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アニマルセラピー

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アニマルセラピー
アニマルセラピー
奈良林 優
アニマルセラピー?
デルタ協会の定義→アニマルセラピーや、ペットセラピーという用語は認めていない
・AAT(animal assisted therapy)『動物介在療法』
動物とボランティアの参加により、医師、看護士、理学療法士、作業療法士な
どの医療の専門家が行うプログラムで、患者の選択、治療目標の設定、治療
計画の作成,実施、計画などを医療専門家によって的確に行われるもの。
・AAA(animal assisted activities)『動物介在活動』
各種訪問活動に代表されるような、動物と触れ合うことが目的の活動
使われる動物→
イヌ、ネコ、ウサギ、モルモット、ハムスター
トリ、カメ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、イルカ、金魚
メダカなど
アニマルセラピーに関する歴史
*世界
ギリシャ時代 動物が治癒能力を持つとする神話
1962
レビンソンが論文でイヌが心理療法の補助として役立
つという逸話を紹介
1970∼1980 動物の臨床場面への適用拡大の時期
1977
デルタ協会設立
1980∼現在 動物の適用効果についての評価の時期
*日本
1978
1986
社団法人日本動物病院福祉協会(JAHA)設立
コンパニオン・アニマル・パートナーシップ・プログラ
ム(CAPP) 開始。
1995
ヒトと動物の関係学会設立
臨床場面において動物が心身の健康に及ぼすと期待される効果
対象者
高齢者
身体効果
心理効果
活動(歩行
活動(
歩行))。緊
張低下((血圧
張低下
血圧))
抑うつ、孤独、感
情喚起、自己効
力感、社会的サ
ポート
社会性効果
発話、会話、アイコンタクト、
スタッフへの協力
抑うつ症者
抑うつ
精神病患者
疑い深さ、責任
感、自尊心
発話、会話、治療への参加、
スタッフへの協力
ホスピス患者
幸福感、抑うつ、
絶望感、孤独、
不安
患者同士、スタッフとのか
かわり
アルツハイ
マー病
感情表出
服役者
抑うつ低下、攻
撃性、自尊心
性的虐待児
自信、自己効力
感、孤独感、心
的外傷
視覚・聴覚障害者
自信、自尊心
身体障害者
血圧、医療機関
への依存
他者からの 話しかけ
無力感、士気、
自存心、抑うつ
情緒・学習障害者
自信、自尊心
精神遅滞者
自尊心、責任感、 発話、会話、療法への参加
独立心、感情表
出
心臓疾患患
者
緊張低下(( 血圧
緊張低下
血圧))
不安低下
何が効果をもたらす原因か
(1)社会的潤滑剤説
(2)印象形成媒介説
(3)社会的役割論
(4)強化説
(5)注意コントロール説
(6)文化的遺伝説
(7)世話をすることによる活動促進説
(8)皮膚接触感覚説
(9)内因性物質分泌説
人の行動特性
動物の行動特性
接触要求、忠実な行動、寡黙、
飼い主への注意
見たい、聞きたい、触れたい
人と動物の相互作用
見る、相互の注目、触れる、
話しかける、世話する
人への一次的効果
注意の転換
気晴らし
感情の喚起
活動増加
関係形成
相互依存関係、信頼関係、愛着、きずな
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人への二次的効果
動物による心身の健康への影響過程モデル
緊張の低下
動物による心身の健康への影響過程モデル
つづき
人への二次的効果
社会性、
他者との関係促進
自信、自己効力感
責任感、独立心
臨床状況との対応
高齢者、感情障害、精神病、心臓疾患
抑うつ症、ホスピス患者、性的虐待、
施設生活者、服役者、精神遅滞者
孤独、不安の解消
規則的な生活
日常生活との対応
生活の質の向上、社会的サポート、
発達への影響
ペット・ロス(喪失、死別)
家族の一員と考えてい
た場合、とても大きく感じる
⇒悲嘆の解決に向けた心理的、身体的、社会的な個人の変容
過程を意味する語。
ペット・ロス症候群 とは、前述の悲嘆の変容過程が重度で
あり、専門家(医師、臨床心理士など)の手助けによる治療を
必要とする患者が示す症候に対してのみ用いられる。
予防⇒「ペットの死」を迎える際の心構えや誰もが経験する悲
嘆の過程を前もって説明することにより、飼い主が実際の
ペットの喪失後に起こる悲しみの感情が当たり前のことで飼
い主ならば誰もが経験するのだと認識させる。
症候群に陥ってしまった飼い主の心のケア⇒専門家である医
師や臨床心理士にお任せすべき。日本では大変遅れている
が、アメリカでは「ペットの死と向かい合うための相談」にのる
ソーシャルワーカーがいたり、ホットラインも用意されている。
*手書きのはがきや電話で、お悔やみを伝えることは飼い主に
とって慰めになる場合が多い。
これからの課題と可能性①
n
n
欧米における動物介在療法は20世紀に入ってから精神障害
を患う人に対する治療法として確立して以来、現在ではすでに
一般的な治療として普及している。また、米国ではデルタ協会
がきちっとしたマニュアルの元でプログラムを作成しており、正
しいAAAやAATの普及を図っている。しかし日本では、まだそ
の認識も普及も大変遅れており、AATを治療に導入していると
ころはほとんど無いのが現状。
理由;土地の問題
医師の賛同者が大変少ない
☆日本人の動物に対する意識が低く、慣れていないこと
(動物を飼う時のマナーやしつけの徹底や、人畜共通
感染症の正しい知識が足りない)
介助動物だけでなく、コンパニオンアニマルも色々なところに、入っていけるよ
うな社会を作ろう!
これからの課題と可能性②
AAAやAATが普及し発展することによって
⇒動物の保護・保存としての働きが期待できる
n
AAAやAATが動物にとっても人間にとっても、
より良いものとして普及・発展するために個
人個人の動物や福祉に対する理解と努力を
進めていかなければならない。
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