁
右肺
左肺
http://academic.kellogg.edu/herbrandsonc/bio201_mckinley/f25-12a_gross_anatomy_o_c.jpg
気管支の末端は肺胞
•
•
肺胞は扁平肺胞
上皮で出来ている
総面積は約70m2
– ガス交換の効率
が良い
•
•
毛細血管に覆わ
れている
ガス交換が行わ
れる
細気管支
肺動脈の枝
終末細気管支
呼吸細気管支
肺静脈の枝 毛細血管
細動脈
肺胞管
肺胞
http://academic.kellogg.edu/herbrandsonc/bio201_mckinley/f25-9a_bronchioles_and__c.jpg
肺胞でのガス交換は濃度差が鍵
空気の出入り
毛細血管
肺胞の入り口
心臓へ
拡散によって酸素が
空気から血液に移動する
肺胞の壁に毛細血管
が張り付いている
拡散によって二酸化炭素が
血液から空気に移動する
心臓から
肺胞内では酸素の濃度が高く二酸化炭素の濃度が低い
静脈血では酸素の濃度が低く二酸化炭素の濃度が高い
酸素を豊富に含んだ血液は動脈血として肺静脈を通って心臓へ
http://www.mcqueens.net/mcqueen-ntl/dis/toc_/images/toc/Pic45.gif
肺が動くには肋間筋と横隔膜が必要
肋間筋
が収縮
肋間筋が弛緩
横隔膜
吸息
横隔膜
が収縮
横隔膜が弛緩
呼息
肋間筋・横隔膜が収縮胸腔容積が増大
http://www.kidsmoneylife.com/wp-content/uploads/2009/08/lung-diaphragm.gif
呼吸気量
•
•
ガス交換は肺胞のみで行われる
気道(鼻腔から気管支まで空気が通る通路)=死腔
– 肺胞換気量=呼気量-死腔量
1. 安静換気量:通常の呼吸で空気が出入りする量
2. 予備呼気量(ERV):通常の呼吸で吐き出せる空気の量
3. 残気量:最大まで息を吐き出した後肺に残る空気の量
4. 予備吸気量(IRV):通常の吸息後さらに吸い込める量
5. 深吸気量:IRVと安静換気量の合計
6. 機能的残気量:予備呼気量と残気量の合計
7. 肺活量:一回の呼吸で出入りする空気の量
8. 全肺気量:肺活量と残気量の合計
呼吸気量の区分
最大吸気位
深吸気量
予備吸気量
肺活量
換気量
全肺気量
予備呼気量
最大呼気位
残気量
機能的残気量
http://www.frca.co.uk/images/lung_vol.gif
循環の役割を担っているのは血液
• 大きく運搬、防御、調節に分けられる
1. 運搬
• 酸素や二酸化炭素、栄養素や老廃物の運搬
2. 防御
• 細菌などから体を守り、失血を防ぎ修復する
3. 調節
• ホメオスタシスの維持、体温や体内機能を調
節する
血液は細胞(血球)と液体(血漿)
で構成されている
血清
凝固しない
血漿
フィブリノーゲン
血液
血清
フィブリン
•栄養素
•タンパク質
•老廃物
•ホルモンなど
赤血球
血球
白血球
凝血塊
血小板
• ヘマトクリット値=血球が血液に占める割合
– 約45%が正常値
赤血球
•
•
•
•
•
核を持たない細胞
窪んでいて変形しやすい
約400-600万/mm3存在
約120日の寿命
細胞内に酸素と結合する性質を持つヘモグロビン
(Hb:鉄原子を持つヘムとグロビンの結合体)を持つ
– 結合率は動脈血では95%以上、静脈血では約
75%に低下(酸素分圧や温度・pHで変化)
–
•
Hb基準値:男性で13~18g/dl、女性で11~16g/dl
ヘマトクリット値は血液中における血球[赤血球]の
容積の割合 男性~45%、女性~40%
http://4.bp.blogspot.com/_t3LvP47oDlY/SJEzz-2d-aI/AAAAAAAABJw/IRODoLvTpeE/s400/jmn70039fa.jpg
ヘモグロビンの酸素飽和曲線
ヘモグロビンの酸素飽和度:酸素と結合している赤血球内
のヘモグロビンの割合
S=オキシヘモグロビン濃度/ヘモグロビン濃度 x 100(%)
組織では
PO2が低い
肺や動脈では
PO2が高い
(酸素と結合しやすい)
pHや体温の影響で曲線は左右に偏る
酸性や高体温、CO2濃度が高くなると曲線は右に偏る⇒酸素を放出しやすくなる
http://www.eonet.ne.jp/~hidarite/ce/img/so203.gif
貧血
• 赤血球数またはヘモグロビンが不十分な
状態だと貧血を引き起こす
– 鉄分不足(低血色素性小球性貧血)
– 葉酸不足(巨赤芽球性貧血)
– ビタミンB12不足(悪性貧血・大球性貧血)
• 溶血性貧血
– 大量の赤血球の破壊
• 鎌状赤血球症(遺伝性)
– 毛細血管で崩壊しやすい
http://www.aschoonerofscience.com/wp-content/uploads/ssarbc-295x300.jpg
ヘモグロビンの分解
鉄
ヘモグロビンの生成に再利用
ヘム
ウロビリノーゲン
ビリルビン
ヘモグロビン
尿中に排泄
ステルコビリン
糞便中に排泄
グロビン たんぱく質と
して再利用
•溶血した赤血球のヘモグロビンはヘムとグロビンに分
解され、ヘムは鉄とビリルビンに分解される
•ビリルビンは胆汁の色素として利用される(腸肝循環)
白血球
•
•
核を持つ細胞
血液1mm3中に約7000個
-検査基準値3500~9600
• 寿命は3~15日
• 複数の種類に分類できる
– 果粒白血球
• 好中球:異物を取り込み消化・分解する
• 好酸球:アレルギー反応の制御・ヒスタミンの不活
性化
• 好塩基球:ヒスタミンなどを分泌する
– リンパ球:B細胞・T細胞・NK細胞
– 単球:食作用を持つマクロファージに変化
http://www.geocities.jp/kusa938/wbc.jpg
血小板と止血メカニズム
•
•
•
•
•
血球の中では一番小さい
検査基準値:10.0~37.0 x
104/mm3
寿命は約10日
血液凝固の機能
血管損傷の際に止血する
血管損傷血流に乗って血小板が損傷箇所に集まる
集まった部位で血小板内の血液凝固因子が連鎖反応を起こす
放出された因子と血漿中のCaにより第Ⅹ因子が活性化
プロトロンビンをトロンビンにするトロンビンがフィブリノーゲン
をフィブリンにフィブリンに第ⅩⅢ因子が作用して凝固する
フィブリンは後にプラスミンによって分解される(線維素溶解)
Ca2+が無ければ血液凝固は起こらない
http://www.3nai.jp/weblog/upload/55048bc6bbde3a77.jpg
血球の産生
•
•
血球は赤色骨
髄で製造される
扁平骨
– 頭蓋骨や肋骨
•
赤血球や血小
板もその過程で
赤芽球や巨核
芽球になる
赤血球
造血幹細胞
骨髄幹細胞
リンパ幹細胞
骨髄芽球
血小板
http://www.siteman.wustl.edu/xmlfiles/Media_big/CDR0000526219.jpg
リンパ芽球
白血球
血漿
• 血液の約55%を占める黄色い液体
• 主な成分
1)水分(約92%)
2)血漿タンパク質-アルブミン、グロブリン
3)電解質
4)血液ガス-酸素、二酸化炭素
5)有機栄養素-グルコース、アミノ酸、脂質等
6)老廃物-尿素、アンモニア、尿酸
7)調節物質-ホルモン、酵素
• 血漿成分は通常一定重要なマーカー
血漿タンパク質の検査基準値
血漿タンパク質
基準値
総タンパク
アルブミン
α1グロブリン
6.2~8.2 g/dl
57~69% (4.3~4.5 g/dl)
2~4%
α2グロブリン
βグロブリン
γグロブリン
フィブリノーゲン
6~10%
5~10%
10~24%
200~400 mg/dl
香川と野澤
酸塩基平衡
•
•
•
通常のpHは7.4(血漿タンパク質などがpHを維持)
pHが7.4以下アシデミア、7.4以上アルカレミア
アシドーシスとアルカローシス
–
–
アシドーシス:体内の酸塩基平衡を酸側に傾ける力が働いている状態
アルカローシス:逆に酸塩基平衡を塩基側に傾ける力が働いている状
態
分類
代謝性アシドーシス
状態
HCO3-の減少
理由
酸の多量発生
代謝性アルカローシス HCO3-の増大
酸の喪失
呼吸性アシドーシス
Pco2の増大
CO2の蓄積
呼吸性アルカローシス Pco2の減少
CO2の不足
Pco2 =40mmHgを正常とした際の動脈血のCO2濃度
教科書p49
ABO式による血液型の分類
血清中の抗体と赤血球表面にある抗原の有無が違う
血液型
O型
A型
B型
AB型
凝集源
(赤血球)
なし
A
B
A&B
凝集素
(血清中)
抗A & 抗B
抗B
抗A
なし
日本人の
比率(%)
32%
37%
22%
9%
違う血液が混ざると凝集が起きる
発熱、悪寒、ショックなどの症状
死亡するケースもある
教科書p141
両親の血液型と子供の血液型
両親
OxO
OxA
AxA
OxB
BxB
O x AB
A x AB
B x AB
AB x AB
AxB
子供
O
O、A
O、B
A、B
A、B、AB
O、A、B、AB
教科書p143
体循環と肺循環
•
•
左心室から送られた酸
素の豊富な血液(動脈
血)が全身を周り右心
房に戻る体循環(大
循環)
右心室から二酸化炭
素の多い血液(静脈血)
を肺に送り左心房に戻
る肺循環(小循環)
http://www.med.nagoya-u.ac.jp/junnai/junnai/disease/images/disease09_img_001.gif
動
心臓
• 左右&心房と心室に隔てられている
• 房室口と動脈口にある弁は血液の逆流を
防ぐ常に一定の方向に流れる
– 僧帽弁(左房室口);三尖弁(右房室口)
– 大動脈弁;肺動脈弁
• 心臓を維持する血管冠状血管
• 自律神経(心臓神経)
– 交感神経:心拍や収縮の促進
– 副交感神経:抑制
心臓の解剖
大動脈弓
上大静脈
肺動脈幹
肺動脈弁
右肺動脈
左肺動脈
•
心臓の壁の厚
さ:心房<右心
室<左心室
– 血液を押し
出すための
圧を作る
• 心筋は横紋筋
だが不随意筋
左肺静脈
櫛状筋
左心房
右心房
大動脈弁
乳頭筋
左心室
下大静脈
右心室
http://www.bg.ic.ac.uk/Staff/khparker/homepage/BSc_lectures/2002/Heart_anatomy.jpg
伝導系の流れ
•
心臓拍動の自動
性
–
•
•
特殊心筋によっ
て収縮させる興
奮を発生させる
伝導系
洞リズム
なんらかの理由
で洞結節からの
興奮が伝わらな
い場合は房室結
節以下がリズム
を刻む
http://health.merrymall.net/cw58_0000_shindenzu.gif
正常の心電図 洞調律
正常
1mV
60~100/分
RR間隔=整
興奮の終了
洞結節興奮
約1
mV
洞結節で起こっ
た電気的興奮が
心臓全体に秩序
正しく伝えられ
て収縮する。
R-R間隔が1秒 なら脈拍は60/分
AEDによる自動リズムの回復
•
•
心室細動:心室の複数の
部位で無秩序な興奮
心室の動きに統制が取
れない状態
血流の停止
電気的除細動(AED)は心
臓に一過性の高エネル
ギーの電流を流す
異常な興奮の抑制
正常な心臓の機能回復
http://www.inazawa-aic.ed.jp/jmeis/hoken/top/fukuda_mark.gif
血液は心臓内圧で押し出される
1) 洞結節心房の収縮心房内圧の上昇
房室弁が開き血液が心室に移動
2) 伝道系を通じて心室筋に興奮が伝わる
心室の収縮心室内圧>心房内圧で房
室弁が閉じるさらなる心室内圧の上昇
心室内圧>動脈圧血液が動脈に押
し出される心室の収縮終了動脈弁
が閉じる
心臓周期と心拍
• 前スライドの1)と2)=収縮期、心臓全体
が弛緩し心房に血液が流れ込む時期=
拡張期(休養期)
• 収縮期と拡張期がペアで心臓周期
• 心拍数の増加拡張期の時間が短くなり
心臓に負荷がかかる
• 安静時心拍数(成人)=約70/分
• 安静時心拍出量(成人)=約70mL
• 分時拍出量(拍出量 x 心拍数)
•
•
厚い中膜
周皮細胞
(ペリサイト)
–
血流調節
•
•
逆止弁
筋ポンプや
呼吸ポンプ
http://health.goo.ne.jp/health/img/jintai/jin021.gif
動脈系と静脈系
•
動脈系では
– 肺動脈は酸素の少ない血
液を肺に
– 大動脈は酸素の多い血液
を体循環に
• 静脈系では
– 肺静脈は酸素の多い血液
を左心房へ
– 上・下大静脈は酸素の少
ない血液を右心房に
– 奇静脈系
– 皮静脈
http://web.sc.itc.keio.ac.jp/anatomy/Rauber-Kopsch/web/abb1/png72/599.png
Andrew Biel, 坂本(訳)2005. ボディ・ナビゲーションより
動脈系
静脈系
•
心筋は心臓を経由する血
液を使えない
• 心筋へ動脈血を運ぶの
は冠状動脈(右冠動脈と
左冠動脈)
– 右冠動脈辺縁枝と
後室間枝に枝分かれ
– 左冠動脈回旋枝と
前下行枝に枝分かれ
• 心静脈は冠静脈洞(心臓
の後面にある)に運ぶ
– 冠静脈洞右心房
心臓の循環
http://mmh.banyu.co.jp/mmhe2j/sec03/ch020/ch020b.html
毛細血管における物質交換
• 毛細血管一層の内皮細胞のみ血圧
によって血漿がろ過される
• 分子の大きいアルブミンなどはろ過されな
い膠質(こうしつ) 浸透圧が生じる(膠質
=タンパク質)水分が引き戻される
• 静脈側では血圧が下がるため膠質浸透
圧との差が上がる老廃物も引き戻す
• 過剰な水分はリンパ管で吸収
むくみ(浮腫)
• 毛細血管を出る液体量>戻る量浮腫
• 複数の原因がある
– 血圧の異常
– 血中タンパク質(アルブミン)の減少による浸
透圧の低下
– 毛細血管のろ過性の亢進
• 様々な臓器疾患が影響
– 心臓・肝臓・腎臓
血圧の仕組み
•
•
•
•
•
•
•
心臓から押し出された血流により起こる圧
心臓に近いほど圧は高い
最高血圧=心臓の収縮期の血圧
最低血圧=拡張期の終わりの血圧
最高と最低血圧の差=脈圧
様々な理由で変化する
塩分量の増加間質液から血漿に水分が移動
血漿量の増加血圧増加
血圧 血管直径 血液量 血液粘着度 心臓収縮力
↓
↑
↑
↑
上昇
低下
↑
↓
↓
↓
成人における血圧値の分類
高血圧治療ガイドライン2009
日本における高血圧症の頻度(%)
80
70
平成18年時点で20歳以上の成人における高血圧症
有病者は3,970万人
60
50
男性
女性
40
30
20
10
0
20-29歳 30-39歳 40-49歳 50-59歳 60-69歳 70歳以上
高血圧症有病者:収縮期血圧140mmHg 以上または拡張期血圧90mmHg 以上,
または血圧を下げる薬を服用している者 (平成18年国民健康・栄養調査)
遺伝子と食塩感受性高血圧リスク
• 日本人は白人と比べて塩感受性が高い
α アデュシン
Trp460
アンジオテンシノーゲン
T235
日本人
白人
81
日本人
白人
42
57
15
アルドステロン合成酵素
T-344
日本人
白人
69
53
G蛋白β 3
T825
日本人
白人
52
25
Katsuya et al. Hypertens Res 2003
血圧に基づいた脳心血管リスク
高血圧治療ガイドライン2009
http://www.lochol.jp/News/images/04b.gif
脂質異常症(高脂血症)の診断基準
(成人)
• 高LDLコレステロール血症
– 140mg/dL以上
– (総コレステロール値:220mg/dL以上)
• 低HDLコレステロール血症
– 40mg/dL未満
• 高トリグリセライド(中性脂肪)血症
– 150mg/dL以上
日本動脈硬化学会「動脈硬化性疾患予防ガイドライン 2007年版」
コレステロールについての新しい知見
•
•
日本脂質栄養学会が発表
日本動脈硬化学会のガイ
ドラインと大きく違う
– コレステロール摂取量を増
やしても血清コレステロー
ル値は上がらない
– LDLコレステロールは悪玉
ではない
– 中性脂肪値が150mg/dL以
上でも脂質異常症ではない、
など
http://img.7netshopping.jp/bks/images/i0/1102971630.jpg
臨床研究適正評価教育機構による見解
•
日本動脈硬化学会と日本脂質栄養学会によるガイドラ
インによる国民の混乱を防ぐため、臨床研究適正評価
教育機構(J-CLEAR)が見解を発表
http://j-clear.jp/oshirase.html
県別Na排出量全寮制自治医大学生(24時間尿)
生化学実習で食塩摂取を毎年自身で体験
国民栄養調査1995年13.2g→2002年11.4g
201-236mEq
181-200mEq
161-180mEq
141-160mEq
136-141mEq
(Na1Eq=食塩58.5g)
同じ食堂でも日本東北部出身
学生は食塩摂取が南西部出
身学生よりも有意に多い。
測定人数
N=208
関東風(左)は、高食塩、鰹だし= 粉末かつおぶし、粉末こんぶ 。
関西風(右)は、低食塩、昆布だし= 粉末こんぶ、魚介エキス。
一酸化窒素合成酵素遺伝子T786C多型でも
食塩摂取量11.7g/日以下なら高血圧にならない
150
145
140
135
TT型
TC/CC型
130
平均45歳の日
本人281人
125
120
115
<7.5g
7.5-9.2g
9.2-11.7g
>11,7g
Miyaki K et al.: Am J Hypertens. 18: 1556-1562 (2005)
17%が高血圧
になりやすい
TC/CC型
介入試験3年後における高血圧発症率と
アンジオテンシノーゲン遺伝子多型
TT型は熱帯雨林で
50
極度に食塩の少ない
地域で食塩を体内に 高
保持するアンジオテ 血 40
ンシノーゲンを増産 圧
発
30
症
類人猿、黒人は100%、
日本人は30%がTT型 率 20
(
%
白人はMM型が多い )
45 44
TT型
TM型
MM型
41
36
32
32
32
28
25
10
TT型でも高血圧の
発症を抑えることは
可能
0
観察のみ
減塩食
減量
Fly UP