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ラテンアメリカにおける都市計画の成功事例研究 : ブラジルクリチバ市の
◎ ◇ ◇xノ 禦 ンち島 S「」FC-SWP98-A-OO6 ゆ ラテンアメリカにお ける都 市 計 画 の 一ブラジルクリチバ 市 の 都 市 計 画 は何 故 成 功 したの か一 ◇ち 峯 岸 まり子 ◇ 総 合 政 策 学 部4年 孟〃本 純 一 研 究b会 1998年 ◇ ◇ 秋 学 ヌ 野 電蕊 成功事例研究 ラテ ンア メ リカ に お け る都 市 計 画 の成 功 事 例 研 究 一 ブラジル ク リチバ市の都市計画 は何故成功 したのか一 慶慮 義 塾 大 学 総 合政 策 学 部4年 79509608峯 岸 ま り子 目次 は じめ に 第1節 ブラ ジル 諸都 市 の現 状 とク リチバ 市 概 観 1-1ブ 1-2ク 第2節 2-1都 ラジルの都市の状況 リチバ市の位置づけ、概要 ク リ チ バ 市 の 都 市 政 策 の 取 り組 み 市計画 2-1-1土 地 利用 2--1-2交 通 シス テ ム 2-2環 境計 画 2--2--1ゴ 第3節 成 功 の根 拠 3-1都 3-2環 第4節 市計画 境計画 成功の背景 4-1都 市 計 画 基 盤(戦 前) 4-2当 時 の 都 市 の 状 況 と整 備 4-2-1計 画 の必 然性 4-2-2効 率 的な 政策 4-3市 の意識 、住 民の意識 4-3-1tPPVCと 4-3-2環 4-4そ 第5節 市 長 の リー ダ ー シ ッ プ 境教 育 の 他(人 種 、 中 産 階 級) ク リチ バ 市 の 課 題 と展 望 5-1成 5-2ク 第6節 ミで は な い ゴ ミ、 ゴ ミ買 い 取 り プ ログ ラ ム 功の裏側 リチバ市の課題と展望 結論 終わ りに 1 は じめ に 途 上 国 に お い て は 、 都 市 部 人 口増 加 が 深 刻 な 問 題 と な っ て い る 。 ゴ ミの 増 加 、 人 口増 加 に 伴 う車 両 数 の 増 加 は 環 境 の 劣 化 を 引 き 起 こ して い る 。 タイ の 交 通 渋 滞 等 が 良 い 例 で あ る が 、 ラ テ ン ア メ リカ に お い て は 、 細 野 ら(1985)に 速 な 都 市 化(都 市 部 へ の急 速 な 人 口流 入)と 代 表 され る よ うに メ キ シ コ シテ ィ の 急 大 気 汚 染 が よ く取 り上 げ られ 、 研 究 の 対 象 と な る こ とが 多 い 。 ま た 、 現 在 で は メ キ シ コ第2の (1998)に 都 市 、 グア ダ ラハ ラ 市 の 環 境 悪 化 も 山 本 よ り指 摘 され て い る。 これ ま で 途 上 国 の 都 市 は 、他 の 見 本 と な る の で は な く、 しば しば 問 題 例 と され て き た 。 しか しな が らブ ラ ジ ル パ ラナ 州 ク リチ バ 市 の都 市 政 策 は 、 途 上 国 に あ りな が ら も成 功 し、 先 進 諸 国 が 学 ぶ べ き もの と して 注 目で き る 。1992年 、 リオ の 地 球 サ ミ ッ ト前 に ク リチ バ 市 で 行 わ れ た 世 界 都 市 会 議 で は 、 同 市 で 進 め られ て い る バ ス 主 体 の 交 通 シ ス テ ム に 対 し、 車 社 会 の 弊 害 を 被 る 世 界 の 各 都 市 は 大 きな イ ン パ ク トを 受 け 、 環 境 問 題 へ の 積 極 的 な 取 り組 み に 参 加 者 は 目 を 見 張 っ た 。 そ の 後 、 日本 国 内 で も ク リチ バ 市 の都 市 計 画 は 各 地 で 紹 介 さ れ 、 交 流 も進 ん で い る1。 そ して 地 球 サ ミ ッ ト以 降 は都 市 計 画 の 成 功 事 例 と して研 究 の 対 象 に も な っ て い る。 中村(1997)に 代 表 され る ク リチ バ 市 の 交 通 政 策 に 関 す る研 究 が 代 表 的 な も の で あ る が 、 こ れ ま で の 研 究 に お い て は 、 バ ス 主 体 の 交 通 シ ス テ ム と土 地 利 用 の 統 合 的 都 市 計 画 を 主 に 扱 っ た も の が ほ とん どで あ る。 ク リチ バ 市 の 行 う環 境 計 画 へ の 記 述 は 少 な く 、 詳 細 ま で 扱 っ た もの は 少 な い 。 ま た 、 都 市 政 策 成 功 の 背 景 一何 故 都 市 計 画 が 成 功 した とい え る の か 、 そ して 成 功 した と言 え る の で あ れ ば そ の 背 景 に は 何 が あ っ た の か 一、 現 存 す る 問 題 や 今 後 の 課 題 な ど に つ い て は ほ とん ど述 べ られ て い な い。 そ こ で 本 稿 で は まず 、 ク リチ バ 市 で 行 わ れ て い る都 市 政 策 全 般 に つ い て 環 境 計 画 を含 め て 概 観 す る。 そ の 後1.政 い る と され る根 拠 を示 した 上 で 、2.成 策 が 成 功 して 功 の背景 には何 があ った の かにつ い て追 求す る と と も に 、3.現 存 す る 問 題 や 予 想 され る課 題 につ い て 論 じ る こ と とす る。 "都 市 計 画"に は 様 々 な 内 容 が あ る 。 そ こで 、 本 稿 で は 土 地 利 用 政 策 、 交 通 政 策 な どハ ー ド主 体 の整 備 を"都 市 計 画"と 題 へ の 対 処 を"環 境 計 画"と は"都 市 政 策"を し、住 民 の意 識 を向 上 させ る よ うな ソ フ ト重 視 の 環 境 問 定 義 す る。 ま た 、 都 市 計 画 、 環 境 計 画 全 体 を 含 む 言 葉 と して 用 い る も の とす る。 ま た 、 ク リチ バ 市 の 行 う都 市 計 画 に は 、 歩 行 者 道 路 や 自転 車 専 用 道 路 等 の 数 々 の 道 路 整 備 、 歴 史 的 建 造 物 保 存 等 様 々 な 事 項 が 挙 げ られ る が 、 中 で も 土 地 利 用 政 策 と 交 通 シ ス テ ム を 主 に 取 り上 げ た 。 他 に 類 を 見 な い 土 地 利 用 と交 通 シ ス テ ム の 統 合 が 、 ク リチ バ 市 の 都 市 計 画 の成 功 を語 る 上 で 、 欠 か せ な い た め で あ る。 一 方 、 環 境 政 策 と して は ゴ ミ収 集 に 関 す る プ ロ グ ラ ム を挙 げ 、 そ の 背 景 と して 環 境 教 育 に つ い て 考 察 した 。 1岐 阜 市 の 岐 阜 市 カ ン ピ ロー ナ ス 市技 術 交 流 訪 伯 団 の 都 市 計 画 交 通 をテ ー マ に した 技 術 知 識 の 交 換(1996.8∼1997。9)や 大 阪 市 の 環 境 保 全 技 術 交 流(1994∼)等 で ク リチ バ 市 よ り人 を 招 き 、 講 演 会 が 開 か れ て い る。 2 、 。 そ の他 、 各 地 第1節 ブ ラジ ル賭 都 市 の 現状 とク リチバ 市概 観 1-1ブ ラ ジル の都 市 の 状 況 ブ ラ ジ ル の 全 人 口は1991年 国 とな っ て い る。20世 人 口が3倍 現 在 、1億4,680万 人 で あ り、 世 界 で6番 紀 半ば の 急 激 な 人 口増 加 に よ り、1950年 目に 人 口の 多 い に は5,190万 人 であ った 近 く に増 えて い る。 人 口 の 多 く は都 市 部 に 住 ん で い る が 、 人 口流 入 に 都 市 整 備 が 追 い つ か ず 、 市 の 周 辺 に は フ ァベ ー ラ2と 呼 ば れ る ス ラ ム が 形 成 され て い る都 市 も 多 い 。 一一 般 的 に 北 部 で こ の傾 向 は 強 く、 中 に は 町 全 体 に 占め る フ ァベ ー ラ の割 合 が60%以 上 にな る と ころ も あ る。 ブ ラ ジル の 比 較 的 大 きな 都 市 は 南 部 、 南 東 部 の 沿 岸 部 に 位 置 して お り内 陸 部 に あ る 大 き な都 市 は 少 数 で あ る。 しか しな が ら 、 沿 岸 部 の都 市 で 交 易 が発 達 す る 一 方 で 内 陸 部 諸 都 市 は 農 業 、 工 業 集 積 地 と して 発 達 して い る。 内 陸 部 の 中 で も南 部 の パ ラ ナ 州 全 土 は 農 業 地 と して 、 ま た 、 同州 の ク リチ バ 市 は 工 業 が 集 積 す る都 市 の 例 と して 挙 げ られ る。 ブ ラ ジ ル で 最 も人 口の 多 い サ ン ・パ ウ ロ に は さ ま ざま な 業 種 や 規 模 の 工 業 プ ラ ン トが あ る他 、金 融 機 関 も多 く存 在 し、 ブ ラ ジル の 主 要 な 金 融 セ ン ター と な って い る。 ま た 、 ブ ラ ジ リア遷 都 以 前 の 首 都 で あ っ た リオ ・デ ・ジ ャ ネ イ ロは ブ ラ ジ ル 文 化 の 中心 地 とい わ れ て い る。 しか し、 サ ン パ ウロ で は 車 の 排 気 ガ ス に よ る大 気 汚 染 の 深 刻 な 問題 が 存 在 す る ほ か 、 両都 市 と も に 、 超 高層 ビル が 立 ち 並 び 、 工 業 団 地 や 高 級 住 宅 街 が 形 成 され る 一 方 で 、 周 囲 を フ ァベ ー ラ が 取 り囲 む な ど、都 市 の さ ま ざ ま な側 面 が 混 沌 と して い る。 1--2ク リチ バ 市 の 位 置 づ け 、 概 要 図1ク ク リチ バ 市 は サ ン ・パ ウ ロ 市 の 南400km、 リチ バ 市 の位 置 ブ ラジル 南 部 に 位 置 す るパ ラ ナ 州 の 州 都 で あ る。 面 積 は 大 阪 市 の約2倍 の 広 さ で あ り比 較 的 温 暖 な気 候 で緑 が 多 い 。4 半 世 紀 の 問 に 人 口は10倍 に な り、 現 在 は160万 人が こ の 土 地 に 住 ん で い る が 、 人 口増 加 率 は な お も 国 の 平 均 を 上 回 っ て い る 。 ク リチ バ 市 民 に は ヨー ロ ッパ 系 移 民 が 多 く、 白 人 が90%以 上 を しめ て い る。 そ の 結 果 、 市 内 で は ヨー ロ ッパ 調 の 歴 史 的 建 物 が 多 く 見 られ る 。 更 に は 高 さ を 整 え られ た 建 物 群 に よ り町 並 み が 整 備 さ れ て い る。 バ ス 主 体 の 交 通 シ ステ ム 導 入 に よ る排 気 ガ ス の 減 少 、 (出 所)ServidordoEstadodo 環 境 教 育 な どの 徹 底 も あ り、 エ コ ロ ジー 都 市 ク リチ バ Parana(パ と い わ れ る が 、 ク リチ バ 市 で 主 な 産 業 は 工 業 で あ り、 21995年 ー ジ) 時 点 の ブ ラ ジ ル 国 内 の フ ァ ベ ー ラ の 箇 所 は3500に ネ イ ロ と サ ン パ ウ ロ の 周 り に あ り、 前 者 に は23万5千 活 を し て い る(ブ ラ ジ ル 大 使 館 ホ ー ム ペ ー ジ)。 3 ラ ナ州 公 式 ホ ー ムペ 上る 。 そ の213が 世 帯 、 後 者 に は20万7千 リオ デ ジ ャ 世帯 が生 ボ ル ボ 、 フ ォル ク ス ワ ー ゲ ンや ク ライ ス ラ ー な ど、 自動 車 産 業 も数 多 い 。 現 在 は 同 産 業 の 活 性 化 に も 力 が 注 が れ て い る。 経 済 成 長 率 は7.1%と 、全 国 平 均 の4.2%を 大 き く上 回 っ て い る。 第2節 2-1郁 ク リチ バ 市 の 都 市 政 第 の 取 り組 み 市 計画 現 在 の ク リチ バ 市 の 都 市 計 画 は 、1943年 、フ ランス人 ア ガニ ュに よる公園整備 、大通 り 整 備 等 を含 ん だ マ ス タ ー プ ラ ン の 制 定 に そ の 動 き が 始 ま る と され 、 本 質 的 に は そ の 後 の 1966年 の 新 た な マ ス ター プ ラ ンが 改 定 され な が ら今 日に 至 っ て い る。 マ ス タ・ … 一 ・Lプ ラ ンでは 基 本 方 針 が 定 め られ て い る が 、 方 針 を進 め る上 で の 中 心 は 、 土 地利 用 、 そ して 交 通 政 策 と な っ て い る。IPPUC(lnstitutodePesqui8aePlanejamentUrbanodeCuritibaの 日本 語 で は ク リチ バ 都 市 計 画 研 究 所)が 略称 、 都 市 計 画 の 中 心 と な り、 マ ス タ ー プ ラ ン の 作 成 、 改 定 、 ク リチ バ 市 の 開 発 計 画 に 関 連 す る研 究 な どが 進 め られ て い る。 2-1-1土 地利用 ク リチバ 市 の 土 地 利 用 を概 観 す る と、ま ず 外 周 部 分 が 緑 地 に な っ て い る こ とが わ か る(図 2)。 農 業 用 地(実 際 に は 農 業 と して は 使 わ れ て い な い)、 公 園 が こ の 地 域 の 大 部 分 を 占 め 、 グ リー ンベ ル トが 形 成 され て い る。 そ し て 、 公 園 の 多 く は 河 川 に 沿 っ た も の で あ る が 、 こ れ は 公 園 内 に 、 大 雨 に よ る 瞬 間 的 な 増 水 を コ ン トロー ル す る た め の 人 工 の 湖 が 整 備 され て い る た め で あ る。 この 土 地 は も と も と湿 地 帯 で あ り、 以 前 は 河 川 の 増 水 に よ り洪 水 が 多 く 生 じて い た 。 そ の た め 、1970年 代 には 自然 排 水 シ ス テ ム を保 護 す る法 律 が で き 、 そ れ に基 づ い て 公 園整 備 が 進 め られ て き て い る の で あ る。 現 在 市 内 に は20以 上 もの ス ポM-・ 一 …ツ 、 レ ジ ャー 施 設 を伴 う公 園 が 整 備 され て お り、 巡 回 バ ス や 自転 車 専 用 道 路 が 公 園 と公 園 と を結 ん で い る。 一 方 、 内 部 に注 目す る と 、段 階 的 な 土 地 利 用 が 目に 付 く。 低 層 、 中 層 、 高 層 住 宅 地 が 見 られ 、 中 心 部 に は 商 業 、 サ ー ビ ス 業 の 集 積 す る 土 地 が あ る。 ク リチ バ 市 の こ の ゾ ー ニ ン グ の シ ス テ ム は 日本 に お け る 市街 化 区域 と市 街 化 調 整 区 域 、 そ れ に 伴 う容 積 率 の 上 限 設 定 と して 見 る こ とが で き る(中 村1997)。 土 地 利 用 は 日本 よ り も細 か い規 定 が 設 け ら れ て お り、秩 序 だ っ た 開 発 を 目指 して い る こ とが 感 じ られ る。 ク リチ バ 市 で は 、 中 心 部 よ り放 射 状 に広 が る5本 専 用 道 路 、 そ れ ぞ れ ブ ロ ッ ク を は さん で 左 右3車 の都 市 軸(主 に 、 中 心 の4車 線 のバ ス 線 の 一 般 車 両 道 路 か ら成 っ て い る)を 基 準 に 土 地 利 用 政 策 が 行 われ て い る。 ま ず 、 都 市 軸 内 の2ブ ロ ッ ク で は 、全 て の 商 業 サv・ 一 ・ 一 ビ ス機 能 の 立 地 が 可 能 で あ る。 高 さ制 限 が な く最 も規 制 が 緩 い 場 所 とな っ て お り、 こ の都 市 軸 の 上 に は 商 業 、 サ ー ビス を は じ め と した 多 く の 機 能 が 集 中 して い る。 そ して この 軸 外 に は 住 宅 地 が 広 が る。軸 か ら離 れ る に従 い 、ZR(ZonaRe8idencia1一 ZR1と 住 宅 地 域 ・)4、ZR3、ZR2、 定 め られ て い る。 数 が 大 き い 場 合 に は 高 い 建 物 も可 能 で あ る が 、 数 が 減 る に 従 い容 積 率 が 低 く な る為 に 高 さ制 限 が 厳 し く な っ て い く。 結 果 、 軸 か ら離 れ る に つ れ 、 一 戸 建 て 5 図2ク リチバ 市 の 土地 利 用 図 都 市 軸3 LEGENDA 2R・1 ZR・2都 市 軸1 (番号 は任 意) 幽2R・3 ■■2R・` 1■■■SETORESTRUTURAL ■SEREC ㍗' - 樋■圏 幽幽ZONACENTRAL 都 市 軸4 U ン 、 幽ZO吋ADESERVI{}OS ノ CE周 「ROCIV}CO ■■-S訂ORHISTORtCO ZONAESPECIAL ノ ・^ '\ ■ ■圏SETORRESIDENCtAtl 、 ・} SE「ORREStDENCIAL2 .' .、 閥 SETORCOMERCIALlE2 ノZONAAGR ICOLA ■■■lNOVACUR『IBA 噂 CONEcrTOR SR・2APAPASSAUNA 、を 樋圏1馳 聾SR。fAPAPASSAU四A /隆 '濫こ 劉LAGOPASSAU閥A ●●, 、' 懲 騨:PARQUEIGUAgU , t.」 o●"㌔ Yノ 20NAINDUSTRIAL ムREAINDUS「RlAL 都 市 軸2 塾、,!づ イ翼 ●o,ob" SAl lSEHss 都市軸5 .博暁 、 ■ ■TC 劇UM・USOM邑 ・ 雛 訂O 1r爵 ・ ZEH 幽ZES SEl (出 所)HOMEPAGEIPPUC(ク リチ バ 市 ホ ー ム ペ ー ジ 内IPPUC公 7 式 ホ ー ム ペ ー ジ) の 家 が 広 が り、 高 級 住 宅 街 が 形 成 され て い る 。 市 中心 部 か ら外 へ 広 が る に つ れ て で は な く、 軸 か ら離 れ る につ れ 、 商 業 地 か ら住 宅 地 へ 誘 導 さ れ て い る こ とに 注 目で き る。 ま た 、 西 部 に は 工 業 地 が 広 が る。 湖 付 近 の 湿 地 帯 は 公 園 の ほ か 、 現 在 工 業 地 と して 利 用 され て い る の で あ る。 一方 、 こ の よ うな 市 が 定 め る土 地 利 用 を ス ム ー ズ に進 行 させ る 仕組 み と して の 民 間 へ の イ ン セ ン テ ィ ブ も 存 在 す る 。 開 発 業 者 が 市 へ 土 地 を提 供 す る こ とで 、 容 積 率 や 高 さの 規 制 を緩 め る とい う取 り決 め は 、 全 て の 地 域 で の適 用 で は な い が 、 この 仕 組 み に よ る 土 地 取 得 に よ りク リチバ 市 で は 、 公 園 整 備 や 交 通 整 備 が 進 め られ て い る。 2-1-2交 逓 シス テ ム 道 路 の 混 雑 を き っ か け に して 、 ク リチ バ 市 で は1970年 代 よ りバ ス 主 体 の 交 通 シ ス テ ム が 形 成 され て い っ た が 、 中 心 部 と周 辺 地 域 と を結 ぶ シ ス テ ム は 当 時 、 革 新 的 な も の で あ っ た 。 幹 線 道 路 に 沿 っ た 市 街 地 の 発 展 を ね ら い 、 既 存 の 道 路 を利 用 して 計 画 が 進 め られ た こ とに よ り、 新 た な 道 路 整 備 や そ れ に 伴 う地 価 の 上 昇 を 防 い で き た の で あ る。 そ して 、 そ の 後 、 乗 換 駅 や 随 所 の バ ス 停 設 置 に よ り統 合 化 され た 輸 送 網 が1980年 に 確 立 され 、 こ の 統 合 的 バ ス シ ス テ ム を も とに 、 今 な お 路 線 網 は 拡 大 しつ つ あ る 。 軸 内 幹 線 道 路 か ら 各 路 線 が 次 々 に結 び 付 け られ 、15年 っ て い る。1996年 い る。1997年 程 の 間 に ク リチ バ 市 の 大 部 分 の 地 域 を バ ス が 行 き交 うよ うに な に は 、 パ ラ ナ 州 と協 定 が 結 ば れ 、 ク リチ バ 都 市 圏 ま で 路 線 は 拡 大 され て 時 点 で都 市 圏 に お け る路 線 は340kmに る と い う。8つ お よ び 、1550の バ ス が 運 行 して い の 市 と協 力 しな が らバ ス 統 合 シス テ ム の 確 立 が 進 め られ て い る。 実 際 のバ ス 路 線 の 組 ま れ 方 を見 て み る と、 主 に5本 の 軸 を 通 る 幹 線 道 路 、 お よび 軸 ど う し を 結 ぶ 軸 間 の 環 状 道 路 が 中 心 で あ り、 そ の 他 、 バ ス ター ミナ ル か ら他 の 地 域 へ と広 が る 支 線 か らな っ て い る。 都 市 軸 の 中心 に は バ ス 専 用 道 路 が 設 定 され 、 一 般 車 両 は 乗 り入 れ で き な い 。 ま た 、 そ れ 以 外 に もバ ス 専 用 道 路 や バ ス 逆 行 レー ン 等 が 設 け られ 、 バ ス の 優 先 方 策 が 進 め られ て い る。 しか し一 方 で 、バ ス が 一 般 車 両 道 路 を全 く 通 らな い わ け で は な い 。 路 線 に よ っ て は 一 般 車 両 と と も に 走 行 して お り、1991年 よ り運 行 が始 ま っ た 直 行 バ ス は1 つ の 例 で あ る。 こ れ は 、 他 の バ ス の 停 車 に よ る 速 度 低 下 を 避 け る た め に 一 般 車 両 道 路 を 走 表1ク リチバ市におけるバス政策年表 バ ス システ ム の導入 RIT(RedeIntegradadeTransporte)〈 統 合 的 バ ス 輸 送 シス テ ム 〉の 導 入 直 行 バ ス(ス ピー デ ィ バ ス)の 運 行 、 チ ュー ブ 式 バ ス 停 の 導 入 3両 連 結 車 両 バ ス の 導 入 3両 連 結 車 両 バ ス に伴 う新 しい チ ュ ー ブ 式 バ ス 停 の 設 置 ク リチ バ 都 市 圏 へ のバ ス シ ス テ ム の 拡 大 (出 所)HOMEPAGEIPPUC(ク リチ バ 市 ホ ー ム ペv・ 一 ・ ・ジ 内IPPUC公 筆者作成 9 式 ホ ー ム ペV…Lジ)を も と に 図3バ ス 路 線 網 の 発 達(1980年 ∼1997年) 繭 π ー﹀ 、 グ ー 0 . く ノ㌢ -、 6 膨 ㌔5 伊 ;㌦ り`鬼 賃 デ ノ、 ・ 実籔 、 、 勢1fI辱 ノ i 4 ノ"『 ・ ㌧ノg3 【'響 」1炉 ,.〆} 妥 .遜 謄 97 (出 所)且OMEPAGEIPPUC(ク リチ バ 市 ホ ー ム ペ ー ジ 内IPPUC公 一11一 ア∼ ♪ ∼レ 90 益-≠ ひ ノ88 式 ホ ー ム ペ ー ジ) ノ ♂ノ ,1.避 聖' N 一・-1・ 掘 ,㌔ ﹄ 琶 ・- 隔i", ∼望 ず 疋 ワ ・' .・ ノ L { 腫㍉ , ノ! り ず恥 、 ド 91 っ て い る と い う。 ク リチ バ 市 に お け る統 合 的 バ ス 輸 送 シ ス テ ム の 運 営 は 次 の 通 りで あ る。 市は 契約 に基 づ き バ ス 価 格 の1%を バ ス を 所 有 し て い る 会 社 に 毎 月 支 払 う。10年 取 り、 所 有 者 と な る 。 バ ス は そ の 後10年 て い る,そ 後に 市はそのバ スを買い 間 利 用 され た 後 、 公 園 巡 回 バ スな どで 活 用 され の 他 、 バ ス 会 社 へ は 乗 客 の 数 に 関 係 な く運 行 路 線 の 距 離 に 準 じ た 金 額 が 支 払 わ れ 、 乗 客 利 益 そ の もの は 市 の 収 入 に 反 映 され る こ とに な る。 この 為 、 利 用 者 の 増 減 が 市 の 収 入 に 直 結 し、 結 果 と して 市 は 必 死 にバ ス 利 用 を促 さな けれ ば な らな い 仕 組 み とな っ て い る。 制 度 面 の 他 、 ク リチ バ 市 の バ ス シ ス テ ム の 特 徴 は バ ス の 形 状 に も あ る 。 バ ス は 色 分 け さ れ 、 赤 や オ レ ン ジ 、 緑 等 、 路 線 に よ り 明 確 に 分 け られ て お り、 一 目 で 判 断 しや す く な っ て い る 。 ま た 、 幹 線 道 路 を 走 る 連 結 バ ス も 目 に 付 く。 そ れ ま で2両 て い た が 、1992年 2倍 以 上 、5枚 が で き る.そ に は3両 連 結 バ ス が 取 り入 れ られ た 。 全 長 は25mで の ドア を 備 え て い る 。 定 員 は270名 の 他 、1991年 連 結 バ ス が 主 に 用 い られ あ り普通 の バ スの で あ り、 多 くの 人 々を 一 度 に運 ぶ こ と 需 要 の 増 加 に 伴 い 導 入 され た 直 行 バ ス も 特 殊 な 形 状 を し て い る,, 普 通 の バ ス と左 右 逆 に ドア が 取 り 付 け ら れ 、 バ ス タ ー ミナ ル で は 他 の バ ス と は 反 対 側 に 横 付 け で き る 。 こ れ に よ り、 停 車 時 間 を 短 縮 さ せ る こ と で 、 平 均 速 度 を 高 い 値 で 保 っ て い る。 以 上 の よ うな バ ス そ の も の の 改 造 や 工 夫 は 、使 い や す さ 、 そ して 定 員 の 拡 大 や 停 車時 間 短 縮 に 見 られ る よ う に 輸 送 効 率 を 一層 高 め て い る の で あ る 。 連結バ ス 写 真2チ ・ ヘ 親1 レ し ., ﹁ ,遭 ' 酬蜘 、 電 真1、2共 ㌧ `、、 戦 ぜ (出 所)写 爵 錦脊 ・ 縮3 イ 'L'γ 礁 一 亀轡 ー、 " 4 F メ'鰍'群 饗 の 'ダ 、ー 暴 竪 .い'て3 ュー ブ 式 バ ス 停 内 部 駆 写 真13両 にPrefeituraMunicipaldeCuritiba(ク 髄臓 リ チ バ 市 公 式 ホ … ム ペ … ジ) ま た 、 チ ュ ー ブ 式 バ ス 停 も ク リ チ バ 市 な ら で は の も の で あ る 、,チ ュ ー ブ 型 で あ る こ の バ ス停 は 、 乗 車 を待 つ 人 々 を 風 雨 か ら守 っ て い る。 バ ス に乗 る ま で の … 連 の 動 き を 見 て み る と 、 まず 、 バ ス 停 入 り 口 で 係 員 に 料 金 を 支 払 い 、 チ ュ ー ブ の 中 で バ ス を 待 つ 。 そ の 際 、 チ ュ … ブ の 高 さ は バ ス 乗 車 口 に あ わ せ られ て い る 為 地 面 よ り 高 く な っ て お り 、 バ ス 停 の 入 り 口 に は 昇 降 装 置 が 備 え 付 け ら れ て い る 。 リ フ ト操 作 は お 金 を 受 け 取 る 係 員 が 行 い 、 車 椅 子 の 人 々 に と っ て も 利 用 しや す い 。 そ し て バ ス が 到 着 す る と バ ス か ら 板 が 惇 留 所 側 に 伸 ば さ 一13一 れ 、 停 留 所 の 扉 が 開 き 、 幅 広 い 扉 か ら乗 り込 む 。 チ ュ ー ブ式 バ ス 停 は 入 り 口、 出 口が 決 ま っ て お り、 人 の 流 れ は 一 定 で あ り乗 降 客 が 入 り乱 れ る事 は な い 。 こ の よ うな 一 風 変 わ っ た 仕 組 み は 世 界 か ら注 目 され 、 ニ ュ ー ヨー ク で は 実 際 の バ ス 停 や バ ス を運 ん で の デ モ ン ス ト レー シ ョン も行 わ れ て い る。 こ の よ うに ク リチ バ 市 の バ ス 主 体 の 交 通 シ ス テ ム は 、 都 市 軸 を 中 心 と した バ ス 輸 送 の シ ス テ ム の 他 、 バ ス の形 状 、 そ して バ ス 停 の 形 状 に よ り成 り立 っ て い る の で あ る。 2-2環 境計 薗 「エ コ ロ ジ ー 都 市 ク リチ バ 」 と も い わ れ る よ うに 、 ク リチ バ 市 で は 実 際 に 環 境 に 関 す る プ ロ グ ラ ム が 設 け られ 、清 掃 課(DepartamentodeLimpezaP"blica)が 中 心 とな っ て 実 践 され て い る 。 中 で も ゴ ミ問題 に 焦 点 が 当 て られ て い るが 、 そ れ ぞ れ の プ ロ グ ラ ム は 互 い に 関 連 しあ い 、 進 め られ て い る。 こ こで は 、 ゴ ミに 関 す る プ ロ グ ラ ム を2つ 同時 に掲 げ な が ら概 要 を 説 明 す る。 2-2--1ゴ ミで は な い ゴ ミ、 ゴ ミ買 い 取 り プ ロ グ ラ ム 消 費 の 増 大 、 そ して そ れ に 伴 う都 心 部 に お け る ゴ ミの 量 の 増 加 に も 関 わ らず 、 ブ ラ ジ ル で は 半 数 以 上 の都 市 で ゴ ミ は の ざ ら しに され て い る。 ブ ラ ジル で は1日 に241,614ト ンの ゴ ミが 生 じて お り、 そ の 状 況 を認 識 しつ つ ク リチ バ 市 で は ゴ ミに 関 す る プ ロ グ ラ ム が 設 け られ て い る。 "ゴ ミで は な い ゴ ミ"プ ロ グ ラ ム 、"HXOQUENAOELIX(),・ は1989年10月 よ り始 ま っ た も の で 、 ゴ ミ分 別 収 集 を 徹 底 させ る 為 の プ ロ グ ラ ム で あ る。 有 機 ゴ ミ とそ れ 以 外 の ゴ ミを 分 け る とい う単 純 な もの で あ る が 、 日本 式 の よ うに"燃 え る ゴ ミ"、"燃 え な い ゴ ミ" と して 燃 え るか 否 か 区 別 す る の で は な く 、 再 生 で き る か で き な い か を考 慮 した 上 で の 分 別 収 集 の 徹 底 で あ る。 当初2分 別 で は じま っ た が 、 次 第 に 細 分 別 され る よ うに な り、 今 で は 5分 別 の 収 集 を 達 成 して い る。 ま た 、 アル ミニ ウム 、 ガ ラ ス 、 紙 な どが 何 か ら作 られ て い る の か 、 リサ イ クル す る こ と で どれ ほ ど の 原 料 を 節 約 す る こ と に な る の か が プ ロ グ ラ ム の 中 で は 示 され 、 人 々 に そ の 大 切 さを 訴 え て い る。 一方 、低 所 得 者 に 対 して の ゴ ミを集 め る シ ス テ ム の 徹 底 と 、 そ れ に伴 う彼 らへ の イ ンセ ン テ ィ ブ の 働 き か け も 行 わ れ て い る 。 そ れ が ゴ ミ買 い 取 り プ ロ グ ラ ム"COMPRADO LIXO"で あ り、 こ れ ま で 収 集 車 が 入 る こ とが 難 しい か っ た 地 域 で の ゴ ミ収 集 を 達 成 した 。 この プ ロ グ ラ ム は1989年1月 よ り始 め られ た もの で 、 ゴ ミの 回 収 が 必 要 と され る環 境 の 悪 化 した 地 域 を 対 象 に した プ ロ グ ラ ム で あ る。 プ ロ グ ラ ム へ の 参 加 が コ ミ ュ ニ テ ィ単 位 と され るた め に 、 低 所 得 者 層 の 住 む フ ァベ ー ラ等 に お い て この 制 度 が 重 要 な 役 割 を 果 た して い る 。 コ ミュ ニ テ ィ内 の コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン 、 協 働 等 コ ミ ュ ニ テ ィ の つ な が りが 図 られ る こ とが あ る た め で あ る。 買 い 取 りの シ ス テ ム は 、1∼4袋 一15一 分 の ゴ ミで 、1袋 の 食 物(卵 や バ ナ ナ 、 キ ャ ベ ツ 等)、 約0.53レ ア ル3分 、5袋 で は5×0.53レ め 、 玉 ね ぎ 、 パ ス タ 、 に ん じ ん 、 に ん に く 等)と ア ル 分 の 食 物(米 、芋 、ま 交 換 す る。 外 に 捨 て られ た ゴ ミ 、公 共 道 路 に 捨 て ら れ た ゴ ミ等 の 回 収 を 目 的 と し 、 収 集 車 ヘ ゴ ミ を 持 っ て い く と そ の ゴ ミ の 量 に 応 じ た 食 料 と 交 換 で き る の で あ る4。 第3節 成功の根拠 ク リチ バ 市 で は 以 上 の よ うな 政 策 が 取 られ 、 都 市 計 画 の 推 進 、 お よび 環 境 計 画 が 進 め ら れ て い る 。 実 際 に これ らの 政 策 は 現 在 注 目 を集 め 、 ク リチバ 市 の 都 市 か らは 学 ぶ もの が あ る と し、 各 国 は 非 常 に評 価 して い る5。 実 際 に プ ラ ン そ の もの は 画 期 的 で あ り、 他 都 市 が 学 ぶ べ き こ とが 多 い よ うに 思 わ れ る。 バ ス の シ ス テ ム 等 も 、 形 状 を改 造 す る こ とで 取 られ て い る 輸 送 効 率 の 拡 大 は 視 覚 に 訴 え る 政 策 で あ り、 訪 れ る人 々 の 目を 引 い て い る。 そ こ で 、 本 節 にお い て は これ ま で の都 市 政 策 の成 果 につ い て デ ー タ な ど を も とに して ま と め な が ら ク リチ バ 市 の 都 市 政 策 の効 果 に 言 及 す る。 3-1都 市計画 土 地 利 用 政 策 にお い て 見 られ る顕 著 な 成 果 は 、 排 水 路 整 備 の た め に 進 め られ た 公 園 計 画 に よ る緑 地 面 積 の 増 加 で あ る。1970年0,5㎡ 現 在52㎡ で あ っ た ク リチ バ 市 の1人 あ た り緑 地 面 積 は とな っ て い る6。人 口密 度 の 違 い も あ り、 直 接 的 に 他 の都 市 と比 べ る こ と は難 し い が 、 人 工 池 を 設 け る こ とで 洪 水 を 防 ぐ 目的 を果 た しな が ら、30年 弱 の 間 に1人 緑 地 面 積 を50㎡ あ た りの も 拡 大 した こ と は評 価 で き る。 自然 を 主 体 と した ク リチ バ の 公 園 設 立 は コ ン ク リー ト中 心 の整 備 に 比 べ 、1!5の 費 用 で 済 ん で い る な ど財 政 の節 約 も達 成 して い る7。 ま た 、 公 園 整 備 に 伴 う緑 地 拡 大 の 背 景 に は 、 民 間 か らの 整 備 費 用 の 捻 出 、 士 地 取 得 に よ る 公 共 用 地 の 確 保 が あ る。 開 発 者 が 金 銭 か 土 地 を 市 に 提 供 す る こ とで 、 容 積 率 、 あ るい は 高 さ制 限 に ボ ー ナ ス を得 られ る8仕組 み は 、都 市 整 備 に 向 け た 民 間 サ イ ドへ の動 機 づ け で あ り、 うま く機 能 して い る。 一方 、 これ ま で の 研 究 で 示 され て い る通 りバ ス 主 体 の 交 通 シ ス テ ム が ク リチ バ 市 で 果 た して い る 役 割 は 非 常 に 大 き く 、 い くつ か の 成 果 を 見 せ て い る。 急 速 な都 市 化 に よ り都 市 部 混 雑 が 激 化 し た の は1950年 た が 、50年 代 後 半 で あ り、 こ の こ ろ か ら交 通 政 策 の 必 要 性 が い わ れ て き 弱 を経 た 現 在 、バ ス を利 用 した 交 通 シ ス テ ム が確 立 した こ とで 、 中 心 部 へ の 車 両 の 乗 り入 れ が 低 い 数 で抑 え られ て い る。 市 民 の 自動 車 保 有 は3人 31999年1月 4当 5ア 6サ 末現 在 に1台 で あ り、 これ は 、1ド ル=2レ アル 初 は バ ス 乗 車 券 との 交 換 で あ っ た が 、 現 在 は 食 料 との 交 換 と な っ て い る。 メ リカ の 大 学 の 授 業 等 で も よ く扱 わ れ て い る よ うで あ る 。 ン パ ウ ロ 市 の1人 あ た り 緑 地 面 積 は4㎡ 、 東 京23区 お よ び 大 阪 市 の 同 値 は2。5∼4㎡ で あ る。 7J .ラ ビ ノ ビ ッ チ 、J.レ イ トマ ン(1996) 8中 村(1997) 一16一 人 口比 率 で 言 え ば ブ ラ ジ リア の 次 に 多 い9。 そ れ に もか か わ らず 、 現 在 で は 通 勤 者 の 内314 が 、 す な わ ち1日 延 べ130万 人 も の 人 々 が バ ス を利 用 して い る の で あ る10。そ して バ ス 利 用 者 が 多 く、 自家 用 車 利 用 が 少 な い こ とは 、1人 い る。 他 都 市 と比 較 す る と約25%燃 あ た りの燃 料 消 費 も 少 な い 値 に と どめ て 料 消 費 量 が 少 な い こ とか ら、 資 源 の 節 約 に つ な が っ て い る と共 に 、 環 境 へ の 負 担 を少 な く して い る。 そ の 他 、 乗 り換 え 時 間 の短 縮 と輸 送 効 率 が 高 い 事 に も注 目 で き る。 チ ュ ー ブ 型 バ ス 停 の 導 入 に よ り、 バ ス の停 車 時 間 は1分 と短 い 。 料 金 の 支 払 い が 乗 車 前 に あ らか じめ 行 わ れ て い る 事 で 、 バ ス 到 着 時 の 乗 降 が ス ム ー ズ に 行 わ れ て い る。 ま た 、 連 結 バ ス は 大 量 輸 送 を 実 現 して い る。日本 で は 千 葉 県 で1998年 ク リチ バ 市 で1992年 よ り2連 結 バ ス の 運 行 が始 ま っ た ば か りで あ る が 、 に 導 入 され た3連 結 バ ス は270名 の 客 を乗 せ る こ とが 可 能 で あ り、 輸 送 効 率 は 一 層 高 くな っ て い る の で あ る。 更 に は 、 経 済 的 な 面 で も バ ス 主 体 の 交 通 シ ス テ ム は評 価 され う る。 交 通 体 系 を 地 下 鉄 中 心 に して 考 え た な らば 、 そ の 工 費 は1kmあ ス の 場 合 は20万 米 ドル(毎km)で 鉄 の そ れ の1!300に た り6000万 か ら7000万 米 ドル で あ るが 、 バ あ る11。従 っ て 、 バ ス シ ス テ ム の イ ン フ ラ 構 築 は 地 下 な る計 算 で あ り、 交 通 シ ス テ ム構 築 の 際 の 工 費 削 減 を 達 成 して い る と い う点 に お い て もバ ス 主 体 の 交 通 シ ス テ ム は 現 在 成 功 して い る都 市 政 策 の 一 つ で あ る こ と が 確 か め られ る。 3--2環 境計画 ゴ ミで は な い ゴ ミプ ロ グ ラ ム に よ り、 ク リチ バ 市 で は 家 庭 ゴ ミ70%を リサ イ クル で き る ゴ ミ と して 回 収 して お り、 分 別 収 集 も進 ん で い る 。 徹 底 度 は ブ ラ ジル の 中 の 都 市 で も最 も 高 い。 リサ イ クル で き る ゴ ミ1日 の 回 収 量 は1200本 分 の 木 に 見 合 うも の と もい わ れ て い る。 ま た 、 リサ イ クル は 家 庭 ゴ ミに と どま らず 、 市 の 公 共 設 備 な どま で も が 目に 見 え る と こ ろ で 再 生 され て い る 。 古 くな っ た 木 造 の 電 柱 は 環 境 大 学 付 近 の オ ブ ジ ェ 、 公 舎 な ど に 使 わ れ 、 古 く な っ た バ ス は 公 園 巡 回 バ ス や 移 動 学 校 と して利 用 され て い る の で あ る12。 並 行 して 行 わ れ て い る ゴ ミ買 い 取 りプ ロ グ ラ ム に は 現 在41の コ ミュ ニ テ ィが 参 加 し、 実 行 され て い る。 主 に 低 所 得 者 層 が 居 住 す る地 域 が 対 象 で あ り、 プ ロ グ ラ ム に よ っ て ス ラ ム の 環 境 向 上 、 ス ラ ム に住 む 人 々 の 環 境 に 対 す る 意 識 向 上 が な され て い る。 そ し て 、 プ ロ グ ラ ム に よ る食 料 との 交 換 制 度 が 、 彼 らに 対 して 働 く とい うイ ン セ ンテ ィ ブ を 与 え る こ と に役 立 っ て い る と 言 え よ う。 ゴ ミ分 別 収 集 な どに よ る成 果 は 、 国 連 か ら も認 め られ1990 年 に は 国 連 環 境 プ ロ グ ラ ム 賞 、 地 球 エ ネ ル ギ ー 賞 を 、 そ して1992年 91997年 現在 、295台!1000人(HOMEPAGEIPPUC〈 ク リ チ バ 市 ホ ー ム ペ ー ジ 内IPPUC 公 式 ホ ー ム ペ ー ジ>>。 ブ ラ ジ ル 国 民 全 体 の 車 所 有 の 平 均 は10人 ホ ー ム ペ ー ジ) 10J .ラ ビ ノ ビ ッ チ!」.レ イ トマ ン(1996) 11J .ラ ビ ノ ビ ッ チ!J.レ イ トマ ン(1996) に はス ラム の改 善 に 一17一 に1台(ブ ラ ジル 大 使 館 よ る賞 を 受 け て い る。 第4節 成 功 の 背景 ク リチ バ 市 が 行 っ て き た 主 な都 市 政 策 、 お よび そ れ らが 成 功 とい わ れ る 所 以 につ い て 述 べ て き た 。 しか しな が ら 、 ク リチ バ 市 は 他 の ラ テ ン ア メ リカ 諸 国 に お け る 急 激 な 都 市 化 と 同 じ く、 近 年 都 市 人 口の 増 加 を経 験 して い る。 第2時 1965年 に は50万 人 に 増 え 、 そ して現 在 で は160万 世 界 大 戦 直 後15万 人 だった 人 口は 人 が 居 住 して い る。 他 の 都 市 の 無 秩 序 な都 市 計 画 、 環 境 汚 染 等 が 指 摘 され る 一 方 で 、 何 故 ク リチ バ 市 の 都 市 政 策 が 成 功 して き た の か 、 そ の 要 因 に つ い て 考 察 す る。 成 功 の 背 景 と して 、 山 崎(1992)は ク リチ バ 市 の 都 市 特 性 を 挙 げ て い る。"都 市 政 策 を 実 現 す る に は 適 当 な サ イ ズ か も しれ な い"(山 崎 、1992)と 都 市 の規 模 を政策 実 現 の理 由 の 一 つ して い る。 急 激 な 人 口増 加 を 経 験 して は い る も の の 、 サ ンパ ウn市 の 人 口 が1100 万 人 で あ る の と比 較 す る とク リチバ 市 の 人 口160万 人 が 非 常 に少 な い の は確 か で あ り、 政 策 対 象 と して や りや す い 規 模 で あ る と充 分 考 え られ る。 しか し、首 都 ブ ラ ジ リア(人 口180 万 人)の 都 市 計 画 が 失 敗 例13と して あ げ られ る よ うに 、 都 市 規 模 の み で 都 市 政 策 の 成 功 が 決 ま る わ け で は な い 。 そ の他 の さ ま ざ ま な 要 因 が 働 い て 理 想 的 な 都 市 が 創 られ て い く の で あ る。 そ こ で 、 本 節 で は 成 功 の 背 景 を 、 ク リチ バ 市 の 都 市 政 策 基 盤 、 現 代 都 市 政 策 に っ な が る政 策 開 始 当 時 の ク リチ バ 市 が 置 か れ て い た 状 況 、 政 策 に 関 与 す る人 々 の 意 識 とい う3 つ の 側 面 か ら捉 え て み た い 。 4-1部 市 計 爾 善 聲(戦 前) ク リチ バ 市 の 都 市 特 性 の 他 、 ク リチ バ 市 の 歴 史 に も都 市 計 画 の 土 壌 を 見 る こ とが で き る。 そ こで 、 現 在 の都 市 計 画 開 始 以 前 に 注 目 し、 ク リチ バ 市 の 都 市 計 画 の 歴 史 を 追 うこ と とす る。 こ こで 、 現 在 の都 市 計 画 の 流 れ は 、1943年 に制 定 され た ア ガ ニ ュ に よ る ク リチ バ 市 の マ ス ター プ ラ ン に始 ま っ た と設 定 す る。 ク リチ バ 市 で は1600年 代 末 移 民 が 到 着 し、 早 く も1700年 代 初 め には現在 の環境都 市 に 通 じ る ビ ジ ョン が 制 定 され て い る。 伐 採 可 能 地 域 の 指 定 、 住 居 建 設 時 に お け る 市 議 会 の 許 可 制 度 や 、 家 屋 へ の屋 根 設 置 の義 務 づ け な どが 当 時 の ビ ジ ョ ン の 主 な 内 容 で あ る 。 そ の 後 1853年 に パ ラナ 州 州 都 とな り、 次 第 に発 展 して い く。 通 りは2つ や 映 画 館 な ど が 次 第 に 建 て られ て い っ た。1800年 だ けであ った が、学 校 代 末 に は 緑 地 、 環 境 保 護 、公 衆 衛 生 を 結 び 付 け た 概 念 の 公 園 も創 られ て い る。 こ の 公 園 はPa8seioPUblicoで あ り、 現 在 も レク リ エ・ 一 一 一 ・ 一 シ ョ ン機 能 を持 つ 公 園 と して 人 々 に利 用 され て い る も の で あ る。1900年 代 に は い る と、 水 道 、 下 水 、 公 衆 衛 生 、 外 灯 の 改 良 、 新 た な 通 りが 舗 装 され 、 そ して 街 路 樹 が 植 え られ て 12J .ラ ビ ノ ビ ッ チ1J.レ イ トマ ン(1996) 13首 都 ブ ラ ジ リ ア 遷 都 に 関 し て は 、 「人 工 都 市 ブ ラ ジ リ ア 」 と い う批 判 が 多 い 。 た だ し 、 近 年 に な っ て 再 び こ の 都 市 計 画 の 善 し悪 し が 問 い な お さ れ て い る 。 一18一 い っ た 。 ま た 、 電 気 を利 用 した 路 面 バ ス も 登 場 し、 ク リチ バ 市 が 活 性 化 して い く様 子 が 伺 え る。 そ して 、1920年 代 に な る と大 き な 通 りが 次 第 に整 備 され 、 道 路 も ア ス フ ァル ト舗 装 が 始 ま り現 代 の都 市 へ と近 づ い て き て い る。 こ の よ うに 、 ク リチバ 市 で は 早 くか ら都 市 整 備 が 進 め られ て き た 。 州 都 と定 め られ る前 に も既 に そ の 動 き は 起 こっ て お り、州 都 決 定 後 は イ ン フ ラ整 備 へ と力 が 注 が れ て い る。1700 年 代 末 の ビ ジ ョン が ク リチ バ 市 に お け る環 境 政 策 の始 ま りで あ り、 そ して1800年 代終 わ りの 公 園 建 設 は 、 現 在 の 都 市 政 策 上 の 環 境 計 画 に お け る コ ンセ プ トの 大 本 と な っ て い る。 一方 、 都 市 計 画 に お い て も 、 都 市 が 整 備 と され る と と も に 生 じた 人 口増 加 に よ り、 路 面 電 車 は 後 に 廃 止 され る こ と に な る が 、 道 路 整 備 、 ア ス フ ァル ト舗 装 な どを は じめ と した イ ン フ ラ が 一 時 期 に と ど ま らず 、 戦 前 よ り次 第 に 整 え られ て き た の で あ る 。 都 市 計 画 や 環 境 計 画 の 基 盤 が 戦 前 よ りあ っ た こ と、 そ の 上 で1943年 以降 の計 画が 進 め られ て い る。 4-2当 時 の 都 市 の 状 況 と整 備 現 在 に 至 る ク リチ バ 市 都 市 政 策 は 政 策 開 始 当時 の ク リチ バ 市 、 お よ び ブ ラ ジ ル 全 土 に と っ て も重 要 な もの で あ っ た とす る こ とが で き る。 そ して 、 そ の 必 要 性 に 応 え る 形 で 取 られ た 規 制 方 法 が うま く機 能 し、 ク リチ バ 市 に溶 け込 ん だ 事 が 政 策 成 功 に つ な が っ て い る。 4-2-1計 1950年 ず 、1950年 画の必然性 代 ∼60年 代 に か け て の ク リチ バ 市 の状 況 は 、 新 た な 都 市 政 策 を必 要 と した。 ま 代 後 半 に は 急 激 な 移 民 の 増 加 が あ り、 急 速 な 成 長 を遂 げ た 時 代 と され た が 、 一 方 で 、都 市 部 混 雑 が 引 き起 こ る き っ か け と な っ た 。 自家 用 車 へ の 依 存 度 の 高 ま りに よ り、 当 時 走 っ て い た 路 面 電 車 は 廃 止 に 追 い 込 ま れ て い る。 ま た 、 こ の 時 期 は 河 川 氾 濫 に よ る洪 水 が 多 発 して い た 。 そ の 結 果 、 河 川 沿 い に 多 くの 家 が 建 て られ て い た ク リチ バ 市 で は 、 被 害 を 何 度 も う けた の で あ る。 こ の2つ の 事 項 が 当 時 、都 市 政 策 を必 要 と した 根 底 に あ る と 考 え られ る。 都 市 部 混 雑 緩 和 の た め の 秩 序 だ っ た 都 市 計 画 、 新 た な 交 通 シ ス テ ム の 導 入 、 そ して 洪 水 被 害 を な くす た め の 土 地 整 備 が ク リチ バ 市 に は 必 要 だ っ た の で あ る。 そ して 、 ク リチ バ 市 に お け る 都 市 政 策 の 必 然 性 と と も に 、 ブ ラ ジ ル 全 土 か らの 期 待 も 、 ク リチ バ 市 の 政 策 実 行 を後 押 し した 。 1960年 代 は ブ ラ ジル に お け る都 市 の 不 安 定 期 と して 位 置 づ け られ て い る14。 首都 ブ ラ ジ リア の 遷 都 も この 時 期 で あ り、 山崎(1992)が"大 資 本 を 投 じた 「 人 工の未 来都 市 」ブ ラ ジ リア の 失 敗 を 反 面 教 師 と して 、 あ る い は これ に 対 抗 して 、安 上 が りで 「 手 作 りの 未 来 都 市 」 の 実 現 に 人 々 は 情 熱 を 注 い だ の で は な い だ ろ うか 。"と 指 摘 す る よ うに 、 人 工 都 市 ブ ラ ジ リア の 失 敗 を 目に した 人 々 は 成 長 しつ つ あ る ク リチ バ 市 の 都 市 計 画 に 期 待 を 寄 せ た と 14ク リチ バ 市 ホ ー ム ペ ー ジ 内 http:〃www.curitiba.pr.gov.br/ingles!cidade1Historialanos60.html 一19一 考 え られ る。 当 時 、 パ ナ ラ 州 の 開 発 研 究 機 関 が ク リチ バ 市 都 市 政 策 の資 金 援 助 を して い る こ と も ク リチ バ 市 に 対 す る期 待 の表 わ れ で あ ろ う。 この よ うに 、 当 時 、 ク リチ バ 市 に お け る都 市 政 策 が住 民 に と っ て も 必 要 と され て い た こ とに 加 え 、 ブ ラ ジ ル 全 土 か らの都 市 政 策 成 功 の 期 待 が か か っ て い た こ とが 、 現 在 に っ な が る ク リチ バ 市 の 都 市 政 策 を 奮 い た た せ 、 計 画 にカ が 入 った 根 底 に あ る。 4-2-2効 率 的 な政 簑 政 策 の 必 要 性 が 生 じ、 そ れ に む け て の 意 気 込 み が 見 られ る うち に 、 都 市 計 画 に お け る問 題 の 解 決 が 進 め られ 、 一 方 で 規 制 が 設 け られ て い っ た。 そ の 際 、 あ る1つ そ れ の み を解 決 す るた め の 手 段 を講 じた の で は な い。1つ の 問 題 に 対 し、 の 問 題 を 解 決 しな が ら 、 そ れ と リ ン ク して 他 の 部 分 の 改 善 も 同 時 に 考 慮 され て お り、 効 率 よ い 政 策 が な され て い た の で あ る。 洪 水 対 策 を例 に 取 ろ う。 洪 水 の 被 害 を な くす た め に 市 は1966年 に排 水 路 用 の 土 地 を 確 保 す る と同 時 に 湿 地 帯 の 部 分 を住 宅 等 の 建 築 物 禁 止 区 域 に 定 め た が 、 そ の 後 は 建 築 が 禁 止 され た こ の 地 域 を公 園 と して 活 用 して い る。 こ の 公 園 に は 貯 水 池 の 役 割 を 担 う人 工 の 池 が 整 備 さ れ 、 そ れ が 洪 水 被 害 を 防 い で い る15他 、 現 在 で は 緑 も多 く、 レク リエ ー シ ョン 機 能 を 備 え た 広 大 な 公 園 とな っ て い る。 ま た 、都 心 部 の 混 雑 を 緩 和 す る 仕 組 み も 同 様 で あ る。 中心 部 の 路 上 駐 車 場 は わず か2千 台 で あ る。 この 数 字 は1972年 以 降 変 わ っ て い な い。 これ に よ り 中 心 部 へ の 自家 用 車 の 乗 り入 れ を 減 少 させ 、 公 共 交 通 機 関 で あ る バ ス の利 用 を促 して い る。 物 理 的 に 駐 車 を不 可 能 に し、 自家 用 車 か らバ ス へ の 転 換 を 図 っ て い る が 、 こ の バ ス 利 用 を促 進 す る 仕 組 み に は 、 土 地 利 用 法 も うま く機 能 して い る。 都 市 軸 周 辺 の 特 別 な 用 途 地 域 指 定 に よ り、 全 種 類 の 商 業 サ ー ビ ス機 能 の 立 地 が 認 め られ て い る こ とは 、 自然 と商 業 や サ ー ビ ス が バ ス 通 りの 中 心 で あ る都 市 軸 に 集 積 す る よ うに 誘 導 され 、 バ ス 利 用 者 を増 加 させ る こ とに つ な が っ て い る。 この よ うに 、 問 題 を 直 接 に 解 決 す る た め の1つ の 手 段 が 講 じ られ る の で は な く、 政 策 を 組 み 合 わ せ 互 い に 利 用 す る こ とで 、 現 在 の 都 市 政 策 が ス ム ー ズ に 行 わ れ 、 成 功 して い る の で あ る。 4・-3市 の 意 識 、 住 民 の意 識 ク リチ バ 市 の都 市 政 策 成 功 の背 景 に は 、 政 策 自体 が 評 価 され る も の で あ る 他 、 政 策 に 対 す る 人 々 の意 識 の 高 さ も挙 げ られ る 。 市 長 、 市役 所 、 都 市 関 連 機 関 の ス タ ッ フ を は じめ と す る 人 々 の 意 識 が 高 い 。 中 で も3期 に 渡 り市 長 を 務 め た ハ イ メ ・レイ ネ ル 氏 に よ る都 市 政 策 の 推 進 は評 価 され て い る。 しか し、 そ の 他 、 これ ま で の 市 長 に よ っ て も 具 体 的 な都 市 政 策 が 行 わ れ て い る こ とに も 注 目で き る。 道 路 整 備 等 、 これ ま で 積 極 的 に 推 進 され て き た 。 ま た 、 こ の様 な 市 長 の 積 極 的 な 取 り組 み の 一 方 で 、 プ ロ グ ラ ム に よ り住 民 の 意 識 向 上 が 図 15当 初 は 河 川 に ふ た を し、 川 の 水 を 地 下 に 流 す こ と で解 決 を 試 み た が 、 そ れ は 失 敗 に 終 わ っ て い る。 一20一 られ て い る こ と も 、 ク リチ バ 市 都 市 政 策 の 特 徴 の 一 つ と して 考 え られ る。 そ れ に よ る住 民 の 都 市 環 境 へ の 理 解 に 基 づ き 、彼 らの 協 力 あ っ て の 都 市 政 策 が 成 功 して い る の で あ る。 と りわ け 、 環 境 政 策 成 功 の 背 景 は 法 規 制 等 よ り も環 境 教 育 に よ る 住 民 の意 識 向 上 に よ る も の が 大 きい 。 こ こ で は 政 策 実 行 主 体 で あ る、 市 側 の リー ダ ー シ ップ 、 そ して そ れ に よ る住 民 の 協 力 に 主 に 注 目 し、 都 市 政 策 の 成 功 の 背 景 を探 る。 4-3-11PPUCと 市 長 の リー ダ ー シ ッ プ た とえ 都 市 へ の 夢 が あ っ た と して も、 そ れ を 実 行 す る市 長 、 市 役 所 の リー ダ ー シ ップ や 、 彼 ら に よ る 徹 底 した 計 画 の 推 進 が な け れ ば 実 現 は しな い 。 こ こで は 都 市 政 策 が 成 功 した 背 景 と して 、 市 長 の 政 策 実 行 例 を挙 げ る。 ク リチ バ 市 で は1943年 に一 番 始 め の マ ス タ ー プ ラ ン が 作 られ て い る。 そ の 後 、1966年 に 新 た な マ ス ター プ ラ ンが 承 認 され た 。 ま た 、1972年 い る。 国 に よ っ て 環 境 法 が1981年 け られ た の が1988年 に は 環 境 保 全 総 合 計 画 が 定 め られ て に 制 定 され 、 各 都 市 へ の マ ス タ ー プ ラ ン作 成 が 義 務 付 で あ る こ と を 比 較 す る と 、 ク リチ バ 市 の都 市 計 画 の 先 行 性 を 見 る こ とが で き る。 更 に は 、 ク リチ バ 市 で はIPPUCが が 特 徴 的 で あ る。1965年 都 市 計 画 上 大 き な 役 割 を果 た して い る の に 設 立 され た この 機 関 が20数 個 の 戦 略 プ ロ ジ ェ ク トを掲 げ 、 土 地 利 用 、 都 市 交 通 の制 御 や 整 備 を 主 に つ か さ どっ て い る。 チ ュ ー ブ 式 バ ス 停 等 の アイ デ ィ ア も こ こ で 生 まれ 、 成 功 して い る。 ま た 、IPPUCで は1966年 に 定 め た 基 本 方 針 を軸 に し な が ら、 マ ス ター プ ラ ン を状 況 に応 じて 改 定 して お り、 これ が 継 続 して 安 定 した 都 市 計 画 推 進 に つ な が っ て い る。 一方 、 市 長 の 存 在 も ク リチ バ 市 の都 市 政 策 を 考 え る上 で 、 重 要 で あ る 。 ク リチ バ 市 都 市 政 策 の 歴 史 を 見 る と、1人 の 市 長 の 代 で 都 市 が 形 成 され て い っ た の で は な く 、 戦 前 か ら そ 表2都 市政策を行ってきた主な市長 1913CandidoFengehgadeAbreu 年 市長 主な政策 道路舗装の推進 1920∼28Moreh!aGarcez ア ス フ ァル ト舗 装 、 大 通 りの 整 備 1941∼43A[exandreBeltrao アガ ニュ に よるマス ター プラ ンを実行 1960代IvoArzuaPereiraパ ラナ州 の開 発 期間 に対 す る都 市整 備 資 金 の 申 し出 1970∼74JailneLemer・ 1979∼83・ 土地利 用法等 を もとに工業 団地 の建設 バ ス 主体の統 合的 輸送 システ ムの推進 1990∼94・ 環 境大 学の設 立 (出 所)PrefeituraMuniCipaldeCuritiba(ク 等 リ チ バ 市 公 式 ホ ー ム ペ ー ジ)を れ そ れ の 市 長 が 次 第 に 都 市 政 策 を進 め て き て い る こ とに 注 目で き る。 一21一 も とに 筆者 作 成 1900年 代 初 期 の 市 長 は 主 に イ ン フ ラ 整 備 を率 先 して 行 っ て い る。 今 も 市 の 骨 格 と して活 用 され て い る道 路 の整 備 等 が 当 時 な され て い っ た 。 そ して 、1900年 プ ラ ン に添 っ て 各 市 長 が 手 腕 を発 揮 して い る。 中 で もIPPUCが 募 が 成 され た1960年 代 に はペ レイ ラ(IvoArzuaPereira)市 代 半ば には、マ ス タ・ ・ 一 ・ 一 ・ 創 設 され 、 都 市 計 画 の 公 長 が パ ラ ナ 州 に 対 して 都 市 整 備 の た め の 資 金 を 申 し出 る な ど、 都 市 計 画 を 推 進 し よ う とす る積 極 的 な 動 き が 見 られ る よ うに な る。 ま た 、 や は り レイ ネ ル 氏 は 現 在 の 都 市 計 画 に お け る重 要 な人 物 で あ る。1970年 年 の 間 、3期 か ら20 に 渡 っ て 市 長 を 務 め た彼 の 功 績 は 評 価 で き る。 バ ス 主 体 の 交 通 シ ス テ ムや 、 現 在 に 至 る環 境 教 育 の き っ か け は彼 の 任 期 の 間 に 整 備 され 、 今 日に 引 き 継 が れ て い る。 彼 は 元 建 築 家 で あ り市 長 当 選 の 前 に はIPPUCの 総 裁 で も あ っ た こ とか ら、 都 市 整 備 の 知 識 を 備 え る 人 物 が 市 政 を行 っ た こ とで 環 境 と調 和 す る人 間 重 視 の 都 市 が 成 功 して い った と考 え られ よ う。 ま た 、 現 市 長 で あ る カ シオ ・タ ニ グチ 氏(1996年 画 局 長 と して20年 ∼)も そ れ ま で 市 の都 市 計 に 渡 り活 躍 して い た 人 物 で あ り、 現 在 は ク リチバ 都 市 圏 の 総 裁 を兼 ね て い る。 こ の よ うに 、 都 市 計 画 に 精 通 した 人 物 が 政 策 立 案 者 と い う立 場 に 座 り、 市 政 を行 っ て い る こ とが 近 年 の ク リチ バ 市都 市 政 策 の 特 徴 で あ り、 都 市 政 策 の 成 功 の 一 因 とす る こ とが で き る。 IPPUCや 市 長 を は じめ 、 ク リチ バ 市 の都 市 計 画 を 主 体 的 に 進 め て き た 人 物 は 優 秀 で あ り、 ブ ラ ジル 国 内 の他 地 域 か らも 注 目 され て い る 。 実 際 に 元 市 長 で あ る レイ ネ ル 氏 は 現 在 パ ラ ナ 州 の 知 事 と して 活 躍 して い る16。 4-3-2環 境教育 そ の 他 、 ク リチ バ 市 の都 市 政 策 成 功 を 考 え る上 で 重 要 な の が 、 住 民 の 意 識 の 高 さ で あ る。 市 の 環 境 教 育 で 常 に意 識 向 上 が 図 られ て い る。1990年 に設 立 され た 環 境 大 学 で は 、環 境 に 関 す る短 期 実 践 講 座 が 設 け られ 、 講 義 を 無 料 で 聴 く こ とが で き る。 こ こ で は タ ク シ ー の 運 転 手 等 は 受 講 が 義 務 づ け られ て お り17、環 境 教 育 の 徹 底 し た 一 面 と して 捉 え る こ とが で き る。 ま た 、 教 師 と い う立 場 か ら子 供 た ち に 環 境 へ の意 識 を 植 え付 け 、 将 来 の 世 代 に 対 す る 環 境 意 識 の保 持 、 発 展 を狙 い 、 全 市 小 学 校 の教 師 に 対 し、 環 境 保 全 の た め の 実 践 教 育 が89 年 に 行 わ れ た 。 そ の後 学 校 で は 家 庭 ゴ ミ を持 ち よ り、 ゴ ミ分 別 の勉 強 が 繰 り返 し行 わ れ て き た 。 ま た 、 学 校 で の 教 育 の み な らず 、 全 市 民 に 対 し て は 、 ま ち づ く りに 関 す る 展 示 会 を さ ま ざ ま な と こ ろ で行 うこ とで ま ち づ く りへ の 理 解 を 働 きか け て い る。 そ の 他 に も市 民 の 環 境 に 対 す る 意 識 向 上 を 目的 と した 市 側 の 努 力 が 多 く あ る。 劇 団 に よ る環 境 保 護 の 訴 え 、 民 間 テ レ ビ局 を 通 じ た 分 別 収 集 の 呼 び か け 、 「ゴ ミで は な い ゴ ミ」 の 標 語 掲 示 や 、 回 収 され た 古 紙 量 とそ れ に 対 応 す る だ け の 木 材 量 の 数 値 を公 園 入 り 口 に 示 す 161989年 、 ク リチ バ 市 の 初 代 環 境 局 長 に 就 任 した 中村 氏 も ま た 、 現 在 パ ラ ナ 州 の 環 境 長 官 に 就 任 す る な ど、 ク リチバ 市 の都 市 政 策 の 考 え方 が外 へ 広 が りつ つ あ る 。 17J ,ラ ビ ノ ビ ッチ 、J.レ イ トマ ン(1996) 一22一 こ と 等 が 行 わ れ て い る 。 身 の 回 りで 常 に 環 境 の 大 切 さ を 訴 え て い る だ け に 、 市 民 へ の イ ン パ ク トは 非 常 に 強 い も の で あ り、 これ らの 取 り組 み が 市 民 の意 識 向 上 に 役 立 って い る。 ま た 、 これ ら意 識 へ の 働 き か け の 他 、 実 際 の 政 策 に よ る利 害 関 係 を 通 じ、 そ れ が イ ン セ ンテ ィ ブ とな る 例 もあ る。 ゴ ミで は な い ゴ ミプ ロ グ ラ ム は 、 収 集 車 の 入 れ な い場 所 の ゴ ミ を 集 め る 目的 で 進 め られ て い る が 、 一 方 で 回 収 した ゴ ミ と食 料 の 引 き換 え制 度 に よ り、 住 民 の モ チ ベ ー シ ョン が 高 め られ て い る の で あ る。 結 果 、 前 節 で 示 した よ うに 、低 所 得 者 地 域 で の 環 境 改 善 が 図 られ る な ど、 都 市 政 策 の 成 果 が 現 れ て い る。 ク リチ バ 市 で は 都 市 政 策 を成 功 に 導 く こ とで 、住 民 か らの 信 頼 も得 て い る。 そ の 信 頼 は ま た 、 問 題 へ の 対 処 の 仕 方 か ら も得 られ て い る も の で あ る 。 しか し 、 これ ま で に は 誰 もが 納 得 で き る都 市 政 策 だ け を 行 っ て き た わ け で は な い 。 そ こで 都 市 政 策 の 過 程 に お い て と ら れ た 強 硬 手 段 も 追 記 して お く。 中 心 部 へ の 車 両増 加 を食 い 止 め る た め の 手 段 と して 、1972 年 に 当時 の 市 長 レイ ネ ル 氏 が 取 っ た 手 段 は 、 週 末48時 間 、 中 央 通 りへ 車 の 乗 り入 れ を 禁 止 す る とい う もの で あ っ た 。 反 発 も あ り交 通 規 制 を無 視 し、 車 を乗 り入 れ よ うとす る者 も い た とい う。 しか し、 市 役 所 は 巨 大 な紙 を 道 路 に 貼 り付 け 、 子 供 た ち に 絵 を描 か せ る こ と で 車 両 の 立 ち 入 りを 防 い だ18。 こ の よ うに 、 強 行 手 段 とユ:-v-一ク な 解 決 策 を 組 み 合 わ せ て 対 処 す る こ とで 、 市 民 と の相 互 関係 を維 持 して き た の で あ る。 4-4そ の 他(人 種 、 中 産 階 級) 歴 史 、 都 市 に お け る問 題 、 そ して 市 長 と住 民 の 意 識 の 高 さ を 都 市 政 策 成 功 の 背 景 と して これ ま で 述 べ て き た が そ の 他 、 更 な る要 因 と して は 文 化 的 要 素 で あ る移 民 の 存 在 も考 え ら れ る。 ク リチ バ 市 の 人 口構 成 は 白人 が90%以 上 と な っ て お り、イ タ リア 、 ドイ ツ 、ポ ー ラ ン ド、 ウク ライ ナ 等 か らの 移 民 が 多 い 。 一 方 、 ブ ラ ジル 全 体 の人 種 構 成 は 白人 が55%で な 差 が あ る。1800年 代 半 ば か ら、1900年 あ り大 き 代 半 ば ま で 、 常 に海 外 か らの 人 々 が 移 り住 ん で き た こ と は 、 ク リチ バ 市 、 お よび ク リチ バ 市 民 に 保 守 性 が 存 在 して お らず 、 他 を 受 け 入 れ や す い 体 質 に成 っ て い る と も 予 測 で き る。 そ れ だ け に 、 掲 げ られ た 都 市 政 策 を 受 け入 れ る と共 に 、 実 行 で き る い わ ば 革 新 的 な環 境 が整 っ て い る の で は な い だ ろ うか 。 ま た 、 ク リチ バ 市 は 中 産 階 級 の 住 人 が 多 い 地 域 で あ り19、環 境 問 題 へ の理 解 度 が 高 い と い うこ と も考 え られ る 。 第5節 ク リチパ市の課題 と脹 望 18J .ラ ビ ノ ビ ッ チ 、J.レ イ トマ ン(1996) 19(参 考)1996年 時 点 で 、 ク リ チ バ 市 の1人 5,253米 ド ル 、 ブ ラ ジ ル 全 体 は4,742米 Development,Brazil'sCentralBankよ あ た り の 所 得 は7,827米 ドル(ParanaIn8tituteofEoonomicandSocial り)で 一23一 あ る。 ドル 、 パ ラ ナ 州 は これ ま で 記 述 して き た よ うに 、 ク リチ バ 市 の 政 策 の 成 果 は 大 き い 。 ま た 、都 市 政 策 が 進 め られ て い く た め の 基 盤 が 固 ま っ て お り、 今 後 も一 層 環 境 都 市 ク リチ バ と して 発 展 して い く こ とが 予 想 され る。 しか し こ こで 、 ク リチ バ 市 の 都 市 政 策 の 背 景 に 隠 れ る 問 題 は な い の だ ろ うか 、 とい う疑 問 が 生 じ る。 都 市 政 策 を 賞 賛 す る 声 は 大 き い が 、 そ の 裏 側 に 焦 点 が 当 て られ る こ とは 少 な い 。 そ こ で 、都 市 政 策 の 裏 側 に存 在 す る 問 題 、 お よ び 今 後 予 想 され る 問 題 を 挙 げ な が ら、 今 後 の 課 題 に つ い て 述 べ る。 5-1成 功 の 裏側 ブ ラ ジル 全 体 の都 市 問 題 と して フ ァベ ー ラ が 挙 げ られ る。 これ は ク リチ バ 市 で も 同様 で あ り、住 民 の10∼15%と 、 フ ァベ ー ラ に住 む 人 口は 数 多 い。 ゴ ミ に 関 す る プ ロ グ ラ ム は 彼 らに 対 す るイ ンセ ン テ ィ ブ と して の 働 き も あ るが 、 問 題 が 解 決 され て い る わ け で は な い 。 事 実 、1992年 に ク リチ バ 市 で 行 わ れ た 世 界 都 市 フ ォ ー ラ ム で は 開 会 式 の 日に 、9貧 困 とエ コ ロ ジ ー は 調 和 しな い 」 と掲 げ た 、 フ ァベ ー ラ に 住 む 人 々 の デ モ が 生 じて い る。 ま た 、 そ れ 以 外 に も、 上 水 道 の 整 備 が な い 家 庭 の 存 在 等 、 社 会 資 本 整 備 を怠 っ て い る と押 しか け る 場 面 が あ っ た20。 こ れ に 対 し市 は 、 で き る 限 りの 政 策 を 行 っ て お り、 問 題 は な い 、 と して い る。 都 市 政 策 が 成 功 して い る とい わ れ る 裏 側 に も、 こ の よ うな 問 題 が 隠 れ て い る こ と を 認 識 して お く必 要 が あ る。 しか しな が ら 、"繁 栄 す る都 市 の 中 で 周 辺 化 され た 人 々 の 生 活 の 改 善 は 、 結 局 は ブ ラ ジ ル 全 体 の 構 造 化 され た 貧 富 の 差 の 是 正 と軸 を 一 つ に して い る も の"(三 パ ウ ロの 形 成 と発 展 」 『ラテ ンア メ リカ都 市 と社 会 』1991 ,pp.125-149)と 田、 「 内 陸都 市サ ン 指 摘 され る よ う に 、 フ ァベ ー ラ の 問 題 に 関 して は 、 そ の 根 元 に ブ ラ ジ ル 全 土 の 体 質 と して の 貧 困 の 格 差 が あ る。 そ れ だ け に 、 ク リチ バ 市 独 自 と して 全 面 解 決 す る こ との 難 し さ も伺 え る。 た だ 、 先 に 掲 げ た 上 水 道 整 備 問題 に 関 して は パ ラ ナ 州 の 環 境 改 善 事 業 一 環 と して ク リチ バ 市 に お け る上水道 、下水 道整 備 が現 在進 行 中 であ る。 上水 道普 及 率の 向上及 び 下水 処理 改 善に よる 対 象 地 域 住 民 の 衛 生 環 境 の 改 善 が 事 業 目的 と され て お り21、今 後 の 普 及 動 向 が 注 目 され る。 一方で 、 ク リチ バ 市 が 今 後 立 ち 向 か わ な け れ ば な らな い だ ろ う問 題 と して 、 人 口増 加 が 挙 げ られ る。 工 業 化 が 進 め られ 、 内 陸 部 の 工 業 中 心 地 と して の ク リチ バ へ の 期 待 は 大 き い 。 そ れ だ け に 発 展 して い る都 市 へ の 人 口流 入 は避 け られ な い 問 題 で あ る。 バ ス の輸 送 効 率 の 更 な る 拡 大 、 お よ び 人 口増 加 に よ っ て 生 じる 自家 用 車 の 増 加 に 如 何 に対 応 す る か が 課 題 と な る。 これ ま で 、 交 通 量 の 増 加 、 お よ び 人 口の 増 加 に 対 して 、3車 両 連結 バ ス、直 行バ ス を 導 入 す る等 、 需 要 を 満 た す 為 の 政 策 が 随 時 取 られ て き た 。 しか し 、 こ の解 決 策 は そ の 場 しの ぎ の 手 段 に な り兼 ね な い の で は な い だ ろ うか 、 とい う疑 問 も残 る。 実 際 に 、 都 市 軸 に お け るバ ス 専 用 道 路 で は バ ス の 走 行 速 度 を速 く保 つ とい う利 点 が あ る が 、1991年 に導 入 さ れ た 直 行 バ ス は 、 一 般 車 両 道 路 を 走 っ て い る。 こ れ は 、 都 市 軸 にお け るバ ス 専 用 道 路 を 走 20朝 日 新 聞1992年7月29目 210ECFプ レ ス リ リ ー ス(1998 夕刊 .1.8) 一24一 行 す る ほ うが 遅 い とい う判 断 に よ る22も の と言 わ れ 、"ク リチ バ 市 の 中央 走 行 バ ス 専 用 車 線 が 、 バ ス の速 度 向 上 を意 識 した の も の で は な い"(中 村 、1997)、 とい う指 摘 も あ る。 しか し、 ク リチ バ 市 の 交 通 政 策 に お い て は"Theexpresslanesenableaconsiderablyhigher averagebusspeed…"23と も記 され て い る だ け に 矛 盾 も残 る。 そ の他 挙 げ られ る 問題 は 、 新 た な 政 策 導 入 に 伴 っ た 既 存 の 政 策 との 融 合 で あ る 。3車 ブ 式 バ ス 停 改 造 の 必 要 性 が 生 じて い る。3車 両 連 結 バ ス の 導 入 に伴 い チ ュ ー 両 連 結 バ ス は ドア を5つ を 一 気 に 行 うこ とが で き る も の の 、 これ ま で バ ス 停 は2車 備 え 、 そ の結 果 乗 降 両 連 結 バ ス の長 さを 基 準 に作 ら れ て い た 為 、活 用 され な い 扉 が あ る 等 問 題 が 出 て き て い る。3車 両連 結 バ ス 導 入 に あ た り、 中 心 部 で は そ れ に 適 合 した 新 た な バ ス タ ー ミナ ル の 設 置 が は じま っ た が 、 今 後 、 これ らの 問 題 の対 処 が どの よ うに な され るの か 、 注 目す べ き 点 で あ る。 5-2ク リチ バ 市 の 課 題 と 展 望 上 に 挙 げ た よ うな 問 題 が 存 在 す る も の の 、 ク リチ バ 市 で は 常 に 新 しい 政 策 が 考 え られ て い る。 問 題 を 先 送 りせ ず 、 早 い 段 階 で 処 理 して い る様 子 が 伺 え る。 そ して 現 在 同 市 で は 、 理 想 的 な 都 市 政 策 に む け て 、 い くつ か の課 題 が 取 り組 ま れ て い る。 ク リチ バ 市 で の バ ス 主 体 の 交 通 シ ス テ ム は 、 一 般 車 両 の 混 雑 を 防 ぎ 、 そ れ に よ り排 出 ガ ス の 減 少 、 燃 料 消 費 の 削 減 を 実 現 して い る が 、 一 方 で 、バ ス の 燃 料 が デ ィー ゼ ル で あ る こ とが 指 摘 され る。 しか し既 に 、 大 気 汚 染 の 削 減 目標 達 成 の た め 、 低 公 害 車 の 開 発 が進 行 中 で あ り、 エ タ ノ ー ル 、 ガ ス な どガ ソ リン と も異 な る 代 替 燃 料 の 車 両 開 発 が 進 め られ て い る。 現 在 の 交 通 シ ス テ ム も 自動 車 会 社 で あ る ボ ル ボ と の タ イ ア ッ プ が あ り達 成 され た も の で 、 今 後 も官 民 一 体 で 問 題 解 決 が 進 め られ て い くで あ ろ う。 ま た 、 政 策 に お け る 住 民 の 支 え は 今 後 よ り大 き く な る と考 え られ る。 環 境 大 学 の講 義 、 日常 の 環 境 政 策 に よ り意 識 が 高 め られ た 人 々 が 、 そ れ ぞ れ の コ ミ ュ ニ テ ィ に お い て 世 代 を 超 え て 都 市 環 境 と の 関 わ りを 伝 え 、 浸 透 させ て い く事 が 予 想 で き 、 そ の 結 果 、 今 後 の 都 市 整 備 に お け る 市 民 の 主 体 的 な参 加 が 期 待 で き るで あ ろ う。 第6節 結 論 途 上 国 の 各 都 市 の 急 速 な 都 市 化 、 環 境 悪 化 が 叫 ば れ る 一 方 で ク リチ バ 市 の 都 市 政 策 の 成 果 に は 改 め て 目を み は る 。 これ ま で 日本 に お い て も ク リチ バ 市 の 都 市 政 策 の 成 功 は紹 介 さ れ 、 ま た 土 地 利 用 と交 通 シ ス テ ム の 統 合 的 計 画 の 研 究 が な され て き た 。 実 際 に 同 市 で 行 わ れ て い る 数 多 くの 都 市 計 画(土 主 な もの と な っ て い る が)は 地 利 用 と交 通 シ ス テ ム の 統 合 、 ゴ ミ収 集 関 連 プ ロ グ ラ ム が どれ も 大 き な 成 果 を 見 せ て い る。 バ ス 路 線 は年 々拡 大 し、 い ま や 都 市 圏 に ま で 及 び 、 ク リチ バ 市 の 政 策 が 広 く浸 透 しつ つ あ る こ とが わ か る。 一 方 で は 22中 村(1997) %ク リチ バ 市 ホ ー ム ペ ー ジ 内 http:〃www.curitiba.pr.gov.br/ingleslsolucoes/transporte!index.htmlよ 一25一 り引 用 市 の 周 囲 を グ リー ンベ ル トで 囲 み 、 土 地 利 用 を 明 確 に す る こ とで ス プ ロ ー ル を禁 止 させ 、 無 秩 序 な 都 市 の広 が りを抑 制 して い る。 これ らの 政 策 成 功 の 背 景 に は い くつ か の 要 因 が 存 在 す る。 交 通 需 要 、洪 水 対 策 等 が き っ か け で ク リチ バ 市 に は 都 市 政 策 が 必 須 で あ っ た 。 計 画 はIPPUCを 中心 に1966年 に承 認 され た マ ス タ ー プ ラ ン を も とに 進 め られ て い るが 、 当時 の マ ス ター プ ラ ンは 随 時 改 定 され 、 現 在 の 状 況 に応 じた 政 策 が 取 られ て い る 。 規 制 、 そ し て そ れ ぞ れ の 政 策 間 の 統 合 に よ り、 都 市 政 策 は 自然 と誘 導 され 、 現 在 の 都 市 が で き て い る。 ま た 、 歴 史 を 概 観 す る と、 都 市 計 画 を進 め る地 盤 が 整 え られ て い た こ とが わ か る。 都 市 特 性(人 口規 模 等)と 歴 史 とが 相 侯 っ て ク リチ バ 市 の 都 市 政 策 に 影 響 を 及 ぼ して い る 。 しか し、都 市 特 性 、 ク リチ バ 市 の都 市 政 策 の歴 史等 、 土壌 が あ っての成 功 で はあ るが 、環境 教 育 に よる、都 市政 策 に対 す る市 民 の 意 識 の 強 さが ク リチ バ 市 の 都 市 政 策 成 功 の根 本 に あ る。 環 境 大 学 で の 講 義 の 他 、 身 近 な と こ ろ か ら働 き か け られ る環 境 へ の 配 慮 は 、 ゴ ミの 分 別 や 収 集 、 リサ イ ク ル の 大 切 さ を 実 感 させ 、 ま た 実 行 へ と促 して い る 。 日本 で も リサ イ ク ル 、 ゴ ミ収 集 等 に つ い て 議 論 が さ れ て い る。 しか し 、 以 前 ク リチ バ 市 の 環 境 局 長 を 務 め て い た 中村 氏 が 、"日 本 で は ゴ ミ が 無 造 作 に 捨 て られ て い る"24と 指 摘 す る様 に 、 日本 国 内 に お い て 、 ク リチ バ 市 ほ ど徹 底 し た 様 子 は あ ま り見 られ な い。 ク リチ バ 市 の 住 民 の 意 識 は 教 育 と実 践 に よ り、 大 き く 向 上 して い る の で あ る。 事 実 、 都 市 計 画 を 推 進 し た と され る レイ ネ ル 氏 は 建 築 家 で あ り元IPPUC の 総 裁 、 前 市 長 の グ レ カ 氏 もIPPUCで リー ダー シ ップ を とっ て い た と され 、 更 に は 現 在 市 長 の タ ニ グ チ 氏 は 前 都 市 計 画 局 長 と、 都 市 計 画 分 野 出 身 の 人 物 が 選 挙 で 選 ば れ て い る こ とは 、 市 民 の都 市 計 画 に 対 す る信 頼 、 期 待 の 表 わ れ と捉 え て よ い 。 ク リチ バ 市 に は成 功 の み な らず 、 抱 え る問 題 も あ る。 途 上 国 に お い て は発 展 す る 都 市 へ の 人 口流 入 が 急 激 に 進 み 、 整 備 の 遅 れ や 環 境 悪 化 が 生 じて い る。 ク リチ バ 市 に お い て も 同 様 の 問題 が 生 じ兼 ね な い 。 そ こで 、 今 の 世 代 、 お よび 将 来 世 代 の 意 識 の 高 さ は今 後 の 都 市 政 策 の成 功 に 大 き く 関 わ っ て く る。 市 の 行 う都 市 政 策 や 環 境 政 策 と共 に 今 後 も 環 境 教 育 が 進 め られ 、 市 民 の 意 識 保 持 や 向 上 が 図 られ る こ とが 今 後 の 急 激 な 都 市 化 に 対 応 し うる 手 段 と考 え る。 おわ りに ク リチ バ 市 の 都 市 政 策 に お い て は都 市 計 画 と環 境 計 画 が 同 時 に 進 め られ て い る。 途 上 国 で 生 じて い る 開 発 と環 境 の 矛 盾 は 、 トレー ド ・オ フ の 問 題 と な っ て い る 一 方 で 、 ク リチ バ 市 で は この 両 立 に挑 戦 して い る。 ク リチ バ 市 の都 市 政 策 の 概 観 を 述 べ な が ら、 そ の 成 功 の 背 景 を 探 っ て き た。 日本 に お い て ク リチ バ の 都 市 計 画 が 紹 介 され は じめ て は い る も の の 、 実 際 に ブ ラ ジ ル パ ラ ナ 州 ク リチ バ 市 で行 わ れ て い る都 市 政 策 を 知 る人 は 少 な い 。 しか し、 こ の ク リチバ 市 の 取 り組 み を 見 24日 本 経 済 新 聞1992年6月12日 大 阪夕刊 一26一 た 時 の驚 く人 の 多 さ は 想 像 で き る。 都 市 構 造 、 都 市 軸 を も とに した 交 通 シ ス テ ム 、 ゾ ー ニ ン グ等 、 研 究 者 に と っ て も研 究 対 象 と して 魅 力 あ る都 市 で あ る 。 更 に は 、3連 結 車 両 が 街 を 走 り、 チ ュ ー ブ 型 の バ ス 停 が 設 置 され て い る 、 そ の 状 況 は 老 若 男 女 誰 に と っ て もイ ン パ ク トは 強 い は ず で あ る。 概 要 を紹 介 す る だ け で も有 益 で あ る と考 え つ つ 、 都 市 計 画 、 お よ び 環 境 計 画 の 側 面 を 同 時 に 取 り上 げ て 論 じた が 、 ポ ル トガ ル 語 を読 み こな す こ とが で き ず 、 十 分 な 情 報 を組 み 入 れ る こ とが で き な か っ た の が 残 念 で あ る。 ク リチ バ 市 に つ い て は 、 交 通 の側 面 か らの 研 究 が 既 に な され て い る 。 ま た 、 私 自身 都 市 計 画 や 環 境 問 題 等 の 分 野 を 専 門 に して い る わ け で は な く、 そ れ ら を 中心 に と りあ げ る と ど う して も 弱 い 面 が 出 て く る。 そ こ で 、 本 研 究 で は そ れ ら に 関 す る政 策 が 成 功 した 背 景 に っ い て 、 違 っ た 側 面 か ら の ア プ ロ ー チ を試 み た 。 地 域 の 特 性 や 歴 史 、 現 在 の政 策 間 の 関 係 等 に つ い て 取 り上 げ 、 ま とめ て み た 。 これ ま で 分 野 を限 定 せ ず 、 幅 広 く ラ テ ンア メ リカ を捉 え て き た が そ の際 、 政 治 、 経 済 、 文 化 、 国 土 な ど、 そ れ ぞ れ の も の が 互 い に複 雑 に 関 連 しあ っ て い る事 を常 に 念 頭 に 置 い た。 「 一 つ の 問題 に は様 々 な 事 項 が 関 わ りあ っ て い る、 多 角 的 な視 野 を 持 ち 、 あ らゆ る方 向 か らの ア プ ロ ー チ が 必 要 で あ る」 そ れ が 私 に とっ て の 総 合 政 策 学 の考 え方 で あ り、 学 部4年 間 これ を 意 識 して学 ん だ つ も りで あ る。 幅 広 く 学 び 、 全 体 像 を把 握 して き た そ の 結 果 、 新 た な 興 味 分 野 が 生 ま れ る き っ か け が で き た。 都 市 計 画 で あ る。 今 後 は 都 市 計 画 に分 野 を 絞 り、 こ の 分 野 か ら視 野 を 広 げ 、 ラ テ ン ア メ リカ 諸 国 の都 市 を捉 え 直 す つ も りで あ る。 一27一 り 考 文 献 【1]」.ラ ビ ノ ビ ッ チ/」.レ イ トマ ン(1996)「 経 サ イ エ ン ス 』(1996年5月 ク リ チ バ 市 に み る 人 間 重 視 の 都 市 計 画 」 『日 号) 【2】国 本 伊 代 ・乗 浩 子 編(1991)『 ラ テ ン ア メ リ カ 都 市 と社 会 』 新 評 論 【3]中 村 文 彦(1997)「 ク リ チ バ 市(ブ ラ ジ ル)の 都 市 交 通 政 策3『 日 交 研 シ リ ー ズA-218』 【4】中 村 文 彦(1995)「 ブ ラ ジ ル ・ク リチ バ 市 の 都 市 計 画 一 土 地 利 用 と 交 通 シ ス テ ム の 統 合 」 『地 域 開 発 』,第12号,pp.26-37 [5】 日端 康 雄(1998)「 [6】 福 島 義 和 「エ コ シ テ ィ ・ク リ チ バ の 都 市 計 画 」 『ラ テ ン ア メ リカ レ ポ ー ト』 ア ジ ア 経 済 研 究 所,第15巻 m細 都 市 社 会 の 展 開 」 『KEIOSFCREVIEWNo.2』pp.145-152 第1号,pp.22・27 野 昭 夫 ・高 橋 伸 夫 ・山 田 睦 男 ・松 田 紀 之(1985)『 メ キ シ コ 市 の 都 市 発 展 一都 市 首 位 性 拡 大 の 諸 要 因 に 関 す る 学 際 的 研 究 一』,昭 和58年 文部 省科 学研 究費海 外 学術研 究報 告書 〔8]山 崎 圭 一(1992)「 都 市 自 治 体 の 環 境 と 開 発 一 世 界 都 市 会 議 に 参 加 し て 」 『ア ジ 研 ニ ュ ー スNo .136』,pp.18-21 【9]山 本 純 一(1998)「 伝 統 社 会 、 価 値 観 、 ラ イ フ ス タイ ル の 変 容 と グ ロー バ ル コ モ ンズ ー メ キ シ コ ・グ ア ダ ラ ハ ラ の 場 合 一」 『KEIOSFCREVIEWNo.2』pp,56-61 参 考 ホ ー ム ペ ー ジ 【10】DepartamentOdeLimpezaPUblica(ク リチ バ 市 ホ ー ムペ ー ジ 内 ク リチ バ 市 清 掃 局 ホ ー ム ペ ー ジ) ht句):〃www.curitiba.pr.gov.br!serVicos!SMLP/index.html [111EmbassyofBrasilin'lbkyo(ブ ラ ジ ル 大 使 館 ホ ー ム ペ ー ジ) http:〃www.bra8emb、or.jp/ 一28一 【12]HOMEPAGEIPPUC(ク リ チ バ 市 ホ ー ム ペ ー ジ 内IPPUC公 式 ホ ー ム ペ ー ジ) http:〃www.curitiba.pr.gov.brlestrutura/0rgaos!IPPUCIGRPOOIMENU,htm [13】Minist6riodasRelag6esExteriores(ブ ラ ジ ル 外 務 省 ホ ー ム ペ ー ジ) http:〃www.mre.gov.br/ [14】OECFHomepage(海 外 経 済 協 力 基 金 ホ ー ム ペ ー ジ) http:〃vvww.oecf,go.jp/ [15】PrefeituraMunicipaldeCuritiba(ク リ チ バ 市 公 式 ホ ー ム ペ ー ジ) http:〃www.curitiba.pr.gov.br1 【16】ServidordoEstadodoParanゑ(パ ラ ナ 州 公 式 ホ ー ム ペ ー ジ) http:〃www.pr.gov,br1 [17]VOLVO(ボ ル ボ ホ ー ム ペ ー ジ) http:〃www.volvo.co.jp/enViron.htm1 [18】 中 南 米 新 聞JAPAN(㈲ 中 南 米 新 聞 社 ホ ー ム ペ ー ジ) http:〃www.chunambei.co.jp1 [19】 後 藤 太 一 「ク リ チ バ 」(世 界 の ま ち づ く り見 聞 録 ク リチ バ 編) http:〃www.ge㏄ities.comノ'lbkyolGinza/54161world/curitiba.html 図表一覧 【図1】 「ク リチ バ 市 の 位 置 」 ,SerVidordoE8tadodoParana(パ ラナ州 公式 ホー ムペ ー ジ) 【図2] 「ク リ チ バ 市 の 土 地 利 用 図 」,HOMEPAGEIPPUC(ク 内IPPUC公 【図3】 リチ バ 市 ホ ー ム ペ ー ジ 式 ホ ー ム ペ ー ジ) 「バ ス 路 線 網 の 発 達(1980年 ホs・ ・ 一 …ム ペ ー ジ 内IPPUC公 ∼1997年)」,HOMEPAGEIPPUC(ク 式 ホ ー ム ペ ー ジ) 一29一 リチバ 市 俵1]「 ク リ チ バ 市 に お け る バ ス 政 策 年 表 」,HOMEPAGEIPPUC(ク ム ペ ー ジ 内IPPUC公 俵2】 式 ホ ー ム ペ ー・ …ジ)を リチ バ 市 ホ ー も とに 筆 者 作 成 「都 市 政 策 を お こ な っ て き た 主 な 市 長 」,PrefeituraMunicipaldeCuritiba(ク リチ バ 市 公 式 ホ ー ム ペ ー ジ)を 【 写 真1]「3両 も と に筆 者 作 成 連 結 バ ス 」,PrefeituraMunicipaldeCuritiba(ク リチ バ 市 公 式 ホ ー ム ペ ー ジ) 【 写 真2]「 チ ュ ー ブ 式 バ ス 停 内 部 」,PrejbituraMunicipa1でCuritiba(ク ー ム ペ ー ジ) 一30一 リチ バ 市 公 式 ホ ク リチバ市都市政策の経緯 1700年 代初 め 1853年 現 在 の環 境 都 市 に通 じる ビジ ョンが設 定 され る 州都 になる 1886年 公 園 と環 境 とを結 び 付 けて 考 え る コ ンセ プ トが で き る 1900年 水 道供 給や 下水 、公 共 衛 生 、明 か り等 の 整備 が進 め られ る 代初頭 市 長CandidoFerreiradeAbreuの 1913年 も と、道 路 舗 装 等 が 進 め られ る ∼28年 市 長MoreiraGarcezに よ るア ス フ ァル ト舗 装 、重 要 な通 りの整 備 フ ラ ンス 人 ア ガ ニ ュ に よ る ク リチ バ の 初 めて の マ ス ター プ ラ ン 1941年 ∼43年 市 長AlexandreBeltraoの 1950年 代後 半 1960年 代 都 市 部 混雑 激 化 に よる路 面電 車 の全 面 廃 止 ブ ラ ジ リア遷 都 、 ブ ラ ジル 諸 都 市 の不 安 定 期 パ ナ ラ州 の 開発 機 関 に 対 し、 市長IvoArzuaPereiraが 1920年 1943年 時代 に ア ガ ニ ュ の都 市 計 画 が 実行 に移 され る 資 金 を求 め る 1965年 河 川 の 氾 濫 に よ る洪 水 被 害 IPPUCの 設立 1966年 都 市 計 画 案 の公 募 排 水 路 の 土 地 を確 保 、 湿 地 帯 部分 を建 築 物 禁 止 区域 に定 め る 1950年 ∼60年 代 現 在 行 わ れ て い る都 市 計 画 の マ ス ター プ ラ ンの 基 本 が で き る 1970年 緑 地 保 護 条 例(森 林 地 主 に財 産 税 減 免 等) 1971年 建 築 家JaimeLemerが 市 長 とな る 1972年 中央 通 りの 車 乗 り入 れ 禁 止 、 1974年 環境保全総合計画が固ま る バ ス 専用 レー ン導 入 1975年 自然 排 水 シス テ ム保護 の 法 新 しい ゾー ニ ン グ シス テ 法(郊 外 地域 の居 住 密 度 の規 制) 1980年 代 (人 口問題 に対 す る問 題 へ の 取 り組 み) 1981年 統 合 的バ ス輸 送 シス テ ム ブ ラ ジル の環 境 法 制 定 1983年 ブ ラ ジル 環 境 法 施 行 細 則 の 制 定(罰 金 の額 、環 境 基 準 な ど) 1988年 ブ ラジル 新 憲 法 の 制 定 、 マ ス ター プ ラ ン義 務 づ け 1980年 自動 車排 ガ ス規 制 導 入 1989年 環 境 都 市宣 言(ゴ 1991年 環 境 自由大 学 を建 設 ミの 買 い 取 りプ ロジ ェ ク ト、 ゴ ミ分 別 収 集)、 環 境 教 育 実施 直行 バ ス の運 行 、チ ュー ブ 式 バ ス停 の 同入 1992年 国際 環 境 自治 体 会 議 開 催 1996年 ク リチバ 都 市 圏 へ の バ ス シス テ ム の 拡 大 一31一 ラテンアメリカにお ける都 市 計 画 の成 功 事 例 研 究 1999年3月26日 初版発行 著者 峯岸まり子 監修 山本純一 発行 湘南藤 沢学 会 〒252-0816神 奈 川 県 藤 沢 市 遠 藤5322 TEL:0466-47-5111(代) PrintedinJapan 印刷製 本 SFC・SWP98'A-006 ワキプ リントピァ 臨 -'響 灘 醐 『'噸 . 灘 響搾 禦 凹 ぜ 鵬鱗 讐輝 懸1岬 岬 鐸輝 耀糊 澱 罰難 鷺 騨 粥 曜 野騨 懸 癒 灘 糠 賊望 翌