...

CLUB B Vol.13|Bライセンスモータースポーツ応援マガジン|8ページ

by user

on
Category: Documents
30

views

Report

Comments

Transcript

CLUB B Vol.13|Bライセンスモータースポーツ応援マガジン|8ページ
頂点に立った20代の若者の
走りに、今年は注目してほしい
まだまだベテランが幅を利かしている全日
2
4
本ダートラだが、今年はルーキー豊作の年
3
5
となりそうだ。一人目は開幕戦で優勝をさ
らった岡翔太(写真上)
。ピッカピカの社会
人一年生だが、昨年は学生でありながら近
畿地区戦チャンピオンに輝いた。常に全開
かつマシンコントロールにも長ける走りは必
見だ。もう一人は本文でも触れている宝田
ケンシロー
(写真下)
。全日本初優勝から一気
に 3 連勝を飾るなど、ただの踏みっぷりのい
い若者から一皮むけた感がある。タイトルも
1
6 7
8
視野に入った若手二人の走りは要注目だ。
9
第2戦恋の浦/ 1.マッディな一戦となった恋の浦で待望の全日本初優勝を獲得した宝田ケンシローの力走。2.SA2クラスは大西康弘がこのクラスを引っ張るトップ2を抑えて優勝。3.4.SA1クラ
スは一昨年のチャンピオン、岡田晋吾が地元の一戦で2年連続の勝利。5.SC1クラスでは松田宏毅が嬉しい全日本初優勝を飾った。6.7.ヴィッツターボとともに全日本フル参戦を開始した櫻井
貴章はシリーズ2戦めにして早くも勝利を手に入れた。8.SC2クラスはマッディな路面には慣れた国際ラリースト、田口勝彦が優勝。9.N2クラスは黒木陽介が今季初優勝。
3月、栃木県の丸和オートランド那須で
あまりに不甲斐なかったので、出ることに
涙にむせんだ。ケンシローは続く地元北海
開幕した全日本ダートトライアル選手権
決めたんです」とはるばる札幌から駆け付
道での第3戦も連覇。そして第4戦広島も
は、その後、福岡、広島、北海道と転戦し、
けた。
制して3連勝と、完全に波に乗った。
シリーズを折り返した。
若者らしく常に全開が信条のドライバー
九州から北海道へと一気に北上したシ
ダートトライアルは未舗装(グラベル)
だが、ぬかるんだ道はただ踏みまくるだけ
リーズ第3戦は道央砂川市の石狩川の河
の専用コースで行われるタイムトライアル
では勝てない。
「2本めは路面が荒れるので
川敷を利用したオートスポーツランドスナ
ガワが舞台。スタートから一気に4速まで
だ。1分半から2分程度のコースを2回走っ
タイムアップは難しいかなと思ったんです
て、そのベストタイムを競う。第2戦は、玄
けど、慣熟歩行(それぞれの決勝ヒートの
入るストレートからフルブレーキングで飛
定では排気量が小さくとも、コーナリング
界灘を望む岬に位置する福津市のスピー
前に歩いてコースをチェックする下見のこ
び込む1コーナーが象徴するように、全国
性能に優れる車両の方が速いというケー
ドパーク恋の浦が舞台。あいにくの雨で
と)で歩いたら路面の硬い所が結構出て
屈指の高速コースだ。開幕からシビックタ
スも珍しくない。
マッディな路面がさらに水を吸い込むとい
て。ここにタイヤを乗せれば、タイムアップ
イプR
(EK9型)が2連勝したSA1クラスは、
稲葉が駆るインテグラタイプRは、DC2
う難しいコンディションの中での一戦と
も不可能じゃないと思い直せたんですよ」
排気量で勝るインテグラタイプR(DC5型)
型の初代タイプRがBライセンスモーター
なった。
ただでさえ滑りやすい路面の上で限界
の稲葉幸嗣が今季初優勝。
「クルマ的にも
スポーツ界では名機として名高いが、稲葉
この一戦では全日本ダートラ期待の若
走行をしているダートラドライバーにとっ
ここは勝たないといけないコースですから
のDC5型は、ややじゃじゃ馬的な性格を持
手が念願の全日本初優勝を達成した。ス
て、狙ったラインにクルマを乗せるのは時
…」とホッとした表情を見せた。
ち、扱いが難しい。それゆえパワーが生か
ズキ・スイフトスポーツを駆る北海道在住
に至難の業なのだが、きっちりとタイム
ジムカーナやダートトライアルといった
せるスナガワは、シリーズを見通す上でも
の宝田ケンシローはまだ20代半ばの若者
アップを果たしたケンシローは逆転を飾っ
競技は、最もパワーのあるクルマが最速タ
絶対に落とせないイベントなのだ。このク
ラス、第4戦も同じDC5インテグラを駆る
で全日本は昨年まではスポット参戦にとど
てライバルを退けた。
「自分が住んでる所
イムを出すとは限らない。コースの設定次
まっていた。当初は、この九州ラウンド、参
から一番遠い所での初勝利でしょ。ちょっ
第では1速や2速が主体となるコースなども
中島孝恭が優勝。タイトルレースもいよい
戦予定ではなかったが、
「開幕戦の結果が
と忘れられない一戦になりそうです」と感
あるし、タイトコーナーが連続するような設
よ混戦となってきた。
王座決定は全クラス、最終戦までもつれるかも!?
2
0
1
5
JDTC
What’s DIRT TRIAL?
2015全日本ダートトライアル選手権前半戦ダイジェスト
第2戦 4/18-19 スピードパーク恋の浦(福岡県)
第3戦 5/23-24 オートスポーツランドスナガワ(北海道)
第4戦 6/13-14 テクニックステージタカタ(広島県)
同じ路面は二度とない。そのスリリングな勝負に全開で
挑む醍醐味こそダートトライアルの最大の魅力かもしれない
ダートトライアルは、その言葉通り、未舗装(グラベル)の
コースでタイムトライアルを行う競技だ。河川敷や原野などの自
然の地形を利用して作られた専用のコースがその舞台となる。
ダートラはまずラリーでも使われるグラベル専用のタイヤで走
る。競技専用と言っても公道も走れるし、値段も高くないからご安
心を。もちろん普通のタイヤで走ってもいいが、ラリータイヤと呼
ばれるこのタイヤは泥や砂を噛みやすいブロックパターンで構成さ
れ、タイヤのサイド部も石
や岩でカットされにくいよ
う、強 化されている。だ
から実はリーズナブルなタ
イヤでもあるのだ。
またダートラは路面の
凹凸で飛ばされたり、ワ
ダチにタイヤを引っかけ
て転倒する可能性がある
8
ので、ほとんどのドライ
刻一刻と変化する路面をどう読み込んで攻略する
バーは乗員を転倒から守 か。それがダートラという競技の醍醐味だ。
るロールケージを車内に入れている。ダートラの競技会は規則で
このロールケージを義務付けるか、取り付けを強く推奨しているの
で、本格的にダートラを始めるなら、まず取り付けたいパーツだ。
ダートラの競技会は、基本的にはジムカーナと同じ流れで進む。
当日の朝、渡されるコース図を手にしながらまず慣熟歩行を行う
が、ジムカーナと違って、競技の間に刻一刻と路面が変わってい
くダートラは、路面がどう変化していくかも慣熟歩行の際に読み
込まなければならない。
ただダートラの場合は元々、路面は様々。慣熟歩行の時にな
かったような穴がライン上に開いていたり、ワダチができる場合
もあるが、ベテランだって完璧に読み込めるわけではない。一番
いいのは自分が走る直前に走ったドライバーに路面の状況を聞く
こと。その意味では、ダートラでは仲間を作ることも大事なポイン
トになるといっていいかもしれない。
青森のサーキットパーク切谷内はコースの
全周を見渡せるので観戦にもオススメだ。
ラリータイヤはいくつかのパターンに分かれる。転倒から身を守るロールケージは車両の剛性を高
本番では路面状況に応じてチョイスする形だ。
めるというもうひとつの役割も持っている。
Fly UP