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『永遠の0』 『ことばと国家』 『博士の愛した数式』

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『永遠の0』 『ことばと国家』 『博士の愛した数式』
『ことばと国家』
田中克彦 著/岩波書店
私たちにとって「あたり前」の存在であることば。実は、国家と密接に結
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びついたきわめて政治的なものです。たとえば、日本語を「国 語」と呼び、
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「○○カ国語も話せる」や「母国語は○○」と「あたり前」のように言いませ
んか? 無意識のうちに、国家というフィルターを通してことばをみている
のです。グローバル化の進展にともない外国語を話す人たちを目にする機会
が増えてきている今、そうした「あたり前」について考えてみるのもよいか
もしれません。皆さんが生まれるはるか前、1981 年に出版された本書には、
(一般教育教室初修外国語系列助教 石部 尚登)
そのためのヒントがつまっています。
『永遠の0』
百田尚樹 著/講談社文庫
ゼロ戦は「傑作」といわれた機体ですが、大戦後期には特攻にも使用さ
れ、多くのパイロットと共に散っていきました。これはそのゼロ戦パイロ
ットの生涯を描いた小説です。
少しのミスが命取りの戦闘機パイロットは、生きたいという思いを胸に
押し込め、常に死を覚悟し戦場に出なければいけませんでした。私と同世
代の人たちが、そのような極限状態に置かれていたことを思うと、今の自
分の生き方を少し見つめ直してみるのも必要ではないかと考えてしまいま
した。
(航空宇宙工学科4年 阿波根 亘)
『博士の愛した数式』
小川洋子 著/新潮文庫
ベストセラーとなり映画化もされたので、ご存じの方も多いと思います。
交通事故の影響により記憶力を失った元数学者である「博士」と呼ばれ
る男性のお世話をする、家政婦の視点から物語が描かれています。
博士の数学に対する真摯な姿勢や探究心は、大学という場で学ぶわれわ
れに必要なものだと考えさせられるものでした。また、温かい日々の中で
語られる数学の不思議や、その中にある美しさはとてもおもしろく、数学
を苦手とする人にもお勧めすることのできる一冊だと思います。
(数学科4年 会沢 純将)
理工サーキュラー N o.159
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