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交通安全計画 - 西東京市Web

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交通安全計画 - 西東京市Web
西東京市交通安全計画
平成 24 年 3 月
西東京市交通安全対策会議
「西東京市交通安全計画」 の策定にあたって
都内の交通事故発生件数、死傷者数は毎年減少しています。西東京市においても第 8 次西
東京市交通安全計画を策定した平成 19 年と平成 22 年を比べると、交通事故発生件数、死傷
者数ともに 3 割程度減少しています。一方で、いまだに 700 人以上の交通事故死傷者が市内
で発生しており、市民の安全、安心が脅かされています。また、交通事故による被害者の方々
やそのご家族の苦痛や悲しみは計り知れません。加えて、交通事故は被害者のみならず加害
者の生活も悲惨なものにします。
こうした中、安全・安心のまちづくりをよりいっそう進めるため、交通事故のない安全で安
心して暮らせる西東京市を実現することを目的とし、
「西東京市交通安全対策会議」において、
今後 5 年間の西東京市の交通安全対策の大綱となる「西東京市交通安全計画」を策定いたし
ました。
本計画では、市内等の交通事故の状況を鑑み、市及び関係機関が一体となって「高齢者の
交通安全の確保」、「自転車の安全利用の推進」
、「二輪車事故の防止」、
「飲酒運転の根絶」の
4つの重点施策を定めるとともに、
「道路交通環境の整備」、
「交通安全意識の普及及び徹底」、
「救助・救急体制の整備」
、
「被害者の支援」、
「公共交通の安全確保」の5つの分野別施策を計
画いたしました。
西東京市として、これらの施策を踏まえた事業の実施を積極的に行い、また他の行政機関、
交通事業者や交通関係団体と連携を行うことで、地域の実情に応じた効果的な交通安全対策
を推進し、安全・安心なまちづくりに取り組みたいと考えております。
あわせて、市民の皆さまには、高い交通安全意識をお持ちいただき、交通ルールを守り、
正しい交通マナーを習慣づけ、事故のない安全・安心のまちづくりに一緒に取り組んでいただ
けるようお願いいたします。
市民の皆さまとともに、交通事故のない安全で安心して暮らせる西東京市を実現するため
に全力を尽くしたいと思います。
平成 24 年 3 月
西東京市交通安全対策会議会長
西東京市市長
坂口
光治
目
【第1部
次
総論】
第1章
交通安全計画策定の考え方 ............................................................................................ 1
第2章
交通事故の状況と課題.................................................................................................... 2
第3章
交通安全施策の方向 ....................................................................................................... 8
第4章
計画の推進 ..................................................................................................................... 9
【第2部
講じようとする施策】
【Ⅰ.重点施策】
第1章
高齢者の交通安全の確保 .............................................................................................. 10
第2章
自転車の安全利用の推進 .............................................................................................. 10
第3章
二輪車事故の防止......................................................................................................... 11
第4章
飲酒運転の根絶 ............................................................................................................ 11
【Ⅱ.分野別施策】
第1章
道路交通環境の整備 ..................................................................................................... 12
第2章
交通安全意識の普及及び徹底....................................................................................... 16
第3章
救助・救急体制の整備.................................................................................................. 21
第4章
被害者の支援................................................................................................................ 23
第5章
公共交通の安全確保 ..................................................................................................... 24
【附属資料】 ·································································································28
【第1部 総論】
第1章
交通安全計画策定の考え方
1. 計画策定の主旨
都内の交通事故死者数や負傷者数は減少傾向にあります。しかし、人命尊重の理念に
立って、交通事故による死傷者数をゼロに近づけ、究極的には、交通事故のない安全で
安心な都市を実現していく必要があります。
交通安全対策を効果的に推進するために、交通情勢の変化に適切に対応して、総合的
かつ計画的な対策を実施していく必要があり、市民が安全で安心して生活できる交通
事故のない「まち」を実現することを目的に「西東京市交通安全計画」を策定します。
市及び関係機関が連携、協力して各種施策を着実に推進していくとともに、市民の
交通安全に関する自助、共助の取組みを支援することにより、その施策を実施していく
ものです。
2. 計画の性格、期間
ア
本計画は、交通安全対策基本法第 26 条第 1 項の規定により第 9 次東京都
交通安全計画に基づき作成するものです。
イ
本計画は、市内における陸上交通の安全に関する施策を、総合的かつ長期
的に推進するための大綱です。
ウ
本計画の期間は、平成 23 年度から平成 27 年度までの 5 ヵ年です。
1
第2章
交通事故の状況と課題
都内の交通事故による死者数は、平成 4 年に 500 人台に増加した後は減少傾向にあり、
平成17年には昭和 54 年以来 26 年ぶりに 300 人台を切り、平成 22 年にはピーク時(昭和
35 年 1,179 人)の 5 分の 1 以下となる 215 人まで減少しています。
市内では、毎年、交通事故発生件数、死傷者数ともに減少しており、第8次交通安全
計画を策定した平成 18 年と比べて、平成 22 年の交通事故の発生件数は 274 件、死傷者数
は 311 人と 3 割程度の減少となっています。
≪参考≫
■西東京市・東京都の交通事故件数・死傷者数・死者数の推移
表 1 西東京市・東京都の交通事故件数・死傷者数・死者数の推移(H16∼H22)
西東京市
H16
H17
1,067
1,028
939
905
811
723
665
1,164
1,118
1,038
990
878
760
727
1
3
1
2
3
0
2
交通事故発生件数(件)
84,513
80,633
74,287
68,603
61,525
56,358
55,013
死傷者数(人)
96,423
91,561
84,380
77,921
69,884
63,801
62,343
303
289
263
269
218
205
215
交通事故発生件数(件)
死傷者数(人)
死者数(人)
東京都
死者数(人)
H18
H19
H20
H21
H22
出典:警視庁交通年鑑
1. 高齢者の交通事故の状況と課題
高齢者の交通事故死者数は、都内では全体の 4 割近くを占め、非常に高くなっていま
す。高齢者の主な移動手段は主に歩行又は自転車です。市内では、高齢者の交通事故
死傷者数のうち半数以上が自転車乗用中であり、4 分の1程度が歩行中となっています。
また、東京都内全体の傾向として、高齢者の増加に伴い、高齢ドライバーの割合が増
えています。それに伴い、高齢者に主な過失があったとされる事故も増え、事故の危険
性も高くなっています。
2
≪参考≫
■東京都の年齢層別交通事故死者数割合
15歳以下 2%
16∼24歳 10%
25∼29歳 4%
65 歳以上65歳以上
37%
37%
30∼39歳 12%
死者数
死者数
215人
215
人
40∼49歳 14%
60∼64歳 9%
出典:警視庁交通年鑑
50∼59歳 12%
図 1 年齢層別交通事故死者数の割合(東京都、平成 22 年)
■西東京市・東京都の自転車乗用中、歩行中の高齢者死傷者数の推移
表 2 自転車乗用中、歩行中の高齢者死傷者数の推移(H19∼H22)
西東京市
H19
高齢者死傷者数
H20
H21
H22
東京都
157
割合
126
割合
128
割合
92
割合
うち自転車乗用中
90
57%
65
52%
68
53%
49
53%
うち歩行中
34
22%
30
24%
39
30%
21
23%
8,493
割合
8,151
割合
7,614
割合
7,495
割合
うち自転車乗用中
3,466
41%
3,238
40%
3,024
40%
2,881
38%
うち歩行中
2,084
25%
2,100
26%
1,929
25%
1,905
25%
高齢者死傷者数
出典:警視庁交通年鑑
■東京都の高齢者第 1 当事者事故件数の経年推移
高齢者
第1当事者
事故件数
[件]
[件]
9,000
100,000 全事故
8,000
90,000
7,000
80,000
件数
70,000
6,000
60,000
5,000
50,000
4,000
40,000
3,000
30,000
2,000
高齢者第1当事者事故件数
20,000
1,000
全事故件数
10,000
0
0
H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22
出典:警視庁交通年鑑
図 2 全事故件数と高齢者第1当事者事故件数の経年推移(東京都)(H13∼H22)
3
2. 自転車の交通事故の状況と課題
市内では、交通事故死傷者数のうち自転車乗用中の死傷者数が最も多くなっています。
平成 19 年以降減少傾向にあるものの、なお全体の 4 割程度を占めています。また、近年、
全国的な自転車利用者の増加を背景に、自転車事故の増加や事故に伴う高額な賠償への
対策が社会的な課題となっています。
≪参考≫
■西東京市・東京都の状態別交通事故死傷者数
表 3 状態別交通事故死傷者数の推移(H19∼H22)
H19
H20
H21
H22
西東京市
東京都
自動車
246
225
188
232
バイク
178
135
110
106
自転車
444
397
347
270
歩行者
122
121
115
119
その他
0
0
0
0
自動車
28,728
25,574
23,987
23,962
バイク
16,411
13,297
11,474
10,938
自転車
23,389
21,999
20,101
19,190
歩行者
9,369
8,986
8,203
8,220
その他
24
28
36
33
出典:警視庁交通年鑑
■西東京市の推移グラフ
■東京都の推移グラフ
[人]
[人]
500
35,000
自転車
450
400
乗用車
自動車
バイク
バイク
自転車
自転車
歩行者
歩行者
乗用車
自動車
バイク
バイク
自転車
自転車
歩行者
歩行者
30,000
25,000
350
300
20,000
250
自転車
15,000
200
150
10,000
100
5,000
50
0
0
H19
H20
H21
H22
H19
H20
H21
H22
出典:警視庁交通年鑑
図 3 状態別交通事故死傷者数の推移(左:西東京市 右:東京都)(H19∼H22)
4
3. 二輪車の交通事故の状況と課題
都内では、全交通事故死者数のうち二輪車事故(原付含む)による死者は全体の約 3 割
を占め、全国平均の 2 割弱と比べて高くなっています。また、30 歳未満の年代の二輪車
事故による死傷者数は全体の 4 割程度となっています。
≪参考≫
■東京都の交通状態別交通事故死者数内訳
その他
0%
四輪乗車中
7%
自動二輪
乗車中
23%
歩行中
40%
死者数
215
人
215人
二輪車事故計 34%
原付乗車中
11%
19%
自転車乗用中
出典:警視庁交通年鑑
図 4 交通状態別交通事故死者数の内訳(東京都、H22)
■東京都の年齢層別二輪車交通事故死傷者数割合
60∼64歳
3%
15歳以下
0%
65歳以上
5%
16∼24歳
26%
50∼59歳
8%
40∼49歳
17%
30 歳未満計 41%
二輪車事故
死傷者数
10,938人
25∼29歳
15%
30∼39歳
26%
出典:警視庁交通年鑑
図 5 年齢層別二輪車交通事故死傷者数の割合(東京都、H22)
5
4. 飲酒運転の交通事故の状況と課題
平成19 年の飲酒運転に対する罰則強化以降、飲酒運転による事故件数は大幅に減少し
ており、一定の効果がみられます。 しかし、依然として飲酒運転事故発生時の死者発生
割合は全事故平均に比べてかなり大きく、飲酒運転による事故の重大性は大きいといえ
ます。
≪参考≫
■東京都の飲酒事故発生件数の推移
※第8方面:昭島、立川、東大和、府中、小金井、田無、小平、
東村山、武蔵野、三鷹、調布の各警察署管内の合計
※変化率は、平成 18 年の事故発生件数を 100%として算出
200%
180%
都内
第8方面
160%
140%
変化率
120%
100%
80%
60%
40%
20%
0%
H16
H17
H18
H19
H20
H21
H22
出典:警視庁交通年鑑
図 6 飲酒事故発生件数の推移(H16∼H22)
■東京都の交通事故による死者発生割合の推移
表 4 交通事故による死者発生割合の推移(東京都)(H16∼H22)
H16
H17
H18
H19
H20
H21
H22
飲酒運転事故
1.6%
2.5%
2.9%
5.5%
6.7%
5.5%
3.6%
全事故平均
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
※死者発生割合は死者数/事故件数で算出
出典:警視庁交通年鑑
6
≪参考≫
■西東京市の交通事故の状況
表 5 年齢別、交通状態別の交通事故発生状況(H19、H22)
交通事故発生状況
死傷者数(人)
子どもの
交通事故※1
高校生の
交通事故※2
成人の
交通事故
高齢者の
交通事故
歩行者の
交通事故
自転車の
交通事故
二輪車の
交通事故
自動車の
交通事故
計
H19
H22
増減数
増減率
死 亡
0
1
+1
-
負傷者
105
69
-36
-
計
105
70
-35
-33%
死 亡
0
0
±0
-
負傷者
74
50
-24
-
計
74
50
-24
-32%
死 亡
0
0
±0
-
負傷者
654
515
-139
-
計
654
515
-139
-21%
死 亡
2
1
-1
-
負傷者
155
91
-64
-
計
157
92
-65
-41%
死 亡
1
2
+1
-
負傷者
121
117
-4
-
計
122
119
-3
-3%
死 亡
1
0
-1
-
負傷者
443
270
-173
-
計
444
270
-174
-39%
死 亡
0
0
±0
-
負傷者
178
106
-72
-
計
178
106
-72
-40%
死 亡
0
0
±0
-
負傷者
246
232
-14
-
計
246
232
-14
-6%
死 亡
2
2
±0
-
負傷者
988
725
-263
-
計
990
727
-263
-27%
※1 幼児、小学生、中学生の合計
※2 高校生と 19 歳以下(子どもを除く)の合計
出典:警視庁交通年鑑
7
第3章
交通安全施策の方向
交通事故件数や死傷者数が減少傾向にある中で、さらに交通事故をなくし、安全で安心
なまちづくりをするため、重点施策を定め、交通事故の実態や状況に十分対応した各種
交通安全施策を関係機関が連携して推進します。
1. 重点施策
(1) 高齢者の交通安全の確保
市内では、高齢者の主な移動手段である歩行中又は自転車乗用中の交通事故死傷
者が多くなっています。また、都内全体の傾向として高齢ドライバー割合の増加に
伴い、高齢者に主な過失があったとされる事故も増え、事故の危険性が高まってい
ます。高齢者の歩行中や自転車乗用中の事故、自動車の事故を防止するため、歩道
等の道路交通環境を整備するとともに、地域ぐるみで高齢者に対する交通安全教育
を推進していきます。
(2) 自転車の安全利用の推進
減少傾向にあるものの、依然として市内の交通事故において占める割合の高い
自転車事故を防止し、また歩道を暴走する自転車や駅周辺の放置自転車等をなくす
ため、自転車の通行環境を整備するとともに、幅広い世代の自転車利用者に対して
交通安全教育・啓発・キャンペーン等の取組みを推進し、交通ルールの遵守と運転
マナーの向上を図ります。
(3) 二輪車事故の防止
都内では、二輪車の事故が全死者数の 3 割近くを占め、全国平均の 2 割弱と比べ、
高くなっています。二輪車乗車中の事故防止対策は、今後も継続的に取り組まなけ
ればならない課題です。二輪車事故や二輪車の無謀運転を防止するため、特に若者
に対する交通安全教育・啓発の充実を図るとともに、交通安全施設の整備を総合的
に推進します。
(4) 飲酒運転の根絶
飲酒運転は、自ら酒を飲みなおかつ自動車を運転するという故意によって成り立
っているという点で、一般的な交通違反や交通事故と違い、その悪質性は特異なも
のといえます。
また、飲酒運転による交通事故は重大な事故につながる危険性が非常に高くなっ
ています。都内における飲酒運転事故は、危険運転致死傷罪の創設・厳罰化や道路
交通法の罰則強化等もあり、大きく減少しています。一方で、事故の重大さを考え、
飲酒運転を許さない社会環境を構築するため、飲酒運転の根絶を目指し、交通安全
教育・啓発・キャンペーン等の取組みを推進します。
8
2. 交通安全施策の方向
(1)道路交通環境を整備します。
(2)交通安全意識の普及及び徹底を図ります。
(3)救助・救急体制の整備を図ります。
(4)被害者支援の充実を図ります。
(5)公共交通の安全確保を図ります。
第4章
計画の推進
1. 行政機関
本計画の趣旨及び定める施策を踏まえ、地域の交通情勢や市民の生活に対応したきめ
細かな事業を実施するとともに、他の行政機関や交通関係団体等と連携して、地域の
実情に応じた効果的な交通安全対策を推進し、市民を交通事故から守っていきます。
2. 事業者・交通関係団体・ボランティア
市民を交通事故から守るうえで、事業者は大きな役割を果たしています。自動車等を
運行する事業者は、事業所を中心として、安全運転管理者、運行管理者等を通じた交通
安全教育を推進する等、交通事故防止に努めることが求められています。
また、地域における各交通関係団体やボランティアは、行政機関と連携して、主体的
に、あるいは相互に協力しながら、効果的な交通安全対策事業を進めていくことが求め
られます。
3. 市民
悲惨な交通事故を無くしていくためには、何よりも市民一人ひとりが交通ルールの
遵守と正しいマナーの実践を習慣とすることが肝要です。
この計画が効果的に推進されるよう、市民の皆様も計画の担い手の一人となり、行政
等と一緒になって交通安全について考え、行動するとともに、地域で自助、共助の取組
みを進めていくことが求められます。
9
【第2部
講じようとする施策】
【Ⅰ.重点施策】
第1章
高齢者の交通安全の確保
1. 道路交通環境の整備
高齢者が安全かつ快適に通行できる歩行空間を確保するため、歩道や公共交通施設の
バリアフリー化、高齢者の円滑な通行を支援する案内標識等の道路交通環境の整備に
努めます。
2. 交通安全意識の普及
加齢に伴う身体機能の変化、高齢者の事故発生実態を踏まえた交通安全教育を実施す
るとともに、交通安全運動期間等の機会をとらえ、高齢者を対象とした交通安全意識の
啓発活動等を行います。
3. 利用しやすいバスの導入及び利用環境の向上
高齢者や障害者をはじめ、だれもが利用しやすく乗り降りしやすいノンステップバス
の導入や利用環境の向上により、移動手段の充実を図ります。
第2章
自転車の安全利用の推進
1. 自転車通行環境の整備
市内において占める割合の高い自転車事故の減少にむけ、自転車・歩行者・自動車
それぞれの安全と安心を確保するため、自転車の通行環境の整備を推進します。
2. 自転車利用者に対する交通安全教育
自転車利用者のルールの遵守及びマナー向上のための啓発を行います。学校での安全
教育や安全利用促進キャンペーン等を実施し、自転車事故の防止を図ります。
3. 自転車駐車場の整備及び放置自転車対策の推進
駅前放置自転車の削減を図るため、新たな自転車駐車場の整備等の検討を行います。
また、歩行者や緊急車両等の安全で円滑な通行を確保するため、自転車利用者に対し
て、放置防止の広報啓発活動を行います。
10
第3章
二輪車事故の防止
1. 交差点・カーブ地点の改良
二輪車事故防止のために、事故の起こりやすい交差点やカーブ地点の改良を進めます。
そのため、路面改良や道路照明、路面表示、道路標識等の整備を図ります。
2. 交通マナー意識の高揚
地域、職域等における交通安全講習会を、交通関係団体と連携しながら開催し、効率
的な交通安全教育を推進します。また、若者に対して二輪車の安全な利用に関する意識
の高揚と実践力の向上を図ります。
第4章
飲酒運転の根絶
1. 飲酒運転根絶に向けた規範意識の確立
飲酒運転の危険性や、飲酒運転に起因する交通事故の実態の周知のための広報啓発活
動を推進するとともに、交通ボランティアや安全運転管理者、酒類提供飲食店等と連携
し、飲酒運転根絶にむけた規範意識の確立を図ります。
11
【Ⅱ.分野別施策】
第1章
道路交通環境の整備
交通安全の推進には、人、自転車、自動車が安全で円滑に通行できる道路や施設等
道路交通環境の整備が不可欠です。そのため、道路の整備や交通安全施設の整備等の
施策を推進します。
また、高齢者や障害者をはじめ、だれもが安全かつ快適に移動することができるよう
に歩行空間のバリアフリー化や事故の増加が近年の課題となっている自転車の通行環境
の整備を進めます。
1. 道路の整備
(1) 歩道の整備
歩行者及び自転車利用者を自動車交通から分離し、道路交通の安全と円滑化を図
るため、歩道未整備区間や歩道幅員の狭い区間について、整備を進めていきます。
また、平成 18 年に施行された「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関す
る法律」(バリアフリー新法)や平成 21 年に改正された「東京都福祉のまちづくり
条例」も踏まえ、公共交通の旅客施設等とも連携を図りながら、高齢者や障害者を
含むだれもが安全かつ快適に通行できる歩行空間を確保するため、歩道のバリア
フリー化をめざし、車椅子がすれ違うことのできる広幅員歩道の整備、視覚障害者
誘導用ブロックの設置、横断歩道等切り下げ部における歩車道の段差の解消等、
高齢者や障害者を含む市民の誰もが安心して歩ける歩道の整備に取り組みます。
(2) 交差点の改良
ア
交差点は、その形状が歩行者及び車両の安全と交通の円滑化を確保するう
えで非常に重要な要素であることから、右左折レーンの設置、隅切改良等の
整備を進めます。また、交通渋滞箇所及び交通事故のおそれのある箇所等に
おいて、ゼブラ導流帯の設置等の交差点改良を進めます。
イ
用地を取得して右折車線等の整備を行う「第 2 次交差点すいすいプラン」
として市内 2 箇所(保谷小前交差点、保谷新道交差点)が東京都の計画に
選定されています。
(3) カーブ地点の改良
見通しの悪い曲線道路等の改良として、路面表示、道路照明、防護柵、道路反射
鏡、滑り止め舗装、視線誘導標の設置等の安全施設の整備を進めます。
12
(4) 自転車通行環境の整備
自転車交通は、手軽な交通手段として通勤、通学、買い物等の日常生活に利用さ
れていますが、最近では環境にやさしい乗り物としても自転車交通の利用が拡大し
ています。自転車、歩行者、自動車それぞれの安全と安心を確保するため、国や
東京都の施策を注視し、警視庁と連携を取りながら自転車通行環境の整備を推進し
ます。
(5) 生活道路における交通事故防止対策の推進
生活道路での歩行者及び自転車利用者を当事者とする交通事故を防止するため、
路側帯の広幅員化や道路標識の整備等による各種交通対策を図ります。
(6) 市街地の構造改善
道路、公園等の都市基盤を一体的に整備することにより地域の生活環境と交通
環境を改善していきます。
2. 交通安全施設の整備
(1) 路面表示の整備
道路幅員の変更箇所や車道の縁線を示す必要がある区間等で、路面表示(区画線、
道路標示)の整備や夜間の視認性向上のための高輝度化を進めます。
(2) 道路標識等の整備
道路利用者に対して、的確な情報提供がなされるよう、わかりやすく見やすい
道路標識の設置や汚損された標識の早急な回復作業を行います。また、高齢者や
障害者の円滑な通行を支援する案内標識の整備を進めます。また、道路標識の乱立
を防止するため、体系的な整備を図ります。
(3) 道路照明の整備
夜間の交通事故を防止するため、道路形態から危険度の高い交差点や横断歩道等
に道路照明を整備します。また、広幅員、高木の植樹などにより従来の道路照明で
は満足な照度が得られにくい箇所についても、歩道交通の安全性・快適性を高める
ため、道路照明の改善を進めます。
(4) 防護柵の整備
歩行者の無秩序な車道の横断を抑制して歩行者の横断事故を防止し、また車両の
路外等への逸脱を防止し、車両乗員の傷害等を最小限にとどめるため、防護柵の
整備を進めます。
13
(5) 信号機の整備・高度化
LED 式信号機は、環境面・安全面において大きな効果が期待されることから、
更新期の信号灯器から LED 式信号灯器への交換を進めます。
(6) 道路反射鏡の整備
交差部等の見通し距離が不足している道路で、交通事故の発生のおそれがあり、
事故防止効果が認められる箇所に道路反射鏡の整備を進めます。
(7) その他
道路交通の安全性と円滑性を高めるため、その他各種施設の維持補修に努めます。
3. 道路利用の適正化
(1) 道路工事調整会議
道路の無秩序な掘り返しを防止し、また道路交通に著しい支障を及ぼすことを防
ぐため、道路工事調整会議において、工事の施工時期、施工方法等を十分に協議し、
道路工事を最小限度に抑えるよう調整します。
(2) 道路占用及び道路使用の抑制
道路交通の安全と円滑を確保するため、工作物の設置や工事等の道路の占用及び
使用については、極力抑制する方針のもとに、適正な道路占用・道路使用許可を
行います。また、道路パトロールを実施し、許可条件の遵守、保安施設の
整備等について、指導を徹底します。
(3) 不法占用物件等の排除
交通事故の防止、歩行空間及び都市景観の確保を図るため、パトロールにより
不法占用物件の撤去等の是正指導を行います。
14
4. 駐車・駐輪施設の整備
違法な駐車・駐輪は都市交通の円滑化を妨げ、また追突等交通事故の誘因や防災活動
の際の障害となり、道路空間の有効利用の面からも違法な駐車・駐輪の解決は課題とな
っております。
(1) 駐車場の整備
大規模店舗等、自動車や自動二輪車の需要が多く見込まれる施設では、必要な
駐車台数を確保するため、自動二輪駐車場の整備について要請等を行っていきます。
(2) 自転車駐車場の整備
市内には鉄道駅は 5 駅あり、駅周辺には現在 24 ヵ所の自転車駐車場があります。
今後の開発事業や交通需要の変化を考慮し、新たな自転車駐車場の整備等の検討
を行います。
5. その他
(1)
交通安全総点検の推進
地域住民や道路利用者が主体となって関係機関とともに道路環境の点検を行うこ
とにより、地域住民の交通安全活動への参加意欲を醸成するとともに、「誰もが安全
に安心して利用できる道路交通環境づくり」を図ります。
また、児童の新入学時期や、春の交通安全運動等の機会を捉えて、関係機関が
協力し、防犯対策も含めた通学路の安全点検を実施します。
(2) 道路の緑化推進
「人にやさしい道づくり」や「周辺環境との調和」等の観点を踏まえ、道路交通
の安全と快適性を高めるとともに、避難道路としての安全性の向上、沿道の環境
改善を目的に道路の緑化を推進します。
15
第2章
交通安全意識の普及及び徹底
交通安全の基本は、市民一人ひとりが交通ルールの遵守と正しい交通マナーを身に付
け、交通事故防止のため実践することです。
交通安全意識を社会のすみずみまで普及浸透させていくため、一人ひとりのライフ
ステージに応じた段階的・体系的な交通安全教育を推進します。
また、広報啓発活動の充実・強化により、家庭、学校、職域や地域社会における交通
安全意識の高揚を図り、飲酒運転の根絶のための規範意識の確立を目指します。
1. 体系的な交通安全教育の推進
(1) 交通安全教育の推進指針
「交通安全教育指針」や「交通安全に関する教則」に基づいて、参加・体験・実践型
の交通安全教育を実施するとともに、年齢、車両種別及び業種等の対象に応じた
段階的な交通安全教育を計画的に実施します。
(2) 学校等における交通安全教育
幼児、児童、生徒を交通事故から守るには、日常の適切な指導と計画的かつ組織
的な交通安全教育を行う必要があります。
そのため、家庭、学校、地域社会、関係諸機関相互の有機的な連携を深めながら、
交通安全教育の一層の整備と充実を図っていきます。
ア
幼児期には、園外保育等における実践活動を通して、交通安全のきまりや
歩行の仕方を理解させ、安全に行動できる習慣や態度の育成に努めます。
イ
小学生には、安全な歩行、乗り物(自転車等)の利用、身近な交通安全施設・
交通規制等の理解を通して、安全な暮らしを送ることができる態度や能力の
育成を図ります。また、警察署と連携して、市内小学校での自転車教室を
通じた自転車教育を実施します。
ウ
中学生には、小学校での既習事項を中学生の発達段階に応じて確実に身に
付けることができるようにするとともに、歩行者としての安全な行動、自転
車の正しい利用、交通事情や交通法規、応急処置、交通災害防止等に関する
基本的事項の理解を深め、交通災害防止能力の育成を図ります。また、警察
署と連携して、市内中学校での自転車教室(スケアード・ストレート)を通じ
た自転車教育を実施します。
エ
高校生には、小・中学校での既習事項を確実にし、交通社会における良き
社会人として必要な交通マナーを身に付けさせ、特に自転車や二輪車の安全
な利用に関する意識の高揚と実践力の向上を図ります。
オ
特別支援学校の児童・生徒には、その障害の種別や状態及び発達段階に応
じて、安全に関する基本的な事項についての指導を行い、危険を回避する
能力の育成を図ります。
16
カ
学習指導要領に基づき、薬物乱用・飲酒等防止の指導については、小学校
体育や中学校・高等学校の保健体育を中心に、学校教育全体を通じて、指導
に取り組んでいきます。
(3) 高齢者に対する交通安全教育
高齢者クラブ等の高齢者が多く集まる場所において、加齢に伴う身体機能の変化、
高齢者の事故発生実態等を踏まえた交通安全教育を実施するとともに、交通安全の
呼びかけを積極的に行い、高齢者の交通安全意識の高揚を図ります。
(4) 運転者に対する交通安全教育
交通関係団体と連携しながら、地域や職域等における交通安全講習会を開催し、
効率的な交通安全教育を推進します。特に、二輪運転者については、二輪車実技
講習会を中心とした交通安全指導を実施し、安全意識の高揚と安全運転技術の向上
を図ります。
(5) 身体障害者に対する交通安全教育
身体障害者の安全な通行方法等について、関係機関・団体等と相互に連携を図り、
交通安全教育を推進し、交通安全意識の高揚を図ります。
(6) 自転車利用者に対する交通安全教育
「自転車安全利用キャンペーン・駅前放置自転車クリーンキャンペーン」の展開
などにより、自転車利用のルールの遵守及びマナー向上のための啓発を行います。
また、自転車関係団体と連携しながら、自転車の安全利用を促進するキャンペーン
等を展開し、自転車の点検整備、自転車の正しい利用を促進し、自転車事故の防止
を図ります。
(7) 交通安全教育推進のための教材資料の充実
学校教育用教材の配布や交通安全啓発用ビデオ等を充実させ、学校・民間団体へ
の貸出し等を行います。
≪参考≫
■自転車交通安全教室の例
西東京市市内の中学校でのスケアード・ストレートによる自転車交通安全教育の様子
※スケアード・ストレートとは、
スタントマンによる事故の実
演により、事故の怖さを直接伝
え、危険に対する潜在的な意識
を残すことを狙いとする安全
教育の1つの方法です。
17
2. 地域社会における交通安全意識の啓発
(1) 交通安全協会を主体とした交通安全教育の推進
交通事故の防止のため、組織の増強・活性化を図りながら各種対策を推進します。
ア
子ども対策
a「新入学児童交通安全の集い」等の参加・体験的行事を通して、未就学児童
の交通安全に関する習慣、態度、能力の育成指導を行います。
b「交通少年団」の団員加入を促進するとともに、団体活動を通じて、子ども
の交通安全意識の普及浸透を図ります。
イ
若年者対策
関係機関と連携し、二輪車実技講習会等を実施し、若者の交通安全意識の
高揚を図ります。
ウ
高齢者対策
高齢者の事故防止及び重大事故防止を目的に、交通安全運動等において、
交通事故多発交差点での交通安全の啓発活動を行います。
エ
自転車利用者対策
自転車関係組織の拡大と活動の促進を図り、連携の下、自転車安全教室等
により自転車の正しい利用を促進して、自転車事故の防止を図ります。
オ
その他の対策
交通安全施設の整備点検、また、各種行事における警備・交通整理・誘導
等の協力支援を通して、地域社会における交通安全意識の高揚を図ります。
(2) 地域・家庭における交通安全教育の推進
ア
地域においては、交通安全意識を普及浸透させていくため、 地域の交通
安全組織を拡大・充実させるとともに、その指導者の育成を図り、交通安全
教育の計画的な運用に努めます。また、出前講座など市民との直接対話によ
り、交通安全の知識等の啓発を図ります。
イ
家庭においては、親が中心となって交通の身近な話題を取り上げ、家庭で
交通安全について話し合いが行われるよう、各種の組織を通じて情報の提供
を行い、交通ルールと交通マナーの普及浸透を図ります。
(3) 地域ぐるみの交通安全運動の推進
ア
交通安全運動
市民一人ひとりに交通安全思想の普及浸透を図り、交通ルールの遵守と
正しい交通マナーの実践を習慣づけることにより、安全で快適な交通社会の
実現を目指して、春・秋の全国交通安全運動、年末の TOKYO 交通安全キャン
ペーンを実施します。推進にあたっては、行政機関、交通関係団体、事業所
と連携し、市民自身による道路交通環境改善に向けた取組みを推進するなど、
市民参加型の交通安全運動を展開します。
18
イ
交通安全日
原則として毎月 10 日を「交通安全日」とし、交通実態に即した地域、学校、
職場ぐるみの交通安全活動を促進することにより、交通安全思想の普及浸透
に努めます。
ウ
暴走族追放強化期間
暴走行為が本格化する前の夏期1ヵ月間を暴走族追放強化月間とし、暴走
族追放気運の高揚、若者の交通安全マインドの向上等を促進し、二輪車によ
る事故防止を推進します。
3. 交通安全に関する広報啓発活動の充実・強化
(1) 広報活動の実施
市民一人ひとりに交通安全意識の普及徹底を図り、交通安全行動の実践を定着化
させるため、市報、ホームページ、ポスター等の広報媒体、交通安全運動等の行事
や各種会議等のあらゆる機会を通じて効果的な広報活動を推進します。
(2) 交通安全運動・交通安全フェア等行事の充実
春・秋の全国交通安全運動、TOKYO 交通安全キャンペーン、交通安全フェア等の
内容の充実や改善を図り、交通安全意識のより一層の普及徹底に努めます。
(3) 飲酒運転根絶に向けた規範意識の確立
飲酒運転の危険性や飲酒運転に起因する交通事故の実態を周知するための広報
啓発活動を進めるとともに、交通ボランティアや安全運転管理者、酒類提供飲食店
等と連携して「ハンドルキーパー運動」の普及浸透に努める等、飲酒運転を許さない
社会環境づくりに取り組み、飲酒運転根絶に向けた規範意識の確立を図ります。
※ハンドルキーパー運動
自動車を使ってグループで酒類提供飲食店に行く場合、グループ内で酒を
飲まず、他のものを安全に自宅に送る者(ハンドルキーパー)を決め、飲酒
運転を根絶しようという運動です。
(4) チャイルドシート及びシートベルトの着用の推進
チャイルドシートと後部座席を含む全座席のシートベルトの正しい着用方法や、
その着用の徹底を促す啓発活動等に努めます。
(5) 災害への備えに関する広報啓発活動
災害時は緊急交通路においては車両を絶対使用しないこと、走行中の車両は道路
の左側に直ちに止めること等、大震災発生時の対処について、各種広報媒体を活用
し、周知していきます。
19
4. 学童交通擁護員の配置
学童交通擁護員を配置し、児童の登下校時の交通安全を確保しながら、運転者・地域
社会の交通安全意識の高揚を図ります。
5. 西東京市交通安全協力員の設置
市長が委嘱する交通安全協力員(各小学校 2 人の児童保護者の方)により、広範な交通
安全対策を推進します。
6. 放置自転車対策の推進
警察署や関係機関との幅広い連携のもと、取り締まりや広報等により、放置自転車
対策を推進します。自転車等放置禁止区域における自転車や原動機付自転車の放置に対
する指導、警告及び放置自転車等の移送撤去等を適切に実施します。
道路や歩道に置かれた自転車等は、歩行者の通行を妨げるだけでなく、交通事故の
原因や救急・防災活動の際の障害にもなります。だれもが快適な生活をおくれるよう、
市民の皆様には、通学、通勤、買い物等で自転車を利用する際は自転車駐車場を利用す
るよう呼びかけます。
≪参考≫
■西東京市における放置自転車等の撤去及び返還数の推移(平成 18 年度 ∼ 平成 22 年度)
表 6 市内の放置自転車等の状況
放置自転車対策状況
○撤去した自転車(台)
返還台数(台)
返還率(%)
○撤去した原動機付自転車(台)
返還台数(台)
返還率(%)
◇合計(台)
返還台数(台)
返還率(%)
H18 年度
H19 年度
H20 年度
H21 年度
H22 年度
10,709
9,293
8,996
7,620
7,502
6,335
5,746
5,202
4,474
4,400
59.2
61.8
57.8
58.7
58.6
140
133
142
118
121
125
114
125
105
116
89.3
85.7
88.0
88.9
95.8
10,849
9,426
9,138
7,738
7,623
6,460
5,860
5,327
4,579
4,516
59.5
62.2
58.3
59.1
59.2
20
第3章
救助・救急体制の整備
交通事故による負傷者の尊い命を救うため、高度な知識と専門的な救助・救急技術を
持った隊員の育成並びに車両や資器材の整備によって、救助・救急体制の充実を図りま
す。また、救急医療機関等との連携を強化し、応急手当の普及啓発を推進します。
1. 救助・救急体制の充実
消防隊による交通救助体制を充実強化します。
2. 応急手当等の普及啓発及び救急車の適正利用の促進
救急隊が到着するまでの間、現場に居合わせた人(バイスタンダー)によって早期に
適切な応急救護処置が行われるよう、市民に対して救命講習・応急手当講習等を推進し
ます。
また、真に救急車を必要とする市民に対して、適切かつ効果的に救急隊が対応できる
体制を構築できるように、緊急性に係る相談や医療機関の案内等を行う「東京消防庁救急
相談センター」の利用を促進します。
3. 救急医療機関の協力体制の確保
負傷者を迅速・円滑に医療機関へ収容するため、西東京救急業務連絡協議会及び
西東京市医師会等を通じて、地域医療機関との連携体制をより一層強化します。
4. 災害時の交通安全の確保
大震災発生時には、緊急交通路において交通規制を実施し、救出救助車両等の通行
及び避難誘導のための緊急交通路を確保します。また、緊急車両等の通行を確保するた
め、緊急道路障害物除去作業を実施します。
21
≪参考≫
■西東京市における救助・救急活動
表 7 消防救助隊による事故発生時の対応
通常の交通事故
救急隊及び救助資器材を積載するポンプ隊が対応します。
特異な交通事故等
救急隊及びポンプ隊のほか、高度な救助資器材を積載する特別救助隊及び消防救助機
動部隊(ハイパーレスキュー隊)等が、さらに、災害医療派遣チーム(東京DMAT)も出場
し、医師と消防隊とが連携し救命処置を行います。
多数傷病者発生時
要救助者、負傷者の人数等、事故の規模に応じて、救助特別第1∼第3出場、救急特別
第1∼第4出場を指令して、消防救助機動部隊、特別救助隊及びスーパーアンビュランス(1
台で多数の傷病者を収容する特別救急車)等が出場します。
表 8 平成 22 年の救急活動状況(西東京消防署管内)
活動区分
出場件数
救護人員
搬送人員
(件)
(人)
(人)
活動区分
交通
832
808
801
火災
46
14
運動競技
75
自然災害
出動件数
救護人員
搬送人員
(件)
(人)
(人)
自損行為
91
73
72
13
加害
62
55
55
75
75
急病
5,794
5,424
5,419
0
0
0
転院搬送
539
534
534
水難
2
2
2
医師搬送
0
0
0
労災
37
37
36
資材搬送
0
0
0
1,517
1,348
1,346
125
2
2
9,120
8,372
8,355
一般負傷
その他
総
数
出典:西東京市消防署 資料
表 9 出場件数及び救護人員の前年比較(西東京消防署管内及び西東京市市内)
区分
西東京消防署管内
西東京市市内
出場件数(件)
救護人員(人)
出場件数(件)
救護人員(人)
平成 22 年
9,120
8,372
8,414
7,705
平成 21 年
8,112
7,522
7,675
7,118
+ 1,008
+ 850
+ 739
+ 587
増減
出典:西東京市消防署 資料
22
第4章
被害者の支援
交通事故に関する被害者等からの様々な相談への的確な対応は、被害者の支援に有効
です。交通事故相談などを通じて交通事故被害者に対する支援に努めます。
1. 交通事故相談業務の充実
交通事故に関連する様々な相談に応じるため、(財)日弁連交通事故相談センター東京
支部からの派遣弁護士による無料市民相談を、田無・保谷庁舎の各市民相談室にて月 1
回実施するなど、交通事故被害者等からの相談に対応するための窓口を開設しています。
2. 東京都市町村民交通災害共済への加入促進
市民の交通災害に関し、適切な救済を行うことを目的として、加入者が事故にあわれ
た場合には、見舞金、交通遺児年金が支給される東京都市町村民交通災害共済を実施し
ています。制度につきましては市報等を通じて案内し、加入促進の PR をしていきます。
また、自転車運転者が加害者となった交通事故において、高額の賠償責任を負う事例
が発生していることを踏まえ、自転車の賠償責任に関する各種保険制度の普及啓発を図
ります。
≪参考≫
■交通事故相談受付件数の年度推移(平成 18 年度 ∼ 平成 22 年度)
表 10 交通事故相談受付件数
年 度
H18
H19
H20
H21
H22
相談件数 (件)
106
78
74
90
71
23
第5章
公共交通の安全確保
公共交通は、常に利用者からの安全に対する高い信頼性を確保している必要がありま
す。また、公共交通の事故は、ひとたび発生するとその被害は甚大なものとなり、他の
交通手段の代替利用の必要性が生じる等、市民の交通行動にも重大な影響をもたらしま
す。そのため、交通環境の整備や安全な運行の確保を図ります。
1. 鉄道交通環境の整備
(1) 利用しやすい駅施設等の整備
高齢者や障害者をはじめ、だれもが容易に利用できる駅施設等のバリアフリー等
の整備を推進してきました。引続き、整備を推進します。
(2) ホームでの安全確保
ア
利用者への対策として、視聴覚障害の方をはじめ、だれでも利用しやすい
案内表示や誘導ブロックを整備します。
イ
列車進入の注意喚起として列車接近自動放送装置や進入警報装置を設置
します。
ウ
線路へ転落した際の対策として、非常通報装置やホーム下避難場所、車両
間転落防止用外ホロ等を整備します。
これらを通じて、利用者の安全確保に努めます。
(3) 踏切道の安全を図るための措置
踏切保安施設の整備を推進します。また、踏切支障時における報知装置の操作の
周知徹底を図るため、操作方法を記した立て看板の設置等により踏切の安全通行の
啓発活動に努めます。
(4) 踏切の改良
交通渋滞の発生しやすいボトルネックになっている踏切については、行政や事業
者等の関連機関と改良について協議に努めます。
(5) 地震対策
地震時の安全輸送のため、早期地震警報システムの導入を図ります。
24
≪参考≫
■西東京市内の駅前整備及び踏切等の状況
表 11 市内 5 駅の整備等概況
駅
平成 22 年度
名
※平成 23 年 7 月現在
1 日平均乗降客数
バリアフリー対策
駅前整備
駅
75,106 人
改札内外整備済
北口整備済
西 武 柳 沢 駅
16,555 人
改札内外整備済
南口整備済
東
駅
24,286 人
改札内外整備済
整備済
ひばりヶ丘駅
67,591 人
保
駅
55,545 人
計
239,083 人
田
無
伏
見
谷
合
南口整備済
北口整備済
改札内外整備済
南口工事中
出典:西武鉄道㈱ 資料
表 12 市内の踏切の状況(平成 23 年 4 月現在)
通
行
自 動 車 可
構
造
踏切支障報知装置(押しボタン)設置
(うち踏切支障検知装置併設)
歩 行 者 の み
合
箇
所
数
22 箇所
(17 箇所)
5 箇所
計
27 箇所
出典:西武鉄道㈱ 資料
2. 路線バス交通環境の整備
(1) 運行管理の充実
乗務員の安全運転確保のため、対面点呼等の実施の強化等日常の取組みに加えて、
事業所による各種安全教育を実施します。また、運行管理者等の資質及び安全意識
の向上を図り、安全輸送の確保に努めます。
(2) 利用しやすいバスの導入及び利用環境の向上
高齢者や障害者をはじめ、だれもが乗り降りしやすいノンステップバス等の導入
や利用環境向上に取り組み、移動手段の充実を図ります。
25
(3) 公共交通の利用の促進
現在 5 ルートあるコミュニティバスについては、さらなる利便性の向上を図るた
め、今後の都市計画道路などの整備状況に合わせた見直しを検討します。
現行の路線バスについては、バス接近表示や目的地までの所要時間を表示するバ
スロケーションシステム等運行管理システムの導入により、公共車両であるバスの
利用を促進します。
≪参考≫
■西東京市内 5 駅でのバス乗車人員
表 13 市内 5 駅でのバス乗車人数
駅
名
田
西
無
武
東
ひ
保
合
柳
伏
ば
沢
見
り
ヶ
谷
丘
平成 22 年度平均乗車人数(平日)
西
武
バ
ス
関
東
バ
駅
7,800 人
乗り入れなし
駅
364 人
3,985 人
駅
243 人
10 人
駅
15,766 人
乗り入れなし
駅
4,180 人
175 人
計
28,353 人
4,170 人
ス
出典:西武バス㈱ 資料、関東バス㈱ 資料
26
≪参考≫
■はなバスの運行利用状況
表 14 はなバスの平均運行回数及び平均利用客数
系統
バスルート
運行回数
保谷駅北口∼青嵐台∼東松ノ木∼
あらやしき公園北∼保谷駅北口
第 3R
第 4R
(人)
会社等
左40
第 1R
第 2R
利用客数
821
下保谷二丁目住宅西∼東松ノ木∼
保谷駅北口
左3
東伏見駅北口∼保谷駅∼東伏見駅北口
右 22
東伏見駅北口∼保谷駅∼保谷庁舎
右1
東伏見駅北口∼鳥久保∼保谷庁舎
往4、復5
田無駅∼新町六丁目∼東伏見駅南口
往19、復19
541
田無駅∼田無高校∼田無駅
左27
411
東伏見駅∼電通裏∼東伏見駅
(H22.9.30 廃止)
左2
0.9
田無駅∼多摩六都科学館(平日)
往26、復26
田無駅∼多摩六都科学館(土、休日)
往28、復28
田無駅∼芝久保運動場(平日)
往4、復4
ひばりヶ丘駅∼保谷高校∼ひばりヶ丘駅
(平日)
右20
ひばりヶ丘駅∼如意輪寺∼保谷庁舎
(平日)
往5、復5
第 5R
ひばりヶ丘駅∼保谷高校∼ひばりヶ丘駅
(土、休日)
右21
ひばりヶ丘駅∼如意輪寺∼保谷庁舎
(土、休日)
往4、復4
27
477
西武バス
(市事業)
818
関東バス
(市事業)
499
西武バス
(市事業)
【附属資料】
1 西東京市交通安全対策会議委員名簿
2 計画の策定経過
3 西東京市交通安全対策会議条例
4 交通安全対策基本法抜粋
28
1.
西東京市交通安全対策会議委員名簿
(敬 称 省 略)
部
署
氏
名
1
西東京市
市長(西東京市交通安全対策会議会長)
坂
口
光
治
2
西東京市
副市長
加
藤
光
章
3
東京都北多摩南部建設事務所補修課長
山
4
警視庁田無警察署交通課長
三
5
東京消防庁西東京消防署長
山
6
西東京市交通安全協会長
清
7
西東京市高齢者クラブ連合会長
鈴
8
西東京市保谷身体障害者福祉協会長
茂
木
政
一
9
西東京市立谷戸小学校長
屋
宮
茂
穗
10
西東京市立田無第一中学校長
蚊
野
秀
明
11
西武鉄道㈱
計画管理部長
新
12
西武バス㈱
取締役管理部長
山
内
智
矢
13
関東バス㈱
運輸部営業担当部長
德
永
秀
昭
14
西東京市
福祉部長
尾
崎
正
男
15
西東京市
教育部長
手
塚
光
利
16
西東京市
都市整備部長
坂
口
基
成
29
本
國
聡
康
本
水
夫
豊
正
木
二
武
田
力
2.
計画の策定経過
年月日
作成経過
平成 23 年
7 月上旬
西東京市交通安全対策会議委員の就任の依頼
8 月 19 日
第 1 回西東京市交通安全対策会議
委員へ委嘱状の交付
●計画策定の考え方について
●交通事故状況の報告
●施策の方向等、計画骨子(案)の検討
10 月 14 日
第 2 回西東京市交通安全対策会議
●講じようとする施策について計画骨子(案)の検討
●救助・救急体制の整備について
●公共交通の安全確保について
交通安全計画素案の整理
交通安全計画素案の概要の作成
西東京市交通安全対策会議委員へ計画素案の提示
11 月 18 日
第 3 回西東京市交通安全対策会議
●交通安全計画(素案)の提示、検討
12 月 1 日
市民意見の募集(パブリックコメント)
∼12 月 16 日
平成 24 年
1 月 18 日
第 4 回西東京市交通安全対策会議
●交通安全計画(案)の提示、検討
2 月 16 日
第 5 回西東京市交通安全対策会議
●交通安全計画の承認
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3.西東京市交通安全対策会議条例
(設置)
第1条
交通安全対策基本法(昭和45年法律第110号)第18条第1項の規定に基づき、西東京
市交通安全対策会議(以下「会議」という。)を設置する。
(所掌事務)
第2条
会議は、次に掲げる事務をつかさどる。
(1)
西東京市交通安全計画を作成し、及びその実施を推進すること。
(2)
前号に掲げるもののほか、市の区域における陸上交通の安全に関する総合的な施策の
企画に関して審議し、及びその施策の実施を推進すること。
(組織)
第3条
会議は、会長及び委員15人以内をもって組織する。
2
会長は、市長をもって充てる。
3
会長は、会務を総理する。
4
会長に事故があるとき又は会長が欠けたときは、会長があらかじめ指名する委員が、
その職務を代理する。
5
委員は、次に掲げる者のうちから市長が委嘱し、又は任命する。
(1)
東京都の職員 1人
(2)
警視庁田無警察署の警察官 1人
(3)
東京消防庁西東京消防署の職員 1人
(4)
市の職員 3人以内
(5)
その他市長が必要と認める者 9人以内
(任期)
第4条
前条第5項第5号の委員の任期は2年とし、再任を妨げない。ただし、補欠の委員の
任期は、その前任者の残任期間とする。
(庶務)
第5条
会議の庶務は、都市整備部道路管理課において処理する。
(議事等)
第6条
この条例に定めるもののほか、会議の議事その他会議の運営に関し必要な事項は、会
長が会議に諮って定める。
附
則
この条例は、公布の日から施行する。
31
4.交通安全対策基本法(昭和 45 年法律第 110 号)抜粋
(市町村交通安全対策会議)
第18条
第1項
市町村は、市町村交通安全計画を作成し、及びその実施を推進させるため、条例で定める
ところにより、市町村交通安全対策会議を置くことができる。
(市町村交通安全計画等)
第26条
第1項
市町村交通安全対策会議は、都道府県交通安全計画に基づき、市町村交通安全計画を作成
しなければならない。
第3項
市町村交通安全計画は、次の各号に揚げる事項について定めるものとする。
(1) 市町村の区域における陸上交通の安全に関する総合的かつ長期的な施策の大綱
(2) 前号に掲げるもののほか、市町村の区域における陸上交通の安全に関する施策
を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項
第5項
市町村交通安全対策会議は、第1項の規定により市町村交通安全計画を作成したときは、
すみやかに、これを都道府県知事に報告するとともに、その要旨を公表しなければならない。
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