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ケニア共和国 (Republic of Kenya) 通信

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ケニア共和国 (Republic of Kenya) 通信
ケニア共和国
( Republic of Kenya)
通信
Ⅰ
監督機関等
1
情 報 通 信 技 術 省 ( Ministry of Information, Communications and Technology)
Tel.: + 254 20 4920000
URL: http://www.information.go.ke/
所 在 地 : Teleposta Towers, Kenyatta Avenue, Koinange Street, P.O. Box
30025-00100, Nairobi, KENYA
幹 部 : Fred Matiang’ i( 大 臣 / Minister)
所掌事務
ICT 政 策 策 定 及 び 電 子 政 府 サ ー ビ ス 管 理 を 所 掌 す る 。
2
ケ ニ ア 通 信 庁 ( Communications Auyhority of Kenya: CA)
Tel.: + 254 20 4242000
URL: http://www.ca.go.ke/
所 在 地 : Waiyaki Way, P.O. Box 14448, 00800 Westlands, Nairobi, KENYA
幹 部 : Ngene B. Gituku( 議 長 / Chairman)
所掌事務
「 1998 年 ケ ニ ア 情 報 通 信 法 」 に よ り 「 ケ ニ ア 通 信 委 員 会 ( Communications
Commission of Kenya)」 と し て 設 立 さ れ た 通 信 ・ 放 送 事 業 者 規 制 機 関 で あ る 。
2014 年 6 月 、名 称 を「 ケ ニ ア 通 信 庁 」に 変 更 し た 。電 気 通 信 に 関 す る 所 掌 事 務 は
以下のとおり。
3

事業免許の付与

卸売・小売料金管理

番号、周波数等希少資源の割当て・管理

ユニバーサル・サービス基金の管理

消費者保護

技術基準の設定及び機器の型式認定
情 報 通 信 技 術 庁( Information and Communication Technology Authority:ICTA)
Tel.: + 254 20 2211960/62
URL: http://www.icta.go.ke/
所 在 地 : Telposta Towers, 12th Floor, Kenyatta Avenue, Nairobi
1
P.O. Box 27150-00100 Nairobi, KENYA
幹 部 : Edwin Ochieng Yinda( 議 長 / Chairman)
所掌事務
2013 年 8 月 に 三 つ の 政 府 系 情 報 通 信 関 連 の 委 員 会 を 統 合 し て 設 立 さ れ た 。政 府
内 の ICT 関 連 の か じ 取 り を 行 う ほ か 、 ICT 関 連 の 標 準 化 や ICT リ テ ラ シ ー ・ 能
力の向上、イノベーションの方向を定めるといった役割を担う。
Ⅱ
法令
2013 年 ケ ニ ア ( 改 正 ) 情 報 通 信 法 ( Kenya Information And Communications
( Amendment) Act, 2013)
CCK( 現 CA) の 設 立 条 件 、 電 気 通 信 分 野 の 規 制 枠 組 、 免 許 申 請 手 続 等 を 規 定
し て い る 。無 線 通 信 分 野 で は CCK に よ る 無 線 局 免 許 の 付 与 条 件 を 規 定 し て い る 。
1998 年 に 制 定 さ れ 、 2009 年 の 改 正 で は 、 ユ ニ バ ー サ ル ・ サ ー ビ ス 基 金 制 度 、 競
争 市 場 で の 事 業 者 の 行 為 規 定 等 が 追 加 さ れ た 。ま た 、2013 年 に は 、規 制 機 関 の 組
織改編や、消費者保護及び競争関連、放送関連の改正を行っている。
Ⅲ
政策動向
1
免許制度
2008 年 に CCK は 従 来 の 技 術 別 の 個 別 免 許 制 度 を 廃 止 、通 信 サ ー ビ ス に 関 す る
免 許 区 分 を 通 信 網 施 設 ( 通 信 網 施 設 を 有 す る 固 定 電 話 、 移 動 電 話 、 VSAT 等 に 関
連 す る 事 業 者 )、ア プ リ ケ ー シ ョ ン・サ ー ビ ス( ISP 等 、エ ン ド ユ ー ザ に サ ー ビ ス
を 提 供 す る 事 業 者 )、 コ ン テ ン ツ ・ サ ー ビ ス の 3 種 に 統 合 し た 。 期 間 は そ れ ぞ れ
15 年 で 、付 与 件 数 に 制 限 は な い 。周 波 数 利 用 に つ い て は 、別 途 周 波 数 免 許 の 取 得
が必要である。
2014 年 6 月 現 在 、 そ れ ぞ れ の 免 許 の 取 得 事 業 者 数 は 以 下 の と お り で あ る 。

通 信 網 施 設 : 38

ア プ リ ケ ー シ ョ ン ・ サ ー ビ ス : 131

コ ン テ ン ツ ・ サ ー ビ ス : 221
上記の免許の申請要件として、申請者はケニアに本拠を持ち、外資の株式所有
割 合 の 上 限 は 80% と さ れ て い る 。
2
競争促進政策
(1)民営化
2007 年 12 月 、固 定 通 信 分 野 で 独 占 を 維 持 し て き た 国 営 事 業 者 テ ル コ ム ・ ケ ニ
ア ( Telkom Kenya) の 株 式 の 51% を フ ラ ン ス ・ テ レ コ ム ( France Telecom、 現
オ レ ン ジ( Orange))と ド バ イ の Alcazar Capital の コ ン ソ ー シ ア ム が 買 収 し た 。
2
(2)相互接続
国内の固定及び移動体通信網運用事業者には、コストベースの料金で相互接続
サ ー ビ ス を 提 供 す る こ と が 義 務 付 け ら れ て い る 。卸 売 各 市 場 で 50% 以 上 の シ ェ ア
を有する事業者を支配的事業者とし、相互接続における会計分離等の義務を課し
ている。また、支配的地位を利用した他の事業者や特定の商品への差別的取扱、
カルテル行為等は処罰の対象とされる。
ま た 、2010 年 8 月 の「 2010 年 相 互 接 続 決 定 第 2 号 」に よ り 、CCK は 移 動 電 話
の 相 互 接 続 料 金 基 準 額 を 2011 年 7 月 か ら 、 2014 年 7 月 ま で に 2.21KES か ら
0.99KES ま で 引 き 下 げ た 。
(3)番号ポータビリティ
2011 年 3 月 に 、移 動 電 話 で の 番 号 ポ ー タ ビ リ テ ィ が 開 始 さ れ た 。番 号 デ ー タ ベ
ー ス は ケ ニ ア ネ ッ ト ワ ー ク 情 報 セ ン タ ー( Kenya Network Information Center:
KENIC) が 作 成 し て お り 、 移 行 の プ ロ セ ス は Porting Access Kenya が 管 理 し て
いる。
消 費 者 は 利 用 開 始 時 に 199.80KES を 支 払 い 、移 行 手 続 は 48 時 間 以 内 に 行 わ れ
る こ と に な っ て い る 。 2014/2015 会 計 年 度 の 利 用 件 数 は 、 前 年 比 133.1% 増 の
3,236 件 で あ っ た 。
3
情報通信基盤整備政策
(1)国家ブロードバンド戦略
2013 年 7 月 、ケ ニ ア 政 府 は 、
「 国 家 ブ ロ ー ド バ ン ド 戦 略( National Broadband
Strategy:NBS)」を 立 ち 上 げ た 。こ の 戦 略 で は 、2017 年 ま で に 接 続 速 度 5Mbps
以 上 の 接 続 の 普 及 目 標 を 全 世 帯 の 35% 、学 校・保 健 施 設 で 100% と し て い る 。情
報 通 信 技 術 省 が 推 進 す る 主 な プ ロ ジ ェ ク ト に 、 全 長 3 万 km の 光 フ ァ イ バ ・ バ ッ
クボーンの敷設と二つの国家データセンターの建設がある。そのほかにも教育省
等が主導し、デジタル・リテラシー向上やメディア教育にかかわる四つの人材育
成 プ ロ ジ ェ ク ト 、電 子 政 府 サ ー ビ ス 開 発 や 国 立 大 学 で の ICT 技 術 開 発 に か か わ る
三つのアプリケーション・イノベーション関連プロジェクトが計画されている。
こ の 計 画 の 発 表 を 期 に 、ケ ニ ア 政 府 は 政 府 予 算 に 占 め る ICT 支 出 の 割 合 を 従 来 の
0.5% か ら 5% に 引 き 上 げ る と し 、2017 年 ま で の NBS 関 連 費 用 を 約 2,500 億 KES
と見積もった。
(2)ユニバーサル・アクセス
2009 年 の 通 信 法 改 正 に よ り 、 CCK が 管 理 す る ユ ニ バ ー サ ル ・ サ ー ビ ス 基 金 の
設 立 が 規 定 さ れ 、 2010 年 5 月 に 「 ユ ニ バ ー サ ル ・ サ ー ビ ス ・ ア ク セ ス 及 び 規 則 」
が発表された。
この基金は、コマーシャルベースの郵便及びクーリエ事業者をも含む通信事業
免 許 所 有 者 か ら の 拠 出 金 ( 前 年 の 売 上 高 の 1% 以 内 ) を 中 心 に 運 営 さ れ る 。
3
2013 年 11 月 か ら 、 ケ ニ ア 政 府 は 、 電 子 通 信 事 業 者 と 放 送 局 か ら 前 年 度 の 売 上
高 の 0.5% を 基 準 と し て ユ ニ バ ー サ ル・サ ー ビ ス 基 金 を 徴 収 、2014 年 8 月 に は 約
100 万 USD を 得 て 基 金 の 運 用 を 開 始 し た 。 基 金 の 対 応 す る 全 国 レ ベ ル の パ イ ロ
ッ ト プ ロ ジ ェ ク ト に は 、 指 定 16 校 の 地 域 ICT セ ン タ ー 化 、 コ ミ ュ ニ テ ィ ・ テ レ
セ ン タ ー の 設 置 、障 が い を 持 つ 人 々 へ の ICT ソ リ ュ ー シ ョ ン の 提 供 、医 療 施 設 へ
のコンピュータ設置等がある。
4
ICT 政 策
情 報 通 信 省 は 2030 年 ま で に ケ ニ ア の GDP を 世 界 平 均 に 引 き 上 げ る と い う
「 Kenya Vision 2030」 に 基 づ き 、 政 府 サ ー ビ ス の 電 子 化 と ICT 産 業 振 興 を 主 導
している。同省が管理する電子政府ポータルでは、各種行政情報の入手のほか、
身分証明書類の有効期間の確認、税金の払戻の申請等のオンライン・サービスが
導 入 さ れ て い る 。ま た 、メ デ ィ ア パ ー ク「 Konza Techno City」建 設 を 進 め 、ICT
関 連 を 中 心 に 2018 年 ま で に 1 万 7,000 の 直 接 雇 用 を 実 現 す る と し て い る 。
ICTA は 2014 年 4 月 、 2017 年 ま で の ICT 政 策 ガ イ ド ラ イ ン 「 National ICT
Master Plan」 を 発 表 し 、 通 信 基 盤 開 発 、 情 報 社 会 の 実 現 、 人 材 育 成 の 三 つ の 分
野で、以下のプロジェクトを展開するとしている。①法令整備、②個人データハ
ブ、③データハブ設定基準整備、④アセット・データハブ、⑤国家衛星データ運
用基盤構築、⑥ルーラル地域でのブロードバンド基盤構築、⑦スクール・ネット
ワ ー ク 、⑧ 医 療 ネ ッ ト ワ ー ク 、⑨ 五 つ の ICT 教 育 & 訓 練 セ ン タ ー の 設 立 、⑩ 年 間
500 名 の 高 度 ICT 人 材 育 成 プ ロ グ ラ ム に 1~ 2 年 の 集 中 投 資 、 ⑪ 大 規 模 公 開 オ ン
ラ イ ン 講 座 ( MOOCs) の 各 種 教 育 機 関 で の 開 設 、 ⑫ ICT イ ノ ベ ー シ ョ ン 開 発 、
⑬電気施設へのシングル・ウィンドウ・システムの導入、⑭国レベルの決済ゲー
ト ウ ェ イ 、⑮ 国 レ ベ ル の 農 業 生 産 管 理 ツ ー ル の 導 入 。2014 年 6 月 、ICTA は 人 材
育 成 、 ICT 基 盤 拡 張 及 び ICT サ ー ビ ス 展 開 の ア ド バ イ ザ リ ー ・ サ ー ビ ス に 関 し 、
中 国 機 器 メ ー カ ー の 華 為 と 3 年 間 の 提 携 を 結 ん だ と 発 表 し た 。2015 年 2 月 に は 、
オ ラ ン ダ 政 府 か ら 3 年 間 で 総 額 120 万 USD の 資 金 援 助 を 受 け て 、33 の ICT ベ ン
チャーが国外へのサービス展開を開始した。
Ⅳ
関連技術の動向
基準認証制度
無 線 通 信 に 使 用 さ れ る 機 器 は 、 す べ て CA に よ る 型 式 認 証 を 受 け な け れ ば な ら
ない。型式認定は機器の販売事業者として登録された事業者のみが申請すること
ができる。
4
Ⅴ
事業の現状
1
固定電話
移 動 電 話 加 入 の 伸 長 が 著 し い 一 方 で 、 固 定 回 線 は 減 少 傾 向 に あ り 、 2015 年 6
月 の 加 入 者 数 は 前 年 比 56.3% 減 の 8 万 7,774 と 大 幅 に 減 少 し た 。市 場 を ほ ぼ 独 占
しているテルコム・ケニアが、固定電話接続で加入者の半数以上を得ていた
CDMA 方 式 の FWA サ ー ビ ス を 廃 止 、 GSM 接 続 に 切 り 替 え た た め と さ れ て い る 。
2
移動体通信
2015 年 6 月 現 在 の 加 入 者 数 は 約 3,611 万 、 普 及 率 は 約 84% で あ る 。 加 入 者 の
97% が プ リ ペ イ ド・サ ー ビ ス を 利 用 し て い る と さ れ る 。サ フ ァ リ コ ム( Safaricom)、
Airtel、 テ ル コ ム ・ ケ ニ ア ( ブ ラ ン ド 名 オ レ ン ジ ( Orange)) が 市 場 に 参 入 し て
お り 、 2013 年 に 人 口 カ バ レ ッ ジ が ほ ぼ 100% に 達 し た と 推 定 さ れ て い る 。 2014
年 前 半 ま で 第 4 の ネ ッ ト ワ ー ク 事 業 者 で あ っ た Essar Telecom は 、同 年 内 に ネ ッ
ト ワ ー ク 基 盤 と 加 入 契 約 を サ フ ァ リ コ ム 及 び Airtel に 売 却 し た 。 ま た 、 2014 年
に は Equity Bank の 有 す る Finserve Africa( ブ ラ ン ド 名 Equitel)を 始 め 3 社 の
金 融 系 MVNO が Airtel の ネ ッ ト ワ ー ク を 通 じ て サ ー ビ ス を 開 始 、2015 年 6 月 に
は 3% 程 度 の 加 入 者 シ ェ ア を 得 て い る 。
3G サ ー ビ ス に つ い て は 、 サ フ ァ リ コ ム が 2008 年 5 月 、 オ レ ン ジ が 2011 年 8
月 、Airtel が 2012 年 2 月 に サ ー ビ ス を 開 始 、2015 年 6 月 に は 加 入 者 数 が 約 623
万 に 達 し て い る 。 ま た 、 サ フ ァ リ コ ム は 2014 年 12 月 に LTE-Advanced サ ー ビ
ス を ナ イ ロ ビ 及 び モ ン バ サ で 開 始 、 2015 年 6 月 ま で に 19 万 の 利 用 者 を 得 た 。
ス マ ー ト フ ォ ン に つ い て は 、サ ム ス ン 、ア ッ プ ル 、RIM 等 の ほ か 、華 為 、Alcatel、
ノキア等の低価格製品の利用者が急増している。
3
インターネット
固 定 ブ ロ ー ド バ ン ド・サ ー ビ ス は 、Liquid Telecom、Access Kenya、テ ル コ ム ・
ケ ニ ア 、イ ン ド 系 の Wananchi Group の 4 事 業 者 で 市 場 シ ェ ア の 8 割 以 上 を 占 め 、
こ れ ら の 事 業 者 は い ず れ も ADSL、 FTTx/LAN、 WiMAX サ ー ビ ス 等 を 提 供 し て
いる。
2014 年 3 月 現 在 の ケ ニ ア 国 内 の イ ン タ ー ネ ッ ト ・ サ ー ビ ス 加 入 者 は 約 1,992
万 4,000 で 、 う ち 99% を モ バ イ ル ・ イ ン タ ー ネ ッ ト 加 入 が 占 め て い る 。
4
新成長サービス
(1)固定/移動融合
オ レ ン ジ が Wi-Fi 機 能 が つ い た セ ッ ト ト ッ プ ボ ッ ク ス 「 FlyBox」 の ほ か 、 PC
向 け 3G 網 接 続 モ デ ム 「 Internet Everywhere 3G」 を 販 売 し て い る 。
(2)通信/放送融合
2008 年 4 月 、 サ フ ァ リ コ ム は 公 共 放 送 事 業 者 ケ ニ ア 放 送 協 会 ( Kenya
Broadcasting Corporation: KBC)及 び 南 ア フ リ カ の 衛 星 放 送 事 業 者 マ ル チ チ ョ
5
イ ス( Multichoice)と 提 携 し 、首 都 で 外 国 の チ ャ ン ネ ル を 主 体 と し た DVB-H 方
式のモバイルテレビ・サービスを開始した。また、サファリコムとマルチチョイ
ス の 提 携 に よ り 、 衛 星 テ レ ビ 番 組 16 チ ャ ン ネ ル の ス ト リ ー ミ ン グ 視 聴 サ ー ビ ス
が提供されている。
ま た 、衛 星・ケ ー ブ ル 事 業 者 Wananchi( ブ ラ ン ド 名 Zuku)が 、4 種 類 の ト リ
プルプレイ・サービス・パッケージを提供している。
(3)モバイル・マネー・サービス
2008 年 に サ フ ァ リ コ ム が 開 始 し た 少 額 決 済 サ ー ビ ス「 M-Pesa」は SMS ベ ー ス
で 簡 便 か つ 安 全 に 送 金 が で き る と こ ろ か ら 利 用 者 が 急 増 、2013 年 末 ま で に 、同 社
加 入 者 の 90% が 利 用 者 と な っ た 。オ レ ン ジ の「 Orange Money」、Airtel の「 Airtel
Money」 ほ か 、 MVNO も そ れ ぞ れ 同 様 の サ ー ビ ス を 実 施 し て い る 。
2015 年 6 月 現 在 、モ バ イ ル・マ ネ ー・サ ー ビ ス の 利 用 者 は 携 帯 加 入 者 全 体 の 約
76.8% と さ れ る 。
Ⅵ
運営体
テ ル コ ム ・ ケ ニ ア ( Telkom Kenya)
Tel.: + 254 20 3232000
URL: http://www.orange-tkl.co.ke/
幹 部 : Vincent Lobly( 社 長 / CEO)
概要
1999 年 に 国 営 事 業 者 と し て 設 立 さ れ た 。市 場 の 自 由 化 後 も 固 定 通 信 で 支 配 的 な
地 位 を 保 ち 、2008 年 に は 移 動 体 通 信 市 場 に 参 入 し た 。2007 年 12 月 に 民 営 化 さ れ 、
2008 年 9 月 に 親 会 社 オ レ ン ジ の 方 針 に 応 じ て 、ブ ラ ン ド 名 を オ レ ン ジ に 変 更 し た 。
2014 年 末 現 在 、 オ レ ン ジ ・ グ ル ー プ が 株 式 の 約 70% を 所 有 し て い る 。
放送
Ⅰ
監督機関等
1
情報通信技術省
(通信/Ⅰ-1の項参照)
所掌事務
放送政策の策定を所掌する。
2
ケ ニ ア 通 信 庁 ( CA)
(通信/Ⅰ-2の項参照)
6
所掌事務
放送分野では、ラジオ・テレビ局への免許付与、コンテンツ規制、放送周波数
管理等を所掌する。
Ⅱ
法令
1
2013 年 ケ ニ ア( 改 正 )情 報 通 信 法( Kenya Information And Communications
( Amendment) Act, 2013)
2009 年 及 び 2013 年 の 改 正 に よ り 、番 組 制 作 及 び 放 送 信 号 送 信 サ ー ビ ス に 関 す
る免許付与条件及び免許料規定が追加された。
2
2009 年 ケ ニ ア 通 信 ( 放 送 ) 規 則 ( Kenya Communications( Broadcasting)
Regulations, 2009)
CCK( 現 CA) に よ る 事 業 者 規 制 の 原 則 を 規 定 し て い る 。
Ⅲ
政策動向
1
免許制度
放 送 事 業 の 開 始 に 当 た っ て は 、 サ ー ビ ス 地 域 ご と に CA が 付 与 す る 放 送 周 波 数
利 用 免 許 の 取 得 が 必 要 と さ れ る 。政 党 や 債 務 を 負 っ た も の は 免 許 が 取 得 で き な い 。
ま た 新 規 に 民 間 放 送 免 許 を 取 得 し た 者 に は 、12 か 月 以 内 の サ ー ビ ス 開 始 が 義 務 付
け ら れ て い る 。 外 資 の 上 限 は 20% で あ る 。
2013 年 改 定 の 情 報 通 信 法 で は 、放 送 サ ー ビ ス を 公 共 放 送 サ ー ビ ス 、コ ミ ュ ニ テ
ィ 放 送 サ ー ビ ス 、商 業 放 送 サ ー ビ ス 、 放 送 送 信 サ ー ビ ス の 4 種 に 大 別 、 利 用 技 術
や有料/無料の区別により、更に分け、それぞれの免許の取得事業者に、免許取
得料及び年間免許使用料を課している。商業放送事業者の年間免許使用料は、前
年 の 収 入 の 0.5% あ る い は 1 万 KES の ど ち ら か 高 い 方 と 定 め ら れ て い る 。周 波 数
利 用 に つ い て は 、地 方 ご と に 放 送 局 に 対 し て 免 許 が 付 与 さ れ る 。2015 年 9 月 現 在 、
周 波 数 免 許 を 得 た 放 送 局 数 は 、 ラ ジ オ 575、 テ レ ビ 293 で あ る 。
2
コンテンツ規制
番組制作また広告放送において、暴力や差別、あるいは露骨な性表現及び事実
に誤りのある報道は禁じられる。また、ニュース番組に対するスポンサーシップ
は認められない。広告放送については、放送時間はプライムタイムを避け、1 日
に 3 時 間 半 を 超 え な い も の と す る 。ま た 子 ど も 番 組 を 広 告 に よ り 中 断 し て は な ら
ない。
ただし、放送局が政治的に利用されていることも多く、番組規制と放送内容の
実態がかけ離れているという批判がある。
3
地上デジタル放送
2007 年 10 月 、地 上 デ ジ タ ル テ レ ビ の 方 式 を DVB-T、地 上 デ ジ タ ル ラ ジ オ の 方
7
式 を T-DAB と し 、2010 年 1 月 に 首 都 を 含 む 5 都 市 で 地 上 テ レ ビ 放 送 の デ ジ タ ル
移 行 を 開 始 、 2012 年 に は テ レ ビ の 方 式 を DVB-T2 に 変 更 し た 。
政 府 は 各 地 域 の ア ナ ロ グ 停 波 開 始 を 、 首 都 ナ イ ロ ビ : 2014 年 12 月 31 日 、 モ
ン バ サ 等 の 14 都 市:2015 年 2 月 2 日 、そ の 他 の 地 域:2015 年 3 月 30 日 と し て
い た 。 ナ イ ロ ビ の ア ナ ロ グ 停 波 に つ い て は 、 2015 年 2 月 ま で 延 期 さ れ た も の の 、
全 国 的 な 停 波 は 計 画 ど お り 3 月 30 日 に 完 了 し た 。 し か し な が ら 同 6 月 現 在 、 国
内 で テ レ ビ 受 像 機 を 所 有 し て い る 約 350 万 世 帯 の う ち 、130 万 世 帯 は 対 応 セ ッ ト
トップボックスあるいはデコーダの購入が間に合わず、地上テレビ視聴ができな
い状態にあると報道されている。
Ⅳ
事業の現状
1
ラジオ
公 共 放 送 で あ る ケ ニ ア 放 送 協 会( Kenya Broadcasting Corporation:KBC)が
英 語 と ス ワ ヒ リ 語 で FM に よ る 24 時 間 の 全 国 放 送 の ほ か 、 全 国 を 3 地 域 に 分 け
て の ロ ー カ ル 言 語 放 送 、10 系 統 の 商 業 放 送 を 実 施 し て い る 。そ の ほ か ロ ー カ ル 放
送 を 含 め て 500 を 超 す FM 放 送 局 が 周 波 数 利 用 免 許 を 取 得 し て い る 。
2
テレビ
2015 年 現 在 、 テ レ ビ 受 像 機 の 世 帯 普 及 率 は 約 32% で あ る 。 KBC が 全 国 放 送
「 Channel 1」で 1 日 24 時 間 の 英 語 及 び ス ワ ヒ リ 語 に よ る 総 合 放 送 を 実 施 し て い
る 。 商 業 放 送 で は 大 手 7 社 が 2015 年 9 月 ま で に 地 上 デ ジ タ ル 放 送 の 事 業 免 許 を
付 与 さ れ て い る 。 地 上 デ ジ タ ル 放 送 の 有 料 放 送 は 2 社 が 実 施 し て い る 。マ ル チ チ
ョ イ ス が 「 GOtv」 の 名 称 で 5~ 30 チ ャ ン ネ ル の 3 パ ッ ケ ー ジ を 提 供 、 中 国 系 の
有 料 放 送 事 業 者 StarTimes も 37~ 76 チ ャ ン ネ ル の 3 パ ッ ケ ー ジ を 提 供 し て い る 。
3
衛星放送
マ ル チ チ ョ イ ス と KBC の 合 弁 に よ る マ ル チ チ ョ イ ス ・ ケ ニ ア ( MultiChoice
Kenya) が 、 ユ ー テ ル サ ッ ト W4 の Ku バ ン ド を 利 用 し て 、 七 つ の 番 組 パ ッ ケ ー
ジを配信している。
ま た Wananchi が 2011 年 半 ば に ケ ニ ア 、 ウ ガ ン ダ 、 タ ン ザ ニ ア で 開 始 し た 有
料 衛 星 放 送 サ ー ビ ス「 Zuku TV」が 66 及 び 98 チ ャ ン ネ ル の 二 つ の パ ッ ケ ー ジ を
配信している。
4
ケーブルテレビ
2008 年 10 月 か ら 、Zuku が 首 都 と モ ン バ サ で ト リ プ ル プ レ イ 加 入 者 向 け に 62
~ 108 チ ャ ン ネ ル の 四 つ の パ ッ ケ ー ジ ・ サ ー ビ ス を 提 供 し て い る 。
8
Ⅴ
運営体
ケ ニ ア 放 送 協 会 ( Kenya Broadcasting Corporation: KBC)
Tel.: + 254 20 2223757
URL: http://www.kbc.co.ke/
幹 部 : Waithaka Waihenya( 会 長 / Managing Director)
概要
1962 年 設 立 の 国 営 放 送 事 業 者 。財 源 は 受 信 料 が 主 で あ る が 、収 入 確 保 の た め 有
料放送も実施している。広告放送、スポンサーシップは禁じられている。ほぼ全
国で番組の受信が可能である。
電波
Ⅰ
監督機関等
ケ ニ ア 通 信 庁 ( CA)
(通信/Ⅰ-2の項参照)
通 信・放 送 分 野 の 周 波 数 計 画 、割 当 、免 許 業 務 、監 視 等 の 周 波 数 監 理 業 務 は CA
が所掌している。
Ⅱ
電波監理政策の動向
1
電波監理政策の概要
「 2010 年 情 報 通 信 ( 無 線 通 信 ・ 周 波 数 ス ペ ク ト ル ) 規 則 ( Information and
Communications ( Radio
Communications
and
Frequency
Spectrum )
Regulation, 2010)」 が 、 ケ ニ ア 通 信 庁 ( CA) に よ る 以 下 の 周 波 数 管 理 の 原 則 を
規律している。

国内社会経済、安全保障、文化ニーズを満たす無線通信システムとサービ
スの秩序ある発展及び効率的な運用を促進・支援する。

通 信 法 令 、政 府 政 策 、国 際 協 定 を 順 守 し た 周 波 数 資 源 に 関 す る 適 切 な 計 画 、
利用、管理を確実に行う。

運用要件と技術可能性に基づく最新の技術優位性と効果的な周波数分配・
管理技術の採用による周波数資源の有効利用を促進する。

2
受益者を最大化するための公正かつ公平な周波数分配・割当を確保する。
電波監視体制
CA は 、 無 線 局 の 設 置 条 件 が 国 内 ・ 国 際 規 則 に 準 拠 し て い る か ど う か 定 期 的 な
審 査 を 行 い 、 ま た 機 器 が CCK の 採 用 す る 標 準 に 合 致 し て い る か に つ い て の 検 証
9
を 実 施 す る 。 ま た 、 CA は 周 波 数 干 渉 等 の 苦 情 や 許 可 さ れ た 帯 域 以 外 の 周 波 数 の
利用等の情報に基づいて、不定期の視察を実施する権限を持つ。
3
電波利用料制度
CA は 、一 般 的 な 電 波 利 用 料 と し て 、各 種 無 線 局 で 使 用 さ れ る 周 波 数 帯( MF/HF
帯 及 び VHF/UHF 帯 )ご と に 年 間 固 定 額 を 定 め て い る 。た だ し 、セ ル ラ ー 、固 定
無 線 ア ク セ ス ( FWA ) 等 の 商 業 性 の 高 い 業 務 に 関 し て は 、「 排 他 的 割 当 幅 」
( Exclusive Spectrum Assignment Bandwidth)の 料 金 と し て 使 用 周 波 数 幅 に 単
価と係数を乗じた料金と、
「周波数利用料」
( Spectrum usage fees)と し て 無 線 局
数に応じた料金とを合算した金額が各年適用される。
年 間 周 波 数 利 用 料 URL:
http://www.ca.go.ke/images/downloads/Frequency_fee_schedule_-_effective_1
st_July_2012.pdf
4
電波の安全性に関する基準
電磁界への曝露に関する人体への制限値は、国際非電離放射線防護委員会
( ICNIRP) の 「 時 間 変 化 す る 電 界 、 磁 界 及 び 電 磁 界 に よ る 曝 露 を 制 限 す る た め
の ガ イ ド ラ イ ン ( 300GHz ま で )」( 1998 年 ) に 準 拠 し て い る 。
Ⅲ
周波数分配状況
周 波 数 分 配 表 URL( 2012 年 現 在 ):
http://www.ca.go.ke/images/downloads/FrequencySpectrum/NationalFrequenc
yAllocation/National%20Table%20of%
20Radio%20Frequency%20Allocations.pdf
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