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学校司書モデル配置に伴う 学校図書館活用実践報告集

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学校司書モデル配置に伴う 学校図書館活用実践報告集
学校司書モデル配置に伴う
学校図書館活用実践報告集
-平成 26 年度-
平成 27 年 3 月
神戸市教育委員会
学校司書モデル配置に伴う学校図書館活用実践報告集
目
-平成 26 年度-
次
●はじめに・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
●学校司書モデル配置事業の概要・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2
●学校司書モデル配置校実践報告
【小学校 20 校】
( 1 )御影北小学校・・・・・・・08
(11)駒ケ林小学校・・・・・・・34
( 2 )稗田小学校・・・・・・・・・10
(12)西須磨小学校・・・・・・・38
( 3 )摩耶小学校・・・・・・・・・12
(13)白川小学校・・・・・・・・・42
( 4 )なぎさ小学校・・・・・・・14
(14)高丸小学校・・・・・・・・・46
( 5 )中央小学校・・・・・・・・・16
(15)東舞子小学校・・・・・・・50
( 6 )兵庫大開小学校・・・・・18
(16)本多聞小学校・・・・・・・52
( 7 )桂木小学校・・・・・・・・・20
(17)長坂小学校・・・・・・・・・56
( 8 )小部東小学校・・・・・・・24
(18)伊川谷小学校・・・・・・・58
( 9 )大池小学校・・・・・・・・・28
(19)竹の台小学校・・・・・・・64
(10)長田小学校・・・・・・・・・30
(20)押部谷小学校・・・・・・・70
【中学校 10 校】
( 1 )本山中学校・・・・・・・・・74
( 6 )唐櫃中学校・・・・・・・・・86
( 2 )上野中学校・・・・・・・・・76
( 7 )駒ケ林中学校・・・・・・・88
( 3 )筒井台中学校・・・・・・・78
( 8 )白川台中学校・・・・・・・90
( 4 )夢野中学校・・・・・・・・・82
( 9 )歌敷山中学校・・・・・・・92
( 5 )星和台中学校・・・・・・・84
(10)井吹台中学校・・・・・・・94
《コ ラ ム・・・・・・・・・・37,41,63,81 》
●資 料
(1)学校司書モデル配置校の学校図書館利用状況について・・・・・・・・ 100
(2)読書及び学校図書館に関するアンケート集計結果について・・・ 103
①児童生徒
(小学校・・・・104
中学校・・・・107)
②教
(小学校・・・・110
中学校・・・・112)
員
●参考資料
・法律等・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 114
・神戸市学校司書(学校図書館担当職員)事業実施要綱・・・・・・・・・ 117
・学校司書通信「司書☆ぴか」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 122
は
じ
め
に
子供の読書活動の推進については、近年、国をはじめ各地において様々な取組が行われています。平
成 13 年には子どもの読書活動の推進に関する法律が制定され、平成 14 年に「子どもの読書活動の推進
に関する基本的な計画」が閣議決定されました。これを受けて、本市においては平成 16 年に「神戸市子
ども読書活動推進計画」を策定しました。現在は、国、本市ともに第三次計画を策定し、さらなる子供
の読書環境の向上に取り組んでいるところです。
子どもの読書活動の推進に関する法律にも謳われているように、
「子どもの読書活動は、子どもが、言
葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、創造力を豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身に付け
ていく上で欠くことのできない」ものであり、子供の「生きる力」の基礎ともなるものです。子供が読
書活動を通じて、自ら考え判断し様々な問題に立ち向かう力や、他人を思いやる心、感動する心など豊
かな人間性を身に付けることができるよう、子供が読書に親しむことのできる環境をつくっていくこと
は我々大人の責務です。
子供の読書離れ、とりわけ中高生の読書離れが指摘されており、社会・経済的に様々な家庭の状況に
ある子供も多くいます。子供が生涯にわたる読書習慣を形成していく上で、学校や学校図書館は大きな
役割を果たしているといえます。学校教育法では「読書に親しませ、生活に必要な国語を正しく理解し、
使用する基礎的な能力を養うこと」と規定されており、平成 20 年及び 21 年に公示された学習指導要領
においても、知的活動(論理や思考)
、コミュニケーション、感性・情緒の基盤となる言語活動を各教科
等において充実させることや、子供の発達段階に応じた体系的な読書指導を行い、子供たちの思考力・
判断力・表現力等を育むことが求められています。また、学校図書館法では、学校図書館は図書館資料
を「収集し、整理し、及び保存し、これを児童又は生徒及び教員の利用に供することによって、学校の
教育課程の展開に寄与するとともに、児童又は生徒の健全な教養を育成する」とされています。
学校図書館が、「読書センター」
「学習・情報センター」としての機能を十分に発揮し授業等で活用さ
れるためには、学校図書館を支える「人」の力が重要です。本市では、各校の司書教諭を中心に、保護
者や地域のボランティアとも協力しながら、また、市立図書館とも連携しながら子供の読書活動の推進
や学校図書館の活性化に取り組んでまいりました。さらに、平成 25 年 10 月から平成 26 年 9 月までの間
は、各区 1 校の小中学校に学校図書館アドバイザーとして司書教諭 OB を配置し、取組を進めてきまし
た。
平成 26 年 6 月に学校図書館法が改正され(平成 27 年 4 月施行)
、学校司書の配置が努力目標とされま
したが、本市においてはこれにさきがけ、学校司書モデル配置事業として小学校 20 校、中学校 10 校に
学校司書を配置しました。10 月からの短い期間の取組ではありますが、配置校からは、
「学校図書館の雰
囲気が明るくなり、本が読みたくなるような場となった」
「子供たちが読書に親しむ姿がよく見られるよ
うになった」などの報告が寄せられています。本市における学校図書館活性化の取組は端緒についたば
かりです。モデル配置校での取組を全市に広げることで、
「いつも開いている図書館、必ず誰かいる図書
館」を実現するとともに、学校図書館を活用した生き生きとした授業が展開されることで、神戸の子供
たちの豊かな人間性と確かな学力が育まれることを願っています。
平成 27 年 3 月
神戸市教育長
1
雪村 新之助
学校司書モデル配置事業の概要
1.事業の趣旨
児童生徒の読書環境を整備するとともに、学校図書館を活用した学習を充実させるなど子供の読書活
動を推進することで児童生徒の確かな学力と豊かな人間性を育むため、平成 26 年 10 月1日から小学校
20 校、中学校 10 校に専任の学校司書をモデル配置しました。
今後は、モデル配置事業による効果を検証しながら学校司書の配置拡充を行い、全小中学校への学校
司書配置をめざしています。
2.モデル配置校の選定
学校司書モデル配置校は全小中学校から募集し、小学校 49 校、中学校 20 校の中から、地域、学校規
模、学校図書館活性化計画等により選定し、小学校 20 校、中学校 10 校を決定しました。
地区
小
学
校(20 校)
中学校(10 校)
東灘区
御影北小学校
本山中学校
灘区
稗田小学校
摩耶小学校
上野中学校
中央区
なぎさ小学校
中央小学校
筒井台中学校
兵庫区
兵庫大開小学校
北区
桂木小学校
夢野中学校
小部東小学校
星和台中学校
北区(北神) 大池小学校
唐櫃中学校
長田区
長田小学校
駒ケ林小学校
駒ケ林中学校
須磨区
西須磨小学校
白川小学校
白川台中学校
垂水区
高丸小学校
東舞子小学校
本多聞小学校
西区
長坂小学校
伊川谷小学校
竹の台小学校
歌敷山中学校
押部谷小学校
井吹台中学校
3.学校図書館をとりまく状況
平成9年の学校図書館法改正により 12 学級以上の学校には司書教諭を置くこととされ、本市の小中学
校においても司書教諭が配置されています。しかし、司書教諭は学級担任や教科担任、部活動顧問など
の校務のため、学校図書館の運営に十分専念することができない状況にあり、全国的にも同様の状況が
うかがえます。
一方、学校図書館の利活用を促進するため、全国では約半数の小中学校に学校司書が配置されており、
平成 24 年度からは学校司書配置のための交付税措置がなされています。これに加え、平成 26 年6月に
は学校図書館法が改正され(平成 27 年4月1日施行)
、学校司書の配置が各自治体の努力義務とされま
した。
また、学校図書館の蔵書の充実のため、学校図書館活性化5か年計画(第4次)による交付税措置が
なされており、本市でも学校図書館図書標準冊数の達成に取り組んでいます。この結果、ほとんどの小
中学校では標準冊数を達成していますが、児童生徒によく読まれているため傷んでしまった図書や、内
容が古いため授業では使うことのできない図書等、入れ替えの必要な図書もあります。
このように学校図書館活性化の動きが活発になってきており、本市のみならず、他の自治体でも学校
司書配置を実施したり検討したりする動きが出てきています。
2
4.モデル配置校での取組内容
学校司書とは学校図書館の業務に専従的に携わる職員を指し、学校図書館法で規定されている司書教
諭とは異なります。その呼称は、
「学校司書」
「学校図書館担当職員」
「学校図書館補助員」等自治体によ
って様々です。また、資格要件や雇用、勤務の形態についても、自治体ごとに異なっています。平成 26
年6月に学校図書館法が改正されたことで、初めて、
「専ら学校図書館の職務に従事する職員」として学
校司書が位置付けられ、その配置や資質向上のための研修等が各自治体の努力義務とされました。
学校司書は司書教諭を補佐しながら、各校の教職員の一員として、本と児童生徒とをつなぐ役割を担
います。具体的には、学校図書館の整備や運営の実務、授業等に関連した図書の準備や授業づくりへの
支援を行います。学校司書を配置し、いつも「人」のいる学校図書館、児童生徒が使いやすい、授業等
に役立つ学校図書館づくりに取り組むことで、学校図書館の「読書センター」
「学習・情報センター」と
しての機能の充実をめざしています。また、モデル配置事業においては、本市における学校司書配置の
リーディングモデルとして、司書教諭と学校司書とが協働しながら学校図書館の活性化に向けて実践す
るとともに、その検証を行い、学校司書の役割や業務の内容、読書指導や学習指導への学校図書館の活
用計画などを策定していく予定です。
5.学校司書配置にむけて
(1)学校司書の選考、研修
学校司書の募集は平成 26 年5月に開始し、応募票と小論文により第一次選考を行ったうえで、第二次
選考を8月に行い、個人面接と実技(本の紹介)により 30 名を決定しました。今回採用が決定した者は、
平均年齢 40.2 歳で全員が女性です。また、図書館業務経験者は 19 名、うち学校図書館経験者は5名で
した。読み聞かせなど子供の読書活動に関わるボランティアの経験者は9名ですが、教員経験者はほと
んどありませんでした。
採用決定後、9月中旬から4日間にわたり、学校司書としてあらかじめ身に付けておいてほしいこと
がらについて事前研修を行いました。学校図書館の役割や機能、環境整備や選書など学校図書館運営の
実務、読み聞かせや授業の支援等についての研修を行うともに、実際に小学校の学校図書館の見学を行
いました。また、本市の小中学校の概要や、児童生徒とのかかわりの中で気を付けたいことについての
研修も行いました。
(2)学校司書の資格、勤務形態
学校司書の資格要件は 65 歳以下の司書、司書補のいずれかの資格保持者とし、本市の非常勤職員とし
て位置づけています。
勤務日・勤務時間は原則として月曜日から金曜日とし、年間 200 日以内、8時 30 分より 16 時 30 分
までのうちで 1 日あたり6時間以内、1週間あたり 29 時間以内、年間 1,100 時間以内(平成 26 年度は
半年間で 100 日、550 時間以内)としていますが、勤務日や勤務時間は各校の実情に合わせて設定して
います。
配置期間は平成 26 年 10 月1日から平成 27 年3月 31 日までとしていますが、勤務成績良好の場合は、
年度ごとに4回まで更新が可能としています。
3
6.学校司書配置による実績、効果
(1)居心地のよい学校図書館、役に立つ学校図書館へ
学校図書館館内の環境整備としては、不要な書架の廃棄を行ったり、書架を斜めに配置して自然な動
線となるよう館内のレイアウトの工夫を行ったり、さらに、読み物や絵本を著者名順や書名順に並べる
など配架の見直しを行ったりしています。また、NDC(日本十進分類法)番号や著者名、書名などによ
るわかりやすい書架見出し(サイン)の作成、イラストを用いたわかりやすい背ラベルへの変更を行い、
本を探しやすくしています。
また、データの古い図書、読まれなくなった物語、傷んだ図書などの抜き取りを行うことで、新鮮な
書架づくりを行うとともに、足りない分野の図書、新刊図書、図鑑等の調べ学習用図書など選書候補を
提案し、授業に役立つ、児童生徒にとって魅力的な書架づくりを行っています。
さらに、季節感のある掲示物を作成したり、おすすめ本や話題本を展示したりすることで、児童生徒
の読書意欲を喚起しています。
(2)いつでも開いている学校図書館、いつでも人がいる学校図書館へ
学校司書配置によってどの学校も開館時間が長くなり、それに伴い利用者や貸出冊数が増加していま
す。また、毎日来館したり学校司書と一緒に「しおりづくり」を行ったりする児童生徒の姿も見られ、
学校図書館が児童生徒の心の安らぎの場となっている学校もあります。
この他、開館/閉館の表示を行うことで学校図書館がいつ開いているかをわかりやすくしたり、来館
者のカウント方法の工夫を行ったりすることが、学校図書館の利用促進につながっています。また、
「読
書ビンゴ」や「本の福袋」等の学校司書が司書教諭や図書委員会とともに企画したイベントなどが、児
童生徒を学校図書館へ誘っています。
(3)学校図書館を活用した授業への支援等
学校司書は、読み聞かせやブックトーク、図書館利用の指導等を担任とともに行ったり、児童生徒が
本を選ぶ際のアドバイスや調べ学習の支援などを行ったりしています。また、調べ学習や並行読書用の
図書を準備する際、必要に応じて市立図書館からも借り入れることで提供する図書の幅が広がってきて
います。さらに、児童生徒や教職員、保護者に向けての学校図書館だよりの発行や、ホームページへの
アップによる情報発信を行ったり、ボランティアと協働して図書のコーティング、背ラベルの貼付、掲
示物の作成、図書の配架などを行ったりしています。
7.学校司書の資質向上への取組等
(1)
「学校司書連絡会」での情報交換や研修の実施
学校司書の資質向上のために、毎月 1 回「学校司書連絡会」を行い情報の共有を行うとともに、毎回
テーマを決めて研修を実施しています。連絡会を行うことにより学校司書同士の繋がりも深くなり、回
を重ねるごとに充実したものになってきています。
連絡会ではまず、自校での取組の成果物を持ち寄り展示します。学校司書たちは、他校のサインや掲
示物や図書館だよりをはじめ、図書の展示方法や児童生徒の読書意欲を向上させるアイデアを、すぐに
自校に持ち帰って活かそうと積極的に情報交換を行っています。また、グループ討議では、学校司書と
しての取組の成果や課題についてテーマを決めて話し合います。
4
連絡会の後半に行う研修では、読み聞かせや選書、市立図書館司書を招いての図書の修理の実習など、
学校図書館の現場ですぐに役立つことがらをテーマとして取り上げています。
(2)学校図書館コーディネーターによる支援
平成 26 年4月より学校図書館コーディネーター(司書教諭 OB)が生涯学習課に配置され、学校司書
の資質向上等に取り組んでいます。学校図書館コーディネーターは学校司書の研修を企画したり、学校
司書配置校を巡回訪問して、学校司書に対して各校の状況に応じた助言を行ったりします。また、学校
司書からの問い合わせに対しては、随時電話や e メールでアドバイスを行っています。
また、学校司書通信「司書☆ぴか」を発行して、月1回の「学校司書連絡会」では伝えきれなかった
情報を掲載したり、各校訪問の様子を伝えたりしています。さらに、学校司書の活動の様子について生
涯学習課のフェイスブックで発信し、広報活動に努めています。
8.学校からの声
学校司書配置校からは、10 月からの短い活動期間にもかかわらず、学校司書に対しては高い評価が寄
せられています。学校司書本人については、業務に対して非常に誠実に取り組んでいること、学ぼうと
する意欲がうかがえること、児童生徒や教職員、ボランティアとのコミュニケーションを積極的にとっ
ていること等があげられます。
環境整備面では、書架や図書の配置など館内の整備が進み利用しやすくなった、季節の掲示物や図書
の面展示、観葉植物の配置により館内が明るく柔らかい雰囲気になったとの声があります。また、選書
や図書の受入がスムーズにできる、毎日開館しているので利用が増えている、児童生徒が生き生きと読
書をしている、学校司書に会うのを楽しみに学校図書館に行く子供がいるとの声もあります。
学習指導においても、学年やクラスに合わせたブックトークや読み聞かせが効果的である、授業に使
う図書の準備を行う際には市立図書館まで出かけて揃えてもらえるので助かる等の声があります。
9.「学校図書館活用神戸モデル」の作成と普及
「第2期神戸市教育振興基本計画」における重点事業として、確かな学力の育成のために分かる授業
の推進が挙げられています。ここでは、豊かな感性を育むと同時に、確かな学力、
「生きる力」につなが
る学校図書館の活用が求められています。基礎的・基本的な知識及び技能を習得させ、これらを活用し
て課題を解決するために必要な思考力・判断力・表現力等を育むとともに、主体的に学習に取り組む態
度を養うためには、言語活動の充実を図ることが大切です。各教科等において、学校図書館を活用した
読書活動や学習活動を展開していくことで、子供たちが「必要な本の探し方」や「目次や索引の使い方」
などの読み方や学び方を身に付け、生涯にわたって主体的に学び続ける力を育成することができると考
えられます。
そこで、小学校から中学校までの発達段階に応じて、系統的・計画的に学校図書館を活用していくた
め、各学年・各教科等における学習単元に応じて、学校図書館の活用を通して「つけたい力」を明確に
し、言語活動例や学習展開例、授業で活用したい図書等を示した「学校図書館活用神戸モデル」を作成
します。これにより、司書教諭や担任、学校司書が役割分担して取り組む授業の具体案、実践例を提示
し、学校図書館のさらなる活用に活かし、子供たちに付けたい力を明確にした単元、授業内容の充実に
役立てていきたいと考えています。
5
10.今後の課題
(1)学校図書館の環境整備
≪施設の改善≫
書架が古く棚の高さを調節できないため大きなサイズの図書を入れることができない、床が土足であ
るため最下段の図書が土埃をかぶってしまう、児童生徒数に対して学校図書館が狭く学校図書館図書標
準冊数の図書を収容しきれない、図書館が2ヶ所に分かれていて使いづらいなどの課題が明らかになっ
てきています。これらの施設面での改善に取り組んでいく必要があります。
≪蔵書の充実≫
学校図書館が児童生徒にとって行きたくなる、学習に役立つ場所となるためには、どのような蔵書を
置くかということが何よりも大切です。そのためにも、内容が古く学習には不適切図書や児童生徒が手
に取ろうとしない図書、傷みが激しく修理や買い替えが必要な図書が配架されていないかを、今一度見
直すことが必要です。また、ていねいに一冊一冊選書し、定期的に図書を購入することで、蔵書の冊数
だけではなく、学習に役立つ、児童生徒にとって魅力ある蔵書を揃えていく必要があります。
≪学校図書館ネットワークの構築≫
学校図書館のデータベース化は、全国の約 65%の小中学校で行われています。データベース化により、
図書の受入や貸出・返却など蔵書管理だけでなく、書名や著者名、分類などで図書の検索を行うことが
できます。これにより、読みたい本、調べたいことが載っている本を探し出すこともできます。本市に
おいても、学校図書館へのコンピュータ導入が急がれています。
また、市内小中学校や市立図書館の蔵書が検索でき、自校にない図書を取り寄せることのできる、コ
ンピュータネットワークや物流のシステムも、将来的には必要になると考えらえます。
(2)学校図書館活性化への取組の推進
≪校内での情報共有や協力体制づくり≫
司書教諭は担任や部活動、その他の校務を兼任しており、学校司書の勤務が1日6時間以内であるこ
とから、司書教諭と学校司書との打合せ時間の確保が大きな課題となっています。学校司書配置校では、
連絡ノートやメモ、e メールを活用するなど工夫しながら情報共有に努めていますが、さらにスムーズな
学校図書館運営を行うには、互いに顔を合わせて打合せを行うことが必要です。
また、学校図書館のさらなる活用のためには、学校全体で組織的に取り組む体制づくりが大切です。
管理職や司書教諭、学校司書のみならず、すべての教職員が学校図書館の意義や役割を共通理解した上
で、学校図書館を活用していくことが求められています。
≪学校図書館活用に対する理解の促進≫
学校図書館はこれまで長年の間、本の好きな児童生徒が行く場所、
「図書の時間」に本を借りる場所と
して利用されてきました。今後は、学校図書館には「読書センター」だけではなく「学習・情報センタ
ー」としての機能があることについての理解を促進し、その機能を発揮させていくためにも、授業等で
学校図書館をさらに利活用していく必要があります。
≪ボランティアとの協働≫
読み聞かせや図書の修理など、ボランティアが活動している学校図書館が多くあります。今後も、学
校司書が窓口となり地道な取組を進めていくとともに、ボランティア活動を通じて保護者や地域の方々
の中からも、学校図書館活性化や子供の読書活動推進の機運を高めていきたいと考えています。
6
学校司書モデル配置校
実践報告
7
神戸市立御影北小学校
読書生活の充実に向けた読書環境の改善への実践例
〜 子供たちが利用したくなるような図書室経営 〜
神戸市立御影北小学校
学校長 上坂 資次
児童生徒数 973名
学級数 30学級
1.取組状況
学校司書が配置され、最初に取り組んだのが、古い図書の廃棄や書架の配置替え等の図書室の環境
整備である。快適で望ましい環境づくりが少しずつ進んでいる。また図書室利用に関しても、従来は、
休み時間に一日二回、図書委員会の児童によって開館していたが、学校司書が配置されたことで、毎
休み時間開館することができるようになった。開館時間が増えたことにより、図書室利用者数や、貸
出冊数も増加傾向にある。今後、授業での学校図書館利用をより活発に行えるよう、学校司書と司書
教諭が連携を取り合っていきたい。
2.内容
(1)学校司書とボランティアとの協働に関する取組
①本が取り出しやすいような工夫
学校図書館の書架は奥行きが広いため、児童は本を取
り出すのに苦労していた。そこで、学校司書がアイデア
を出し、書架の奥に牛乳パックを置くことで、本を取り
出しやすくした。PTA のボランティアと協力し、学校
図書館の環境を整えている。
②わかりやすい吹き出しを作る
新しく入った本を紹介するスペースや、寄贈本のコー
ナーを作る(写真①)ことで、子どもたちが、より学校
図書館に興味を持つようになった。新しい本は、すぐに
児童が借りるため、表紙のコピーを書架に貼る工夫(写
真②)をしている。
また、雪だるまや今年の干支等の季節に合った掲示を
添えることで、学校図書館の雰囲気が明るくなった。(写真③)
写真①
写真②
写真③
8
神戸市立御影北小学校
③ブックカバーをつける
本をきれいな状態に保つため、PTA のボランティアと協力して、ブックカバーのついていない本に、
ブックカバーをつける活動を行っている。学校司書が中心となり、ブックカバーの付け方を PTA のボ
ランティアに伝えている。
④連携の取り方
学校司書、司書教諭、PTA ボランティアが協働するた
めに、ノートに活動計画や反省等を書いて、情報を交換
している。ボランティアの活動については、従来、司書
教諭がボランティアに依頼していたが、学校司書が配置
されたため、学校司書から次回の提案を行い、司書教諭、
PTA ボランティアが確認・補足することで、よりスムー
ズな活動になっている。学校司書の専門的な知識が加わ
ることで、さらに過ごしやすい図書館の環境が整えられ
右側 : 学校司書と司書教諭用のノート
てきている。
左側 : 学校司書、司書教諭、PTA ボラ
ンティア用のノート
(2)学校司書の活動
①ブックトーク・絵本の読み聞かせ
道徳の教材として、戦争に関する絵本の読み聞かせや、関連する本のブックトークを行ったクラス
がある。学校司書の、本に関する豊富な知識に基づくブックトークは、教師だけでは行うことが難し
い高いレベルのものであり、児童は関心をもったようである。今回はクラス単独で行ったが、学年毎
に学校司書と連携を取り合って、このような取組を進めることで、一人でも多くの児童が新しい本に
出会う機会にしていきたい。
②選書補助
従来図書の購入は、司書教諭が学年の意見を聞き、選
書していた。学校司書が配置されることにより、学校司
書が選書の補助を行っている。まず、学校司書が各学年
にアンケートを配布し、調べ学習に必要な内容や学校図
書館に置きたい読み物等を調べた。そこへ新しく出版さ
れた本の情報や、児童に人気のある本などの情報も加え、
選書リストを作成してもらった。そうすることで、計画
的な本の購入が行えている。
児童にとっても興味のある本を配架することで、より
学校図書館が活発化してきている。
9
神戸市立稗田小学校
本に親しみ、図書室を活用する子どもたちが集まる、開かれた図書室への改善を目指す実践例
~読書で世界を広げるだけでなく、調べる力も育むために~
神戸市立稗田小学校
学校長 牧坂 浩一
児童生徒数 518名
学級数 19学級
1.取組状況
学校司書が配置され、休み時間すべて図書室が開くようになった。まずは、本の修理や、見やすい
ように本の配置を変えることを中心に活動を行っている。日に焼けて、題名が見えにくくなった本の
背表紙にラベルプリンターでタイトルを貼り付けたり、展示の仕方を子どもたちにわかりやすいよう
に変えたりなど、地道で時間がかかる作業は終わりがない。その中で、季節を感じさせる掲示や、お
すすめの本の紹介コーナー、図書だよりの発行など、子どもたちへの図書室からの発信をしていった
こと、開館時間が増えたことで、気軽に図書室に行けるようになり、利用者も増加している。
現在、図書室以外に離れた場所に、調べ学習室があり、蔵書の管理が難しいことと、鍵が閉まって
いるために、限られた時間にしか使用できないためせっかくの本の利用が少ないことを考えて、図書
室と調べ学習室を一つにする方向で計画を進めているところである。
2.開かれた図書室に向けての環境整備について
(1)展示の工夫
①本棚に奥行きがあり、本が見えにくかったり、
取りにくかったりするので、牛乳パックに色
画用紙を巻いて、その前に本を並べるように
した。委員会の児童と一緒に、図書室の本棚
全般を変えていっている。
文庫本は小さいので特に効果的で
す。手前にあるだけで、手にとって
みてみようかなと、本との距離が近
くなった気がします。
②日に焼けてしまって、題名が見えなくなって
しまった文庫本がたくさんあった。ラベルプリ
ンターで黄色いテープに黒字で貼っていった。
文庫本は、面白い本が揃っていたが、メンテナ
ンスが十分にできてなくて、なかなか読んでも
らえなかったが、これで、子どもたちが注意を
向けてくれるようになった。
10
神戸市立稗田小学校
おすすめの本を展示しています
(2)掲示の工夫
入口の掲示板におすすめの本コーナーを設けたり、
季節に合った掲示を委員会の児童と一緒に製作して
飾ったりして、子どもたちの本選びの手助けとなる環
境づくりに努めた。
また、図書室の入口には、司書がいるかどうか一目
で分かる掲示物を作ったり、校舎の各階に図書室の開
館カレンダーを掲示
したりした。
司書の先生のちょっとした工夫で、
生きた本になりました!
図書館の開館日を分かりやすく表示
見出しを工夫することで、本が見つけやすくなりました。少し
とびだしているので、一目で分かるのがとても好評です。
選書から、図書室の整備、子どもたちへの発信とやるこ
とは山積している。限られた時間の中での地道な努力が必
要だ。ボランティアのお母さん方との連携も考えながら取
り組んでいきたい。
3.調べ学習室としての図書室の利用にむけて
調べ学習室は、階も棟も違う場所に、主に総合的な学習の時間で使用する図書を中心に置いていた。
使用するには、教室の鍵を開けるところからのスタートであった。また、蔵書の管理も難しく、どちら
に置くべきか迷うものもあった。
今回、学校司書が配置され、調べ学習室を図書室と一体化することで、学校司書による児童への本選
びのアドバイス、図書室で調べることによる多様な情報の獲得、事前に学習活動の年間計画を知らせる
ことで期間限定の教室への貸し出しなど、調べ学習がより効果的に行えるのではないかと考えた。
図書室の奥の壁面に、調べ学習室にある書架と図書を配置し、4月から利用できるように準備を進め
ていく予定である。
11
神戸市立摩耶小学校
読書活動の充実を目指した読書環境の改善と授業支援の実践例
~子どもにより身近な図書館を目指して~
神戸市立摩耶小学校
学校長 長永 憲和
児童生徒数 399名
学級数 14学級
1.取組状況
学校司書が配置され、図書館の整備に取り組んだ。図書館がどんどん変わっていき、開館時間が増
えたことで、来館者数も増加している。また、授業でも、図書館の使用回数が増えている。授業で学
校図書館を活用しようとする傾向が見られ、次年度へつなげていけるように取り組みを続けている状
態である。
2.
「読書センター」としての図書館環境整備について
(1)図書館の整備
まずは、図書館の整備に取りかかった。書架の配置を
改善した後、蔵書の整理を行い、すっきりとした書架に
した。すっきりした空間にさまざまな掲示物を掲示する
ことで、明るく楽しい図書館になった。
入口からみた書架
① 書架の配置の改善
図書館の入り口からの動線を考え、書架の配置を斜
めに変えた。それによって、本に照明が当たるように
なり、図書館全体が明るくなった。人の流れがうまれ、
今まで目を向けられにくかった書架の本も借りられる
ようになった。
② 本の並べ替え
書架の整理をして傷んだ本を廃棄した。それに伴い
書架の上を空けたり、書架の途中を空けたりして、空
間を有効利用できるようになった。
入口横の掲示コーナー
③ 掲示物の作成
図書館に「おすすめの本」を掲示した。季節の掲示物を作ったり、観葉植物を設置したりするこ
とで明るい図書館となった。
(2)貸出の改善
子供が手に取りやすいように、休み時間に図書館を開館するように変更した。レファレンスサービ
スによって、本を借りる子供が増えた。さまざまな本に興味をもつようになると、予約できるように
してほしいという声があがり、実施することとなった。
① レファレンスサービス
本好きな子供たちが学校司書に教えてもらい、今まで手に取らなかった本を読み、幅を広げた。
その様子を見て、今まで手に取らなかった子供たちが読めそうな本のアドバイスをもらって、本を
借りるようになった。
② 貸出時間の拡大
今まで25分休みしか開館していなかったが、昼休みも開館するようになった。そのため、晴れ
12
神戸市立摩耶小学校
ている日も図書館を訪れる子供たちが増え、本を手にしたり、勉強をしたりしている。
③ 予約の開始
本を読むようになると、同シリーズの次の巻を読みたがり、予約をお願いするようになった。そ
の姿を見て、予約をお願いする子供が増え、次に借りる本を取り置いてもらう予約システムが定着
した。
(3)図書館の支援者との協力体制
①図書委員会のサポート
図書委員が、司書と共に図書館を改革するという気持ちで活動に取り組んでいる。書架整理や本
の修理、掲示物の作成、イベントの企画など、司書に教えてもらって活動している。休み時間に一
緒に活動してくれる先生がいるという安心感があるようだ。
②保護者ボランティアとの協力
毎週木曜日、授業時間中に掲示物の作成に来てくれている。今までは、保護者のみの活動で、不
安があったようだが、することが明確になり、より意欲的に参加していただいている。
3.
「学習センター」としての図書館の役割について
(1)本の準備
授業時間に必要な本があれば、各学年が司書に相談している。希望に応じて本を集めるが、より
多くの本が必要な場合、公立図書館からも本を借りている。
① 学校図書館での準備
司書に授業に関連する本、紹介したい本を相談する。図書館で準備してもらい、団体貸出カード
(学年・学級用)に記入する。子供も授業に関する本を借りてきて学級文庫に並べるようになった。
② 公立図書館からの貸出
今まで公立図書館から本を借りるのに手間がかかり、借りたくても借りられない場合が多かった。
司書に手続きをしてもらえるということで、このシステムを利用する教師が増えた。
(2)授業への支援
①5年生 国語「図書館改造計画」
学校図書館で人気の本を紹介するための授業の支援を行う。
「5年オススメ文庫」を作成した。
②3年生 国語「すがたをかえる大豆」
灘図書館より関連図書を貸出してもらい、授業で使用した。
3年生 国語「地球っ子プログラム」
韓国に関連する本の準備をして提供する。
③1年生 国語「むかしばなしがいっぱい」
昔話の読み聞かせをした。年越しにあたって行事の紹介をする。
1年生 国語「ずうっと、ずっと、大すきだよ」
外国の本か動物が登場する本選びの支援。
④2年生 国語「きみたちは図書館たんていだん」
学校図書館の配置説明をする。
2年生 国語「きみたちは図書館
たんていだん」授業の様子
13
神戸市立なぎさ小学校
良書に親しむ子供を育むための拠点づくり
神戸市立なぎさ小学校
学校長 山本 直子
児童生徒数 980名
学級数 32学級
1. 取組状況
・授業以外での来館者数の変化
9月・・・272人
12月・・・379人 139%アップ
・貸出冊数の変化
9月・・・1,482冊
12月・・・2,029冊 136%アップ
上の数字からも分かるように、学校司書が配置されてから、以前より多くの児童が図書室へ足
を運び、以前より多く読書をするようになった。
・取組の概要
(1)図書室整備
(2) 読み聞かせ
(3) 図書館だよりの発行
2. 内容
(1) 図書室整備
① 学校司書配置までの状況
児童数980名で、32学級あるため、5・6年生は時間割に図書室配当がない。また、
児童数の割に図書室にある配架スペースが狭く、さらに市民図書室も併設しているため図書
室に入る本の数が少ない。対応策としてコンテナに本を入れて学級に持ちこんでいる。しか
し、蔵書数自体も児童数に対する冊数を満たしていない状況である。
また、ボランティア活動も、週1回、低学年への読み聞かせがあるが、図書室整備のボラ
ンティアはいない。
② どのような本を置くかについて、学校図書館教育担当者と学校司書とが共通理解を図る
学校図書館運営で最も配慮すべきことは「選書」であると考える。子供たちに生きる力を
育むためと、学習に寄与する本を置かねばならない。子供にとってどのような本が良書で、
どのような本が良書でないか、選書を預かる担当者はしっかりとした考えをもってあたらな
ければ、
「ただ面白い」だけの本が増えてしまう恐れがある。学校司書配置とともに、まず、
「良書」についての共通理解を図った。話し合った結果、「子供の生きる力となりうる本が
良書である」ということに至った。
③ 図書の除籍
長年にわたって傷んだ本や良書でない本の除籍は蔵書を増やすよりも大切であると考える。
図書館担当者と学校司書と協力して除籍する本を選び除籍した。
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神戸市立なぎさ小学校
④ 選書
「子供の生きる力となりうる本が良書である」という理念のもと、図書館担当者と学校司
書で協力して選書を行った。
⑤ 図書室掲示
・季節の掲示や新しく入った本の紹介、テーマ
による掲示など時期に合った掲示を行った。
・震災20年に際し、市立図書館より資料の貸
出を受け、展示・閲覧をした。児童の貸出だけ
でなく、先生方も報道写真のコピーを取るなど
活用した。
(右写真)
・
・文字の書かれた迷路をたどるとお話ができ
あがる「おはなしめいろ」を作成した。児
童に大変人気がある。(左写真)
(2) 読み聞かせ
図書室に来た学級への読み聞かせと、高学年の教室へ出向いての読み聞かせを行っている。
読み聞かせに慣れ、最近は図書係がクラスで読み聞かせをする学級もある。
(3) 図書館だよりの発行
児童向けに「図書室だより」を、職員向けに「学校司書だより」を発行している。
(4) 今後の課題
ボランティアを募り、組織を作る。
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神戸市立中央小学校
読書生活の充実に向けた、読書環境の改善への実践例
~地域ボランティアとの連携を通して~
神戸市立中央小学校
学校長 里 昭憲
児童生徒数 566名
学級数 21学級
1.取組状況
学校司書が配置され、まずは学校図書館の環境整備に取り組んでいる。地域ボランティアとの連携
を図りながら、掲示物作りや清掃、季節の本コーナーの設置など、読書生活の充実に向けた取組を進
めている。開館時間が増えたことで、来館者数は確実に増えてきている。国語の授業で使う並行読書
の準備や、教科書に掲載されている本の読み聞かせなど、授業支援にも取り組み始めている。今後、
さらに使いやすい図書館を目指して、地域ボランティアと一緒に、児童にわかりやすい配架のための
分類ラベル貼りを進めていく予定である。
2.学校図書館の環境整備について
(1)季節の掲示物づくり
毎月、季節の掲示物づくりに取り組んでいる。図書館が明るくなり、来館する児童が確実に増え
ている。地域ボランティアの方と一緒に作成している。折り紙や画用紙などを使った、目を引く掲
示物となっている。
児童からも、
「かわいい。」
「お正月だね。」などと声が挙がるほど、季節感のあるもので、本を選
ぶ際、季節の本を手にとる児童も少なくない。
① 12月の掲示物
②1月の掲示物
(2)
「季節の本コーナー」の設置
掲示物と合わせて、
「季節の本コーナー」を設置している。掲示物の効果もあり、興味をもって手
にとる児童が多い。ただ本を並べるだけでなく、行事の意味をお知らせしたり、展示物を合わせて
置いたりするなどの工夫が見られ、季節感を感じることのできるコーナーとなっている。
① 12月「クリスマス」コーナー
②1月「お正月」コーナー
本に合わせて、おせち料
理の模型を作成。おせち
料理の意味も添えて展示
している。
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神戸市立中央小学校
(3)
「新刊本コーナー」設置
全校生が通る通路の掲示板に新刊本を提示し、本の紹介を行った。
図書館には、新刊本コーナーを設置し、本を手に取ってもらえるよ
うに、ポップを作成した。新しい本はしばらく貸し出しをせず、館
内閲覧のみにしたため、休み時間に来校する児童が増えた。
本を読んでもらうため
のポップを作成した。
3.授業の支援について
(1)国語の授業で使うテーマ本集め
国語の授業で使う並行読書の準備を行った。市立図書館で借りてきた本を学年に資料提供した。
資料集めをする時間が取りにくい担任たちから、たいへん好評である。
① 1年生「じどう車くらべ」
・・・自動車の本
② 2年生「スーホの白い馬」
・・・外国の昔話の本
③ 3年生「すがたをかえる大豆」
・・・関連本
④ 4年生「アップとルーズで伝える」
・・・職業について書かれた本
⑤ 5年生「グラフや表を引用して書こう」
・・・年鑑等
(2)読み聞かせ
図書の時間には、おすすめの本の読み聞かせを行っている。新刊本
を紹介したり、季節の本を読み聞かせしたりしている。児童たちは、
毎週読み聞かせの時間を楽しみにしている。児童が本を手に取るき
っかけとなっている。
(3)図書館の使い方についての指導
2年生の国語「図書館のひみつをさぐろう」で、児童たちが図書館地図を作成する際に、本の分
類の方法や図書の扱い方について、話をした。図書館を知ってもらうためにも、大切な単元である
ため、これからも、授業支援をしていく必要がある。
4.地域ボランティアとの協働
毎月1回、地域ボランティアの方と一緒に図書館の清掃を行って
いる。その後、季節の掲示物作りや本の配架などを行っている。学
期に1回、
「おはなしシャワー」という本の読み聞かせもしていた
だいている。
本校の図書館は、配架の分類ラベルが雑多になっている。今後は
読み物を著者名、絵本を書名で並べられるように、ラベル貼りを行
い、よりよい図書館を目指して整備を進めていく予定である。
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神戸市立兵庫大開小学校
本が大好きな子を目指して
神戸市立兵庫大開小学校
学校長 井上 顕
児童生徒数 737名
学級数 28学級
1.取組状況
学校司書が配置され、子供たちが過ごしやすく、利用しやすい学校図書館の環境づくりを進めてい
る。図書ボランティアと司書が協力して様々なコーナーの設置や傷んだ本の修理などをすることで明
るい雰囲気が作られている。業間休みや試験的に放課後も開館するようになり、子供たちの図書館の
利用時間や、本の貸出冊数も徐々に増えている。学校司書と図書担当とで各教科や総合的な学習の時
間においてより活発に学校図書館を活用できるように、蔵書を把握したり見直したりしているところ
である。
2.学校図書館の明るい雰囲気づくりと環境整備について
(1)本を探しやすい工夫
これまでも絵本や物語は、書名のあいうえお順に図書を配架していた。
子供たちがより本を探しやすくするために大きな「見出し」を作成した。
それにより、本を探しやすくなっただけでなく、以前と比べて本を戻す
場所が分かりやすくなり、
子供たち自
身が整理しやすくなった。
また、
学校司書が詩の本ばかりを集めて
「詩のコーナー」
を作ったり、
「宮沢賢治のコーナー」など作者ごとに本を
かためて置いたり、図書の配架を工夫した。新たに作成し
たコーナーは以下の通りである。
①
ジャンル別 (防災コーナー 詩のコーナーなど)
② 作者別 (宮沢賢治コーナー 椋鳩十コーナーなど)
③ 物語のシリーズ別 (かいけつゾロリなど )
(2)季節の本 おすすめコーナー
学校行事や季節に合わせて、図書館のカウンターの一番目立つ
ところに「季節の本
おすすめコーナー」を作った。運動会や音
楽会、クリスマスやお正月の図書を紹介することで、子供たちが
季節を感じたり、興味をもったりすることができた。
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神戸市立兵庫大開小学校
(3)図書ボランティアと連携した季節の掲示物
本校には、約20人の図書ボランティアがいる。学校司書と図書ボランティアが協力して、傷んだ
本の修理をしたり、図書室入口の掲示物を作成したりしている。
3.各教科と総合的な学習の時間につなげる活動
(1)読み聞かせやブックトーク
各クラスが図書室を利用する時間の始めの15分ほどを使っ
て、学校司書による絵本の読み聞かせやブックトークを多く取
り入れた。子供たちが読み聞かせてもらった絵本を自分で読ん
だり、借りたりする姿がよく見られた。ブックトークで図書を
紹介することで、普段は手に取らないジャンルの本にも興味を
もつことができた子供もいた。また、単元の学習の導入として
ブックトークを行うことで、子供たちが学習の見通しをもち、
主体的な学習につながっている。取り組んだブックトークのテーマは以下の通りである。
①椋鳩十の本 (5年 国語)
②百人一首について(3年・4年・6年総合的な学習の時間)
③昔のくらし(3年 社会)
④阪神・淡路大震災(4年
総合的な学習の時間)
など
(2)テーマ本集め
国語の並行読書や総合的な学習の時間の調べ学習に活用できるように学校司書がテーマ本を集めた。
本校は児童数が多いので学校図書だけでは冊数が足りず、兵庫図書館からも団体貸し出しを利用した。
学校司書が連絡調整を行うことで、どの学年も昨年度に比べ利用が増え、子供たちの学習にいかすこ
とができた。
司書が取り組んだテーマ本集めは以下の通りである。
①昔話 (1年 国語「昔話がいっぱい」)
②アーノルド・ローベルの本(2年 国語「お手紙」)
③昆虫の本(3年 理科 「いろいろなこん虫のかんさつ」
)
④キツネが出てくる本(4年 国語「ごんぎつね」
)
⑤宮沢賢治の本(6年 国語「やまなし」)
など
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神戸市立桂木小学校
豊かな読書生活をするための図書館改造実践例
~ほっと落ち着く場所に・行きたくなる場所になるために~
神戸市立桂木小学校
学校長 小坂 明
児童生徒数 616名
学級数 21学級
1.取組状況
学校司書が配置され、まずは学校図書館の環境整備に取り組んだ。開館時間が増えたことで、図書館
に行く児童が増え、貸出冊数も目に見えて増加している。配架の工夫をしたことで、読みたい本がすぐ
に見つけられるようになったり、興味を示さなかった本を手に取るようになったり、読書の幅が広がり
つつある。図書館が不便な場所にあるので、図書館に行きたくなるような工夫を模索中である。また、
授業の関連本を集めてもらうことで、深く学習できるようになった。まだ活用していない学年もあるの
で、学校図書館を活用した授業が今後活発に展開できるよう、司書教諭と学校司書とで密に連絡を取り
合っていこうとしているところである。
2.「読書センター」としての図書館環境整備に
ついて
(1)常に変化のある掲示を目指して
①児童が必ず通る廊下の掲示板の活用
本の紹介をした模造紙を貼ることにした。
ずっと同じ掲示ではなく、すぐに変わるの
で、足を止めて見る子供が増えてきた。
②ショーケースの活用
新刊本の紹介に利用するだけでなく、ク
イズを盛り込むようにした。そして、その答えがわか
る本を図書館の入口に置き、興味から本に親しめるよ
うにした。これは、教師も興味を示し、大盛況だった。
③空間の活用
図書館のちょっとしたスペースを利用して、
季節にあった本を紹介し、ブックトークも行っ
たので、そのコーナーから本を借りる子供が増
え、紹介の本もどんどん入れ替わっていった。
④コーナーの設置
話題になっている本や興味
を持ちそうな本を集め紹介し
たり、一部の本にしか興味を持
20
神戸市立桂木小学校
たなかった子供に次のステップになる本を紹介したりしている。
⑤ポップの利用
注目して欲しい本棚、見つけて欲しい本棚にポップをつけ、
目につくようにしているので、ポップを見ていくだけでも、読
みたい本に出会えそうである。
(2)読みたい本がすぐに見つけられるように
本の整理、修理をすぐに行い、いつも整頓された
図書館になっている。そして、ハード面だけでなく
人が常にいることで、子供たちはすぐに聞くことが
でき、満足できるのである。学校司書がいることの
重要さを実感している。
(3)図書館にとらわれない場所の利用
本校の図書館は、どの教室からも離れていて、10分休みに行
くのは難しい。そこで、教室の前の廊下を利用して本を置き、
少しでも本に親しむ機会を増やすようにした。本は、北図書館から借りたものも入れ、いつまでも同
じ本にならないようにしている。
(写真は、北図書館で借りた本を抜いた時のもので、実際はもっとたくさん入っている。)
21
神戸市立桂木小学校
3.「学習センター」としての図書館環境整備について
(1)単元を貫く学習活動になるために
①現在学習している単元に興味を持つために、図書館に単元に関係のあるコーナーを作り、目に触
れるようにした。
②並行読書を取り入れ、深く学習できるために、学年の前の廊下に本棚を設置し、関連本を揃えた。
その時、学校にある本だけでは足りないので、北図書館に行き、団体貸出で本を借りてきた。子
供たちは、読書タイムや給食を待っている間も熱心に読んでいた。また、置くだけでなくブック
トークをしたり、読み聞かせをしたりした方がより関心を持つようになるのは当然である。身近
に本を置くことの大切さを、わかっていながらなかなかできなかったのだが、実際にやってみて、
本当によくわかった。
③学習に関係する司書の活動
・1年国語「みいつけた」「じどう車くらべ」
生活「どんぐり、葉っぱの工作」関係の本集めと読み聞かせ
・2年国語「お手紙」関係の本集めと読み聞かせ
・3年国語「ちいちゃんのかげおくり」「すがたをかえる大豆」「三年とうげ」
社会「むかしのくらし」関係の本集めと読み聞かせ
・4年理科「ヒトの体のつくりと運動」関係の本集めと読み聞かせ
・6年国語「やまなし」、社会戦争の本集め、歴史の本コーナー作り
3ヶ月の間だけで、これだけの活動ができた。司書がいないとできないことである。司書教諭も
どれだけのことができるかわからず、図書日誌を交換日記のようにして、手探りでやってきたが、
少しずつ軌道に乗りつつある。
(2)図書の購入の配慮
今年度は司書配置が途中からだったので、本の購入が思うようにできなかったが、来年度からは
全学年を見通して、必要な本や少ない傾向の本を購入していける。学習センターとしての機能をも
っと発揮していけるだろう。それができるのも学校司書がいるからこそである。
4.学校司書とボランティアグループ「本のおくりもの」の協働
(1)本の読み聞かせ
本校では、毎月1回、1年生から4年生までボランティアグルー
プのお母さん方に図書の時間に本の読み聞かせをしていただいてい
る。読んだ本は、保護者会便りで紹介されている。学校司書は、「本
のおくりもの」のお母さんの読み聞かせがある時は、図書館の整備
をし、そうでない時は、学校司書が本の読み聞かせをするようにし
ている。子供たちは、読み聞かせを聞く回数が増え喜んでいる。
また、「本のおくりもの」のお母さん方は、毎年12月に影絵の
公演をしている。これまでは、図書館とは全く別のものとして活動
してきたが、今年度は、使った人形の掲示をしたり、本の紹介をし
たり連携するようになり、1日だけの公演だったのが図書館へとつながるようになった。
22
神戸市立桂木小学校
(2)図書の購入
これまでは、司書教諭と「本のおくりもの」
で読み聞かせに必要な図書を相談して購入してい
たが、今は主に学校司書と「本のおくりもの」の
お母さんたちが相談して、読み聞かせに必要な本
を選んでいる。司書教諭は、両方の橋渡しをす
る役目をしている。
「本のおくりもの」による影絵
5.その他の学校司書がしている活動
による
(1)お話玉手箱の本集めと紹介・参加
学期に1回朝の読書タイムに、低・中・高学年のグループで、専科の先生も含めて10人くらいが
子供たちに読み聞かせをすることになっている。2学期は、図書館部の先生でテーマを決め、その
本を集めることと、本の紹介のプリント作りを学校司書がした。
(2)図書館だよりの発行
冬休み前に「図書館だより」を発行した。これまでは司書教諭が発行してきたが、これからは学
校司書が発行することにした。その方が、図書館の本の紹介とタイアップして発行でき、より効果
的になると考えられる。
(3)各クラスへの訪問
早く本校の子供を覚えてもらうために、いろいろなクラスに行って給食を食べてもらっている。
そこでリクエストがあれば、本の読み聞かせもしている。子供たちに図書館の先生として浸透して
いくのに役立っている。
6.成果と課題
(1)成果
最初にも述べたが、常に図書館の本が整頓されていて、居心地のいい空間になっている。本校は
4月から学校図書館アドバイザーの先生が来てくださったので、環境整備の下地ができていた上に、
10月以降も来校して、図書館整備を手伝ってくださったので、みるみる良くなっていった。学校
司書配置のすばらしさを実感している。
また、学習に必要な本を揃えてもらえるのが本当にありがたい。これまでは、担任が公共図書館
に行って借りていたので、間に合わないこともあったが、安心して授業ができる。
(2)課題
一番困っていることは、打ち合わせの時間がないことだ。頼みの綱は、図書日誌である。そこで
お互い連絡し合っている。なんとかならないものかと思う。
今年度は、途中からということもあり計画性がなかったので、来年度に向けて新しい教科書に即
した年間計画を立て、いつ頃に、どの学年が、どんな本を必要とするのかを把握しておきたい。
学習に関する本が古くなっていて廃棄したいが、一度にはできないので、相談しながら図鑑など
を揃えていきたいと考えている。
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神戸市立小部東小学校
進んで本に親しむ子供を育てるための読書環境改善の実践例
~生涯にわたって学んでいく力をつけるために~
神戸市立小部東小学校
学校長 髙濱 和子
児童生徒数 481名
学級数 19学級
1.取組状況
これまで、午前中の業間休みしか開いていなかった図書室が、学校司書が配置されたことにより、
「い
つでも開いている・先生がいる図書室」となった。これにより、以前に比べて来室する児童が増えて
きた。また、担任と連携することにより、授業で多くの本を活用できるようになってきている。今後、
より一層学校図書館を活用した取り組みを進めていくことができるよう、学校司書と図書館担当が中
心となって、活動の計画を立てていきたい。そして、学校司書を含め本校職員全員で意見を出し合い、
子供たちが進んで本に親しむことができるよう読書活動の推進に取り組んでいきたい。
2.図書館の環境整備について
(1)配架の工夫
これまで分類番号ごとに配架するだけであったが、より使いやすい図書室になるよう、配架を工
夫した。これにより児童が読みたい本をすぐに見つけることができるようになってきている。また、
教師も授業に必要な本を的確に探し出すことができるようになり、以前に比べると、多くの本を授
業で活用できるようになった。配架の際に、工夫した点は、主に以下の通りである。
①絵本→題名の五十音順、読み物→低学年は題名の五十音順、高学年は作者の五十音順。
②人気のあるシリーズものや、授業で使用する関連図書は、まとめて置く。
③五十音や、シリーズの名称は、ラベルプリンター等で棚に表示する。
(2)
「本の紹介コーナー」の設置
図書室近くにある飾り棚に、季節や行事にあった掲示物や本の紹介を行っている。飾り棚は、図
書室に入るときだけでなく、普段行き来する廊下にあるため、多くの児童が足を止め、それらに見
入っている。自分からは、なかなか手に取ることがないであろうという本も、このようにレイアウ
トすることにより、多くの児童が興味をもっている。多くの本を紹介するだけでなく、掲示物やか
わいい置物などにより、図書室入口付近が、ぱっと明るくなり、より入りやすい雰囲気になってい
る。
「実りの秋!ことばも豊かに実らそう」
秋のおはよう読書期間に合わせて。これまでうまく機能
「クリスマス」
本や詩の紹介、飾りなどを掲示
していなかった棚を学校司書が有効活用。
24
神戸市立小部東小学校
(3)ディスプレイの工夫
図書室のいたるところに、季節や行事に合った本や学習している授業と関わりのある本をディス
プレイしている。本の中身が分かるよう開いた状態で展示したり、関連のある本を数冊並べ、題字
をつけたりと、工夫を凝らしている。本を展示する際には、書架の上や棚の空いたスペースを活用
できるよう、小さなイーゼルを使用。これは、学校司書の要望により、管理員が廃材を使って制作
したもので、本の大きさや置く場所を問わず手軽に使用でき、大変重宝している。このように、管
理員をはじめ、事務職員など図書館担当以外とも連携
をしながら、読書環境の改善を図っていくことができ
ている。
3.読書の推進について
(1)学校司書による図書の授業でのブックトーク
各クラスが来室する図書の時間の始めに、学校司書によるブックトークを行っている。学年に合
わせ、季節や学習中の題材等も考慮しながら、毎週行っている。本が好きな児童はもちろん、そう
でない児童も、ブックトークを聞くことにより積極的に本を手に取っている。どれにしようかな、
と嬉しそうな表情で学校司書が薦める本を眺めている。図書室が本を借りたり、自分で読んだりす
るだけの場でなく、楽しい本と出会える場になっており、児童は毎回、図書の時間を楽しみにして
いる。また、
「おはよう読書」の期間には、スペシャル企画として、全
校生に向けてテレビ放送によるブックトークも行った。このブックト
ークでは、図書室を利用する機会が少ない高学年の興味をひく本を紹
介した。紹介した本は、図書室にも準備し、興味をもった子がすぐに
借りることができるようにした。
(2)児童による本の紹介イベント「おすすめブックフェスティバル」
図書委員会が中心となり、全校生が本の紹介をしあう
イベントに取り組んだ。これは、
「おすすめの本カード」
を配布し、それぞれが本の題名や感想を書き、図書室の
回収ボックスに入れるというものである。集めたカード
は、図書室に掲示し、子供たちがお互いに見合い、興味
をもった本を手に取ることができるようにしている。こ
の活動において、図書委員会担当教員だけでなく、学校
司書が児童の指導にもあたることにより、スムーズにイ
ベントを進めることができた。イベントに関わる掲示物
の準備等も学校司書が担当し、活動をより盛り上げるこ
図書委員会が作成した葉っぱやしおりの形
のカード。低・中・高学年用に分けて掲示。
とがきた。学校司書のおかげで、参加児童にとっても、
図書委員会児童にとっても有意義なイベントとなった。
ほかにも図書委員会の読み聞かせ指導や、常時活動のサポートなどを行い、委員会児童や来室児童
に対し、きめ細やかな指導をすることができた。
25
神戸市立小部東小学校
(3)学校司書によるイベント「おぶひがしっ子
福袋」
1月初め、学校司書イベントとして「おぶひがしっ子福袋」を行った。これは、封筒の中に学校
司書が選んだ本1冊を入れておき、児童は福袋のように封筒ごと借りる、というものである。
「どん
な本が入っているかは、開けてみてからのお楽しみ」というところに子供たちは興味を示し、多く
の子が図書室にやってきた。初めての取り組みであったが、子供たちがわくわくした気持ちで本と
出会うことができるよい機会となり、大成功であったと感じる。
<「おぶひがしっ子福袋」のルールや準備など>
・本は、低学年用20袋(20冊)
・中学年用20袋(20冊)
・高学年用10袋(10冊)を用意。
・実施日時は2日間。30分休みと昼休み。
・宣伝や掲示物づくりなどは、図書委員会も行った。
・封筒には、本とともにおみくじ(
「ラッキーブック」も掲載)を入れた。
・数に限りがあるため、くじ引き(おみくじ)を行い当たった児童は福袋を手にすることができる。
・貸し出しカードは使わず、別の表に貸し出し者を記録。返却も、図書の授業ではなく、30分休
みか昼休みに限定。
テレビ放送・児童が書いた掛
け軸で宣伝。
順番におみくじを引き、当たった人は、借りることができ
る。はずれくじにも「大吉」などが書かれており、子供た
ちは、楽しんで参加していた。
(3)
「図書室だより」の発行
毎月の図書室だよりを学校司書が中心となって作成している。学校司書が配置されるまでは、図
書館担当教諭が作成しており、おはよう読書のお知らせや、
簡単な本の紹介が中心であった。
学校司書が担当してから
は、図書室に行かないと答えがわからないようなクイズが
出たり、
紹介された本をすぐに借りることができたりして
いる。
「図書室だより」と「図書室」がリンクすることに
より、児童の本への興味が増しているように感じる。
26
神戸市立小部東小学校
4.学校図書館を活用した授業について
(1)授業に必要な本の準備
各学年で授業に関わる本が必要な場合、学校司書にあらかじめ伝えておくと、すぐに図書室から
必要な本を探し出し、教室で使用できるように準備ができている。これまでに比べ担任の手間が省
け、気軽に、多くの本を活用できるようになった。図書を活用したのは、国語の並行読書・書く活
動の参考資料をはじめ、総合的な学習の時間の調べ学習や、生活科の図鑑など、多岐にわたる。使
用した後は、学校司書が元の場所に戻し、どの学年も使用できるようになっている。必要に応じて、
公立図書館によるテーマ本貸し出しの仲介もする予定。
(2)学校司書との連携授業
第2学年国語「きみたちは図書館たんていだん」では、指導計画の段階から学年担任と学校司書
が話し合い、連携授業を行った。学校司書は主に、子供たちが本を探すための指令「おねがいカー
ド」の内容を考えた。おねがいカードには、どの分類番号の本も入るようにし、見つけた本は子供
たちの興味が湧くようなものになるよう配慮した。子供たちは集中して取り組み、本の配置につい
ての理解を深めることができたようである。また図書室の使い方にも良い変化が見られる。
<「おねがいカード」の例>
・絵本昔話『三びきのこぶた』は、どこにあるでしょう。
・カブトムシのかい方を説明した本
・低学年読み物『なきむしおにごっこ』は、どこにあるでしょう。
・
「さるも木からおちる」ということわざの意味がのっている本
・お料理のレシピがのっている本
・
「盲導犬」のことがわかる本
など
5.学校司書とボランティア・PTA との関わり
(1)読み聞かせボランティアとの連携
本校では、読み聞かせや「お話の会」などを行う読み聞かせボランティア「ブックママ」が活躍
している。子供たちはブックママの読み聞かせを楽しみにしており、どのクラスもお話の世界に浸
っている。ブックママの活動は、本校の読書活動を進める上で、欠かすことのできないものである。
これらの活動をより効果的なものにするため、学校司書がブックママの読んだ本を図書室でも展示
したり、活動の様子を「図書室だより」で発信したりしている。また、2月にはブックママと学校
司書、そして担任がそれぞれ読み聞かせをし、子供たちは自分の興味のある本のところへ聞きに行
くことができるイベント「お話プレゼントの会」がある。今後も、ボランティアと学校司書が力を
合わせながら読書活動を進めていきたい。
(2)PTA による「本の修繕活動」
学期に一度、PTA の方数名が、本の修繕活動を行っている。学校司書は修繕する必要のある本を
選んだり、道具を準備したりした。学校司書のおかげで効率よく活動を進めることができるだけで
なく、保護者の方に学校図書館のことを知ってもらえるよい機会となった。
27
神戸市立大池小学校
読書に親しみ、授業に生かせる図書館づくりの実践例
~読みたい、調べたい本が見つけられる図書館を目指して~
神戸市立大池小学校
学校長 上村 政明
児童生徒数272名
学級数 12学級
1.取組状況
本校は、平成25年度から、兵庫県の読書推進校の指定を受け、図書室から学校図書館への読書環
境の改善を図ってきている。平成26年10月からは、学校司書が配置され、読書環境の維持やさら
なる整備に取り組んでいる。
休み時間の開館時間を増やしたことや11月に読書月間を実施したことで、来館者や貸出冊数も増
加の傾向にある。本への親しみが湧くように、読み聞かせの機会も積極的に取り入れている。
また、授業に生かせる図書館として機能できるように、学校図書館担当教諭と学校司書で学校図書
館の活用に向けて取り組み始めたところである。
2.図書館環境整備について
(1)
「図書館情報コーナー」の活用
図書館前通路の掲示板は、月毎の季節感を味わえるものとなるよう工夫した。また、
「図書館
情報コーナー」も作り、本を活用した授業の紹介や図書館イベントへの呼びかけを行った。
(2)
「おすすめの本の紹介コーナー」の活用
季節や授業のテーマに合った本の紹介をしている。テーマの
表示も月毎に工夫した。
(3)
「新しい本の展示コーナー」の活用
新しく入った本は、児童の興味の的である。入口の正面の目を引く位置に新刊コーナーを設
置した。
(4)分類表示やラベルの整備
本を探したり、片付けたりしやすくするために、分類表示や損傷の激しいラベルの付け替え
を行った。シリーズ物は、ラベルの種類を変え、すぐ分かるように工夫した。
(5)本の損傷防止や修理、及び廃棄処理
本の保護カバー付けや修理に時間を費やしている。損傷の激しかった本が次々と蘇っている。
28
神戸市立大池小学校
限られたスペースを気持ちよく使うためには、廃棄処理も重要である。書架に詰め込まれた
本を取り出しやすく、整頓もしやすくした。
3.休み時間の開館について
学校司書の配置前は、2・3校時の業間の20分だけであったが、昼休みの開館も行い、休み時間
の開館時間を倍にした。それに伴い、来館者や貸出冊数が増加した。
4.本に親しむ児童の育成について
(1)読書月間の運営
①読書貯金カードのチェック
「読書名人」の目標達成時には、一人一人、印を
押し、賞賛や励ましの声かけをした。
②「読書名人しおり」のプレゼント
図書委員会のメンバーにしおりづくりを呼びかけ、
しおりに書くコメントやデザインを工夫した。
(2)読み聞かせ活動
読書としての図書の時間は、貸出タイム→しいんとタイム→お楽し
みタイム→片付タイムという流れで行っている。その中のお楽しみタ
イムで、読み聞かせを行った。また、読み聞かせ週間では、朝の読書
タイムに高学年への読み聞かせを実施した。
市立図書館や他校の学校司書からの情報を生かし、児童の興味を引くことができるように
本選びに配慮した。
(3)児童の希望にも耳を傾けた購入本の選書活動
図書委員会のメンバーと購入する本の選書を行った。その
際メンバーに、本校の児童がどんな本を好んでいるかをアド
バイスした。また、普段の全校児童との関わりで掴んだ児童が
求めている本をリストアップした。
5.授業に生かせる図書館づくりについて
(1)
「国語の授業○○・作者○○本の展示コーナー」の設置
担任からの要望に合わせて授業で活用しやすいように、関連本
を集めたコーナーを作った。
(2)○○の本は、どこにありますか?の声に
授業や読書の時間、児童が読みたい・調べたい本を自分で探せ
る力を育むために、探し方を教えたり、一緒に探したりした。
29
神戸市立長田小学校
読書による豊かな心の育成と、調べ学習のための図書館環境整備改善の実践例
~使える図書館への改造計画~
神戸市立長田小学校
学校長 山崎 加由利
児童生徒数 284名
学級数 14学級
1.取組状況
前任の学校図書館アドバイザーからの引継ぎ事項、4月に立てられた計画案(別紙①)に沿って活
動している。図書館の環境整備を最優先に取り組み、魅力ある図書を提供できるような選書、担任教
諭からのリクエストで授業支援のための図書提供を行っている。
2.
「読書センター」としての図書館環境整備について
(1)除籍・選書
古くて傷んだ本が多かったので、除架→除籍を行い本棚がかなりすっきりとしてきた。除架をした
ロングセラー本の買い直し、子供たちからのリクエストも参考にし、司書教諭と相談しながら様々な
ジャンルからの選書、新刊図書も積極的に選書していく。現在使用している国語の教科書に掲載され
ている紹介図書を中心に選書した。
(2)
「受付けカウンター」の移動
絨毯敷きの読み聞かせコーナーの真ん中に受付カ
ウンターが置いてあったので、図書館入り口付近に
移動させ、読み聞かせコーナーのスペースを広げた。
カウンター内の後ろに修理本、除架本の一時保管、
作業スペースの確保をすることにより、傷んだ本を
大量に除架することができ、本棚に新しい本を配架
するスペースができた。
(3)配架の工夫
9類・E(絵本)を題名で「あ」
「い」
「う」・・・50音順に再配架し、本棚へサイン(書架表示)
をした。絵本は低学年が利用するため、高いところの書架は手に取りにくいので本棚上部を空け、下
3段に再配架した。今後は購入する図書を考えると4段でゆったりと配架する予定である。
2類と3類、7類と8類の配架が交ざっていたので項目ごとに再配架した。探したい本が見つけや
すくなり、子供たちに所在の説明をしやすくなった。
30
神戸市立長田小学校
(4)サイン(書架表示)などの工夫
書架配置図(別紙②)を作成し館内の壁面へ掲示したが、項目ごとに再配架してもきちんと戻せて
いないのが現状である。語句が難しいので低学年用をもう少しわかりやすい表現でも作成したほうが
よいと思われる。項目ごとのサインを作成して配架をし直していく。
項目によっては蔵書が極端に少ないなど蔵書の傾向を知る。
(5)図書展示、紹介
「おすすめ本」コーナーを図書館の中央あたりに設け、
季節の本を展示し季節感を出した。目新しいのと読み聞
かせの効果があり、借りていく児童が多かった。
(6)読み聞かせ
週1時間の図書館利用の配当をほとんどのクラスが使用しており、担任から読み聞かせの時間を作
っていただいた時は国語教科書からの発展で選んだ本や季節の本を司書が選び読み聞かせている。
毎回、読み聞かせが終わった時には、子供たちが本の世界に入り込んでいるのを強く感じる。
2.
「学習・情報センター」としての図書館環境整備について
(1)授業の支援として発展学習のための図書を提供
担任の先生方へ各教科の調べ学習、国語の並行読書、総合的な学習の時間等に必要な図書が用意で
きることを新任のあいさつ時に伝えた。また12月発行の「図書司書通信」に記載し、専用の依頼書
をコピー添付(別紙③)して先生方へ配布した。
早速詳しく記入して依頼をしてくださり学校図書館内で用意した図書を提供できた。口頭での依頼
もあり、その時は司書が記入して来年度に役立つようデータを蓄積していく。
今後、学校内で用意できないものは公共図書館からの借り入れをして迅速に対応していく。
(2)調べ学習について
調べ学習のための図書が少なく、急なレファレンスに応じることができていない。特に8類の言葉
に関する辞典、日本の四季に関する図書などを充実させる。
知りたいこと、調べたいことがあれば学校図書館へ!という道筋がつくように資料を揃えていく。
31
神戸市立長田小学校
別紙①
32
神戸市立長田小学校
別紙②
別紙③
33
神戸市立駒ケ林小学校
本を読みたくなる、温かい学校図書館づくりの実践例
~遊び場から活用する図書館への改造計画~
神戸市立駒ケ林小学校
学校長 藤田 昌央
児童生徒数 398名
学級数 14学級
1.取組状況
司書教諭の前任校の岡山での取組をもとに、学校司書と協力して誰もが本を読みたくなる、温かい
学校図書館を目指して、環境整備と、司書と子供との人間関係作りに取り組んだ。本校の図書館は、
オープンスペースで壁のしきりがなく、今まで子供たちの休み時間の遊び場となっていた。その学校
図書館に司書が配置され、様々な取組を行ったことで、本を読んでみたい、司書と話がしたい、手伝
いがしたいという理由で、図書館に足を運ぶ子供たちが増えた。今は職員の中でも共通理解を図り、
図書館の本を活用した授業ができるように進めているところである。
2.使いやすい、興味のわく学校図書館の環境整備
(1)配架の工夫・展示の工夫・コーナー作り
学校図書館に置いている本の場所が分かりにくく、使いにくかったので、配架の仕方を工夫し、
新しくコーナーを作ることで子供たちが本に興味をもちやすくしたり、授業で調べやすいようにし
たりした。借りる本を選ぶのに迷う子供たちも、ポップがあることで、選びやすくなった。
① 調べ学習コーナー
「福祉」
「平和」
「地震」についての本、百科事典/図鑑等を図書館に併設した部屋に置くことで、
授業で調べやすくした。
② 「あたらしいほん」コーナー
新刊本を取り上げることで「借りてみたい」意欲を喚起した。手にとる子供が増えた。
③「にんきのほん」コーナー
「のりもの」
「恐竜」などの人気本を低学年に紹介しやすくした。今までは返す時に他の本と混
ざることが多かったが、元の場所に戻るようになった。
④「ちいさいほん」コーナー
本がまぎれにくくなり、棚が整い、探しやすくなった。
34
神戸市立駒ケ林小学校
⑤
各季節に合った展示物とおすすめ本の紹介
実物と本を一緒に置くことで子供たちに興味をもたせ、本で調べてみたいという意欲をもつこ
とができるようにした。毎週月曜日に朝会で校長先生が紹介したりクイズにしたりして周知する
ことで、より子供たちが集まるようになった。
・ちいさいあきみつけた
・おいしいあきのほん
・もりのほん
・あきはアートだ!(ふだんあまりみられることのない絵画・音楽本紹介)
・こころで読む「字のない絵本」 ・クリスマスに読みたい本 など
(2)協力
① 委員会との協力展示
健康委員会の子供たちの壁新聞にあわせて、「もっと知りたい体の本」コーナーを作り、学校
保健委員会の内容を本と結び付けて紹介した。
② ボランティアさんとの協力展示
図書館にクリスマスの掲示と本を展示し、サンタさんへの
お手紙コーナーを作った。主に低学年が中心だったが、6年生
なども休み時間にやってきてカードにサンタさんへの手紙をか
いた。
(約 80 通のカードが完成)
③ 読み聞かせボランティアさんの本の相談
毎月読み聞かせに来てくださっている保護者の方におすすめの
本を紹介した。その時に学習している内容の本や季節に合った本
を紹介できた。
(3)その他
① 雨の日のイベント
雨の日は廊下・図書館内を走り回る子供たちが多いため、業間休みの20分間に絵本ビデオの
上映会を行うようにした。お知らせの放送を行った日は約40名集まった。雨の日の図書館イベ
ントとして定着し集まるようになれば、紙芝居や読み聞かせに移行していきたい。
35
神戸市立駒ケ林小学校
②
情報センター
情報センターの役割として、新聞コーナーを作ったり、学年・学級便りを展示したりした。ま
た、カウンターにグリーンを置き、毎日の行事をカレンダー本で紹介した。
3.授業への協力支援
(1)レファレンスサービス
担任の要望をもとに、行事や授業時に必要な図書の本を用意したり、読み聞かせをしたりするこ
とで、授業への協力支援を行った。
① 各学年の図書館活用計画書の作成
授業で使用する本や司書にしてほしいことを各学年ごとに要望を聞き、10 月から3月までの
図書館利用計画書を作成した。
② 授業に必要な本や調べ学習の本の準備
図書館利用計画書をもとに、授業に必要な本や調べ学習に必要な本を事前に準備し、司書教諭
が間に入りながら、担任と司書が連絡を取り合って授業の支援をした。必要な時には市立図書館
の団体貸出し、テーマ本集めの中継ぎを行った。
③ 本の調べ方の紹介
調べ学習の際には、辞書の使い方や目次の見方などを紹介して、子供たちが自分たちで調べる
ことができるような手伝いをした。
④ 授業と関連した読み聞かせ
担任の依頼に沿って、授業の導入・発展につながるような読み聞かせを図書の時間に行った。
また、図書の貸出時に読み聞かせに関連したテーマの本を借りるように促すと、全員が授業に関
する本に触れることができた。
・2年生・・・おしごとのほん
・3年生・・・
「三年とうげ」の作者が書いた本の紹介 など
(2)市立図書館との連携
授業で使用する参考図書を準備するために、市立図書館に団体貸出しやテーマ本集めサービス
を使って本の手配をした。
4.学校図書館としての空間づくり
・オープンスペースの有効活用
本校の図書館は部屋としての壁がなく、休み時間に早
く運動場に行きたくて通路として走る子が多かった。そ
こで、オープンスペースに机を置き、本の紹介コーナー
とした。それからは、走ることもなくなり、落ち着いた
空間となっている。
36
コ ラ ム
・「学校司書だより」(歌敷山中学校)
・「としょかんだより」
(なぎさ小学校)
・本を大切にするために
<本を大切にするために>
使用する頻度が高い学校図書館の本。少しでもきれいな状態を長持ちさせるために、粘着式ビ
ニールブックカバー(フィルム)をかけることをおすすめします。表紙カバーがついている本は、表
紙カバーごとフィルムをかけます。
ページが破れた場合は、セロハンテープで貼らず(時間がたつと黄ばんでしまいます)ボンド
などで修理をします。背文字が消えてしまっている本は、ラベルプリンターのようなもので文字
を打ち、貼るとよいでしょう。
学校図書館の本はみんなの本です。よく使われる本が傷むのは当然のことですが、誰もが気持
ちよく使うことができるよう、本を大切にする心も育てていきたいものです。
37
神戸市立西須磨小学校
子供達が進んで本を手に取る学校図書館をめざして
~学校図書館の活性化を図る~
神戸市立西須磨小学校
学校長 榎元 十三男
児童生徒数 834名
学級数 27学級
1.取組状況
学校司書が配置されることになり、まず、図書館部会をもった。各学年の先生方に、どんなことを
してほしいか、年度初めに作成している学校図書館利用計画に沿って具体的にあげてもらい、調整す
ることで、学校司書が何をすればよいのかを明確にした。先生方や子供達に寄り添い、授業で使いた
い本の準備や読み聞かせをしてもらうことができた。
学校司書の配置後、環境整備を始めた。目に見えて学校図書館が使いやすく魅力ある場所へと変わ
っていき、いつでも本に関する相談ができるとあって、来館する先生や子供達が増えている。
2.学校図書館の環境整備について
(1)
「おすすめの本コーナー」の設置
今までは、一番目立つ書架には、新刊図書や人気のある本を並べて
いたが、配置替えをし、学校司書が選んだ「おすすめの本コーナー」
を設置した。季節や行事にちなんだおすすめの本を、表紙が見えるよ
うに並べ、一言コメントをつけて展示した。普段なかなか手を伸ばそ
うとしなかった子が、表紙やコメントを見て読もうとする姿が見られ、嬉しかった。
(2)書架への配架の工夫
これまでも NDC 分類に準じて配架していたが、子供達にとって、どこにどんな
本があるのか理解するのは難しく、読んだ本を元の棚に戻すことすら、なかなか徹
底できていなかった。
そこで、辞書のカバーを使い、見てわかる見出しを作成している。また、分類ラ
ベルだけではわかりにくい子供達のために、色画用紙で工夫したラベルを作成し、
本を見た目で探したり、元の場所に戻したりできる工夫を始めた。
サイズの小さな本を見やすく配架するために、図書ボランティアにも協力し
てもらい、牛乳パックで本の背後に置く箱をたくさん作り、書架の奥行きに対
応できるようにした。
(3)掲示の工夫
これまでも「戦争と平和」コーナーや「バリアフリーの本」コーナーなどを設置していたが、
「む
かしばなし」コーナーなどを増やし、目立つ表示をすることで、子供達が手にとりやすくした。
掲示板にも、季節にあった掲示物や本が展示され、より親しみやすい場所になっている。
基本的に学校司書が学校図書館に常駐していることで、先生方や子供達への
相談にのったり、利用指導をしたりしやすくなった。その際に、表示などの掲
示物について紹介することもできた。子供達が返却した後の書架の整理も頻繁
に行われ、すっきりとした本の探しやすい書架になっている。
(4)魅力ある本をそろえる
環境整備を進めるにつれて、紛失した本や必要な本を購入したり、古くなった本や修理しても読
38
神戸市立西須磨小学校
めそうにない本を廃棄したりする必要が生じてきた。子供達にとって魅力的な本や学習に必要な本
を中心に選書を行った。
3.読書に親しむ子供達をそだてるために
(1)
「おはよう読書」での読み聞かせ
2学期は、11月~12月の火・水・木曜の朝に10分間の「おはよう読書」を行った。その時
間、2年生の子供達に読み聞かせを行った。クラスごとにホールに集まり、普段は少し落ち着きの
ない子供達も、静かにお話の世界に浸ることができた。
3学期は、1~2月の「おはよう読書」の時間に、6年生の子供達に読み聞かせをする予定にな
っている。卒業を控えた6年生にとって、心に残るひとときとなればと願っている。
(2)読み聞かせの会
本校では、学期に1回、先生方による読み聞かせの会を行っている。
この会に学校司書も参加し、読み聞かせを行った。聞きたい本のタイト
ルだけで子供達が集まってくるので、どんな本に興味をもつのか、わく
わくしながら子供達も先生方も読み聞かせを味わった。
(3)
「図書の時間」での読み聞かせ
本校は、週に1時間ずつの学校図書館利用の配当がある。教科学習や総合的な学習の時間での調
べ学習をしていることもあるが、図書の貸し出し・返却や読書の時間にあてている学級がほとんど
である。そこで、この図書の時間に来館した子供達に対し、読み聞かせを行うことにした。学年や
学級の実態にあわせ、読む本の内容や量を調整し、読み聞かせを楽しめるように工夫している。
4.学校図書館を活用した授業への取り組み
今年は、先生方の希望に合わせ、授業に使いたい本を準備することを中心に行ってきた。学校図書
館に学習に使う本をそろえていくという今までの方針を継続していく形で、必要に応じて、公共図書
館から借りたり、購入したりして本をそろえ、先生方に提供してきた。使いたいときに、使える本を
準備することで、先生方が積極的に本を授業に活用することができた。
また、学校図書館へ来館した先生方や子供達に働きかけることで、利用教育につなげてきた。今ま
でなかなか統一されにくかった本の貸し出し・返却の際の手続きや貸し出しカードの書き方なども、
細やかに指導することができた。
来年度は、基本的に学校司書は学校図書館にいる…という方針は変えないが、必要に応じて教室に
出向き、本の紹介やブックトーク、図書を活用する方法の指導などの取り組みを進めていきたい。
5.成果と課題
この数ヶ月は、みんな手探りの状態だった。何をどう進めるかという根本的なことから考える必要
があった。ようやく、学校司書のいる学校図書館に慣れてきたというところだろう。
一番の成果は、学校図書館にいつも人がいる温かさ、心地よさだろう。本を読んでもらったり、ど
んな本が良いか相談に乗ってもらったりする中で、子供達は(先生方も)安心して過ごすことができ
た。そして、いつも整然と本が並び、本の世界に誘ってくれる環境は、本当にすばらしいと感じた。
今後の課題として、打合せの時間をどう捻出するかということが挙げられる。学習の支援に入ると
いうことになればなおさら、十分な打合せの必要性が生じる。また、学校司書がどんな支援をするこ
とができるのか、具体的に先生方に知らせていく必要がある。
39
図書の分類
本の探し方
(検索)
4年 ・本の返し方
5年 ・本の扱い方
6年 など
)
40
「いろいろ読もう」
「たくさん読もう」
「楽しく読もう」
4月
6年
5年
4年
3年
国「古典」
自然学校
~韓国ってどんな国?~
わたしたちの須磨には
須磨の川と海
西須磨大発見
国「ごんぎつね」
お米作り
目指して
平和な世の中を
わたしたちにできること
西須磨マイスターを探そう
国「三年とうげ」
理「冬の夜空」
国「本は友達」
国「平和について考える」
国「本は友達」
国「わたしたちの図書館改造提案」
思い出を創ろう
小学校生活最後の
一絃琴
二分の一成人式
昔にタイムトリップ
国「海の命」
社「日本とつながりの深い国々」
社「国土の開発と自然」
国「わらぐつの中の神様」
国「ことわざブックを作ろう」
国「科学読み物をしょうかいしよう」
社「わたしたちのくらしと憲法」
社「情報」
国「のはらうた」
国「モチモチの木」
国「本で調べて、ほうこくしよう」
社「人々のくらしのうつりかわり」
国「詩」「かるた」
3月
一年間の
読書生活を
ふり返ろう
国「どうぶつの赤ちゃん」
2月
西須磨小学校
国「きみたちは、図書 国「三まいのおふだ」
館たんていだん」
国「スーホの白い馬」
理「ヒトの体のつくりと運動」
社「水産業」「工業」 国「大造じいさんとガン」
おはよう読書
(読み聞かせの
会)
1月
国「ずうっとずっと、だいすきだよ」
おはよう読書
(読み聞かせの
会)
12月
国「むかしばなしがいっぱい」
国「ちいちゃんのかげおくり」
国「お手紙」
理「わたしたちの気象台」
理「月や星」
読書
感想画の
指導
11月
国「じどう車くらべ」
10月
効果的な方法を選択してまとめる
図や表を使ってまとめる
絵や文を使ってまとめる
国「だれでもかかわり合えるように」
9月
国「伝統文化を楽しもう」 国「やまなし」
アンニョンハシムニカ
国「生き物はつながりの中に」
理「めだかの誕生」
わたしたちのまち
社「歴史学習」
国「本は友達」
国「新聞」
国「本は友だち」
国「海をかっとばせ」
「お話の国のともだち」
国「きいろいバケツ」
国「ほんはともだち」
読書案内
7月
国「百年後のふるさとを守る」(伝記)
国「読書生活について考えよう」
理「夜空を見よう」
理「植物」
理「昆虫」
国「漢字辞典」
国「国語辞典」
生「ザリガニ」
国「スイミー」
生「アサガオ」
読書感想文
課題図書の
紹介
6月
国「ありの行列」
社「さまざまな土地のくらし」「農業」
6年 国「カレーライス」
5年
4年 国「白いぼうし」
3年
おはよう読書
(読み聞かせの
会)
国「いなばの白うさぎ」
2年 国「タンポポのちえ」
1年 国「おはなしよんで」
6年
5年
4年
3年
2年
1年
百科事典の利用
年鑑・新聞・雑誌の利用
漢字辞典・地図の利用
国語辞典の利用
図鑑の利用
〈資料の利活用〉
歴史がいっぱい
※公共図書館とのネットワーク貸し出し(申し込み制)や団体貸し出し(随時・1ヶ月)も利用できます。
わ
く
わ
く
活
動
で
教
科
学
習
の
中
で
読
書
指
導
本の並べ方
3年 ・本の借り方
5月
学校図書館
の使い方
(
年
間利
を用
通指
し導
て
2年 〈図書室のきまり〉
1年 図書館の利用指導
H26年度 学校図書館 活用計画
神戸市立西須磨小学校
コ ラ ム
・学校司書の活動の様子
・学校図書館図書標準とは
<学校図書館図書標準とは>
小中学校の学校図書館の蔵書について、文部科学省が学校規模(学級数)に応じた整備目標を
定めたものです。この「図書標準」を満たしている学校でも、毎年廃棄される図書の更新が必要
です。本当に必要な図書を購入し、蔵書の刷新を図ることも大事なことです。
子供の豊かな人格形成や、よりよく生きるための基礎的な言語力を
育む環境づくりを推進するためにも、学校図書館の蔵書の冊数や構成
を確かめ、学校図書館の充実に努めましょう。
41
神戸市立白川小学校
「来館したくなる図書館へ」実践例
~日々進化していく図書館づくり~
神戸市立白川小学校
学校長 濱田 望
児童生徒数 443名
学級数 17学級
1.取組状況
学校司書が配置され、業間休みと昼休み、放課後に開館することができるようになり、気軽に利用
できる図書館となった。また、季節の掲示や新刊の紹介ポップ、ニュースとなった事柄と関連のある
展示など環境も整備されてきている。学校図書館をつかった授業が展開できるように、年間計画をも
とに各学年と連絡・調整をし始めている。また、新年度の前に書架に並べる図書の配列を中学校と同
じものにするように、計画を進めているところである。
2.いつも開いている図書館
(1)開館時間の変更
今までは、業間休みだけに委員会の児童による貸し出しを行っており、カギのかかった図書室で
あった。学校司書の配置初日から基本的に、一日中図書館が開いているという状況が可能になった。
そこで、業間休み、昼休み、放課後の30分間と図書館に足を運ぶ機会を一日に3回設定し、自
由に貸し出しができるようにした。
① 業間休みは「元気タイム」と名付けられており、外
遊びが推奨されているため、天候が良い日には図書
館を利用する児童は多くない。天候が良くない日に
は、図書館に多くの児童が足を運んでいる。司書の
配置により、貸し出しだけではなく、委員会児童の
業間の諸作業も一緒に取り組むことができ、塗り絵
コンクールの展示もスムーズに行うことができた。
② 昼休みは短いため、多くの来館者を望むことはでき
ないが、本を借りかえるために図書館を訪れる児童
がではじめた。
③ 放課後は、低学年は帰宅しなければならないので来館できないが、高学年の児童が数名、足を運ぶよ
うになった。
④ 読みに行く、借りに行くだけではなく、司書に「聞きに行く」という児童もではじめている。司書が
いつもいて開館している、という環境に児童が慣れることで、今後来館する児童も増えていくことが
期待できる。
⑤ 常に開館している状態になってきているため、司書の出張時や休みの日に開いていないと戸惑うこと
がある。そこで、「図書館からのお知らせボード」を作って児童の目につきやすいところに設置し、
児童に知らせる手立てとした。
(2)読書活動推進のための掲示・展示の工夫
児童が本を選ぶ手助けとなるように、展示や掲示、コーナーの設置などの工夫をしている。
① 廊下に、新刊の展示をしている。ポップを作ることで手にとって見ている児童が増えた。廊下で一定
42
神戸市立白川小学校
期間展示した後、図書館の新刊コーナーに移し、
貸し出しできるようにした。
② 季節の本をそろえていくことにし、その季節ご
とに展示する本をかえたり、壁面掲示をして楽
しい読書の時間を演出したりした。また、児童
の閲覧用机の真ん中に展示している。
11月に1月や2月の「お正月」
「節分」に関
する本を司書がリストアップし、図書館にない
ものについてはあらかじめ購入しておいて展示
していく予定である。
③ ニュースで話題になった本を図書館入り口に展
示、紹介した。
④ それぞれの棚にブックエンドを横に置いて本を
立て、表紙を見せるようにしている。
⑤ 今までは書架の大きさと本の大きさが合わず、
書架の前面に背表紙を並べることができず、書
架の奥のほうに本がひっこんでしまっていると
いう状態であった。司書がボランティアと一緒
に書架の奥に置くクッションを作成して置くこ
とで、背表紙が見やすくなり、図書館が明るく
なった。
(3)読み聞かせ/本の紹介
各クラスの配当時間に、司書による本の紹介・読み聞かせをしている。
① 読み聞かせの内容も、季節の本などを考えている。
また、低学年には「絵本」から「本」へのスムーズな
移行を意識して、幼年童話などを読み聞かせている。
※資料①参照
本選びに迷っていた児童たちが、司書がすすめた本を
手に取っていることが多くなってきた。
「借りた冊数
調査」などに表れない部分だが、
「読書の質」が高ま
ってきていることは確かである。
② 担任と相談して、学習に関係のある本を読み聞かせす
ることもある。1年生が国語で昔話を学習した時に、
「あまりにも昔話を知らない児童が多かった」という
話を聞いて、司書が昔話の読み聞かせをした。児童の
実態に合わせて、読み聞かせたり紹介したりする本を
即座に調整していけるため、児童にとって有効であった。
43
神戸市立白川小学校
(4)図書館と教科学習をつなげる
これまで、
「国語の教科書に紹介されている本」をそろえてコーナーを作ったり、クラスの全員で「並
行読書に取り組むためにそろえてある本」を専用のコーナーに集めたりしてきた。また、年間計画
で「現在教科学習に利用できる本がそろっているもの」
「本年度中にそろえる予定のもの」などを提
案し、司書教諭が各学年に時期をみて声をかけるようにしてきた。また、事前に申し込んで公共図
書館の「団体貸出し」を利用したり「テーマ本集め」を依頼したりしてきた。今回の司書の配置に
伴い、よりきめ細やかに本の手配をすすめていく方法を探っている。しかし、学校現場がはじめて、
という司書が「教育課程」を熟知し、年間計画をさらに綿密に立てて運用していくにはまだまだ時
間が必要である。
① 年間計画にそって、担任に本をすすめる。普段は書架にあるものを集めたり、コーナーにあるものな
どの利用を促進したりしている。
② 委員会の児童が「震災集会」で本を使いたい、と相談してきたことから担当教諭が司書に依頼し、1
月に借りられるように手配をすすめた。公共図書館から借りてきた本は、「震災本コーナー」を作っ
て全校生が手に取って読むことができるようにしていく予定である。
【学校図書館活用計画】
学校図書館 活用計画
(
年
間利
を用
通指
し導
て
)
1年 図書館の利用指導
学校図書館
の使い方
〈資料の利活用〉
2年 〈図書室のきまり〉
3年 ・本の借り方
本の並べ方
国語辞典の利用
4年 ・本の返し方
図書の分類
漢字辞典・地図の利用
本の探し方
(検索)
年鑑・新聞・雑誌の利用
5年 ・本の扱い方
6年 など
4月
1年
読
書
指
導
2年
3年
4年
5年
6年
5月
絵や文を使ってまとめる
図鑑の利用
図や表を使ってまとめる
効果的な方法を選択してまとめる
百科事典の利用
6月
7月
読書感想文
課題図書の
紹介
読書案内
9月
10月
11月
読書
感想画の
指導
おはよう読書
(読み聞かせの
会)
「 たくさん読もう」
おはよう読書
国「 じどう車く らべ」
生「アサガオ」
国「 ほん はともだち」
国「スイミー」
国「きいろいバケツ」
生「ザリガニ」
「お話の国のともだち」
国「ありの行列」
国「国語辞典」
国「海をかっとばせ」
理「昆虫」
理「植物」
国「 本は友だち」
国「漢字辞典」
理「夜空を見よう」
国「新聞」
国「だれでもかかわり合えるように」
国「 本は友達」
理「月や星」
2年 国「タンポポのちえ」
国「いなばの白うさぎ」
3年
4年 国「白いぼうし」
国「読書生活について考えよう」
5年
国「古典」
社「さまざまな土地のくらし」「農業」
6年 国「カレーライス」
5年
6年
3月
一年間の
読書生活を
ふり返ろう
おはよう読書
国「ちいちゃんのかげおくり」
国「三年とうげ」
国「詩」「かるた」
国「本で調べて、ほうこくしよう」
社「人々のくらしのうつりかわり」
理「 ヒトの体のつく りと運動」
国「ごんぎつね」
理「冬の夜空」
社「水産業」「工業」 国「 大造じいさん とガン」
国「伝統文化を楽しもう」 国「 やま なし」
国「 本は友達」
社 「 地 域 の 発 展 に つ く し た人 々 」
国語「 森へ」
社「わたしたちのくらしと憲法」
社「国土の開発と自然」
社「 日本とつながりの深い国々」
福祉探検 ※24年度は集団貸し出しも利用
子ども環境会議※25年度集団貸し出しを利用
平和学習 ※25年度集団貸し出しも利用
国「 ことわざブッ クを作ろう」
国「わらぐつの中の神様」
社「情報」
わくわくお米探検隊
※公共図書館とのネットワーク貸し出し( 申し込み制) や団体貸し出し( 随時・ 1ヶ月) も利用できます。
※公共図書館での団体貸し出し(随時・1ヶ月)は、「長田図書館にカードがある」 旨を伝えたら、どこででもたくさん借りられます。
国「 モ チモ チの木」
国「科学読み物をしょうかいしよう」
国「 本は友達」
国「 平和について考える」
44
国「のはらうた」
国「わたしたちの図書館改造提案」 社 公害
理「めだかの誕生」
やってみよう地球にやさしいくらし
国「どうぶつの赤ちゃん」
国「 きみたちは、 図 国「三まいのおふだ」
書館たん ていだん 」
国「スーホの白い馬」
理「わたしたちの気象台」
国「生き物はつながりの中に」
国「ずうっとずっと、だいすきだよ」
国「 お手紙」
国「百年後のふるさとを守る」(伝記)
3年
4年
2月
国「むかしばなしがいっぱい」
社「歴史学習」
わ
く
わ
く
活
動
で
1月
「 いろいろ読もう」
1年 国「おはなしよんで」
教
科
学
習
の
中
で
12月
「 楽しく読もう」
国「 海の命」
神戸市立白川小学校
※資料① 読み聞かせ一覧
〈1年生〉
あきいろおさんぽ
国語 自動車くらべ
おおきなかぼちゃ
とらっくとらっくとらっく 渡辺茂男
しょうぼうじどうしゃじぷた 渡辺茂男
かさこじぞう
おやゆびひめ
国語 むかしばなしがいっぱい
したきりすずめ
ねむりひめ
さんねんねたろう
昔話を知らない子が多い。
〈2年生〉
しばらく昔話で・・・
まんまるおつきさまをおいかけて ケビン・ヘンクス
王さまシリーズ おしゃべりなたまごやき 寺村輝夫
おばけのアッチのおばけカレー 角野栄子
エルマーのぼうけん R・Sガネット
ぱんつくったよ
元気のでる詩 2年生 伊藤英治
オバケちゃんとおこりんぼママ 松谷みよ子
2年生もそろそろ、
〈3年生〉
絵本ではない本に興味を
たぬきがいっぱい
持ってほしい・・・
らくごで笑学校 斎藤洋
あいうえおパラダイス 二宮由紀子
ふらいぱんぼうや
神沢としこ
だいず
国語 すがたをかえる大豆
かじババとぼくの目玉焼戦争
虹の谷のスーパーマーケット 池川恵子
〈4年生〉
しゃっくりがいこつ マージェリー・カイラー
ともだちくるかな
きつねの窓
国語 ごんきつね
内田麟太郎
安房直子
理科 からだのしくみ
ほね・ホネ・がいこつ 中川ひろたか
ぐりとぐら
なかがわりえこ
だじゃれ日本一周
ぶす
長谷川義史
社会 都道府県
川端誠
〈5年生〉
読み聞かせで。
音楽 つる
つるにょうぼう
雲のてんらん会 いせひでこ
〈6年生〉
理科 雲
よあけ ユリー・シュルヴィッツ
パンプキン
国語 宮澤賢治
注文の多い料理店
宮澤賢治
こそあどの森シリーズ ふしぎな木の実料理法
雪わたり
音楽会の合唱曲を
岡田淳
宮澤賢治
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神戸市立高丸小学校
地域図書館・保護者との連携の充実に向けた取り組み
~授業中・休み時間・放課後 身近に図書のある学校生活を目指して~
神戸市立高丸小学校
学校長 中山 紀彦
児童生徒数 403名
学級数 14学級
1. 取組状況
学校司書が配置され、書架の分類整理、開館日・開館時間の増加、読み聞かせやポップによる紹介、
早い周期でのディスプレイの変更、担任の要望による授業で紹介する本選びなど、実に様々なことに
取り組んでおり、児童の学校図書館利用人数の増加は、顕著である。図書館担当教員と学校司書は、
司書日誌だけでなく日々会話を交わしながら、時には時間を設けて打ち合わせをしている。
2. 具体的な取り組み
(1) 書架の整理・整頓
以前からNDC分類に基づき、配架していたが、あった
場所に本を戻すということが徹底されていなかった。
学校司書赴任後は、まず、書架の整理に取り掛かった。従
来の並び方に準じて、0~8類は分類順に、9類については、
作者順に並べ直した。さらに、4 類は、本の冊数が多かった
ので、植物、動物など細かい分類に分けて配架した。古い本
や傷みの激しい本については廃棄の手続きをとった。機械的
な配架手続きが終わってからは、内容に即した分類整理にと
りかかっている。新たに新着本のコーナーを設けるなどのア
レンジも加えながら、日々整頓に努めている。
(2) 開館日・開館時間
これまでは、開館時間が水曜日と金曜日の昼休み(20 分間)、図書館担当教員指導のもと、図書委
員の輪番によって行われていた。
学校司書赴任後は、学校司書が出勤している日の業間休み(15 分間)と昼休み(20 分間)を開館
時間とし、学校司書や図書館担当教員指導のもと、図書委員の輪番によって開館している。また、
10 分休み等の短い休み時間であっても、学校司書がいるので、本の返却ができるようになり、児童
も喜んでいる。利用人数が学校司書配置前よりも格段に増えている。
46
神戸市立高丸小学校
(3)読み聞かせとポップによる本の紹介
本校では、読み聞かせに力を入れている。図書委員会児童による読み聞かせ(学期に 1 回)
、教
師による読み聞かせ(年 2 回)
、保護者(BOOKママ)による読み聞かせ(9月~2 月の毎月)、
垂水図書館職員による読み聞かせ(学年ごと年 1 回)とさまざまな機会に読み聞かせを行っている
(表参照)
。
学校司書配置後は、学校司書による図書の時間に読み聞かせやブックトークを月に 1 回の頻度で
設けることとなった。季節の本を選んで読み聞かせしてくれるので、児童は読み聞かせやBOOK
トークをとても楽しみにしており、静かに聞き読み終わった後には進んで感想を述べている。
表
様々な立場の人から読み聞かせやブックトークを受けている学年
委員会児童
担任
担任以外の教員
BOOKママ
垂水図書館職員
学校司書
1年
○
○
○
○
○
○
2年
○
○
○
○
○
○
3年
○
○
○
4年
○
○
○
5年
○
○
○
6年
○
○
○
○
学校司書は、読み聞かせで読んだ本や同じ作者の本に
ポップをつけて紹介するなど、
工夫を加えてディスプレ
イしている。児童は、ポップを見て本を手に取ることも
あり、大変有効な手立てである。
また、委員会の時間に、委員会児童は学校司書から教
わりながらポップ作りに挑戦した。学校司書配置後は、
委員会児童の創造的な活動がより充実したものとなっ
たので、
委員会児童は、
日々の活動を楽しみにしている。
(4)季節に合わせた掲示物
本校の学校図書館には、入口廊下側にガラス張りのディスプレイスペースがある。新着本の紹介や
読書感想文の課題図書の紹介など、これまでは、限られた期間のみの掲示で、有効な活用ができてい
なかった。
47
神戸市立高丸小学校
学校司書配置後は、早い周期でディスプレイが変
更されているので、図書室前の廊下を通るのが楽し
みになった。ディスプレイの内容も、
「先生お薦めの
本」
「新着本」
「季節の本」など多岐に渡り、児童の
興味づけ、
「読んでみようかな。」いう動機づけとな
っている。
出窓のディスプレイだけでなく、学校図書館内も
季節の掲示物や前述のポップで、明るい空間となっ
ている。
(5)教科書に出てくる本の選書
学校司書配置前は、学年の先生が自ら探さなければならず、
見つけきれないことの方が多かった。
学校司書配置後は、1ヶ月ほど前に授業で使う本をリストに
してお願いしておくと、学校図書館にある蔵書の中から、該当
の本を探して集めてくれるので、担任はたいへん助かってい
る。また、学校図書館にないが授業で紹介したい関連本につい
ても、近隣の公共図書館である垂水図書館まで足を運んで借り
るという業務も請け負ってくれるので、とてもありがたい。
(6)公共図書館との連携
これまでは、団体貸出の制度を利用するのは、2 年生生活科
「みんなで行こうよつかおうよ」の公共図書館利用に限られて
いた。
学校司書配置後は、団体貸出カードを利用して、「テーマ本
集め」をお願いすることも行うようになった。第 1 弾として、
防災担当者からの依頼で、1 月の震災集会に向けて、震災や防
災に関連する本を集めていただくよう依頼した。
垂水図書館から団体貸出によってお借りした本は、出窓や学
校図書館内にディスプレイした。20 年前に大きな震災を経験
した神戸に住む市民として、震災・防災に関心を持つひとつの
きっかけとなったと考える。
48
神戸市立高丸小学校
(7)学校司書通信
学校司書は、業務のほとんどを学校図書館で従事しており、週 1 回の図書の時間を除いては、担任
と顔を合わせる機会がない。そこで、図書館担当教員だけでなく、他の職員にも学校司書の業務につ
いて知ってもらい、学校図書館がより利用しやすいものとなるように、不定期で学校司書通信を発行
している。現在どんな仕事に従事しているのか、学校司書配置後の学校図書館がどう変容しているの
かを職員向けに発信している。また、縦割り班の担当グループに向けた教員読み聞かせで読んだ本の
題を学校司書に知らせるようアナウンスし、前述のようなディスプレイにして児童に紹介するなど、
学校司書と教員の連絡ツールとしての役割も担っている。
3.今後の取り組み
引き続き、内容に即した分類整理を進めていく。分類整理の結果、本校の図書館に足りていない本
(調べ学習の本)は、来年度の予算で購入したい。
児童からの要望で、本の予約制度や学校図書館に置いてほしい本のリクエストなども挙がっている。
すべてのリクエストに応じることは難しいが、来年度からは、購入してほしい本のリクエスト箱を設
置し、児童の意見を取り入れた図書購入を考えている。また、本の予約制度は、学校司書なくしては
できない画期的な申し出ととらえている。そこで、3学期より試験的に実施し、改善を加えながら来
年度に備えたいと考えている。
PTAからは、BOOKママ(読書ボランティア)だけでなく、図書館整備のボランティアを立ち
上げる動きが出ている。どのくらいの頻度で、どんな内容のお手伝いをお願いするのか、図書館担当
と学校司書とPTAで連絡調整しながら、来年度に向けて計画を立てている最中である。
「書架の修理
や廃棄本の手続きといった機械的な作業だけでなく、BOOKママが読んだ本のポップ作りや季節の
飾り物(手芸)などもお願いできれば。
」と、打ち合わせで話題に挙がっている。
最後に、近隣図書館である垂水図書館との更なる連携も進めていきたい。現時点では、BOOKマ
マに向けた読み聞かせのコンサルテーション(7 月)、垂水図書館職員来校による読み聞かせ(随時)
、
2年生の生活科「みんなで行こうよつかおうよ」での垂水図書館の利用の仕方と公共図書館で図書を
借りる体験の3点が主な連携である。しかし、学校図書館をより充実したものにするためには、地域
の図書館の運営力をモデリングすることは、欠かせないと考える。学校図書館運営について、垂水図
書館から講師をお招きしたり団体貸出の制度を積極的に利用したりしながら、学校図書館の充実を図
っていきたい。
49
神戸市立東舞子小学校
学校図書館を活用して、読書が大好きな東舞っ子へ
神戸市立東舞子小学校
学校長 小野 晃弘
児童生徒数 987名
学級数 31学級
1. 取組状況
学校司書が配置され、学校図書館の環境整備と児童への読み聞かせ、授業支援などに取り組んで
いる。環境整備では、保護者ボランティアと協働して本の整理や修理そして掲示物作りなどの活動
を行い、明るく楽しい雰囲気の図書館となっている。また、学年の希望にそって、本を揃えたり、
ブックトークをしたりなど、学校司書と司書教諭、学級担任で話をしながら、学校図書館を活用し
た授業の充実を図っている。今後もさらに、読書センター・学習情報センターとしての学校図書館
となるよう、また、子供達にとって心地の良い居場所となるように、教職員、保護者で取り組んで
いきたい。
2. 図書館環境整備
(1) 子供たちが本を探しやすい、見つけやすい配架へ
① 本の廃棄をして、書架がすっきり
ぎゅうぎゅうづめの書架では、なかなか本が見つけに
くい。古い本、手に取らない本は除架、廃棄して整理し
た。保護者ボランティアの協力を得て廃棄作業は、あっ
という間に終わり、表紙を見せて配架できるようになっ
た。図書館に入ったら、子供達の目に本が飛び込んでく
る図書館へと変わった。
② 書架にサインをつけて
すっきりとした書架
どの棚にどんな本があるかわかるよう書架の一段
一段にサインを付けた。
「天体」
「からだ」などの
テーマを表示したことでより見つけやすい書架となる。
③ 学習内容に関連した本を集めて
図書館に入ってすぐの書架には、「5年生におすすめ
の本」と表示して、国語で学習する「大造じいさんと
ガン」に関連する椋鳩十などの本を集めて紹介する。
学習に合わせてのタイムリーな本の展示。表紙を見せて
子供達の目に留まるようにもした。
(2) 図書館に行きたくなる、本を読みたくなる掲示に
① 図書館入口の掲示板
東舞子読書週間 11 月 11 日~12 月 17 日には、秋らしい
かわいい掲示物を飾って、図書館だよりを掲示し、その間
の行事を知らせた。
50
学習内容に合わせて
神戸市立東舞子小学校
② 今月のおすすめの本
毎月、おすすめの本を展示している。「秋の本」では、『きのこ』、
『わたしのもみじ』
『どんぐりと山猫』『のはらうた』などを紹介した。
「新年」
「防災」などでは、関連のクイズを出したり、季節の掲示物を
添えたりして、子供達の関心が持てるように工夫している。
③ 季節感のある楽しい雰囲気になる掲示物
12月には、テーブルの上に小さなクリスマスツリーが飾られた。
ぐっと楽しい雰囲気になり、子供達に人気であった。
おすすめの本「防災」
3. 学校図書館と学校司書、どんどん活動して、本大好きに
(1) 授業での図書の活用
① 4 年「ごんぎつね」での並行読書
「ごんぎつね」の学習に並行して、新見南吉や動物関連の絵本の読書をした。市立図書館か
らも本を借りることで、子供達はたくさんの本と出合うことができた。そして、その後は、
2年生に2~3冊の本をブックトークする活動を行った。ブックトークをするにあたっては、
事前に学校司書が4年生にブックトークを行うことで、子供達は、方法や見通しを持つこと
ができた。
② 1 年「じどう車くらべ」での自動車ずかん作り
「じどう車くらべ」で学習したことをいかして、興味を持った車の仕事とつくりを本で調べ
て、図鑑作りを行った。学校司書は、授業までに本を集め、本から仕事やつくりを調べたり、
文章に書き表したりする活動では、学級担任と共に、子供達の支援にあたった。
③ 5 年「大造じいさんとガン」でのブックトーク
椋鳩十など動物関連の本のブックトークを学校司書が行った。本への関心を持ち、並行
読書につながるように、紹介した本を手に取る時間を設けた。
(2) 図書の貸し出しの時間の読み聞かせ
子供達が、普段選ばない本に手を伸ばすように、いろいろなジャンルの本に目を向けるよ
うにと、学校司書が、3・4年生を中心に、図書館配当時間の終わり10分に読み聞かせを
行い、本の楽しさを伝えている。
4. おわりに
いつも人がいる学校図書館になった。学校司書がいるようになり、図書館は、子供達にとって素
敵な場所になってきている。これから、
「こんな本を読んでほしい。」
「本を活用した授業を考えたい。」
「本を探しやすいように案内表示を作りたい。」など、まだまだしたいことがある。だが、それらを
進めるための放課後の打ち合わせの時間がなかなか取れないのが現状である。充実した活動をする
ためにも、その時間を確保し、学級担任、学校司書そして、保護者とともに、今後も様々な読書活
動を続けて、読書が大好きな東舞っ子にしたい。
51
神戸市立本多聞小学校
読書生活の充実に向けた魅力ある学校図書館づくり
~行きたい、読みたいと思える読書環境整備~
神戸市立本多聞小学校
学校長 森本 毅
児童生徒数 634名
学級数 22学級
1.取組状況
本年度4月から学校図書館アドバイザーが配置され、まず、使いやすい学校図書館をめざして、学
校図書館アドバイザーのアドバイスのもとで環境整備を始めた。最初に、配架の変更と表示の作成を
行った。その後、テーマに沿った本を集めて展示したり、購入図書や廃棄図書のアドバイスを受けて
本の入れ替えをしたりしたことで、学校図書館で読書することを楽しみにする児童が増えてきた。
10月から学校司書が配置され、学校図書館の開館時間を増やすことができ、さらに配架やサイン
の工夫なども加えられ学校図書館の環境整備が促進された。そして、学校司書が児童の読書相談にの
ったり、一緒に本を探したりするなどの貸出補助も多くなったことで、学校図書館の利用者数は配置
前に比べて大幅に増加した。
また、国語科や社会科などの授業に必要な図書の準備や紹介を学校司書が行うなど、学校図書館を
活用した学習活動の取組も徐々に行われるようになり、学校図書館が学習・情報センターとして機能
し始めたところである。
2.
「読書センター」としての学校図書館の環境整備の取組
(1)配架の変更と表示の作成
昨年度まで、作者名順の配架になっていたのだが、表示がなく、児童に作者名の意識があまりな
いため、適当にもとの棚に戻されていた状態であった。今年度より、絵本は書名で五十音順に並べ
替え、あ行、か行などの細かい見出し表示を付けたので、児童も本を元の棚に戻しやすくなった。
また、読み物や外国文学は作者名での五十音順で並べ、細かい表示も付けたため、同じ作者の本が
探しやすくなった。また、シリーズ物やよく読む作者のコーナーを設けたことにより、本を読みた
いという意欲がわくようになってきた。
<配置前>
<配置後>
(2)図書展示や掲示物の工夫
①季節に応じた図書展示
季節に応じたテーマを決め、そのテーマに沿った本を集めて書架の上に本を展示し、近くに
はそのテーマに関する話などを書いた掲示物を掲示した。季節感を感じ、居心地のよさから「と
っておきの場所」として学校図書館に足を運ぼうという児童が少しずつ増えてきた。
52
神戸市立本多聞小学校
◆読書の秋×食欲の秋
ハロウィン クリスマス お正月&冬休み
②読み聞かせに利用した図書展示
読書指導の支援として児童に行った読み聞かせで読んだ図書や、年2回の読書月間中に図書
ボランティアの方々が読み聞かせで読んだ図書を展示した。展示後、多くの児童がそれらの図
書を探し求め、貸し出しが飛躍的に増えた。
◆『わすれられない おくりもの』『ぐりとぐらのおきゃくさま』
『てぶくろ』など
③教科書に関連する図書展示
国語科の教科書に出てくる図書や並行読書に適した図書、図工・社会科・理科の教科内容に
関連する図書を展示したりした。
◆「お手紙」
(2年国語) 「モチモチの木」
(3年国語) 「秋の虫」
(生活科)
「大造じいさんとガン」
(5年国語) 「やまなし」
(6年国語)など
(3)選書及び新刊図書の受入や廃棄
学校司書が蔵書を確かめ、不足している図書や全学年の国語の教科書に掲載されている図書
(出典図書や読書案内されている図書など)、SLA選定の「よい絵本」などから新刊図書購入
リストを作成し、司書教諭と相談して購入図書を決めている。その後、司書教諭が新刊図書を
購入し蔵書の充実を進めている。そうして、児童の読書傾向も考慮しながら、さまざまなジャ
ンルの図書が揃っている、児童にとって読みに行きたくなる魅力ある学校図書館へ質・量とも
バージョンアップを図っている。
また、古くて子どもたちが手に取らない本や、傷みの激しい本は廃棄し、書架をすっきりと
させた。そして、利用の多い種類の本を取り出しやすい位置に移動し、本の入れ替えを行った。
(4)図書ボランティアとの連携
保護者による図書ボランティアが、3年前から活発に行われるようになった。教頭から保護者
に依頼し、司書教諭と教頭が、依頼と活動説明の仕事をそれぞれ分担してボランティアに対応し
ている。
53
神戸市立本多聞小学校
「できるときに」
「できる人が」「できることを」というスタンスで図書ボランティアを保護者
から募り、読み聞かせや環境整備の活動していただいている。ボランティアの方々の都合に合わ
せて来ていただいているため、活動曜日や時間によって図書ボランティアの人数も顔ぶれも異な
る。そのため、具体的に何をしたらよいのかよく分からないというボランティアの方々の声も多
く寄せられた。そこで、学校図書館アドバイザー配置期間中に、図書ボランティアの方々に具体
的な仕事の内容や本の修理の仕方などを講習した。それ以後、図書ボランティアの方々も仕事の
内容が分かり参加しやすくなった。本の修理などに多くのボランティアの方に関わっていただき、
大変助かっている。
学校司書の配置後、司書教諭から2か月ごとに図書ボランティアの方々に活動依頼を行い、学
校司書が図書ボランティアによる図書の修理などの活動の相談を受けたり、助言を行ったりして
いる。また、読み聞かせを行っている保護者の方々の本選びの相談にも学校司書が活躍している。
3.
「学習・情報センター」としての学校図書館の取組
学習・情報センターとしての学校図書館の機能を発揮させるため、手始めに授業で利用する図書
の準備や各単元で利用する図書のブックリストの提供、学校図書館の利用指導・読書指導から司書
教諭・教諭と学校司書の連携・協働を意識して取り組むようにした。学校司書とまとまった打ち合
わせの時間が取れないので、学級の図書の時間などに短時間で打ち合わせしていくことにした。
(1) 教科学習に必要な図書の準備や紹介、授業支援
各学年の教諭から相談や依頼を受けた図書を学校図書館の蔵書から準備した。蔵書にはない
図書については、公立図書館から団体貸出で準備した。また、授業支援として国語科で児童の
課題の図書探しや読書相談などに学校司書が教諭の授業補助に入った。
【図書資料の準備】
1年 「じどう車くらべ」
(国語科)で働く車に関する本集め
「むかしばなし」
(国語科)で、昔話の本集め
「おはなしだいすき」
(図工科)で、子供たちが創造をかき立てやすい絵本集め
2年
「本はともだち」
(国語科)で、作り方や使い方、遊び方を書いている本集め
3年 「ちいちゃんのかげおくり」
(国語科)で、戦時中のくらしに関する本集め
「昔のくらし」
(社会科)で、昔のくらしに関する本集め
5年 「世界をかけめぐる日本の工業製品」
(社会科)で、工業関係の本集め
「お気に入りの詩を紹介しよう」(国語)で、詩集関係の本集め
6年 「やまなし」
(国語科)の並行読書のための宮澤賢治の作品準備や、兵庫県・神戸市出
身の作家の本集め
特別支援学級 「オニの生活図鑑」
「豆まき」を紹介する本集め
【学習支援】
2年 「図書館たんてい団」
(国語科)や「本はともだち」の授業支援
(課題の図書を探す手伝いや読書相談を受けたりした。
)
4年 「伝えようわたしたちの心」
(総合)の学習で使用する盲導犬についての図書資料集め
54
神戸市立本多聞小学校
(2) 学校図書館の利用指導や読書指導
学級の読書指導の時間(いわゆる「図書
の時間」)に、その学級が学習している国
語科の単元に関連する図書を読み聞かせ
で紹介したり、学校図書館の利用指導をし
たりしている。また、児童の読書傾向を休
み時間に児童から聞いたり、読書カードか
ら掴んだりして、読み聞かせの中で好みの
図書や普段は手に取らないような図書を
紹介し、さまざまなジャンルの図書にふれることができるようにしている。
4.成果と課題
【成果】
学校司書が配置後の3ヶ月間の顕著な変化は、授業以外での利用人数の増加である。配置前は、
図書ボランティアの方々が来ているときのみ開館していた。不定期な開館のため利用する児童もほ
とんどいなくて、毎月10人から50人程度であった。配置後の10月は、月間合計518人と飛
躍的に伸び、12月には月間合計1288人の利用者数になった。
学級担任からは、「休み時間に図書室に行きたがる児童がとても多い」「図鑑も最新のものがある
と喜んで調べている」
「貸し出しの本のアドバイスも子供たちにされ、子供たちが図書室での読書を
楽しみにしている」という声が聞かれ、
「行きたい、読みたい学校図書館」に向けた図書館の環境整
備が着実に進んできている。
そして、学校司書が常駐し、いつでも図書の相談ができる機会ができたことで、学校図書館の図
書活用や学校司書と担任の協働による学習指導の場面が多くなり、学校図書館を「学習・情報セン
ター」として積極的に利用するようになった。
【課題】
今後、さらに利用者数や貸出冊数を伸ばしていくために、図書館だよりなどの広報活動を積極的
に行ったり、ブックトークや読書クイズなどの取組を行ったりして、学校図書館により親しむよう
にしていきたい。さらに、ハード面では学校図書館の床改修などを行い、読み聞かせコーナーなど
を設けて居心地のよい読書環境にしていきたい。
また、
「学習・情報センター」としての機能を高めていくために、蔵書の充実と利用しやすい環境
整備を図り、授業で使える図書リストの作成を進めていく必要がある。さらに、公立図書館との連
携を深め、調べ学習で使用する図書が学校図書館でも活発に利用できるようにしたい。
55
神戸市立長坂小学校
常に「人」がいる温かい学校図書館の実現に向けて
~いつでも好きな時に活用できるより使いやすい図書館へ~
神戸市立長坂小学校
学校長 熊谷 誠
児童生徒数 615名
学級数 20学級
1. 取組状況
学校司書が配置され、学校図書館の環境整備に取り組んできた。やりたいこと、やるべきことが
たくさんあるのに、時間と人手が足りないという現状の打破が少しずつ進んできている。すぐに雑
然となりがちだった書架がきれいに整理され、常に美しい状態が保たれるようになった。掲示板や
カウンターの上に季節感あふれる掲示物や関連図書の展示がされるようになった。以前と比べて、
誰もが足を運びたくなるような学校図書館に変貌しつつある。さらに、授業の中で、もっと図書館
が活用できるよう、司書教諭と学校司書の連携を深め、本校の教育全般を支えられる図書館を目指
していきたい。これを機に、長年の課題であった除架してある図書の廃棄作業も進めたい。
2.より利活用しやすい整備された学校図書館へ
(1) 図書の整理
本校では、日本十進分類法に基づき、図書を配架している。
(9類については、書名の五十音順。)
分類によっては、図書が増え、書架に入りきらず、分類通りに配架できていないところがあり、図
書を探しにくい状況があった。それが、図書が乱雑になりやすい原因の1つでもあった。大がかり
な図書の移動が必要なので、なかなか手を付けられていなかったが、地道な日々の作業で、きちん
と整理することができた。
(2) 図書の修理
創立40周年を迎えた本校では、古い図書も少なくない。傷みがひどくならないうちに、修理、
補修を進めてきた。
(3) 新着図書の受け入れ
本校では、新着図書が入ると、書架に出す前に、図書の背表紙、表紙の四隅にフィルムコーティ
ングで補修をしている。その補修をしておくことで、図書の傷みがかなり軽減される。この作業は、
今まで、図書館ボランティアが担当していたが、司書との協働で行うことにした。作業を効率的に
進めるだけでなく、司書と図書館ボランティアとの連携を深めることにつながっている。
12月には、新着図書のPC入力や寄贈図書の受け入れ作業もするようになった。
(4) 長期未返却児童リスト作成
司書からの提案で、実現した活動である。最近、長期に渡って図書を返却していないことから紛
失するケースも見られるようになってきた。また、バーコードの読み取りがうまくいかなかったた
め、未返却と処理されているケースもあった。担任を通して、子供たちに回答を求め、1日も早く
未返却図書が図書館に戻るように働きかけた。
3.豊かな人間性を育む「読書センター」としての学校図書館へ
(1) 貸し出し返却事務
授業中、20分休み、昼休みの貸し出し返却事務に、担任や係児童、委員会児童とともに積極的
に関わっていくようにした。スムーズに事務が進むだけでなく、司書が声をかけることは、子供た
ちとの温かい交流ができるということに大きな意味があると思われる。
56
神戸市立長坂小学校
(2) 掲示物の作成
① 入口掲示板・入口扉に季節感を
本校の図書館の入り口には、大きな掲示板がある。今まで、
月ごとに掲示を変えるのはなかなか大変で、ついつい新着本
のカバーなどを掲示することが多かった。10月はハロウィ
ン、11月は落ち葉やドングリ、12月はクリスマス、1月
は正月と季節感あふれる掲示物を貼ることは、図書館来館者
の目を楽しませ、足を運ばせることにもつながっている。
② 図書館からのお知らせ
「冬休みの貸し出しについて」など図書館からのお知らせも、ただプリントを貼るだけでな
く、目につきやすいよう、工夫して掲示するようにした。
(3) 本の展示方法の工夫
カウンターの上にも、季節感あふれる図書や司書のおすすめ図書を、表紙が見えるように立てて
おくように工夫した。目につく場所なので、図書館の雰囲気がぱっと明るくなったし、手に取って
読む子供たちも少なくなかった。
(4) 司書の立場からの選書
本校の図書館の図書の実態、目の前の子供たちの貸し出し状況などを考慮して、後期の購入図書
選書に関わった。その後、司書教諭を中心とする図書部の教師で検討し、購入図書を決定した。
4.子供たちの自ら学ぶ力を高める「学習・情報センター」としての学校図書館へ
(1) 授業に活用する本の収集
学年からの要望で、授業に活用する図書を集め、運搬ケースに入れて、学年に提供した。4年生
国語科「三つのお願い」
(外国の物語・絵本)
、1年生国語科「じどう車くらべ」
(自動車について調
べられる本)
「むかしばなしがいっぱい」
(日本・外国の昔話)等の依頼があった。
(2) 授業への参加
① 図書館での教科学習
1年生の国語「むかしばなしがいっぱい」では、図書を集めるだけでなく、絵本「雪女」の読
み聞かせを行った。さらに、授業支援の機会を増やしたい。
② ボランティアによる活動
1、2年生対象の「絵本タイム」「おはなし小箱」、1年生対
象の劇「わらしべ長者」を、一緒に見た。集中しにくい児童の
そばについて、その子も楽しめるよう、支援した。
(3)各学年学習ルーム配置図書の確認
本校では、授業に活用しやすいよう、年間を通じて、各学年学習ルームに、その学年の国語の教
科書掲載図書、総合的な学習関連図書など学習に関連する図書を運搬ケースに入れて配置している。
しかし、学年の方でうまく活用しきれていない場合も多い。司書もそれらの図書の所在を確認した。
できれば、それらの図書も、図書館に集めて、学習する時期に司書が集めるようにしていきたい。
さらに、それらの図書についての情報を集め、リストをつくり、それぞれの学年で学習により活用
しやすいようにしていく予定である。
57
神戸市立伊川谷小学校
読書生活の充実に向けた、読書環境の改善への実践例
~図書室から学校図書館へ~
神戸市立伊川谷小学校
学校長 沖殿 典昭
児童生徒数 1,268名
学級数 39学級
1.取組状況
学校司書が配置され、まず図書館の環境整備から取り組んだ。ブックママに大部分をお願いしてい
た図書の「修理」
「本のコーティング」を昨年度から司書教諭が行えるようにし、今年度は学校司書に
「受入」
「廃棄」
「配架」も徐々に引き継げるよう準備をしている。
(今年度は、PTA文化委員の方々
に夏休み中作業をしていただいた)更に、授業で使用したい図書を各学年・専科で話し合い、今後更
に図書館を活用した授業が活発に展開できるようにした。また、司書教諭と学校司書とで学校図書館
活用年間計画をもとに、学年図書館活用年間計画を進めている。
2.図書室環境整備について
(1)
「〇〇コーナー」の設置
図書館に入って正面の本棚へ「ブックトークで紹介した本コーナー」を、カウンター正面には
「本日の本コーナー」を設置し、本を入れ替えながら展示している。また、
「先生おすすめの本コ
ーナー」では、教職員のおすすめ本を紹介したり、季節に合った本・各教科で今授業をしている
内容に準じた本・新刊本の紹介などを行ったりしている。どちらのコーナーの本も貸出可能で、
特に「先生おすすめの本コーナー」は、貸出中と分かるよう表紙をコピーしたものが貼ってある
ため、返却もしやすい。図書館に入ると、子供たちは進んで「○○コーナー」へ足を運び、図書
館を一周回って見ている姿が見られるようになった。
58
神戸市立伊川谷小学校
(2)読書活動推進
各学年に合わせ、読み聞かせ・ストーリーテリング・ブックトーク・本選び(月ごとにいくつ
かの本をピックアップして、まとめて貸出)等を行い、図書館でなかなか読書の時間を取ること
のできない児童が、読書の楽しさを感じられるように工夫した。まとめて貸出の際は、学級文庫
と混じらないように別のシールを貼って区別している。また、教師がまとめて貸出をするときは、
紙に記録を残し、来年度への参考になるようにした。
(3)ブックママ(ボランティア)との連携
これまでブックママがされていた仕事(本のコーティング、本の修理、配架前のラベル貼り等)
を学校司書が中心に行っていくことで、子供たちの卒業に合わせて人数が減少傾向にあったブッ
クママの負担が減り、気軽に参加できる雰囲気になってきた。
59
神戸市立伊川谷小学校
(4)国語の教科書に載っている本
国語の教科書に紹介されている本が一目でわかるよ
う、背表紙にピンクのラベルプリンターで「教1(教
科書 1 年生)
」などのようにシールを貼り付け、配架し
た。教師も児童も分かるようになったことで、自分た
ちで探すことができ、授業にも役立っている。
(5)公立図書館との連携
授業で使う図書を、公共図書館で団体貸出してもら
ったり、子供たちやブックママの声を拾い、教職員に
本の紹介を行ったりすることができるようになった。
また、本校は明石市立図書館や兵庫県立図書館も近
くにあり、利用している児童が多い。実際足を運んでみると、神戸市立図書館では貸し出し中の
本もたくさん貸出可能な状態で、授業で使うことができ助かった。これからも活用できるよう、
インターネット検索「カーリル」を積極的に使っていきたい。
(6)本棚の後ろに「かまし」を入れた
本の取り扱いについて気になっていた「背表紙の上部を引っ張って取り出す」方法だが、何度
注意をしてもなかなか指導が行き届かず困っていた。そこで、学校司書の提案で、牛乳パックを
使い「かまし」を作ることにした。作業は図書委員会の子供たちが中心となり、委員会活動中に
作った。本棚の後ろに入れたことで、本を押して取ることが自然にできるようになり、指導が楽
になり、本の傷みが減ったように感じられる。
60
神戸市立伊川谷小学校
3.
「学校図書館」へ向けて
(1) 学校図書館活用年間指導計画
全学年の主な年間指導計画は出来上がっているが、教科書が変わることもあり、各学年に合わ
せた指導計画の作成が必要である。司書教諭と学校司書、各学年の図書担当者とで、来年度中に
はだいたいの流れを作っていきたい。
(2) 図書館整備
現在、学級数に対して図書館が 1 つしかないため、利用時間が十分に確保されていない。図書
館に入っても、本を返して借りるだけの時間になってしまっており、落ち着いて本を読む環境で
はないことが毎年反省であがる。この「図書館の利用時間確保」だが、来年度の新校舎竣工にあ
たり、新しく図書室を設置していただけるよう声をかけている。希望が通れば、色々と準備が必
要である。学校全体で取り組みたい。
(3) 課題
学校図書館を活用した授業の指導計画や指導案、学校司書が支援に入る授業の本時のながれな
ど、授業での活用に向けて具体的に進めていきたい。
※学校図書館活用年間計画は、別頁参照
61
神戸市立伊川谷小学校
62
コ ラ ム
・「図書だより」
(図書委員会発行)
(本山中学校)
・「としょしつから…」
(押部谷小学校)
・学校図書館の機能とは
<学校図書館の機能とは>
学校図書館には、子供たちが読書習慣を身に付け、生涯にわたって学び続ける基礎的な力や人
間性を育てるための機能があり、その機能の活用を図ることが求められています。
「読書センター」機能
児童生徒の想像力を培い、学習に対する興味・関心等を呼び起こし、豊かな心を育む、自由
な読書活動や読書指導の場として。
「学習・情報センター」機能
児童生徒の自発的、主体的な学習活動を支援するとともに、情報の収集・選択・活用能力を
育成して、教育課程の展開に寄与する場として。
このほかに、学校図書館には、教職員の授業支援、
「心の居場所」の提供、家庭・地域における
読書活動を支援する役割もあります。
63
神戸市立竹の台小学校
読書を楽しみ、豊かな心を育てる、読書環境の改善への実践例
~図書室から学校図書館へ~
神戸市立竹の台小学校
学校長 光田 多賀子
児童生徒数 374名
学級数 14学級
1.取組状況
学校司書が配置され、学校図書館の環境整備から取り組んでいる。開館時間が増え、室内が日に日
に明るくなることで、来館する児童も増えている。行事や季節に合わせたコーナーも好評で、楽しそ
うに本を手に取る児童も多い。どこに何の本があるかわかりやすくなるよう、図書の分類に合わせた
配架や掲示も工夫されてきて、さらに図書館が動いている感じがする。公立図書館との連携もさらに
密に行えるようになった。学校司書と司書教諭、学級担任とで学校図書館を活用した授業が今後活発
に行えるよう、各学年と教科に合わせた指導を検討し始めたところである。
2.
「読書センター」としての図書館環境整備について
(1)テーマ展示コーナーづくり
①季節ごとや、児童の興味に応じたブックフェア
図書室の入口すぐに行事や季節、また児童の興味に沿ったものを
テーマにした本を集め、展示している。自校の本で足りない場合は、
市立図書館の団体貸出を利用し対応した。ただ本を並べるだけではな
く、一冊ずつ本の紹介ポップをつけたことで、児童が足を止め、手に
取る頻度も上がっている。普段読む本とは違うジャンルの本を知るき
っかけにもなっているようである。
10 月 秋さがし
12 月 クリスマス
11 月 音楽会
11 月 トリックアート
12 月 年末年始の行事
64
1 月 お正月・昔の遊び
神戸市立竹の台小学校
②教科書で紹介されている本や著者にクローズアップした本、課題図書の別置
教科書「本は友達」で紹介されている本や課題図書も点在していたので、一か所に集めてコーナー
を作った。例えば谷川俊太郎のコーナーを作る際には、特集した最近の新聞記事を一緒に掲示するな
ど、目につきやすい工夫をしている。
教科書で紹介されている本
課題図書を集め、
「未読の子は冬休みに
読んでみませんか?」と提案
先生がおはなしシャワーで読み聞かせを
新聞記事とともに紹介している。
された本を集めた。このコーナーは大好評。
5 年生の詩の授業で使う詩集集めも行った。
65
神戸市立竹の台小学校
(2)絵本棚のレイアウト変更
・物置になっていた棚を整備してスペースを増やし、書架に余裕を持たせた。
・本が返しやすく探しやすいように、書名順の大きめのサインを作成した。
・本が奥に引っ込んで暗い&本の傷みを防ぐためにも、牛乳パックで奥行きを詰めるクッションを作
り、手前に揃えた。明るく見やすくなった。
・特に人気があってよく所在を聞かれる本にサインをつけたり、昔話絵本、おはなしの会で読んでも
らった本は別展示したり、目立たせている。
(3)書架移動、分類別に配列
分類と関係ない書架配列がなされていたため、日本十進分類法に
近づけた配置に大移動中である。分類ごとに棚に小見出しサインを
作成し、一目でわかりやすいような仕組みづくりを目指している。
子供たちが本のラベルを見て本をもとにもどせるような書架にし、
一人で本をかえせるようになってほしい。
また、古い情報の載っている本や傷みの激しい本がそのままにな
っていたため、書架移動の都度確認して、抜き取り作業を行ってい
る。
大きめのサイン。近づいたら
表紙を見せて展示すると
書架の上にもおすすめの本。
さらに細かく分類してある。
よく貸し出しされる。
内容のポップもつけている。
66
神戸市立竹の台小学校
3.各学年への授業支援について
(1)3 年生
国語で戦時中のお話を学習している際に、図書の授業中にほかの戦争の絵本の読み聞かせを行った。
「すがたをかえる大豆」の学習時には、自校に大豆の関連本が少なかったため、取り急ぎ市立図書
館で借りて対応した。来年以降に役立たせるため、借りた本の中でもどれが特に参考になったかを先
生に伺い、早速購入計画を立てた。
その他、社会の「昔のくらし」の単元で使う本も依頼中である。
(2)6 年生
修学旅行の関連本を、自校図書館と市立図書館で集めて
貸し出しをした。行き先の歴史や地理の本の他に、事後学習
に使える新聞作りや発表の参考本も集めた。
翌月以降の学校の行事をチェックし、早めに先生へ声をか
けたことで、余裕を持って集められた。学年ルームにスペー
スを設けて置いてもらえたようである。
(3)5 年生
学校と幼稚園の連携、
「豊かな心育成プログラム」で、
5 年生から年長児への絵本の読み聞かせの事前学習とし
て、絵本の選び方のアドバイス、おすすめの絵本の紹介
を行った。
(資料 次ページ)
読み方のポイントなどを簡単に説明し、個々に相談にも
のった。
1 月 22 日に幼稚園児を招き、読み聞かせ会を実施した。
67
神戸市立竹の台小学校
(資料:5年生への配付プリント)
絵本の読み聞かせ
1 どんな本を選ぶ?
絵本に描かれた世界の中に入り込むことができて、一緒に楽しめる絵本
・・・ストーリーがわかりやすい、おもしろい、繰り返しが生かされている
身近に感じられるテーマのもの、絵がイキイキと魅力的、写真もよい
季節や行事に合っている、参加型のもの、など
△難しすぎる話、悲しいお話(戦争、福祉、いじめなど)、
本や絵のサイズにも注意
自分が、ぜひ読んであげたい
と思う本
2 読み方
・本の持ち方とめくり方
横書きの本・・・右手に持つ 縦書きの本・・・左手に持つ
ページをめくる手や腕が、絵の邪魔にならないように
絵本はお話(言葉)と絵、両方を味わうもの。絵を楽しむ余韻をもってめくる
・見せ方
表紙、見返し、裏表紙も見せる
・読み方
心をこめて。劇のように、大げさに声色を変える必要はない。「自然とそうなる」で OK
・読むスピード
ゆっくりめに。話の展開によって、リズミカルに読んだり、間をとったり
3 そのほか
・挨拶や自己紹介
・途中で質問された場合は?
・幼児が知っているお話だった場合は?
一緒にお話を味わうことを通じて、園児との交流、
その「場」を楽しもう♪
小学校や上級生に親しみを感じてもらえたら
いいですね♪
68
神戸市立竹の台小学校
今日紹介した本
あしたのぼくは・・・
(みやにしたつや 作・絵 )
いっぱいやさいさん (まどみちお 文/斉藤恭久
おいしいおと
(三宮麻由子 文/ふくしまあきえ 絵)
からすのたまごにいちゃん
くまさんくまさん
ぐりとぐら
絵)
(あきやまただし 作・絵)
(なかがわりえこ 作/やまわきゆりこ 絵)
(なかがわりえこ 作/やまわきゆりこ 絵)
ぐるんぱのようちえん
(西内ミナミ 作/堀内誠一 絵)
ケーキがやけたら、ね
(ヘレン・オクセンバリー 作 せなあいこ 訳)
三びきのやぎのがらがらどん
十二支のお節料理
ちょっとだけ
(マーシャ・ブラウン 絵/せたていじ 訳)
(川端誠 絵・文)
(瀧村有子 作/鈴木永子 絵)
どこにいるの?シャクトリムシ
とらたとおおゆき
(新開孝 写真・文)
(なかがわりえこ 文/なかがわそうや 絵)
どろんこももんちゃん
(とよたかずひこ 文・絵)
なぞなぞねずみくん
(なかえよしを 作/上野紀子 絵)
ねえ、どれがいい?
(ジョン・バーニンガム 作/まつかわまゆみ 訳)
ハンダのびっくりプレゼント
ひとまねこざる
訳)
(エッチ・エイ・レイ 文・絵/光吉夏弥 訳)
ブレーメンのおんがくたい
ゆきのじょおう
(アイリーン・ブラウン 作/福本友美子
(グリム童話)
(アンデルセン童話)
ほかにも 5.6 歳向けの本はたくさん図書室にあります。
お気に入りの一冊をさがしに、ぜひ図書室にきてください。
69
神戸市立押部谷小学校
読書生活の充実に向けた読書環境の改善への実践例
~学びのために楽しみのために…子供のすぐそばに図書のある学校へ~
神戸市立押部谷小学校
学校長 岡本 玲
児童生徒数 152名
学級数 7学級
1. 取組状況
全校児童152名、各学年が単学級のアットホームな雰囲気の押部谷小学校。これまでも校長室
の前に季節感あふれる植物と共に本が展示されたり、朝会でも本の話が取り上げられたりしてきた。
毎週水曜日の朝には読書タイムに取り組み、低学年には月1回、ボランティアによる読み聞かせも
続けられてきた。小さい頃から「お話を聞くのは好き」に育ってきた子供達である。
学校司書が配置され、この押部谷の素地を生かしつつ、図書室を活性化して子供の学習や心を豊
かにする読書の質を高め、また、多忙な先生方の助けとなるようにと考えている。ゴールや教科書
もなく、手探りで思いついたことから取り組み始めたところである。
2. 図書室はいつでも開いているよ
これまでは「図書の時間」に担任の先生に鍵をあけてもらって月に数回貸し出しをしにくる、ま
たは限られた子供が図書委員会やボランティアが開館したときに立ち寄るのが図書室であったと思
われる。子供達の意識を変え、何か調べたいと思ったり、時間ができたりしたときに「そうだ、図
書室に行ってみよう」と自然に思えるようにしていくために、いろいろな催しを計画していった。
① 10月 「鳴く虫の本を探そう」・・・いつも無
意識に好きな本のコーナーばかりに足が向いて
いたものを、調べ学習の本、詩の本、読み物など
いろいろなジャンルの本のコーナーに目を向けさ
せるねらいで行った。毎日20分休み、昼休みに
開館していることをアピールした。
② 11月 「ミニ絵本を作ろう」
・・・お絵かきや
なぞなぞ、ミニ知識などを印刷したプリントを用
意し子供達が切ったり折ったりして仕上げる。後
半は自分で好きな詩を書き写したり、物語を作っ
て本にしたりする子供達も出てきた。
③ 12月 「クリスマスのお話を読もう」・・・自由に図書室に来ることには抵抗がなくなってき
たが、ここで少し「図書室で本を読む」ことをねらいとし、市立図書館などからも本を集めスタ
ンプラリー形式で実施した。
70
神戸市立押部谷小学校
④ 1月 「お正月・ひつじの出てくるお話を読もう」
「読書ビンゴをしよう」
・・・季節や日本の伝
統行事に触れることのできる本、今年の干支羊にちなんだいろいろなジャンルの本を紹介し、展
示した。また、12月に引き続き、図書室でより多くの本に目を向けることをねらい、学年ごと
の発達段階や学習内容を考慮した「読書ビンゴ」のカードを配布した。図書の時間の読み聞かせ
や本の紹介でも多様な本を選ぶこと
を心掛け、子供達には3学期の間じ
っくり取り組んでもらいたいと考え
た。
初めのうちは学校司書に「先生、明日も開いてる?」
「20分休みでもいいの?」と聞いていた
子供達が好きな時に催しを楽しみに来るようになり、週
に2回以上貸し出しにも来るようになってきている。
本の貸し出し・返却に来る、休み時間に楽しいことを
見つけに来ることから、今後は担任との連絡を密にし、
授業中にも何か調べたいことが出てきたときに「ちょっ
と図書室に行って調べてこよう」ということができるよ
うになればと思う。
3. 使いやすい図書室への環境整備
図書室前の廊下に掲示物で季節感を出したり、紹介したい本を展示したり、
『子どものカレンダー
きょうは何の日』をネタに、毎日話題を提供したりして子供達の興味を引き、常にドアを開けて入
室しやすいようにしている。
蔵書数は足りているものの、書架にぎっしり詰まり、背が日に焼けてしまっていたり資料が古い
ものが置かれていたりして、なかなか有効に活用されていないのが実情である。学校図書館図書標
準冊数を維持しながら古い本、複数冊あるがそれほど利用されない本を選び出して廃棄し、空いた
スペースに本を面出しして展示している。国語の学習で読んだ作品と作者が同じものや人気のシリ
ーズの本はまとめておくようにしている。子供の成長に伴って今後中学校図書館、公共図書館の利
用へとスムーズに移行できるように、書架は分類番号順に左から右、上から下への原則に準じるこ
とができるように並べ替えを行った。本を探したり返したりするときにわかりやすいように、書架
へのサインが必要である。限られた予算の中で読書・学習に役に立つ本を選ぶことが求められる。
71
神戸市立押部谷小学校
4. 本となかよし
「図書の時間」として学級で図書室を利用する時には、学校司書が数冊の本の読み聞かせ、教科
書で紹介されている本や、季節や学校行事などに合わせた本の紹介をしている。子供が知っている
本、好きな本には限りがあるので、大人がその扉を開いてやらなければならないと考えている。こ
れからさらに書架の中のスペースや企画で展示している本
に書店のポップのような紹介文をつけ、いろいろなジャン
ルの本を積極的に紹介していきたい。高学年から低学年
へ、また、友達同士での本の紹介もし合って本を通じた
つながりができるように支援していきたいと考えている。
5. 授業に活用できる図書を
10月、学校司書が着任して、各学年の学習予定表をもとに、学校司書から「学習支援できそう
なこと(2学期後半分)
」を提案した。各学年からの要望をもとに図書室の本をピックアップしたり、
西図書館からのテーマ本貸し出しを行ったりして、授業に活用しようとしている。
① 1年生 国語「じどう車くらべ」
・・・図書室から14冊
西図書館から2冊
生活「あきのおもちゃだいしゅうごう」
・・・図書室から3冊
西図書館から23冊
② 2年生 国語「わたしはおねえさん」関連読書・・・ 図書室から15冊
西図書館から47冊
③ 3年生 国語「ちいちゃんのかげおくり」関連読書・・・図書室から15冊
④ 4年生 国語「仕事リーフレットを作ろう」
・・・西図書館から25冊
総合「バリアフリー体験」
・・・図書室から52冊
⑤ 5年生 総合「住みやすい地球、きれいな地球を保つために(環境問題を考えて)」
・・・図書室から50冊
西図書館から50冊
⑥ 6年生 国語「やまなし」関連読書・・・図書室から30冊
総合「修学旅行・平和学習」・・・図書室から36冊
3学期分については2学期末に提案し、順次各学年と内容を打
ち合わせているところである。
72
神戸市立押部谷小学校
利用した学年の子供・先生から「ひとりで何冊もの本を見比べることができてよかった。」
「たく
さんの本の中から調べたいことに合った本を選ぶことができた。」「同じ作者の作品を、興味を持っ
て読むことができた。
」
「図表や写真の多い本が見やすい。」
などの声が届いている。来年度以降の本校の選書に役立
てたい。また、たくさんの本の中から自分にとって必要
な本、書かれている箇所を効率よく見つけ出すことがで
きるように目次や索引の使い方など、本の利用の仕方の
学習も積み重ねていく必要があると感じている。
6. 市立図書館の協力を得て
前述のように、関連読書や調べ学習、クリスマスの企画のために西図書館からの団体貸し出しで
協力を得た。今回利用が終わっただけでなく、残されたブックリストと利用した学年の声は次へと
つながる貴重な資料となった。
司書連絡会での本の修理についての研修は今後いつでも活用できることであるし、市立図書館で
の展示の仕方やサインの仕様はその都度たいへん参考になるものである。学年や委員会の子供達の
活動にも協力が得られることを知り、今後の可能性を探っている。
そして、子供達の読書環境を整える意味からも、市立図書館との連携の意味からも、本校図書室
のコンピューター管理の必要性を感じる。
73
神戸市立本山中学校
読書生活の充実に向けた、読書環境の改善への実践例
~図書室から学校図書館への大改造計画~
神戸市立本山中学校
学校長 常森 一裕
児童生徒数773名
学級数22学級
1.取組状況
学校司書が配置され、まずは学校図書館の環境整備に取り組んでいる。雰囲気が柔らかくなり、本
の配置がわかりやすくなったことで、来館者数や貸し出し冊数も増加の傾向が顕著である。また、国
語の授業の中で、学校司書に生徒へのブックトークを行ってもらったことも読書への誘いになってい
る。選書も案を出してもらって決定している。司書教諭と学校司書で生徒の読書生活の充実に向けた
読書環境の改善に取り組み始めたところである。
2.「読書センター」としての図書館環境整備について
(1)季節に合わせた、いろいろなコーナーを設置
図書館に入ったところや窓際などのよく目につくところにテーマに合わせた本を並べ、ポップを
作って、新刊本やお勧めの本の紹介を行った。
① しし座流星群、クリスマス、衆議院選挙、震災関連
②
キャラクターもの、映像になったもののコーナー展示
74
神戸市立本山中学校
(2)図書館のムードを変える工夫
①
ぬいぐるみやモビール、ポップの導入
はりねずみのぬいぐるみを置き、名前を公募し、
「はりすけ」に決まった。本校図書館の新しいキ
ャラクターとなり、生徒もかわいがっている。
(3)本の並び替え
今までは、900番台の文学がファンタジーとかミステリーなどジャンルで分かれており、探し
にくい生徒もいたが、全て分類番号順となり、913などは作者の50音順になったので、とても
分かりやすくなった。その作業を学校司書が、少しずつ開館しながら行ってくれて助かった。
3.学校司書による授業支援
(1)2年生の読書の授業でのブックトーク
2年生が1時間読書ノートを持たせて読書の授業をするときに、授業の最初に学校司書からブッ
クトークを行っていろいろな本の存在を知ってから、生徒自身に本を選ばせ、読書に移った。
① 『夢を持ってはいけません』 佐々木 宏 著
② 『種子たちの知恵』
多田 多恵子 著
国土社
NHK出版
③ 『よんだ100人の気持ちがよくわかる百人一首』
柏野 和佳子 著
実業之日本社
(2)総合の時間への本を準備
神戸や京都、長崎の地域調べ学習に向けて、必要な本をそろえる取り組み中。
4.選書について
学校司書が、図書館内の本を把握し、シリーズで抜けがあったり、古くなって買い換えたほうが
よいものを見つけたり、ジャンル的に不十分な部分を補ったりする選書を行っている。司書教諭に
比べ、時間があるので、多くのことを手伝ってくれたり提案してくれたりするのは有難い。貸し出
し冊数の増加にもつながっている。
5.今後の取り組み
(1)3月にある読書集会の企画運営
例年、放送による全校読書会を行ってきたが、今年は学校司書の提案による劇仕立てのブックト
ークを読書集会の形で取り組む。学校司書にはブックトークの指導支援を予定している。
(2)定期的な司書だよりの発行
12月に図書だよりの裏を使って司書だよりを発行している。それを定期的に行い生徒への発信
の場を確保したい。
75
神戸市立上野中学校
生徒が来たくなる学校図書館への歩み、初めの一歩
~確かな図書室の開館を目指して~
神戸市立上野中学校
学校長 伊藤 理秀
児童生徒数 513名
学級数 17学級
1.取組状況
学校司書が配置されてから、ほぼ毎日、昼休みと放課後の開館が可能になった。それまでは、開館
が不定期であり、ボランティアさんなどにもお願いしていたが、予定通りにいかないことも多く、
「毎
日、開館」を目指すものの、実行には程遠い状況であった。
「生徒が来たくなるような学校図書館」を
めざし、その「初めの一歩」として、まずは「毎日、開館」が実現化した。また、徐々に図書室内が
整備され、生徒たちも掲示や展示を楽しみに来館するようになったところである。
2.
「毎日、開館」の成果
(1)図書委員の活動が活発化
毎日、定期的に図書室が開館できるようになり、図書委員の当番活動も安定して行えるようにな
った。その結果、委員会活動が活発化し、「読書週間行事」(10月中旬から11月中旬まで)とし
て行った「先生方の勧める本」では、それぞれの本をコメント付きで展示したり、ポスターで掲示
したりできた。ポスターを見た生徒が「あの本はどこにありますか?」と尋ねてくるようになった。
(2)入館者数、貸出冊数の変化
入館者数、貸出冊数が飛躍的に伸びている。年度当初の4月には開館日数がわずか9日(開館率
64%:春休み始業式等を除く実質14日中)で入館者数は72人(授業での利用を除く、以下同
じ)であったが、12月の時点では、開館が16日(開館率98%:冬休み終業式等を除く実質1
7日中)
、入館者数は290人となっている。また、貸出冊数は、4月は45冊だったが、12月に
は231冊と大幅に伸びている。(下表参照:10月は読書週間行事で入館者数が多かった)
月
4月
5月
6月
7月
9月
10月
11月
12月
開館日数
9
16
17
9
14
16
14
16
開館率
64
88
94
69
82
89
93
98
入館者数
72
276
236
179
251
380
220
290
貸出冊数
45
76
72
74
28
102
73
231
76
神戸市立上野中学校
3.
「生徒が来たくなる図書室」へ
(1)テーマを決めた展示
時節に合わせたテーマに沿って、図書室内の本を展示している。生徒は、限られた時間内で集め
られた図書を効率的に見ることができるため、このコーナーに関心を持って眺めたり、手に取った
りしている。
テーマの例
・ぐっとくる本のフレーズ
・クリスマスにちなんだ本
・季節の本(秋)
・お正月
・百人一首
(2)おすすめコメントや分類表示の整備
新刊が入ったときに、これまでもポスターなどを委員が書いていたが、時間的に遅くなりがちであ
った。学校司書は、素早く対応できるので、生徒に新刊の情報やおすすめのポイントをすぐに知らせ
ることができ、好評である。また、人気のある「スポーツコーナー」が整理しやすいよう、細かな分
類表示をするなど、生徒が見やすくなるように整備が進んでいる。
(3)楽しい飾りつけ
生徒たちも教師も通りがかりに思わず入って
みたくなるような効果的な飾りつけをし、図書
室への関心が高まっている。
77
神戸市立筒井台中学校
豊かな心を育てる学びの広場としての学校図書館
~新しい学校図書館の創造に向けて~
神戸市立筒井台中学校
学校長 大谷 真一
児童生徒数 214名
学級数 7学級
1.取組状況
学校司書が配置されたことで、最初に大きく二つのことに取り組んだ。一つは学校図書の選書であ
る。従来、事務処理の煩雑さから、そのほとんどを TRC(図書館流通センター)に図書購入をゆだね
ていたが、学校司書が配置されたことにより、TRC 以外からも様々な幅広いジャンルの図書を購入す
るようになった。二つ目は図書室の環境整備である。新刊図書の案内や NDC の説明などを、生徒にわ
かりやすく解説したコーナー等を新しく設置。これにより、生徒の図書室への興味が大幅にアップし
た。その他、廃棄図書の選定、背ラベルの貼り替え等、図書館担当教師が日常の校務と併行していて
はとても手が回らないことに、精力的に取り組んでいる。
2.様変わりした図書室
(1)来館人数の増加
9 月の来館人数が一日平均 8 人であったのに対し
図書室入り口
て、
10 月は 15 人にのびた。
さらに図書室の整備が進んだ 11 月では 18 人に、
12 月では 20 人をこえ、30 人に及びそうな状況である。10・11 月は比較的晴天が多かったので、雨天
が続いた場合は、さらにこの人数の伸びが予想される。
(2)新刊紹介コーナー
10 月に着任して以来、一番多く時間をかけたのが「新刊図書コーナー」の
新設である。廊下に面した掲示板に新刊の案内を出し、図書室の一角にコー
ナーを設置した。来室して一番にこのコーナーに足を運ぶ生徒も多く、生徒
の読書意欲の向上に貢献しているように思われる。
図書室内新着コーナー
(3)寄贈本コーナー
いろいろな方から寄贈された図書がたくさんあったので「寄贈本コーナー」を設置。これにより生
徒たちは、多くの方たちから応援されているということを自覚し
て、読書意欲も促進された。
ラベルを変更
(4)背ラベルの変更
NDC が記されている背ラベルの著者の欄が、今まではアルフ
ァベットで記載されていた。学校司書の裁量で、それをカタカナ
に変更。生徒が本を探す際の検索スピードが大幅に向上した。
3.生徒主体の取組への後方支援(読書イベント)
(1)秋の読書祭り
「秋の読書祭り」として読書イベントを生徒会・図書委員会主催
で実施した。内容は、図書委員が選定した図書を、題名を隠して
お昼の放送で案内、興味を持った生徒が昼休みに図書室に来て、ヒントを頼りに、
78
神戸市立筒井台中学校
その本を探すというものである。(例;『サラダ記念日』なら「題名にサラダがつきます。女流歌人の
歌集で、2 年生の教科書にも載っています」と放送する。)これにより、図書室に足を運ぶ生徒が大幅
に増えた。
ヒントをたよりに本を探す生徒
(2)学校司書による後方支援
学校司書は(1)の後方支援として、以下のようなことを行った。
①紹介する本の選定;生徒のみで選定すると、どうしても本の種類がか
たよりがちになる。文学作品を中心に、中学生が幅広い関心を図書に持
つような選定の指導をした。
②放送で紹介するポイントの指導;書名はもちろん伏せるが、ある程度のヒントを与えて、生徒が意
欲的に参加するように紹介ポイントを工夫する必要がある。その指導を行った。
③来室した生徒への声かけ;本を探す生徒に声をかけ、生徒が意欲的に本を探せるようにする。また、
問題の本だけでなく、そこから派生して様々な本に興味を持つような働きかけを行う。
4.新図書室開設に伴う図書室利用及び読書指導
本校は平成 26 年度第 3 学期(平成 27 年 1 月)より、新校舎へと移転する。当然、図書室も新しく
なり、生徒も新図書室を使用するようになる。それに伴い、学校司書を中心に、生徒に対して以下の
ような指導を行う予定である。
(1)NDC について
図書の背ラベルに記載されている番号や文字の意味を説明。これを理解することで、図書探しのス
ピードが大幅にアップすることを指導する。
(2)書架の配置について
新しい図書室での書架がどのように並べられているかを指導。これを把握することで、次々と発展
的な読書ができるようにしたい。
(3)図書の借り方について
図書カウンターのあり方や、借り方について指導した。3 年生でも、中学
校時代に 1 冊も本を借りたことがない生徒もいて、十分な指導の必要性があ
カウンターに貸出・返却方法を掲示
る。
(4)読書について
いくら立派な図書室があり、その図書室のあり方を理解しても、読書に興味を持たせることができ
なければ意味がない。本を読むことの大切さやおもしろさを指導する。また、図書委員経験者に体験
を発表させたい。
5.まとめ
学校司書が配置されたことで、学校図書館が大きく様変わりした。学校司書の読書活動・図書知識
に関する指示やアドバイスは、生徒の読書意識や図書に関する興味関心を飛躍的に向上させた。本の
展示や配置換えにより視覚的にも蔵書が非常に見やすくなり、生徒から図書室が「きれいになった」
「明
るくなった」との声があがった。来館者も 15 人~20 人以上の伸びをみせ、それに伴い貸し出し冊数
も 1 日平均 5 冊以上伸びが出た。
「図書室に専属の司書がいる」という状況は生徒にとってよい効果を
79
神戸市立筒井台中学校
もたらしている。
平成 27 年 1 月 15 日に新しい図書室が開館した。これは、生徒の読書意欲を促進させるためには、
絶好の機会である。これを逃さずに、学校司書・図書館担当教諭をはじめ全職員で、考えられること
を次々と取り組んでいきたい。早速、1 年、2 年の授業で新しい図書室のオリエンテーションを行い、
図書室の使い方、書架配置、分類についての説明を行った。その結果、次の開館日から、これまで利
用率の低かった 2 年生の来館が増え、新しく貸出カードを作る生徒や図書室で読書を楽しむ生徒が増
えた。来年度は具体的な図書室年間使用計画や指導計画も策定し、豊かな心を育てる学びの広場とし
ての学校図書館を開設したい。
新しい図書室
オリエンテーションの授業風景
80
コ ラ ム
・「職業しらべ」の本リスト(唐櫃中学校)
・教員むけ「学校図書館リクエストカード」
(見本)
・学校図書館を活用した授業
<学校図書館を活用した授業>
子供たちが日常的に読書に親しむため、目的に応じた多様な読書の指導が必要です。また、
各教科等の学習のねらいを達成するための言語活動の充実や、課題解決型学習の展開などで、
学校図書館の様々な資料が役立ちます。
学校図書館を活用することを通して、
「資料を探す」
「必要な情報を読み取って引用する」
「文
章や図表にまとめる」「出典を記す」など、課題解決の過程で必要な力が身に付くよう指導し
ていくことが大切です。
調べ学習に役立つ本
課題の設定
引用・要約
本の探し方
情報モラル
81
出典を記す
目次や索引について
神戸市立夢野中学校
校舎移転による図書室の再出発と今後の課題
神戸市立夢野中学校
学校長 笹 信隆
児童生徒数 338名
学級数 10学級
1.取組状況
夢野中学校は、平成25年3月に熊野町から現在の鵯越町へ移転した。移転直後は校舎内の整備を
はじめ教職員の異動や新年度準備で図書室まで手が回らず、段ボールに詰められた図書がおかれてい
る状況であった。その後、図書委員会を中心に段ボールの開封作業を行い、書架に図書を並べること
ができた。しかし、新校舎になったことで勝手が変わったことや、前年度までを知る図書館担当職員
が不在であることから、一からルールを決めていく必要があり閉館状態が続いていた。その後、図書
館担当職員を中心に利用方法やルールを作成し、共通理解を図った。生徒指導上の問題や監督職員数
の問題から放課後の開放や他学年同時利用は厳しいとの意見があり、各学年1週間に1回、指定され
た曜日の昼休み10分間を利用して開館することになった。ただし、開館の可否は学年に委ねられて
おり、定期的な開放は厳しいのが現状である。館内整備も不十分であり、学校図書館について知識・
経験のない者が担当しているため、まずは館内整備と改良を目指し、学校司書の配置を希望した。
10月より学校司書が配置され、まずは開館ができるように館内
整備をすることから始めた。生徒が並べた図書を更に細かく分類し、
配架していく作業を行った。トライやるウィークや図書委員会など
生徒の力も借りながら環境整備を進め、冬休み前には全学年で開館
日を設定し、貸し出しを行うことができた。生徒の中には、以前の
図書室と雰囲気が異なることに気づき、開館日の拡大を楽しみにし
ている者もいる。
今後は各教科の授業でも気軽に利用ができるよう配慮し、定期的な開館を目指したい。また、書架
や机の配置を工夫し、読書しやすい環境整備へと手を広げていきたい。
2.
図書の整備
図書委員の生徒がなんとなく NDC の番号別に集めていた資料を、NDC に沿って配架し直す作業を
中心に進めている。図書台帳も引き継がれておらず、TRC(図書館流通センター)の図書購入記録との照
合も必要な状態である。また、古い百科事典をはじめ、明らかに廃棄できる資料を廃棄処分(原簿が
散逸しているため廃棄簿を作成)した。そして、整備中でも一部開館ができるように比較的新しい資
料や目に入りやすい図鑑などを入口付近の書架に分類別に配架した。
整備を進める中で、新規購入図書については、教科ごとに職員に
カタログを回覧し、購入希望をとった。新刊は、ブックトラックに
載せて職員室内に展示し、まずは職員が手にとれるようにした。古
い資料が多かった4類については、今後も蔵書構成を考えながら増
やしていきたい。
3.
一時開館に向けて
冬休み用の図書貸し出しのため一時開館ができるよう館内のサインなどを作成した。NDC 別に色分
けし、書架にも分類の見出しを付けることで、図書の所在を分かりやすくした。9類は著者別に配架
82
神戸市立夢野中学校
するだけでなく、シリーズ物や原作コーナーなどを作り、所々に本の紹介文を付けるなど、利用者が
本を手に取るきっかけになるように工夫した。
配架を進める中で、平和学習用の資料や郷土資料、震災関連資料、
国語の教科書に紹介されている本などは別置してコーナーを作り、
防災学習や職員の教材研究に役立ててもらえるよう工夫を試みた。
その結果、職員にとって図書室利用の幅が広がるとともに、生徒
への図書提供へと繋がり、冬休み前には、各学年で冬休みの図書貸
し出しを実施することができた。また、その際には新刊本も一部紹
介することができた。
4.
資料の利用につなげるために
今年度は、阪神・淡路大震災から20年という節目の年であり、1月の学校公開時には防災学習が
行われた。事前に、震災関連資料のリストを作成し、職員室内でブックトラックを利用して関係資料
を並べ、誰もが利用可能な状態にしておいた。なかには、その中から実際に教室資料を運んで、生徒
が気軽に手にとれるようにしたクラスもあった。
これまで図書室の資料の授業利用は積極的に行われておらず、職員も図書室にどのような資料があ
るかを把握できていない状況である。そのため、今後も各教科担当と連携を取りながら、授業で取り
扱えるような資料のリストアップや紹介をしていきたい。
5.
図書室を知ってもらうために
図書室は、全校生徒がいつも通る動線上になく、一部の生徒に限られる。そのため、校内では生徒
の通り道になる階段掲示板に、図書館ニュース(少年写真新聞)や新刊案内ポスターなどを掲示した。
図書室前の廊下には館内の資料の背表紙を使って NDC に沿って配架されていることなどを紹介した。
さらに1月の学校便りに図書室の現在の様子が掲載され、保護者
や地域の方にも図書室が変わりつつある様子を知ってもらう機会
を得た。
閉館状態が続き利用機会が少ないためか、生徒の利用態度やマ
ナー意識も不足気味と感じられるため、今後は館内利用における
指導や、図書室が生徒にとっても職員にとっても身近に感じられ
るよう、図書便りなども発行していきたい。
6.
今後の課題
図書室は整備をすることによって、機能的には開館できる状態になっている。ただ職員間に、生徒指
導上の理由から常時開館することや全学年同時利用に対して躊躇いがあることは確かである。その意識
改革や協力体制は学校全体として検討していく必要がある。そして図書室の開館を心待ちにしている生
徒への存在に目を向けるように促していきたい。また、長い間整備されていない「開かずの間(書庫)」
となっていたために、生徒だけでなく職員にも図書室の存在感は薄く、どんな資料があるのかもよく知
られていなかった。そこで蔵書購入や資料の紹介などを工夫し、活用しやすい図書室を目指したい。
来る新学期には早い段階で館内の利用指導を行い、まずは読書センターとしての図書室利用を増やし
たい。そして、将来的には調べ学習や情報センターとしての機能を果たす図書館を目指したい。
83
神戸市立星和台中学校
ししょ
学校司書の専門力を最大限に生かした学校図書館活性化への実践例
~教育活動全体に学校図書館を活用して~
神戸市立星和台中学校
学校長 庄治 吉徳
児童生徒数 328名
学級数 10学級
1.取組状況
学校司書が配置され、まずは学校図書館の環境整備から取り組んだ。NDC(日本十進分類法)に従
った配架を行い、所蔵図書の確認と並行しながらの廃棄基準に従った図書の廃棄を進めることで、
所蔵図書の内容充実と鮮度を上げ、授業で使える資料の蔵書と生徒の読書に対する関心を高めるこ
とにつなげたいと考えている。また、新刊の受入れ案内や季節・テーマ展示など、短い開館時間の
中で生徒が読み物以外の本にも関心を持てるよう働きかけを継続したい。
2.図書館環境整備
(1)蔵書の見直し
蔵書量だけでなく学習内容として使えるもの、「手に取ってみよう」
という気持ちの持てる本が書架にあるよう蔵書確認、廃棄を進めた。
①社会情勢や技術分野で内容が伴わなくなった図書の廃棄
図書館入口の季節を感じる掲示
②損傷の程度、受入れ後の年数と貸出し状況から判断しての廃棄
③蔵書配分比率に照らし合せ、廃棄や不足している分類の補充のための選書
(2)本の探しやすい図書館をめざして
本についている番号が何を意味するのか、またどこに何の本があるのか生徒が自分で関心のあ
る本を探せるように館内のサイン等を作成した。
① NDC(日本十進分類法)の数字と表す内容の掲示
② NDC に従った配架と書架に綱目別(分類によっては要目まで)のサインを作成
(3)季節感のある掲示と本の紹介
図書館入口の掲示板等を利用し、学校行事や季節にあった本やテーマ本など、いろいろなジャ
ンルの本を紹介できるように工夫した。
① 宇宙教育講演会・皆既月食にあわせた月面クイズと「宇宙」をテーマにした本の紹介
② 平和学習にあわせ、使った資料の掲示と「戦争」をテーマにした本の紹介
③ 12月は「今日は何の日」のアドベントカレンダーを掲示し、館内にその日に関係のある本
を紹介
④ 新刊図書や受入をはじめた雑誌の紹介を生徒のよく利用する階段、昇降口に掲示することで、
来館する生徒が増えるよう工夫
(4)今後の取組
図書館内で閲覧する生徒は以前より多く見られるようになり、分類のサインを見て「こんな本
があった」という声も聞かれた。今後も来館が貸出しにつながるよう展示や案内の工夫をしたい。
① 図書館内のレイアウト変更(学習スペースと読書コーナーに分け、くつろげる場の提供)
② 蔵書配分比率にあわせた選書と受入れ
③ 面だしの配架や POP カードを利用しての図書案内
④ 学校のホームページに新刊案内や司書だよりを掲載し、学校司書の活動内容を情報発信
84
神戸市立星和台中学校
3.教育活動の中核となる学校図書館
(1)授業づくりと防災・平和学習支援
①11月の全校読書会に合わせ、図書館内の資料を使い準備・作成を行った。読書資料として、
「凧になったお母さん」
(野坂昭如著)の冊子資料の作成と、資料添付を行った。また、全校
読書会に合わせ、図書館内に「戦争」に関する本の案内を行った。
②阪神・淡路大震災 20 年にあたり、防災学習の一環として2学年ホームルームの時間に教室へ
出向き、防災に関する絵本『やくそくするね』の読み聞かせを行った。
③2学年平和学習では、国語科教諭と司書とで授業を行った。兵庫県副読本「心かがやく」の
中から「手塚作品を貫くもの」という資料を学び、実際の手塚作品を手に取って調べ学習をし、
平和学習の一環とした。調べ学習の場面では司書がレファレンスをし、授業の終わりには、太
平洋戦争末期の特攻隊を題材にした絵本『ほたる』を司書が読み聞かせして余韻を残す授業と
なった。館内には戦後70年をテーマに戦争に関する展示コーナーを設けている。
(2)図書館の利用案内
来館のない生徒や職員に図書館の資料や利用のしかたを案内した。
①毎月、職員向け及び生徒向けの司書だよりを作成し、図書館で司書が活
動している内容や NDC の説明、利用の仕方、読書に関係する内容などを案
内した。
②館内に貸出し方法の変更案内を掲示した。個人情報保護のため、1月の
新委員会発足に合わせ、図書館の貸出し方法を変更した。
(3)文化祭での学校支援ボランティアとの協働イベント
文化祭での図書館イベントの様子
2年前から、学校支援ボランティアにより図書館の整備や廃
棄は進められてきていたが、司書が入ってからは連絡がスムー
ズに行われるようになった。
①月に1回(主に第3火曜日)
、主に書架整理・廃棄などの協
働作業を行っている。
②文化祭では図書館イベントとして、ブックカバーを再利用した「エコバック作り」を開催し
た。制作の準備としてボランティアと実際にエコバックを作り見本として利用した。文化祭当
日は、定員を制限していたこともあり、後半には断らなければならないほど好評だった。
(4)今後の取組
図書館の資料を学校教育の色々な場面で活用できるよう整備を進めるとともに、将来的な高
校・大学・公共図書館の利用へと繋げるよう図書館の利用教育を継続して行いたい。
①公共図書館との連携
②学習指導要領にあわせた資料の充実と教科担任への働きかけ
③読書ノート・読書通帳・読書マラソンなど興味関心をもって読書に取り組めるような読書活
動への喚起
④図書館を利用することを通じて、図書館内での態度・返却期限・借りた図書の扱い方など社
会的基本的マナーの確立
⑤来館を促すための図書館でのイベント開催
⑥学校支援ボランティアと、無理のない範囲での継続的な協働作業を行う。
85
神戸市立唐櫃中学校
唐櫃中学校図書館改造計画
~使える図書館、魅力ある図書館へ~
神戸市立唐櫃中学校
学校長 東 茂樹
生徒数 216名
学級数 8学級
1.取組状況
10月から学校司書が配属された。着任以降、図書館の整備、本の整理、生徒が興味を持つような
本の購入等、
「使える図書館」
「魅力ある図書館」を目指して日々取り組んでいる。現在のところ、貸
出数の大幅な増加等、数字的に顕著な面は見られないが、生徒たちからは「図書館の雰囲気が良くな
り、入りやすくなった」
「毎日開館するようになったので本が借りやすくなった」等の感想が聞かれた。
今後、読書に親しむ生徒が一人でも多く増え、心豊かに成長してくれることを願い、司書教諭と学校
司書の連携を深めるのみでなく、学校全体の取り組みとして、図書館教育を推進していきたいと考え
ている。
2.使える図書館への改造
(1)図書館の大掃除
小規模校ということで、掃除が週に2日程度しかでき
ていなかったこともあり、これまで掃除が行き届いてい
なかった面もあった。司書による大掃除とともに、開館
も毎日になったので、掃除も毎日できるよう、当番を割
り当てた。
(2)利用頻度の少ない図書、利用価値の低い図書の抜き出し
ほとんど貸し出されていない本や、かなり古く利用価
値の低い本も多数あったので、抜き出して別室に一時保
管している。
(3)蔵書すべての分類見直し作業
分類が正確にできない本が多数あったので、蔵書すべてを再度見直し、分類別に置きなおし
ている。
(4)フィルムコーティング作業
傷んでいる本も多数あり、今後のことも踏まえ、フィ
ルムコーティングをし、本を保護している。
(5)本の分け方(日本十進分類法)の大型掲示物の作成
分類法について理解できていない生徒も多くいたの
で、来館した生徒が見やすく理解しやすい大型の掲示物
にして図書館内に掲示している。
86
神戸市立唐櫃中学校
3.学習情報センターとしての機能の充実
(1)調べ学習用の図書を購入し、授業で活用できるよう準備
調べ学習で使用できる本が非常に少ない状態であったので、新たに購入し、授業で使えるよ
うにした。
(2)教科担任に調べ学習で使用する本の希望調査
調べ学習で使用する本を購入する際、教科担任等に希望調査をして、購入の参考にした。
(3)単元別参考図書目録の作成と配布(国語科、職業調べ等)
各教科や総合的な学習の時間に調べ学習を行う際、目的の本が探しやすいように、目録を作
成し、関係教員に配布した。
4.読書センターとしての機能の充実
(1)生徒からのリクエスト
生徒たちにとって、読みたい本がある魅力ある蔵書にするた
め、生徒からのリクエストを募り、蔵書に加えた。
(2)広報活動の充実
「図書館に行ってみたい」
「この本を借りて読みたい」等、生
徒が積極的に図書館に行きたい気持ちになれるよう、図書館だ
よりや掲示物、展示物などを多数作成し、広報活動の充実を図
った。
(3)図書委員会活動の活性化
図書委員会が中心となって「おすすめの本のコーナー」を図
書館内に作ったり、おすすめの本を載せた「図書委員会だより」
や「ポスター」
を作成して全校生徒に配布したり掲示をする等、
図書委員会の活動を活性化していった。
5.成果と課題
約4か月間、図書館の環境整備、広報活動を中心に取り組んで
きた。これまでは週に2回、昼休みだけの開館であったが、学校
司書の着任後は毎日の昼休みに加え、放課後の約 1 時間程度の開
館もできるようになった。図書館担当の教員だけではこのような
取り組みはできなかったことである。
「授業で使える図書館」「魅力ある図書館」にするために、蔵
書や机、椅子などのレイアウトの変更を来年度の夏頃をめどに行
いたいと考えている。
87
神戸市立駒ケ林中学校
学校図書館を基幹とした読書環境改善の実践例
〜生徒が読書に親しむ環境作りを目指して〜
神戸市立駒ケ林中学校
学校長 菊井 正春
児童生徒数 205名
学級数 8学級
1.取組状況
学校図書館の整備と図書館利用指導を中心に生徒が読書に親しむ環境整備に取り組んでいる。学校司
書が配置され、常に人のいる図書館が実現した。館内整備が進み、図書館行事や生徒会文化委員会の活
動も活性化している。学級文庫の設置も実現した。朝の読書に積極的に取り組む生徒、図書室の利用者、
貸出冊数も順調に増加している。今後は授業での調べ学習に役立てられるよう、公共図書館の団体貸出
サービス、テーマ本集めも利用していく予定である。
2.学校司書の活動
(1)館内整備
①廃棄図書の選定、書架の整理、配架の工夫
古い本、複数冊ある本を書架から抜き、残った本を分類番号順に配架した。書架にゆとりができ、
整備が行き届いてきた。書架には分類番号のサインやテープを貼り、わかりやすくした。書架の空
いた部分はブックスタンドを置き、図書の表紙を前面に出して配架した。また、おすすめの本には
ポップをつけた。テーブルにもポップ付きで何冊か本を置いた。
成果:目を引く部分が増えたこともあり、本を探しやすくなってきた。本棚に立ててあっただけの
本が、展示の工夫によって生徒の目に触れ、手に取りやすくなった。
② 掲示物の工夫
季節感のある掲示物や、新聞記事、クイズを扉や掲示板に貼った。
成果:生徒にとって居心地よく、気軽に知識も得られるという効果があった。
③ 特集コーナー
10月までは新刊図書を並べる程度であった。時事や学校行事に合わせた内容や、生徒の要望にも
応えながら、
「ノーベル賞」
「英書」
「映像化された本」
「ミステリー」
「題名に数字の入った本」など
興味を引く特集コーナーを設置した。
「クリスマス特集」では大型美術本を開いて展示した。
「阪神・
淡路大震災、東日本大震災関連、防災特集」では、図書の他に、本校の卒業文集や被災者の手記、
写真集、震災当時の校区の写真のパネル展示なども行った。
成果:特集コーナーでは、利用されていなかった多くの本を展示するこ
とができた。特に、大型美術本の展示は多くの生徒が立ち止まって興味
深く見ていた。
(2)図書館行事
①読書週間
・読書の実…クラスごとにブドウ、柿、栗の木の掲示物を作り、貸出冊数の分だけクラスの木に実を
増やした。貸出冊数も、一人2冊。2 週間貸出にした。
・図書館クイズ…館内にクイズを掲示、館内の図書で答えを調べて答えていく。全問正解した生徒は
88
神戸市立駒ケ林中学校
昼の放送で発表、司書手作りのしおりなどの賞品を渡した。
・毎日朝の読書…1,2年は週に 1 回の朝の読書を毎日にした。
②おみくじ
・一人一回。中吉は 2 冊、大吉は 3 冊借りられる券を司書からもらえる。
成果:図書館行事はここ数年行っていなかったので、生徒にとっては新鮮
で、多くの来館者があり、本に親しむ習慣をつけるきっかけになった。
3.司書教諭・図書館担当の活動
(1)文化委員会の運営
・文化委員長が昼食時に文化委員おすすめの本を放送した。
・生徒、担任の先生のおすすめの本のポスターを作成させ、全校生が登下
校時に通る職員室前に掲示した。
成果:放送やポスターで興味を持った本を図書館に探しに来る生徒が増えた。
(2)学級文庫の設置
・1・2年生の教室に学級文庫を置き、朝読の手助けにした。図書館に複数冊ある本などを学級文庫
として利用した。本の整理が進んでいるので、学級文庫の選定がしやすく、読まれていなかった本
が生徒の手元に届くようになった。
成果:朝の読書の本に困っていた生徒が、本を選びやすくなった。
(3)朝の読書
1 学期はなかなか定着しなかったが、2学期以降文化委員の呼びかけ、学級文庫の設置、朝読ルール
の掲示、徹底に取り組んだ。図書館の整備が進んでからは、図書館で朝読の本を借りる生徒も増えた。
(4)定期的な図書館だよりの発行
図書館だよりを定期発行し、文化委員会の月間目標、前月の来館者、貸出冊数を掲載し、新刊図書
や特集コーナーの紹介をしている。今後、生徒の図書紹介も掲載予定。
4.今後の取り組み
(1) 公共図書館との連携…団体貸出サービス・テーマ本集めの活用
1年生進路学習で職業新聞を製作するため、職業調べができる本を検索し、新長田図書館にテーマ
本集めを依頼した。トライやる・ウィークや修学旅行の事前学習、教科学習等でも活用できるので、
学年、教科のニーズに応えていきたい。
(2) 学校図書館を活用した授業、学校司書が支援に入る授業の指導計画の研究
読書週間の期間に、国語科の授業で図書館クイズを通して利用指導をしたが、導入として学校司書
がブックトークを行った。また、調べ学習では図書を用いた検索の仕方、記録の付け方等も司書から
指導していきたい。
(3) 読書に親しむ機会・さらなる読書環境の改善・読書意識の向上
本校2年生の図書館アンケートでは、読書が好きである、どちらかと言えば好きであると答えた生
徒が半数以上を占める。しかし、一週間の読書時間は大変短い。学校図書館が生徒にとって楽しく、
知的好奇心をくすぐる場所であれば、スマホやゲームに割いていた時間を読書に当てるようになるの
ではないか。学校図書館を基幹とした読書環境の改善、読書意識の向上を図っていきたい。
89
神戸市立白川台中学校
新生「白川台中学校図書館」への道のり
~学校図書館の移転に伴う蔵書の整備、新図書館の配置工夫、貸出再開へ向けて
神戸市立白川台中学校
学校長 又吉 健二
児童生徒数 307名
学級数 10学級
1. 取組状況
学校司書が配置され、まずは図書室が移動し、閉館中だった学校図書館を開館するための環境整備
から始めた。図書館開館を最優先し、蔵書の現状を把握。蔵書の整備が不十分な面もあるが、それを
改善しながら司書教諭と学校司書とで図書館活用計画に取り組みはじめた。
2. 図書館開館へ向けて
(1)動線を考えた蔵書配置
図書館へ入り、どこに何があるかがすぐわかるように、動線を
考えた蔵書配置を検討。
(参考図書以外にも、大型本・絵本・仕
事関係の図書を別置。
)今まで保存されていなかった新聞も最低
1 ヶ月保存できるよう場所を確保した。
蔵書を配架し直しながら、同一図書で分類が異なるものについ
ては統一できるように作業した。
(2)サインと面展示・図書館からの情報発信
サインや面展示をして、館内をわかりやすいように、また興味が
持てるように工夫した。
図書館の入口だけでなく、建物の入口などの掲示板に今月の詩や
新着図書の情報、新聞からの学び情報を掲示した。
(3)貸出方法の検討
前年度3学期から閉館していたため、全校生徒の貸出カードが作成されておらず、
学校司書から個人情報保護の面から貸出方法(逆ブラウン方式)の提案があった。
しかし 2・3 年は過去の経験があり、また 2 学期という行事の多い時期でなので
借り手(生徒)側の変更は行わず、貸出カードの保管に変更を行った。
個人情報保護の観点から貸出カードの収納を生徒番号で表し、書名が他人には極力
わからないように配慮した。
*学校司書が配置されて約一ヶ月後、11 月 4 日より白川台中学校図書館は通常開館した。
90
神戸市立白川台中学校
3.授業とのコラボレーション
1 年の国語科授業(杉浦日向子著「江戸からのメッセージ」)
。目標は、国語辞典の使い方の習熟であっ
た。グループで本文の担当箇所を振り分け、各自図書館の国語辞典で意味調べをした後、さらに事典も
グループ単位で使用した。次時には調べた言葉について、まとめ発表する形態をとった。各自で使う国
語辞典に掲載されていない言葉については、
『日本国語大辞典』なども利用した。様々な辞典や事典を使
う経験が、図書館の活用で可能となった。
2 学期(平成 26 年 12 月 22 日実施)の全校放送読書 O・ヘンリー
著「最後の一葉」
。放送読書だけで済ますのではなく、広く作品を知る
機会を設けるため当日の放課後に図書館を臨時開館し、植物と O・
ヘンリー特別展を行う。開催するに当たり自館の蔵書だけでは少なく、
須磨図書館の団体貸出を利用。ブックリストも作成。
作者や作品についてだけでなく、蔦というキーワードから、植物の
生命力につながるような図書も加えた。
生徒には「Library 通信」で予告し、さらに放送読書終了後に図書
委員が臨時開館を PR した。1 月 9 日まで特別展を行い、「最後の一葉」以外の O・ヘンリー作品が貸し
出された。
4.今後の課題として
図書の整備が不十分なものが多い。登録番号がカバーに隠れていたり、旧登録番号の図書がある。
また分類が 2 桁になっているものもある。学校司書を中心に図書委員と蔵書整備を行っていく。
蔵書が整ってきたら、誰でも書名や著名から蔵書を検索できるよう検討する。
他に開館時間の検討、学級文庫の改善などの課題は多くあるが、司書教諭と学校司書が連携し、中
心となって少しずつ解決できるよう努力する。
91
神戸市立歌敷山中学校
読書環境の改善と読書推進活動の実践例
~生徒がいつでも安心して利用できる図書室を目指して~
神戸市立歌敷山中学校
学校長 玉橋 雅人
児童生徒数 671名
学級数 19学級
1.取組状況
学校司書が配置され、学校図書館の環境整備に取り組むと共に、図書館行事も充実させている。ま
た、以前は昼休みだけの開館であったが、放課後も開館することになり、生徒の利用数、貸出数共に
増加している。今後は、授業での図書室の利用を推進できるよう、授業で使える図書の見直しも行っ
ているところである。
2.
「読書センター」としての図書館環境整備について
(1)図書室前の掲示物の工夫
図書室の前の掲示板に新着図書の案内や、季節毎に、テーマに合わせた本の紹介コーナーを設け、
生徒の興味を引くように掲示をしている。
(2)図書室内のレイアウトの工夫
カウンターの上に、季節に応じたレイアウトを工夫して設置している。また、図書室内にもテー
マに応じたコーナーを設置している。書架の上にも展示スペースを設け、教師のおススメ本などを
展示している。
(3)図書室の蔵書整理
・蔵書点検をし、廃棄本の選定を行い、抜出し作業をした。
・NDC に則り、0類から9類まで順番に本を並べ替えると同時にサインもつけかえた。
・生徒から本の購入希望のアンケートを取り、図書館部で検討後、購入した。
・教職員の購入希望図書を集約し、蔵書内容の向上をはかった。
・廃棄本の内、利用できる本は学級文庫にも加え、内容の充実につとめた。
92
神戸市立歌敷山中学校
3.図書館の年間計画をもとにしたイベントの推進
26年度図書館活動年間計画 (案)
月
管理運営
・年間計画
4
利用教育・読書指導
・学級文庫貸出し・整備
図書委員会
・予算計画
・朝の読書の指導
・月1回の委員会
・委員指導
・図書室利用指導
・図書当番・役割分担決定
・整備・開館準備
(1)読書旬間
・貸出しカード作成
・ポスター作り
・イベントの景品のしおり作り
・図書館だより(毎月)
・生徒の選書時のレファレンス
・図書館PR
・購入希望調査(1回目)
5
・新刊図書の受け入れ(年間随時)とPR
・新刊本の紹介
・課題図書のPR
・読書旬間準備
・図書の発注と受け入れ
6
7
・図書委員へのアドバイス
・図書購入計画
(2)全校読書会
・全校読書会準備
・テキストの選書
・図書館整備
・読書感想文指導
・「図書館係生徒のつどい」へ
・テキストの印刷
・読書旬間① (6/30~7/10)
・夏休み貸出し
参加(8月の場合も)
・テキストの製本
(全校読書会①・課題図書の紹介)
8
・夏休み開館
・感想文の推敲
・夏休み開館当番
・図書館の整理・整備
9
・購入希望調査(2回目)
10
・新刊図書のPR
11
12
・図書館だよりの作成
・2学期の当番、役割分担
本校では初めての全校読書会であ
・読書旬間準備
・読書旬間②(12/1~12/12)
・全校読書会の準備
・(全校読書会②)
・冬休み貸出し
った。生徒の評判は上々で、この様
なイベントを開催するにあたり、学
・新委員長との引継
校司書の配置は大いに助かった。
・新委員長スタート
1
・3学期の当番と役割分担
2
3
・(全校読書会③)
・全校読書会の準備
・本の廃棄と本のリサイクル
・「朝の読書・図書館活動」のアンケート
・予算要求書づくり
・多読者表彰(各学年で)
・図書館の整備
・学級文庫整理・整備
・アンケートの集計・処理
4.図書室の開館時間の増加
従来は、昼休み開館のみであったが、放課後も30分間開館することになった。その成果は上がっ
ており、来館者数、貸出数共に増加している。放課後に開館することにより、余裕を持って本を選べ
ると生徒から喜ばれている。
学校司書だより
5.図書館の存在意義についての教職員への啓発
第1号
寒い日が続きますが・・・
「学校司書だより」を発行し、教師向けに図書館の整備状況や
10月に着任以来、いつも温かく声をかけていただきありがとうございます。
「学校司書だより」を通じて、図書館の整備状況や、新着本のお知らせをしていきたい
と思います。
新着本の紹介を行っている。
図書館の整備状況は・・・
図書館を整備することで本を探しやすくするだけではなく、生徒が本に親しみ探求
学校司書が配置されたことにより、図書室での授業を行う回数
が増加している。常に司書がいることで、本のレファレンスをし
心を育んでいけるような部屋を目指しています。
図書館の本は NDC「日本十進分類法」にのっとり0類から順に左回りに配架すること
になっています。歌敷山中学校の図書館もその順番になるよう少しずつ本の移動をして
います。また、本の移動をしながら資料として価値のなくなった本の抜き出しを行い、
先生方と相談しながら蔵書の更新をしているところです。
ていただける安心感がある。
新着本の紹介
ただ、図書室が便利な位置にあるため、いまだに会議室として
『入浴の事典』 阿岸 祐幸編 東京堂出版
ホッとする時間の一つがお風呂につかる瞬間ではないでしょう
か。健康増進のための効果的な入浴法について医学的な知識も含
め、様々な角度から満載です。他にも、
“家庭で四季を楽しむ植物
使用されざるをえない状況がある。いつでも生徒が安心して利用
性浴剤”についてなど、読んで楽しめるコラムもあります。
できる図書室を目指して、教職員への啓発が必要である。
お願い
授業にお使いになりたい本や、本の購入依頼などありましたら遠慮なくお声掛
け下さい。歌敷山中学校の図書館に蔵書していなくても、公共図書館から借り
てくることもできます。よろしくお願いいたします。
93
神戸市立井吹台中学校
読みたい本がある、知りたいことが分かる、
使いやすい、探しやすい図書室を目指して
神戸市立井吹台中学校
学校長 藤井 晴久
児童生徒数 1,116名
学級数 29学級
1.図書室開館時間について
・取組状況
学校司書の配置により、開館時間が増え、それとともに利用者も増えた。放課後開館が長い
日はゆっくり本を読んでいく生徒が目立った。友達とお菓子作りの本を見ながら相談していた
り、調べ物をしたり、保護者会の帰りに親子で立ち寄って楽しそうに本を見ていったこともあ
った。
開館時間
利用人数
貸出冊数
4月
1時間
34 冊
5月
5時間30分
98 冊
6月
4時間45分
98 冊
7月
2時間45分
113 人
103 冊
9月
5時間
112 人
59 冊
10月
17時間10分
213 人
92 冊
11月
29時間
201 人
123 冊
12月
38時間40分
228 人
179 冊
・今後の課題
いつも人がいること、相談にものることをPRしていきたい。声をかけやすい雰囲気を心が
け、人それぞれ心地よい距離感が違うと思うので、コミュニケーションの取り方も工夫したい。
そうすることで使いやすい、心安らぐ図書室を作りたいと思う。
2.環境整備について
・取組状況
見やすく探しやすくするため、棚をすっきりさせる作業をすすめた。古い本、傷んだ本、複
本等を抜き取ったり、見やすい場所に移動させたり、書架整理を行った。分類サインも掲示し
た。余裕ができたスペースに本を面展示した。面展示をすると、手に取られることが多かった。
抜き取り作業に伴い、新しい内容の図書、足りないと思われる分野の本の選書の提案をした。
書架整理をし、日光が当たる書架の一番上にあった本、棚と棚の間にあった本を移動させた
ことにより、厚いカーテンを開けるようになり、明るい雰囲気になった。
ボランティアの方の協力により、季節のディスプレイを作成し、好評である。和やかで親し
みやすい雰囲気が出せていると感じる。
94
神戸市立井吹台中学校
Before
ぎちぎちの本棚
棚の上まで本が…
After
・今後の課題
さらに、棚ごとに細かい分類サインや、差込板、配置図等も作成し、生徒が自分でも探しや
すい棚を目指したい。図書委員とも協力して、日頃から書架整理をして、配置や分類について
伝えていき、他の生徒にも広げていきたい。図書委員だけでなく、美術部員作成によるポスタ
ー掲示など、色々な生徒にも図書室整美に協力してもらう機会を持ちたい。そうしてみんなで
作る図書室を目指したい。
3.情報発信について
・取組状況
その月に興味が持てそうな本の特集コーナーを作った。図書室の外の掲示板やショーケース
にて特集本や新着図書の紹介をした。ボランティアの方作成のディスプレイを飾り、楽しい雰
囲気を出すように工夫した。入り口にも親しみやすいサインを掲示し、入りやすい雰囲気を心
がけた。
毎月の特集コーナーのほかにも、その日にあったニュースに関連した本(ノーベル賞等)を
新聞記事を添えて紹介したり、学校行事に関する本(カルタ会→百人一首の本)を紹介したり
した。図書委員お勧めの本等もスペースを見つけて面展示をするようにした。特に音楽関係の
95
神戸市立井吹台中学校
本、お菓子作りの本は反応が良かった。同じ棚から探すことが習慣化している生徒には、色々
な分野の本があることをPRするのがよいようだ。
「こんな本もあったんだ」という声もよくき
かれた。
図書委員作成の図書館便りで、お勧めの本や新着図書の紹介をした。色々な分野の本がある
ことが伝えられるよう意識した。
クリスマス
ショーケース
正月
防災
掲示板
・今後の課題
書架にもっと余裕ができれば、神戸ゆかりの人物のコーナー、地元ならではの情報コーナー
も考えていきたい。
図書委員以外の生徒、先生、ボランティアの方にもお勧めの本を紹介していただくような機
会も考えたい。
(本にそえるポップ、本のリスト、読書イベントなど)
冬休み前には、普段利用していない生徒の利用や、読み応えのある本の貸し出しも目立った。
長期休みの前に、お勧めの本を紹介する機会を考えたい。
96
神戸市立井吹台中学校
4.授業での活用について
・取組状況
掲示板で紹介した本を目にとめて、入ってくる先生もいた。授業で使う本を探しにきた先生
や生徒には、関連する本を幅広く紹介するように心がけた。
・今後の課題
授業に使える本があること、市立図書館でも借りられることをもっとPRしていきたい。
授業内容を把握し、使えそうな図書のリストの作成、特集コーナー、資料集めをすすめたい。
5.その他
・今後の課題
・司書教諭と学校司書との打ち合わせを密にする。
連絡ノートの活用により、連絡漏れがないようにする。
・図書室を利用した授業ができるようにする。
クラス数の多さなどにより敬遠されている状態を打破する工夫を考える。
・コンピューターを使って蔵書の管理を進めていく。
・書架整理で書架から出した本を整理する。
現在は図書室の隅に積んであるのだが、それを図書室外に保存する。
97
98
資
料
参考資料
99
(1)学校司書モデル配置校の学校図書館利用状況について
学校司書配置前:平成 26 年 4 月~ 9 月
学校司書配置後:平成 26 年 10 月~27 年1月
1.開館率
100%
登校日における学校図書館の開館率
小学校
は、小学校では学校司書配置前は 75.6%
中学校
であったものが、配置後は 91.6%に増
80%
加した。また、中学校でも 46.6%から
60%
67.3%へと増加した。
40%
学校司書が配置されるまでは、学校
図書館の開館は主に図書館担当教員と
20%
図書委員児童生徒により行われていた
0%
4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月
が、学校司書が配置されたことにより、
開館率が飛躍的に増加したと考えられ
る。
2.休み時間等の開館時間
小学校
(時間)
小学校では業間休み、昼休み、放課
360
後の開館時間が全体的に増えており、
300
1日あたりの平均開館時間は、学校司
240
始業前
書配置前は 32 分であったものが、配置
180
業間休み
後は 45 分に増加した。
昼休み
120
放課後
60
その他
0
中学校では放課後の開館時間の増加
が顕著で、1日あたりの平均開館時間
は 24 分から 45 分へと、およそ2倍に
増えている。放課後は部活動があるた
め開館できていなかった学校も開館で
中学校
きるようになったことが、その理由と
(時間)
考えられる。
120
96
始業前
72
業間休み
48
昼休み
放課後
24
その他
小学校、中学校ともに、学校司書配
置により開館日数、開館時間ともに増
加し、「いつでも開いている学校図書
館」となりつつある。
0
100
3.学校図書館を活用した授業の実施
小学校
(回)
小学校では、1日あたりの授業での
1200
学校図書館利用回数については、学校
司書配置前後での変化はほとんど見ら
1000
れなかった。(2.2 回→2.4 回)これは、
800
低学年
各クラスに週1回程度の「図書の時間」
600
中学年
が配当されていることが多く、小学校
400
高学年
での授業時の学校図書館利用回数につ
特別支援学級
200
いては、学校司書の配置によってあま
り大きな 変化がなかった と考え られ
0
る。
中学校
中学校でも、小学校同様、授業時の
(回)
学校図書館利用回数は、学校司書配置
120
前後の変 化はほとんど見られな かっ
100
た。
(0.3 回→0.4 回)しかし、特別支援
学級では利用増加が顕著である。
80
1
年
60
2
年
40
3 年
小学校、中学校ともに、各教科にお
いて学校図書館を活用した授業にさら
特別支援学級
20
に取り組んでいく必要がある。
0
4.休み時間等の利用人数
休み時間等の学校図書館利用者は、
(人)
小学校
小学校では大幅に増えている。1日あ
中学校
6,000
たりの利用人数は、学校司書配置前の
5,000
3.7 人が配置後には 13.1 人となった。
学校司書が常時居り、子供たちをむか
4,000
えていることの効果であると考えられ
3,000
る。
2,000
1,000
中 学 校 で は大 幅 な 増加は 見 ら れな
0
い。
(7.8 人→8.7 人)これは、中学校で
4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月
※休み時間等の利用については、4月からの記録のある学校のみ
を統計の対象とした
101
は、従来から休み時間等の利用が中心
であったためと考えられる。
5.貸出冊数
小学校では、学校司書配置前後での
小学校
1日あたりの貸出冊数の変化はあまり
(冊)
見られなかった。
(78.4 冊→81.7 冊)こ
36000
れは、各クラスに「図書の時間」が配
当され、多くの児童がこの時間に本を
30000
借りていることによるものを考えられ
24000
低学年
18000
中学年
12000
高学年
特別支援学級
6000
る。
中学校では、1日あたりの貸出冊数
は学校司書配置後にわずかではあるが
増加が見られた。
(4.8 冊→5.9 冊)これ
0
は、放課後の開館時間が増えたことと
関連していると考えられる。
中学校
小学校と中学校の貸出冊数を比較す
(冊)
ると、大きな隔たりがある。
(15 倍以上)
1800
各校の実情を踏まえながらも、学校図
1500
書館の図書が動いていくように、努力
1200
と工夫を続けていきたい。
1 年
900
2 年
600
3 年
300
0
1 人1回あたりの貸出冊数
小学校、中学校ともに、1人の1回
(冊)
小学校
あたりの貸出冊数は 1.3 冊で、学校司書
中学校
3.0
配置前後での変化はほとんど見られな
2.5
かった。これは、年度当初に立てられ
た学校図書館の活用計画で1人の1回
2.0
あたりの貸出冊数や貸出期間が決めら
1.5
れており、そのことが継続しているか
1.0
らであると考えられる。
0.5
0.0
4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月
102
(2)読書及び学校図書館に関するアンケート集計結果について
①調査対象者:学校司書モデル配置校に在籍する小学校 5 年生、中学校 2 年生の全児童生徒
及び学級担任、教科担任など、クラスで授業を担当する全教員
②調査時期:
1回目 平成26年 7月
2回目 平成26年12月
③調査方法: 読書及び学校図書館活用に関する取組や現状について、質問紙調査に回答
④調査結果の概要
・小学校、中学校児童生徒及び、中学校教員における、学校司書配置前と配置後の調査結果に目
立った変化は見られなかった。
・小学校教員における、学校司書配置前と配置後の調査結果に、一部変化が見られた。
≪変化が見られた項目と内容≫
問い③「1 学期(2 学期)に読み聞かせ、ブックトークなどを授業で行いましたか。」
「よく行った」
「ときどき行った」と回答した割合が増加した。
(P110 参照)
問い④「1 学期(2 学期)に調べ学習や並行読書など、学校図書館を活用した授業を行いま
したか。
」
「よく行った」
「ときどき行った」と回答した割合が増加した。
(P110 参照)
問い⑦「学校図書館は、児童生徒の学びに役立てられていますか。」
「そう思う」
「どちらかといえばそう思う」と回答した割合が増加した。
(P111 参照)
⑤考察
小学校においては、
「図書の時間(国語)」を中心に、学校図書館へ定期的に行くことが習慣化
され、読み聞かせやブックトークなどを学校司書が行うなどの機会が増加したことによるものと
思われる。また、授業で使用する図書資料の準備を学校司書が行うことで、並行読書や調べ学習
が積極的に行われるようになったと考えられる。これらのことから、実際に図書や学校図書館を
使って授業を行うことが、児童の学びに役立ったという感想に結び付いたと推測する。
103
小
児童生徒
小学校 20校計
読書及び学校図書館に関するアンケート集計結果 (児童生徒)
(7月実施分)
月実施分)
該当児童生徒数
回答児童生徒数
2,017人
1,948人 (回答率96.6%)
該当児童生徒数
(12月実施分)
月実施分)
回答児童生徒数
2,032人
1,971人 (回答率97.0%)
問① 読書が好きですか。
1,012 (52.0%)
1. 当てはまる
985 (50.0%)
1. 当てはまる
2. どちらかといえば当てはまる
597 (30.6%)
2. どちらかといえば当てはまる
601 (30.5%)
3. どちらかといえば当てはまらない
223 (11.4%)
3. どちらかといえば当てはまらない
266 (13.5%)
4. 当てはまらない
116 (6.0%)
4. 当てはまらない
118 (6.0%)
0 (0.0%)
5. 無回答
1,948
計
1 (0.1%)
5. 無回答
1,971
計
問② 1日にどれくらいの時間、読書をしますか。
1. 10分以下
341 (17.5%)
1. 10分以下
410 (20.8%)
2. 10-30分
741 (38.0%)
2. 10-30分
734 (37.2%)
3. 30分-1時間
439 (22.5%)
3. 30分-1時間
379 (19.2%)
4. 1-2時間
172 (8.8%)
4. 1-2時間
160 (8.1%)
5. 2時間以上
105 (5.4%)
5. 2時間以上
101 (5.1%)
6. 全くしない
147 (7.5%)
6. 全くしない
187 (9.5%)
計
0 (0.0%)
7. 無回答
3 (0.2%)
7. 無回答
計
1,948
1,971
問③ 1か月に何冊くらい本を読みますか。
1. 1冊
212 (10.9%)
1. 1冊
293 (14.9%)
2. 2-3冊
512 (26.3%)
2. 2-3冊
593 (30.1%)
3. 4-5冊
427 (21.9%)
3. 4-5冊
451 (22.9%)
4. 6-10冊
358 (18.4%)
4. 6-10冊
252 (12.8%) ↓
5. 11冊以上
339 (17.4%)
5. 11冊以上
250 (12.7%)
6. 読まない
95 (4.9%)
6. 読まない
131 (6.6%)
5 (0.3%)
7. 無回答
計
1 (0.1%)
7. 無回答
1,948
計
1,971
問④ どのような種類の本を読みますか。(複数回答可)
1500 読み物
2000
1000
読み物
1500
1000
500
その他
500
知識の本
0
1. 読み物(物語,小説等)
1,483
その他
知識の本
0
1. 読み物(物語,小説等)
1,524
2. 知識の本(伝記,図鑑含む)
946
2. 知識の本(伝記,図鑑含む)
932
3. 絵本
462
3. 絵本
406
4. その他
180
4. その他
274
5. 無回答
6
5. 無回答
6
絵本
絵本
104
小
児童生徒
小学校 20校計
読書及び学校図書館に関するアンケート集計結果 (児童生徒)
(7月実施分)
月実施分)
該当児童生徒数
回答児童生徒数
2,017人
1,948人 (回答率96.6%)
該当児童生徒数
(12月実施分)
月実施分)
回答児童生徒数
2,032人
1,971人 (回答率97.0%)
問⑤ 読む本をどのようにして選びますか。(複数回答可)
1400 題名等を
1200 見て
1000
800
600
400
200
0
その他
すすめら
れて
その他
1. 題名,目次等を見て
1,234
2. 人からすすめられて
387
3. あらすじ,本の紹介を読んで
605
紹介を読
んで
好きなシ
リーズ
題名等を
見て
すすめら
れて
5. 好きな本と同じ作家
363
6. その他
126
7. 無回答
5
1. 題名,目次等を見て
1,393
2. 人からすすめられて
539
679
3. あらすじ,本の紹介を読んで
1,050
4. 好きな本と同じシリーズ
同じ作者
1400
1200
1000
800
600
400
200
0
1,195
4. 好きな本と同じシリーズ
456
5. 好きな本と同じ作家
紹介を読
んで
同じ作者
6. その他
97
7. 無回答
2
好きなシリー
ズ
問⑥ どこにある本を読みますか。(複数回答可)
1500 学校図書
2000 学校図書
館
館
市立図書
館
1000
その他
500
0
学級,学
年文庫
友達に借
りる
1500
1. 学校図書館
1,210
2. 市立図書館
539
3. 学級文庫,学年文庫
355
4. 市民図書室
277
5. 家(購入を含む)
市民図書
室
家
1000
500
学級,学年
文庫
友達に借
りる
392
1. 学校図書館
1,330
2. 市立図書館
544
3. 学級文庫,学年文庫
365
230
4. 市民図書室
0
1,484
6. 友達に借りる
市立図書
館
その他
5. 家(購入を含む)
1,610
486
6. 友達に借りる
7. その他
35
7. その他
43
8. 無回答
4
8. 無回答
3
市民図書
室
家
問⑦ 授業以外で何回くらい学校図書館に行きますか。
60 (3.0%)
1. ほとんど毎日
41 (2.1%)
1. ほとんど毎日
2. 週に2-3回
158 (8.1%)
2. 週に2-3回
180 (9.1%)
3. 週に1回
325 (16.7%)
3. 週に1回
240 (12.2%)
4. 月に2-3回
360 (18.5%)
4. 月に2-3回
5. ほとんど行かない
5. ほとんど行かない
1,057 (54.3%)
計
34 (1.7%)
6. 無回答
7 (0.4%)
6. 無回答
322 (16.3%)
1,135 (57.6%)
計
1,948
1,971
問⑧ 授業以外でどのような時に学校図書館に行きますか。(複数回答可)
800 貸出,返
800
貸出,返却
却
600
600
その他
本を読む
1. 本の貸出,返却のため
708
200
2. 本を読むため
647
400
1. 本の貸出,返却のため
687
2. 本を読むため
641
3. 調べものをするため
308
4. イベントに参加するため
142
5. 何となく
453
6. ほとんど行かない
741
200
3. 調べものをするため
364
4. イベントに参加するため
154
5. 何となく
344
6. ほとんど行かない
633
0
ほとんど
行かない
調べもの
何となく
本を読む
その他
400
イベント参
加
0
ほとんど行
かない
調べもの
7. その他
70
7. その他
93
8. 無回答
6
8. 無回答
3
何となく
105
イベント参加
小
児童生徒
小学校 20校計
読書及び学校図書館に関するアンケート集計結果 (児童生徒)
(7月実施分)
月実施分)
該当児童生徒数
回答児童生徒数
2,017人
1,948人 (回答率96.6%)
(12月実施分)
月実施分)
該当児童生徒数
回答児童生徒数
2,032人
1,971人 (回答率97.0%)
問⑨ 知りたいことがあった時、本を使って調べますか。
1. よく調べる
358 (18.4%)
1. よく調べる
361 (18.3%)
2. ときどき調べる
913 (46.9%)
2. ときどき調べる
759 (38.5%) ↓
3. あまり調べない
398 (20.4%)
3. あまり調べない
4. ほとんど調べない
269 (13.8%)
4. ほとんど調べない
496 (25.2%)
351 (17.8%)
10 (0.5%)
5. 無回答
計
4 (0.2%)
5. 無回答
1,948
計
1,971
問⑩ 調べ学習をするときに該当することは何ですか。(複数回答可)
出典を記
録してい
る
引用の仕
方がわか
る
1400 分類をも
1200 とに探す
ことがで
1000
きる
800
600
400
200
0
索引で検
索できる
1.
図書分類を元に、本を探すことができる
2. 索引を使って検索ができる
簡潔にメ
モできる
1,354
1.
1,115
2. 索引を使って検索ができる
図書分類を元に、本を探すことができる
1,260
1,094
739
3. 必要な内容を簡潔にメモできる
737
3. 必要な内容を簡潔にメモできる
4. 引用の仕方がわかる
456
4. 引用の仕方がわかる
765
5. 奥付を見て、出典を記録している
187
5. 奥付を見て、出典を記録している
249
6. 無回答
6. 無回答
20
106
13
中
児童生徒
中学校 10校計
読書及び学校図書館に関するアンケート集計結果 (児童生徒)
(7月実施分)
月実施分)
該当児童生徒数
回答児童生徒数
1,521人
1,448人 (回答率95.2%)
該当児童生徒数
(12月実施分)
月実施分)
回答児童生徒数
1,513人
1,392人 (回答率92.0%)
問① 読書が好きですか。
1. 当てはまる
568 (39.2%)
1. 当てはまる
2. どちらかといえば当てはまる
506 (34.9%)
2. どちらかといえば当てはまる
465 (33.4%)
3. どちらかといえば当てはまらない
233 (16.1%)
3. どちらかといえば当てはまらない
199 (14.3%)
4. 当てはまらない
137 (9.5%)
4. 当てはまらない
128 (9.2%)
4 (0.3%)
5. 無回答
1 (0.1%)
5. 無回答
1,448
計
599 (43.0%)
1,392
計
問② 1日にどれくらいの時間、読書をしますか。
1. 10分以下
206 (14.2%)
1. 10分以下
178 (12.8%)
2. 10-30分
716 (49.4%)
2. 10-30分
672 (48.3%)
3. 30分-1時間
249 (17.2%)
3. 30分-1時間
257 (18.5%)
83 (6.0%)
4. 1-2時間
94 (6.5%)
4. 1-2時間
5. 2時間以上
26 (1.8%)
5. 2時間以上
27 (1.9%)
6. 全くしない
149 (10.3%)
6. 全くしない
170 (12.2%)
計
5 (0.4%)
7. 無回答
8 (0.6%)
7. 無回答
計
1,448
1,392
問③ 1か月に何冊くらい本を読みますか。
1. 1冊
420 (29.0%)
1. 1冊
429 (30.8%)
2. 2-3冊
542 (37.4%)
2. 2-3冊
528 (37.9%)
3. 4-5冊
182 (12.6%)
3. 4-5冊
164 (11.8%)
4. 6-10冊
84 (5.8%)
4. 6-10冊
70 (5.0%)
5. 11冊以上
55 (3.8%)
5. 11冊以上
40 (2.9%)
6. 読まない
159 (11.0%)
6. 読まない
158 (11.4%)
6 (0.4%)
7. 無回答
計
3 (0.2%)
7. 無回答
1,448
計
1,392
問④ どのような種類の本を読みますか。(複数回答可)
その他
1400 読み物
1200
1000
800
600
400
200
0
1400 読み物
1200
1000
800
600
400
知識の本
1. 読み物(物語,小説等)
2. 知識の本(伝記,図鑑含む)
3. 絵本
1,245
200
その他
325
知識の本
0
1. 読み物(物語,小説等)
2. 知識の本(伝記,図鑑含む)
82
3. 絵本
1,215
279
86
4. その他
115
4. その他
122
5. 無回答
6
5. 無回答
13
絵本
絵本
107
中
児童生徒
中学校 10校計
読書及び学校図書館に関するアンケート集計結果 (児童生徒)
(7月実施分)
月実施分)
該当児童生徒数
回答児童生徒数
1,521人
1,448人 (回答率95.2%)
該当児童生徒数
(12月実施分)
月実施分)
回答児童生徒数
1,513人
1,392人 (回答率92.0%)
問⑤ 読む本をどのようにして選びますか。(複数回答可)
1000 題名等を
1000 題名等を
見て
見て
800
800
すすめら
れて
600
その他
400
200
0
同じ作者
紹介を読
んで
好きなシ
リーズ
600
すすめら
れて
その他
1. 題名,目次等を見て
876
400
2. 人からすすめられて
495
200
3. あらすじ,本の紹介を読んで
670
0
4. 好きな本と同じシリーズ
5. 好きな本と同じ作家
1. 題名,目次等を見て
916
2. 人からすすめられて
572
3. あらすじ,本の紹介を読んで
674
645
4. 好きな本と同じシリーズ
692
510
5. 好きな本と同じ作家
614
6. その他
93
7. 無回答
8
同じ作者
紹介を読
んで
6. その他
77
7. 無回答
10
好きなシリー
ズ
問⑥ どこにある本を読みますか。(複数回答可)
1400 学校図書
館
1200
1000
800
600
400
200
0
その他
市立図書
館
学級,学
年文庫
友達に借
りる
1. 学校図書館
338
2. 市立図書館
300
3. 学級文庫,学年文庫
164
4. 市民図書室
103
5. 家(購入を含む)
市民図書
室
家
その他
1,202
7. その他
35
8. 無回答
16
市立図書
館
1. 学校図書館
370
2. 市立図書館
263
3. 学級文庫,学年文庫
174
67
4. 市民図書室
学級,学年
文庫
友達に借
りる
359
6. 友達に借りる
1400 学校図書
館
1200
1000
800
600
400
200
0
5. 家(購入を含む)
1,202
426
6. 友達に借りる
市民図書
室
家
7. その他
32
8. 無回答
11
問⑦ 授業以外で何回くらい学校図書館に行きますか。
1. ほとんど毎日
39 (2.7%)
1. ほとんど毎日
26 (1.9%)
2. 週に2-3回
66 (4.6%)
2. 週に2-3回
53 (3.8%)
3. 週に1回
83 (5.7%)
3. 週に1回
5. ほとんど行かない
5. ほとんど行かない
1,080 (74.6%)
計
1,054 (75.7%)
16 (1.1%)
6. 無回答
25 (1.7%)
6. 無回答
86 (6.2%)
157 (11.3%)
4. 月に2-3回
155 (10.7%)
4. 月に2-3回
計
1,448
1,392
問⑧ 授業以外でどのような時に学校図書館に行きますか。(複数回答可)
800 貸出,返
800貸出,返却
却
600
600
本を読む
その他
その他
1. 本の貸出,返却のため
393
400
1. 本の貸出,返却のため
361
200
2. 本を読むため
244
200
2. 本を読むため
223
3. 調べものをするため
104
3. 調べものをするため
91
4. イベントに参加するため
19
0
ほとんど
行かない
調べもの
何となく
本を読む
400
イベント参
加
5. 何となく
275
6. ほとんど行かない
769
0
4. イベントに参加するため
ほとんど行
かない
調べもの
46
5. 何となく
286
6. ほとんど行かない
704
7. その他
58
7. その他
40
8. 無回答
5
8. 無回答
13
何となく
108
イベント参加
中
児童生徒
中学校 10校計
読書及び学校図書館に関するアンケート集計結果 (児童生徒)
(7月実施分)
月実施分)
該当児童生徒数
回答児童生徒数
1,521人
1,448人 (回答率95.2%)
(12月実施分)
月実施分)
該当児童生徒数
回答児童生徒数
1,513人
1,392人 (回答率92.0%)
問⑨ 知りたいことがあった時、本を使って調べますか。
1. よく調べる
126 (8.7%)
1. よく調べる
119 (8.5%)
2. ときどき調べる
532 (36.7%)
2. ときどき調べる
484 (34.8%)
3. あまり調べない
416 (28.7%)
3. あまり調べない
380 (27.3%)
4. ほとんど調べない
369 (25.5%)
4. ほとんど調べない
394 (28.3%)
5 (0.3%)
5. 無回答
計
15 (1.1%)
5. 無回答
1,448
計
1,392
問⑩ 調べ学習をするときに該当することは何ですか。(複数回答可)
1000 分類をも
とに探す
800 ことがで
600
出典を記
録してい
る
400
200
きる
索引で検
索できる
0
引用の仕
方がわか
る
簡潔にメ
モできる
965
956
1.
2. 索引を使って検索ができる
899
2. 索引を使って検索ができる
815
3. 必要な内容を簡潔にメモできる
635
3. 必要な内容を簡潔にメモできる
619
4. 引用の仕方がわかる
497
4. 引用の仕方がわかる
490
5. 奥付を見て、出典を記録している
151
5. 奥付を見て、出典を記録している
145
1.
図書分類を元に、本を探すことができる
6. 無回答
図書分類を元に、本を探すことができる
6. 無回答
30
109
28
教 員
小学校 20校計
小
読書及び学校図書館に関するアンケート集計結果 (教 員)
(7月実施分)
月実施分)
(12月実施分)
月実施分)
546人
435人 (回答率79.7%)
在籍教員数
回答教員数
525人
435人 (回答率82.9%)
在籍教員数
回答教員数
問① 読書に親しんでいる児童生徒は、どのくらいの割合でいますか。
1. 全体の80%以上
121 (27.8%)
1. 全体の80%以上
173 (39.8%) ↑
2. 全体の60-80%
173 (39.8%)
2. 全体の60-80%
134 (30.8%) ↓
3. 全体の40-60%
87 (20.0%)
3. 全体の40-60%
73 (16.8%)
4. 全体の20-40%
33 (7.6%)
4. 全体の20-40%
27 (6.2%)
5. 全体の20%以下
11 (2.5%)
5. 全体の20%以下
6. 無回答
10 (2.3%)
6. 無回答
435
計
8 (1.8%)
20 (4.6%)
435
計
問② 一斉読書の時間について、児童生徒はどのように取り組んでいますか。
1. 熱心に取り組んでいる
163 (37.5%)
1. 熱心に取り組んでいる
175 (40.2%)
2. どちらかといえば熱心
237 (54.5%)
2. どちらかといえば熱心
216 (49.7%)
3. どちらかといえば熱心でない
19 (4.4%)
3. どちらかといえば熱心でない
4. 熱心に取り組めていない
5 (1.1%)
4. 熱心に取り組めていない
5. 一斉読書を設けていない
2 (0.5%)
5. 一斉読書を設けていない
6. 無回答
9 (2.1%)
6. 無回答
1 (0.2%)
5 (1.1%)
19 (4.4%)
435
計
19 (4.4%)
435
計
問③ 1学期(2学期)に読み聞かせ,ブックトークなどを授業で行いましたか。
学期( 学期)に読み聞かせ,ブックトークなどを授業で行いましたか。
41 (9.4%)
〈14.6回〉
1. よく行った
56 (12.9%)
〈13.8回〉
2. ときどき行った
167 (38.4%)
〈4.3回〉
2. ときどき行った
199 (45.7%)
〈5.1回〉
3. あまり行っていない
135 (31.0%)
3. あまり行っていない
122 (28.0%)
1. よく行った
4. 行っていない
72 (16.6%)
4. 行っていない
35 (8.0%)
5. 無回答
20 (4.6%)
5. 無回答
23 (5.3%)
計
計
435
↑
↓
435
問④ 1学期(2学期)に調べ学習や並行読書など、学校図書館を活用した授業を行いましたか。
学期( 学期)に調べ学習や並行読書など、学校図書館を活用した授業を行いましたか。
18 (4.1%)
〈7.1回〉
1. よく行った
38 (8.7%)
〈8.7回〉
2. ときどき行った
117 (26.9%)
〈3.1回〉
2. ときどき行った
192 (44.1%)
〈4.0回〉
3. あまり行っていない
147 (33.8%)
3. あまり行っていない
122 (28.0%)
↓
4. 行っていない
129 (29.7%)
4. 行っていない
60 (13.8%)
↓
5. 無回答
23 (5.3%)
1. よく行った
24 (5.5%)
5. 無回答
計
435
計
110
435
↑
教 員
小学校 20校計
小
読書及び学校図書館に関するアンケート集計結果 (教 員)
(7月実施分)
月実施分)
回答教員数
525人
435人 (回答率82.9%)
在籍教員数
(12月実施分)
月実施分)
546人
435人 (回答率79.7%)
在籍教員数
回答教員数
問⑤ (問④で3
(問④で3,4と回答した人)学校図書館を活用した授業が行いにくかった理由(複数回答可)
200 活用する
100
時間がな
い
80
150
その他
100
60
把握して
いない
50
資料が足
りない
資料が古
い
その他
1. 時間がない
40
156
76
20
3. 資料が足りない
53
0
4. 資料が古い
21
5. イメージが持てない
46
6. その他
40
7. 無回答
30
2.
0
イメージ
が持てな
い
活用する
時間がな
い
どんな資料があるか把握していない
イメージ
が持てな
い
把握して
いない
資料が足
りない
資料が古
い
1. 時間がない
93
2.
31
どんな資料があるか把握していない
3. 資料が足りない
38
4. 資料が古い
14
5. イメージが持てない
29
6. その他
27
7. 無回答
31
問⑥ 1学期(2学期)に資料の調べ方が身につくような指導を行いましたか。
学期( 学期)に資料の調べ方が身につくような指導を行いましたか。
1. よく行った
2. どちらかといえば行った
6 (1.4%)
〈1.6回〉
1. よく行った
70 (16.1%)
〈2.6回〉
2. どちらかといえば行った
7 (1.6%)
〈1.7回〉
97 (22.3%)
〈2.4回〉
3. どちらかといえば行っていない
161 (37.0%)
3. どちらかといえば行っていない
151 (34.7%)
4. 行っていない
177 (40.7%)
4. 行っていない
147 (33.8%)
21 (4.8%)
5. 無回答
計
435
↓
33 (7.6%)
5. 無回答
計
435
問⑦ 学校図書館は、児童生徒の学びに役立てられていますか。
1. そう思う
154 (35.4%)
1. そう思う
211 (48.5%) ↑
2. どちらかといえばそう思う
189 (43.4%)
2. どちらかといえばそう思う
174 (40.0%)
3. どちらかといえばそう思わない
4. そう思わない
5. 無回答
計
81 (18.6%)
3. どちらかといえばそう思わない
2 (0.5%)
4. そう思わない
9 (2.1%)
5. 無回答
435
3 (0.7%)
7 (1.6%)
計
111
40 (9.2%)
435
↑
↓
教 員
中学校 10校計
中
読書及び学校図書館に関するアンケート集計結果 (教 員)
(7月実施分)
月実施分)
(12月実施分)
月実施分)
275人
234人 (回答率85.1%)
在籍教員数
回答教員数
282人
235人 (回答率83.3%)
在籍教員数
回答教員数
問① 読書に親しんでいる児童生徒は、どのくらいの割合でいますか。
1. 全体の80%以上
68 (29.1%)
1. 全体の80%以上
78 (33.2%)
2. 全体の60-80%
68 (29.1%)
2. 全体の60-80%
57 (24.3%)
3. 全体の40-60%
48 (20.5%)
3. 全体の40-60%
49 (20.9%)
4. 全体の20-40%
35 (15.0%)
4. 全体の20-40%
45 (19.1%)
5. 全体の20%以下
10 (4.3%)
5. 全体の20%以下
4 (1.7%)
6. 無回答
2 (0.9%)
5 (2.1%)
6. 無回答
234
計
235
計
問② 一斉読書の時間について、児童生徒はどのように取り組んでいますか。
1. 熱心に取り組んでいる
97 (41.5%)
1. 熱心に取り組んでいる
98 (41.7%)
2. どちらかといえば熱心
121 (51.7%)
2. どちらかといえば熱心
114 (48.5%)
12 (5.1%)
3. どちらかといえば熱心でない
3. どちらかといえば熱心でない
11 (4.7%)
4. 熱心に取り組めていない
2 (0.9%)
4. 熱心に取り組めていない
0 (0.0%)
5. 一斉読書を設けていない
0 (0.0%)
5. 一斉読書を設けていない
8 (3.4%)
2 (0.9%)
6. 無回答
6. 無回答
4 (1.7%)
234
計
↓
235
計
問③ 1学期(2学期)に読み聞かせ,ブックトークなどを授業で行いましたか。
学期( 学期)に読み聞かせ,ブックトークなどを授業で行いましたか。
1 (0.4%)
〈0.0回〉
1. よく行った
2. ときどき行った
34 (14.5%)
〈2.4回〉
2. ときどき行った
3. あまり行っていない
94 (40.2%)
3. あまり行っていない
4. 行っていない
91 (38.9%)
4. 行っていない
5. 無回答
14 (6.0%)
5. 無回答
1. よく行った
計
〈3.9回〉
〈3.1回〉
74 (31.5%)
↓
108 (46.0%)
↑
7 (3.0%)
計
234
8 (3.4%)
38 (16.2%)
235
問④ 1学期(2学期)に調べ学習や並行読書など、学校図書館を活用した授業を行いましたか。
学期( 学期)に調べ学習や並行読書など、学校図書館を活用した授業を行いましたか。
1. よく行った
2. ときどき行った
3. あまり行っていない
4. 行っていない
0 (0.0%)
〈0.0回〉
1. よく行った
19 (8.1%)
〈3.0回〉
2. ときどき行った
46 (19.7%)
3. あまり行っていない
151 (64.5%)
4. 行っていない
18 (7.7%)
5. 無回答
計
計
112
〈9.0回〉
〈2.6回〉
49 (20.9%)
164 (69.8%)
5 (2.1%)
5. 無回答
234
3 (1.3%)
14 (6.0%)
235
↑
教 員
中学校 10校計
中
読書及び学校図書館に関するアンケート集計結果 (教 員)
(7月実施分)
月実施分)
回答教員数
282人
235人 (回答率83.3%)
在籍教員数
(12月実施分)
月実施分)
275人
234人 (回答率85.1%)
在籍教員数
回答教員数
問⑤ (問④で3
(問④で3,4と回答した人)学校図書館を活用した授業が行いにくかった理由(複数回答可)
その他
140 活用する
時間がな
120
い
100
80
60
40
20
0
イメージ
が持てな
い
把握して
いない
2.
資料が足
りない
資料が古
い
その他
1. 時間がない
どんな資料があるか把握していない
123
38
3. 資料が足りない
30
4. 資料が古い
13
5. イメージが持てない
42
6. その他
38
7. 無回答
13
140 活用する
時間がな
120
い
100
80
60
40
20
0
把握して
いない
128
1. 時間がない
2.
どんな資料があるか把握していない
3. 資料が足りない
資料が足
りない
資料が古
い
16
7
4. 資料が古い
イメージ
が持てな
い
43
5. イメージが持てない
56
6. その他
32
7. 無回答
6
問⑥ 1学期(2学期)に資料の調べ方が身につくような指導を行いましたか。
学期( 学期)に資料の調べ方が身につくような指導を行いましたか。
0 (0.0%)
〈0.0回〉
1. よく行った
2 (0.9%)
〈10.3回〉
2. どちらかといえば行った
15 (6.4%)
〈1.4回〉
2. どちらかといえば行った
8 (3.4%)
〈2.3回〉
3. どちらかといえば行っていない
34 (14.5%)
1. よく行った
4. 行っていない
3. どちらかといえば行っていない
182 (77.8%)
4. 行っていない
3 (1.3%)
5. 無回答
計
191 (81.3%)
5 (2.1%)
5. 無回答
234
29 (12.3%)
計
235
問⑦ 学校図書館は、児童生徒の学びに役立てられていますか。
1. そう思う
57 (24.4%)
1. そう思う
2. どちらかといえばそう思う
99 (42.3%)
2. どちらかといえばそう思う
85 (36.2%) ↑
85 (36.2%) ↓
3. どちらかといえばそう思わない
67 (28.6%)
3. どちらかといえばそう思わない
55 (23.4%) ↓
4. そう思わない
7 (3.0%)
4. そう思わない
5 (2.1%)
5. 無回答
4 (1.7%)
5. 無回答
5 (2.1%)
計
234
計
113
235
参考資料
法律等
(1)子どもの読書活動の推進に関する法律(平成十三年十二月十二日法律第百五十四号)
(目的)
第一条
この法律は、子どもの読書活動の推進に関し、基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務等を
明らかにするとともに、子どもの読書活動の推進に関する必要な事項を定めることにより、子どもの読書活動の
推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって子どもの健やかな成長に資することを目的とする。
(基本理念)
第二条
子ども(おおむね十八歳以下の者をいう。以下同じ。)の読書活動は、子どもが、言葉を学び、感性を
磨き、表現力を高め、創造力を豊かなものにし、人生をより深く生きる力を身に付けていく上で欠くことのでき
ないものであることにかんがみ、すべての子どもがあらゆる機会とあらゆる場所において自主的に読書活動を行
うことができるよう、積極的にそのための環境の整備が推進されなければならない。
(国の責務)
第三条
国は、前条の基本理念(以下「基本理念」という。
)にのっとり、子どもの読書活動の推進に関する施策
を総合的に策定し、及び実施する責務を有する。
(地方公共団体の責務)
第四条
地方公共団体は、基本理念にのっとり、国との連携を図りつつ、その地域の実情を踏まえ、子どもの読
書活動の推進に関する施策を策定し、及び実施する責務を有する。
(事業者の努力)
第五条
事業者は、その事業活動を行うに当たっては、基本理念にのっとり、子どもの読書活動が推進されるよ
う、子どもの健やかな成長に資する書籍等の提供に努めるものとする。
(保護者の役割)
第六条
父母その他の保護者は、子どもの読書活動の機会の充実及び読書活動の習慣化に積極的な役割を果たす
ものとする。
(関係機関等との連携強化)
第七条
国及び地方公共団体は、子どもの読書活動の推進に関する施策が円滑に実施されるよう、学校、図書館
その他の関係機関及び民間団体との連携の強化その他必要な体制の整備に努めるものとする。
(子ども読書活動推進基本計画)
第八条
政府は、子どもの読書活動の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、子どもの読書活
動の推進に関する基本的な計画(以下「子ども読書活動推進基本計画」という。)を策定しなければならない。
2
政府は、子ども読書活動推進基本計画を策定したときは、遅滞なく、これを国会に報告するとともに、公表
しなければならない。
3
前項の規定は、子ども読書活動推進基本計画の変更について準用する。
(都道府県子ども読書活動推進計画等)
第九条
都道府県は、子ども読書活動推進基本計画を基本とするとともに、当該都道府県における子どもの読書
活動の推進の状況等を踏まえ、当該都道府県における子どもの読書活動の推進に関する施策についての計画(以
下「都道府県子ども読書活動推進計画」という。
)を策定するよう努めなければならない。
2
市町村は、子ども読書活動推進基本計画(都道府県子ども読書活動推進計画が策定されているときは、子ども
読書活動推進基本計画及び都道府県子ども読書活動推進計画)を基本とするとともに、当該市町村における子ど
もの読書活動の推進の状況等を踏まえ、当該市町村における子どもの読書活動の推進に関する施策についての計
画(以下「市町村子ども読書活動推進計画」という。)を策定するよう努めなければならない。
3
都道府県又は市町村は、都道府県子ども読書活動推進計画又は市町村子ども読書活動推進計画を策定したとき
は、これを公表しなければならない。
4
前項の規定は、都道府県子ども読書活動推進計画又は市町村子ども読書活動推進計画の変更について準用する。
(子ども読書の日)
第十条
国民の間に広く子どもの読書活動についての関心と理解を深めるとともに、子どもが積極的に読書活動
を行う意欲を高めるため、子ども読書の日を設ける。
2
子ども読書の日は、四月二十三日とする。
114
3
国及び地方公共団体は、子ども読書の日の趣旨にふさわしい事業を実施するよう努めなければならない。
(財政上の措置等)
第十一条 国及び地方公共団体は、子どもの読書活動の推進に関する施策を実施するため必要な財政上の措置その
他の措置を講ずるよう努めるものとする。
附則
この法律は、公布の日から施行する。
○衆議院文部科学委員会における附帯決議
政府は、本法施行に当たり、次の事項について配慮すべきである。
一
本法は、子どもの自主的な読書活動が推進されるよう必要な施策を講じて環境を整備していくものであり、
行政が不当に干渉することのないようにすること。
二
民意を反映し、子ども読書活動推進基本計画を速やかに策定し、子どもの読書活動の推進に関する施策の確
立とその具体化に努めること。
三
子どもがあらゆる機会とあらゆる場所において、本と親しみ、本を楽しむことができる環境づくりのため、
学校図書館、公共図書館等の整備充実に努めること。
四
学校図書館、公共図書館等が図書を購入するに当たっては、その自主性を尊重すること。
五
子どもの健やかな成長に資する書籍等については、事業者がそれぞれの自主的判断に基づき提供に努めるよ
うにすること。
六
国及び地方公共団体が実施する子ども読書の日の趣旨にふさわしい事業への子どもの参加については、その
自主性を尊重すること。
(2)学校図書館法(昭和二十八年八月八日法律第百八十五号)
最終改正:平成一九年六月二七日法律第九六号
(この法律の目的)
第一条
この法律は、学校図書館が、学校教育において欠くことのできない基礎的な設備であることにかんがみ、
その健全な発達を図り、もつて学校教育を充実することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において「学校図書館」とは、小学校(特別支援学校の小学部を含む。)
、中学校(中等教育学校
の前期課程及び特別支援学校の中学部を含む。
)及び高等学校(中等教育学校の後期課程及び特別支援学校の高等
部を含む。)
(以下「学校」という。
)において、図書、視覚聴覚教育の資料その他学校教育に必要な資料(以下「図
書館資料」という。
)を収集し、整理し、及び保存し、これを児童又は生徒及び教員の利用に供することによつて、
学校の教育課程の展開に寄与するとともに、児童又は生徒の健全な教養を育成することを目的として設けられる
学校の設備をいう。
(設置義務)
第三条 学校には、学校図書館を設けなければならない。
(学校図書館の運営)
第四条 学校は、おおむね左の各号に掲げるような方法によつて、学校図書館を児童又は生徒及び教員の利用に供
するものとする。
一
図書館資料を収集し、児童又は生徒及び教員の利用に供すること。
二
図書館資料の分類排列を適切にし、及びその目録を整備すること。
三
読書会、研究会、鑑賞会、映写会、資料展示会等を行うこと。
四
図書館資料の利用その他学校図書館の利用に関し、児童又は生徒に対し指導を行うこと。
五
2
他の学校の学校図書館、図書館、博物館、公民館等と緊密に連絡し、及び協力すること。
学校図書館は、その目的を達成するのに支障のない限度において、一般公衆に利用させることができる。
(司書教諭)
第五条 学校には、学校図書館の専門的職務を掌らせるため、司書教諭を置かなければならない。
115
2
前項の司書教諭は、主幹教諭(養護又は栄養の指導及び管理をつかさどる主幹教諭を除く。
)
、指導教諭又は教
諭(以下この項において「主幹教諭等」という。
)をもつて充てる。この場合において、当該主幹教諭等は、司書
教諭の講習を修了した者でなければならない。
3
前項に規定する司書教諭の講習は、大学その他の教育機関が文部科学大臣の委嘱を受けて行う。
4
前項に規定するものを除くほか、司書教諭の講習に関し、履修すべき科目及び単位その他必要な事項は、文部
科学省令で定める。
(設置者の任務)
第六条 学校の設置者は、この法律の目的が十分に達成されるようその設置する学校の学校図書館を整備し、及び
充実を図ることに努めなければならない。
(国の任務)
第七条 国は、学校図書館を整備し、及びその充実を図るため、左の各号に掲げる事項の実施に努めなければなら
ない。
一
学校図書館の整備及び充実並びに司書教諭の養成に関する総合的計画を樹立すること。
二
学校図書館の設置及び運営に関し、専門的、技術的な指導及び勧告を与えること。
三
前各号に掲げるものの外、学校図書館の整備及び充実のため必要と認められる措置を講ずること。
○附則抄
(施行期日)
1
この法律は、昭和二十九年四月一日から施行する。
(司書教諭の設置の特例)
2
学校には、平成十五年三月三十一日までの間(政令で定める規模以下の学校にあつては、当分の間)、第五条
第一項の規定にかかわらず、司書教諭を置かないことができる。
(3)学校図書館法の一部を改正する法律(平成二十六年六月二十七日法律第九十三号)
学校図書館法(昭和二十八年法律第百八十五号)の一部を次のように改正する。
第七条中「国は」の下に「、第六条第二項に規定するもののほか」を加え、
「左の」を「次の」に改め、同条第
三号中「前各号」を「前二号」に、
「外」を「ほか」に改め、同条を第八条とする。
第六条を第七条とし、第五条の次に次の一条を加える。
(学校司書)
第六条
学校には、前条第一項の司書教諭のほか、学校図書館の運営の改善及び向上を図り、児童又は生徒及び教
員による学校図書館の利用の一層の促進に資するため、専ら学校図書館の職務に従事する職員(次項において「学
校司書」という。
)を置くように努めなければならない。
2
国及び地方公共団体は、学校司書の資質の向上を図るため、研修の実施その他の必要な措置を講ずるよう努め
なければならない。
○附則
(施行期日)
1
この法律は、平成二十七年四月一日から施行する。
(検討)
2
国は、学校司書(この法律による改正後の学校図書館法(以下この項において「新法」という。)第六条第一
項に規定する学校司書をいう。以下この項において同じ。)の職務の内容が専門的知識及び技能を必要とするもの
であることに鑑み、この法律の施行後速やかに、新法の施行の状況等を勘案し、学校司書としての資格の在り方、
その養成の在り方等について検討を行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。
116
神戸市学校司書(学校図書館担当職員)事業実施要綱
(目 的)
第1条 この要綱は,神戸市立小学校及び中学校の学校図書館の充実を図り,児童生徒の豊かな心と
確かな学力を育むために実施する学校司書(学校図書館担当職員)
(以下「学校司書」という。
)事
業の実施に関して必要な事項を定める。
(学校司書の配置)
第2条 学校司書を,神戸市立小学校及び中学校に配置する。
(身 分)
第3条 学校司書は,地方公務員法(昭和 25 年法律第 261 号)第3条第3項第3号に規定する特別職
に属する非常勤の嘱託員とする。
(採 用)
第4条 学校司書は,次の各号のすべての条件を満たした者から,選考により,予算の範囲内で採用
する。
(1)満 20 歳以上かつ 65 歳以下の健康な者で,地方公務員法第 16 条の欠格条項に該当しない者
(2)司書または司書補等の資格を有する者
(3)神戸市の学校教育を理解し,学校図書館を活用した教育に意欲があり,学校教育に携わるに適
した者
(委嘱期間)
第5条 委嘱期間は会計年度(4月1日から翌年の3月 31 日までをいう。以下「年度」という。)の
範囲内で教育委員会が決定する。
2 勤務成績が良好である場合は,前項の委嘱期間を4回まで更新することができる。ただし,満 65
歳に達した日の属する年度の末日を越えて更新することはできない。
3 前項本文の規定は,委嘱期間を4回更新された者で引き続き学校司書としての勤務を希望する者
が,改めて選考を受けることを妨げるものではない。
(業務内容)
第6条 学校司書は,司書教諭及び図書館担当教員等と連携して,次に掲げる業務を行う。
(1)学校図書館の整備に関すること(蔵書管理,環境整備等)
(2)学校図書館の運営に関すること(開館,貸出,レファレンス等)
(3)学校図書館を活用した授業等の支援に関すること(図書の準備,紹介等)
(4)図書委員会活動の支援に関すること
(5)市立図書館との連携に関すること
(6)ボランティアとの協働に関すること
(7)その他神戸市立小中学校における読書活動の推進に関すること
117
(服 務)
第7条 学校司書は,その職務を遂行するにあたり,法令,条例及び規則等に従い,かつ学校長の職
務上の命令に従わなければならない。
2 学校司書は,
その職の信用を傷つけ,
又は職員全体の不名誉となるような行為をしてはならない。
3 学校司書は,法令等に特別の定めがある場合を除くほか,職務上知り得た秘密を漏らしてはなら
ない。また,その職を退いた後も同様とする。
4
学校司書は,勤務時間中は職務に専念しなければならない。
5 学校司書は,職務遂行に必要な資質の向上に努めなければならない。
(勤務日及び勤務時間)
第8条 学校司書の勤務日は原則として月曜日から金曜日(国民の祝日に関する法律(昭和 23 年法律
第 178 号)に規定する休日を除く)とし,勤務時間は8時 30 分から 16 時 30 分までの間で,学校長
が定めるものとする。
ただし,学校長は学校行事,業務の都合等により,次条に定める勤務日数及び勤務時間数の範囲
内で,勤務日及び勤務時間を変更することができる。
2 1日の勤務時間が午前・午後にまたがる場合は,昼食等のため 45 分間の休憩時間を与えるが,休
憩時間は勤務時間に含めない。
(勤務日数及び勤務時間数の制限)
第9条 勤務日数は,年度内で 200 日以内とする。
2
勤務時間は1日につき6時間以内とし,かつ1週間あたり 29 時間以内,年度内で 1,100 時間以内
とする。
(年次有給休暇)
第 10 条 年次有給休暇は年度ごとにおける休暇とする。
2 年次有給休暇は,新たに採用した者については委嘱開始日に,第5条第2項の規定により委嘱期
間を更新した者については,年度の初日に与えるものとする。
3 年次有給休暇の日数は,新たに採用したものは委嘱開始月に応じ,委嘱期間を更新したものは委
嘱開始日が属する年度を1年目とした勤務年数に応じて,それぞれ別表1に定める日数とする。
4
当該年度に付与した年次有給休暇のうち当該年度中に取得しなかった日数は,翌年度に限り繰り
越すことができる。
5
年次有給休暇の取得は,1日単位とする。なお,年次有給休暇を取得した日の報酬額の算定にあ
っては,年次有給休暇1日に相当する勤務時間数は6時間とする。
(退 職)
第 11 条 学校司書は,次の各号の一に該当する場合には,その日をもって退職とし,学校司書の身分
を失う。
(1)委嘱期間が満了した場合は,満了した日
118
(2)退職を願い出て承認があった場合は,承認があった日
(3)死亡した場合は,死亡した日
(4)年齢が満 65 歳に達した場合は,満 65 歳に達した日の属する年度の末日
2
前項2号の規定により退職する場合には,学校司書は退職を希望する日の 30 日前までに,教育委
員会に願い出なければならない。
(免 職)
第 12 条 学校司書が,次の各号の一に該当する場合には,その意に反してこれを解雇することができ
る。
(1)著しく勤務成績が不良で,向上の見込みがなく,職務に適さないと認められる場合
(2)身体又は精神の状況により,勤務に耐えられないと認められる場合
(3)刑事事件に関し処罰された場合
(4)経歴を偽り,その他不正手段を用いて採用された場合
(5)その他職務上の義務に違反し,または全体の奉仕者としてふさわしくない非行があった場合
2 前項の規定により学校司書を解雇する場合は,
解雇する日の 30 日前までにその旨を当該学校司書
に通告するか,または 30 日分の平均報酬を支給する。
(報 酬)
第 13 条 報酬の計算期間は月の初日から末日までを1か月とし,当月分を翌月 25 日に支払うものと
する。ただし,支給日が土曜日,日曜日及び国民の祝日に関する法律に規定する休日にあたるとき
は,支給日を支給日前の休日等でない日に繰り上げる。
2
学校司書の 1 か月の報酬額の算定にあたっては,その月の勤務した時間 1 時間あたり 1,000 円と
して算定するものとする。
3
年次有給休暇を取得した日の報酬額は,所定労働時間労働した場合に通常支払われる額として,
1時間あたり 1,000 円として算定する。
4
1か月の勤務時間の合計に1時間未満の端数が生じた場合は,30 分以上は切り上げ,30 分未満は
切り捨てる。
5 報酬の支払いに際し,法令等により定められたものは,報酬から控除できるものとする。
(交通費)
第 14 条 学校司書の通勤は,公共交通機関によることを原則とする。
2 通勤に際し,公共交通機関を利用し,その利用距離が片道1㎞以上ある者については,1日あた
り 1,200 円を上限として交通費を支給する。
3
通勤の経路については,運賃,時間,距離等の事情に照らして経済的かつ合理的と認められる通
常の経路によるものとする。
4 通勤にかかる交通費の額は,1か月あたりの勤務日数が 21 日以上の場合は,1か月分の定期券代
を支給する。1か月あたりの勤務日数が 21 日未満の場合は,定期券代と運賃額(普通料金)を比較
のうえ低廉であるものを支給する。なお,算定にあたり年次有給休暇を取得した日は,出勤したも
のとして取り扱う。
119
5
片道2㎞以上あり,かつ自動車その他の交通用具を使用しなければ通勤することが著しく困難で
あると認められる場合は,自動車,自動二輪車,原動機付自転車及び自転車(以下「自動車等」と
いう。
)による通勤を認める。その際の交通費は,自宅から勤務先までの距離に従い,別表2により
算定する。
6
公共交通機関と自動車等を併用する場合の交通費は,1日あたり 1,200 円を上限額として,それ
ぞれ前4項及び前5項に定める方法により算定した額の合計額とする。
7 学校司書が研修,その他業務のため出張の必要がある時は,費用弁償として,別に当該出張先ま
での交通費を支給する。なお,出張にかかる交通費は,原則として当該出張の翌月の報酬支給日に
支払う。
(雇用保険の適用)
第 15 条 雇用保険の適用については,雇用保険法(昭和 49 年法律第 116 号)の定めるところによる。
(公務災害)
第 16 条 学校司書の公務上又は通勤による災害の補償は,労働者災害補償保険法(昭和 22 年法律第
50 号)及び地方公務員災害補償法(昭和 42 年法律第 121 号)の定めるところによる。
(採用前研修)
第 17 条 第4条に規定する選考により採用を予定している者について,第5条第1項に規定する委嘱
期間前に,委嘱後の業務が円滑に遂行できるため採用前研修を実施する場合は,第5条の規定とは別
に,研修参加者に対して当該研修についての業務を委嘱し,研修手当として報酬を支給する。また,
研修に参加するに際し,公共交通機関を利用し,その利用距離が片道1㎞以上ある者については,1
日あたり 1,200 円を上限額として交通費を支給する。
2 前項に規定する報酬額及び交通費は日額で算定する。報酬額の日額の算定にあたっては,1時間
あたり 1,000 円として算定する。
ただし,
委嘱期間中の合計時間に1時間未満の端数が生じた場合は,
30 分以上は切り上げ,30 分未満は切り捨てる。
3
採用前研修期間中の公務上又は通勤による災害の補償は,神戸市非常勤職員の公務災害補償等に
関する条例の定めるところによる。
(その他)
第 18 条 この要綱に定めるもののほか,事業の実施に関し必要な事項は,教育委員会が別に定める。
附 則
この要綱は平成 26 年9月1日から施行する。
120
(別表1)年次有給休暇の付与日数
(新たに採用した者)
委嘱開始月
4月~9月
10 月
11 月
12 月
1月
2月
3月
付与日数
7日
6日
5日
4日
3日
2日
1日
(委嘱期間を更新した者)
委嘱開始日が属する年度を1年目とした勤務年数
勤務年数
2年目
3年目
4年目
5年目
6年目
7年目以降
付与日数
8日
9日
10 日
12 日
13 日
15 日
(別表2)自動車等による交通費
自動車等の片道の使用距離
交通費額(日額)
2 ㎞以上 10 ㎞未満
180 円
10 ㎞以上 15 ㎞未満
290 円
15 ㎞以上 25 ㎞未満
510 円
25 ㎞以上 35 ㎞未満
730 円
35 ㎞以上 45 ㎞未満
950 円
45 ㎞以上
1,110 円
※自動車等の片道の使用距離が2㎞未満の場合は支給しない。
121
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123
124
神戸市教育委員会事務局社会教育部生涯学習課
〒650-8570 神戸市中央区加納町6丁目5番1号
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平成 27 年 3 月発行
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