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F(7)P~ROモジュールの水質管理測定における簡便な方法:第52回透析
ROモジュールの水質管理測定における簡便な方法:7 ROモジュールの水質管理測定 における簡便な方法 偕行会 名港共立クリニック 田岡正宏、佐藤隆 第52回(社)日本透析医学会学術集会・総会 15-17,May..,’07 1 ROモジュールの水質管理測定における簡便な方法:7 はじめに 透析治療における透析液の細菌検査やエンドトキシン検査は透析 医学会の水質管理基準が定められており、基準を満たすことは必 須である。水質管理の測定箇所において、ROタンクや末端透析装 置の検査は定期的に行われているが、水質からみた水源の最上流 はROモジュールであるが、装置によっては検査口が無い装置もあ り測定はあまりされていないのが現状である。仮に採取口があって も使用頻度が低いことから検査結果はコンタミネーションを起こし、 安定した測定結果にならない場合がある。採取ラインを常に流しな がら汚染を広げない工夫を試みたので紹介する。 第52回(社)日本透析医学会学術集会・総会 15-17,May..,’07 2 方法 ROモジュールの水質管理測定における簡便な方法:7 改良するRO装置システム ピュアフローPF-803B(精製能力45L/min:8インチROモジュール×3本) 改良内容 1)ROモジュールから吐出するRO水を一部分岐してラインにサンプル口を設ける 2)分岐部分が細菌培養しないように常時流す 3)常時流水でRO水を廃棄することは無駄になるため基本流路はROタンクに戻す 4)サンプル時の汚染を考え、検査の時のみ廃棄する流路制御をする 5)RO装置の起動時にモジュールの初期抜水液がROタンクに入らないようにする 操作方法 RO装置のフロントパネル内にサンプル口とサンプルスイッチがあり、スイッチを押 すことで70秒間ラインが廃棄され、ROタンクにラインが切り替わる10秒前に警告 音がなりタイムアップ後、ラインがROタンク側へ切り替わる。 サンプルはラインの 廃棄中の60秒以内に行なう。 改良前後の細菌検査で評価を行なった。 第52回(社)日本透析医学会学術集会・総会 15-17,May..,’07 3 ROモジュールの水質管理測定における簡便な方法:7 改良前のROモジュールとサンプルコック周辺 RO水のサンプルコック 第52回(社)日本透析医学会学術集会・総会 15-17,May..,’07 4 ROモジュールの水質管理測定における簡便な方法:7 ROモジュールサンプリング装置 原水 ROモジュール:1 M M ROポンプ ROモジュール:2 ROモジュール:3 連動 制御 押す サンプルスイッチ S S M UV LS サンプル口 1 2 3 4 5 フロー図 第52回(社)日本透析医学会学術集会・総会 15-17,May..,’07 ROタンク 5 ROモジュールの水質管理測定における簡便な方法:7 改良後のROモジュールとサンプルポートとサンプルスイッチ周辺 サンプルポート 第52回(社)日本透析医学会学術集会・総会 サンプルスイッチ 15-17,May..,’07 6 ROモジュールの水質管理測定における簡便な方法:7 評価方法 RO装置に各々3本のモジュールを配備している。2系統で合計6本に対し、 改良前後の細菌検査とエンドトキシン活性を測定した。 細菌検査は、MicroBio社のセンシメディアを用い、 エンドトキシン測定は、生化学工業社のEGリーダー:SV-12を用いた。 ROモジュールの検査測定は、本年1月初旬から定期的に行なっており、今回の改良 は、5月初旬に行っており、経験1ヶ月間と供に前後の比較評価を行なった。 第52回(社)日本透析医学会学術集会・総会 15-17,May..,’07 7 ROモジュールの水質管理測定における簡便な方法:7 改良前のエンドトキシン活性(EU/L) モジュール1 モジュール2 モジュール3 モジュール1 モジュール2 モジュール3 1 系統1 エンドトキシン活性(EU/L) 0.9 系統2 0.8 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 15-17,May..,’07 07 /4 /2 7 0 07 /4 /2 3 /1 /4 07 /6 /4 07 07 /3 /3 0 3 07 /3 /2 6 /1 /3 07 /9 07 /3 /2 /3 07 3 /2 07 /2 07 第52回(社)日本透析医学会学術集会・総会 /2 /1 6 /9 /2 07 /2 /2 07 07 /1 /2 6 9 /1 /1 07 07 /1 /1 2 0 8 第52回(社)日本透析医学会学術集会・総会 15-17,May..,’07 0.9 系統2 07/6/1 系統1 07/5/25 07/5/18 07/5/11 0.8 07/5/4 1 07/4/27 07/4/20 07/4/13 07/4/6 07/3/30 07/3/23 07/3/16 07/3/9 07/3/2 07/2/23 07/2/16 07/2/9 07/2/2 07/1/26 07/1/19 07/1/12 エンドトキシン活性(EU/L) ROモジュールの水質管理測定における簡便な方法:7 エンドトキシン活性(EU/L) モジュール1 モジュール2 モジュール3 モジュール1 モジュール2 モジュール3 0.7 0.6 0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0 9 ROモジュールの水質管理測定における簡便な方法:7 陽性 改良前の細菌培養:センシメディア 1 モジュール1 モジュール2 モジュール3 モジュール1 モジュール2 モジュール3 陰性 系統1 系統2 第52回(社)日本透析医学会学術集会・総会 15-17,May..,’07 /4 /2 7 07 /4 /2 0 07 6 /4 /1 3 07 07 /4 / 0 3 /3 /3 07 6 /3 /2 07 /3 /1 07 /9 07 /3 /2 07 /3 23 07 /2 / 07 /2 / 16 /9 07 /2 /2 07 /2 26 07 /1 / 19 /1 / 07 07 /1 / 12 0 10 07 /1 /1 07 2 /1 /1 07 9 /1 /2 6 07 /2 /2 07 /2 / 07 9 /2 /1 07 6 /2 /2 3 07 /3 /2 07 /3 / 07 9 /3 /1 07 6 /3 /2 07 3 /3 /3 0 07 /4 / 07 6 /4 /1 07 3 /4 /2 07 0 /4 /2 7 07 /5 / 07 4 /5 /1 07 1 /5 /1 07 8 /5 /2 5 07 /6 /1 陰性 陽性 ROモジュールの水質管理測定における簡便な方法:7 細菌培養:センシメディア 15ポイント 系統1 系統2 第52回(社)日本透析医学会学術集会・総会 15-17,May..,’07 10ポイント 1 モジュール1 モジュール2 モジュール3 モジュール1 モジュール2 モジュール3 0 11 ROモジュールの水質管理測定における簡便な方法:7 まとめ サンプリング前のフラッシング作業は、清潔操作はもとより、RO水を一部廃 棄することにより、作製能力を考慮に入れて作業しなければ、渇水のトラブ ルとなり注意が必要である。よって、作製能力を考えると従来の方法は、 モジュール1本ごとの検査とならざるを得ず作業効率が悪いものである。 これが、モジュール検査の足かせとなっている。 ROモジュールの検査は、清浄化器具の最上流にあり、測定時のコンタミは もとより、下流のROタンクを汚染させることなく慎重に行なわなければならな い。その中で、ROメーカが多数あるが、ユーザーに配慮された装置は余り 見かけない。サンプル口を設けることが汚染要因と避けているメーカもあり、 清浄化の方向性を見失っている場合がある。 今回の改良により、サンプリング作業に関わる時間が大幅に削減され、 コンタミの少ない検査が可能となった。 第52回(社)日本透析医学会学術集会・総会 15-17,May..,’07 12