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Title 重症患者の治療方針の決定に対する医師の
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Issue Date
重症患者の治療方針の決定に対する医師の意向に関する
文献調査
船原, 徹雄
臨床死生学年報. 8 P.91-P.99
2003
Text Version publisher
URL
http://doi.org/10.18910/7777
DOI
10.18910/7777
Rights
Osaka University
重症患者の治療方針の決定に対する
医師の意向に関する文献調査
松原徹雄
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:終末期医療,生命維持治療,緩和ケア,医師
要約
本論文は、終末期医療の方向性を考える上で重要である重症患者の治療方針の決定に対する
医師の意向に関して文献調査を行い、問題提起を行った。
まず、世界的な動向である「生命維持治療の差し控えおよび撤退」に関して、同等の原則に
関する問題を中心に概観した。生命維持治療の差し控えと撤退が倫理的に同等の概念であると
いう同等の原則は世界的な基準となり、それを背景とした多くのガイドラインが成立している o
その一方で‘、生命維持治療の差し控えと撤退を同等と見ることに関して否定的な意見を持つ医
師が多いことも事実である。その結果、医師は自らの意向にそぐわない行為を行わざるを得ず、
このことが大きな重圧となっていることが危慎される。
次に、緩和ケアに関して、「緩和ケアアプローチ」と「専門的緩和ケアサービス」というこ
つの緩和ケアを提示して検討を行った。日本では、ホスピス・緩和ケア病棟における「専門的
緩和ケアサービス」が中心となって、緩和ケアに対する環境作りが行われてきた。しかし、今
後は英国のように、一般病棟に「緩和ケアアプローチ」を導入することにより、緩和ケアを必
要とするあらゆる患者に、場所や疾患のステージに限定されることなく、緩和ケアを提供して
いくことが求められるだろう。
今後、終末期における治療方針の決定に関して、医療従事者だけでなく、国民に対して量的
な調査を行い、両者のコンセンサスがどの点で得られるかに関して検討を行うことが必要とさ
れるであろう。
I.はじめに
第 2次世界大戦後、医療技術は急速な発展を遂げた。その中でも麻酔学、蘇生学の発展は目
覚しく、医師は進歩した生命維持装置を用い、患者の生命を維持することが可能になった。そ
して、生命の量 (
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) が最も重要で、あるという考えから、医師は出来得る限り
の医療的介入を行うことが倫理的義務であるという教育を受け、それを実行してきた。しかし、
このような生命の量のみを追い求めた現代医療は、末期患者にさえも強制的な栄養・水分補給、
呼吸補助器の挿管などの生命維持治療を行った。管だらけになった患者の姿は、時にスパゲティ
状態と榔撤されるほどであり、このような行き過ぎた生命維持治療に疑問を感じ、生命の量よ
り生命の質 (
Q
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f
e:以後 QOLと略記〉を重視するべきであると考える者も現れた。
-91ー
そして、特に米国・英国において、行き過ぎた生命維持治療は行うべきではないとの考え方が
発展し、患者が平穏のうちに死を迎えることを容認する新しい価値観が展開されることとなっ
た
。
例えば、英国においては 1
9
6
0年代後半から生命維持治療に代わる新しいケアのあり方とし
てホスピスケアが行われるようになり、その動きは世界的な広がりを見せている
のtjernswaerd,1993)。米国では「カリフォルニア州、旧然死法
0976年 )
J に代表される、生
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命維持治療を行わないことを患者の権利として認める法律が制定されている C
1
9
7
6
)。一方、日本においても日本尊厳死協会の会員が 9万 5千人を超え(日本尊厳死協会
2
1
9
9
8
入またホスピス・緩和ケア病棟が次々と設立されており、終末期医療に対する医療従事者、
9
8
) によって行われた意識調査によ
市民の関心は徐々に高まってきている。実際、厚生省(19
ると、国民・医師・看護職員の大多数は末期医療について関心をもっていると回答している
(81%,94%,96%)。しかし、米国や英国と比較すると、終末期医療を取り巻く制度・施設・
法律など様々な面において立ち遅れているのが現状であるといえる。
制度面では、英国の緩和ケア(緩和ケアに関しては 3節で詳述する)に関する制度に見習う
べき点が多いだろう。英国では、 1
9
8
0年代初頭、緩和ケア看護が専門分野となり、 1
9
8
5年の
終わりには、後年、英国・アイルランド緩和医療学会となる組織が発足している。また、 1
9
8
7
年には緩和ケアにまつわる分野では初の審査制度を有した専門誌である“ P
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が発刊され、さらに欧州緩和ケア学会が設立されている。これに引き続き同年 1
0月には、緩
和医療が、専門医の養成プログラムを有する医学の専門分野として正式に承認されている。ま
た1
9
9
3年には緩和ケアの世界的教科書である "OxfordT巴xtbooko
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4年に緩和医療学会が発足し、徐々に制度面は整ってき
初版が発行されている。日本では、 1
ているが、未だ緩和ケアは医学の専門分野として承認されていない。
施設面に関して、英国では約 2
2
0の入院型ホスピス(総病床数は約 3
2
0
0床)、約 3
6
0の在宅
型ホスピス、約 3
4
0の病院内の緩和ケアサポートチームがあり、入院型ホスピスにおいて年間
入院患者数は約 5
6
0
0
0人、年間死亡患者数は約 2
9
0
0
0人である。これはがんによる死亡患者の
約 20%がホスピスの施設で死亡していることになる。また、ホスピスの在宅ケアにおいて年間
利用患者数は約 1
2
0
0
0
0人と報告されている(厚生科学研究, 2
0
01)。また米国では約 3
1
0
0の在
宅ホスピスと約 2
4
0の入院型ホスピスがある。ホスピスケアの年間利用患者数は約 5
4
0
0
0
0人
、
死亡総数に占める利用患者数の割合は 23.3%と推計されている。つまり 4人に 1人が利用し、
がん患者の 2人に l人が死亡前にホスピスケアを利用していることになる O 一方、日本におけ
る緩和ケア病棟での死亡患者は、その割合は急激に増加しているものの、がんによる死亡患者
0
01
)
。
の1.8%にとどまっている(厚生科学研究, 2
また法律に関して、米国では終末期における患者の自己決定権を保証した「カリフォノレニア
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9
7
6
)、「カリフォルニアナト│の医療における持続的委任権法」
州の自然死法 J C
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9
8
5
)、「米国連邦政府の患者の自己決定権法JC
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9
9
0
) などの法律が制
9
7
9年に制定された「角膜及び腎臓の移植に関する法
定されている。一方、日本においては、 1
律J0999年廃止〕や昭和 5
8年に公布された「医学及び歯学の教育のための献体に関する法律」、
また「脳死臨調の報告書」に見られるように「患者の意思を尊重すること」は唱えられていても、
「患者の意思を確認した上で、医師をかなえて実施する」という積極性が見られないのが特徴と
9
9
6
)。つまり、日本では生前の本人の提供の意思表示があった場合ですら、遺
いえる(星野, 1
-92-
族の文書による承諾がなければ法律によって許可されない。したがって、たとえ生前にアイバ
ンクや腎パンクにドナー登録をしたり、献体の医師登録をしておいたとしても、患者の死後そ
の意思は遺族によってかなえられないことが多い(星野, 1
9
9
6
)。
このように、日本の終末期医療に関する環境は英国・米国と比較するとまだまだ不十分であ
るといえる。今後、英国・米国に習った環境整備が求められるが、同時に文化的な相違点を意
識し、日本の風土に根付いた終末期医療のあり方を考えていく必要もあるだろう。
そこで本論文では終末期医療のあり方を考える上で、非常に重要であり、かっ国際的に多く
の問題点が指摘されている重症患者の治療方針の決定に対する医師の意向に注目した。終末期
医療に限らず医療全体において、インフォームド・コンセントを通した患者自身の参加が重要
とされているが、実際、日本においては多くの患者はインフォームド・コンセントを受けては
9
9
8
)。医師と家族
おらず、大抵の場合は医師と家族が治療方針の決定を行っている(厚生省, 1
による治療方針の決定過程は非常に不鮮明であり、最終的な治療方針の決定は誰が行っている
のか、また治療方針の決定はどのような要因によって左右されているかについてほとんど明ら
かになっていない。特に、医師が重症患者に対して、どのような治療方針の決定を行う意向を
持っているかに関する量的なデータはほとんど存在しない。重症患者の治療方針の・決定に対す
る医師の意向に関する量的なデータ得られることで、今後の終末期医療を展望する一つの基盤
を得ることができるであろう。
本論文は終末期医療にかかわる医師の意向の調査を行ううえで非常に重要である「生命維持
治療の差し控えと撤退」、「緩和ケアの導入」について、米国、英国の文献を中心に概観する。
その上で、米園、英国において医師の治療方針の決定に関してどのようなことが問題となって
いるのか、または日本においてどのようなことが問題となっているか、なりうる可能性がある
のかを指摘し、調査への問題提起を行うことを目的とする。
1I.生命維持治療の差し控えと撤退
末期患者及び重症患者に行われる治療方針の決定の中で、最も倫理的、法的に問題になるの
は、生命維持治療を行わないという決定を下すことであろう。米国での研究では、医師は生命
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維持治療を行わないことの法的責任について不安を抱いていること C
1
9
9
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)、倫理的に疑問を抱いていること CSolomon,O'D
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Jackson,Koch-W巴s
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y,1
9
9
3
) が報告されている。
この生命維持治療を行わないという決定は生命維持治療の差し控えと生命維持治療の撤退と
いう 2種類に大別することができる。生命維持治療の差し控えとは、新たに生命維持治療を開
始しないことである。これは、例えば輸血を新たに投与しないことや、抗生物質を新たに投与
しないことなどである。生命維持治療の撤退とは、患者の生命維持のために現在行われている
治療を中止することである。これは、例えば抗生物質の投与を中止することや、装着されてい
る人工呼吸器を中止することである。
米国では、意思表示能力のある患者が生命維持治療を差し控えること及び撤退することに関
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する決定を下す権利を有していることを認めた数々のガイドラインが存在する C
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)。これらのガイドラ
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e/AmericanC
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インの成立によって、行き過ぎた生命維持治療が自分や家族の QOLを阻害する恐れのある場
合、患者とその家族は生命維持治療の差し控えや撤退を要求できるようになった。そして、事
実として、以前では法的にも倫理的にも議論の種であった生命維持治療の差し控えと撤退が行
われるようになってきている (
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n,&Lanken,1
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9
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;NoAuthors,1
9
9
2
)。
しかし、実際に行われるようになってきている生命維持治療の差し控えと撤退であるが、未
だ様々な議論が行われている。特に、生命維持治療の差し控えと生命維持治療の撤退が、倫理
的、法的に同ーのものであるかどうかに関する議論はあとを絶たない (
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)。この議論に関して、緩和ケアの発震に著しい貢献をしたことで名高い
WorldH巴a
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z
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o
nによる『がんの痛みからの解放』では、「同等の原則」という項
が設けられ、次のように指摘されている。
一蔀り医療従事者は、一度開始した延命治療は、中断す石よりも、はどめから行わないほう
が容易と感どでい石が、全ての患者におげ石治療より決断は、いつも周 U倫理的な考庫に基づ
いて行われ石べきであ石。言い携えれば、治療を中断す-3ことと、治療を厨始しないこととの
閣には倫理よの差がな ~)o
(WorldH
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0 武田訳, 1
9
9
2p
.
5
2
)
このように、生命維持治療を差し控えることと撤退することが倫理的に同等であると述べた
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ガイドラインは数多く存在する(巴x
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;TheWorldF
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)。しかし、米国で医療従事者を対
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象に行った研究によると、多くの医療従事者が生命維持治療の差し控えと撤退に関して、両者
の聞に相違を見出している C
Solomon,e
ta
,
.
l1
9
9
3
)。ヨーロッパの広範囲で医師を対象に行わ
れた研究においても、生命維持治療を撤退する決定より、生命維持治療を差し控える決定を下
すことのほうが容易であると感じている医師が多かったこと報告されている C
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9
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9
9
6
)。
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r Langendoen,1
【
このように「同等の原則」によって成立したガイドラインと、生命維持治療を行わないこと
に対する欧米の医師の意向は一致していない。しかし、医師たちは疑問を感じながらも、ガイ
ドラインに沿って行動しなければならないこともある。このことは医師にとって非常に大きな
負担となっていることが考えられる。実際、重圧による医師のパーンアウトを危慎し、医師に
対する心理学的な介入の必要性を指摘する研究もある C
Solomon,e
ta
l
.1
9
9
3
)。
近い将来、日本においても生命維持治療の差し控えと撤退に関する議論が活発になるだろう。
これは、米国に代表されるように、世界的に生命維持治療の差し控えおよび撤退が認められる
方向へと推移しているからである。生命維持治療の差し控えと撤退に関する議論の中に医療サー
ビスの消費者である患者の意向を取り入れることはもちろん重要であるが、医療サービスの提
供者である医師の意向を無視しては、 S
olomon,e
ta
l
.(
19
9
3
) が指摘したように、医師に重圧
がかかることは明らかである。しかし、生命維持治療の差し控えと撤退に対する医師の意向に
関する量的な調査は、日本においてほとんど行われていない。今後、日本において生命維持装
-94-
置の差し控え及び撤退に関する議論を行うために、医師がそれについてどのような意向を持ち、
その意向がどのような要因に影響を受けているかを調査することが必要である。
i
l
l
. 緩和ケアアプローチと専門的緩和ケアサービス
生命維持治療を差し控える、もしくは撤退する決定に関する議論と並行して、生命維持治療
に代わった新しい医療が求められてきた。そして、疾病の根治より痛みや他の身体症状の緩
和、または精神的、社会的、霊的側面のケアを尊重する緩和ケアが英国にて発祥し、全世界へと
波 及 し て い っ た のt
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9
9
3
)
0 WHOによる緩和ケアの定義は以下のとおりである。
緩和ケアとは治癒を目的と Lた治療に反応しな〈なった疾患をもっ患者に対して行われ石積
極的で全体的な医療ケアであり、痛み白コントローノレ、痛み以舛の藷症状のコントローノレ、心
理的な苦痛、社会買の問題、霊的な問題の解決が最も重要な課題とな石。また、緩和ケアの最
終目標は、患者とそ臼家族にとって出来石照り良好な QOLを実現させ石ことであ石。このよ
うな目標を持つので、緩和ケアは末期だげでなしもっと早い府却の患者に対しでもがん府変
り治療と周時に適用すべき多ぐの利点を持ってい石。
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0 武田訳, 1
9
9
2p
.
5
2
)
この WHOの定義に代表されるように、緩和ケアは末期のがん患者にのみなされるものでは
な
し 1。また、緩和ケアはホスピス・緩和ケア病棟という限定された場所でのみなされるもので
はなく、また生命を脅かす疾患及びそのステージの如何に関わらず、またその患者がどこでケ
アを受けているかに関わらず、緩和ケアは医療のあらゆる領域におけるケアの中心的存在とな
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り、患者とその家族の QOLを向上させるべきである (
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9
5
)。英国では英国保健省 (UKDepartmento
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)
(
1
9
9
5
) が公表した ICalman&H
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J によって、緩和ケアは全てのがん患者のた
めの一般的な医療であると公認され、緩和ケアが単に専門家だけが提供するものではなく、が
ん医療のあらゆる領域で必要とされていることが認識されている O そして、在宅型ホスピスや
一般病棟内の緩和ケアチームの存在が大きく注目され、疾患の程度、またケアを受ける場所を
限定せず、必要とされる患者に適切な緩和ケアを行っていこうとする姿勢がうかがえる。そし
て、前述のように英国ではがんによる死亡患者の約 20%がホスピスの施設で死亡している。
0
01
)
。
(厚生科学研究, 2
一方、日本の緩和ケアにおいて重視されてきたのはホスピス・緩和ケア病棟という限られた
9
8
1年に聖隷三方原病院にホスピスが設立
施設で行われる、専門家による緩和ケアであった。 1
されてから、「全国ホスピス・緩和ケア連絡協議会」の活動、「緩和ケア病棟入院料」の制度化
の影響もあって、日本のホスピス・緩和ケ、ア病棟は増加し、現在では 1
0
0を超えるホスピス・
0
01)。しかし、日本における緩和ケア病棟で
緩和ケア病棟が開設されている(厚生科学研究, 2
の死亡患者は、その割合は急激に増加しているものの、がんによる死亡患者の1.8%であると
いう報告がある(厚生科学研究, 2
0
01)。つまり、援和ケアを受けることのできる患者の割合は
0分の lに過ぎない。今後、英国のように緩和ケアが行われる場所をホスピス・緩和ケ
英国の 1
ア病棟に限定せず、ほとんどのがん患者が入院し、最期を迎えている一般病棟ににまでその範
囲を広げることは非常に重要で、あるだろう。
-95ー
それでは、一般病棟においてもホスピス・緩和ケア病棟で行われているような緩和ケアを行
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うべきであろうか。このことに対して英国の N
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eCar巴 S
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v
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c
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s(
19
9
5
) は、「緩和ケァ」を「緩和ケアアプローチ」、「専門的緩和ケ
アサービス」の 2つに大別した上で、今後の緩和ケアのあり方について検討を行っている。こ
の「緩和ケアアプローチ」及び「専門的緩和ケアサービス」は、日本における緩和ケアの方向
性を考える上でも非常に重要な概念である。この 2つの概念について議論する前に、 N
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s(
19
9
5
) による「緩和ケアアプロー
チ」と「専門的緩和ケアサービス」に関する記述を要約する。
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)J
「緩和ケアアプローチ (
緩和ケアアプローチの目指すものは、身体や社会生活そして心の状態が少しでも良好な状態
になることである。どんなステージのどんな病気であっても、緩和ケアアプローチはあらゆる
臨床実践が精力的かっ集約的に統合された領域であり、緩和ケアの諸原理の知識と実践に基づ.
く情報に裏づけされたものである。緩和ケアアプローチはホスピス・緩和ケア病棟に限らず全
ての医療機関においてなされ、その基本原理として①良好な症状コントロールを含め
QOLの
改善に焦点を当てる、②個人の過去の生活経験と現在の状況を考慮する全人的アプローチをお
こなう、③死期が迫った人とその人を大事に思う人たちの両方を包括するケアを行う、④患者
の自立と(例えば、死ぬ場所、対処法の選択肢といった)選択を尊重することなどがあげられ
る
。
「専門的緩和ケアサービス C
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専門的緩和ケアサービスは、緩和ケアの核となる、専門性のあるサービスのことである。専
門的緩和ケアサービスは、死が予知される人々の中でもきわめて少数の人に必要とされるもの
である。その特徴として、①緩和ケアの専門家を主導的人物とした複数の専門職が協力し合う
チームアプローチにより身体的・精神的・社会的・霊的側面からのサポートを行うこと、②訓
練を受けた専門職による高度な技能と高い比率のスタッフ数によって専門的に行われるサービ
スであることがあげられる。
英国では、この「緩和ケアアプローチ」と「専門的緩和ケアサービス」という 2つの緩和ケ
アが、お互いを補完しあいながらその領域を明確に区別した上で、緩和ケア全体の発展に貢献
している。つまり、「緩和ケアアプローチ」と「専門的緩和ケアサーピス」がそれぞれ適切な
場面において行われ密接に連絡を取り合いながら、ひとつの緩和ケアの体制を形成している。
日本では、ホスピス・緩和ケア病棟における「専門的緩和ケア」が重要と E
されてきたが、上
記のような緩和ケアの分類を参考に、一般病棟では「緩和ケアアプローチ」の提供を目標とす
ることが適当であると考えられる。具体的には、ホスピス・緩和ケア病棟において「専門的緩
和ケアサービス」の提供を行い、一般病棟において「緩和ケアアプローチ」を主としたサービ
スを提供する体制作りが必要とされるだろう。しかし、重症患者に緩和ケアを行うことに対し、
一般病棟に勤務する医師がどのような意向を持っているかに関しては量的な調査はほとんど行
われていないのが現状である。
I
V
. まとめ
本論文では、第 2節において、世界的な動向である「生命維持治療の差し控えおよび撤退」
に関して、同等の原則に関する問題を中心に概観した。生命維持治療の差し控えと撤退が倫理
的に同等の概念であるという同等の原則は世界的な基準となり、それを背景とした多くのガイ
ドラインが成立している。その一方で、生命維持治療の差し控えと撤退を同等と見ることに関
して否定的な意見を持つ医師が多いことも事実である。その結果、医師は自らの意向にそぐわ
ない行為を行わざるを得ず、このことが大きな重圧となっていることが危慎される。日本にお
いて、「生命維持治療の差し控えおよび撤退」に関する議論を行う際には、医師の意向がどの
ようなものであるかに関する量的なデータ提示し、その上で慎重に議論することが求められる
であろう O
第 3節では、緩和ケアに関して、「緩和ケアアプローチ」と「専門的緩和ケアサーピス」と
いうこつの緩和ケアを提示して検討を行った。日本では、ホスピス・緩和ケア病棟における
「専門的緩和ケアサービス」が中心となって、緩和ケアに対する環境作りが行われてきた。し
かし、今後は英国のように、一般病棟に「緩和ケアアプローチ」を導入することにより、緩和
ケアを必要とするあらゆる患者に、場所や疾患のステージに限定されることなく、緩和ケアを
提供していくことが求められるだろう。そのためにも、一般病棟に勤務する医師が緩和ケアを
提供することに対して、どのような意向を持っているかに関する量的な調査を行うことが非常
に重要であるだろう。
本論文では医療サービスの提供者である医療従事者に関してのみ記述を行ったが、もちろん
サービスの消費者である一般市民の意向を調査することも重要である。今後、終末期における
治療方針の決定に関して、医療従事者・国民、双方に対して量的な調査を行い、両者のコンセ
ンサスがどの点で得られるかに関して検討を行うことが必要とされるであろう。
【引用文献】
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