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後期 - 東京女子医科大学
Ⅰ セグメント2 の学習内容 セ グ メ ン ト 2 は 、「 人 体 の 機 能 と 微 細 構 造 」を 中 心 テ ー マ と し て 学 習 す る 。現 在 の 本 学 の 統 合 カ リ キ ュ ラ ム は 、全 体 と し て は 、平 成 2 2年 度 に 改 訂 さ れ た「 医 学 教 育 モ デ ル・コ ア ・ カ リ キ ュ ラ ム ─ 教 育 内 容 ガ イ ド ラ イ ン ─ 」に 沿 っ た 形 で 構 成 さ れ て い る 。セ グ メ ン ト 1 で は 主 と し て 、 従 来 「 準 備 教 育 モ デ ル ・ コ ア ・ カ リ キ ュ ラ ム 」 と さ れ て い た が 、 平 成 22 年 度 改 訂 版 で は「 医 学 一 般 」に 加 え ら れ た 内 容 が 多 く 、医 学 の 学 習 の た め の 基 礎 知 識 で あ る の に 対 し て 、セ グ メ ン ト 2 で は 、基 礎 医 科 学( モ デ ル ・ コ ア ・ カ リ キ ュ ラ ム C 医 学 一 般 )を 基 幹 科 目 と し て 組 み 込 ん で あ り 、本 格 的 に 医 学 の 統 合 的 学 習 を ス タ ー ト す る 。こ こ で の 知 識や論理的理解力は、セグメント3 以降の基礎医科学、臨床医学、社会医学を学ぶ上で、 重 要 な 土 台 作 り に な る( 系 統 的 に 見 た「 人 体 の 機 能 と 微 細 構 造 」の 学 習 テ ー マ の 模 式 図 を 参 照 )。具 体 的 に は 、ヒ ト を 構 築 す る 細 胞 の 構 造 と 機 能 を 知 る( モ デ ル ・ コ ア ・ カ リ キ ュ ラ ム C1 ( 2 ) ) 、 細 胞 の 集 団 と し て の 組 織 ・ 器 官 の 構 造 を 知 る ( モ デ ル ・ コ ア ・ カ リ キ ュ ラ ム C2 ( 2 ) ) 、 生 体 の 恒 常 性 維 持 や 情 報 伝 達 の 仕 組 み を 知 る ( モ デ ル ・ コ ア ・ カ リ キ ュ ラ ム C2 ( 3 ) ) 、 生 体 が 代 謝 を 通 し て 生 命 を 営 む 仕 組 み を 知 る ( モ デ ル ・ コ ア ・ カ リ キ ュ ラ ム C2( 5) ) 、 生 体 の 構 造 と 機 能 が 遺 伝 子 に よ っ て 制 御 さ れ る 仕 組 み を 知 る (モデル・コ ア・カリキュラムC2(6))、 な ど の 項 目 に 分 か れ る 。 現 代 の 医 学・生 命 科 学 を も っ て 人 体 と 疾 患 を 理 解 す る た め に は 、課 題 へ の ア プ ロ ー チ の 仕 方 が 複 数 あ り え る 。例 え ば 、医 学 研 究 で は し ば し ば 、疾 患 に 対 し て そ の 症 状 や 病 歴 か ら 診 断 や 発 症 メ カ ニ ズ ム を 理 解 し 、治 療 し よ う と す る 。し か し 、予 備 知 識 が 少 な い 低 学 年 で こ れ を 行 う の は 容 易 で は な い 。そ こ で 、本 学 の カ リ キ ュ ラ ム で は 、ま ず 、生 体 を 構 成 す る 分 子 や 細 胞 の 特 性 を 理 解 す る こ と か ら 始 め る と い う ア プ ロ ー チ を 取 る 。こ の よ う な 理 解 は 、 疾 患 を 理 解 す る た め の 必 要 条 件 で は あ る が 、個 々 の パ ー ツ 間 の 関 係 を 知 ら な く て も あ る 程 度の理解度が得られるからである。しかし、学生諸君は、このような内容の講義、実習、 テ ュ ー ト リ ア ル な ど で 学 習 す る と き も 、こ の よ う な メ カ ニ ズ ム が ど の よ う な 疾 患 に 関 わ り 得 る か と い う 視 点 で 学 ぶ こ と が で き る と 意 味 付 け が よ り 明 確 に な る で あ ろ う 。セ グ メ ン ト 2 の 後 半 に な っ て か ら は 、パ ー ツ を 組 み 立 て て ヒ ト を 理 解 す る 考 え 方 を 身 に つ け る 機 会 を 得 る は ず で あ る 。 例 え ば 、「 生 体 シ ス テ ム と 制 御 機 構 」( モ デ ル ・ コ ア ・ カ リ キ ュ ラ ム C2 ( 3) ) と い う 科 目 で は 、 分 子 ・ 細 胞 レ ベ ル か ら 個 体 レ ベ ル へ と 生 命 現 象 の 階 層 を 変 え て 理 解 す る ト レ ー ニ ン グ を 行 う 。こ れ ら の 知 識 と 理 解 に よ り 、セ グ メ ン ト 3 以 降 に 学 習 す る 、 よ り 複 雑 な 全 身 を 俯 瞰 す る 基 礎 医 科 学 や 臨 床 医 学 へ と 繋 が っ て い る 。さ ら に 、臨 床 実 習 を 行 う た め に 必 須 と な っ て い て 、 第 4学 年 で 受 験 す る CBT ( C om put er Bas ed Te sti ng ) の 範 囲 にも含まれる。 こ れ ら の 学 習 は 、本 学 の カ リ キ ュ ラ ム の 特 徴 で も あ る テ ュ ー ト リ ア ル 教 育 、講 義 、実 習 な ど を 組 み 合 わ せ て 効 果 的 に 学 べ る 仕 組 み に な っ て い る 。こ の 中 で 、医 学 的 知 識 、思 考 力 、 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 を 磨 い て い た だ き た い 。セ グ メ ン ト 2 で は 、基 礎 医 科 学 基 幹 科 目 と 並 行 し て 、グ ロ ー バ ル な 社 会 で 活 躍 す る 上 で 重 要 な 内 容 を 学 年 縦 断 型 科 目 で 学 ぶ 。こ れ に よ り 、将 来 、医 師 と し て 患 者 さ ん や 医 療 チ ー ム メ ン バ ー に 対 し て 適 切 な コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン が で き る こ と を 目 指 し て い る 。ど の 科 目 も 学 生 さ ん が 医 師 と し て 立 派 な 活 躍 が で き る ために工夫されており、おおいに学んでいただきたい。 - 19 - 系統的に見た「人体の機能と微細構造」の学習テーマ [基礎医科学] [テュートリアル][学年縦断型科目] 生体の構造 生体の機能 人間関係教育 組織の成り立ち 体液と生体の恒常性 基本的・医学的表現技術 細胞の基本機能 国際コミュニケーション 細胞と情報伝達 医学用語 生体物質の代謝 選択科目 人体全体構造(骨格系) 生体システムと制御機構 遺伝と遺伝子 セグメント3 「人体の発生と全体構造」 「人体の防御機構」 セグメント4 「疾患の成り立ちと治療の基礎」 - 20 - 医 学 の 学 び 方・考 え 方 Ⅱ 到 達 目 標 A. 包 括 的 到 達 目 標 ( セ グ メ ン ト 2) 1. 各基幹科目および学年縦断型科目を統合的に学習することにより、次のような能力を獲得する。 1) デ ー タ を 読 み 、 解 釈 で き る 。 2) 人 体 の 正 常 な 構 造 と 機 能 を 説 明 で き る 。 3) 実 習 に 必 要 な 技 術 を 安 全 に 配 慮 し て 実 践 で き る 。 4) 現 象 か ら 学 ぶ べ き こ と を 発 見 で き る 。 5) 問 題 解 決 の た め の 情 報 を 収 集 で き る 。 6) 仮 説 を 導 く 事 が で き 、 得 ら れ た 結 果 と の 相 違 を 明 確 に で き る 。 7) 問 題 解 決 結 果 の 妥 当 性 を 評 価 で き る 。 8) 結 論 と 根 拠 を 明 確 に し て 報 告 書 を 作 成 で き る 。 9) 倫 理 の 概 念 に つ い て 説 明 で き る 。 2. 生 体 に お け る 恒 常 性 の 維 持 に つ い て そ の 具 体 例 を 列 挙 で き る 。 ネ ガ テ ィ ブ フ ィ ー ド バ ック等の恒常性に関わる調節機構を説明できる。維持される具体例のお互いの関係を 概説できる。 1) 細 胞 内 液 ・ 外 液 の イ オ ン 組 成 と 調 節 2) 浸 透 圧 と 膜 電 位 3) 体 液 pH と 緩 衝 系 4) 体 温 の 調 節 3. 生 体 の 構 成 単 位 と し て の 細 胞 の 機 能 を 列 挙 し 、 生 細 胞 に 共 通 し て 観 察 さ れ る 基 本 的 生 命現象の種類と意義を説明できることを目標とする。 1) 膜 輸 送 2) 細 胞 の 構 築 3) 細 胞 運 動 4) 物 質 の 運 搬 と 貯 蔵 5) 細 胞 周 期 4. 細 胞 集 団 と し て の 組 織 ・ 臓 器 の 構 成 、 機 能 分 化 を 理 解 す る 。 顕 微 鏡 画 像 を 通 し て 、 組 織の構造の特徴を説明できる。 1) 上 皮 組 織 と 腺 の 構 造 と 機 能 2) 支 持 組 織 を 構 成 す る 細 胞 と 細 胞 間 質 3) 血 管 と リ ン パ 管 の 微 細 構 造 と 機 能 4) 神 経 組 織 の 微 細 構 造 5) 筋 組 織 の 微 細 構 造 5. 人 体 に お け る 刺 激 受 容 、 情 報 伝 達 、 反 応 に 関 し て 、 分 子 ・ 細 胞 レ ベ ル で 説 明 で き る 。 1) 情 報 伝 達 の 種 類 と 機 能 2) 受 容 体 に よ る 情 報 伝 達 の 機 序 3) 細 胞 内 シ グ ナ ル 伝 達 4) 活 動 電 位 の 発 生 機 構 と 伝 導 5) シ ナ プ ス 伝 達 の 機 能 - 21 - 6. 生 体 を 構 成 し て い る 物 質 が 体 内 で 代 謝 さ れ る 過 程 お よ び そ れ ら の 反 応 を 制 御 し て い る 機構について説明できることを目標とする。 1) 酵 素 の 機 能 と 調 節 2) 糖 質 の 代 謝 と 調 節 3) タ ン パ ク 質 ・ ア ミ ノ 酸 の 代 謝 と 調 節 4) 脂 質 の 代 謝 と 調 節 5) 核 酸 の 代 謝 と 調 節 6) 代 謝 の 統 合 と 異 常 7. 人 体 の 臓 器 が 個 体 全 体 の 中 で 統 合 さ れ た 働 き を す る た め の 制 御 機 構 を 列 挙 で き る 。 特 に、細胞・臓器間の制御に関わる構造と機能を説明できる。 1) 刺 激 に 対 す る 感 覚 受 容 2) 反 射 弓 3) 骨 格 筋 、 心 筋 、 平 滑 筋 の 構 造 と 機 能 4) 個 体 レ ベ ル で の 生 体 機 能 の 制 御 機 構 5) 軸 索 輸 送 、 軸 索 の 変 性 と 再 生 8. 遺 伝 に つ い て 、 遺 伝 子 か ら タ ン パ ク 質 へ の 流 れ に も と づ い て 生 命 現 象 を 学 び 、 遺 伝 子 操作技術の原理と応用やヒトゲノム解析の情報の利用の仕方を理解できることを目標 とする。 1) 遺 伝 の 仕 組 み 2) 染 色 体 と 遺 伝 子 の 構 造 3) D NA の 複 製 と 修 復 4) 遺 伝 子 の 発 現 ( 転 写 、 翻 訳 、 タ ン パ ク 質 の 修 飾 と 輸 送 ) 5) 原 核 細 胞 の 遺 伝 子 6) 遺 伝 子 解 析 の 手 法 ( 原 理 と 応 用 ) 7) 遺 伝 子 と 疾 患 ( 診 断 、 治 療 、 倫 理 ) 8) 遺 伝 と 情 報 9. 人 体 の 正 常 の 構 造 の 名 称 、 形 態 、 位 置 関 係 に つ い て 説 明 で き る と と も に 、 実 習 標 本 で それらの構造と特徴を指し示すことができる。 1) 運 動 器 系 ( 骨 ) 2) そ の 他 の 器 官 - 22 - 各科目の到達目標 - 23 - 基 幹 科 目 〔体液と生体の恒常性〕 科目責任者:三谷 昌平(第二生理学教室) 【到達目標】生体は、外部環境が変化した場合、刺激などにより生体で変化が生じた場合、あるいは、運 動などをした場合などに、体の内部環境を一定範囲内に維持する機構を備えている。この機構を生 体の恒常性(ホメオスタシス)という。この科目での第一の到達目標は、恒常性の意義と一般的な メカニズムを理解し、恒常性が保たれるさまざまな制御対象を挙げることができることである。第 二は、調節の主要な対象が体液であることから、体液について、量、区分、組成、浸透圧、移動な どの基本事項とそれらの調節機序を理解し、さらに、調節が崩れた場合の脱水・浮腫・補液につい て説明できることである。第三は、体液の電解質の機能に関して、酸塩基平衡・緩衝液についての 化学的性質を理解をした上で、体液のpH 緩衝系を説明できることである。第四は、イオ ンの 拡 散・ 透過について、物理化学的性質を理解をした上で、細胞内外のイオン濃度勾配と細胞膜電位の成因 を説明できることである。 (評価項目) 1)生体の恒常性維持と適応を説明できる。 2)恒常性維持のための調節機構(ネガティブフィードバック調節)を説明できる。 3)体温の恒常性維持の重要性とその調節機序を説明できる。 4 ) 体 液 pH の 重 要 性 と 緩 衝 系 を 説 明 で き る 。 5)生体機能や体内環境のリズム性変化を説明できる。 (評価基準) 実習への参加(出席)と態度を評価する。 上記の評価項目について筆記試験にて A.極 め て 良 く 理 解 し て い る B. 良 く 理 解 し て い る C. あ る 程 度 理 解 し て い る D.あ ま り 理 解 で き て い な い のいずれかを判定し、点数化を行う。 大 項 Ⅰ. 水溶液 目 中 項 目 小 項 目 1) 化 学 平 衡 定 数 1. 化 学 平 衡 2) p Ka 3) 電 解 質 1) 酸 塩 基 平 衡 2. 酸 と 塩 基 2) B r φn st ed の 酸 ・ 塩 基 3) H en der son -H ass elb al ch の 式 3. 緩 衝 作 用 1) 緩 衝 溶 液 4. 血液ガスと酸塩基平衡 1) 血 液 ガ ス と 気 体 の 溶 解 2) 生 体 に お け る 炭 酸 水 素 塩 緩 衝 系 3) 生 体 に お け る そ の 他 の 緩 衝 系 4) ア シ ド ー シ ス 、 ア ル カ ロ ー シ ス と は - 24 - 大 項 目 Ⅱ. 溶質溶媒の 中 項 目 小 項 目 1) 拡 散 速 度 1. 拡 散 2) 拡 散 係 数 動きと膜 3) 拡 散 と 化 学 ポ テ ン シ ャ ル 1) 浸 透 現 象 2. 浸 透 と 浸 透 圧 2) 細 胞 体 積 3. イオンの拡散と透過 1) 電 気 化 学 ポ テ ン シ ャ ル 2) 度 勾 配 3) 電 位 勾 配 4) イ オ ン 平 衡 5) 透 過 度 6) コ ン ダ ク タ ン ス 1) N er nst の 式 4. 膜 電 位 2) D on nan 平 衡 3) G ol dma n-H od gki n-K at z の 式 4) 静 止 膜 電 位 5) ナ ト リ ウ ム ポ ン プ Ⅲ. 体液の正常と 1. 体 液 の 区 分 と 組 成 1) 体 液 区 分 2) 電 解 質 組 成 その調節 3) 体 液 分 布 の 決 定 因 子 2. 体 液 間 の 物 質 交 換 1) 栄 養 物 お よ び そ の 他 の 物 質 の 交 換 2) 細 胞 内 液 と 細 胞 間 液 の 浸 透 圧 平 衡 と液体の移動 3) 血 漿 と 間 質 液 間 の 液 体 の 移 動 4) 間 質 液 蛋 白 量 の 調 節 5) 間 質 液 圧 の 調 節 3. 細 胞 外 液 の 調 節 1) 細 胞 外 液 量 2) 細 胞 外 液 の 浸 透 圧 4. 体 液 分 布 異 常 1) 脱 水 2) 浮 腫 3) 補 液 Ⅳ. 生体恒常性の 1. ホ メ オ ス タ シ ス 1) 恒 常 性 維持機構 2) 内 部 環 境 と 外 部 環 境 3) 内 部 環 境 と し て の 細 胞 外 液 4) ホ メ オ ス タ シ ス 機 構 の 例 2. 身 体 の 調 節 機 構 1) 神 経 性 調 節 2) 液 性 調 節 3) 各 調 節 機 構 に 共 通 し た 特 徴 4) 制 御 理 論 5) ネ ガ テ ィ ブ フ ィ ー ド バ ッ ク - 25 - 大 項 目 中 項 目 小 3. 体 温 調 節 項 目 1) 体 熱 の 産 生 と 拡 散 2) 温 度 受 容 器 3) 体 温 中 枢 4) 発 熱 と 高 体 温 〔体液と生体の恒常性〕 諏訪邦夫 よくわかる酸塩基平衡 中外医学社 2000 越川昭三編 酸塩基平衡 中外医学社 2000 石田尚志、小椋陽介 水・電解質テキスト 文光堂 1987 Atki ns , D .W. ア ト キ ン ス 物 理 化 学 ( 第 6版 ) 東 京 化 学 同 人 (千原秀昭、中村亘男訳) Barr ow , G .M. ( 藤 代 亮 一 訳 ) バ ロ ー 物 理 化 学 ( 上 ) ( 第 6 版 ) 東 京 化 学 同 人 2001 Ball , D.W .( 田 中 一 義 他 訳 ) ボ ー ル 物 理 化 学 ( 上 ・ 下 ) ( 第 1版 ) Rich ar dso n, I. W. & 医学と生物学のための物理学 Neer ga ard , E .B .( 中 馬 一 郎 他 訳 ) Bloo mf iel d, M. M. 生命科学のための基礎化学 (伊藤俊洋他訳) ─無機物理化学論─ 花井哲也 膜とイオン 化学同人 2004 講談社 1974 丸善出版 1995 化学同人 1992 ガ イ ト ン (御手洗玄洋総監訳) 生 理 学 ( 第 11 版 ) エルゼビア・ジャパン 2010 Bern e, R. M. & Lev y, M. N. Prin ci ple s o f Phy sio lo gy ( 3r d ed. ) 生 理 学 ( 第 3版 ) C.B. M osb y C o. Year B ook 西村書店 2000 西村書店 2003 丸善出版 2005 バーン・レヴィ (板東武彦・小山省三監訳) バーン・レヴィ カラー基本生理学 (板東武彦・小山省三監訳) ギ ャ ノ ン グ ( 岡 田 泰 伸 他 訳 ) ギ ャ ノ ン グ 生 理 学 ( 第 22 版 ) 1999 1996 小澤瀞司他監修 標 準 生 理 学 ( 第 8版 ) 医学書院 2014 大地陸男 生 理 学 テ キ ス ト ( 第 7版 ) 文光堂 2013 杉 人 体 機 能 生 理 学 ( 第 5版 ) 南江堂 2009 オックスフォード生理学 ( 原 書 3版 ) 症例問題から学ぶ生理学 ( 原 書 3版 ) 一目で分かる血液ガス 丸善 2009 丸善 2009 メディカルサイエンス インターナショナル 南江堂 2000 晴夫編 岡野栄之・植村慶一監訳 鯉淵典之監訳 飯野靖彦 黒川 清 今井裕一 大村健二編 水・電解質と酸塩基平衡 ─ s te p b y s te p で 考 え る ─ 酸塩基平衡、 羊土社 水・電解質が好きになる 身につく水・ 南江堂 電解質と酸塩基平衡 - 26 - 2004 2007 2007 〔細胞の基本機能〕 科目責任者:高桑 雄一(生化学教室) ヒトの体は約60兆個の細胞から成っている。この科目では、細胞を生命の単位としてとらえ、主 な細胞機能のいくつかについて、それらを担う分子との関連で理解することに主眼を置く。 まず、細胞を外の環境と区別している細胞膜に焦点を当て、膜の構築を流動モザイクモデルとし て理解する。その際、「人体を構成する物質」で学んだタンパク質、脂質、糖質の性質についての 知識が生かされる。次いで、細胞膜の機能として物質の選択的透過性と種々の膜輸送系について輸 送形式と輸送担体の両面から学習する。さらに、細胞の接着機能と接着タンパク、細胞構築を維持 する細胞骨格系など も取り上げる 。細胞の収縮運 動については、筋収 縮、走化性な どを例として、 収縮タンパクとその制御因子について学ぶ。一方、細胞は種々の物質を運搬あるいは貯蔵する役割 も担っている。また細胞周期の制御と異常について学習する。 (評価方法) 生 体 の 構 成 単 位 と し て の 細 胞 の 機 能 を 列 挙 し 、生 細 胞 に 共 通 し て 観 察 さ れ る 基 本 的 生 命 現象の種類と意義を説明できることを目標とする。 1.評 価 項 目 1) 膜 輸 送 2) 細 胞 の 構 築 3) 細 胞 運 動 4) 物 質 の 運 搬 と 貯 蔵 5) 細 胞 周 期 2.評 価 の 対 象 取 り 組 み の 姿 勢 と し て 出 席 、各 講 義 終 了 時 の 自 己 診 断 カ ー ド 、期 末 試 験 と 実 習 レ ポ ー ト 。 3.評 価 基 準 1の評価項目に示した到達目標に A. 十 分 に 到 達 し て い る B. 到 達 し て い る C. あ る 程 度 到 達 し て い る D. 到 達 が 不 十 分 で あ る 大 項 Ⅰ. 膜輸送 目 中 項 目 小 項 1) 脂 質 二 重 層 1. 生 体 膜 の 構 造 2) 流 動 性 3) 膜 タ ン パ ク 質 2. 受 動 輸 送 1) ガ ス 透 過 a. 単 純 拡 散 2) チ ャ ネ ル 、 担 体 a) 電 位 依 存 性 b) リ ガ ン ド 依 存 性 - 27 - 目 大 項 目 中 項 目 小 b. 促 進 拡 散 項 目 1) 共 輸 送 a) N a + - グ ル コ ー ス 共 輸 送 b) N a + - ア ミ ノ 酸 共 輸 送 2) 逆 輸 送 a) C l - - HCO 3 - 逆 輸 送 b) N a + - Ca 2 + 逆 輸 送 3. 能 動 輸 送 1) ポ ン プ ( A TP ase ) a) N a + 、 K + -AT Pas e b) C a 2 + - ATP as e c) H + 、 K + - ATP ase 4. 膜 動 輸 送 1) エ ン ド サ イ ト ー シ ス / エ キ ソ サ イ ト ー シ ス 2) 被 覆 タ ン パ ク 質 a) コ ー ト マ ー b) ク ラ ス リ ン 3) 細 胞 骨 格 ・ モ ー タ ー タ ン パ ク 質 a) ア ク チ ン ・ チ ュ ー ブ リ ン b) ミ オ シ ン キ ネ シ ン ・ ダ イ ニ ン 4) 低 分 子 量 G TP ase a) A rf b) R ab c) R ho Ⅱ. 細胞の構築 1. 細 胞 接 着 1) 細 胞 ─ 細 胞 間 接 着 a) 密 着 結 合 b) ア ド ヘ レ ン ス 結 合 c) デ ス モ ソ ー ム d) ギ ャ ッ プ 結 合 2) 細 胞 ─ 基 質 間 接 着 a) ア ド ヘ レ ン ス 結 合 b) ヘ ミ デ ス モ ソ ー ム 2. 細 胞 骨 格 1) 細 胞 骨 格 タ ン パ ク 質 a) 微 小 管 b) ミ ク ロ フ ィ ラ メ ン ト c) 中 間 径 フ ィ ラ メ ン ト 2) 膜 骨 格 a) ス ペ ク ト リ ン ( フ ォ ド リ ン ) b) 4 .1 タ ン パ ク 質 c) ア ン キ リ ン 3. 細 胞 外 マ ト リ ッ ク ス 1) 主 な タ ン パ ク 質 a) コ ラ ー ゲ ン b) エ ラ ス チ ン - 28 - 大 項 目 Ⅲ. 細胞の収縮 中 項 目 小 項 目 1) 収 縮 タ ン パ ク 質 1. 筋 収 縮 a) ア ク チ ン 運動 b) ミ オ シ ン c) ト ロ ポ ニ ン d) ト ロ ポ ミ オ シ ン 2) 調 節 因 子 a) カ ル モ ジ ュ リ ン b) ミ オ シ ン 軽 鎖 キ ナ ー ゼ c) C a 2 + d) A TP 3) 滑 走 説 2. 細 胞 運 動 性 1) 走 化 性 、 ア メ ー バ 運 動 a) 刺 激 因 子 b) 濃 度 勾 配 c) ゲ ル ー ゾ ル 変 換 d) 架 橋 因 子 e) 末 端 因 子 2) 細 胞 運 動 a) ア ク チ ン フ ィ ラ メ ン ト 3) 細 胞 突 起 の 形 状 と 伸 長 a) 葉 状 仮 足 b) 成 長 円 錐 4) 線 毛 運 動 、 鞭 毛 運 動 a) チ ュ ブ リ ン b) ダ イ ニ ン c) 二 連 微 小 管 d) 9 + 2 構 造 e) 滑 り Ⅳ. 物質の運搬と 1. 鉄 の 運 搬 と 貯 蔵 1) ト ラ ン ス フ ェ リ ン 貯蔵 2) フ ェ リ チ ン 2. 酸 素 の 運 搬 1) ヘ モ グ ロ ビ ン 2) バ ン ド 3タ ン パ ク 質 3. 脂 質 の 運 搬 1) リ ポ タ ン パ ク 質 2) 脂 肪 酸 結 合 タ ン パ ク 質 Ⅴ. 細胞周期 1. 細 胞 分 裂 1) 体 細 胞 分 裂 2) 減 数 分 裂 2. 細 胞 周 期 1) 形 態 学 的 変 化 の 推 移 2) 制 御 に 関 わ る 分 子 a) チ ュ ブ リ ン b) サ イ ク リ ン ・ CD K - 29 - 大 項 目 中 項 目 小 項 目 c) コ ヒ ー シ ン d) ユ ビ キ チ ン ・ プ ロ テ ア ソ ー ム 系 e) セ パ ラ ー ゼ f) 核 内 蛋 白 ( p 53 / Rb / BAC R1 / p 21 ) g) シ グ ナ ル 伝 達 系 ( M AP K/ Akt ) 1) D NA の 損 傷 と 修 復 機 構 3. 細 胞 周 期 の 異 常 2) 病 態 と 疾 病 a) 老 化 b) 発 癌 〔細胞の基本機能〕 香川靖雄 生体膜と疾患の分子生物学 南山堂 1993 田宮信雄他訳 東京化学同人 2012 入村達郎他監訳 ヴォート生化学(上・下) ( 第 4版 ) ス ト ラ イ ヤ ー 生 化 学 ( 第 7版 ) 東京化学同人 2013 上代淑人監訳 ハ ー パ ー 生 化 学 ( 原 著 29 版 ) 丸善 2013 谷口直之他編 医学を学ぶための生物学 ( 第 2版 ) 南江堂 2004 中江太治編 生物学と医学をつなぐ分子生物学 丸善 1998 日本生化学会編 細胞機能と代謝マップⅡ 細胞の動的機能 東京化学同人 1998 Albe rt s 他 Molecular Biology of the Cell Garl an d 2014 ニュートンプレス 2010 Albe rt s 他 Esse nt ial 細 胞 生 物 学 (中村桂子・松原謙一監訳) ( 原 書 第 3版 ) 永田和宏・塩田浩平編 医学のための細胞生物学 南江堂 2011 南山堂 2009 平賀紘一他編 医学のための基礎分子細胞生物学 南山堂 2003 村松正実他編 ( 改 訂 3版 ) 分 子 細 胞 生 物 学 辞 典 ( 第 2版 ) 東京化学同人 2008 小澤瀞司他編 標 準 生 理 学 ( 第 8版 ) 医学書院 2014 杉 人 体 機 能 生 理 学 ( 第 5版 ) 南江堂 2009 ( 6t h ed. ) ( 原 著 ) Albe rt s 他 ( 中 村 、 松 原 訳 ) 細 胞 の 分 子 生 物 学 ( 第 5 版 ) 晴夫 吉田邦久 好 き に な る 生 物 学 ( 第 2版 ) 講談社 サイエンティフィック Davi d O. Mor ga n 著 細胞周期 メディカル・サイエンス ( 中 山 敬 一 ・ 中 山 啓 子 監 訳 ) ─ 細 胞 増 殖 の 制 御 メ カ ニ ズ ム ─ ・インターナショナル - 30 - 2012 2008 〔細胞と情報伝達〕 科目責任者:三谷 昌平(第二生理学教室) 【到達目標】生体は受容した内部および外部環境の変化を生体独自の信号に変換して、細胞内ある いは他の細胞へと信号を伝えて生体機能を調節する。生体信号として代表的なものとしては、ホル モン等の生体活性物質による化学的(体液性)信号と、神経・筋などで使われるイオンの移動と膜 電位の変化を介する電気信号が挙げられる。この科目の第一の到達目標は、細胞間の情報伝達の種 類とその時に使われる伝達物質を分類し、説明できることである。第二に、信号を伝えるための基 本的な分子の作用を列挙し、説明できることである。第三に、活動電位やシナプス電位などの電気 信号に関わる受容体やイオンチャネルの動作原理を理解し、説明できることである。本科目の学習 によって、個体全体として生体を理解する科目「生体システムと制御機構」へと理解が深まり易く なることも重要である。 (評 価 項 目 ) 1)情報伝達の種類と機能を説明できる。 2)受容体による情報伝達の機序を説明できる。 3)細胞内シグナル伝達過程を説明できる。 4 ) 生 体 内 に お け る Ca イ オ ン の 多 様 な 役 割 を 説 明 で き る 。 5)活動電位の発生機構と伝導を説明できる。 6)シナプス(神経・筋接合部を含む)の形態とシナプス伝達の機能(興奮性、抑制性) と可塑性を説明できる。 (評 価 基 準 ) 実習への参加(出席)と態度を評価する。 上記の評価項目について筆記試験にて A.極 め て 良 く 理 解 し て い る B. 良 く 理 解 し て い る C. あ る 程 度 理 解 し て い る D.あ ま り 理 解 で き て い な い のいずれかを判定し、点数化を行う。 大 項 目 Ⅰ. 生体の信号 中 項 目 小 項 目 1) 受 容 器 電 位 1. 神 経 性 信 号 2) 活 動 電 位 3) シ ナ プ ス 電 位 1) ホ ル モ ン 2. 体 液 性 信 号 2) 成 長 因 子 、 増 殖 因 子 3) 神 経 伝 達 物 質 4) 種 々 の 生 体 活 性 物 質 Ⅱ. 受容体と信号 1) 受 容 体 の 種 類 と 構 造 1. 受 容 体 2) リ ガ ン ド と 受 容 体 の 結 合 伝達 3) 脱 感 作 、 ダ ウ ン レ ギ ュ レ ー シ ョ ン 1) 伝 達 器 : G TP 結 合 蛋 白 質 ( G 蛋 白 質 ) 2. 経 膜 的 信 号 伝 達 低 分 子 量 G蛋 白 質 - 31 - 大 項 目 中 項 目 小 項 目 2) 効 果 器 ( エ フ ェ ク タ ー 酵 素 ) a) ア デ ニ ル 酸 シ ク ラ ー ゼ b) グ ア ニ ル 酸 シ ク ラ ー ゼ c) ホ ス ホ リ パ ー ゼ A2 ( P LA2 ) d) ホ ス ホ リ パ ー ゼ C( PL C) e) ホ ス ホ リ パ ー ゼ D( PL D) 3. 細 胞 内 情 報 伝 達 1)二 次 伝 達 物 質( セ カ ン ド メ ッ セ ン ジ ャ ー ) a) サ イ ク リ ッ ク AM P( cA MP ) b) サ イ ク リ ッ ク GM P( cG MP ) c) ア ラ キ ド ン 酸 d) イ ノ シ ト ー ル 3 リ ン 酸 ( I P 3 ) と ジアシルグリセロール e) C a 2 + 2)蛋 白 質 リ ン 酸 化 酵 素( プ ロ テ イ ン キ ナ ーゼ) a) A キ ナ ー ゼ ( PK A) b) カ ル モ デ ュ リ ン キ ナ ー ゼ ( C aM K) c) C キ ナ ー ゼ ( PK C) d) チ ロ シ ン キ ナ ー ゼ 受容体型、非受容体型 3)蛋 白 質 脱 リ ン 酸 化 酵 素( プ ロ テ イ ン ホ スファターゼ) 4) 蛋 白 質 分 解 酵 素 a) カ ル パ イ ン 4. カ ル シ ウ ム イ オ ン 1) C a 2 + 流 入 と Ca 2 + 遊 離 2) I P 3 レ セ プ タ ー / Ca 2 + チ ャ ネ ル と細胞機能 リ ア ノ ジ ン レ セ プ タ ー / Ca 2 + チ ャ ネ ル 3) C a 2 + 結 合 蛋 白 4) 筋 収 縮 、 細 胞 運 動 性 5) 開 口 分 泌 6) 細 胞 増 殖 、 受 精 Ⅲ. 細胞増殖因子・ 受容体と情報 1. 増 殖 因 子 と 1) E GF /TG F- α 、 P DGF /F GF 、 その受容体 VEGF /T GF - β そ の 他 の 増 殖 因 子 2) サ イ ト カ イ ン 伝達 3) キ ナ ー ゼ 活 性 を 有 す る 受 容 体 4) キ ナ ー ゼ 活 性 の な い 受 容 体 5) G 蛋 白 関 連 受 容 体 2. 情 報 伝 達 機 構 1) M AP キ ナ ー ゼ 経 路 2) P I3 キ ナ ー ゼ 経 路 3) I P3 経 路 4) c AM P 経 路 - 32 - 大 項 目 中 項 目 小 項 目 5) J AK /ST AT 経 路 3. 転 写 因 子 1) m yc 2) j un /fo s な ど 4. 細 胞 周 期 の 制 御 1)サ イ ク リ ン お よ び サ イ ク リ ン 依 存 性 キ ナーゼ 2) ユ ビ キ チ ン ・ プ ロ テ ア ゾ ー ム 系 3) チ ェ ッ ク ポ イ ン ト 機 構 ( Rb, p 53 ) 5. 増 殖 抑 制 1) T GF - β /S MA D 2) サイクリン依存性キナーゼインヒビター 3) R b Ⅳ. 神経伝達物質 1. 神 経 伝 達 物 質 1) コ リ ン 系 ─ ア セ チ ル コ リ ン の受容体と信 2) ア ミ ノ 酸 系 ─ グ ル タ ミ ン 酸 、 G ABA 、 号伝達 グリシン 3)ア ミ ン 系 ─ ド ー パ ミ ン 、ア ド レ ナ リ ン 、 ノルアドレナリン、セロトニン 4) ペ プ チ ド 系 ─ P 物 質 、エ ン ケ フ ァ リ ン 等 2. 神 経 伝 達 物 質 受 容 体 1) ア ゴ ニ ス ト と ア ン タ ゴ ニ ス ト 2) 受 容 体 の タ イ プ 3. 受 容 体 と イ オ ン チ 1) チ ャ ネ ル 内 蔵 型 受 容 体 2) 代 謝 型 受 容 体 ャネルの関連 a) G 蛋 白 に よ っ て 調 節 さ れ る イ オ ン チャネル b) セ カ ン ド メ ッ セ ン ジ ャ ー に よ っ て 調節されるイオンチャネル Ⅴ. 電気信号の 1. 電 場 と 電 位 1) ク ー ロ ン 力 、 電 場 、 電 気 力 線 、 電 位 、 基礎 等電位線 2) ガ ウ ス の 法 則 、 電 気 二 重 層 2. 電 気 回 路 1) キ ル ヒ ホ ッ フ の 法 則 2) コ ン デ ン サ ー の 充 放 電 、 時 定 数 3) 細 胞 膜 の 等 価 回 路 4) 分 極 、 脱 分 極 、 過 分 極 5) 局 所 電 流 と 脱 分 極 Ⅵ. 電気的興奮性 1. 電 位 記 録 法 1) 細 胞 外 記 録 、 細 胞 内 記 録 、 容 積 導 体 の機構 (心電図、脳波など) 2. 静 止 電 位 1) 細 胞 内 外 の イ オ ン 分 布 、 平 衡 電 位 Nern st の 式 Gold ma n- Hod gk in - Ka tz の 式 2) イ オ ン 透 過 性 - 33 - 大 項 目 中 項 目 小 項 目 1) 活 動 電 位 の 特 性 3. 活 動 電 位 all - o r- non e の 法 則 、閾 値 、オ ー バ ーシュート、不応期 2) N a 説 3) 膜 電 位 固 定 法 4) 種 々 の 細 胞 に お け る 活 動 電 位 4. 膜 電 位 依 存 性 イ オ 1)N aチ ャ ネ ル 、Ca チ ャ ネ ル 、K チ ャ ネ ル 、 ンチャネル イオン選択性、膜電位特性、 選択的ブロッカー、ゲート 2) パ ッ チ ク ラ ン プ 法 3) イ オ ン チ ャ ネ ル の 分 布 Ⅶ . 興奮伝導とシナ 1. 興 奮 の 伝 導 1) 局 所 電 流 プス伝達機構 2) 跳 躍 伝 導 3) 伝 導 速 度 4) 神 経 幹 の 活 動 電 位 5) 興 奮 伝 導 遮 断 薬 、 局 所 麻 酔 薬 2. シ ナ プ ス 伝 達 a. シ ナ プ ス の 形 態 1) シ ナ プ ス 前 神 経 終 末 、 シ ナ プ ス 小 胞 2) シ ナ プ ス 間 隙 3) シ ナ プ ス 後 神 経 細 胞 b. 神経伝達物質の放出 1) 細 胞 内 Ca 2 + 2) 開 口 分 泌 3) 素 量 説 c. シナプス電 位 1) 受 容 体 と イ オ ン チ ャ ネ ル 2) 興 奮 性 シ ナ プ ス 後 電 位 ( EPS P ) 3) 抑 制 性 シ ナ プ ス 後 電 位 ( IPS P ) 4) シ ナ プ ス 前 抑 制 5) 加 重 、 促 通 d. 基本的神経回路・ 1) 発 散 、 収 束 回路網 2)相 反 性 回 路 、側 方 抑 制 回 路 、反 回 抑 制 回路 e. 神経筋接合部の興奮 伝達 1) ア セ チ ル コ リ ン 2) 終 板 電 位 ( E PP ) 3) 神 経 筋 接 合 部 作 用 薬 、 筋 弛 緩 薬 4) 抗 コ リ ン エ ス テ ラ ー ゼ 〔細胞と情報伝達〕 小澤瀞司他監修 標 準 生 理 学 ( 第 8版 ) 医学書院 2014 杉 人 体 機 能 生 理 学 ( 第 5版 ) 南江堂 2009 小幡邦彦他編 新 生 理 学 ( 第 4版 ) 文光堂 2005 Berne, R.M. & Levy, M.N. Principles of Physiology(3rd ed.) C.B. Mosby Co. 2000 バーン・レヴィ (板東武彦・小山省三監訳) 生 理 学 ( 第 3版 ) 西村書店 1996 晴夫編 - 34 - バーン・レヴィ (板東武彦・小山省三監訳) Ganong, W. F. カラー基本生理学 西村書店 2003 Review of Medical Physiology Appleton & Lange 2003 ギャノング(岡田泰伸他訳) ギ ャ ノ ン グ 生 理 学 ( 第 22 版 ) 丸善出版 2005 山科郁男監修 レーニンジャーの新生化学(第5版) 廣川書店 2010 上代淑人監訳 ハ ー パ ー 生 化 学 ( 改 訂 29 版 ) 丸善 2013 大塚吉兵衛・安孫子宣光著 ビジュアル生化学・分子生物学 日本医事新報社 1997 入村達郎他監訳 ストライヤー生化学(改訂7版) 東京化学同人 2013 中村桂子他訳 Esse nt ial 細 胞 生 物 学 ( 第 3 版 ) 南 江 堂 2011 清水孝雄他訳 エ リオット生化学・分子生物学(第3版) 東 京 化 学 同 人 2007 Griffin & Ojeda Textbook of Endocrine Physiology Oxford Univ.Press 1988 Albe rt s他 著 Garl an d 2008 Saun de rs 1999 Lewi n 編 Molecular Biology of the Cell ( 5t h ed. ) Robbins Pathologic Basis of Disease(6th ed.) Gene s Oxford Univ.Press 1997 一瀬白帝、鈴木宏治編 図 説 分 子 病 態 学 ( 第 3版 ) 中外医学社 2003 平賀紘一他編 南山堂 1999 村松正實、谷口維紹編 医学のための基礎分子生物学 ( 第 2版 ) 医 科 分 子 生 物 学 ( 第 3版 ) 南江堂 1997 スターンハイム他 ライフサイエンス物理学 廣川書店 1992 ヒューエット (小出昭一郎監訳) 渡辺正雄他監訳 電気と光(物理のコンセプト3) 共立出版 1986 光と電磁気(プロジェクト物理4) コロナ社 1986 ベネディック&ビラーズ (松原武生訳) 福原武彦・入来正躬訳 電磁気学(上)(医系の物理3a) 吉岡書店 1981 生 理 学 ア ト ラ ス ( 第 2版 ) 文光堂 1992 高田明和編 アトラスで学ぶ生理学 丸善 1996 佐久間康夫監訳 カラー図解よくわかる 生理学の基礎 細 胞 の 分 子 生 物 学 ( 第 5版 ) メディカルサイエンス インターナショナル ニュートンプレス 2005 Cotran,Kumar,Collins 編 中村桂子他監訳 津田基之編 2010 生物のスーパーセンサー 共立出版 (シリーズ・ニューバイオフィジックス6) ニューロトランスミッター・トゥデイ 星和書店 1997 共立出版 1998 山本雅也編 カルシウムイオンとシグナル伝達 ( 蛋 白 質 核 酸 酵 素 4 3巻 12 号 ) キーワードで理解するシグナル伝達 羊土社 2004 上代淑人監訳 シグナル伝達 2004 秋山 わかる実験医学シリーズ メディカルサイエンス インターナショナル 羊土社 神経精神薬理誌編 御子柴克彦他編 徹編 1997 2001 加藤茂明他編 細胞膜・核内リセプターと脂溶性シグナル(実験医学増刊) 山本 細 胞 内 シ グ ナ ル 伝 達 ( 第 2版 ) 羊土社 1999 宮園浩平・菅村和夫編 サイトカイン・増殖因子 羊土社 1995 川合述史 分子から見た脳 講談社 1994 早石 修・伊藤正雄編 精神活動の流れを遡る 1995 山本 雅・秋山 細胞内シグナル伝達がわかる メディカル ジャーナル社 羊土社 宮島 篤編 雅 徹 サイトカインの新たな機能と 羊土社 生命現象(シグナル伝達から疾患研究まで) - 35 - 2000 2000 〔生体物質の代謝〕 科目責任者:高桑 雄一(生化学教室) ヒトの体を構成する 物質は、消化 、吸収により 体 外から栄養素として 取り入れられ 、あるいは、 体内で生合成される。その一方、体内でこれらの物質はより小さな分子に分解される。これらの合 成と分解の過程を“代謝”と呼び、この代謝の過程で生命活動の維持に必要なエネルギーが産生さ れあるいは消費され る。この代謝 過程は化学反応 の連続であり、酵素 が反応速度を 制御している。 20 回の講義では、ま ず生体を構成 する主要な成 分である糖、タンパ ク、脂質、核 酸などについて 代謝の過程を学び、酵素による反応の制御機構について理解する。さらに、食後、飢餓状態、ある いは糖尿病における代謝を統合的に学ぶ。実習では、グループ別に酵素を精製し、アイソザイムの 分析および酵素反応速度論的解析を行ない、酵素の作用を学ぶ。 (評価方法) 生体を構成している物質が体内で代謝される過程およびそれらの反応を制御している 機構について説明できることを目標とする。 1.評 価 項 目 1) 酵 素 の 機 能 と 調 節 2) 糖 質 の 代 謝 と 調 節 3) タ ン パ ク 質 ・ ア ミ ノ 酸 の 代 謝 と 調 節 4) 脂 質 の 代 謝 と 調 節 5) 核 酸 の 代 謝 と 調 節 6) 代 謝 の 統 合 と 異 常 2.評 価 の 対 象 取 り 組 み の 姿 勢 と し て 出 席 、各 講 義 終 了 時 の 自 己 診 断 カ ー ド 、期 末 試 験 と 実 習 レ ポ ー ト 。 3.評 価 基 準 1の評価項目に示した到達目標に A. 十 分 に 到 達 し て い る B. 到 達 し て い る C. あ る 程 度 到 達 し て い る D. 到 達 が 不 十 分 で あ る 大 項 目 Ⅰ. 代謝の基本 中 項 目 小 1. 代 謝 と エ ネ ル ギ ー 項 目 1) 細 胞 2) 生 体 物 質 の 合 成 と 分 解 概念 3) エ ネ ル ギ ー の 産 生 ・ 貯 蔵 ・ 消 費 1) タ ン パ ク 質 、 糖 質 、 脂 質 、 核 酸 、 2. 生 体 分 子 ビタミン、無機質、水 1) 酵 素 反 応 の し く み と そ の 特 徴 3. 酵 素 反 応 2) 酵 素 反 応 の 速 度 論 的 解 析 Ⅱ. 個々の物質の 1) 嫌 気 的 解 糖 1. 糖 質 の 代 謝 a) グ ル コ ー ス の 分 解 代謝 - 36 - 大 項 目 中 項 目 小 項 目 b) 乳 酸 生 成 c) 基 質 レ ベ ル の AT P合 成 2) 好 気 的 解 糖 a) ク エ ン 酸 回 路 b) N AD H、 FAD H 2 c) 電 子 伝 達 系 d) 酸 化 的 リ ン 酸 化 e) F 0 F 1 A TPa se 3) グ リ コ ー ゲ ン 代 謝 a) 生 合 成 b) 分 解 4) 糖 新 生 a) グ ル コ ー ス の 生 合 成 b) コ リ 回 路 5) ペ ン ト ー ス 代 謝 a) ペ ン ト ー ス リ ン 酸 回 路 b) N AD PH 2. タ ン パ ク 質 ・ 1) タ ン パ ク 質 の 代 謝 アミノ酸の代謝 a) 分 解 b) 生 合 成 ( m RN Aの 翻 訳 ) c) 修 飾 と 輸 送 2) ア ミ ノ 酸 の 代 謝 a) 分 解 ( 脱 ア ミ ノ 、 尿 素 回 路 ) b) 生 合 成 ( 炭 素 骨 格 ) 3. 脂 質 の 代 謝 1) 脂 肪 酸 の 代 謝 a) 分 解 ( β 酸 化 ) b) 生 合 成 c) 異 化 ( ア ラ キ ド ン 酸 カ ス ケ ー ド ) 2) ト リ ア シ ル グ リ セ ロ ー ル 代 謝 a) 生 合 成 b) 分 解 3) コ レ ス テ ロ ー ル の 代 謝 a) 生 合 成 b)異 化( ス テ ロ イ ド ホ ル モ ン 、胆 汁 酸 、 ビ タ ミ ン D) 4) リ ン 脂 質 の 代 謝 a) 生 合 成 b) 分 解 c)異 化( イ ノ シ ト ー ル リ ン 脂 質 代 謝 回 転 ) 4. 核 酸 の 代 謝 1) ヌ ク レ オ チ ド の 代 謝 a) 合 成 b) 分 解 ( 尿 酸 ) - 37 - 大 項 目 中 項 目 小 項 目 2) D NA の 代 謝 ( 「 遺 伝 と 遺 伝 子 」 で 学 習 ) a) D NA の 複 製 3) R NA の 代 謝 ( 「 遺 伝 と 遺 伝 子 」 で 学 習 ) a) D NA の 転 写 Ⅲ. 代謝の調節 1. 細 胞 レ ベ ル a) 酵 素 に よ る 調 節 2. 臓 器 レ ベ ル a) ホ ル モ ン に よ る 調 節 b) 神 経 系 に よ る 調 節 a) 食 後 3. 個 体 レ ベ ル b) 食 間 c) 飢 餓 d) 糖 尿 病 〔生体物質の代謝〕 入村達郎他監訳 ス ト ラ イ ヤ ー 生 化 学 ( 第 7版 ) 東京化学同人 2013 山科郁男監修 廣川書店 2010 東京化学同人 2012 丸善 2013 東京化学同人 2007 丸善 2011 中村桂子他監訳 レーニンジャーの新生化学 ( 上 ・ 下 ) ( 第 5版 ) ヴォート生化学 ( 上 ・ 下 ) ( 第 4版 ) イラストレイテッド ハ ー パ ー 生 化 学 (原著29版) エリオット生化学・分子生物学 ( 第 3版 ) イラストレイテッド生化学 ( 原 著 5版 ) E s s en t i a l 細 胞 生 物 学 (原著3版) 南江堂 2011 清水孝雄他監訳 カラー生化学 西村書店 2003 太田英彦他訳 カラー図解 臨床生化学 医学書院 1998 江崎信芳、藤田博美 生化学 化学同人 2002 Halperin 他(玉井洋一他訳) 症例から学ぶ生化学 東京化学同人 1995 J. Darnell 他(野田春彦他訳) 分子細胞生物学(上・下)(第6版) 東 京 化 学 同 人 2010 中村隆雄 酵素キ ネ テ ィ ク ス 学会出版センター 1993 青島 ライフサイエンス基礎化学 化学同人 2000 藤本大三郎 酵 素 反応の し く み 1996 堀尾武一 蛋白質・酵素の基礎実験法 (2版) 講談社 ブルーバックス 南江堂 1994 遠藤克己 栄 養 の 生化学1. 2. 3 ( 3 版 ) 南江堂 2003 神奈木玲児訳 臨 床 に 役立つ生 化 学 総合医学社 1997 吉田邦久 好 き に な る 生物学 講談社 サイエンティフィック 朝倉書店 2001 田宮信雄他訳 上代淑人監訳 清水孝雄他訳 石崎泰樹他監訳 均、右田たい子 重井清一郎、門脇 花房俊昭編 孝、 基礎の基礎 最新糖 尿 病 学 ─ 基 礎 と 臨 床 ─ - 38 - 2006 〔組織の成り立ち─組織、器官系〕 科目責任者:江﨑 太一(解剖学・発生生物学教室) 様々 な 生命 現 象 を営 ん でい る 生体 構 造の 多 様 性 、精 巧 さ、 そ し て美 し さを 自 らの 目 で発 見 し、 感動 す ると と も に、 生 命へ の 畏敬 の 念を 育 む 。 生体 に 関す る 事 象を 細 胞生 物 学的 視 点か ら 、 「 形 態と 機 能は 表 裏 一体 」 とい う 基本 原 理に 基 づ い て考 え ると 同 時 に、 常 に生 体 内で の 存在 状 態 に フ ィー ド バッ ク し て三 次 元レ ベ ルで そ の立 体 構 造 と位 置 関係 を 理 解で き るよ う にす る 。ま た 、 観 察 によ って 得ら れ た情 報を 知 識と 照合 しな が ら、 正確 に記 録す る 表現 技能 の 修得 を行 う。 (評価基準) 1. 組織の研究法、観察方法を理解するとともに、光学顕微鏡を正しく使用して組織観察ができる。 2. 組織所見を正確に観察・理解することができ、スケッチとして科学的記録ができる。 3. 四大組織(上皮組織、支持組織、筋組織、神経組織)の構造の特徴を機能と関連づけて理解し、 組織標本上でそれぞれを判断理由を付けて鑑別することができる。 4. 充実性器官および管腔性器官の基本構造を理解し、四大組織ごとに互いの相関関係を説明でき る。 以上を評価基準として実習試問および筆記試験を行う。さらに、実習評価(出席、実習態度、レ ポート内容など)を行う。これら全ての総合点(100点満点)で60点以上を合格とする。 大 項 目 Ⅰ. 組織の構造と 機能 中 項 目 小 1. 組 織 の 研 究 法 a. 観 察 法 項 目 1) 光 学 顕 微 鏡 2) 電 子 顕 微 鏡 ( 透 過 型 ・ 走 査 型 ) 3) 共 焦 点 レ ー ザ ー 走 査 顕 微 鏡 1) 固 定 法 2) 包 埋 ・ 薄 切 法 3) 染 色 法 b. 標 本 作 製 法 Hematoxylin-eosin染 色 、azan染色、 鍍銀法 (銀染色)、過ヨウ素酸Schiff(PAS)染色、 elastica Van Gieson 染色、orcein 染色、 Klüver-Barrera 染 色 、Wright-Giemsa染色 生体染 色 、 超 生 体 染 色 組織化学的方法(蛍光及び酵素抗体法、 酵素活 性 検 出 法 ) 1) 同 位 元 素 を 用 い た 追 跡 法 c. 機 能 的 研 究 法 2) I n sit u ハ イ ブ リ ダ イ ゼ ー シ ョ ン 3) 細 胞 小 器 官 の 分 離 分 画 法 4) 細 胞 培 養 法 2. 組織の概念:四大組織 3. 上 皮 組 織 1) 上 皮 組 織 の 特 徴 2) 上 皮 組 織 の 配 列 ・ 形 態 に よ る 分 類 a)単 層 (扁平・立方・円柱)上皮 b)偽 重 層 上皮(多列上皮)、移行上皮 - 39 - 大 項 目 中 項 目 小 項 目 c)重層(扁平・立方・円柱)上皮 3) 上 皮 組 織 の 機 能 に よ る 分 類 a)保護(被蓋)上皮 b)吸収上皮 c)線毛上皮 d)腺(分泌)上皮 e)感覚上皮 f)呼吸上皮 g)色素上皮 4) 上 皮 の 自 由 面 ・ 基 底 面 の 構 造 分 化 5) 細 胞 の 連 結 ・ 接 着 1) 腺 組 織 の 発 生 、 小 葉 構 造 a. 腺 組 織 2) 腺 組 織 の 導 管 の 有 無 に よ る 分 類 a)外分泌腺 b)内分泌腺 3) 外 分 泌 腺 の 構 造 a)終末部(腺房・腺胞・腺管) b ) 導 管 部 (小葉内導管〔介在部、線条部〕 ・小葉間導管) 4) 外 分 泌 腺 の 形 態 に よ る 分 類 a)管状腺 b)房状腺 c)胞状腺 d)管状房状腺 e)管状胞状腺 5) 外 分 泌 腺 の 分 泌 物 に よ る 分 類 a)粘液腺 b)漿液腺 c)漿粘液腺(混合腺) 6) 分 泌 様 式 に よ る 分 類 a ) 部 分 分泌腺(漏出分泌・離出分泌) b)全分泌腺 c)透出分泌腺 7) 内 分 泌 腺 の 特 徴 a)ホルモンの定義 b)内分泌腺の形態学的特徴 c)分泌調節機構 d)主な内分泌腺と分泌様式 4. 支 持 組 織 : 間 葉 系 a. 結 合 組 織 間葉細胞(幹細胞) 1) 結 合 組 織 細 胞 a)線維芽細胞 b)細網細胞 - 40 - 大 項 目 中 項 目 小 項 目 c)血管内皮細胞、周皮細胞 d)脂肪細胞 e)大食細胞(マクロファージ) f)肥満細胞(組織好塩基球) g)リンパ球、形質細胞 h)白血球(好中球、好酸球) i)色素細胞 2) 細 胞 間 質 a ) 結 合 組 織 線 維 (膠原線維・細網線維・ 弾性線維) b)無定形質(基質) c)組織液 3) 結 合 組 織 の 分 類 と 特 徴 a)疎線維性結合組織 b)密線維性結合組織 c)弾性(結合)組織 d)細網(結合)組織 e)(白色・褐色)脂肪組織 f)膠様組織(胎児性結合組織) g)色素組織 b. 血 液 と リ ン パ 1) 赤 血 球 2) 白 血 球 a ) 顆 粒 (白血)球(好中球・好酸球・ 好塩基球) b)無 顆 粒 (白血)球(リンパ球・単球) 3) 血 小 板 4) 血 漿 ・ リ ン パ 漿 / 血 清 5) 血 液 ・ リ ン パ の ろ 過 ・ 貯 留 組 織 a)脾臓 b)リンパ節 6) 造 血 a)骨髄、巨核球 b)血液幹細胞 c)造血微小環境(ストローマ細胞) c. 軟 骨 組 織 1) 軟 骨 細 胞 2) 軟 骨 基 質 a)細胞領域基質 b)領域間基質 c)軟骨小腔 3) 軟 骨 組 織 の 分 類 a)硝子軟骨 b)弾性軟骨 - 41 - 大 項 目 中 項 目 小 項 目 c)線維軟骨 4) 軟 骨 の 成 長 ( 付 加 成 長 、 間 質 成 長 ) d. 骨 組 織 1) 骨 細 胞 2) 骨 基 質 、 オ ス テ オ ン ( 骨 単 位 ) a)骨層板・骨小腔・骨細管 b)介在層板 c ) 中 心 管 (ハバース管)・貫通管(フォ ルクマン管) 3) 骨 組 織 の 発 生 ( 骨 形 成 ) と 再 構 築 a)膜内骨化 b)軟骨内骨化 c)骨芽細胞 d)破骨細胞 5. 筋 組 織 1) 平 滑 筋 細 胞 a ) 筋 細 糸(太い筋細糸・細い筋細糸) b)暗調野 c)ギャップ結合 2) 横 紋 筋 細 胞 a ) 骨格筋細 胞 (筋細線維・筋細糸・筋節・ 筋小胞体・横細管・筋収縮) b ) 心筋細胞(筋小胞体・横細管・筋収縮・ 介在板) 3) 筋 紡 錘 ・ 運 動 終 板 6. 神 経 組 織 1) ニ ュ ー ロ ン ( 神 経 細 胞 ) a ) 神経細 胞 体 b ) 軸索丘 c ) 軸索突 起 d ) 樹状突 起 e ) 神経終 末 f ) 神経細 胞 間 シ プ ナ ス 2) 神 経 細 胞 の 形 態 に よ る 分 類 a)多極神経細胞 b)双極神経細胞 c ) 偽単極神 経 細 胞 d)単極神経細胞 3) 支 持 細 胞 a ) 中枢性膠細胞:神経膠(グリア)細 胞(上衣細胞、星状膠細胞、稀突起 膠 細胞、 小 膠 細 胞 ) b ) 末梢性膠細胞(衛星細胞、シュワン細胞) 4) 有 髄 ・ 無 髄 神 経 線 維 5) 髄 鞘 形 成 、 ラ ン ビ エ 絞 輪 - 42 - 大 項 目 Ⅱ. 器官(臓器) の基本構造 中 項 目 小 1. 充 実 性 ( 実 質 性 ) 器官 項 目 1) 被 膜 、 葉 間 結 合 組 織 、 小 葉 2) 門 3) 皮 質 4) 髄 質 2. 管 状( 中 空 性 )器 官 1) 内 膜 ( Tun ic a i nte rn a) 2) 中 膜 ( Tun ic a m edi a ) 3) 外 膜 ( Tun ic a e xte rn a) a ) 漿 膜 ( T. s ero sa ) 、 中 皮 細 胞 b ) 外 膜 ( T. a dve nti ti a) 〔組織の成り立ち─組織、器官系〕 (組織学テキスト) 山田安正 現 代 の 組 織 学 ( 改 訂 3版 ) 金原出版 1995 小川和朗・溝口史郎 組 織 学 ( 第 2版 ) 文光堂 1993 藤田尚男・藤田恒夫 標 準 組 織 学 総 論 ( 第 4版 ) 医学書院 2002 藤田尚男・藤田恒夫 標 準 組 織 学 各 論 ( 第 4版 ) 医学書院 2010 伊藤 組 織 学 ( 第 19 版 ) 南山堂 2005 人 体 組 織 学 ( 第 2版 ) 南江堂 1999 最 新 カ ラ ー 組 織 学 ( 原 書 2版 ) 西村書店 2003 組織細胞生物学 南江堂 2006 隆・阿部和厚 Stevens A. & Lowe J. (内山・相磯監訳) Gartner L.P. & Hiatt J.L. (石村・井上監訳) Kierszenbaum, A.L. (内山安男監訳) Tortora G.J. & Derrickson B. (桑木、他共訳) Mesc he r, A. L. トートラ靱帯の構造と機能(第4版) 丸 善 出 版 2012 ジ ュ ン ケ イ ラ 組 織 学 (第4版) 丸善出版 2015 Histology:A text and atlas ( 4t h ed. ) A Te xt boo k o f His tol og y ( 12 th ed .) Lippincott W.&W. 2003 Chapman & Hall 1994 (坂 井 、 川 上 藍 訳 ) Ross , M.H . 他 Fawc et t, D.W . (組織学アトラス) 溝口史郎 図 説 組 織 学 ( 第 2版 ) 金原出版 1987 岩永敏彦 カラーアトラス組織・細胞学 医歯薬出版 1995 Wels ch , U . (岡本道雄他訳) Di F io re, M. S . H . (藤田恒夫他訳) Krstić, R.V. (藤田恒夫監訳) Krstić, R.V. (藤田恒夫監訳) Gartner, L.P. & Hiatt, J.L. (松村・川上・高見・天野訳) Krstić, R.V. Sobo tt a/H amm er sen 実習人体組織学図譜(第4版) 人体組織図譜 医学書院 1995 南江堂 1992 立体組織学図譜(Ⅰ)細胞篇 ( 第 1版 ) 立体組織学図譜(Ⅱ)組織篇 (第1版) 組織学カラーアトラス(第2版) 西村書店 1981 西村書店 1981 MEDS i 2007 Human Microscopic An at omy Springer-Verlag 1994 - 43 - 〔生体システムと制御機構〕 科目責任者:宮田 麻理子(第一生理学教室) 生体の最小単位である細胞が集合し、一連の機能を果たすために器官を形成し、さらに、それぞ れ機能の異なる器官が集まり人体を構成する。このような生体のシステムとしての働きと制御機能 を学ぶことが、人体を理解するうえで大切である。「生体システムと制御機構」では、「細胞と情 報伝達」を基盤に、人体で個々の機能がシステムとしてどのように統合制御されているか学ぶ。さ らに、生体の調節機構として重要である神経系について、上級セグメントで学ぶ神経系の基礎的な 知識を獲得出来るように配慮されている。 (到 達 目 標 ・ 評 価 基 準 に つ い て ) 1 )中 枢 神 経 系 と 末 梢 神 経 系 の 構 成 を 理 解 し 、さ ら に 体 性 神 経 と 自 律 神 経 系 の 違 い を 説 明 できる。 2)感覚系の総論として基本的な法則性と刺激の受容機構を説明できる。 3)筋肉(骨格筋と平滑筋)の収縮機構を説明できる。 4)心筋の興奮と収縮および心電図との関係が説明できる。 5 )脊 髄 か ら 末 梢 神 経・筋 ま で の 運 動 の 基 本 単 位 を 理 解 し 、脊 髄 反 射 に つ い て 説 明 で き る 。 6)自律神経の末梢分布支配様式を理解し、その機能と伝達物質について概説できる。 7 )ニ ュ ー ロ ン と グ リ ア の 相 互 作 用 を 理 解 し 、そ の 破 綻 に よ る 様 々 な 病 態 生 理 の 対 象 例 を あげることができる。 8)内分泌系の調節機構が概説できる。 9 )学 期 末 に 実 施 す る 筆 記 試 験 の 得 点( 素 点 )お よ び 実 習 参 加 へ の 態 度 と レ ポ ー ト 点 で 評 価する。 評価基準記載:A 大 項 極めて良く理解している B 良く理解している C ある程度理解している D あまり理解できていない 目 Ⅰ. 生体システム としての解剖 中 1. 項 目 小 組織、器官、臓器、生体 項 目 1) 生 体 臓 器 の 機 能 的 相 互 関 係 1) 脳 神 経 、 体 性 神 経 、 自 律 神 経 2. 神 経 系 2) 神 経 の 機 能 と 解 剖 の 統 合 、 感覚系(上行路)、運動系(下行路) 3) 中 枢 神 経 と 末 梢 神 経 Ⅱ. 生体の信号 1. 体 液 性 信 号 1) ホ ル モ ン 2) 成 長 因 子 、 増 殖 因 子 3) 神 経 伝 達 物 質 4) 種 々 の 生 体 活 性 物 質 2. 神 経 性 信 号 1) 受 容 器 電 位 2) 活 動 電 位 - 44 - 大 項 目 中 項 目 小 項 目 3) シ ナ プ ス 電 位 3. 電 気 生 理 学 的 生 体 信号記録法 Ⅲ . 刺激の受容機構 1)細 胞 外 記 録 法 ・ 細 胞 内 記 録 法 ・ 容 積 導 体記録(心電図・脳波・誘発電位) 1. 刺 激 の 種 類 1) 機 械 的 刺 激 2) 温 度 、 光 、 音 、 放 射 線 3) 化 学 物 質 、 薬 物 4) 異 物 、 微 生 物 ・ 寄 生 虫 5) 生 体 内 刺 激 6) ス ト レ ス 2. 生 体 反 応 の 種 類 1) 随 意 運 動 2) 分 泌 反 応 3) 化 学 反 応 ( 代 謝 ) 4) 細 胞 反 応 3. 刺激による調節機構 1) 中 枢 神 経 系 2) 自 律 神 経 系 3) 内 分 泌 系 4) 免 疫 系 4. 感 覚 受 容 器 と 受 容 器電位 1) 感 覚 受 容 器 2) 信 号 変 換 3)光 刺 激 、音 刺 激 、機 械 刺 激 、温 度 刺 激 、 侵 害 刺 激 、化 学 物 質 に よ る 刺 激 か ら 活 動電位へ変換 4) 刺 激 情 報 の 符 号 化 5) 受 容 野 6) 感 覚 の 順 応 7) 側 抑 制 8) 受 容 器 細 胞 9) 受 容 器 電 位 の 発 生 と 特 徴 10) 体性感覚受容器皮膚及び深部の機械的 刺激受容器、温度受容器、侵害刺激受容器 11) その他の特殊感覚受容器視細胞、聴細胞、 味細胞、嗅細胞、平衡感覚受容細胞 Ⅳ . 骨 格 筋 、 心 筋 、 1. 骨格筋の興奮と収縮 平滑筋 a. 筋細胞の形態と機能、 1) 筋 原 線 維 2) アクチンフィラメント 収縮蛋白質 ミオシンフィラメント、トロポニン、 トロポミオシン サルコメア b. 筋収縮の物理的性質 1) 等 張 性 収 縮 、 等 尺 性 収 縮 2) 単 収 縮 、 強 縮 、 拘 縮 - 45 - 大 項 目 中 項 目 小 項 目 1) 滑 走 説 c. 筋収縮機序 2) A TP の 化 学 エ ネ ル ギ ー か ら 機 械 的 エ ネ ルギーへの転換 3) C a 2 + に よ る 制 御 4) A TP の 補 給 5) 熱 産 生 d. 興奮収縮連関 1)横 行 小 管 系 、ジ ヒ ド ロ ピ リ ジ ン 受 容 体 2) 筋 小 胞 体 、 リ ア ノ ジ ン 受 容 体 3) C a 2 + 遊 離 と 再 取 り 込 み 4) カ フ ェ イ ン 拘 縮 2. 心 筋 の 興 奮 と 収 縮 a. 心筋の形態 1) 固 有 ( 作 業 ) 心 筋 2) 特 殊 心 筋 3) 興 奮 伝 導 系 4) 心 臓 神 経 ( 交 感 神 経 、 迷 走 神 経 ) 5) ギ ャ ッ プ 結 合 、 合 胞 体 b. 心筋細胞の電気的 1)静止電位 活動・興奮伝導性 2)アドレナリンとアセチルコリンの作用 3)心筋の活動電位、プラトー 4)心筋のイオン電流、イオンチャネル 5)ペースメーカー電位と心筋の自動性 6)ペースメーカー電位に対する心臓神経の作用 7)心電図の成因 c. 心筋の力学的性質 1)長さ─張力関係 2)張力─速度関係 3)収縮力の調節とCa2+ 動態 4)Ca2+ チャネル、リアノジン受容体、Ca2+ 流入と Ca2+ 遊離、Ca2+ によるCa2+ 遊離 3. 平滑筋の興奮と収縮 a. 平滑筋の構造 1)平滑筋の分布と機能 2)内臓平滑筋 3)多元平滑筋 4)ギャップ結合、合胞体 b. 平滑筋の神経支配・ 神経筋伝達 1)自律性 2)神経支配(交感神経、副交感神経) 3)興奮と抑制、ノルアドレナリンとアセチル コリンの作用 c. 平滑筋の興奮 1)種々の活動電位 2)ペースメーカー電位 3)スローウェーブ 4)伸展による脱分極 - 46 - 大 項 目 中 項 目 小 2+ d. 興奮収縮連関 1)筋小胞体とCa 項 目 遊離、リアノジン受容体、 IP3 受容体 2)Ca2+ チャネルとCa2+ 流入 3)カルモジュリン依存性ミオシン軽鎖キナーゼ e. 平滑筋の収縮 1)興奮の伝導速度と収縮時間 2)アクチンフィラメント、ミオシンフィラメント 3)単収縮、加重、強縮 f. 骨格筋、心筋との比較 Ⅴ. 反射機構 1)反射弓、反射中枢 1. 脊髄反射機構 2)筋紡錘とゴルジ腱器官、Ⅰa 神経線維、 Ⅰb 神経線維 3)連関伸張反射、屈曲反射 4)拮抗抑制、反回抑制、Ⅰb 抑制シナプス 前抑制 5) α 及 び γ 運 動 神 経 、 α - γ 連 関 6) 誘 発 筋 電 図 、 M 波 と H 波 Ⅵ. 体性神経系に 1) 皮 膚 感 覚 、 深 部 感 覚 、 痛 み 1. 感 覚 情 報 の 経 路 よる制御機構 2) 感 覚 伝 導 路 3) 視 床 中 継 核 4) 特 殊 系 と 非 特 殊 系 5) 大 脳 皮 質 体 性 感 覚 野 、 体 部 位 の 再 現 1) 随 意 運 動 2. 運 動 機 構 2)運 動 の 下 行 路 、内 側 下 行 性 経 路 、外 側 下行性経路 3) 大 脳 皮 質 機 能 局 在 4) 大 脳 皮 質 運 動 野 5) 運 動 制 御 回 路 Ⅶ. 自律神経系に よる調節 1. 自 律 神 経 系 の 解 剖 1) 自 律 神 経 系 中 枢 学的分類と機能的 2) 自 律 神 経 系 と 体 性 神 経 系 の 相 違 点 分類 3) 交 感 神 経 系 と 副 交 感 神 経 系 4) 自 律 神 経 系 の 伝 達 物 質 と 受 容 体 5) 交 感 神 経 節 の 後 電 位 と そ の 機 能 6) 自 律 機 能 の 反 射 性 調 節 7) 関 連 痛 、 除 神 経 性 過 敏 2. 自 律 神 経 作 用 薬 と 生体反応 1) 節 前 線 維 、 節 後 線 維 、 自 律 神 経 節 2) 交 感 神 経 作 用 薬 ・ 遮 断 薬 と そ の 作 用 a) α 受 容 体 作 用 薬 ・ 遮 断 薬 b) β 受 容 体 作 用 薬 ・ 遮 断 薬 c) ア ド レ ナ リ ン 作 用 性 神 経 遮 断 薬 - 47 - 大 項 目 中 項 目 小 項 目 3)副 交 感 神 経 作 用 薬・遮 断 薬 と そ の 作 用 a)ム ス カ リ ン 様 受 容 体 作 用 薬・遮 断 薬 4)交 感 神 経 節 作 用 薬・遮 断 薬 と そ の 作 用 Ⅷ . 神経細胞の細胞骨 1. 細 胞 骨 格 1)ア ク チ ン フ ィ ラ メ ン ト・中 間 径 フ ィ ラ 格・軸索輸送・軸 索再生 メント・微小管・ミオシン 2. 軸 索 輸 送 1) 順 行 性 軸 索 輸 送 3. 神 経 の 変 性・髄 鞘 の 1) 順 行 性 変 性 ( ワ ー ラ ー 変 性 ) 逆行性軸索輸送 2) 逆 行 性 変 性 ( 間 接 的 ワ ー ラ ー 変 性 ) 変性 3) シ ュ ワ ン 細 胞 4) 脱 髄 1) 神 経 成 長 因 子 ( NGF ) 4. 軸 索 再 生 2) 側 枝 発 芽 ( 軸 索 発 芽 ) Ⅸ . 内分泌系による 1) 内 部 環 境 の 恒 常 性 維 持 1. 内 分 泌 系 の 機 能 調節とホルモン 2) エ ネ ル ギ ー 代 謝 の情報伝達 3) 発 育 と 成 長 4) 性 の 分 化 と 生 殖 2. 内 分 泌 の 定 義 1) 内 分 泌 の 定 義 ・ ホ ル モ ン の 定 義 3. ホ ル モ ン の 分 類 1) 化 学 構 造 に よ る 分 類 a) ペ プ チ ド ホ ル モ ン b) 糖 蛋 白 ホ ル モ ン c) ア ミ ノ 酸 誘 導 体 ホ ル モ ン d) ス テ ロ イ ド ホ ル モ ン 1) ア ミ ノ 酸 誘 導 体 ホ ル モ ン の 合 成 4. ホ ル モ ン の 合 成 2) ペ プ チ ド ホ ル モ ン の 合 成 ( P OM C) 3) ス テ ロ イ ド ホ ル モ ン の 合 成 1) 細 胞 膜 受 容 体 5. ホ ル モ ン 受 容 体 2)細 胞 内 受 容 体( 細 胞 質 受 容 体 ・ 核 内 受 容体) 6. ホ ル モ ン の 調 節 1) 恒 常 的 分 泌 の 制 御 a)生 体 リ ズ ム と 分 泌( 拍 動 性 分 泌 ・ 日 内分泌) b) 負 の フ ィ ー ド バ ッ ク c) 正 の フ ィ ー ド バ ッ ク 2) ホルモン感受性の調節(ダウンレグレー ション・アップレグレーション) 7. ホルモン受容体と細胞 内情報伝達機構 1) 細 胞 膜 受 容 体 の 細 胞 内 情 報 伝 達 機 構 ( G蛋 白 、 チ ロ シ ン キ ナ ー ゼ ) 8. 内 分 泌 系 臓 器 1) 内 分 泌 臓 器 総 論 a) 視 床 下 部 ・ 下 垂 体 b) 甲 状 腺 - 48 - 大 項 目 中 項 目 小 項 目 c) 副 腎 d) 性 腺 e) 膵 、 消 化 管 f) そ の 他 2) 各 種 ホ ル モ ン a) 視 床 下 部 ホ ル モ ン b) 下 垂 体 前 葉 ホ ル モ ン c) 下 垂 体 後 葉 ホ ル モ ン d) 副 腎 皮 質 由 来 の ホ ル モ ン e) 性 ホ ル モ ン f) イ ン ス リ ン Ⅹ. 中枢神経細胞 連関 1. ニ ュ ー ロ ン と グ リ 1) ア ス ト ロ サ イ ト の 役 割 2) オ リ ゴ デ ン ド ロ サ イ ト の 役 割 アの相互作用 3) ミ ク ロ グ リ ア の 役 割 - 49 - 〔生体システムと制御機構〕 (教科書類) 小澤 瀞司・福田康一郎(監)標準生理学 大地 陸男 坂井 建雄・河原 克雅(編)カラー図解 第 8版 生理学テキスト 第 7版 人体の正常構造と機能 泉井 亮(監) カラー版 晴夫(編) 生理学 人体機能生理学 第 5版 小幡邦彦他(編) 新生理学 Bern e & L evy Principles of Physiology 4e Kim E. Bar ret t G an ong ’ s Review of Medical Physiology Guyt on 2014 文光堂 2013 日本医事新報社 201 2 西村書店 201 1 南江堂 2009 文光堂 2000 C.B. Mosby Co. 2005 ボロン ブールペープ 杉 第 2版 医学書院 第 3版 24e McGraw-Hill 2012 Saun de rs 2011 板東武彦・小山省三(編) Textbook of Medical Physiology(第12版) バーン/レヴィ基本生理学 西村書店 2003 藤田尚男・藤田恒夫 標準組織学・総論 医学書院 2002 日本生理学会編 新・生理学実習書 南江堂 1991 木村 誘発電位と筋電図 医学書院 1990 文光堂 1992 1996 (実習書類) 淳 (参考書) 福原武彦・入来正躬(訳) 生理学アトラス 高田明和(編) アトラスで学ぶ生理学 丸善 藤原哲司 筋電図・誘発電位マニュアル 金芳堂 Albe rt s 他 ( 著 ) Molecular Biology of the Cell Garl an d 2002 井村・清野(編) 4th Ed., Chapter 13 & 17 内 分 泌 代 謝 病 学 第 4版 医学書院 1997 鹿取 標準薬理学 医学書院 2001 信(監) 第 2版 第 6版 19 99 Wils on 他 ( 著 ) Textbook of Endocrinology Saun de rs 1998 早石 精神活動の流れを遡る 1995 2003 2005 修・伊藤正男(編) 平野朝雄(著) 神経病理を学ぶ人のために メディカル ジャーナル社 医学書院 Clinical Neuroscience ( 23 巻 2号 ) グリア細胞 中外医学社 - 50 - 〔遺伝と遺伝子〕 科目責任者:高桑 雄一(生化学教室) あらゆる生物に共通の特徴は、遺伝情報が遺伝子によって子孫に伝えられ、個々の細胞で発現さ れることである。近 年、遺伝情報 を担う遺伝子の 分子レベルの研究が 急速に進み、 遺伝子の構造、 その複製機構、転写と蛋白質合成の機構が解明されてきた。これらの知見は、初めは主に微生物を 材料に得られてきたが、最近ではヒトを含む高等生物にも対象が広がっている。特に、遺伝子操作 の技術の発展は著しく、医学やさまざまな分野への応用も試みられ、成果を挙げている。 20 回の講義では、出 来るかぎりヒ トなどの高 等 生物に焦点をあて 、遺伝の仕組 み、遺伝子発現 機構、遺伝子工学的手法、遺伝子診断や治療などについて、基礎的事項から最新の知識さらに臨床 への応用まで解説する。 (評価方法) 遺 伝 に つ い て 、遺 伝 子 か ら タ ン パ ク 質 へ の 流 れ に 基 づ い て 生 命 現 象 を 学 び 、遺 伝 子 操 作 技術の原理と応用やヒトゲノム解析の情報の利用の仕方を理解できることを目標とする。 1.評 価 項 目 1) 遺 伝 の 仕 組 み 2) 染 色 体 と 遺 伝 子 の 構 造 3 ) D NA の 複 製 と 修 復 4) 遺 伝 子 の 発 現 ( 転 写 、 翻 訳 、 タ ン パ ク 質 の 修 飾 と 輸 送 ) 5) 原 核 細 胞 の 遺 伝 子 6) 遺 伝 子 解 析 の 手 法 ( 原 理 と 応 用 ) 7) 遺 伝 子 と 疾 患 ( 診 断 、 治 療 、 倫 理 ) 8) 遺 伝 と 情 報 2.評 価 の 対 象 取 り 組 み の 姿 勢 と し て 出 席 、各 講 義 終 了 時 の 自 己 診 断 カ ー ド 、期 末 試 験 と 実 習 レ ポ ー ト 。 3.評 価 基 準 1の評価項目に示した到達目標に A. 十 分 に 到 達 し て い る B. 到 達 し て い る C. あ る 程 度 到 達 し て い る D. 到 達 が 不 十 分 で あ る 大 項 目 Ⅰ. 遺伝と遺伝子 中 項 目 小 1. 遺伝子からみた生命 項 1) 種 の 保 存 と 個 体 の 保 存 2) 遺 伝 情 報 3) 形 質 発 現 4) セ ン ト ラ ル ド グ マ 5) R NA ワ ー ル ド Ⅱ. 遺伝の仕組 1) 遺 伝 子 と 染 色 体 1. 遺 伝 の 法 則 a) 常 染 色 体 b) 性 染 色 体 - 51 - 目 大 項 目 中 項 目 小 項 目 c) ミ ト コ ン ド リ ア 遺 伝 子 2) メ ン デ ル の 法 則 a) 減 数 分 裂 b) 優 性 ・ 劣 性 遺 伝 3) 連 鎖 と 組 換 え a) 交 叉 と 組 換 え 価 1) 遺 伝 子 頻 度 2. 集 団 遺 伝 a) ハ ー デ ィ ・ ワ イ ン ベ ル グ の 法 則 b) 選 択 c) 遺 伝 的 浮 動 d) 突 然 変 異 2) 集 団 に お け る 遺 伝 子 の 発 現 a) 多 因 子 遺 伝 b) 近 交 係 数 ( 親 縁 係 数 ) Ⅲ .染 色 体 と 遺 伝 1) 染 色 体 の 分 子 構 造 1. ヒ ト の 染 色 体 a) ヒ ス ト ン と ヌ ク レ オ ソ ー ム の構造 b) 染 色 体 バ ン ド 2) 染 色 体 の ゲ ノ ム a) ゲ ノ ム の 情 報 量 b) 遺 伝 子 の 大 き さ と 分 布 c) 反 復 配 列 d) D NA 多 型 ( 1 塩 基 ~ 多 塩 基 ) 3) ゲ ノ ム 地 図 a) 遺 伝 子 地 図 b) 物 理 地 図 Ⅳ .D NA の 1. D NA 複 製 1) D NA の 構 造 と 性 質 複製と修復 a) 二 重 ら せ ん b) 5 ′ と 3 ′ 末 端 c) A ・ B・ Z 型 d) 物 理 化 学 的 性 質 2) 複 製 機 構 a) D NA ポ リ メ ラ ー ゼ b) R NA プ ラ イ マ ー c) 岡 崎 断 片 d) 複 製 起 点 2. D NA 修 復 1) 突 然 変 異 原 a) 薬 物 b) 放 射 線 c) ラ ジ カ ル 2) 突 然 変 異 の 種 類 - 52 - 大 項 目 中 項 目 小 項 目 a) 塩 基 修 飾 b) ミ ス マ ッ チ c) ヘ リ ッ ク ス 構 造 修 飾 d) 2 重 鎖 切 断 3) 修 復 機 構 a) 塩 基 除 去 修 復 b) ヌ ク レ オ チ ド 除 去 修 復 c) ミ ス マ ッ チ 修 復 d) 組 み 換 え 修 復 4) ヒ ト 疾 患 と の 関 連 a) 色 素 性 乾 皮 症 b) a ta xia te la ngi ect as ia Ⅴ. 遺伝子発現 1. 転 写 ( mRN A 合 成 ) 1) 転 写 機 構 a) 鋳 型 鎖 と 反 鋳 型 鎖 b) R NA ポ リ メ ラ ー ゼ c) プ ロ モ ー タ ー d) エ キ ソ ン e) イ ン ト ロ ン f) ス プ ラ イ シ ン グ g) 逆 転 写 2) 転 写 の 調 節 a) 転 写 基 本 因 子 b) 活 性 化 ・ 抑 制 因 子 c) オ ペ ロ ン d) D NA ・ タ ン パ ク 質 相 互 作 用 e) タ ン パ ク 質 ・ タ ン パ ク 質 相 互 作 用 2. 翻 訳 ( タ ン パ ク 質 1) 翻 訳 機 構 a) コ ド ン と ア ン チ コ ド ン 合成) b) リ ボ ソ ー ム c) t RN A d) A 部 位 と P 部 位 3. タ ン パ ク 質 の 細 胞 1) タ ン パ ク 質 の 修 飾 a) リ ン 酸 化 内輸送 b) 糖 鎖 付 加 c) 加 水 分 解 2) 細 胞 内 輸 送 a) シ グ ナ ル ペ プ チ ド b) 低 分 子 量 G 蛋 白 質 Ⅵ. 原核細胞の 1) 真 核 細 胞 と の 比 較 1. 細 菌 の 遺 伝 子 2) プ ラ ス ミ ド 遺伝子 - 53 - 大 項 目 中 項 目 小 項 目 a) F プ ラ ス ミ ド b) R プ ラ ス ミ ド c) 病 原 性 プ ラ ス ミ ド 3) 遺 伝 形 質 の 伝 達 4) ミ ト コ ン ド リ ア 遺 伝 子 2. バクテリオファージ 1) 構 造 2) 増 殖 3) 溶 原 化 と 転 写 調 節 4) 細 菌 へ の 遺 伝 形 質 の 伝 達 Ⅶ. 遺伝子解析の 1) ベ ク タ ー の 種 類 1. 組 換 え DNA a) ク ロ ー ニ ン グ ベ ク タ ー 手法 b) 発 現 ベ ク タ ー 2) 標 的 遺 伝 子 の 分 離 2. 遺 伝 子 の 構 造 解 析 1) サ ザ ン 、 ノ ー ザ ン ブ ロ ッ ト 2) P CR 法 3) 塩 基 配 列 決 定 法 4) D NA マ イ ク ロ ア レ イ ( チ ッ プ ) 3. 遺 伝 子 の 機 能 解 析 1) 突 然 変 異 導 入 2) 順 遺 伝 学 と 逆 遺 伝 学 3) 発 生 工 学 4) 遺 伝 子 ノ ッ ク ア ウ ト 動 物 4. 組 換 え DNA の 応 用 1) 遺 伝 子 診 断 2) 遺 伝 子 治 療 3) 生 理 活 性 物 質 の 合 成 Ⅷ. 遺伝子と疾患 1. 腫 瘍 関 連 遺 伝 子 1) 癌 遺 伝 子 2) 癌 抑 制 遺 伝 子 2. 遺 伝 子 診 断 1) 方 法 a) P CR 法 b) サ ザ ン ブ ロ ッ ト 法 c) 多 型 解 析 d) D NA シ ー ク エ ン ス 2) 診 断 可 能 な 疾 患 a) 遺 伝 子 病 b) 癌 c) 感 染 症 3) 保 因 者 診 断 4) 出 生 前 診 断 3. 遺 伝 子 治 療 1) ジ ャ ー ム ラ イ ン 遺 伝 子 治 療 2) 体 細 胞 遺 伝 子 治 療 3) 治 療 可 能 な 疾 患 - 54 - 大 項 目 中 項 目 小 項 目 a) 遺 伝 病 b) 癌 c) 感 染 症 4. 遺 伝 子 と 生 命 倫 理 1) 遺 伝 カ ウ ン セ リ ン グ 2) 遺伝子研究と医療におけるプライバシー の保護と差別 3) 生 命 倫 理 Ⅸ. 遺伝と情報 1. 遺 伝 情 報 学 1) ゲ ノ ム 配 列 2. 全 ゲ ノ ム 解 析 1) 連 鎖 解 析 2) 関 連 解 析 3) 薬 理 遺 伝 学 〔遺伝と遺伝子〕 (教科書・特集) A) 平 易 に 書 か れ て い る も の 福嶋義光監修 遺伝医学やさしい系統講義 遺 伝 医 学 へ の 招 待 ( 第 4版 ) メディカルサイエンス インターナショナル 南江堂 新川詔夫他著 2008 鎌谷直之 オンリーワン・ゲノム 星の環会 2009 Albe rt s 他 著 細 胞 の 分 子 生 物 学 ( 第 5版 ) Newt on Pr ess 2010 菅野純夫著 わかる実験医学シリーズ ゲノム医科学がわかる 遺伝子を読み解く ヒトゲノムとあなた 驚異の小宇宙・人体 遺伝子、 D N A 1~ 6 ヒトゲノム 解読から応用・人間理解へ 羊土社 2001 集英社 2004 NHK出版 1999 岩波新書 2001 柳澤桂子著 NHKスペシャル 榊 佳之著 2013 B) 詳 細 に 書 か れ て い る も の Nuss ba um RL 他 著 福嶋義光監訳 Brow n T.A . 村 松 正 實 訳 メディカルサイエンス インターナショナル ゲ ノ ム ( 第 3版 ) メディカルサイエンス インターナショナル 分子細胞生物学(上、下)(第6版) 東 京 化 学 同 人 2010 遺 伝 子 ( 第 8版 ) 東京化学同人 2006 田宮信雄他訳 ヴォート生化学(上、下)(第4版) 東 京 化 学 同 人 2012 入村達郎他監修 ス ト ラ イ ヤ ー 生 化 学 ( 第 7版 ) 東京化学同人 2013 山科郁男監訳 レーニンジャーの新生化学 ( 上 、 下 ) ( 第 5版 ) ハ ー パ ー 生 化 学 ( 原 著 29 版 ) 廣川書店 2010 丸善 2013 村松正實監訳 ヒトの分子生物学 Cold S pri ng Harb or メディカルサイエンス インターナショナル 丸善 2012 村松正實監修 Molecular Cloning(Ⅰ~Ⅲ) ( 4t h ed. ) ヒ ト の 分 子 遺 伝 学 ( 第 4版 ) Darnell, J. 他著 野 田 春 彦 他訳 Lewin, B. 著/榊 佳之訳 上代淑人監訳 Samb ro ok, J. 他 著 トンプソン&トンプソン遺伝医学 - 55 - 2013 2007 2011 2006 堀越正美編著 中外医学社 2001 シュプリンガー・ フェアラーク東京 羊土社 2000 2005 タンパク質科学 イラストレイテッド 羊土社 2005 RNAi 実 験 な る ほ ど Q&A 羊土社 2006 落合孝広他編 遺 伝 子 導 入 な る ほ ど Q& A 羊土社 2005 谷口武利編 PCR 実 験 な る ほ ど Q &A 羊土社 2011 養王田正文編 も っ と 知 り た い ! PCR 実 験 講談社 2010 村松正実 よくわかる遺伝子工学 羊土社 2000 榊 ゲ ノ ム か ら 個 体 へ 1~ 6 中山書店 2001 ワトソン組換えDNAの分子生物学 ( 第 3版 ) 新遺伝子工学ハンドブック (改訂第5版)(実験医学別冊) 新生化学実験講座核酸Ⅰ~Ⅴ 丸善 2009 羊土社 2010 日本生化学会 1993 服部成介他著 よくわかるゲノム医学 羊土社 2011 日本臨床増刊 鎌谷直之編 遺 伝 子 診 療 学 ( 第 2版 ) 日本臨床社 遺伝子診断の進歩とゲノム治療の展望 症 例 でわかる新しい臨床遺伝学 メディカルサイエンス インターナショナル トンプソン&トンプソン 遺伝医学 メディカルサイエンス インターナショナル Clin ic al Gen et ics Wile y - Li ss 社 (A short course) 遺伝統計学入門 岩波新書 斉藤英彦他編 遺伝子医療 半田 宏他編 山本 雅/仙波憲太郎編 竹縄忠臣編 遺伝子発現 ジーンセレクターから生命現象へ ゲノムからの情報発現 転写因子とその機能 癌のシグナル伝達がわかる (遺伝子解析技術関連) A) 平易に書かれているもの 程 久美子他編 佳之他編 B) 詳 細 に 書 か れ て い る も の Wats on , J .D. 他 著 松橋通生他監訳 松村正實他編 日本生化学学会編 (遺伝子と疾患関連) 水谷修紀監訳 福島義光監訳 Wils on G. N. 基礎から応用へ 2010 2008 2009 2000 2007 名古屋大学出版会 2000 遺伝相談ガイド ブック 日本評論社 1995 法研出版 1994 日本評論社 1998 金芳堂 2004 (生命倫理関連) 厚生省精神・神経疾患研究委託費 (班長:高橋桂一) 木村利一著 小澤敬也著 金城清子著 伏 木 信 次 他編 筋ジストロフィーにおける遺伝子診断 いのちを考える―バイオエシックス の す すめ がんや難病を治す遺伝子治療 生命誕生をめぐるバイオエシックス ―生命倫理と法 生命倫理と医療倫理 - 56 - 1993 [人体全体 構造(骨 格系) ] 科目責任者:藤枝 弘樹(解剖学教室) 到達目標 人体はミクロからマクロに向かって、細胞、組織、器官および器官系へと階層的に作られている。 人体全体構造においては、人体の正常構造について主に肉眼(マクロ)レベルから各器官系の構成 を系統的に学習する。同時に解剖実習を通じて、(1)人体の局所解剖を学び、個体差、変異、先天 奇形などに目を向ける習慣を養い、(2)医学に対する真摯かつ敬虔な態度をも身につける。ここで は、器官系のうち運動器系、循環器系、神経系について学習する。 (評価基準) 1. 人体の肉眼レベルでの構造のうち、運動器系、循環器系、神経系の基本構造を理解し、説明で きる。 2. 骨学実習を通して骨格系の特徴を理解し、スケッチにより観察所見を正確に記録できる。 上記の評価基準をもとに、講義および実習への出席、実習スケッチ、実習試問および筆記試験を 総合評価する。 大 項 目 器官系 中 項 目 小 項 目 1) 骨 と 関 節 の 構 造 1. 運 動 器 系 2) 体 幹 骨 と 体 幹 筋 3) 上 肢 骨 と 上 肢 筋 4) 下 肢 骨 と 下 肢 筋 5) 頭 蓋 骨 1) 心 臓 2. 循 環 器 系 2) 動 脈 3) 静 脈 1) 神 経 系 の 基 本 構 造 3. 神 経 系 2) 中 枢 神 経 系 3) 末 梢 神 経 系 4) 自 律 神 経 系 〔人体全体構造(骨格系)〕 参考図書 森 他 分担解剖学 金原出版 2006 金子 日本人体解剖学 南山堂 2000 伊藤 解剖学講義 南山堂 2001 寺田、藤田 骨学実習の手引き 南山堂 1992 Schunke 他(坂井 他訳) プロメテウス解剖学アトラス 医学書院 2006 Gilroy 他(坂井 他訳) プロメテウス解剖学コアアトラス 医学書院 2010 Agur & Dally(坂井 他訳) グラント解剖学図譜 医学書院 2011 Nett er ( 相 磯 訳 ) ネッター解剖学アトラス 南江堂 2007 Putz & Pabst(岡本 訳) Sobo tt a図 説 人 体 解 剖 学 医学書院 2002 Rohe n & 横 地 解剖学カラーアトラス 医学書院 2005 - 57 - 縦 断 教 育 科 目 - 58 - 〔国際コミュニケーション〕 科目責任者:遠藤 弘良(国際環境・熱帯医学) 講義担当者:鈴木 光代、遠藤 美香(英語)他 到達目標 将来 医 療人 と し て国 際 的に 活 躍で き る人 材 を 育 成す る ため に 、 英語 を 用い て 、臨 床 で患 者 およ び医 療 者と コ ミ ュニ ケ ーシ ョ ンが で きる 能 力 を 養成 す る。 単 に 、英 語 を話 す だけ で なく 、 異 な る 文化 的 背景 を 持 つ人 の 倫理 観 ・社 会 観・ 死 生 観 そし て 専門 的 言 語に つ いて の 理解 を 伴う コ ミ ュ ニ ケー シ ョン 能 力 をも 開 発す る 。さ ら に、 言 語 に よる コ ミュ ニ ケ ーシ ョ ンに 必 要な 、 読む 力 ・ 書 く 力を 合わ せて 教 育し 、国 際 的に 全人 的医 療 を行 える 人材 育成 を 目標 とす る 。 セグメント2 国際コミュニケーション到達目標及び概要 主 に 会 話 能 力 の 向 上 を 目 指 す オ ー ラ ル・コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン( 以 下 OC)と 、リ ー デ ィ ン グ お よび リ スニ ン グ に重 点 をお い た授 業 があ る 。 ど ちら の 授業 も 聴 き、 話 すと い う日 本 人が 苦 手 と す る技 能を 1年 間 で克 服し 、 国際 コミ ュニ ケ ―シ ョン の基 礎的 能 力を 養う こ とを 目標 とし て いる 。 1学 年を 10 名程 度の 小 クラ スに 分 け、学 習効 率 が高 い少 人数 シ ステ ムを と る。週 一 回の 授業 は 外国 人 講師 に よ るOCク ラス が 1コ マ 、日 本 人 講 師に よ るリ ス ニ ング お よび 総 合英 語 の授 業 が 1 コ マか ら 成 る。 ま た、 OCの 方で は 1月 にSpeech Presentation が あり 、 学 生一 人 ひと り が 、英 語 で のSpeech を する こと に なっ てい る ので、そ の原 稿を 書く とい う ライ ティ ン グの 演習 も行 わ れ、外 国人 講師 より 個 別指 導を う けら るよ う計 画 され てい る。 最終 日は 、通 常 の試 験に 加 え、TOEIC TEST の実 施が ある 。 (評価基準) セ グ メ ン ト 1 の 国 際 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン と 一 緒 に 通 年 で 評 価 す る 。具 体 的 に は 上 記 到 達 目 標 の 達 成 度 を 、授 業 へ の 参 加 度( 2 5 % )、試 験( 2 5 % )、ス ピ ー チ ( 2 5 % ) 、e -l ear nin g 学 習 状 況 お よ び T OEI C テ ス ト ( 2 5 % ) に よ り 判 断 し 、 以 下 の 何 れ か を 判 定 す る 。 A:極めて優れている B:優れている C:概ね良い D:劣っていて問題がある 教科書 CBS Ne wsB rea k 2 成美堂 Amer ic an Hea dw ay 3 Oxfo rd Un iv. P res s 備考 * Sp ee ch Pre se nta tio n お よ び TO EIC TE ST は 通 常 と 異 な る 教 室 に て 実 施 さ れ る の で 、 必 ず確認しておくこと。 - 59 - 大 項 目 中 項 目 小 1. 日常生活の状況に即した Ⅰ. 英会話能力の 適切な英会話能力の向上 向上 2. 発信型英語学習の演習 項 目 1)少人数のグループでネイティブの先生との フェイス to フェイスの会話 2) 英 語 の 敬 意 表 現 の 演 習 3) 自分の考えを英語で論理的に表現する演習 4) Speech Presentation の 練 習 Ⅱ . 総合的な英語力の 1. 国際コミュニケーショ ンに不可欠な基礎英語 向上 力の定着及び応用力の 向上 Ⅲ . 継続的自己学習の 1)リスニング、リーディング、文法、発音と いう基礎学力定着のための演習 2)海 外 の 英 語 ニ ュ ー ス を 聞 い た り 、読 ん だりできる応用力の向上 1. e-learning を通して、 1)1年間を通してe-learningを自主的に行い、 自己学習を習慣化 実施 語彙力増強を図るとともに、年度末のTOEIC 受験にむけて英語力向上を目指すことを習 慣化 Ⅳ . 英語ライティング 1. Speech原稿の書き方 スキルの養成 1) Introduction を 書 く 2) Topic Sentence を 選 定 す る 3) Supporting Sentences を 書 く 4) Conclusion を 書 く 〔国際コミュニケーション〕 参考図書 宮野智靖 ゼロからスタートシャドーイング J.リサーチ出版 2008 安河内哲也 ゼロからスタートリスニング J.リサーチ出版 2006 長本吉斉 は じ め て の TO EI Cテ ス ト 完全攻略バイブル 自分の主張をはっきり伝える シンプル英語スピーチ 会話力をつける Esse nt ial To pi cs 知識と教養の英会話 PHP出版 2009 あさ出版 2008 NHK 出 版 2008 DHC 出 版 2008 ロングマン 2008 メジカルビュー社 2004 中山書店 2008 古屋武雄、佐藤 仁 立山利治、 ジョン・ブロウカリング クリストファー・ベルトン 藤枝宏寿 編 Akihiro Ito ロングマン現代英英辞典 ( 5訂 版 ) これだけは知っておきたい 医学英語の基本用語と表現 シャドーイングで身につける 実践医療英会話 - 60 - [基本的・医学的表現技術] 科目責任者:木林 和彦(法医学) 到達目標 言葉および文書で自 分の表現した いこと・表現 す べきことを的確に把 握し表現する 能力を養う。 医師として、患者自身に全人的な関心を持ち患者の状態を表現し共有するために診療録、患者要約、 診療情報提供書を記載すること、患者のニーズを把握しチームで適切な検査治療が行われるように 処方箋・検査依頼書を作成すること、各種診断書を正確に作成できることを目標とする。また、医 学研究のための研究計画書、論文と症例報告が作成できること、プレゼンテーションができること も目標とする。 1・2学年では、大学生として基本的な読解力および文章力、学び・気づき・変容を省察し表現す る技能を学ぶ。社会人として多様なケースで多様な他者と目的に応じた関係性を構築し、当初の目 的達成を目指し関係を維持するための応答技能、前提や情報等を共有している人・していない人に 説明する技能等、生涯学習につながる学びの基盤となる一般的表現技術を習得する。学年の進行と ともに専門的表現技術を習得する。 セグメント2では、科学的実験の記録方法、医療関係講演の記録方法、医学情報の伝達と説明に 必要な基本的表現技術、基礎医学(機能系・形態系)に関する基本的表現技術の習得を目指す。 (評価方法) 1.科学的実験の記録をとり、レポートを作成することができる。 2.医療関連講演の記録をとり、要旨を作成することができる。 3.基礎医学の参考書を正確に読み取ることができる。 4.基礎医学の用語を用いて文章を作成することができる。 5 .セ グ メ ン ト 1 ・2 に お け る 作 成 文 書 、講 義 ・ 実 習 の 出 席 、筆 記 試 験 を 総 合 し て 成 績 を評価する。筆記試験はセグメント2終了時に行う。 評価基準:A.極めてよく理解している (優) B.良く理解している (良) C.ある程度理解している (可) D.あまり理解できていない (不可) - 61 - 大 項 目 Ⅰ. 科学的実験の 記録方法 中 項 目 小 1)レポートの形式を把握 して作成する 項 目 1)目的・原理・方法・結果・考察・参考 文献などは適切に書く 2)目的・原理・方法・結果・考察・参考 文献などはそれぞれの形式に則って書く 2)レポートを書く時の注意点 1) 数 値 を 正 確 か つ 適 切 に 取 り 扱 う 2) 単 位 を 正 確 か つ 適 切 に 取 り 扱 う を把握して作成する 3) 用 語 を 正 し く 用 い る 4) 見 や す い 図 表 に ま と め る 5) 箇 条 書 き 、 文 章 を 適 切 に 使 い 分 け る 3)他の人にわかるように 1) 読 み 手 に よ り 解 釈 が 異 な ら な い 文 を 書く 作成する 2) 正 確 か つ 適 切 に 引 用 ・ 要 約 を す る 3) 論 理 的 に 書 く 4)【 結 果 】図 表 ・ グ ラ フ に ま と め て ポ イ ントを押さえて簡潔に書く 5)【 考 察 ・ 結 論 】結 論 を 明 確 に 表 現 す る 6)【 考 察 ・ 結 論 】事 実 と 意 見 を 区 別 す る 7)【 考 察 ・ 結 論 】文 献 か ら 引 用 し た 内 容 と自分の考察を区別する 8) 推 敲 す る Ⅱ. 医療関係講演 4)自分の言葉で書く 1) 盗 用 ・ 剽 窃 を 行 わ な い 1)記録をとる 1)目 的 に お い て 必 要 な 情 報 を 聞 き 取 り 記 の記録方法 録する 2)興 味 を 持 っ た こ と 、疑 問 に 思 っ た こ と を記録する 3)自 身 の 立 ち 位 置・も の の 見 方 に 自 覚 的 になる 2)要旨を作成する 1) 発 言 を 正 確 に 引 用 ・ 要 約 す る 2) 事 実 と そ れ 以 外 の も の を 書 き 分 け る 3) 気 付 き を 書 く 4) 今 後 の 課 題 を 書 く 5) 具 体 的 に 書 く 6) 自 分 の 言 葉 で 書 く 7) 短時 間で 重 要な こと が 際立 つ構 成で 書 く 8) 読 み 手 を 尊 重 し て 書 く 9) 倫 理 的 配 慮 を 踏 ま え て 書 く 10) 提 出 前 に 推 敲 す る Ⅲ . 基 礎 医 学 (機 能 系 • 形 態 系 )の 1 )参 考 書 の 要 点 を 正 確 1) 既 有 知 識 を 活 用 す る 2) 辞 典 、 資 料 を 活 用 す る に読みとる 基本的表現技術 3) 要 旨 を 正 確 に 読 み 取 る - 62 - 大 項 目 中 項 目 小 2 )医 学 用 語 を 用 い た 論 理的な文章を短時間 で作成する 項 目 1)基 礎 医 学 で の 用 語 使 用 と 表 現 方 法 を 理 解する 2)医 学 文 書 の 内 容 を 理 解 し て 要 旨 を 作 成 する 3)読 み 手( 聞 き 手 )の 1)目 的 ・読 み 手( 聞 き 手 )・ 字 数( 時 間 ) 期待、評価の要点を に応じて重要なことが際立つように 理解し推敲する 推敲する 2) 用 語 、 表 現 、 文 体 に 配 慮 し 推 敲 す る 3) 他の人にとっての理解のしやすさを考慮 し 推敲する 4)文 書・図 表 を 用 い て 1) 文 書 を 用 い た 説 明 の 方 法 を 理 解 す る 他の人に説明する Ⅳ. テュートリア ルの表現技術 1 )レ ポ ー ト を 論 理 的 に 1) 的 確 に 伝 わ る 表 現 を 用 い る 2) 適 切 な 論 理 展 開 を 行 う まとめる - 63 - 〔医学の学び方・考え方〕 科目責任者:新田 孝作(医学教育学) 医師を目指す学生は、医学的知識を覚えるだけでなく、研究や診療に必要な知識の応用法を修得 する必要がある。授業、実習やテュートリアルは、医師としての考え方を学ぶ場である。「医学の 学び方・考え方」では、そのような科学的・論理的な思考、根拠に基づいた分析・解釈を学ぶため の理論と方法を、実践を交えて学習する。 第1学年テュートリアルでは、医師となって生涯学び続けるために、自ら学ぶにはどのように問 題を見つけ、何を学び、どのように学ぶかの「学び方」を学ぶことが重要である。「医学の学び方・考 え方」では、テュートリアルを中心とする学習法を理解し実践することにより、医師としての学び方と 考え方をいかに修得するかを学ぶ。 (評価方法) 本科目の評価は、授業への出席と年度末に行われる問題解決能力評価で行う。 問 題 解 決 能 力 評 価 は 、医 師 が 備 え て な く て は な ら な い 思 考 力 の 評 価 で あ り 、以 下 の 能 力 を 評価する。 現象(患者の経過)から問題点を見つける力 解決すべき問題の優先度を判断する力 仮説を立てる力 問題解決のための情報を収集する力 問題解決法を考える力 大 項 目 Ⅰ. 学習の動機 中 項 目 小 項 目 1) 教 員 主 導 型 学 習 1. 学 習 の 型 2) 学 習 者 主 導 型 学 習 2. 医 学 教 育 の 目 的 Ⅱ. 学習計画 1. カ リ キ ュ ラ ム 1) 学 習 要 項 の 利 用 2. 教 育 目 標 1) 到 達 目 標 2) ア ウ ト カ ム ・ ロ ー ド マ ッ プ Ⅲ. 問題発見解決 型学習 1. 問 題 基 盤 型 学 習 ( Pr ob lem -ba se d lear ni ng, PB L ) 2. テュートリアル学習 1) 問 題 発 見 2) 情 報 検 索 3) 問 題 分 析 ・ 解 釈 4) 問 題 解 決 5) 統 合 - 64 - 大 項 目 中 項 目 小 項 目 6) グ ル ー プ ダ イ ナ ミ ッ ク ス 7) 振 り 返 り ( 省 察 ) 8) テ ュ ー タ 9) 講 義 と テ ュ ー ト リ ア ル の 違 い 3. 医師としての思考力 1) 批 判 的 吟 味 2) 根 拠 、 エ ビ デ ン ス 3) 臨 床 推 論 4) 総 合 的 臨 床 判 断 〔医学の学び方・考え方〕 *参考図書 東京女子医科大学医学部 テュートリアルガイド2015 2015 東京女子医科大学 人間関係教育委員会(編) 東京女子医科大学医学部 テュートリアル委員会 人間関係教育と 三恵社 行動科学テキストブック(第2版) 新版テュートリアル教育 篠原出版新社 新たな創造と実践 2015 - 65 - 2010 〔人間関係教育〕 科目責任者:齋藤加代子(人間関係教育委員長) 教 育理念 本学は百年余に亘り、医学の知識・技能の修得の上に「至誠と愛」を実践する女性医師の育成を 行ってきた。医学の進歩の一方で、患者の抱える問題を包括して解決する医学・医療の必要性が重 視されている。今後さらに心の重要性が問われることは必定である。医師は温かい心をもって医療 に臨み、患者だけでなく家族・医療チームとも心を通わせ問題を解決していく資質を高めなくては ならない。「人間関係教育」では、全人的医人を育成するために、体験の中から感性を磨 き 、他者 ・ 患者と共感できる能力・態度を修得する教育を行う。 具体的には人間関係教育の理念には下記のような5本の柱がある。各講義・ワークショップ、実 習はこの5本の柱の下に構成されている。 【5本の柱】 (1)専門職としての態度、マナー、コミュニケーション能力(患者を理解する力、支持する力、 意志を通わす力、患者医師関係) (2)専門職としての使命感(医学と社会に奉仕する力) (3)医療におけるリーダーシップ・パートナーシップ (4)医療人としての倫理─解釈と判断(法と倫理に基づく実践力) (5)女性医師のキャリア・ライフサイクル(医師として、女性医師として生涯研鑽する姿勢) 【評価方法】 1)人間関係教育の評価は、以下の項目を評価項目とする, 1. 講義の場合 出席 自己診断カード 試験、小テスト その他の提出物 2. ワークショップの場合 出席 自己診断カード その他の提出物 3.実習の場合 出席 実習中の態度 面談・ガイダンス・授業態度 提出物の提出期限と内容 その他の態度 4.人間関係教育ファイルの提出 - 66 - 2)以下のように評価基準を定める。 評価基準: 5点 優:優れている 4点 良:平均的 3点 可:おおむね良いが向上心が必要 2点 劣る:一層の努力が必要である 1点 不可:著しく劣り問題がある 3 ) 評 価 点 の 平 均 値 ( 少 数 点 以 下 は 四 捨 五 入 )に よ り 、 総 合 評 価 を 行 う 。 総 合 評 価 の 基 準 は下記とする。 5点:A 4点:B 3点:C 2 点 以 下 : D =不 合 格 4)特記事項 * 講 義 、実 習 、ワ ー ク シ ョ ッ プ 、弥 生 記 念 講 演 、解 剖 慰 霊 祭 な ど を 欠 席 し た 学 生 は 欠 席 届 を 出 す 。や む を 得 な い 理 由 で の 欠 席 に つ い て は 担 当 委 員 が 代 替 の レ ポ ー ト 課 題 を 与 えて評価する。 * 総 合 評 価 が 不 合 格( D )の 場 合 は 、担 当 委 員 の 意 見 を 参 考 に し て 、本 人 と 委 員 長 ま た は 副 委 員 長 と の 面 接 、 委 員 長 ・ 副 委 員 長 の 協 議 に よ り 最 終 評 価 を 決 定 す る ., * 極 め て 優 れ て い る と 委 員 が 評 価 を し た 場 合 に は 、加 点 を す る こ と が あ る 。問 題 の あ る 学 生 に 対 し て は 、担 当 委 員 が 学 生 と の 面 接 に よ る 形 成 的 評 価 を 行 い 、そ の 経 過 と 結 果 を文書にて委員長に報告する。 - 67 - 東京女子医科大学医学部 人間関係教育到達目標 医学生の人間関係(態度・習慣・マナー・コミュニケーションおよび人間関係に関連する技能)の 到達目標を示す。 卒前教育の中で卒後の目標として俯瞰すべき到達目標は、*印を付して示す。 到達目標の概略(構造)を以下に示す。次ページに示すのが全文で、具体的到達目標が述べられて いる。 概略(構造) Ⅰ 習慣・マナー・こころ A 人として・医学生として 1. 人 間 性 2. 態 度 3. 人 間 関 係 4. 一 般 社 会 ・ 科 学 に 於 け る 倫 理 B 医師(医人)として 1. 医 人 と し て の 人 間 性 2. 医 人 と し て の 態 度 3. 医 人 と し て の 人 間 関 係 4. 医 療 の 実 践 に お け る 倫 理 5. 女 性 医 師 の 資 質 Ⅱ 技能・工夫・努力 A 人と人との信頼 1. 人 と し て の 基 本 的 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 2. 医 人 と し て の 基 本 的 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 3. 医 療 面 接 に お け る コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 4. 身 体 診 察 ・ 検 査 に お け る コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 5. 医 療 に お け る 説 明 ・ 情 報 提 供 B 信頼できる情報の発信と交換 1. 診 療 情 報 2. 医 療 安 全 管 理 - 68 - 人間関係教育到達目標全文 Ⅰ 習慣・マナー・こころ A 人として・医学生として 1. 人 間 性 (自分) 1) 生 き て い る こ と の 意 味 ・ あ り が た さ を 表 現 で き る 。 2) 人 生 に お け る 今 の 自 分 の 立 場 を 認 識 で き る 。 3) 自 分 の 特 性 や 価 値 観 を 認 識 し 伸 ば す こ と が で き る 。 (他者の受け入れ) 4) 他 の 人 の 話 を 聴 き 理 解 す る こ と が で き る 。 5) 他 の 人 の 特 性 や 価 値 観 を 受 け 入 れ る こ と が で き る 。 6) 他 の 人 の 喜 び や 苦 し み を 理 解 で き る 。 7) 温 か い こ こ ろ を も っ て 人 に 接 す る こ と が で き る 。 8) 人 の 死 の 意 味 を 理 解 で き る 。 (自分と周囲との調和) 9) 自 分 の 振 る 舞 い ・ 言 動 の 他 者 へ の 影 響 を 考 え る こ と が で き る 。 10) 他 の 人 に 適 切 な 共 感 的 態 度 が 取 れ る 。 11) 他 の 人 と 心 を 開 い て 話 し 合 う こ と が で き る 。 12) 他 の 人 の 苦 し み ・ 悲 し み を 癒 す よ う に 行 動 で き る 。 13) 他 の 人 に 役 立 つ こ と を 実 践 す る こ と が で き る 。 2. 態 度 (人・社会人として) 14) 場 に 即 し た 礼 儀 作 法 で 振 舞 え る 。 15) 自 分 の 行 動 に 適 切 な 自 己 評 価 が で き 、 改 善 の た め の 具 体 的 方 策 を 立 て る こ と が できる。 16) 自 分 の 振 る 舞 い に 示 唆 ・ 注 意 を 受 け た と き 、 受 け 入 れ る こ と が で き る 。 17) 自 分 の 考 え を 論 理 的 に 整 理 し 、 分 か り や す く 表 現 し 主 張 で き る 。 18) 話 し 合 い に よ り 相 反 す る 意 見 に 対 処 し 、 解 決 す る こ と が で き る 。 (医学を学ぶものとして) 19) 人 間 に 関 し て 興 味 と 関 心 を 持 て る 。 20) 自 然 現 象 ・ 科 学 に 興 味 と 好 奇 心 を 持 て る 。 21) 学 習 目 的 ・ 学 習 方 法 ・ 評 価 法 を 認 識 し て 学 習 で き る 。 22) 動 機 ・ 目 標 を 持 っ て 自 己 研 鑽 で き る 。 23) 要 点 を 踏 ま え て 他 の 人 に 説 明 で き る 。 24) 社 会 に 奉 仕 ・ 貢 献 す る 姿 勢 を 示 す こ と が で き る 。 3. 人 間 関 係 (人・社会人として) 25) 人 間 関 係 の 大 切 さ を 認 識 し 、 積 極 的 に 対 話 が で き る 。 26) 学 生 生 活 ・ 社 会 に お い て 良 好 な 人 間 関 係 を 築 く こ と が で き る 。 27) 信 頼 に 基 づ く 人 間 関 係 を 確 立 で き る 。 28) 対 立 す る 考 え の 中 で 冷 静 に 振 舞 え る 。 - 69 - (医学を学ぶものとして) 29) 共 通 の 目 的 を 達 成 す る た め に 協 調 で き る 。 30) 対 立 す る 考 え の 中 で 歩 み 寄 る こ と が で き る 。 4. 一 般 社 会 ・ 科 学 に 於 け る 倫 理 (社会倫理) 31) 社 会 人 と し て の 常 識 ・ マ ナ ー を 理 解 し 実 践 で き る 。 32) 法 を 遵 守 す る 意 義 に つ い て 説 明 で き る 。 33) 自 分 の 行 動 の 倫 理 性 に つ い て 評 価 で き る 。 34) 自 分 の 行 動 を 倫 理 的 に 律 す る こ と が で き る 。 35) 個 人 情 報 保 護 を 実 践 で き る 。 36) 他 の 人 ・ 社 会 の 倫 理 性 に つ い て 評 価 で き る 。 (科学倫理) 37) 科 学 研 究 の 重 要 性 と 問 題 点 を 倫 理 面 か ら 考 え 評 価 で き る 。 38) 科 学 研 究 上 の 倫 理 を 説 明 し 実 践 で き る 。 39) 動 物 を 用 い た 実 習 ・ 研 究 の 倫 理 を 説 明 し 実 践 で き る 。 40) 個 々 の 科 学 研 究 の 倫 理 性 に つ い て 評 価 で き る 。 B 医師(医人)として 1. 医 人 と し て の 人 間 性 (自己) 1) 健 康 と 病 気 の 概 念 を 説 明 で き る 。 2) 医 療 ・ 公 衆 衛 生 に お け る 医 師 の 役 割 を 説 明 で き る 。 3) 自 己 の 医 の 実 践 の ロ ー ル モ デ ル を 挙 げ る こ と が で き る 。 4) 患 者 / 家 族 の ニ ー ズ を 説 明 で き る 。 5) 生 の 喜 び を 感 じ る こ と が で き る 。 6) 誕 生 の 喜 び を 感 じ る こ と が で き る 。 7) 死 を 含 む Ba d n ews の 受 容 過 程 を 説 明 で き る 。 8) 個 人 ・ 宗 教 ・ 民 族 間 の 死 生 観 ・ 価 値 観 の 違 い を 理 解 で き る 。 (患者・家族) 9) 診 療 を 受 け る 患 者 の 心 理 を 理 解 で き る 。 10) 患 者 医 師 関 係 の 特 殊 性 に つ い て 説 明 で き る 。 11) 患 者 の 個 人 的 、 社 会 的 背 景 が 異 な っ て も わ け へ だ て な く 対 応 で き る 。 12) 医 師 に は 能 力 と 環 境 に よ り 診 断 と 治 療 の 限 界 が あ る こ と を 認 識 し て 医 療 を 実 践 できる。 13) 病 者 を 癒 す こ と の 喜 び を 感 じ る こ と が で き る 。 14) 家 族 の 絆 を 理 解 で き る 。 15) 親 が 子 供 を 思 う 気 持 ち が 理 解 で き る 。 16) 死 を 含 む B ad new s を 受 け た 患 者 ・ 家 族 の 心 理 を 理 解 で き る 。 17) 患 者 を 見 捨 て な い 気 持 ち を 維 持 で き る 。 (チーム医療、社会) 18) 医 行 為 は 社 会 に 説 明 さ れ る も の で あ る こ と を 理 解 で き る 。 19) 医 の 実 践 が 、 さ ま ざ ま な 社 会 現 象 ( 国 際 情 勢 ・ 自 然 災 害 ・ 社 会 の 風 潮 な ど ) の なかで行われることを理解できる。 - 70 - 2. 医 人 と し て の 態 度 (自己) 1) 医 療 行 為 が 患 者 と 医 師 の 契 約 的 な 関 係 に 基 づ い て い る こ と を 説 明 で き る 。 2) 臨 床 能 力 を 構 成 す る 要 素 を 説 明 で き る 。 3) チ ー ム 医 療 を 説 明 で き る 。 4) 患 者 の 自 己 決 定 権 を 説 明 で き る 。 5) 患 者 に よ る 医 療 の 評 価 の 重 要 性 を 説 明 で き る 。 6) 多 様 な 価 値 観 を 理 解 す る こ と が で き る 。 (患者・家族) 7) 傾 聴 す る こ と が で き る 。 8) 共 感 を 持 っ て 接 す る こ と が で き る 。 9) 自 己 決 定 を 支 援 す る こ と が で き る 。 10) 心 理 的 社 会 的 背 景 を 把 握 し 、 抱 え る 問 題 点 を 抽 出 ・ 整 理 で き る 。 ( Na rr ati ve -bas ed me dic in e, NBM ) 11) 患 者 か ら 学 ぶ こ と が で き る 。 12) 患 者 の 人 権 と 尊 厳 を 守 り な が ら 診 療 を 行 え る 。 13) 終 末 期 の 患 者 の 自 己 決 定 権 を 理 解 す る こ と が で き る 。 * 14) 患 者 が 自 己 決 定 権 を 行 使 で き な い 場 合 を 判 断 で き る 。 15) 患 者 満 足 度 を 判 断 し な が ら 医 療 を 行 え る 。 * (チーム医療、社会) 16) 医 療 チ ー ム の 一 員 と し て 医 療 を 行 え る 。 17) 必 要 に 応 じ て 医 療 チ ー ム を 主 導 で き る 。 * 18) ク リ ニ カ ル ・ パ ス を 説 明 で き る 。 19) 医 療 行 為 を 評 価 し チ ー ム 内 の 他 者 に 示 唆 で き る 。 * 20) ト リ ア ー ジ が 実 践 で き る 。 21) 不 測 の 状 況 ・ 事 故 の 際 の 適 切 な 態 度 を 説 明 で き る 。 22) 事 故 ・ 医 療 ミ ス が お き た と き に 適 切 な 行 動 を と る こ と が で き る 。 * 23) 社 会 的 な 奉 仕 の 気 持 ち を 持 つ こ と が で き る 。 24) 特殊な状況(僻地、国際医療)、困難な環境(災害、戦争、テロ)でチーム医療を 実践できる。* 3. 医 人 と し て の 人 間 関 係 (自己) 1) 患 者 医 師 関 係 の 歴 史 的 変 遷 を 概 説 で き る 。 2) 患 者 と の ラ ポ ー ル に つ い て 説 明 で き る 。 3) 医 療 チ ー ム に お け る 共 ( 協 ) 働 ( コ ラ ボ レ ー シ ョ ン ) に つ い て 説 明 で き る 。 (患者・家族) 4) 医 療 に お け る ラ ポ ー ル の 形 成 が で き る 。 5) 患 者 や 家 族 と 信 頼 関 係 を 築 く こ と が で き る 。 6) 患 者 解 釈 モ デ ル を 実 践 で き る 。 (チーム医療、社会) 7) 患 者 医 師 関 係 を 評 価 で き る 。 8) 医 療 チ ー ム メ ン バ ー の 役 割 を 理 解 し て 医 療 を 行 う こ と が で き る 。 9) 36 0 度 評 価 を 実 践 で き る 。 * - 71 - 4. 医 療 の 実 践 に お け る 倫 理 (自己) 1) 医 の 倫 理 に つ い て 概 説 し 、 基 本 的 な 規 範 を 説 明 で き る 。 2) 患 者 の 基 本 的 権 利 に つ い て 説 明 で き る 。 3) 患 者 の 個 人 情 報 を 守 秘 す る こ と が で き る 。 4) 生 命 倫 理 に つ い て 概 説 で き る 。 5) 生 命 倫 理 の 歴 史 的 変 遷 を 概 説 で き る 。 6) 臨 床 研 究 の 倫 理 を 説 明 で き る 。 (患者・家族) 7) 医 学 的 適 応 ・ 患 者 の 希 望 ・ QO L・ 患 者 背 景 を 考 慮 し た 臨 床 判 断 を 実 践 で き る 。 8) 事 前 指 示 ・ DNR 指 示 に 配 慮 し た 臨 床 判 断 を 実 践 で き る 。 * (チーム医療、社会) 9) 自 分 の 持 つ 理 念 と 医 療 倫 理 ・ 生 命 倫 理 ・ 社 会 倫 理 と の 矛 盾 を 認 識 で き る 。 10) 自 己 が 行 っ た 医 療 の 倫 理 的 配 慮 を 社 会 に 説 明 で き る 。 11) 臨 床 研 究 の 倫 理 に 基 づ く 臨 床 試 験 を 計 画 ・ 実 施 で き る 。 * 12) 医 療 お よ び 臨 床 試 験 の 倫 理 を 評 価 で き る 。 * 5. 女 性 医 師 の 資 質 ・ 特 徴 (自己) 1) 東 京 女 子 医 科 大 学 創 立 の 精 神 を 述 べ る こ と が で き る 。 2) 女 性 と 男 性 の 心 理 ・ 社 会 的 相 違 点 を 説 明 で き る 。 3) 女 性 の ラ イ フ ・ サ イ ク ル の 特 徴 を 説 明 で き る 。 4) 女 性 の ラ イ フ ・ サ イ ク ル の な か で 医 師 の キ ャ リ ア 開 発 を 計 画 で き る 。 (患者・家族) 5) 同 性 の 医 師 に 診 療 を 受 け る こ と の 女 性 の 気 持 ち を 理 解 す る 。 6) 異 性 の 医 師 の 診 療 を 受 け る 患 者 心 理 ( 恐 怖 心 ・ 羞 恥 心 ・ 葛 藤 ) を 説 明 で き る 。 7) 女 性 が 同 性 の 患 者 教 育 を す る 意 義 を 説 明 で き る 。 (チーム医療、社会) 8) 保 健 ・ 公 衆 衛 生 に お け る 女 性 の 役 割 を 述 べ る こ と が で き る 。 9) 女 性 組 織 の な か で リ ー ダ ー シ ッ プ ・ パ ー ト ナ ー シ ッ プ を と る こ と が で き る 。 10) 男 女 混 合 組 織 の 中 で リ ー ダ ー シ ッ プ ・ パ ー ト ナ ー シ ッ プ を と る こ と が で き る 。 11) 女 性 医 師 と し て の 保 健 ・ 公 衆 衛 生 の 役 割 を 実 践 で き る 。 * Ⅱ 技能・工夫・努力 A 人と人との信頼 1. 人 と し て の 基 本 的 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン (自己表現) 1) 挨 拶 、 自 己 紹 介 が で き る 。 2) コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 概 念 ・ 技 能 ( ス キ ル ) を 説 明 で き る 。 3) 言 語 的 、 準 言 語 的 、 お よ び 非 言 語 的 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン に つ い て 説 明 で き る 。 4) 自 分 の 考 え 、 意 見 、 気 持 ち を 話 す こ と が で き る 。 5) 様 々 な 情 報 交 換 の 手 段 ( 文 書 ・ 電 話 ・ e メ ー ル な ど )の 特 性 を 理 解 し 適 切 に 活 用 ができる。 - 72 - (対同僚・友人・教員) 6) 年 齢 ・ 職 業 な ど 立 場 の 異 な る 人 と 適 切 な 会 話 が で き る 。 7) 相 手 の 考 え 、 意 見 、 気 持 ち を 聞 く こ と が で き る 。 8) 同 僚 に 正 確 に 情 報 を 伝 達 で き る 。 9) 他 の 人 か ら の 情 報 を 、 第 3 者 に 説 明 す る こ と が で き る 。 2. 医 人 と し て 基 本 的 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン (対患者・家族) 1) 患 者 に 分 か り や す い 言 葉 で 説 明 で き る 。 2) 患 者 と 話 す と き に 非 言 語 的 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 を 活 用 で き る 。 3) 患 者 の 状 態 ・ 気 持 ち に 合 わ せ た 対 話 が 行 え る 。 4) 患 者 の 非 言 語 的 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン が わ か る 。 5) 小 児 ・ 高 齢 の 患 者 の 話 を 聞 き く こ と が で き る 。 6) 障 害 を 持 つ 人 ( 知 的 ・ 身 体 的 ・ 精 神 的 ) の 話 を 聞 く こ と が で き る 。 7) 家 族 の 話 を 聞 く こ と が で き る 。 8) 患 者 ・ 家 族 の 不 安 を 理 解 し 拒 否 的 反 応 の 理 由 を 聞 き 出 す こ と が で き る 。 (対医療チーム・社会) 9) チ ー ム 医 療 の な か で 、 自 分 と 相 手 の 立 場 を 理 解 し て 情 報 交 換 ( 報 告 、 連 絡 、 相 談)ができる。 10) 医 療 連 携 の な か で 情 報 交 換 が で き る 。 11) 救 急 ・ 事 故 ・ 災 害 時 の 医 療 連 携 で 情 報 交 換 が 行 え る 。 * 12) 社 会 あ る い は 患 者 関 係 者 か ら 照 会 が あ っ た と き 、 患 者 の 個 人 情 報 保 護 に 配 慮 し た適切な対応ができる。 3. 医 療 面 接 に お け る コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン (基本的技能) 1) 自 己 紹 介 を 含 む 挨 拶 を 励 行 で き る 。 2) 基 本 的 医 療 面 接 法 を 具 体 的 に 説 明 し 、 実 践 で き る 。 3) 患 者 の 人 間 性 ( 尊 厳 ) に 配 慮 し た 医 療 面 接 が 行 え る 。 4) 患 者 の 不 安 な 気 持 ち に 配 慮 し た 医 療 面 接 を 行 え る 。 5) 共 感 的 声 か け が で き る 。 6) 診 察 終 了 時 に 、 適 切 な 送 り 出 し の 気 持 ち を 表 現 で き る 。 7) 適 切 な 環 境 を 設 定 で き る 。 (高次的技能) 8) 小 児 の 医 療 面 接 を 行 え る 。 9) 高 齢 者 の 医 療 面 接 を 行 え る 。 10) 患 者 と の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン に 配 慮 し な が ら 診 療 録 を 記 載 で き る 。 * 4. 身 体 診 察 ・ 検 査 に お け る コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン (基本的技能) 1) 身 体 診 察 ・ 検 査 の 必 要 性 と そ れ に 伴 う 苦 痛 ・ 不 快 感 を 理 解 し て 患 者 と 接 す る こ とができる。 2) 身 体 診 察 ・ 検 査 の 目 的 と 方 法 を 患 者 に 説 明 で き る 。 3) 説 明 し な が ら 診 察 ・ 検 査 を 行 う こ と が で き る 。 4) 患 者 の 安 楽 に 配 慮 し な が ら 診 察 ・ 検 査 が で き る 。 5) 診 察 ・ 検 査 結 果 を 患 者 に 説 明 で き る 。 - 73 - (高次的技能) 6) 患 者 の 抵 抗 感 、 プ ラ イ バ シ ー 、 羞 恥 心 に 配 慮 し た 声 か け と 診 察 ・ 検 査 の 実 践 が できる。 7) 検 査 の 目 的 ・ 方 法 ・ 危 険 性 に つ い て 口 頭 で 説 明 し 、 書 面 で 同 意 を 得 る こ と が で きる。 5. 医 療 に お け る 説 明 ・ 情 報 提 供 (基本的技能) 1) 医 療 に お け る 説 明 義 務 の 意 味 と 必 要 性 を 説 明 で き る 。 2) イ ン フ ォ ー ム ド ・ コ ン セ ン ト の 定 義 と 必 要 性 を 説 明 で き る 。 3) 患 者 に と っ て 必 要 な 情 報 を 整 理 し 、 分 か り や す い 言 葉 で 表 現 で き る 。 4) 説 明 を 行 う た め の 適 切 な 時 期 、 場 所 と 機 会 に 配 慮 で き る 。 5) 説 明 を 受 け る 患 者 の 心 理 状 態 や 理 解 度 に つ い て 配 慮 で き る 。 6) 患 者 に 診 断 過 程 の 説 明 を 行 う こ と が で き る 。 7) 患 者 に 治 療 計 画 に つ い て 説 明 を 行 い 、 相 談 し て 、 同 意 を 得 る こ と が で き る 。 8) 患 者 に 医 療 の 不 確 実 性 に つ い て 説 明 す る こ と が で き る 。 9) 患 者 に EB M ( Ev ide nc e B ase d Med ici ne ) に 基 づ く 情 報 を 説 明 で き る 。 10) セ カ ン ド オ ピ ニ オ ン の 目 的 と 意 義 を 説 明 で き る 。 (高次的技能) 11) 患 者 の 行 動 変 容 に 沿 っ た 説 明 ・ 情 報 提 供 が で き る 。 12) 患 者 の 質 問 に 適 切 に 答 え 、 拒 否 的 反 応 に も 柔 軟 に 対 応 で き る 。 13) 患 者 の 不 安 を 理 解 し 拒 否 的 反 応 の 理 由 を 聞 き 出 す こ と が で き る 。 * 14) 患 者 の 受 容 に 配 慮 し た Bad ne ws の 告 知 が で き る 。 * 15) 家 族 の 気 持 ち に 配 慮 し た 死 亡 宣 告 を 行 う こ と が で き る 。 * 16) 家 族 の 気 持 ち に 配 慮 し た 脳 死 宣 告 を 行 う こ と が で き る 。 * 17) 特 殊 な 背 景 を 持 つ 患 者 ・ 家 族 へ の 説 明 ・ 情 報 提 供 が で き る 。 * 18) セ カ ン ド オ ピ ニ オ ン を 求 め ら れ た と き に 適 切 に 対 応 で き る 。 * 19) 先 進 医 療 ・ 臓 器 移 植 に つ い て 説 明 を 行 い 、 同 意 を 得 る こ と が で き る 。 * 20) 臨 床 試 験 ・ 治 験 の 説 明 を 行 い 、 同 意 を 得 る こ と が で き る 。 * B 信頼できる情報の発信と交換 1. 診 療 情 報 (基本的技能) 1) PO MR に 基 づ く 診 療 録 を 作 成 で き る 。 2) 診 療 録 の 開 示 を 適 切 に 行 え る 。 3) 処 方 箋 の 正 し い 書 き 方 を 理 解 し て い る 。 4) 診 療 情 報 の 守 秘 を 実 践 で き る 。 (高次的技能) 5) 病 歴 要 約 を 作 成 で き る 。 6) 紹 介 状 ・ 診 療 情 報 提 供 書 を 作 成 で き る 。 7) 医 療 連 携 の た め 適 切 に 情 報 を 伝 達 で き る 。 8) 診 療 情 報 の 守 秘 義 務 が 破 綻 す る 場 合 を 説 明 で き る 。 - 74 - 2. 医 療 安 全 管 理 (基本的技能) 1) 医 療 安 全 管 理 に つ い て 概 説 で き る 。 2) 医 療 事 故 は ど の よ う な 状 況 で 起 こ り や す い か 説 明 で き る 。 3) 医 療 安 全 管 理 に 配 慮 し た 行 動 が で き る 。 4) 医 薬 品 ・ 医 療 機 器 の 添 付 資 料 や 安 全 情 報 を 活 用 で き る 。 (高次的技能) 5) 医 療 事 故 発 生 時 の 対 応 を 説 明 で き る 。 6) 災 害 発 生 時 の 医 療 対 応 を 説 明 で き る - 75 - 人間関係教育の概要 【5本の柱】 (1)専門職としての態度、マナー、コミュニケーション能力(患者を理解する力、支持する力、 意志を通わす力、患者医師関係) (2)専門職としての使命感(医学と社会に奉仕する力) (3)医療におけるリーダーシップ・パートナーシップ (4)医療人としての倫理─解釈と判断(法と倫理に基づく実践力) (5)女性医師のキャリア・ライフサイクル(医師として、女性医師として生涯研鑽する姿勢) 5本の柱 S1 : 人 間 関 係 教 育 1 ( 1) ( 2) ( 3) ( 4) ( 5) 人間関係教育入門 講 義 ・ WS ○ ・人間関係教育とは ○ ○ ○ ○ ・人としての医の倫理原則 ○ ・自己との対話 ・人の心理と行動 ○ ・ 対 話 と 振 舞 WS ○ ・高齢者との対話 ○ 実習 ・ 対 話 の TPO ○ 行事 ・彌生記念講演 医学教養1 ○ ○ ○ ○ ・医学生に求められるもの ○ ・生命倫理の基礎 ─生命と「いのち」 ・人と人間を考える ○ ・再生医療本格化のために 5本の柱 S2 : 人 間 関 係 教 育 2 ( 1) ( 2) ( 3) ( 4) ( 5) 対話入門 講 義 ・ WS 実習 行事 医学教養2 ・乳幼児との対話 ○ ・看護の医療対話 ○ ○ ○ ・チーム医療入門 ・乳幼児との対話 ○ ・高齢者との対話 ○ ・看護の医療対話 ○ ○ ○ ・解剖慰霊祭 ・ 先端医療への挑戦と医療レギュラト ○ リーサイエンス ・人工心臓の開発と臨床応用 ○ ・医とは何か? ○ ○ セグメント3以降へ続く - 76 - 「人間関係教育2:対話入門」 講 義 担 当: 齋藤加代子、松尾真理、浦野真理(遺伝子医療センター)、 岡田みどり(化学) セグメント2 Ⅰ 講 対話入門 到達目標 義 齋藤加代子、松尾真理、荒川玲子、浦野真理、岡田みどり 乳幼児との対話 ゲストスピーカー 小俣みどり、村田律子 ヒト は 出生 後 、 乳児 期 、幼 児 期、 学 童期 、 思 春 期を 経 て成 人 と なる 。 乳児 期 、幼 児 期は 心 身の 発達 が めざ ま し い時 期 であ り 、こ の 時期 の 子 ど もと の コミ ュ ニ ケー シ ョン に は年 齢 に応 じ た 対 応 が必 要 とな っ て くる 。 また 、 特に 言 語に よ る コ ミュ ニ ケー シ ョ ンが 可 能に な るま で の小 児 期 ( 新 生児 期 、乳 児 期 、幼 児 期) で は、 母 親ま た は 母 親に 代 って 小 児 のケ ア にあ た る人 と の間 の コ ミ ュ ニケ ー ショ ン が 重要 で ある 。 乳幼 児 の発 達 段 階 、心 理 、行 動 に つい て 、乳 幼 児と の コミ ュ ニ ケ ー ショ ンに つい て 理解 する こ とを 講義 の目 的 とす る。 大 項 目 乳幼児との対話 中 項 目 小 項 目 1. 子どもの発達、心理、行動 1)運 動 、知 能 、社 会 性 、生 活 習 慣 の 発 達 2) 発 達 の 評 価 2. 子どもとのコミュニケ ーション 1) 言 語 性 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 2) 非 言 語 性 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン - 77 - 「人間関係教育2:医学教養2」 講 義 担 当: 梅津光生、山崎健二、岩田 医学教養2 Ⅰ 講 誠 到達目標 義 梅津光生 先進医療への挑戦と医療レギュラトリーサイエンス 臓器移植、人工臓器、再生医療などに代表される先進医療の研究成果をどのように臨床の現場に持 ち込むか、そこには様々なハードルがあるという現状を認識する。また、問題解決に医療レギュラト リーサイエンスが重要な役割を発揮することを理解し、あわせて2010 年春に開設された女子医大・ 早大共同大学院の教育内容の概要を知ることを目標とする。 Ⅱ 講 義 山崎健二 人工心臓の開発と臨床応用 東京女子医科大学・早稲田大学と共同で研究開発を行い実用化した次世代型補助人工心臓を実例 に、未解決領域の医療への取り組みの重要性と面白さを実感してもらう。研究や先進医療へ挑戦す るモチベーションを持ってもらう。 Ⅲ 講 義 岩田 誠 医とは何か 医(Medecine)とは、病気を治したり防いだりして健康を保つ行為、あるいはそのための学問や技 術であると言われます。しかし、病気とは一体何なのでしょうか、健康とはどのような状態のことな のでしょうか、病気を治す、あるいは病気を防ぐとは、どういうことなのでしょうか。これらの一見 解りきったようなことも、改めて問い直してみると、答えを見出すのは簡単ではありません。これら の問題について、皆さんと一緒に改めて考えてみたいと思います。 - 78 - 大 項 目 先進医療への挑戦 中 項 目 小 項 目 1) 人 工 臓 器 1. 先 進 医 療 と医療レギュラト 2) 臓 器 移 植 リーサイエンス 3) 再 生 医 療 2. 医 療 レ ギ ュ ラ ト リ 1) 評 価 科 学 2) 予 測 科 学 ーサイエンス 3) 決 断 科 学 1) T WI ns の 創 設 3. 共 同 大 学 院 2) 大 学 院 の 設 立 目 標 3) 大 学 院 の 教 育 内 容 人工心臓の開発と 1. 人 工 心 臓 の 歴 史 起 源 は 194 0 年 代 と 歴 史 は 古 い 臨床応用 2. 人 工 心 臓 の 考 案 1990 年 次 世 代 型 人 工 心 臓 考 案 3. 研 究 開 発 女子医大・早大との共同研究開発 4. 臨 床 応 用 1) 女 子 医 大 で f irs t-i n- man tr ia l 2)人 工 心 臓 装 着 者 の 退 院 社 会 復 帰 を 実 現 5. 将 来 展 望 1) 一 般 的 治 療 と し て 普 及 2) 医 療 経 済 、 社 会 基 盤 整 備 医とは何か 1. 病 気 と 健 康 1) 病 気 の 定 義 2) 健 康 の 定 義 2. M ed ici ne Medi ci ne の 定 義 - 79 - 「人間関係教育2:対話入門」 実習:チーム医療入門 主 担当: 鈴木 光代、八木 淳二、松下 晋、中村 裕子、佐藤 梓、 浦瀬 香子、辻野 賢治、蒋池 勇太、清水 一彦、守屋 治代、 吉田 澄恵、松嵜 英士、菊池 昭江、加藤 京理 旨 大東キャンパスにおいて看護学部学生との交流をはかり、円滑なチーム医療実践のための人間関 係の確立への初歩を学ぶ。他者の考えに耳を傾け、自分の意見も率直に述べる方法を考える。また、 大東キャンパスの校舎と構内を有効に利用しながら、ハンディキャップ疑似体験を行い、それを通 して高齢者や身体障害者への理解を深める。更に、吉岡彌生記念館で東京女子医科大学建学の精神 を再認識することにより東京女子医大生としての自覚を高める。 目 的 1)人間関係教育1「人の心理と行動」「対話と振る舞い」講義の内容を基に看護学部学生との交流 の中でチーム医療への人間関係を実践的に学ぶ。 2)看護学部学生からは看護実技初歩の手ほどきを受け、医学生はテュートリアルの方法を看護学 部学生に伝える。 3)ブラインドウォーク及び高齢者体験装具を用いたハンディキャップ疑似体験を通して、高齢者 や身体障害者への理解を深める。その理解を現状に活かす方法へも考えを進める。 4)看護学部学生の案内で吉岡弥生記念館を見学し、東京女子医科大学建学の精神を再認識するこ とにより東京女子医大生としての自覚を高める。 方 法 1)グループ面接(3実習共通) 実習開始以前にグループで担当委員と面接し、実習の意義、目的について討論する。また各人 の到達目標を設定する。 2)ワークショップ(3実習共通)(8 月31 日(月)) 実習方法、注意点の確認。実習に向けての準備。 3)チーム医療入門実習(9 月1 日(火)~ 9 月5 日(土)の内の1泊2日) 大東キャンパスで実習を行う。 4)実習終了後指定の日時までに、到達目標に対する達成度の評価を含め、所定の様式で報告書を 作成し提出する。 5)グループ面接、総括(3実習共通)(10 月1 日(木)) グループで担当委員と面接し、実習に関して振り返って意見の交換を行い、それぞれの体験を 共有する。また、他者からの評価を受け止め、自己評価と併せて総括を行う。 6)台風等で延期になった場合 9 月12 日(土)~ 13 日(日)を予備日とする。 - 80 - 大 項 目 チーム医療入門 中 項 目 小 1. グループ面接における 項 目 1) 実 習 目 的 、 意 義 の 理 解 2) 自 分 独 自 の 到 達 目 標 の 設 定 態度、振舞 2. チーム医療への人間関係 1) 看 護 学 部 学 生 と の 交 流 2) テ ュ ー ト リ ア ル 形 式 で の 意 見 の 交 換 3) 各 々 の 立 場 や 考 え 方 へ の 理 解 と 洞 察 3. ハンディキャップ体験 学習 1)高 齢 者 や 障 害 を 持 つ 人 々 の 状 態 の 体 験 2)高 齢 者 や 障 害 を 持 つ 人 々 の 心 理 を 理 解 3)日 常 生 活 で は 気 が つ か な い こ と へ の 気 づき 4. 吉岡彌生記念館見学 1)彌 生 先 生 の 建 学 の 精 神 を 学 び 、医 大 生 としての自覚を高める 5. 報告書の作成 1) 様 式 に そ っ た 報 告 書 の 作 成 2) 実 習 に 対 す る 自 己 評 価 の 表 現 6. グループ討論における 態度、振舞 1)自 己 の 実 習 内 容 の グ ル ー プ へ の 発 表 と 共有 2)実 習 に 対 す る 自 己 評 価( 到 達 目 標 の 達 成度の評価) 3)実 習 に 対 す る 授 業 評 価 、改 善 へ の 提 案 4) 礼儀、態度などの振る舞いに対する自省 - 81 - 「人間関係教育2:対話入門」 実習:乳幼児との対話 担当:岡田みどり、大谷 遠藤 主 美 香 、浅 井 智子、辻村 貴子、菊田 幸子、 美 紗 、寺 沢 由 布 、榊 原 み ゆ き 旨 将来医師となったときには年齢、職業、生活環境などが異なる様々な人々と接することになるが、 どんな相手とであってもうまくコミュニケーションをとり、信頼を得ていかねばならない。ここで は、自分と年齢の離れた対象とのコミュニケーションについて学ぶため、乳幼児施設、または高齢 者施設において「乳幼児との対話」または「高齢者との対話」のいずれかの実習を行う。 「乳幼児との対話」では、乳幼児施設で乳幼児と接することにより、初めて出会った乳幼児との対 話のしかたについて実際の体験から学ぶ。乳幼児との接し方は大人との場合とは大きく異なり、言 葉を使ったコミュニケーションができないこともある。従って言語的コミュニケーションだけでな く、非言語的コミュニケーションも駆使して対話をしなければならない。講義・ワークショップ「人 の心理と行動」「対話と振る舞い」「乳幼児との対話」での学びを活かし、対話によって相手の気持ち を理解し、自分の気持ちを伝えることを学ぶ。 また、学外の施設における実習に臨み、社会における適切な態度、振る舞いができるようにする。 目 的 乳幼児施設において、実際に乳幼児と共に2日間を過ごすことにより、乳幼児の発達段階、心理、 行動について、また乳幼児とのコミュニケーションについて、理解することを主な目的として実習 を行う。以下に主な目標を掲げる。また各人が自分なりの行動目標をもって実習に臨む。 1)乳幼児に対し、女性としての特質を生かして温かい心と共感を持って接し、年齢、月齢に応 じたコミュニケーションをとることにより、乳幼児の心を理解する。 2)乳幼児の健康や年齢、月齢による成長、発達の違い(運動、知能、社会性)を観察し、理解 を深める。 3)施設における乳幼児の生活習慣や行動を観察し、理解を深める。 4)施設に働く社会人に対する理解を深め、その人々との良好な人間関係を構築する。そのため に、社会人としての礼儀、態度を実行し、適切な言葉遣い、振る舞いができるようにする。 5)女性医師としてのライフサイクルの特徴を考慮し、親と離れて過ごす子供の心の動きに対す るイメージを膨らませる。 方 法 1)グループ面接(3実習共通) 実習開始以前にグループで担当委員と面接し、実習の意義、目的について討論する。 2)ワークショップ(8 月31 日(月))(3実習共通) 実習方法、注意点などの確認。実習に向けての準備。 3)施設実習(9 月1 日(火)~ 9 月4 日(金)の内の2日間) 東京都内の乳幼児施設にて、2日間の実習を行う。 4)実習終了後指定の日時までに、行動目標に対する達成度の評価を含め、所定の様式で報告書を 作成し提出する。 5)グループ面接、総括(3実習共通)(10 月1 日(木)) グループで担当委員と面接し、実習に関して振り返って意見の交換を行い、それぞれの体験を 共有する。また、他者からの評価を受け止め、自己評価と併せて総括を行う。 - 82 - 大 項 目 乳幼児との対話 中 項 目 小 1. グループ面接における 項 目 1) 実 習 目 的 、 意 義 の 理 解 2) グ ル ー プ 討 論 に お け る 積 極 的 態 度 態度、振舞 2. 乳幼児施設実習におけ る態度、振舞 1) 乳 幼 児 の 健 康 、 成 長 、発 達 ( 運 動 、知 能、社会性)に対する観察と理解 2)施 設 に お け る 乳 幼 児 の 生 活 習 慣 、行 動 の観察と理解 3)女 性 と し て の 特 質 を 生 か し た 、温 か い 心と共感を持った乳幼児との接し方 4) 社 会 人 と し て の 礼 儀 、 態 度 の 実 践 5)施 設 に 働 く 社 会 人 に 対 す る 理 解 と 、そ の人々との人間関係の構築 6)女 性 医 師 と し て の ラ イ フ ス タ イ ル の 特 徴の想起 3. 乳 幼 児 施 設 実 習 に おける対人技能 1)乳 幼 児 と の 言 語 的 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 2)乳幼児との非言語的コミュニケーション 3)コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 通 し 、乳 幼 児 の 心理の理解 4. 報 告 書 の 作 成 1) 様 式 に そ っ た 報 告 の 作 成 2) 実 習 に 対 す る 自 己 評 価 の 表 現 5. グループ討論における 態度、振る舞い 1)自 己 の 実 習 内 容 の グ ル ー プ へ の 発 表 と 共有 2)実 習 に 対 す る 自 己 評 価( 行 動 目 標 の 達 成度の評価) 3)実 習 に 対 す る 授 業 評 価 、改 善 へ の 提 案 4) 個 人 情 報 の 守 秘 の 実 践 5) 礼 儀 、 態 度 な ど の 振 舞 に 対 す る 自 省 - 83 - 「人間関係教育2:対話入門」 実習:高齢者との対話 担当: 松本みどり、木下 順二、諏訪 茂樹、 福井由理子、山口 俊夫、加藤 秀人、 岡谷理恵子 主 旨 将来医師となったときには年齢、職業、生活環境などが異なる様々な人々と接することになるが、 どんな方々ともうまくコミュニケーションをとり、信頼を得ていかねばならない。ここでは、自分と 年齢の離れた対象とのコミュニケーションについて学ぶため、乳幼児施設、または高齢者施設におい て「乳幼児との対話」または「高齢者との対話」のいずれかの実習を行う。 医師が医療現場で接する方々の年齢はどんどん高齢化している。さらに高齢者は老化や病気による 身体的、精神的機能低下のために自立した生活が困難になる場合が多い。人生における「終の棲家」 としてさまざまな選択肢が考えられるが、実習では施設に暮らす高齢者に接し、コミュニケーション や介護を体験する。 さらに医療と福祉との連携についても学び、将来の医療人として生きた知識を 養う。また、学外実習の場における適切な態度や振る舞いのありかたを考える。 目 的 1)東京およびその近郊の介護老人保健施設(老健)と、特別養護老人ホーム(特養)、デイ・ケ ア施設において、施設の概要を知り、高齢者と2日間をともに過ごし、医療と福祉の連携を学び、 体験する。 2)高齢者の生活習慣、からだと心の健康状態、自立度、知的機能などへの理解を深める高齢者の 持つ能力と、その個人差を知る。 3)高齢者とのコミュニケーションをはかる。どうしたらお年寄りに喜ばれるかを知る。何がお年 寄りに嫌がられたかを知る。 その場にふさわしい自分の態度や振る舞いを考える。(新入生オリエンテーションのときの対 話のTPO実習「相手の顔が見える場合の応対」を復習してみる。) 4)高齢者とのコミュニケーションを通して得られた情報を、上手にまとめてみる。 5)施設における介護者の介護の様子を観察し、スタッフとの良好な関係を通して高齢者介護への 理解を深める。 6)認知症のお年寄りへも可能なら話しかけてみる。 方 法 1)グループ面接(3実習共通) 実習開始以前にグループで担当委員と面接し、実習の意義、目的について討論する。また各人の 到達目標を設定する。 2)ワークショップ(8 月31 日(月))(3実習共通) 実習方法、注意点などの確認。実習に向けての準備。 3)施設実習(9 月1 日(火)~ 9 月4 日(金)の内の2日間) 東京~近郊の老健、特養施設その他にて2日間の実習を行う。 4)実習終了後指定の日時までに、到達目標に対する達成度の評価を含め、所定の様式でレポートを 作成し提出する。 5)グループ面接、総括(3実習共通)(10 月1 日(木)) グループで担当委員と面接し、実習に関して振り返り、意見の交換を行い、それぞれの体験を共 有する。また、自己の到達度の評価、総括を行う。 - 84 - 大 項 目 高齢者との対話 中 項 目 小 1. グループ面接の機会に、 体験実習や、対話におけ 項 目 1) 実 習 を 行 う 目 的 や 意 義 の 理 解 2) こ の 実 習 に お け る 、 各 自 の 到 達 目 標 の 設定 る態度・振る舞いを話し 合う 2. 高齢者医療と福祉の理解 1) 高 齢 社 会 を 考 え る 2) 高 齢 者 医 療 と 福 祉 の 連 携 3) 高 齢 者 施 設 と そ の 生 活 4) 介 護 保 険 1) 高 齢 者 の こ こ ろ と 体 3. 高齢者の理解 2) 高 齢 者 の 特 性 と 個 人 差 3) 元 気 な 高 齢 者 と 病 気 の 高 齢 者 4) 痴 呆 性 老 人 へ の 対 応 と 介 護 1) 言 語 的 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 実 際 4. 高齢者との対話 2) 非 言 語 的 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 実 際 3) コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 困 難 に す る 要 素 1) 様 式 に そ っ た 作 成 5. レポートの作成 2) 実 習 に 対 す る 自 己 評 価 と 感 想 6. グループ討論における 1) 自 己 の 実 習 内 容 の グ ル ー プ へ の 発 表 と 共有 態度、振る舞い 2) 実 習 に 対 す る 自 己 評 価 ( 到 達 目 標 の 達 成度の評価) 3) 実 習 に 対 す る 授 業 評 価 、 改 善 へ の 提 案 4) 個 人 情 報 の 守 秘 義 務 の 実 践 5) 礼儀、態度などの振る舞いに対する自省 - 85 - 「人間関係教育:対話入門」 講義・実習:看護の医療対話 担当: (医学部) 八木 淳二、岡田みどり、浦瀬 木下 順二、松本みどり、福井由理子、松下 山口 俊夫、中村 (看護学部) 佐藤 紀子、成澤 日沼 香子、鈴木 裕子、岡谷理恵子、辻野 明、三浦美奈子、松嵜 光代、 晋、 賢治 英士、 千尋 (東医療センター) 加藤 博之、大塚 洋子、山田理恵子 (看護部) 〈本院〉末永きよみ、〈東医療センター〉伊地知淑子 主 旨 医師の人間関係教育において、医療を受ける患者や家族、そしてチーム医療をともに推進してい く他職種等に関する対象理解を深めることはとても重要である。今回の実習では、患者の一番身近 でケアを行っている看護師の活動を通して、入院中の患者や家族の体験している世界やニーズを医 療を受ける側の視点で理解するとともに、看護師の役割や業務を理解することによってチーム医療 の意義と重要性を学ぶ。 目 的 1. 看護師の活動の見 学および看護 業務の一部を 実践することを通し て、患者や家 族にとっての看 護師の立場や役割を理解する。 2. 患者や家族との関 わりおよび面 接を通して、 それぞれの体験して いる世界やニ ーズを理解する とともに、人間関係を確立するための基本を体験的に学ぶ。 3. 患者中心の医療を 推進していく ためのチーム 医療の意義と重要性 を認識すると ともに、実習・ カンファレンス・レポート作成等を通して、チーム医療の現状と課題を検討する 。 方 法 1. 講義の中で、看護 師の役割やチ ーム医療の基 本的考え方を理解す る。また、直 前ガイダンスで は実習に際しての態度や注意事項を確認する。 2. 東京女子医科大学病院の本院、および東医療センターで2日間の実習を行う。 配属場所で病 棟および看 護の特徴に 関するオ リエンテーシ ョンを受け 、担当看護 師と一緒 にマ ンツーマンで行動 し、実際の 看護業務を見 学およ び実践する。また 、患者や家族 との面接、お よび医師・看護師・その他の医療従事者と関わりや面接を積極的に設ける。 3. 到達目標を自ら設 定し、それら を達成するた めの具体的な行動目 標を考える。 行動目標は、担 当看護師と共有し達成度を評価しながら実習を行う。 4. 2日間の実習の最 後に、グルー プ毎に担当の 人間関係教育委員ま たは実行委員 を交えてカンフ ァレンスを行い、実習での体験を共有し実習内容のまとめをする。 5. 実習におけるレポートおよびポストアンケートを作成し、期日までに提出する。 - 86 - 大 項 目 看護の医療対話 中 項 目 小 項 目 1) 患 者 や 家 族 の 立 場 の 理 解 1. 対象理解と人間関係 2)患 者 や 家 族 の 体 験 し て い る 世 界 と ニ ー ズの理解 3) 学 生 の 自 己 開 示 と 人 間 関 係 の 確 立 4) 人 間 関 係 に お け る 自 己 の 特 徴 の 理 解 5) 対 象 に 接 す る 際 の 礼 儀 や 作 法 の 実 施 6) 温 か い 心 を も っ て 接 す る こ と 2. 看 護 師 の 理 解 1)患 者 や 家 族 に 対 す る 看 護 ケ ア の 一 部 を 実施 2)患 者 や 家 族 に 対 す る 看 護 師 の 立 場 と 役 割の理解 3. チ ー ム 医 療 1) チ ー ム 医 療 の 意 義 と 重 要 性 2) チ ー ム 医 療 を 構 成 す る 職 種 の 理 解 3)医 師 ・ 看 護 師 ・ 他 の 職 種 か ら 捉 え る チ ーム医療 4. 到 達 目 標 1)到 達 目 標 達 成 の た め の 行 動 目 標 の 設 定 2) 到 達 目 標 達 成 の 振 り 返 り 5. カンファレンスにおけ る体験の共有とまとめ 1) メ ン バ ー の 発 表 へ の 関 心 と 傾 聴 2) 意 見 や 感 想 を 適 切 に フ ィ ー ド バ ッ ク 3)学 ん だ こ と の 共 有 と 課 題 に 関 す る 討 議 - 87 - 〔人間関係教育〕 東京女子医科大学 人間関係教育委員会 編 岡西雅子 人間関係教育と 三恵社 行 動 科 学 テ キ ス ト ブ ッ ク ( 第 2版 ) 生きる事は尊いこと 医学書院 2015 2012 Mich ae 1 B lis s 著 ウイリアムオスラー メディカルサイエンス (三枝小夜子訳、梶龍児監訳) インターナショナル 関根 透ら 著 シリーズ生命倫理学1 丸善 生命倫理学の基本構図 秦野悦子監修 0-3 才 心 と 体 が 育 つ 親 子 遊 び ベネッセ 改訂版 コーポレーション 田中真介監修、 発達がわかれば子どもが見える ぎょうせい 乳幼児保育研究会編著 -0 歳 か ら 就 学 ま で の 目 か ら ウ ロ コ の 保 育 実 践 仁志田博司 赤ちゃんの心と出会う 小学館 2006 A.デ ー ケ ン 著 ユーモアは老いと死の妙薬 講談社 2002 関根 日本の医の倫理 学建書院 2001 医 療 倫 理 Q& A刊 行 会 編 医 療 倫 理 Q& A 太陽出版 2002 鈴木利広 著 患者の権利とは何か 岩波書店 1993 森岡恭彦 著 インフォームド・コンセント 中央公論社 1995 生命倫理事典 太陽出版 2002 透 著 近藤・中里等 著 1999 2012 2009 2014 河合隼雄 著 コンプレックス 岩波新書 1971 霜山徳爾 著 人間の詩と真実 −そ の 心 理 学 的 考 察 医療への心理学的パースペクティブ 中公新書 1978 ナカニシヤ出版 1994 渡辺文夫・山崎久美子・ 久田 満 著 諏訪茂樹 著 諏訪茂樹 著 東京女子医科大学 ヒューマン・ リレーションズ委員会 佐々木正美 著 佐々木正美 著 久米昭元・長谷川典子 著 日野原重明・仁木久恵 訳 平田オリザ 著 ロクサーヌ・K.ヤング 李 啓充 訳 ロクサーヌ・K.ヤング 李 啓充 訳 加藤明彦 著 諏訪茂樹 著 著 著 千代豪昭・黒田研二 編 編 対人援助とコミュニケーション 中央法規出版 第2版 主体的に学び、感性を磨く コミュニケーション・トレーニング 経団連出版 改訂版 人と組織を育てる 医学生と研修医のための 篠原出版新社 ヒューマン・リレーションズ学習 2010 2012 2003 子どもへのまなざし 福音館書店 1998 続 福音館書店 2001 ケースで学ぶ異文化コミュニケーション 誤解・失敗・すれ違い 平静の心 オスラー博 士 講演集 増補版 有斐閣 2007 医学書院 2003 対話のレッスン 小学館 2001 医者が心をひらくとき -A Piece of My Mind (上)医者が心をひらくとき -A Piece of My Mind (下)らくらく視覚障害者生活マニュアル 医学書院 2002 医学書院 2002 医歯薬出版 2003 子どもへのまなざし 援助者のための 建帛祉 コミュニケーションと人間関係 学生のための医学概論 医学書院 - 88 - 1995 2004 [医学用語] 科目責任者:江﨑 太一(解剖学・発生生物学教室) 講 義 担 当: 澤 井 直 (順天堂大学) 到達目標 ラテン語は現在では母国語として用いる民族はいないが、中世以来各国共通の学術公用語として 西欧世界で利用されてきた。特に、医学、歯学、薬学の分野では、ラテン語の規則性・普遍性・不 変性ゆえにラテン語用語が標準とされるとともに、生物の学名、薬品名、元素名などの自然科学の 分野でもラテン語用語は学術公用語として盛んに利用されている。 さらに、現代の西欧各言語の語源にはラテン語起源のものが多く、日常の言語として現代西欧語 を学ぶ学生にとっても、ラテン語の知識は有益である。 そこで、ラテン語を学びながら、解剖学用語の理解を深めるとともに、解剖学用語を通して、西 欧の言語文化の起源としてのラテン語文化にも触れてもらいたい。 本科目では医学を学ぶ入門者にとって、現代医学用語の原点でもあるラテン語を出来るだけ身近 に感じてもらうために、ラテン語の基礎的な文法と医学用語を分かりやすく解説する。 (評価方法) • 基本的医学用語とその語源となるラテン語との相関を理解できる。 • ラテン語の特性を理解し、現代医学英語の用法に応用できる。 出席点ならびに毎回提出のレポート(演習)の内容を吟味し、標語による評価を行う。 * 標語による評価基準: A. 極 め て 良 く 理 解 し て い る B. 良 く 理 解 し て い る C. あ る 程 度 理 解 し て い る D. あ ま り 〜 ほ と ん ど 理 解 で き て い な い 大 項 目 ラテン語 中 項 目 小 項 目 アルファベット、発音、音節 文法 名詞(性、単・複数形と格変化) 形容詞(格変化、比較級・最上級) 数詞、前置詞など 学名の構成、省略語、動植物の学名 医学用語 英語との相関 (参考図書) 寺田春永・藤田恒夫著 「骨学実習の手びき」 南山堂 河合良訓監修 「骨単」「肉単」 エヌ・ティー・エス 各 2 00 4年 「脳単」「臓単」 エヌ・ティー・エス 各 2 00 5年 「 解剖学用語 医学書院 日本解剖学会監修 改訂第13版」 - 89 - 1 99 2年 2 00 7年