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肉用牛生産性向上対策事業 活動成果報告 (子牛育成)

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肉用牛生産性向上対策事業 活動成果報告 (子牛育成)
地域資源の活用による低コスト畜産
の確立を目指して
(焼酎粕・飼料用米等の活用マニュアル・優良事例集)
平成24年3月
宮崎県畜産試験場
宮崎県営農支援課
宮崎県畜産協会
はじめに
本県の畜産は、口蹄疫・高病原性鳥インフルエンザの相次ぐ発生を
受け、さらに近年の地球温暖化による気候変動や生産資源の枯渇な
ど、生産活動を妨げる様々な制限要因が新たに発生し、経営環境は
必ずしも順調とはいいがたい状況にあります。
そのような中、宮崎県では原点回帰として「儲かる畜産」を念頭に、
みやざきブランドを中心とした高付加価値による畜産物の生産に邁進
するとともに、生産コストを削減する技術開発に努めています。
また、トウモロコシ等の穀物からエタノールを抽出してガソリンの代
替とする、いわゆるバイオエタノールが注目を浴びており、穀物の需要
が高まり、世界的に穀物価格が高騰し、今後も続くことが予想されてい
ます。
そこで、飼料価格高騰対策として、自給可能な穀物の1つである飼料
用米や従来はあまり顧みられなかった焼酎粕等の食品残さの活用が
試みられています。
このマニュアルでは、実際に飼料用米や食品残さを家畜に給与する
際の、給与方法や注意点、さらには主な成分について広く記載してい
ます。
また、県内の優良事例の紹介も行っていますので、これらを参考に、
ぜひ家畜へ給与を実践していただき、低コスト経営に取り組んでいた
だければと考えます。
宮崎県畜産試験場長
目次
1.宮崎県における未利用資源の現状
①本県の飼料用米生産の現状 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4
②食品残さの現状
5
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2.飼料用米の活用マニュアル
①飼料用米の飼料価値
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
8
②飼料用米の活用方法
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
9
③家畜での活用
・牛での活用
・豚での活用
・鶏での活用
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 10~15
3.食品残さの活用マニュアル
①食品残さの飼料価値
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 17~18
②家畜での活用
・牛での活用
・豚での活用
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20~31
4.未利用資源の活用方法
・活用の進め方
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
33
5.優良事例集
①県内優良事例
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 36~43
1.宮崎県における未利用資源の現状
①飼料用米の現状
県内の畜産を支えている配合飼料の大部分を輸入が占め、その価格は
最近の経済情勢により上昇し、しかも高止まりしつつあり、長期的な安定供
給は見通しが立たないのが現状である。この輸入穀物の代替可能な作物と
して、飼料用米が1番手に考えられる。
そこで、県内における飼料用米の作付け状況は平成20年から毎年増加
し、平成23年度には200haを越えている。地域別では、南那珂地域で100
ha以上の作付けがなされ、次に東臼杵地域で増加傾向にある。
また、作付けされている品種では、「モミロマン」と「まいひかり」で8割以
上を占めている。
しかしながら、県内での生産・流通・利用システムを確立するためには低
コストでの生産流通が望まれている。
県内飼料用米の作付け品種
割合
(平成23年度)
ヒノヒカリ コシヒカリ
北陸193 2%
5%
号
1%
まいひかり
32%
モミロマン
(関東飼226
号)
55%
さきひかり
5%
②食品残さの現状
畜産における食品残さ(エコフィード)は古くから、部分的に
は利用されて来ているが昨今の配合飼料の高騰を受けて、生
産コスト低減のために新たに見直されている。
県内の食品残さ物は一般廃棄物として処理されている生ゴ
ミが約142千tあり、産業廃棄物として処理されている食品残さ
系は約289万tあり計431千tが食品残さ物としての年間排出
量と推定され、膨大な資源として眠っている状況にある。
その中で、大部分を占めているのが焼酎粕の約268千tで
あり、約122千tが飼料として活用されているものの約半分以
上が産業廃棄物として処理されている。この南九州で産出され
る焼酎粕の畜産での利用が喫緊の課題であり、その有効利用
が望まれている。
県内の食品残さの発生量(t)
350,000
300,000
250,000
200,000
廃酸(焼酎粕等)
動物系固形不要物
150,000
動植物性残さ
100,000
50,000
0
H17
H18
H19
H20
H21
2.飼料用米の活用
マニュアル
飼料用米の植え付け
飼料用米の収穫
①飼料用米の飼料価値
配合飼料の主な原料であるトウモロコシの代替えとして、飼料
用米の飼料価値を検討した結果、トウモロコシと同等の飼料価値
がある。
しかしながら、その加工・調製で栄養価値が異なるとともに、家
畜の種類によっては給与形態・方法も違うことから、事前の十分な
給与設計が必要となる。
現物中(%)
品種
水
分
粗蛋
白質
粗脂
肪
粗繊
維
NFE
粗灰
分
ミツヒカリ
玄米
モミ米
14.1
13.7
7.2
6.8
2.3
2.0
1.0
7.9
74.1
65.3
1.3
4.3
北陸193
号
玄米
モミ米
12.8
15.8
6.7
5.7
2.5
2.4
0.9
10.6
75.4
60.6
1.7
4.9
モミロマン
玄米
モミ米
15.2
16.5
5.7
5.4
2.2
1.8
0.9
11.5
74.4
60.4
1.4
4.6
玄米
モミ米
(牛)
(豚)
(鶏)
14.8
13.7
7.5
6.5
2.7
2.2
0.7
8.6
72.9
63.6
1.4
5.4
トウモロコ
シ*
14.5
7.6
3.8
※日本標準資料成分表
1,7
71.3
1.2
DCP
TDN
(3.8)
(4.2)
(4.6)
(67.1)
(64.0)
(65.0)
6.1
80.0
②飼料用米の活用方法
飼料用米には、給与形態として籾・玄米・精米があり、反芻動物で
は消化率を高めるために、加工法として、圧ペン・粗挽き・挽き割り等
が有効である。
また、調製方法として一般的な乾燥貯蔵とサイレージ貯蔵したイネ
ソフトグレインサイレージ(SGS)があり、給与家畜により様々な形態
が考えられる。
現物中(%)
形態
水分
粗蛋
白質
粗脂
肪
粗繊
維
NFE
粗灰
分
粉砕
13.4
5.5
2.3
10.1
64.6
圧ペン
13.0
5.8
2.3
10.9
SGS
37.1
4.6
1.6
モミ米
12.7
5.4
3.6
DCP
TDN
4.1
4.4
67.8
63.3
4.7
4.7
66.8
6.9
45.8
3.7
3.7
48.4
10.2
63.6
4.3
4.3
注)DCP,TDNは牛のデータ
飼料用米(モミ米)の加工(左:2mm粉砕、中央:圧ペン、
右:イネSGS(傷をつけたモミ米を乳酸発酵させたもの)
68.8
③家畜での活用(飼料用米)
1)標準給与量
対象家畜
配合飼料中の
割合(%)
注意点
備考
乳用牛
10~40%
粉砕・圧ペン
等へ加工する
泌乳中後期の
搾乳牛
~30%
β-カロテン濃
度に注意が必
要
籾米の粉砕
黒毛和種
肥育牛
肉用鶏
10%程度
肉の色調が薄
くなる可能性
がある
2)家畜での給与試験結果
a 乳用牛への給与
a)給与設計
b)結果
粉砕区
原物%
圧ペン区
イネSGS区
対照区
36.0%
イタリアンc)注意事項
18.0%
サイレージ
36.0%
36.0%
44.0%
18.0%
18.0%
15.0%
乾草
8.0%
8.0%
8.0%
8.0%
飼料用米
8.0%
8.0%
8.0%
-
濃厚飼料
21.0%
21.0%
21.0%
25.0%
4.0%
4.0%
4.0%
4.0%
トウモロコシ
サイレージ
添加剤
• 搾乳月数が5ヵ月以降の搾乳牛8頭を用い
て、1期14日間×4期の給与試験を行った。
b)結果
Kg/日
29.0
28.0
27.0
粉砕区
圧ペン区
イネSGS区
対照区
26.0
25.0
24.0
23.0
乾物摂取量
乳脂肪率(%)
乳蛋白質率(%)
乳糖(%)
無脂固形(%)
全固形(%)
MUN(mg/dl)
粉砕区
4.9
3.4
4.4
8.8
13.6
10.0
乳量
圧ペン区
4.7
3.4
4.4
8.8
13.5
9.5
イネSGS区
4.9
3.4
4.4
8.8
13.6
9.7
対照区
4.8
3.4
4.4
8.8
13.5
9.3
c)注意事項
モミ米で給与する場合は、消化しやすくするために、粉砕や圧ペ
ン等の加工をする必要がある。
b 黒毛和種肥育牛への給与
a)給与設計
黒毛和種肥育牛(去勢)に対して、肥育後期(22から28カ月齢)に
濃厚飼料の30%(TDNベース)を飼料用米(4mm粉砕籾米)で代替給与した。
表1 給与飼料の配合割合(原物)
(単位;%)
配合割合
区分
飼料用米(籾)
肥育用配合飼料
大麦圧ペン
コーンミール
飼料用米区
33
45
11
11
対照区
0
78
11
11
表2 給与飼料の飼料成分(原物)
区分
水分
粗蛋白質
(単位;%)
飼料成分
粗脂肪 粗繊維
粗灰分
TDN
飼料用米(籾)
13.3
5.9
1.7
9.6
4.3
67.6
肥育用配合飼料
13.0
12.0
1.5
10.0
10.0
73.0
大麦圧ペン
11.8
10.6
2.1
4.4
2.3
74.1
コーンミール
12.8
9.6
7.5
4.6
2.4
82.6
飼料用米区(配合後)
9.6
2.3
8.7
6.4
72.4
対照区(配合後)
11.6
2.2
8.8
8.3
74.2
b)結果
①飼料用米の嗜好性は良く、飼料摂取量に差はなかった(表3)。
②発育への影響は認められなかった(表4)。
③血液中のビタミンA濃度に影響はなく、コントロールが可能であった(図1)。
④枝肉成績への影響は認められなかった(表5)。
表3 1日当たりの飼料摂取量(原物)
(単位;kg)
飼料用米給与期間
肥育全期間
区分
濃厚飼料 粗飼料 濃厚飼料 粗飼料
飼料用米区 8.4±0.2 1.0±0.0 7.8±0.2 1.3±0.1
対照区
8.4±0.5 1.0±0.2 7.7±0.4 1.4±0.2
飼料用米区
対照区
120
ビタミンA(IU/dl)
100
飼料用米
給与期間
80
60
40
20
0
41
55
67
79
91
103
115
出荷時
生後週齢
図1 血中ビタミンA濃度の推移
表4 体重及び1日当たり増体量(DG)
肥育開始時
飼料用米給与期間
肥育全期間
区分
体重
開始時体重 終了時体重
DG
DG
(kg)
(kg)
(kg)
(kg/日)
(kg/日)
飼料用米区 304.0±11.7 626.6±11.0 763.3±29.1 0.75±0.10 0.82±0.04
対照区
302.6±15.2 632.6± 5.7 771.3±20.2 0.77±0.08 0.84±0.06
表5 枝肉成績
区分
屠畜前体重 枝肉重量
(kg)
(kg)
胸最長筋
脂肪交雑
面積
(cm2)
肉色
脂肪色
(BMSNo.) (BCSNo.) (BFSNo.)
飼料用米区 732.6±26.8 479.8±23.2 65.0± 9.5 7.0±1.7 3.3±0.5 3.0±0.0
対照区
739.3±23.8 484.2±24.1 68.6±10.7 7.0±1.0 3.0±0.0 3.0±0.0
c)注意事項
ビタミンAコントロールを行っている場合、飼料用米の収穫時期によっては
β -カロテンが多く含まれることがあるので考慮が必要。
c 肉用鶏への給与
鶏は他の畜種と違い、籾米も有効に活用できます。
トウモロコシやマイロなどの代替飼料として利用する場合、
若干の栄養素の調整が必要です。
表1. 鶏におけるトウモロコシおよび籾米の栄養価
代謝エネルギー
消化率(%)
(kcal/g)
粗蛋白質
粗脂肪
可燃無窒素物
トウモロコシ
3.27
85
94
88
籾米
2.64
71
50
91
(日本標準飼料成分表, 2001)
a)給与設計
表2のとおり、ブロイラー市販配合飼料に対し10%および20%の
籾米と20%の粉砕籾米を給与しました。飼料用米の添加は22日齢
以降としました。
表2. 試験区分
給与飼料
供試羽数
10%区
配合飼料+
飼料用米(籾)10%添加
50羽(♂25♀25)
×2反復
20%区
配合飼料+
飼料用米(籾)20%添加
50羽(♂25♀25)
×2反復
粉砕
20%区
配合飼料+
飼料用米(粉砕籾)20%添加
50羽(♂25♀25)
×2反復
対照区
配合飼料
50羽(♂25♀25)
×2反復
b)結果
嗜好性
飼料用米の嗜好性は
良好でした(図1)。
給与前
消化
籾殻の消化は不十分ですが
(図2)、米の吸収は良好でした。
給与後
図1.飼料給与時の様子
解体成績
と体重、もも肉、むね肉、ササミなどの
重量に大きな差はありませんでした。
雄の腹腔内脂肪量は飼料用米給与によ
り増加しましたが、他の試験では減少する
との報告もあり、注意が必要です。
図2.糞便中の籾殻
肉中の脂肪酸組成(オレイン酸、リノール酸、リノレン酸)や
アミノ酸含量(グルタミン酸、イノシン酸)についても調査しま
したが、各試験区間に大きな差は認められませんでした。
表3. 解体成績
区分
と体重
もも肉
腹腔内脂肪
♂
♀
♂
♀
♂
♀
籾10%
2567
2378
571
524
60.4 b
70.2
籾20%
2447
2280
562
493
61.6 b
71.6
粉砕籾
2393
2305
524
506
53.4 ab
66.2
対照
2473
2286
549
504
49.3 a
63.8
c)注意事項
この試験では籾と粉砕籾との差がありませんでしたが、不稔籾の
配合割合によっては栄養素の不足を招くおそれがありますので、
注意してください。
3.食品残さ(エコフィード)
の活用マニュアル
発酵焼酎粕
焼酎粕ケーキ
ユズ残さサイレージ
①食品残さの飼料価値
食品残さ(エコフィード)には多種多様なものがあり、原料や加工・貯蔵
方法等でその飼料価値は大きな変動があり、家畜の飼料として利用する
場合には飼料成分の分析及び飼料設計が不可欠である。
また、県内で最も排出量が多い焼酎粕においても原料には主に甘藷、
米、及び麦があり、加工方法でも常圧蒸留・低圧蒸留などがあり排出され
る焼酎粕の成分も当然のように異なっている。
さらに、その給与形態でも飼料価値は大きく異なり、焼酎粕原液・乳酸
発酵焼酎粕・濃縮液・焼酎粕ケーキ及び乾燥焼酎粕等様々な形態での給
与がなされている。
焼酎粕類の栄養価
現物中(%)
品種
水
分
粗
蛋
白
質
粗脂 粗繊
肪
維
焼酎粕
(米)
94.9
2.6
0.1
0.1
3.4
焼酎粕
(麦)
88.7
4.6
0.1
0.2
7.5
焼酎粕
*(いも)
94.5
1.3
0.5
0.6
2.7
0.4
0.78
3.6
10.8
13.6
34.2
41.8
4.7
11.5
3.8
2.5
43.2
27.9
3.3
2.7
29.1
32.2
76.7
79.4
焼酎粕濃縮
液
62.4
8.9
1.0
27.7
5.5
焼酎粕ケー
キ
76.4
33.6
6.3
乳酸発酵焼
酎粕
94.5
1.29
0.50
乾燥焼酎粕
*(大麦)
*(米)
NFE
粗灰
分
DCP
TDN
26.3
3.6
0.60
注)*日本標準資料成分表から抜粋
0.40
3.6
主な食品残さの栄養価
単位:%
DCP TDN
品種
水
分
粗
蛋
白
質
粗脂 粗繊
肪
維
ユズ残さ:牛
(原物)
94.9
2.6
0.1
0.1
3.4
ユズ残さ:牛
(サイレー
ジ)
88.7
4.6
0.1
0.2
7.5
豆腐粕(生)
*牛
*豚
77.5
77.5
5.9
5.9
2.6
2.6
3.6
3.6
9.5
9.5
0.9
0.9
5.0
4.0
20.5
15.9
乾燥豆腐粕
*牛
*豚
8.6
8.6
25.5
25.5
11.6
11.6
14.7
14.7
35.9
35.9
3.8
3.8
21.8
17.6
84.6
65.4
ブドウ粕
(原物)
76.4
33.6
6.3
乾燥ブドウ
粕
94.5
1.29
0.50
0.60
パン屑
9.99
12.9
9.57
0.40
緑茶抽出粕
**(生)
**(乾燥)
77.8
6.0
6.1
23.8
1.2
5.6
栗加工残さ
53.0
3.08
0.39
NFE
粗灰
分
3.6
6.84
出典
*は日本標準飼料成分表
**はエコフィード設計プログラム
65.19
35.9
0.40
3.6
1.91
93.25
0.69
3.37
13.1
58.6
0.85
②家畜での活用(エコフィード)
1)標準給与量
食品残
さ
種類
対象家畜
配合飼料
中の割合
(%)
注意点
備考
焼酎粕
乳用牛
10~25%
高いタン
パク質量
泌乳中後期搾
乳牛
過剰給与
による繁
殖障害
焼酎粕の種類
により成分含
量が異なる。
黒毛和種
繁殖牛
肥育豚
約50%
濃縮:2%
乾燥:4%
肉質改善効果
ゆず加
工残さ
黒毛和種繁 5~13%
殖牛
ワイン粕
肥育豚
約5%
パン屑
肥育豚
約50%
肉質改善効果
茶くず
繁殖豚
約2%
繁殖性改善効
果
乾燥・粉砕 腸内細菌叢の
する必要 改善
がある。
2)家畜での給与試験結果
a 乳用牛への焼酎粕ケーキ給与
水分
(%)
粗タンパ
ク質
粗脂肪
粗繊維
粗灰分
87.0
26.5
5.2
14.6
4.9
遠心脱水処理した焼酎廃液から得られた焼酎粕ケーキを
給与した。
a)給与設計
乾物%
12%区
6%区
0%区
焼酎粕
12.4%
6.2%
0.0%
粗飼料
37.0%
39.2%
40.6%
濃厚飼料
44.5%
48.5%
53.3%
添加剤
6.1%
6.1%
6.1%
搾乳月数が5ヵ月以降の搾乳牛6頭を用いて、1期14日間×4
期の給与試験を行った。
b)結果
Kg/日
30
25
20
12%区
15
6%区
0%区
10
5
0
乾物摂取量
乳脂肪率(%)
乳蛋白質率(%)
乳糖(%)
無脂固形率(%)
全固形(%)
MUN(mg/dl)
乳量
12%区
5.34
3.36
4.39
8.80
14.14
8
6%区
5.17
3.33
4.45
8.74
13.91
10
0%区
5.00
3.33
4.42
8.75
13.75
13
c)注意事項
焼酎粕はタンパク質含量が高いため、飼料中のタンパク質
含量が高くならないように注意する。
b 黒毛和種(繁殖雌牛)への乳酸発酵焼酎粕給与【中間実績】
a)給与設計
黒毛和種繁殖雌牛に乳酸発酵焼酎粕(カンショ)を10L/日を2年間
給与した。粗飼料はソルガムサイレージを給与した(表1)。
表1.試験区分
区分
供試牛
年齢
飼料の種類
給与量
試験区
繁殖雌牛
4頭
7~8
乳酸発酵
焼酎粕
10L/日
対照区
繁殖雌牛
4頭
7~8
繁殖用
配合飼料
約1kg
※粗飼料および濃厚飼料については、牛の各ステージに合わせて増減
させた。
b)結果
①種付回数及び分娩期間については、対照区と比較して差は見られなかっ
た(表2)。
②血液性状については、各項目ともほぼ正常値内であった(表3)。
表2-1.試験期間中の平均繁殖成績(試験区)
牛番号
種付回数
1
2
3
4
平均
2.5
1.5
2
2
2.0
分娩間隔
(日)
421.0
374.0
450.5
430.5
419.0
表2-2.試験期間中の平均繁殖成績(対照区)
牛番号
種付回数
1
2
3
4
平均
1
3
3
1
2.0
分娩間隔
(日)
400.5
488.5
442.5
335.5
416.8
表3.血液性状
試験区
CP
7.6
給与後(20ヵ月後)
γ -GTP
25.3
対照区
7.5
24.3
87.5
46.5
正常値
6.55~7.65
15.0~25.0
78.0~142.0
46.0~100.2
コレステロール
99.5
AST
52.0
c)注意事項
・乾物中のタンパク含量が高いため、過剰な給与を避ける。
・焼酎粕の種類によって成分含量が異なるため、焼酎粕の特性を加味
した上で、給与設計を考える必要がある。
d 肥育豚への乾燥焼酎粕給与
a)給与設計
乾燥焼酎粕を2,4,6,8%混合した
飼料(表1)をそれぞれ去勢豚の肥育
後期(70kg~100kg)に給与しまし
た。
乾燥焼酎粕
表1 試験飼料配合設計及び配合後の成分
給与飼料の配合設計
配合飼料 焼酎粕 大豆粕 大麦
配合後の成分
水分 粗蛋白 粗繊維 TDN
対照区
92
0
3.00
5.00
12.7
14.1
3
74.7
2%区
92
2
2.25
3.75
12.6
14.1
3.2
74.4
4%区
92
4
2.50
2.50
12.6
14.1
3.4
74.2
6%区
92
6
1.25
1.25
12.6
14.1
3.5
73.9
8%区
92
8
0.00
0.00
12.6
14.1
3.7
73.6
b)結果
増体量(kg/日)
1.発育成績
950
増体量は、焼酎粕
を給与した区が高くな
り、4%区が最も高く
なりました。
935.7
900
912.1
902.6
850
831.5
800
790.9
750
700
対照区 2%区 4%区 6%区 8%区
2.枝肉成績
対照区、試験区ともにすべて上物でした。
3.肉質
ロース肉と脂肪において、肉色、脂肪色、保水性、脂肪融
点、肉中粗脂肪含量などには差はなく、焼酎粕給与による影
響はみられませんでした。
4.飼料コスト
飼料コストは、焼酎粕の添加割合が高くなるにつれて低くな
りましたが、枝肉金額に占める飼料割合は4%が最も低くなり
ました。
表2 飼料コスト
対照区
2%区
4%区
6%区
8%区
飼料経費(円/頭)①
20,286
20,892
19,927
19,856
19,792
枝肉金額(円/頭)②
31,069
31,483
32,204
31,455
31,054
飼料費割合(%)①/②
68.0
66.0
64.0
65.5
66.3
62.0
63.5
63.8
6%区
8%区
61.8
60.0
58.0
対照区
2%区
4%区
b)注意事項
焼酎粕の種類によって成分含量が異なるため、焼酎粕の
特性を加味した上で、給与設計を考える必要があります。
e 肥育豚への焼酎粕濃縮液給与
○南九州では大量の焼酎粕が廃棄され
ています。
○焼酎粕は、抗酸化作用があり、、がん
や心筋梗塞などの生活習慣病を予防す
るビタミンEを多く含みます。
焼酎粕濃縮液の家畜飼料化
焼酎粕(液体)
○焼酎粕濃縮液は、焼酎粕を固液分離後、液部を濃縮したもの
であり、成長促進物質やポリフェノールなど機能性成分を多く含
みます。
○肥育豚への焼酎粕濃縮液給与による、発育成績および肉質
への影響を検討しました。
a)給与設計
給与飼料
供試頭数
対照区
配合飼料98%+大豆粕0.25%+大麦
1.75%
雌6 去勢6
試験区
配合飼料98%+焼酎粕濃縮液2%
雌6 去勢6
※給与期間:体重30kg~110kg
b)結果
1040
一日増体量(g/日)
103
1
1020
1000
980
985
962
96
9
去勢
雌
960
940
920
対照区
試験区
焼酎粕濃縮液を
2%混合した飼料
を給与した場合、
一日増体量への
影響はない。
表1発育成績および枝肉成績
飼料要求率
・発育成績に影響はな
いことが分かった。
対照区
試験区
・枝肉成績については、
去勢 雌 去勢 雌
試験区の歩留率が高
79.7 82.2 79.7 83.2 く、上物頭数が多かっ
2.9
3.1
3.2
3.0 た。
枝肉重量(kg)
72.8 69.8 72.9 73.6
歩留(%)
65.0 64.7 66.3 66.1
背脂肪厚(cm)
1.4
1.3
1.5
1.2
上物頭数
5/6
3/6
5/6
5/6
肥育期間(日)
飼料に焼酎粕濃縮
液を2%混合し、長
期給与することで枝
肉成績が良好にな
る。
表2 飼料コスト
対照区
飼料費計(円/頭)
試験区
18,792 18,873
飼料費/枝肉金額(%)
65.0
63.9
枝肉1kg生産費(円/
kg)
264
258
試験区の枝肉1kg
生産費が低い。
低コスト化
※飼料費計は子豚期からのものを含む。
①焼酎粕濃縮液を肥育豚に給与する際、2%程度の混合割合であ
れば、肥育全期間給与でも発育および枝肉成績は問題ない。
②焼酎粕濃縮液は水分が高いが、原液に比べると保存性は良好
であり、焼酎粕の通年利用に活用できる。
f
肥育豚へのワイン粕給与
● 県内には3箇所ワイナリーが存在する。
ブドウ種子ポリフェノール
● ワイン粕(ワイン製造過程で発生するブド
(プロアントシアニジン)の機能性
ウを絞った後の果皮や種子)は現在、
● 体内抗酸化
堆肥化あるいは焼却処理されている。
● 酸化ストレス予防
● ワイン粕にはポリフェノール等様々な機
能性や有効性を発揮する可能性がある。
● ワイン粕を肥育豚用サプリメントとして有効
● 腸管免疫亢進
● 脂質改善
● 腸内細菌叢改善
● 排せつ物の臭気抑制
利用することを検討した。
etc.
ぶどう畑
豚肉
地域の活性化
ワイン
「健康的で」
「おいしく」
「環境にやさしい」
養豚
バイオマスの利活用
(地域資源の循環)
a)給与設計
搾汁後の果皮・種子
ポリフェノール・有機酸
ビタミン類・食物繊維など
の機能性成分
* 供試動物 : 肥育後期(75kg~110kg)の豚 各8頭
* 試験期間 : およそ1ヶ月
● 対照区 : 基礎飼料(市販肉豚肥育用配合飼料)
● 試験区 : ワイン粕添加飼料(基礎飼料に下記ワイン粕を5%添加)
※ 白ワイン粕乾燥粉末(熱風乾燥75℃、10h、1φ 粉砕)
※ ブドウの品種:シャルドネ種(五ヶ瀬町産)
b)結果
試験期間中の体重の推移
対照区より試験区の方が
短期間でより増体できる
ことが分かった。
0w
2w
4w
増体量
(kg/日)
飼料摂取量
(kg/頭)
飼料要求率
対照区
0.838 ± 0.20
106.13
4.37 ± 0.19
ワイン粕給与区
0.940 ± 0.16
111.11
4.08 ± 0.14
腸内細菌叢の変化
(log CFU/g)
対照区
大腸菌群数
サルモネラ
(検出数)
ビフィズス菌
試験区
0w
4w
5.40 ± 0.73
2.29 ± 0.01
(2/8)
6.21 ± 1.17
3.38 ± 0.39
(4/8)
8.11 ± 0.41
8.26 ± 0.48
*
0w
4w
6.36 ± 0.94
3.00 ± 0.40
(6/8)
5.75 ± 1.24
5.29
7.96 ± 0.63
(1/8) *
8.26 ± 0.41
*:P<0.05
● 大腸菌群数 : 対照区では増加したが、試験区では減少傾向を示した。
● サルモネラ : 検出率では、対照区で増加したのに対し、試験区では減少した。
● ビフィズス菌: 試験終了時、両区において同等の数値を示した。
c)注意事項
● ワインの絞り粕を乾燥および粉砕する必要がある。
→ 600円/kgの費用がかかる。
パン屑中心エコフィードによる
高品質豚肉生産技術試験
○パン屑と市販の配合飼
料を25~100%の割合で
混合しました。
○体重約70kgから出荷ま
で給与し、発育や肉質の
調査を行いました。
脂肪交雑(サシ)が
よく入っています。
通常よりも低コ
ストでの肥育が
可能でした。
50%程度
の混合割
合で、良好
な発育を
維持し、肉
質も良くな
りました。
パン屑を中心としたエコフィードを配合飼料と混合する場合、25~
50%混合で増体を維持しつつ、肉質の改善が期待できます。
パン屑は必須アミノ酸のリジンが不足していますので、割合を増やし
すぎると増体不良を起こしますので注意が必要です。
豚への茶葉給与試験
試 験
方
法
配合飼料に茶葉を2%添加し、交配~分娩~離乳の期間、
母豚に給与しました。
20頭群飼で飼料に直接茶葉を
ふりかけて給与しました。
試 験
商品価値の劣る秋冬番茶を用いました。
結
果
対照区
茶葉区
供試頭数
48
42
交配頭数
39
38
交配率(%)
79.2
92.9
交配回数
1.16
1.03
交配期間事故率(%)
14.6
4.8
総産子数
10.5
11.0
離乳頭数
9.1
9.2
対照区の交配期に病気やストレスによる事故が目立ったのに
対し、茶葉区では健康な状態を維持していました。
茶カテキンには抗酸化作用があると言われており、豚にとっ
てストレスのかかる群編成や豚舎移動の際の給与に有効であ
る可能性が示されました。
5.未利用資源の活用方法
栗鬼皮・渋皮の飼料化試験
竹粉砕飼料化試験
笹の飼料化試験
活用の進め方
未利用資源の
発見
未利用分析及
び飼料設計
給与実証及び
給与開始
• 未利用資源の価格、形態、排出量及
びその時期、輸送コスト等の調査
• 未利用資源の安全性、給与対象家
畜選定
• 飼料分析の依頼(畜産試験場)
• 給与設計の依頼(普及センター等)
• 長期保存方法の検討
• 給与実証試験(経済性の確認)
• 給与開始とデータの蓄積
• ブランドづくり
5.県内の優良事例
水中ポンプを利用した焼酎粕手作り給与システム
竹葉・笹の粉砕
事例①
南那珂地域における
焼酎粕の飼料化への取組み
①取り組みの背景
近年の配合飼料価格の高騰等で酪農経営は厳しい状況が続いて
います。このような中、その対策の1つとして未利用資源の有効活
用が注目されていますが、南那珂地域においても、畜産試験場や
関係機関に協力をいただきながら、平成20年から乳牛への焼酎粕
給与について検討を行っています。
②エコフィードの利用について
現在利用している焼酎粕は、焼酎廃液を脱水処理した脱水ケー
キ状のもので、牛の嗜好性が良好である上に、比較的安価であり、
栄養価も高いことから飼料しての利用が始まりました。酪農家で
は、焼酎粕を単体あるいは、自給粗飼料と焼酎粕を飼料混合機で
混ぜ合わせたものを経産牛に給与しています。
【ケーキ状の焼酎粕】
【焼酎粕と粗飼料の混合粗飼料とその給与の様子】
③具体的な給与の例
《焼酎粕の成分分析値》
水分
(%)
乾物中(%)
粗タンパク質
粗繊維
TDN
84.5
25.8
11.6
65.5
《給与メニューの例》
給与内容
混
合
粗
飼
料
(1日1頭当たり)
給与量(kg)
焼酎粕
12
トウモロコシサイレージ
17
イタリアンサイレージ
3
ミレット
7
計
濃厚飼料
39
9.5~4.5
④利用者のコメント
・焼酎粕の通年給与ができると使いやすい
・焼酎粕を単体で給与するよりも、粗飼料と混合した方が嗜好性
がよい
・焼酎粕と粗飼料との混合作業が労働負担
⑤今度の方向
焼酎粕の製造量は、季節によって偏りがあるため通年給与が困
難な状況となっています。今後は、焼酎粕を効率的に利用できる
仕組みを検討していくことにしています。
事例②
北諸県地域における繁殖牛への
焼酎粕利用
①取り組んだ地域の背景・概要
近年の飼料及び燃料価格の高騰により畜産農家の経営は大打撃
を受けている。
一方、北諸県地域には大手焼酎メーカーが数社あり、毎日「焼酎
粕」が排出されているが、その多くが「産業廃棄物」として費用をかけ
処理されている。
また、焼酎粕は高タンパクで高栄養価という機能性があり、家畜飼
料としても活用されているが、飼料化(乾燥)にはコストの問題がある。
そこで、地域で排出される焼酎粕の再利用(エコ)と飼料の低コスト
化を図るために、「焼酎粕」を液状で繁殖牛へ給与することに取り組
んだ。
②エコフィードの利用体制
エコフィード利用組合
・都城市高城町(8戸)
・都城市梅北町(4戸)
酒造メーカー
・焼酎粕排出量
40t/日
うち
10tを繁殖牛へ
利用
焼酎粕保存試験
支援 関係機関
市・県(食品開
発センター、畜産
試験場、営農
支援課、農林
振興局(普及セ
ンター))
③具体的な給与例
維持期の母牛への給与例
飼料名
(kg/日/頭)
例①
例②
トウモロコシサイレージ
6 kg
-
12 kg
イタリアンサイレージ
-
5 kg
-
4 kg
6 kg
2 kg
10 L
10 L
稲ワラ
焼酎粕
10 L
例③
※焼酎粕は10L/日を上限として給与
④労働時間とコスト比較
母牛40頭規模におけるコスト比較
単価
1日当り
給与量
1頭当り
飼料費
40頭当
り飼料費
1日当り
労賃比較
経費計
焼酎粕
0.5円/L
10L
5円
200円
+392.3円
592.3円
濃厚飼料
(繁殖用)
70.4円
/kg
0.5kg
35.2円
0円
1,408円
1,408円
<労働時間>
焼酎粕給与により飼料給与時間が約20分伸びたことから
自家労賃単価1,177円/h(経営管理指針より)
1,177円×20分/60分=392.3円
1日当たり40頭規模で815.7円の低コストとなる。
⑤利用者のコメント
・嗜好性が良い。
・毛づやが良くなった。
・濃厚飼料の代替として飼料の低コスト化が図れた。
⑥今後の方向
・省力的な給与方法の検討
・飼料用サトウキビ+焼酎粕給与による低コスト及び省力化飼養
管理技術の検討
事例①
西米良村における繁殖牛への
ゆず残さの利用
①取り組んだ地域の背景・概要
取り組みの背景
○西米良村では、平成20年に畜産センター
(肉用牛繁殖牛90頭規模)を設置
○山間地域で、自給飼料生産が困難(完全
購入飼料型)
○配合飼料及び粗飼料の価格高騰
○ゆずの生産が盛んで、その加工の過程で
残さが発生し、処理料が発生
○処理料発生によるゆず価格への影響
ゆず残さを牛の飼料として低コストで長期的に利用するためにサイレージ化の検討を
実施
これまでの取り組み
○フレコンバックサイレージ調製(H20)
・調製資材・割合・品質等の検討
○細断型ロールラップサイレージ調製(H21)
・作業効率、持ち運び向上の検討
○バンカーサイロサイレージ調製(H22)
・コスト低減、作業効率向上の検討
○繁殖牛への給与試験(H21~H23)
・嗜好性、給与量の検討
現在は、バンカーサイロでの詰め込み方式(撹拌方式・積み重ね方式)を検討中
②エコフィードの利用体制
ゆず残さ利用体系イメージ
西米良畜産 センター
ゆず残さ
70t/年
【ゆず残さの持ち込み】
西米良ゆず
加工施設
ゆず
100t/年
ゆず残さ+
ワラ+フス
マ
バンカー
サイロ
【撹拌】
【詰込】
サイレージ化
ゆず生産農家
【撹拌作業】
【詰め込み】
繁殖牛90頭
たい肥
③具体的な給与例
ゆず残さサイレージの調製割合例(現在検討中)
ゆず残さ:稲わら:フスマ=85:13:2(現物重量)
(水分70%)
繁殖牛維持期の場合の給与例
ゆず残さサイレージ
5kg(TDN1kg単価:32.2円)
配合飼料
0.5kg
稲わら
2kg
その他乾草
2kg
【ゆず残さサイレージ】
※ゆず残さサイレージTDN1kg単価:32.2円(直接経費のみ)
④生産者のコメント
【給与風景】
○ゆず残さサイレージの給与にあたっては、牛が慣れるまで数日かかるが、
その後の嗜好性は良好である。
○飼料コストを落とすためにも早く、調製技術などを確立し、給与体系に組み
込みたい。
⑤今後の方向
○これまで試験的な取り組みであったが、バンカーサイロでのゆず残渣のサ
イレージ調製は、コスト、作業性、品質とも良好で、サイレージ調製技術は、
ほぼ確立された。今後は、ゆず残さの輸送システム、副資材の稲わら収集
システムの構築と簡易バンカーサイロの設置で実用化に向け取り組む。
事例①
西臼杵地域における繁殖牛への
焼酎粕利用
① 取り組んだ地域の背景・概要
西臼杵地域では、従来から焼酎粕を一
部の繁殖農家で飼料として給与していた
が、適正な給与基準や焼酎粕を長期保
存する技術が確立されていなかった。
そこで、エコフィード利用組合を設立し、
明確な給与基準を示すとともに乳酸菌を
添加し保存性を高めた焼酎粕を安定的に
飼料として給与している。
麦焼酎粕(乳酸菌・糖蜜入り)
② エコフィードの利用体制
焼酎粕保存用タンク(50t 2基)
③ 具体的な給与例
麦焼酎粕を組み合わせた給与例~ 維持期で体重450Kgの場合(Kg/日/頭)~
★トウモロコシサイレージ
麦焼酎粕
・・・5L
トウモロコシサイレージ ・・・7Kg
稲ワラ
・・・2Kg
野草
・・・2Kg
★飼料用イネWCS
麦焼酎粕
・・・5L
飼料用イネWCS ・・・7Kg
稲ワラ
・・・2Kg
野草
・・・ 2Kg
飼料費の軽減
麦焼酎粕5リットルが配合飼料400gに相当
麦焼酎粕5リットル・・・約8.5円 配合飼料400g・・・約30円
維持期の繁殖牛1日1頭あたり約21.5円の減額!
~注意事項!~
・豆腐粕や大豆粕など高タンパク質飼料との併用はしない。
・イタリアン(1番草)との併用もできるだけしない。併用するとき
はイタリアンの給与量を少なくする。
④ 生産者のコメント
・嗜好性が良い。
・毛づやが良くなる。
・適正給与で繁殖成績も問題ない。
・飼料代が削減できる。
・保存ができるので、取りに行く回数
が少なくてすむ。
⑤ 今後の方向
麦焼酎粕給与の様子(高千穂町押方)
西臼杵地域では、繁殖牛への焼酎粕給与が定着しつつあるが、ま
だ地域内で未利用の焼酎粕がある。
今後は、新たな利用組合員を確保し、焼酎粕の利用拡大を図るとと
もに、定期的な成分検査を実施し品質保持に努め、安定した焼酎粕
給与ができるよう支援を行っていく。
謝辞
本マニュアルを作成するにあたり、資料のご提供をいただいた
各関係機関の皆様、ならびに、本事例集の作成にご協力いただ
いた生産者をはじめ関係者の皆様に深謝します。
協力団体一覧
宮松クリーン
エコフィード利用組合
西米良畜産センター
高千穂酒造エコフィード利用組合
(串間市)
(都城市)
(西米良村)
(高千穂町)
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監修
営農支援課
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須﨑 哲也
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