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特集/企業のIT力ランキング
特集1 企業の 「IT力」 ラン リコー、 セブン&アイ、ローム 企業の「IT 力」総合ランキング 順位 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 企業名 偏差値 リコー 69.84 日立製作所 69.79 セブン&アイ・ホールディングス 69.40 大阪ガス 68.69 富士フイルム 68.66 シャープ 68.18 ローム 67.70 昭和シェル石油 66.53 住友電気工業 66.24 東京スター銀行 66.17 村田製作所 東京海上日動火災保険 ライオン 富士通 新日本石油 アサヒビール セイコーエプソン 東京応化工業 静岡銀行 ソニー 66.14 65.53 64.98 64.94 64.57 63.96 63.81 63.63 63.56 62.80 (写真:アフロ) 40 NIKKEI COMPUTER 2006.10.2 I n d e x 42 企業の 「IT 力」を見る 七つの視点 44 IT 投資の管理 48 システムの全体最適化 50 品質・プロジェクト管理 キング 52 ユーザー・サポート 54 56 システム企画 57 運用・保守 58 調査から浮かび上がる実態 59 システム担当者が選んだ 「IT力」先進イメージ企業 60 総合ランキングトップ100 IT 部門の組織づくり …強い会社はここが違う IT 戦略の立案・実行の仕組みや利 この特集の狙いは、IT 戦略の優劣 用部門とのかかわり合いが、他社と やシステムの先進性を単純に比較す 比べてどれくらいのレベルにあるの ることではない。調査結果を基に、 か ――。ユーザー企業のCIO(最高 優れた取り組みをしている企業を見 情報責任者)やシステム部長が、自 つけ出すことにある。 らの取り組みが進んでいるのかどう 総合1 位になったリコーは、シス かを知るのは、極めて難しい。比較 テムの稼働後に、IT 投資の成果を徹 する「指標」が少ないからだ。 底して追いかけている。システムの そこで本誌は、ユーザー企業のIT ガバナンスがどの程度のレベルにあ 作り放しを防ぎ、期待したIT 投資の 成果を確実に刈り取るのが目的だ。 るのかを比べるための“物差し”を作 「システムの全体最適化」で1 位のロ 成。これを「IT 力」と名付けた。この ームは、ビジネスの成長を見込んだ 指標を使い、ユーザー各社のIT 力を 基幹系システムの拡張計画を策定。 数値化することに挑んだのが、本特 製品の受注から配送までのサプライ 集である。 チェーンが最適になるよう、システ IT 力を算出するため、 「IT 投資の ムの設計や開発・修整、運用・保守 管理」、「システムの全体最適化」、 をすべて自社でこなしている。総合 「品質・プロジェクト管理」 、 「ユー 3 位のセブン&アイ・ホールディン ザー・サポート」 、 「IT 部門の組織づ グスは、セブンイレブンで働く店舗 くり」 、 「システム企画」 、 「運用・保 スタッフの情報活用ぶりをシステム 守」といった七つの柱に関する質問 で監視。店舗のオーナーに使いこな を盛り込んだ調査票を作成。上場企 しを促している。 業・非上場有力企業2223 社に調査 七つの柱ごとのランキングととも 票を送付し、178 社から回答を得た。 に、IT 力が強い企業の具体的な取り そこからIT 力を計算した結果が左の 組みを紹介しよう。 表である。 (大和田 尚孝、岡本 藍、今井 俊之) NIKKEI COMPUTER 2006.10.2 41 特集 1 企業の「IT力」を見る七つの視点 企業の「IT 力」を比較するために、七つの視点に沿ってアンケート調査を実施した。 柱ごとの主な質問内容と上位 10 社の顔ぶれは以下の通りである。 調査に回答した 178 社における偏差値も掲載した。 ● IT 投資の増額と売上高の伸びがリンクしているか ● ユーザー満足度などでIT 投資を評価しているか ● 開発の優先順位を決める基準が明文化されているか ● ベンダーの選定基準があるか ● I T 投 資 の 管 理 ベンダーの技術力を評価する基準があるか 順位 1 2 2 2 5 5 5 8 9 9 企業名 ローム オリンパス 日野自動車 村田製作所 シャープ 日立製作所 富士通 セイコーエプソン アサヒビール カシオ計算機 偏差値 78.81 tp.48 70.24 70.24 70.24 69.90 69.90 tp.49 69.90 tp.49 69.26 69.23 69.23 シ ス テ ム の 全 体 最 適 化 ● システム企画や要件定義の手順を定めているか ● システム修整時に「回帰テスト」を実施しているか ● PMBOK などに基づいた規定集があるか ● 要件定義書などを必ず作成しているか ● 検収前に、自社で受け入れテストを実施しているか NIKKEI COMPUTER 2006.10.2 企業名 エーザイ 東京スター銀行 NTN リコー 大阪ガス 昭和シェル石油 アルプス電気 東京海上日動火災保険 日立製作所 大和証券グループ本社 偏差値 70.54 tp.46 69.98 tp.47 69.39 69.22 tp.44 67.22 66.80 66.12 65.87 65.76 65.70 ● EA のような中長期のロードマップを決めているか ● 最短どの期間で収益を管理できるか ● SCM システムは海外拠点や取引先と接続しているか ● 納期回答にどれくらいの日数を要するか ● 伝票や帳票などをペーパーレス化しているか 品 質 ・ プ ロ ジ ェ ク ト 管 理 42 順位 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 順位 1 1 1 1 1 1 1 8 8 8 8 8 企業名 伊藤忠テクノソリューションズ 大阪証券金融 シャープ ソニー 東京海上日動火災保険 日本興亜損害保険 日立製作所 大阪ガス 静岡銀行 セガ 日野自動車 富士フイルム 偏差値 66.60 66.60 66.60 66.60 tp.50 66.60 tp.51 66.60 66.60 64.89 64.89 64.89 64.89 64.89 順位 1 2 3 4 4 4 7 8 9 10 10 10 10 企業名 偏差値 シャープ 69.13 tp.53 ローム 67.88 東京応化工業 66.68 アサヒビール 66.56 高島屋 66.56 日立製作所 66.56 セブン&アイ・ホールディングス 65.91 tp.52 リコー 64.71 住友化学 64.18 NTN 62.56 鹿島 62.56 セイコーエプソン 62.56 富士フイルム 62.56 ユ ー ザ ー ・ サ ポ ー ト CIO はいるか。経営会議に議案を提出できるか ● 利用部門にシステム再構築などの提案をしているか ● IT 部門と利用部門の間に人事交流はあるか ● ITSS などでIT 部員のスキルを明確にしているか ● アクセス管理などの情報セキュリティ対策を施しているか 企業名 住友化学 東京応化工業 アサヒビール 富士フイルム シャープ 飛島建設 ネットマークス ローム 日野自動車 横浜ゴム 偏差値 72.76 tp.56 72.76 tp.56 70.91 69.87 68.41 67.48 67.48 67.06 66.91 66.56 改善要求を吸い上げる仕組みがあるか ● ヘルプデスクを用意しているか ● 操作に関する説明書や研修を提供しているか ● システム構築の狙いについて説明しているか I T ● 順位 1 1 3 4 5 6 6 8 9 10 ● シ ス テ ム 企 画 ● 社内のハード、OS、ミドルウエアなどを把握しているか ● ITIL などに基づいた運用手順を定めているか ● 中長期的なサービス改善策を定めているか ● 運用手順を守るための施策があるか ● 具体的なBCP(事業継続計画) があるか 部 門 の 組 織 づ く り 順位 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 企業名 村田製作所 損害保険ジャパン ソニー リコー 富士フイルム アサヒビール マツダ セイコーエプソン 八十二銀行 昭和シェル石油 偏差値 65.51 tp.54 65.46 tp.55 65.36 65.33 65.07 64.47 64.11 63.74 63.41 62.89 ● システム化要件の優先順位を決める基準があるか ● 要件定義や設計に利用部門が加わっているか ● RFP(提案依頼書) を作成しているか ● ベンダーの提示価格の妥当性を検定できるか ● 開発契約前に、法務部門などが内容を確認しているか 運 用 ・ 保 守 順位 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 企業名 偏差値 静岡銀行 70.69 りそな銀行 68.76 tp.57 伊藤忠商事 68.14 セブン&アイ・ホールディングス 68.04 大阪ガス 67.82 損害保険ジャパン 67.24 東京海上日動火災保険 66.98 日本興亜損害保険 66.87 シャープ 66.22 大和ハウス工業 66.18 NIKKEI COMPUTER 2006.10.2 43 特集 1 IT 投資の管理 s 合理化後の要員配置まで事前に計画 s 業務改革の達成度を事業部門の評価に反映 s 「成果刈り取り活動」に執念燃やす 4位 リコー リコー IT投資の管理 69.22(4位) 【総合1位】 100 IT 投資効果の試算を、絵に描いた に戻る手間を減らせ 餅で終わらせるな ――。桜井正光社長 ば、1 件の修理にか の号令の下、リコーはIT 投資による かる時間を短縮でき 業務改善の効果を、システム稼働後に る。独自に試算した 検証し続ける制度をスタートさせた。 1 件当たりの平均短 その「成果刈り取り活動」のモデル・プ 縮時間に1 年間の保 ロジェクトが今年8 月に動き出したサ 守件数を掛け合わせ ービス部品管理システム「REXUS」で て1 年間の合計削減 ある。 時間を導き、さらに 全国840 カ所のサービス拠点で扱う 16 万点のサービス部品を管理する 運用・保守 61.09(31位) 50 システムの 全体最適化 68.26(12位) 0 システム企画 56.10(52位) 品質・プロ ジェクト管理 62.50(26位) IT部門の組織づくり 65.33(4位) ユーザー・サポート 64.71(8位) 保守要員の人件費を乗じて効率化効果 改革とシステム開発、要員の配置転換 を算出した。 をひも付けなければならない」 。IT を REXUS は、顧客から故障の連絡を受 1 年間の削減時間までは、 「成果刈り 活用した業務革新の推進やシステムの けてから修理を終えるまでの時間短縮 取り活動」に取り組む前にも試算して 企画・開発といった役割を担う 「IT/S を狙ったものだ。顧客ごとの修理履歴、 いた。モデル・プロジェクトとなった 本部」の鈴木敏廣IT/S 企画室室長は、 機種名などを細かく管理しておき、客 REXUS ではさらに、時間短縮に合わ こう強調する。 先を訪れた保守要員が修理用部品を取 せて、保守要員を他部門に配置転換す りに戻る無駄を排除できるように保守 るという人事施策まで組み込んだ。元 作業を支援する。 の部署では要員削減で人件費を削減 リコーが成果刈り取りプロジェクト し、転換先では、増員により売り上げ をスタートしたのは2004 年のことだっ 用システムの整備による金額効果とし を伸ばす、という業務改善シナリオだ。 た。 「IT 投資額が年々大きくなるにつ て、2006 年度は年間12 億3800 万円、 ここまで計画を立てて、はじめて計画 れて、投資効果を十分に検証できない 2007 年度は17 億2100 万円を計画して 段階で想定した成果が得られるという 案件が増えていた」 (鈴木室長)からだ。 いる。このうち、REXUS 稼働による 考え方である。 リコーは、REXUS を含むサービス 個人の目標管理制度に落とし込む 2002 年度から2004 年度までの14 次 中期経営計画を実行していた当時は、 保守員の効率化効果は、2006 年度で 「2 億2000 万円、4 億3000 万円とい 年間 2 億 2000 万円、2007 年度は 4 億 う効果が実際に得られるかどうか、シ SCM システムなど、大型投資を伴う 3000 万円と見積もった。部品を取り ステム稼働後に追いかけるには、業務 開発案件が増加。2004 年度のIT 投資 44 NIKKEI COMPUTER 2006.10.2 図1'リコーにおけるIT 投資の「成果刈り取り」プロジェクトの推進フロー システムの稼働後に、計画どおりの投資効果が得られているかどうかを繰り返し検証する 目標設定 投資 成果の刈り取り 評価 額は2001 年度の2 倍以上に膨らんだ。 金をかけても成果が上れば問題ないが、 そこが見えにくくなっていた。 「時間短縮」といった目 標設定にとどまらず、要 員の配置転換による売 り上げ向上策まで計画 もともとリコーは、あらゆる経営指 計画と実績に差があ るときは、原因を究明 して対策を講じる 事業部門 (プロジェクトオーナー)の役割 標を可視化し、経営戦略を社員一人ひ 業務改革の実行 とりの目標管理制度に落とし込む「戦 略的目標管理制度(SMO) 」を取り入れ ていた。仕事の計画と実績を個人レベ ルで比較しながら、社員の創意工夫を 「業務改革」 を立案、情報 シス テ ム の 構築を検討 引き出す文化があった。だが、IT 投資 投資効果の 検証 システム開発 戦 略 的目標 管 理 制 度 ( S M O)*に 従 い 、業 務 改革の達成 度を評価 に関しては、効果の検証にあいまいな 部分を残していた。 システム部門の役割 桜井社長をはじめとする経営層から、 経理本部、総合経営企画室、 人事本部などの役割 「IT 投資効果の刈り取り状況をしっか り把握すべきだ」 との指示を受け、2004 *リコーにおける人事評価制度の名称。経営目標に沿って各事業部で事業目標を定め、 さらにそれを実現するために社員一人ひとりの業務まで 落とし込んで活動目標を定める。その後、 目標を達成できたかどうかを確認し、社員の評価にフィードバックする 年から準備をスタート。2005 年度から の15 次中期経営計画に盛り込んだシス テム開発案件を、成果刈り取りのモデ 議論に入る前に、リコーでは、事業部 うになった場合、そこで浮いた一人を ル・プロジェクトと定めた。その一つ 門がまず具体的な業務改革を考える。 他の部署に配置転換してこそ、人件費 がREXUS というわけだ。 SMO に基づいて業務目標を達成する 削減や売り上げの増加という価値が生 ために、オーナーとして業務改革を計 まれる。そのため、IT 投資効果の見積 画するのである。 もり段階で、仮想値が金額的な成果に 業務改革前提に投資効果を試算 では具体的な刈り取りプロジェクト 改革の遂行に欠かせないのが、情報 の進め方を、IT 投資効果の「試算」と システムだ。ここで、IT/S 本部の出 「検証」に分けて見てみよう (図1) 。 リコーでは、システムを利用する事 革や人事施策を関連づけるのだ。 番になる。IT/S 本部は、事業部門が 考え出した業務改革を実現するために、 業部門が、業務改革プロジェクトのオ システム開発を提案したり費用を見積 ーナーになる。システム開発案件の起 もったりする。 案、投資効果の試算、業務改革の遂行 つながるよう、システム投資と業務改 リコーはIT 投資の成果を「実成果」 刈り取りは事業部門の責任 成果の刈り取り、つまり検証はシス テム稼働後に始まる。時間短縮は計画 通り進んでいるか。その結果、要員の などの責任は、すべて事業部門が負う。 と 「仮想値」の二つに分けている。実成 配置転換はできたか。売り上げ向上に システム投資も事業部門が負担する。 果は、金額的な効果を直接生み出すも つながったか。これらを、当初の計画 IT/S 本部は、システムの提案や開発 の。経費削減などが相当する。 と実績を照らし合わせながら、一つひ を通じて業務改革を支援していく立場 これに対し、仮想値は、 「それを実 とつ確認していく。 現しただけでは金額的な成果が生まれ IT 投資の成果を刈り取る責任は事 IT 投資効果は、プロジェクト・オー るとは限らないもの」を指す。例えば 業部門にある。業務改革や成果刈り取 ナーである事業部門と、IT/S 本部が 時間短縮がそうだ。前述のように、10 り活動の達成度は、事業部門の社員の 協力して試算する。ただし、IT 投資の 人必要だった作業を9 人でこなせるよ 人事評価に反映させる。だからこそ、 である。 NIKKEI COMPUTER 2006.10.2 45 特集 1 事業部門の社員は本気で刈り取り活動 資の成果を着実に刈り取るためのプロ に臨むのである。 セスが出来上がっているのだ。 1位 一方、IT/S 本部にも、事業部門の 総合1 位のリコーは、七つの柱で1 業務改革を支援したり、IT 投資の刈 位になったところはないものの、偏差 り取り状況を検証したりする義務があ 値で60 を超えた柱が六つと、バランス る。システムの金銭的効果の実績が計 がとれていた。なかでも、 「IT 投資の 画より少ない場合、その理由を分析し 管理」 、 「システムの全体最適化」 、 「IT 借金してまでIT 投資はしない ――。 たり、どのようにすれば計画に近づけ 部門の組織づくり」は偏差値65 以上を これが、エーザイのポリシーである。 られるか、といったことを事業部門に 記録していた。 ぶつける。システムの利活用推進策も 四半期ごとに上限を確認 「IT 投資も研究開発費と同じ。上限を 「IT 投資の管理」では、IT 予算の審 議・決定の場を明文化している、IT 考えなければならない。 エーザイ 決め、その範囲に収める」 (システム企 画部の大杉隆部長) 。 鈴木室長は、 「IT/S 本部は口うるさ 予算案に投資効果を数字で表記してい エーザイは、システム化するテーマ く成果の刈り取りを迫るので、事業部 る、といった取り組みが4 位という結 を毎年、IT 計画書にまとめている。IT 門からは煙たがられている」 と苦笑い 果につながった。回答があった178 社 計画書には、開発案件の具体的な内 する。だが、桜井社長が「投資効果を のうち、常に効果を数字で表記してい 容、スケジュールだけでなく、テーマ 回収するのは事業部門の責任」 と明言 るのは23.0 %の41 社だけ。リコーは全 ごとにIT 投資予算の枠を設定する。こ していることもあり、事業部門はIT/S 社の新規投資予算のなかに、IT 関連 の予算枠を管理するのは事業部門であ 本部のチェックを受け入れざるを得な の枠をあらかじめ用意していない点で、 る。 「システムは一度作ったら、お守 い。システムの作り放しを防ぎ、IT 投 上位3 社に一歩及ばなかった。 りが必要になる。業務改革の裏付けを 担保するには、事業部門に投資実行の 最終判断を委ねるしかない」 (大杉部 長) との考えからだ。 エーザイでは、消耗品を除いて、IT 刈り取りには成果の 「可視化」が不可欠 予算を各事業部門の損益計算書に割り 振る。事業部門は四半期決算をまとめ る際に、各事業部門がどれだけIT 関 リコー IT/S 本部IT/S 企画室室長 連の費用を負担できるかをチェック。 IT 計画書に盛り込んだ開発案件を実 鈴木 敏廣氏 行に移すかどうかを判断する。ただ、 従来はベンダーへの支払いが年度末に IT 投資の効果を正確につかむには、成 えば「作業時間の短縮」のように、それが 集中していたため、四半期ごとのIT 果を目に見える形で把握しなければなら 金銭的な成果に直接つながるとは限らな 関連経費の状況を正確に把握するのは ない。効果は出ているがどの程度か分か い効果を示す数字だ。さらに仮想値を実 難しかった。そこで、システム企画部 らない、景気動向による収益の変動と切 成果につなげるため、要員の配置転換な はベンダーと交渉。一部の経費につい り分けられない、といったことでは投資が どの施策を事業部門に考えてもらう。 て、年払いを月払いに変更している。 投資効果の試算や検証を数字で議論で 事業部門がIT 投資に関するチェッ 当社では、投資の成果を測るために きる仕組みがあってはじめて、 「成果の クをする際には、システム企画部も参 「実成果」 と 「仮想値」 と呼ぶ二つの考え方 刈り取り活動」が進められる。投資に責 を導入している。実成果は、システム化 任を持つ事業部門も、刈り取りの士気を によるコスト削減額など。仮想値は、例 上げやすくなる。 成功なのかどうか判断できない。 (談) 効果を体感させれば 理解は得られる エーザイ システム企画部部長 型住宅ローンのシステムなど、効果を 大杉 隆氏 金額で試算しにくいシステムもある。 システム企画部の責任は、事業部門が 決めたIT 投資額の範囲内でシステムを構 これらはPayback 法に加えて、 「リテ ール」や「法人」などの事業部門が主体 説明する責任も負う。 事業部門との約束が守れたかどうかは、 となって「KPI(重要業績評価指標)」 を定め、投資効果を計算する。 築することだ。事業部門はシステムを構 品質保証システム規格のISO9001 に沿 築する際、会社に対して、 「原価をいく って構築したPDCA サイクルの仕組みで ら下げる」 、あるいは「リードタイムをど 確認している。稼働後1 年以内に事業部 「システム企画管理マニュアル」では、 れくらい減らす」 といった成果を約束して 門と一緒にシステムの機能を評価するこ 5000 万円以上の案件は事前に投資効 いる。投資した効果があったかどうかも、 とをルール化したわけだ。こういった場 果を検証することが必須。だが、実際 最終的に事業部門がチェックする。シス で、新しくできたシステムの効果を体感 には「5000 万円未満の案件でも投資効 テム企画部は、こうした約束を果たせる してもらうことこそ、IT 投資枠という厳 果を試算している」 (東京スター銀行の システムを作らなければならないし、ど しい管理を事業部門に受け入れてもらう 石橋弘一IT グループシステム企画ヴ ういった理由でベンダーを選定したかを コツなのだ。 ァイスプレジデント) という。 (談) システム案件の起案ルールを定めた ◇ ◇ ◇ 今回の調査に回答があった178 社の うち、何らかの形でIT 投資の評価を 加する。その場でIT 投資の予算枠を 二つの投資評価手法を使い分ける。 している企業は122 社。そのなかでも、 見ながら、残っているシステム化テー コールセンターの音声自動応答シス リコーのように、IT 投資効果の刈り取 マとその投資額を検討し、取りかかる テム、集中事務センターのイメージ・ りに執念を燃やす企業はまだ珍しい。 優先順位を見直していく。もちろん、 ワークフローシステムなど、人間の労 1 位のエーザイは、IT 投資予算の優 予算枠に収まらなければ、次年度以降 力に置き換えやすい案件は「Payback 先順位を決める基準が明文化されてい に見送ることになる。 「何年も見送り 法」で投資効果を見極める。効果を金 る、すべてのシステムや製品で調達先 となるテーマもあるが、事業部門自身 額として試算し、それを現時点での価 ベンダーの選定基準がある、といった に判断してもらうため、不満がたまる 値に置き換えて、投資金額と比較する 点で他社を上回った。前者は178 社の ことはない」 (大杉部長) 。このように 手法だ。回収期間は 2 ∼ 3 年と定め、 うち14.6 %の26 社、後者は27.0 %の して決まるシステム化案件は大小合わ 投資効果が見込める案件を中心にIT 48 社だけだった。 せると年間1000 件に上る。 投資を実行していく。 法制度対応のシステム修整や、勘定 2位 東京スター銀行 複数の評価指標を使い分け 「IT 投資の管理」で2 位に入った東 京スター銀行は、案件に応じて、主に IT 投資の評価手法として、最もよ く使われているのは「ユーザー満足度」 系システムで使っているメインフレー で、66 社(複数回答、以下同)が利用 ムの保守切れによるハード更改などは、 している。次が「Payback 法」で 54 投資効果にかかわらず実施しなければ 社。以下、KPI、ROI、ベンチマーク ならない。これらの「サバイバル」案件 と続いた。 は、Payback 法を使うものの、2 ∼3 ベンダーの技術力は「情報システム 年で投資効果が得られないとしても、 部門が評価している」のが82.6 %の147 投資は実行する。 社で、 「外部の専門家に委託している」 一方、営業支援システム、預金連動 のは3.4 %の6 社だった。 (写真:厚川 千恵子) NIKKEI COMPUTER 2006.10.2 47 特集 1 調査から浮かび上がる 178社の実態 社内システムの総ステップ数はどのぐらいか、SOA の導入状況はどうか ――。 「企業の IT 力調査」では、話題のキーワードに対するとらえ方や取り組み、 情報化の実態について聞いた。 178 社の回答から、興味深い結果が浮かび上がった。 社内システムの総ステップ数(平均)は 1735万ステップ、 製造業は1962万ステップで非製造業は1329万ステップ。業 種別では「自動車・輸送機器」が最大で、4576万ステ ップ SOA(サービス指向アーキテク チャ) 、52.2 %が「関心あり」 。 しかし、 「SOA対応と呼べるシ ステム 化 を 実 施 済 み 」は 4.5%にとどまる 今年3月までにメインフレーム を撤廃したのは25.3%。 29.8 % は「撤廃の必要性を 感じない」 社 内 システム の 運 用ジョブ数(平均) は 7 万 3791 件。 非製造業の平均は 17 万 2073 件で製造 業( 1 万 6 1 0 件 )の 16倍以上 ITアウトソーシングを利用していると回答した 134 社のうち、運用は 85.8 % が利用するが、企画は 7.5%だけ。ITアウトソーシング利用の目的1位はコ スト削減で47.0% 中国やインドへのオフショア開発、16.3 % の 29 社が直接発注を経験済み。直接発注の結果、29 社のうち 19 社が「コストを削減できた」。一方で 「コミュニケーションに課題あり」と答えた企 業も15社 質問は選択式で実施。ただし、上記のうち、 オフショア開発を直接発注したことがある企 業29社にその結果を聞いた質問と、ペーパ ーレス化の実施状況についての質問は、複 数回答形式。 58 NIKKEI COMPUTER 2006.10.2 今年3月までに日本版SOX法のためのシステ ム対応を終えたのは 3.4%。「必要性を感じ ない」は2.8% システム担当者が選んだ「IT力」先進企業 セブン&アイが 1 位 従業員の給与明細をペーパ ーレス化しているのは 38.8 % 。紙の各種伝票を 廃止したのは 40.4 %。経 費・交通費などの精算、週 次・月次などの定型帳票を ペーパーレス化したのは 48.9%に上る 単独決算で、決算発表に必 要な売上高などのデータを そろえるのにかかる日数は、 平均 15.3 日 。34.8 %の企 業は「1 ∼ 10 日」でそろう。 「 1 1 ∼ 2 0 日 」か か る の は 25.8% IT担当者の立場から、ITの活用が進んでいると思う企業 を3社まで挙げてもらい、1位に3点、2位に2点、3位に 1点を与え得点を算出した。 システム担当者が選んだ「IT 力」先進企業セブン&アイが1 位 順位 1位 2位 3位 4位 5位 6位 7位 8位 9位 10位 11位 12位 EAのような中長期的なIT の更新ロードマップを定め ているのは 24.2% 12位 12位 12位 16位 16位 災害や大規模なシステム 障害など緊急時の連絡網は 86.0 % が構築済み。ただ し、メインのデータセンタ ーが被害にあった際に事業 を継続するためのバックア ップ・センターがあるのは 33.1%だけ 18位 18位 18位 21位 21位 23位 24位 企業名 得点 セブン&アイ・ホールディングス トヨタ自動車* 日本IBM* 花王* キヤノン* マイクロソフト* ヤマトホールディングス* デル* ソフトバンク* 松下電器産業* 楽天* NEC NTT* ソニー 日立製作所 NTTドコモ* 富士通 新生銀行* 日本テレコム* リコー アサヒビール 日本ヒューレット・パッカード* アマゾンジャパン* シャープ 60 59 49 40 28 24 18 13 12 11 10 9 9 9 9 8 8 7 7 7 6 6 5 4 注:*は今回の調査対象外、もしくは回答がなかった企業 NIKKEI COMPUTER 2006.10.2 59 特集 1 「IT力」は時価総額とリンクする 横軸に企業のIT力の総合評価偏差値を、縦軸に時価総額を取り、企業を点で表した(図2)。時価総額が大き い企業ほど、IT力の総合評価偏差値が高いことが分かる。時価総額は6月末時点。金額のままでは極端に平均 から離れた企業があるため、金額(100万円単位)の自然対数をとって単回帰分析した。相関係数は、0.57。 図2'総合ランキング上位20 社のポジション 16 セブン&アイ・ ホールディングス ソニー 15 シャープ 日立製作所 村田製作所 富士フイルム リコー 住友電気工業 新日本石油 本石油 ローム 大阪ガス 静岡銀行 アサヒビール 昭和シェル石油 セイコーエプソン 富士通 14 13 時 価 総 額 ︵ 対 数 ︶ 東京スター銀行 ライオン 12 東京応化工業 11 10 9 8 7 20 30 40 50 「IT力」総合評価(偏差値) 注: 「IT 力」総合ランキング上位20 社のうち、東京海上日動火災保険は単独では非上場 (持ち株会社のミレアホールディングスが上場)のため、プロットしていない 60 NIKKEI COMPUTER 2006.10.2 60 70 「IT 力」総合ランキング上位100 社 (178 社における偏差値、カッコ内は柱ごとの順位) 順位 企業名 総合 IT 投資の管理 システムの 全体最適化 品 質・プ ロジ ユーザー・ ェクト管理 サポート IT 部門の 組織づくり システム企画 運用・保守 1 リコー 69.84 69.22( 4) 68.26( 12) 62.50( 26) 64.71( 8) 65.33( 4) 56.10( 52) 61.09( 31) 2 日立製作所 69.79 65.76( 9) 69.90( 5) 66.60( 1) 66.56( 4) 56.49( 62) 63.13( 22) 63.38( 16) 3 セブン&アイ・ホールディングス 69.40 60.92( 27) 63.87( 19) 64.25( 16) 65.91( 7) 62.60( 13) 63.45( 20) 68.04( 4) 4 大阪ガス 68.69 67.22( 5) 67.86( 14) 64.89( 8) 61.19( 18) 57.56( 51) 56.85( 45) 67.82( 5) 5 富士フイルム 68.66 59.82( 35) 62.00( 28) 64.89( 8) 62.56( 10) 65.07( 5) 69.87( 4) 58.95( 40) 6 シャープ 68.18 45.68(109) 69.90( 5) 66.60( 1) 69.13( 1) 61.95( 15) 68.41( 5) 66.22( 9) 7 ローム 67.70 49.54( 93) 78.81( 1) 60.26( 36) 67.88( 2) 59.64( 30) 67.06( 8) 60.88( 32) 8 昭和シェル石油 66.53 66.80( 6) 56.07( 49) 60.01( 37) 57.61( 47) 62.89( 10) 66.23( 11) 59.86( 36) 9 住友電気工業 66.24 58.33( 50) 68.56( 11) 64.71( 13) 53.49( 82) 62.68( 12) 57.03( 44) 63.09( 20) 10 東京スター銀行 66.17 69.98( 2) 50.34( 78) 63.04( 18) 59.82( 28) 58.60( 41) 64.09( 17) 63.82( 14) 11 村田製作所 66.14 51.31( 85) 70.24( 2) 60.54( 31) 59.82( 28) 65.51( 1) 63.35( 21) 59.78( 37) 12 東京海上日動火災保険 65.53 65.87( 8) 47.69( 90) 66.60( 1) 59.82( 28) 61.15( 21) 58.60( 35) 66.98( 7) 13 ライオン 64.98 59.03( 42) 63.64( 20) 59.51( 40) 58.80( 40) 62.81( 11) 61.28( 25) 58.40( 41) 14 富士通 64.94 58.72( 45) 69.90( 5) 63.04( 18) 53.61( 80) 52.15( 94) 64.09( 17) 63.38( 16) 15 新日本石油 64.57 63.70( 15) 60.05( 33) 58.16( 50) 57.01( 51) 60.86( 23) 64.38( 16) 56.11( 54) 16 アサヒビール 63.96 44.25(117) 69.23( 9) 49.43( 92) 66.56( 4) 64.47( 6) 70.91( 3) 59.46( 38) 17 セイコーエプソン 63.81 56.16( 59) 69.26( 8) 57.73( 51) 62.56( 10) 63.74( 8) 62.06( 24) 47.25(107) 18 東京応化工業 63.63 54.38( 67) 53.45( 61) 56.48( 61) 66.68( 3) 58.73( 39) 72.76( 1) 60.58( 33) 19 静岡銀行 63.56 64.44( 13) 56.60( 45) 64.89( 8) 41.49(142) 58.47( 44) 53.39( 66) 70.69( 1) 20 ソニー 62.80 50.10( 91) 63.97( 17) 66.60( 1) 60.18( 22) 65.36( 3) 45.97(114) 61.97( 24) 21 日野自動車 62.68 46.67(105) 70.24( 2) 64.89( 8) 52.59( 89) 56.31( 63) 66.91( 9) 56.66( 50) 22 高島屋 62.41 62.89( 19) 53.12( 64) 59.72( 39) 66.56( 4) 60.57( 25) 52.50( 71) 58.37( 42) 23 横浜ゴム 61.22 58.38( 49) 62.00( 28) 53.03( 75) 39.22(148) 58.42( 45) 66.56( 10) 60.44( 34) 24 ネットマークス 61.21 59.56( 39) 45.85(103) 57.27( 55) 53.73( 78) 57.66( 50) 67.48( 6) 63.31( 18) 25 エーザイ 60.97 70.54( 1) 45.42(116) 58.62( 46) 59.22( 36) 55.69( 66) 52.82( 67) 61.31( 26) 26 NSW 60.75 52.92( 77) 60.79( 31) 55.34( 65) 54.26( 74) 61.46( 18) 53.54( 65) 63.78( 15) 27 富士電機ホールディングス 60.55 62.46( 21) 57.41( 42) 58.33( 49) 57.43( 48) 54.08( 76) 55.25( 55) 57.68( 45) 28 マツダ 60.39 43.80(120) 64.98( 16) 57.05( 57) 54.86( 68) 64.11( 7) 52.54( 70) 64.29( 13) 29 三菱電機 60.02 64.55( 12) 60.35( 32) 54.49( 69) 55.46( 67) 54.05( 77) 56.14( 51) 53.21( 70) 30 りそな銀行 59.94 53.57( 75) 48.40( 84) 64.60( 15) 59.82( 28) 58.99( 35) 47.62(106) 68.76( 2) 31 ヤマハ発動機 59.80 55.85( 61) 63.34( 21) 56.66( 58) 46.50(110) 59.59( 31) 55.86( 53) 55.82( 56) 32 オリンパス 59.67 61.93( 24) 70.24( 2) 60.29( 35) 59.22( 36) 40.12(135) 58.07( 37) 53.32( 69) 33 大和ハウス工業 59.45 53.88( 72) 40.59(151) 63.00( 20) 56.83( 55) 58.42( 45) 59.67( 28) 66.18( 10) 34 日興コーディアルグループ 59.37 61.93( 24) 51.68( 71) 63.00( 20) 38.27(153) 61.25( 20) 49.36( 93) 61.20( 28) 35 富士ゼロックス 59.31 58.52( 48) 63.00( 23) 58.94( 42) 53.91( 76) 50.83(105) 57.85( 38) 53.53( 62) 36 住友化学 59.09 55.99( 60) 45.85(103) 62.72( 25) 64.18( 9) 57.30( 55) 72.76( 1) 39.90(147) 37 NTN 58.86 69.39( 3) 63.34( 21) 46.26(107) 62.56( 10) 60.96( 22) 37.38(158) 51.10( 83) 38 キリンビール 58.64 58.72( 45) 49.80( 79) 62.86( 23) 57.79( 45) 51.58( 98) 62.92( 23) 51.50( 78) 39 クボタ 58.42 60.18( 33) 62.67( 25) 56.66( 58) 60.77( 19) 46.78(116) 55.25( 55) 53.53( 62) 40 アルプス電気 58.36 66.12( 7) 58.71( 37) 56.63( 60) 56.65( 59) 51.04(103) 52.00( 76) 49.68( 92) 41 日本ユニシス 58.16 54.89( 66) 54.09( 57) 60.44( 33) 49.73( 99) 59.46( 33) 57.60( 41) 50.99( 85) 42 飛島建設 58.03 57.26( 52) 47.73( 88) 53.74( 70) 56.65( 59) 54.62( 72) 67.48( 6) 53.50( 64) 43 損害保険ジャパン 57.85 49.09( 94) 41.80(140) 64.71( 13) 53.49( 82) 65.46( 2) 45.72(118) 67.24( 6) 44 永谷園 57.72 45.51(112) 57.07( 43) 52.89( 76) 61.25( 16) 57.85( 48) 52.50( 71) 65.71( 12) 45 住友林業 57.59 63.59( 16) 48.06( 86) 48.54( 99) 62.03( 14) 57.20( 57) 57.82( 39) 50.92( 87) NIKKEI COMPUTER 2006.10.2 61 特集 1 順位 企業名 総合 IT 投資の管理 システムの 全体最適化 品質・プロジ ェクト管理 ユーザー・ サポート IT 部門の組織 づくり システム企画 運用・保守 46 綜合警備保障 57.20 42.64(125) 56.40( 46) 60.69( 29) 53.61( 80) 61.82( 16) 49.83( 90) 61.20( 28) 46 バイタルネット 57.20 45.54(111) 46.86( 94) 60.69( 29) 48.18(103) 56.83( 59) 64.99( 14) 62.69( 21) 48 旭化成 56.79 61.06( 26) 59.38( 36) 47.90(101) 37.91(154) 56.31( 63) 64.67( 15) 47.25(107) 49 イムラ封筒 56.78 54.38( 67) 55.67( 52) 55.63( 64) 58.62( 41) 47.42(113) 59.67( 28) 56.88( 49) 50 プロミス 56.41 59.79( 36) 52.48( 66) 48.97( 96) 56.00( 64) 53.69( 84) 49.18( 95) 61.71( 25) 51 伊藤忠テクノソリューションズ 56.05 41.32(132) 54.96( 55) 66.60( 1) 51.10( 93) 52.18( 93) 59.89( 26) 57.13( 48) 52 伊藤ハム 55.88 46.81(104) 54.76( 56) 63.89( 17) 62.03( 14) 60.44( 27) 45.51(121) 48.55( 96) 53 伊藤忠商事 55.83 60.27( 30) 41.80(140) 57.09( 56) 44.59(120) 52.49( 89) 50.93( 84) 68.14( 3) 54 サンデン 55.70 47.01(102) 46.19(100) 60.40( 34) 42.44(135) 62.58( 14) 58.89( 34) 55.53( 58) 55 五洋建設 55.64 50.33( 89) 49.70( 80) 50.11( 87) 59.82( 28) 59.77( 29) 48.76( 97) 61.28( 27) 56 大和証券グループ本社 55.58 65.70( 10) 52.35( 69) 61.97( 27) 41.67(139) 58.34( 47) 40.23(150) 47.86(101) 57 ダイキン工業 55.52 50.27( 90) 67.92( 13) 58.69( 45) 60.00( 26) 54.26( 75) 41.12(146) 47.57(104) 58 日本綜合地所 55.16 56.58( 55) 40.12(154) 51.82( 80) 59.22( 36) 58.96( 36) 51.15( 83) 58.37( 42) 59 積水化学工業 54.74 55.20( 63) 62.30( 26) 48.51(100) 57.43( 48) 57.82( 49) 42.09(140) 49.17( 95) 60 日立電線 54.67 52.67( 78) 48.50( 82) 61.11( 28) 37.91(154) 60.47( 26) 56.39( 47) 47.79(102) 61 NEC 54.57 42.87(124) 57.74( 40) 58.80( 44) 44.00(123) 57.30( 55) 47.51(108) 62.00( 23) 62 武富士 54.42 63.45( 18) 44.11(123) 59.01( 41) 56.47( 61) 56.62( 61) 33.81(167) 56.51( 51) 63 ノーリツ 54.40 54.05( 71) 46.19(100) 58.62( 46) 60.18( 22) 59.53( 32) 43.05(134) 50.99( 85) 64 アイシン精機 54.38 60.24( 32) 53.45( 61) 50.68( 85) 38.86(150) 54.68( 71) 52.32( 75) 53.39( 68) 65 日本ピストンリング 54.27 55.17( 64) 52.45( 67) 47.65(102) 56.95( 52) 50.02(107) 54.78( 60) 56.51( 51) 66 南都銀行 54.07 62.30( 23) 41.80(140) 56.13( 63) 42.98(130) 61.38( 19) 42.05(141) 54.81( 61) 67 大成建設 54.03 47.54( 98) 41.46(144) 62.82( 24) 60.41( 20) 53.77( 81) 47.90(105) 61.20( 28) 68 大阪証券金融 53.75 46.47(106) 52.99( 65) 66.60( 1) 59.82( 28) 38.12(147) 51.57( 81) 63.27( 19) 69 クレディア 53.48 65.65( 11) 44.11(123) 49.15( 93) 54.44( 73) 47.37(114) 53.96( 63) 52.44( 74) 70 丸紅 53.30 55.26( 62) 55.40( 53) 47.12(104) 42.03(136) 57.46( 52) 53.71( 64) 48.44( 98) 71 岡野バルブ製造 53.23 60.80( 28) 40.59(151) 53.24( 73) 45.91(111) 48.78(109) 65.63( 13) 48.34( 99) 72 三井物産 53.15 58.80( 44) 51.45( 72) 46.76(105) 56.83( 55) 58.89( 37) 47.58(107) 42.92(132) 73 日本管財 52.78 60.69( 29) 43.91(126) 52.74( 77) 49.73( 99) 51.09(101) 54.82( 59) 48.48( 97) 74 三井化学 52.60 46.08(107) 54.09( 57) 40.07(140) 56.95( 52) 60.68( 24) 59.89( 26) 45.28(124) 75 日本板硝子 52.48 63.56( 17) 43.24(131) 38.71(147) 38.50(151) 57.46( 52) 59.07( 32) 51.83( 77) 76 ヤフー 52.43 42.39(126) 47.09( 93) 53.49( 71) 44.00(123) 53.71( 82) 54.54( 61) 66.11( 11) 77 タムラ製作所 52.12 44.14(119) 63.97( 17) 43.27(125) 55.76( 66) 53.92( 79) 56.21( 50) 45.17(125) 78 日本興亜損害保険 52.09 42.39(126) 34.53(169) 66.60( 1) 48.18(103) 59.30( 34) 42.12(139) 66.87( 8) 79 日本ハム 52.06 39.52(144) 53.45( 61) 58.55( 48) 56.83( 55) 53.64( 85) 51.65( 80) 51.06( 84) 80 八十二銀行 52.01 39.94(143) 41.13(147) 62.89( 22) 56.00( 64) 63.41( 9) 40.70(147) 57.17( 47) 81 豊田自動織機 51.97 50.86( 87) 60.02( 34) 51.28( 82) 41.37(143) 55.56( 67) 42.44(138) 52.30( 75) 82 カシオ計算機 51.77 44.36(115) 69.23( 9) 48.97( 96) 51.34( 91) 56.78( 60) 45.90(116) 40.74(143) 83 安川電機 51.76 51.40( 84) 56.07( 49) 56.30( 62) 48.00(106) 43.53(122) 58.57( 36) 46.05(116) 84 三井住友海上火災保険 51.64 44.30(116) 35.20(167) 60.54( 31) 52.71( 87) 58.89( 37) 47.01(110) 60.33( 35) 85 オークワ 51.60 52.55( 79) 47.12( 92) 49.08( 94) 57.79( 45) 58.55( 43) 45.55(119) 47.06(110) 86 東洋エンジニアリング 51.47 47.29(100) 41.80(140) 59.83( 38) 61.25( 16) 51.53( 99) 47.97(104) 53.21( 70) 87 アドバンテスト 51.16 43.74(122) 62.30( 26) 49.47( 91) 30.92(170) 51.61( 97) 59.17( 31) 51.43( 80) 88 近鉄エクスプレス 50.99 41.15(133) 50.67( 76) 51.57( 81) 58.62( 41) 54.88( 70) 43.09(133) 59.28( 39) 89 日本バイリーン 50.93 62.35( 22) 45.52(111) 45.19(115) 60.41( 20) 42.54(126) 49.36( 93) 53.50( 64) 90 ラピーヌ 50.92 37.91(152) 43.41(129) 50.14( 86) 45.91(111) 58.57( 42) 55.78( 54) 62.07( 22) 62 NIKKEI COMPUTER 2006.10.2 順位 企業名 総合 IT 投資の管理 システムの 全体最適化 品質・プロジ ェクト管理 ユーザー・ サポート IT 部門の組織 づくり システム企画 運用・保守 91 日本精工 50.86 51.62( 83) 57.07( 43) 39.57(142) 41.67(139) 54.52( 73) 54.29( 62) 49.83( 91) 92 鹿島 50.55 49.71( 92) 41.13(147) 53.06( 74) 62.56( 10) 56.05( 65) 46.76(111) 46.95(111) 93 菱食 49.78 44.25(117) 58.21( 38) 44.91(118) 50.92( 96) 59.87( 28) 38.77(154) 49.61( 93) 94 NIS グループ 49.67 62.75( 20) 47.39( 91) 46.58(106) 54.68( 70) 39.21(141) 52.75( 68) 47.54(105) 94 国際航業 49.67 40.08(139) 40.63(150) 50.11( 87) 53.49( 82) 61.80( 17) 57.35( 42) 45.03(126) 96 テルモ 49.52 54.38( 67) 53.76( 60) 51.28( 82) 53.91( 76) 36.54(153) 50.01( 88) 52.84( 73) 97 富士ソフト 49.30 33.10(173) 55.36( 54) 58.94( 42) 41.37(143) 50.99(104) 59.56( 30) 47.28(106) 98 セーレン 49.18 59.59( 38) 46.52( 97) 45.69(111) 51.16( 92) 53.04( 86) 45.40(123) 41.18(139) 99 明治乳業 48.86 39.52(144) 62.97( 24) 40.28(139) 44.00(123) 53.04( 86) 45.48(122) 57.39( 46) レオン自動機 48.80 59.06( 41) 49.50( 81) 49.68( 90) 50.62( 97) 36.48(154) 56.57( 46) 44.66(127) 100 ご回答いただいた企業には、 それぞれの順位などをまと めた資料を送付いたします。 【調査・分析の方法】 システム部門の組織運営、IT関連投資、システムの機能などの実態を聞き、ITガバ ナンス、利活用の状況を企業ごとに分析する試みで、今回が初めて。東証一、二部上 場に非上場有力企業を加えた2223社を対象に、日経リサーチの協力で5月中旬から8 月下旬にかけてアンケート調査を実施、178社から有効回答を得た。 調査票のうち、意見を聞くものや全体の傾向の分析だけに使うものを除いた63の設 「企業の IT 力調査」の全質問、 および 100 社の総合ランキング、 七つの柱ごとのランキングを、日 経 コンピュータ の W e b サイト (http://itpro.nikkeibp.co.jp/ NC/) に掲載します。 問(副設問含む)について編集部が配点。さらに、日経コンピュータが主催する「シス テム部長会」の会員45人から寄せられた、質問項目の重要さに関する意見を配点に反 映して出したスコアから七つの柱ごとに偏差値を算出した。総合ランキングの偏差値 は各柱のスコアを合計したものを偏差値化している。 回答企業一覧(五十音順) アイシン精機、アキレス、旭化成、アサヒビー シェル石油、新日本石油、スターゼン、住友化 綜合地所、日本駐車場開発、日本抵抗器製作所、 ル、アシード、東海運、アドバンテスト、アルプ 学、住友金属工業、住友電気工業、住友林業、 日本バイリーン、日本発条、日本ハム、日本ピス ス電気、アルメディオ、イオンモール、井関農 セイコーエプソン、セイヒョー、セガ、積水化 トンリング、日本ユニシス、ネットマークス、ノ 機、稲葉製作所、伊藤忠商事、伊藤忠テクノソ 学工業、セブン&アイ・ホールディングス、セー ーリツ、バイタルネット、八十二銀行、バンプレ リューションズ、伊藤ハム、イムラ封筒、魚力、 レン、創建ホームズ、綜合警備保障、ソニー、 スト、日置電機、日立製作所、日立電線、日野自 エア・ウォーター、エコス、エーザイ、N I Sグル 損害保険ジャパン、ダイキン工業、大成建設、 動車、富士ゼロックス、富士ソフト、富士通、 ープ、NEC、NSW、NTN、荏原、荏原ユージラ 高千穂交易、高千穂電気、タムラ製作所、大和 富士電機ホールディングス、富士フイルム、フ イト、エムオーテック、応用地質、オークワ、大 証券グループ本社、大和ハウス工業、高島屋、 ューチャーシステムコンサルティング、 プロミス、 阪ガス、大阪証券金融、岡野バルブ製造、小田 武富士、中電工、T I S、ディーアンドエムホール ペガサスミシン製造、松井証券、マツダ、丸紅、 急建設、オリンパス、カシオ計算機、鹿島、川 ディングス、デリカフーズ、テルモ、トーア紡コ ミズノ、三井住友海上火災保険、三井化学、三 崎重工業、関東電化工業、技研興業、キーコー ーポレーション、東京応化工業、東京海上日動 井物産、三井不動産、三井ホーム、三菱地所、 ヒー、キユーピー、九州親和ホールディングス、 火災保険、東京スター銀行、東光、東洋エンジ 三菱電機、村田製作所、明治乳業、モスフード 京セラ、共立、キリンビール、近畿車輛、近鉄 ニアリング、東レ、トピー工業、飛島建設、巴 サービス、森下仁丹、安川電機、ヤフー、ヤマ エクスプレス、クスリのアオキ、クボタ、クレデ 工業、豊田自動織機、鳥越製粉、永谷園、ナカ タネ、ヤマハ発動機、ユニ・チャーム、横河工 ィア、ゲオ、ケンウッド、国際航業、コクヨ、五 ノフドー建設、南都銀行、日興コーディアルグ 事、横浜ゴム、ライオン、ラウンドワン、ラピー 洋建設、サッポロホールディングス、サミー、 ループ、日産ディーゼル工業、日新、日清紡、日 ヌ、理研コランダム、リコー、りそな銀行、琉 サーラ住宅、サンウエーブ工業、サンデン、静 東電工、日本板硝子、日本管財、日本ケミコン、 球銀行、菱食、レオン自動機、ローム 岡銀行、渋沢倉庫、しまむら、シャープ、昭和 日本興亜損害保険、日本新薬、日本精工、日本 NIKKEI COMPUTER 2006.10.2 63