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広域的景観における 景観影響調査の手引き
広域的景観における 景観影響調査の手引き 平成27年12月 野 洲 - 1 - 市 目 次 はじめに p1 全体フロー p2 Ⅰ.調査の手法 p5 Ⅱ.予測の手法 p8 Ⅲ.評価の手法 p13 Ⅳ.景観影響調査書の作成 p22 Ⅴ.評価指標の考え方とその対象区域 p24 Ⅵ.広域調整を必要とする眺望景観 p39 - 2 - はじめに 滋賀の風景の大きな特色は、琵琶湖を中心として田園、里山、河川、山々などが渾然一体とな り、ひろがりのある一つのまとまった風景を形成していることです。 ひろがりのある風景を守り育てていくためには、各市町単位での景観まちづくりとともに、県 全体の広域的で一体的な視点での風景づくりを行う必要があります。とりわけ、湖国風景の最大 資産である琵琶湖の魅力や価値をさらに高めるために、琵琶湖辺の風景を広域的な視点で保全し ていくことが重要です。 このようなことから、野洲市では琵琶湖周辺おいて広域的な景観形成の推進を図るため、見 る場所に即して見たいものを設定し、その見たいものが他のものに阻害されず程よい容姿で見 える状況を保全することを基本として、野洲市景観計画に定める琵琶湖景観形成地区及び琵琶 湖景観形成特別地区における大規模建築物等の規模等に係る基準を示した手引き書を作成しま した。 この手引き書は、事業者等が景観影響調査指針に沿って、景観影響調査に ついての調査、予 測、評価等の実施及び景観形成措置等の検討を行ううえで、技術面についての実務的な手引き としてまとめたものです。景観影響調査指針を理解していただきやすいよう、景観影響調査の 作業フローに沿って景観影響調査の一般的な手法を示しており、野洲市景観影響調査指針の解 説書としての役割を有しています。この手引き書の規模等の評価指標は、広域的な景観形成の 規模等に関する考え方を示したものであり、事業者等が行為特性や地域特性に応じて具体的な 景観影響の評価や景観形成措置を検討されることを期待します。 最後になりましたが、野洲市の景観行政にご理解をいただき、景観まちづくりにご協力をい ただいております皆様にお礼を申し上げますとともに、美しい湖国の風景をより確かなものと して次代に引き継いでいくことができるよう、今後とも景観行政の発展に努めてまいりたいと 存じます。 - 1 - 全体フロー Ⅰ 調査の手法 1.調査対象地域の設定 ○ 建築計画等を中心に概ね半径15km以内を地域とする。 2-1.視点場と眺望景観の選定 ① 建設計画地を中心に概ね半径5km以内の範囲にある「主要な視点場」を抽出する。 ② 建 設 計 画 地を 中 心に 概ね 半 径 15km以内 の 範 囲に あ る 「 主要 な 眺望 景観 」 や 「 重要 な 眺 望景観」を構成する景観資源を抽出する。 ③ 「重要な眺望景観」を抽出する。 2-2.景観シミュレーションと視点場の設定 〔中景・遠景〕 ●視点場の設定(計画地より) ①遠景の視点場 概ね 2.0km~5.0km ②中景の視点場 概ね 0.5km~2.0km 景観シミュレーションの考え方 《 中景・ 遠景域 を対象 》 計 画建築 物等の 規模、 形態、色 彩その 他の意 匠が眺 望景観 に 与える 影 響を検 証 予測手法へ Ⅱ 予測の手法(景観シミュレーションの実施) 1. 計画建築物等の景観シミュレーションの手順(中景・遠景) ○ 段階的に行う景観シミュレーション Step 1 「重要な眺望景観」に対する景観シミュレーション Step 2 「主要な眺望景観」に対する景観シミュレーション 非広域的景観 各市域内での景観シミュレーション - 2 - ○ 計画建築物等の規模に応じた予測地点 ① 画建築物等の高さが15m以下のものについて ② 計画建築物等の高さが15mを超え、31m以下のものについて ③ 計画建築物等の高さが31mを超えるものについて 以上の区分に応じて調査を実施するものとする。 2.現地調査および現況写真の撮影 ○ 調査手法の 2-1(視点場と眺望景観の選定)によって抽出された視点場と眺望景観(景 観資源)について、現地(視点場)に赴き、調査、確認する。 ○ 視点場からの写真撮影においては、計画建築物等の前景および背景となる主要な眺望景 観を構成する樹林や山並、湖面などの景観資源を適正な画面構成で収めること。 3.計画建築物等の完成予想図の作成 ○ 設計図書、計画書に基づき、各視点場からの計画建築物等の完成予想図(コンピュー ターグラフィックによる 3D モデル又は、完成パース図等)を作成する。 4.フォトモンタージュ手法による予測図(画像合成図)の作成 ○ 視点場から撮影された現況写真と計画建築物等の完成予想図を画像合成し、予測図(画 像合成図)を作成する。 ○ なお、画像合成に際しては、計画建築物等の前景となる樹林や山並、湖面、周辺建築物 や工作物などの規模や位置を正確に把握し、計画建築物等が計画地に正確に配置される よう努める。 評価手法へ - 3 - Ⅲ 評価の手法(景観シミュレーションの評価) 1.景観特性(景観資源の種類と視点場からの距離等)の把握 ○ 景観シミュレーションによって作成された複数の予測図(画像合成図)が、どのような 景観特性を有しているかを把握する。 2.計画建築物等の評価 ○ 景観形成基準等による評価 ① 広域的景観に係る規模、形態、色彩その他の意匠、敷地の緑化の評価指標による評 価 視点場毎の各予測図(画像合成図)が該当する景観特性毎の規模、形態、色彩そ の他の意匠、敷地の緑化の評価指標に適合しているかどうかを評価する。 重 要な眺 望景観 に対し ては「重 要な眺 望景 重 要な眺 望景観 以外に 対しては 「主要 な眺望 観 」の評 価指標 に基づ き評価す る 景 観」の 評価指 標に基 づき評価 する ② (各景観行政団体の)景観形成基準による評価(規模に関する以外の評価) 近景の景観シミュレーションの予測図等を活用し、計画建築物等の形態、色彩そ の他の意匠等が(各景観行政団体の)景観形成基準に適合しているかを評価する。 3.計画建築物等の景観形成措置の検討 ○ 評価の結果から、広域的景観に係る規模、形態、色彩その他の意匠、敷地の緑化の評 価指標および(各景観行政団体の)景観形成基準に適合しないと判断される場合は、 景観への配慮や代替措置など、景観影響をできる限り回避し、または低減すること。 4.景観形成措置後の予測図の作成 5.計画建築物等の総合評価 ○ 景観形成措置後の予測図等をもとに、 計画建築物等の景観影響に対する総合的な評価を 行う。 Ⅳ 景観影響調査書の作成 総合評価を踏まえ、景観影響調査書を作成し、行為の届出に添付する。 - 4 - Ⅰ.調査の手法 1 調査対象地域の設定 ■調査対象地域の設定 建築計画地を中心に概ね半径15km以内を範囲とする。 なお、計画建築物等の規模、周囲の地形状況、景観資源及び眺望点の分布状況などを考 慮し、必要に応じて増減するものとする。 ○ 景観影響調査の調査対象範囲は、視程や自然環境アセスメントの知見を参考にし、 建築 計画地を中心に概ね半径15km以内を基準とする。 ○ なお、計画建築物等の規模、周囲の地形状況、景観資源及び眺望点の分布状況などを考 慮し、必要に応じて拡大または縮小するものとする。 ※ 「 視 程 」と は 、視 点場 か ら視 対 象 まで の 距離 が十 数 km以 上 に も及 ぶ よう にな る と、 視 対 象の 見 え方 が、 大 気 の 混濁 や 天候 、 時刻 等に 大 き く左 右 され る 状態 を表 す 指 標で あ り、 こ こで は建 物 や 樹木 等 を認 知 することができる限界の距離のことをいう。 2-1 視点場と眺望景観の選定 ■視点場と眺望景観の選定 ① 建築計画地を中心に概ね半径5km以内の範囲にある「主要な視点場」を持つ、「主要な 眺望景観」を抽出する。 (主要な視点場は、「Ⅵ.広域調整を必要とする眺望景観」から抽出する。) ② ①で抽出した「主要な眺望景観」の中から、建設計画地が、眺望する景観資源が独立 峰の場合は視点場を中心に60度の範囲内に、眺望する景観資源が山並みの場合は山並 み幅の範囲内に入っているものを、それぞれ抽出する。 ③ ②で抽出した「主要な眺望景観」の中から、「重要な眺望景観」を抽出する。 - 5 - ○ 「主要な眺望景観」は、広域的調整を必要とする眺望景観66景の中から抽出する。 ○ ②で行う作業の具体は、以下のとおりとする。 独 立峰・ 山並み の場合 山 並みの 場合 山並み幅 遠景 2~5km 遠景 2~5km 中景 500m~2km 中景 500m~2km 近景 ~500m 近景 ~500m 遠景 2~5km ○ 抽出された主要な視点場と主要な眺望景観等(景観資源)について現地調査を行い、 主 要な視点場からの対象行為実施区域の視認状況の確認や眺望景観についての状況を把握 する。 ○ 対象区域内の規制内容等の考え方の根拠となる、資料等は以下のとおりである。 《 対象区 域内の 規制内 容》 (1) 篠原修(1982)「新体系土木工学 59 土木景観計画」土木学会編 (2) 進士五十八・斉藤利弘・麻生恵・田沼和夫(1975)「自然風景地における建築デザインの基本に関する景観 的考察(上)」國立公園、自然公園財団 (3) 気象学ハンドブック編集委員会(1959)「気象学ハンドブック」技報道 (4) 鳴海邦碩・榊原和彦・田端修(1990)「都市デザインの手法 – 魅力あるまちづくりへの展開」学芸出版社 《規模の対象区域》 (5) 京都市の眺望景観の保全の考え方 《形態、色彩その他の意匠、敷地の緑化の対象区域》 (6) 篠原修(2007)「景観用語辞典 増補改訂版」彰国社編 - 6 - ※ 「主要な視点場」 とは、湖岸、湖上、湖岸道路、琵琶湖近傍の史跡 名勝等において不特定多数の人が 利用する場所で、景観資源を眺望できる ものをいう 。 不特定多数が利用する場所とは次のような場所が該当する。 ・レクリエーション施設(展望台、公園、水泳場等) ・公共公益施設(博物館、公民館、運動施設、道の駅等) ・自然公園、都市公園施設(湖岸緑地他) ・史跡名勝(史跡、社寺仏閣他) ・交通施設(港湾、湖岸道路、航路等)他 ※ 「主要な眺望景観」とは、主要な視点場から眺望できる琵琶湖、 内湖、樹林、独立峰、山並み等の景 観をいう。 ※ 「重要な眺望景観」とは、「主要な眺望景観」のうち 特に優れた景観をいう。 重要な眺望景観とは、主要な眺望景観のうち 「近江八景」 や「琵琶湖八景」に代表される、県民 等に親しみのある 特に優れた景観をい い、琵琶湖景観の中でも特に大切にしたい景観と位置 づけら れるものをいう。 ※ 「主要な眺望景観や重要な眺望景観を構成する景観資源」とは、主要な視点場から望見できる琵琶湖 や内湖、湖辺のマツ林やヤナギ林等の樹林帯や河畔林、独立峰、島や半島、周囲の山並み等の自然景 観資源や歴史的建造物、集落等の人文景観資源をいう。 2-2 景観シミュレーションと視点場の設定 ■視点場の設定(計画建築物等から視点場までの距離) ① 計画建築物等の遠景の視点場 (概ね 2.0km~5.0km) …主として、計画建築物等の位置と規模、形態、色彩その他の意匠について、計画建築物 等とその背景となる主要な眺望景観を構成する景観資源との関係を見る視点場 ② 計画建築物等の中景の視点場 (概ね 0.5km~2.0km) …主として、計画建築物等の規模 、形態、色彩その他の意匠について、計画建築物等とそ の前景および背景となる主要な景観資源を構成する景観資源との関係を見る視点場 ③ 計画建築物等の近景の視点場(概ね 0.1km~0.5km) …計画建築物等の意匠、素材、アクセントカラー、敷地の緑化など、計画建築物等の主要 な構造やディテールと周辺地域との関係を見る視点場 ○ 景観シミュレーションは原則として、建築物等の形態、色彩その他の意匠を把握するた めの近景と、建築物等の規模(高さ)、形態、色彩その他の意匠が景観に与える影響を 検証するための中景、遠景を対象に実施する。これらの景域における景観シミュレー ションについての視点場は、上記のように設定する。 ※ ここでいう「前景」、「背景」とは、計画建築物等と主要な眺望景観を構成する景観資源との位置関 係を判りやすく説明するため、視点場から計画建築物等を眺めた場合に、行為の意対象である計画建 築物等を主体に捉え、計画建築物等 の手前の方に配置された光景を前景といい、背後に配された光景 を背景という。 - 7 - Ⅱ.予測の手法 1 計画建築物等の景観シミュレーションの手順(中景、遠景) 中 景・ 遠景 の景 観シ ミュ レー ショ ンの 手順 は、 眺望 景観 の重 要度 に応 じて 段階 的に 景観 シ ミュレーションを行っていく。 そこで、次のようなStep1~2の手順を設定し、中景・遠景の景観シミュレーションを 実施する。 Step1 「重要な眺望景観」に対する景観シミュレーション 主要な視点場からの眺望に重要な眺望景観がある場合は、それを構成する景観資源への眺 望が、計画建築物等によって妨げられないか、または景観資源と計画建築物等とが並び建っ て見えないかなどを検証するため、景観シミュレーションを実施する。 望景観」と並び建って見える可能性があるものについて景観シミュレーションを実施 Step2 「主要な眺望景観」に対する景観シミュレーション する。 主要な視点場からの景観資源への眺望が、計画建築物等によって妨げられないかなどを検 証するため、景観シミュレーションを実施する。 非広域的景観 各市域内での景観シミュレーション なお 、Step1お よびStep2に より 実施 する 広域 的な 観点 に基 づく 景観 影響 調査 とは 別に、 各市景観計画に定めるところの景観影響調査により、景観シミュレーションを実施する。 ※特段の事情がない限り、該当市域の湖上を視点場とした景観影響調査を実施すること。 - 8 - (1) 計画建築物等の規模に応じた予測地点 大規模建築物等(高さ13m以上、もしくは4階建て以上の建築物や工作物)は、高さ 13mの建築物等から超高層の建築物等まであり、それぞれの規模によって景観に与える 影響の度合いは異なることから、次のように計画建築物等の高さを3段階に区分し、そ の区分に応じて先に示した景観シミュレーションの 手順で予測を実施することを基準と する。 ① 計画建築物等の高さが 15m以下のものについて ⅰ.Step1に該当するものがあれば全て実施する。 ⅱ.Step2に該当するものの中から、景観に与える影響が最も大きいと推察される「主要 な眺望景観」において、1箇所以上実施する。 ② 計画建築物等の高さが 15mを超え、31m以下のものについて ⅰ.Step1に該当するものがあれば全て実施する。 ⅱ.Step2に該当する全てのものについて実施する。ただし、対象となる景観資源が 同じ であるものが複数存在する場合には、景観への影響が最も大きいと推察される「主要 な視点場」において実施する。 ③ 計画建築物等の高さが 31mを超えるものについて ⅰ.Step1に該当するものがあれば全て実施する。 ⅱ.Step2に該当する全てのものについて実施する。 以上のことを整理すると以下のようになる。 区分 高さ15m以下の建築物等 高さ15m~31mの建築物等 Step1 該当するもの全て 該当するもの全て 該当するもの全て Step2 該当するものの中から、 景観に与える影響が最も 大きいと推察される「主 要な眺望景観」において 1箇所以上 該当するもの全て(ただ し 、 対 象と な る景 観 資源 が 同 一 の 場合 に は、 景 観へ の 影 響 が 最も 大 きい と 推察 さ れ る 「 主要 な 視点 場 」お い て実施) 該当するもの全て - 9 - 高さ31m以上の建築物等 2 現地調査及び現況写真の撮影 ■現地調査及び現況写真の撮影 調査手法の 2-1(視点場と眺望景観の選定)によって 抽出された視点場と眺望景観(景 観資源)について、現地(視点場)に赴き、調査、確認する。 視点場からの写真撮影においては、計画建築物等の前景および背景とな る主要な眺望景 観等を構成する樹林や背景の山並、湖面などの景観資源を適正な画面構成で収めること。 (1) 現地調査 ○ 調査手法の 2-1(視点場と眺望景観の選定方法)によって抽出された視点場と眺望景 観(景観資源)について現地調査を行い、視点場からの対象行為実施区域の視認状況 の確認や眺望景観についての現況を把握する。 ○ また、画像合成の際に位置決めの基準点として活用するために、計画地周りの建築物 や工作物の高さ、位置、前景の樹林の高さ、位置等を数ヶ所把握しておく。 (2) 現状写真の撮影 ○ 撮影場所(視点場)から、計画建築物等の方向に向かって写真を撮影する。 ○ 撮影においては、計画建築物等の前景および背景となる樹林や山並、湖面などを適正 な画面構成で収めることとする。 (3) 撮影条件 ○写真撮影は下記の条件で行う。 ア.カメラ ・有効画素数3メガピクセル以上のデジタルカメラを使用 ・撮影ファイルサイズは1280×1024以上とし、鮮明な印刷状態が得られるものを使 用 イ.撮影の手順 ① 眺望点に三脚を立てる。 ② 地上(床面)からカメラレンズの中心までの高さを1.5mに調整する。 ③ 計画地を中心にし て、 計画建築物等の前 景や 背景となる樹林や 山並 み、湖面、 また、画像合成の 際の 位置決めの基準点 とな る計画地周りの建 築物 や工作物等 もあわせて撮影する。 ※撮影は、午前10時から午後3時までを基準とし、順光、逆光に配慮する。 (4) 撮影条件等の記録 ○ 計画地と撮影場所を含む地形図(原則として縮尺1/5,000以上のもの)に撮影場所、 撮影方向、計画地(敷地)、背景となる眺望景観等を記入・記録する。 複数の撮影場所となる場合には、図上に撮影地点を明示し、計画地から撮影場所まで - 10 - の距離も明示する。 ○ また、画像合成の際の位置決めの基準点となる計画地周りの建築物や工作物の高さや 距離、方向等についても明示する。 3 計画建築物の完成予想図の作成 ■計画建築物等の完成予想図の作成 設計図書、計画書に基づき、各視点場からの計画建築物等の完成予想図(コンピュー ターグラフィックによる 3D モデル又は完成パース図等)を作成する。 ○設計図書、計画書に基づき、各視点場からの計画建築物等の完成予想図(コンピュー ターグラフィックによる3Dモデル又は、手描きパース図等)を作成する。 ○ また、完成予想図の作成の際には、現況写真との画像合成をし易くするために、計画 建築物等と併せて、計画建築物等の前景や背後となる樹林や山並み、周囲の建築物や 工作物などの3Dモデルやパース図を作成したり、数値地図を活用して計画建築物等 や視点場、位置決めの基準点となる周辺の地形や景観資源等の座標データを基にコン ピューターグラフィックを作成したりすることが望ましい。 (1) 汎用CADソフトを用いた計画建築物等の3Dモデルの作成 [モデル作成にあたっての留意点] ○ 建築物等の形態を認識できるモデルにする。 ○ 勾配屋根を有する場合、その形状をモデルに反映する。 ○ 後の画像合成の位置決め基準となる計画地周辺の地形、計画建築物等の前景や前景と なる樹林や山並み、周囲の建築物や工作物等の3Dモデルを作成する(高さ、形状、 位置が認識できるもの)。または、位置決め基準となる建築物や工作物、樹林等の座 標データ(基準点の高さ、距離、方向等のデータ)をもとにして、位置決めの基準点 を数ヶ所作成する。 (2) レンダリングソフトを用いた3Dモデルの仕上げ(彩色作業) [3Dモデルの仕上げ(彩色作業)にあたっての留意点] ○ 計画建築物等の外壁等の仕上げ素材と同様な色彩の彩色を行う。 ○ 彩色の際には、現況写真撮影時の天候や距離感を配慮した色彩とする。 (画像合成時に色彩調整してもよい) (3) 手描きパース図等による完成予想図の作成にあたって [完成予想図の作成にあたっての配慮点] ○ 計画建築物等の規模(高さ)を正確に表現するため、現況調査において把握した計画 地周りの建築物や工作物、前景の樹林等も合わせて描画し、画像合成の際の位置決め の基準点とする。 - 11 - ○ 彩色の際には、現況写真撮影時の天候や距離感を配慮した色彩とする。 (画像合成時に色彩調整してもよい) 4 フォトモンタージュ手法による予測図(画像合成図)の作成 ■フォトモンタージュ手法による予測図(画像合成図)の作成 視点場から撮影された現況写真と計画建築物等の完成予想図を画像合成し、予測図(画 像合成図)を作成する。 なお、画像合成に際しては、計画建築物等の前景や背景となる樹林や山並 、湖面、周辺 建物や工作物などの規模や位置を正確に把握し、計画建築物等が計画地に正確に配置され るように努める。 ○視点場から撮影された現況写真と計画建築物等の完成予想図を画像合成し、予測図 (画像合成図)を作成する。 ○なお、画像合成に際しては、計画建築物等の前景や背景となる樹林や山並み、湖面、 周辺建物や工作物などの規模や位置を正確に把握し、計画建築物等 が計画地に正確に 配置されるように努める。 《フォトレタッチソフト*を用いた画像合成の方法》 (※フォトレタッチソフト 例:Adobe社Photoshop等) ・先に作成した完成予想図をフォトモンタージュ手法で現況写真と合成する。 ・計画建築物と同時に作成した位置決めの基準点となる前景の樹林や背景の山並み、周 辺建物や工作物などの3Dモデル等を、現況写真とのスケール感及び奥行き感に配慮 して合成する。 ・なお、合成においては特に前後の関係に気を付け、違和感の無い画像合成となるよう に補正する。 - 12 - Ⅲ.評価の手法 1 景観特性(景観資源の種類と視点場からの距離等)の把握 ■景観特性(景観資源の種類と視点場からの距離等)の把握 景観シミュレーションによって作成された複数の予測図(画像合成図)が、どのような 景観特性を有しているかを把握する。 ○ 景観シミュレーションによって作成された複数の予測図(画像合成図)が、どのような 景観特性を有しているかを把握する。 (1) 琵琶湖景観の景観特性 琵琶湖景観において、建築物等の高さによって影響を受ける景観特性は、景観資 源の「樹林帯(ヤナギ林、マツ林)」「独立峰(里山、島、半島・岬)」「周囲の山 並み」「琵琶湖・内湖の湖面」で構成される次の6タイプが考えられる。 《タイプ1》 ~ 計画建築物等の前景に樹林帯 - 13 - ~ 《タイプ2》 ~ 計画建築物等の背景に独立峰(視点場より概ね 10km 以内の近くにある) 概ね 概ね 《タイプ3》 ~ 計画建築物等の背景に独立峰(視点場より概ね 10km 以上の遠くにある) 概ね 概ね - 14 - ~ ~ 《タイプ4》 ~ 計画建築物等の背景に山並み(視点場より概ね 10km 以内の近くにある) ~ 概ね 概ね 《タイプ5》 ~ 計画建築物等の背景に山並み(視点場より概ね10km以上の遠くにある) 概ね 概ね - 15 - ~ 《タイプ6》 ~ 俯瞰する場合において、計画建築物等の背景に湖面 概ね 概ね - 16 - ~ (2) 琵琶湖景観のパターン 建築物等の高さに景観影響を受ける琵琶湖景観のパターンは 、主として前述の6タイ プの景観特性の組み合わせによって形成されていると言える。 ちなみに、組み合わせの例として、以下のような10種類があげられる。 琵琶湖景観のパターン パターン1 (タイプ1) 前景に樹林、背景に山並等 が無い(視点場より概ね 20km以上の遠方に山並み等 ある) パターン2 (タイプ2) 背景に独立峰 (視点場より概ね10km以内 の近くにある) パターン3 タイプ1 + タイプ2 前景に樹林、背景に独立峰 (視点場より概ね10km以内 の近くにある) パターン4 (タイプ3) 背景に独立峰 (視点場より概ね10km以上 の遠くにある) パターン5 タイプ1 + タイプ3 前景に樹林、背景に独立峰 (視点場より概ね10km以上 の遠くにある) パターン6 (タイプ4) 背景に山並み (視点場より概ね10km以内 の近くにある) パターン7 タイプ1 + タイプ4 前景に樹林、背景に山並み (視点場より概ね10km以内 の近くにある) パターン8 (タイプ5) 背景に山並み (視点場より概ね10km以上 の遠くにある) パターン9 タイプ1 + タイプ5 前景に樹林、背景に山並み (視点場より概ね10km以上 の遠くにある) パターン10 (タイプ6) 俯瞰する眺望点で、背景に 湖面 樹林 独立峰 近い 遠い 周囲の山並み 近い 遠い 湖面 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ - 17 - ■ 琵琶湖景観のパターン 《パターン1》 樹林 琵琶湖 概ね 5km以内 視点場 計画地 樹林 山並 概ね 20km以上 《パターン2》 《パターン3》 概ね 概ね 概ね 概ね 《パターン4》 《パターン5》 概ね 概ね 概ね 概ね - 18 - 《パターン6》 《パターン7》 概ね 概ね 概ね 《パターン8》 《パターン9》 概ね 概ね 概ね 概ね 《パターン10》 概ね 概ね - 19 - 2 計画建築物等の評価 (1) 景観形成基準等による評価 ■広域的景観に係る規模、形態、色彩その他の意匠、敷地の緑化の評価指標による評価 視点場毎の各予測図(画像合成図)が該当する景観特性毎の規模、形態、色彩その他意 匠、敷地の緑化の評価指標に適合しているかどうかを評価する。 ●重要な眺望景観に対しては 「重要な眺望景観」の評価指標に に基づき評価する。 ●重要な眺望景観以外に対しては 「主要な眺望景観」の評価指標に に基づき評価する。 ○ 広域的景観に係る規模、形態、色彩その他の意匠、敷地の緑化の考え方に関する適合は、 規模、形態、色彩その他の意匠、敷地の緑化の評価指標で評価を行う。 ○ 視点場毎の各予測図(画像合成図)が、別途に示す景観特性毎の規模 、形態、色彩その 他の意匠、敷地の緑化の評価指標に適合しているかどうかを評価する。 ○ 先に示した琵琶湖景観のパターンのように、予測図が規模の評価指標で示す6タイプの 景観特性を複合的に有している場合には、それぞれのタイプに応じた評価を行い、各々 の評価指標に適合しているかどうかを評価する。 ○ 予測図が規模、形態、その他の意匠、敷地の緑化の評価指標で示す6タイプの景観特性 のいずれにも該当しない景観特性を有するものにあっては、建築物等の規模、形態、そ の他の意匠、敷地の緑化がその景観特性に著しい影響を与えないかどうかを評価する。 《評価にあたっての準備作業》 評価にあたっての準備作業として、「計画建物等の樹林からの見かけの突出量」、「計 画建物等が山並み、独立峰、湖面等を遮へいする部分の見かけの高さ」、「樹林の見かけ の高さ」、「独立峰の見かけの高さ」、「山並みの見かけの高さ」、「湖面の湖岸から対 岸までの見かけの長さ」などを予測図毎に計測し、明記しておくこと。 なお、見かけの高さについては、次のように定義する。 ・計画建築物等の高さについ ては、ペントハウス等を含む最高の高さまでとし、ここま でを、背景となる山並み、独立峰、湖面等を遮へいする部分の見かけ高さとする。 ・樹林の場合には、計画建築物等の前景の樹林の根元から樹冠が形成する連続的なライ ンの平均的な高さを樹林の見かけの高さとする。 ・独立峰の場合には、独立峰の地際または計画建築物等の地盤面から独立峰の山頂等の 最高高さまでを独立峰の見かけの高さとする。 ・山並みの場合には、山並みの地際または計画建築物等の地盤面から山並 みのスカイラ インを形成する平均的な高さを山並みの見かけの高さとする。 ・湖面の場合には、計画建築物等の背後の湖岸から背後の対岸までの長さを湖面の見か けの長さとする。 - 20 - ・山並みの稜線を超えない高さとは、山並みの連続性に著しい影響を与えないことが重 要であることから、山並みの稜線より幾分控えた高さとする。 3 計画建築物等の景観形成措置の検討 ■計画建築物等の景観形成措置の検討 評価の結果から、広域的景観に係る規模、形 態、その他の意匠、敷地の緑化の評価指標 および野洲市景観計画に定める 景観形成基準に適合しないと判断される場合は、景観への 配慮や代替措置など、景観影響をできる限り回避し、または軽減すること。 ○ 計画建築物等の評価の結果から、広域的景観に係る規模、形態、その他の意匠、敷地の 緑化の評価指標に適合しないものについては、景観への配慮や代替措置など、景観影響 をできる限り回避し、または軽減すること。 ○ なお、景観形成措置の検討の経緯ならびに景観形成措置の検討をした結果、景観影響の 回避または景観形成基準(規模、形態、その他の意匠、敷地の緑化の評価指標を含 む。)への適合が困難である場合は、その理由を明らかにする。 4 景観形成措置後の予測図の検討 評価の結果において、景観への影響が著しい予測図等については、景観形成措置の結果をも とに、再度各視点場からの景観形成措置後の予測図を作成する。この予測図から景観形成措置 を検証する。 5 計画建築物等の総合評価 景観形成措置後の予測図等をもとに、建築物等の景観影響に対する総合的な評価を行う。 - 21 - Ⅳ.景観影響調査書の作成 ■景観影響調査書の作成 総合評価を踏まえ、景観影響調査書を作成し、行為の届出に添付する。 ○ 総合評価を踏まえ、以下の内容を明記した景観影響調査書を作成し、行為の届出に添付 する。 ① 対象行為の場所:地名地番(位置図) ② 対象行為の種類:建築物・工作物、新築・改築・増築・移転・外観の模様替え等 ③ 対象行為の規模:構造(○○造○○階建)、敷地面積、建築面積、延べ面積、最高の 高さ等(配置図、立面図) ④ 対象行為の実施される期間:着工予定日、完了予定日 ⑤ 対象行為の内容に関する事項であって、その変更により景観影響が変化することとな るもの:敷地内の位置、形態・意匠、仕上げ材料、色彩等 ⑥ 対象行為実施区域およびその周囲の概況: ・ 景観の状況(景観資源の状況、主要な視点場の分布状況) ・ 地形の起伏その他の自然的状況 ・ 社会的状況(土地利用の状況、湖辺の利用の状況、交通状況、景観保全に関する法 令、条例等により指定された地域および当該地域に係る規制の内容その他の状況) 他 ⑦ 対象行為に係る景観影響調査を実施した地域: ・ 計画地を中心に半径○○メートル(位置図) ⑧ 対象行為に係る景観影響についての調査、予測および評価の手法 [調査手法] ・ 調査手法と手法の選定理由 [予測手法] ・ 予測手法と手法の選定理由 [評価手法] ・ 景観影響評価指針第8条に規定する評価の手法 ⑨ 景観影響調査の結果 ア.景観影響についての調査の結果の概要ならびに予測および評価の結果 [調査] ・ 調査対象範囲内の主要な視点場と景観資源等の状況の概要(位置図) [予測] ・ 予測を実施する視点場と眺望景観(名称、位置、標高、距離等)(位置図) - 22 - ・ 視点場からの現況写真(撮影場所、撮影方向、背景となる眺望景観 の撮影条件の 記録) ・ 対象行為地周辺の建築物、樹木、山並みなどの高さや位置等 ・ 視点場毎の予測図(シミュレーション写真とデータ) ・ その他必要な事項 [評価] ・ 視点場毎の景観特性のタイプ ・ 景観形成基準(規模の評価指標含む。)との適合状況(評価指標の種類、見かけ の高さ等の計測、スケール比の算出、評価指標や基準の適合状況等) ・ その他必要な事項 イ.景観形成措置 ・ 景観形成措置の実施主体、景観形成措置の実施の内容 ・ 景観形成措置の検討の経緯 ・ 景観形成措置の効果、その措置を講じた後の景観の状況の変化(予測図) ・ 景観形成措置の検証の結果 ・ 景観影響の回避もしくは低減または景観形成基準への適合が困難である場合は、 その理由 ウ.対象行為に係る景観影響の総合的な評価 - 23 - Ⅴ.評価指標の考え方とその対象区域 規模、形態、色彩その他の意匠、敷地の緑化 の評価指標は、琵琶湖景観形成地域における広 域的景観に係る規模、形態、色彩その他の意匠、敷地の緑化に関して評価を行う場合の指標と して、琵琶湖景観を代表する景観特性毎に、「重要な眺望景観」と「主要な眺望景観」に分け てひとつの数値的な目安等を示しています。 したがって、規模の評価指標に適合していなくとも、対象となるそれぞれの眺望景観の特性 に応じた必要な景観形成措置を講ずること等により眺望景観に著しい影響を及ぼさないと判断 できる場合や、反対に、本評価指標に適合していても眺望景観に著しい影響を及ぼすと判断で きる場合は、それぞれの眺望景観の特性に応じた評価をする必要があります。 なお、評価指標の対象区域と評価指標の考え方は、以下のとおりとします。 (1)評価指標の対象区域 - 24 - イメージ図 (2)評価指標の考え方 評価対象 工作物 工作物 建築物 (風力 発電施 設、 太 陽光発 電施設 除く ) (風力発電施設) 位置 - - ○ P37 規模 ○ ○ ○ P27~32 形態 ○ ○ ○ P33 ○ ○ - P34 - - ○ P37 ○ ○ ○ P35~36 評価指標 色彩 その他の意匠 敷地の緑化 注):「○」は、適用する評価指標を示す。 - 25 - 参照項 ≪総 則≫ 建築物の規 模は、中 景 および遠景 域から眺 望 した際に、 眺望景観 に 著しい影響 を与え ないように努めること。 ○ 建築物等の規模、形態、色彩その他の意匠は、主要な視点場からの眺望景観に著しい影 響を与えないように努めることを基本原則とする。 - 26 - 1 規模の評価指標 《タイプ1》計画建築物等の前景に樹林帯がある場合 【樹林との対比による評価指標】 ■主要な眺望景観(原則、計画建築物等を中景域から眺望した際に適用) 建築物等の規模は、見かけにおいて樹冠から突出しない高さとし、樹冠の連続性に影 響を与えないように配慮すること。 やむを得ず樹冠から突出するときは、樹林帯の見かけの高さの概ね 1/2 以下の突出と し、形態、色彩その他の意匠の評価指標の考え方を考慮して、樹林帯の景観との調和を 図ること。 ■重要な眺望景観(原則、計画建築物等を中景域から眺望した際に適用) 建築物等の規模は、見かけにおいて樹冠から突出しない高さとし、樹冠の連続性に影 響を与えないように配慮すること。 やむを得ず樹冠から突出するときは、樹林帯の見かけの高さの概ね 1/3 以下の突出と し、形態、色彩その他の意匠の評価指標の考え方を考慮して、樹林帯の景観との調和を 図ること。 ( )内 は重要 な眺望 景観の基 準 【評価の記入事項】 記入項目 記入内容 距 離 視点場から計画建築物等までの距離 m 視点場から樹林帯までの距離 m 高 さ 建物の樹林からの見かけの突出量(D) mm 樹林の見かけの高さ(H) mm 比 樹林の見かけの高さ(H)に対する 計画建物等の見かけの突出量(D) D/H 〔評価(評価基準との適合状況)〕 - 27 - 《タイプ2》計画建築物等の背景に独立峰(視点場より概ね 10Km以内の近くにある) がある場合 【独立峰との対比による評価指標】 ■主要な眺望景観 建築物等の規模は、独立峰の見かけの高さの概ね 1/3 以上を遮へいしない高さとし、 背後の独立峰の特徴的な容姿に著しい影響を与えないように配慮すること。 ■重要な眺望景観 ■ 重要な眺望景観の景観影響評価基準 建築物等の規模は、独立峰の見かけの高さの概ね 1/3 以上を遮へいしない高さとし、 背後 の 独立 峰の 容 姿を 大き く 遮へ いし た り、 独立 峰 に並 び建 つ など して 、 独立 峰の 特徴 的な容姿に影響を与えないように配慮すること。 独立峰の幅 W ( )内 は重要 な眺望 景観の基 準 概ね 概ね 【評価の記入事項】 記入項目 記入内容 距 離 視点場から計画建築物等までの距離 m 視点場から独立峰までの距離 m 高 さ 建物が独立峰を遮へいする部分の見かけの高さ(h) mm 独立峰の見かけの高さ(H) mm 比 独立峰の見かけの高さ(H)に対する 計画建築物等が遮へいする部分の見かけの高さ(h) 〔評価(評価基準との適合状況)〕 - 28 - h/H 《タイプ3》計画建築物等の背景に独立峰(視点場より概ね 10Km以上の遠くにある) がある場合 【独立峰との対比による評価指標】 ■主要な眺望景観 建築物等の規模は、独立峰の見かけの高さの概ね 1/2 以上を遮へいしない高さとし、 背後の独立峰の特徴的な容姿に著しい影響を与えないように配慮すること。 ■重要な眺望景観 建築物等の規模は、独立峰の見かけの高さの概ね 1/3 以上を遮へいしない高さとし、 背後の独立峰の容姿を大きく遮へいしたり、独立峰に並び建つなどして、独立峰の特徴 的な容姿に影響を与えないように配慮すること。 独立峰の幅 W ( )内 は重要 な眺望 景観の基 準 概ね 概ね 【評価の記入事項】 記入項目 記入内容 距 離 視点場から計画建築物等までの距離 m 視点場から独立峰までの距離 m 高 さ 建物が独立峰を遮へいする部分の見かけの高さ(h) mm 独立峰の見かけの高さ(H) mm 比 独立峰の見かけの高さ(H)に対する 計画建築物等が遮へいする部分の見かけの高さ(h) 〔評価(評価基準との適合状況)〕 - 29 - h/H 《タイプ4》計画建築物等の背景に山並み(視点場より概ね 10Km以内の近くにある) がある場合 【周囲の山並みとの対比による評価指標】 ■主要な眺望景観 建築物等の規模は、山並みの見かけの高さの概ね 1/3 以上を遮へいしない高さとし、 山並みの連続性に著しい影響を与えないように配慮すること。 ■重要な眺望景観 建築物等の規模は、山並みの見かけの高さの概ね 1/4 以上を遮へいしない高さとし、 山並みを大きく遮へいして、山並みの連続性に著しい影響 を与えないように配慮するこ と。 ( )内 は重要 な眺望 景観の基 準 概ね 概ね 【評価の記入事項】 記入項目 記入内容 距 離 視点場から計画建築物等までの距離 m 視点場から山並までの距離 m 高 さ 建物が山並を遮へいする部分の見かけの高さ(h) mm 山並の見かけの高さ(H) mm 比 山並の見かけの高さ(H)に対する 計画建物等が遮へいする部分の見かけの高さ(h) 〔評価(評価基準との適合状況)〕 - 30 - h/H 《タイプ5》計画建築物等の背景に山並み(視点場より概ね 10Km以上の遠くにある) がある場合 【周囲の山並みとの対比による評価指標】 ■主要な眺望景観 建築物等の規模は、山並みの稜線を超えない高さまでとし、山並みの連続性に著しい 影響を与えないように配慮すること。 ■重要な眺望景観 建築物等の規模は、山並みの見かけの高さの概ね 1/2 以上を遮へいしない高さとし、 山並みを大きく遮へいして、山並みの連続性に著しい影響 を与えないように配慮するこ と。 ( )内 は重要 な眺望 景観の基 準 概ね 概ね 【評価の記入事項】 記入項目 記入内容 距 離 視点場から計画建築物等までの距離 m 視点場から山並までの距離 m 高 さ 建物が山並を遮へいする部分の見かけの高さ(h) mm 山並の見かけの高さ(H) mm 比 山並の見かけの高さ(H)に対する 計画建物等が遮へいする部分の見かけの高さ(h) 〔評価(評価基準との適合状況)〕 - 31 - h/H 《タイプ6》俯瞰する視点場において、計画建築物等の背景に湖面がある場合 【湖面との対比による評価指標】 ■主要な眺望景観 建築物等の規模は、背後の湖面の対岸までの見かけの長さの概ね 1/2 以上を遮へいし ない高さとし、湖面に著しい影響を与えないように配慮すること。 ■重要な眺望景観 建築物等の規模は、背後の湖面の対岸までの見かけの長さの概ね 1/3 以上を遮へいし ない高さとし、湖面を大きく遮へいして、湖面に著しい影響を与えないように配慮する こと。 山並みの見かけの高さの概ね 1/2 以上を遮へいしない高さとし、山並みを大きく遮へ いして、山並みの連続性に著しい影響を与えないように配慮すること。 ( )内 は重要 な眺望 景観の基 準 概ね 【評価の記入事項】 記入項目 距 離 高 さ 比 記入内容 視点場から計画建築物等までの距離 m 視点場から湖岸までの距離 m 視点場から対岸までの距離 m 建物が湖面を遮へいする部分の見かけの長さ(h) mm 背後の湖面の見かけ長さ(H) mm 湖面の見かけの長さ(H)に対する 建物が遮へいする部分の見かけの高さ(h) 〔評価(評価基準との適合状況)〕 - 32 - h/H 2 形態の評価指標 主要な眺望景観、重要な眺望景観 周辺景観だけでなく背後の視対象と調和するよう配慮し、全体的にまとまりのある形態とす るなど、違和感を感じさせる形態は避けること。 ■ 全体的にまとまりのある形態とすること。 ・ 周囲の建築高さよりも突出したものは避け、周辺景観だけでなく背後の視対象と調和す るよう配慮すること。 ・ 単調で長大な壁面は、中景・遠景に対して異様な印象を与える場合があるため、建物の 分棟、壁面に凹凸をつけるなどの分節化等の工夫を行い、周辺景観や背後の視対象と の調和に配慮すること。 ・ 建築物の屋上施設等、違和感を与えたり不自然さを感じさせたりする形態は避け、ルー バーで隠す等まとまりのある形態の工作物により修景するなど、周辺景観だけでなく 背後の視対象と調和するよう配慮すること。 屋上に設ける設備等の修景のイメージ ・ 建築物に付属して築造された具体的なイメージを伝える彫刻等は、建築物とのバランス 等を考慮し、周辺景観だけでなく背後の視対象と調和するよう配慮すること。 ≪解説≫ ◇ 「背後の視対象」とは ・広域的調整を必要とする眺望景観66景において特定された視対象という。 ・任意の視点場から景観資源を眺望した場合の視対象をいう。 - 33 - 3 色彩その他の意匠 主要な眺望景観、重要な眺望景観 周辺景観だけでなく背後の視対象と調和するよう配慮すること。 ■ 外壁および屋根の基調色は、以下のとおりとする。 外壁の基調色の色彩規準 色相 0.1R~10G 0.1BG~10RP 明度 彩度 無彩色 3 以上8以下 6 以下 3 以下 - ※ 漆喰、べんがら等の自然素材を使用する場合や、伝統的様式で建築等する 場合で周辺景観と調和すると認められる場合においてはこの限りでない。 屋根の基調色の色彩規準 色相 0.1R~10G 明度 彩度 0.1BG~10RP 無彩色 8以下 6 以下 3 以下 - ≪解説≫ ◇ 「基調色」とは 全体のイメージとなる土台の色のことをいい、配 色の中で最も広い部分を占める色のとこである。 基調色 基調色 基調色 ■ 反射率の高い材料や塗装の光沢仕上げなど鏡面反射が著しいものを壁面等の大部分にわ たって使用する場合は、分節化などして、周辺への反射、映り込み等を避けること。 - 34 - 4 敷地の緑化について 主要な眺望景観、重要な眺望景観 ・ 周辺景 観と調 和す るよ う植栽 するこ とと し、 特に、 主要な 視点 場か らの見 え方に 配慮す ること。 ・ 自然植生や周辺環境を考慮して樹種を選定すること。 ■ 周辺景観と調和するよう植栽することとし、特に、主要な視点場からの見え方に配慮する こと。 ・ 敷地の緑化にあたっては景観計画によるものとし、周辺景観や背後の視対象の連続性を 重視するなど、広域的景観形成のために効果的な配置となるよう工夫すること。 ・ 周辺景観や背後の視対象との連続性に配慮し、中高木も含め、調和のとれた広域的景観 形成に努めること。 ・ 屋上緑化についても積極的に進めること。 植樹による修景のイメージ 琵琶湖 琵琶湖 屋上緑化の例 - 35 - ■ 自然植生や周辺環境を考慮して樹種を選定すること。 ・ 琵琶湖周辺地域の景観特性に合った樹種を選定し、植樹を行うこと。 ・ 樹種の選定にあたっては、その地域の自然植生を調査するとともに、気象条件や土壌条 件についても十分に考慮の上決定すること。 ≪解説≫ ◇ 滋賀県景観計画における「敷地の緑化面積」の考え方 大規模建築物または大規模建築物以外の建築物であってその敷地の面積が0 .3 ヘクタール以上にあるものにあっては、原則として、それらの敷地面積の20% 以上の敷地を緑化すること。ただし、都市計画法第8条に規定する用途地域内に あっては、この限りでない。 ◇ 「自然植生」とは(滋賀県景観計画より) その地域の土地の環境の下に、古くから成立している植生のことです。 - 36 - 5 風力発電施設について 主要な眺望景観、重要な眺望景観 ・ 尾根線上、丘陵地または高台での設置は避けるよう努めること。 ・ 色彩は、周囲の景観と調和するように配慮すること。 ■ 色彩は、以下のとおりとする。 色彩基準 色相 0.1R~10G 明度 彩度 0.1BG~10RP 無彩色 3 以上8以下 6 以下 3 以下 - ≪解説≫ ◇ 高さ 風力発電施 設の高さ は 、地盤から プ レ-ド の 最高到 達点までの高さとする ◇ 大規模な風力発電施設 高さが13.0m以上のものをいう - 37 - 6 土地に自立して設置する太陽光発電施設(以下、「太陽光発電施設」という) について 土地に自立して設置する太陽光発電施設に係る景観形成基準について、下 記のとおり、滋賀県景観行政団体協議会において協議を進めているところで す。 (1) 設置場所に関する事項 (2) 周囲の景観との調和に関する事項 - 38 - Ⅵ.広域調整を必要とする眺望景観 主要な眺望景観 : 黒書き、赤書き 66景 重要な眺望景観 : 赤書き 20景 ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ ★ - 39 - ★ ★1,2,3,16,19,20,21,22,23,24,25,26,28,61の14眺望景観が 野洲市に関係する眺望景観 - 40 - 1(1 枚目/2 枚中) 湖南地域 - 41 - 1-2(2 枚目/2 枚中) 湖南地域拡大図(南湖南部・瀬田川) - 42 - 2 湖西地域 - 43 - 3 湖北地域 - 44 - 4 湖東地域 - 45 -