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2010/01/17安次富浩氏講演録

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2010/01/17安次富浩氏講演録
NPO日野・市民自治研究所「九条と基地を考える研究会」
2010年1月17日 於日野市新町交流センター
第2回基地問題連続講演会
安次富浩氏講演「あの美ら海・辺野古が消える」
自己紹介
まず自己紹介をします。 海上ヘリ基地反対協代表委員は4人おり、私はその一人です。
私は東京生まれで、高校1年生まで東京と千葉県市川市で育ちました。父は金武(きん)町出
身で、戦前の中野無線学校を卒業しました。戦争中で沖縄に帰れなかったため、東京出身の母と
結婚し、私は墨田区で育ちました。下町の学校には在日の人や被差別部落出身の学友人もいまし
た。私の同級生の親から沖縄では英語を話すのでしょうと言われた記憶が今でも残っています。
1963年、家族が沖縄に引き上げてから沖縄の高校、琉球大学を卒業しました。復帰後、沖
縄県の職員に採用され、3年前に定年退職しました。
沖縄では1967年2月24日、教公二法阻止闘争(アメリカ軍の意向を受けた保守系議員が
日本復帰運動の中心的存在であった教職員組合を弾圧するため、政治活動の禁止、スト権禁止条
項を含む法案の提案。立法化を阻止するために立法院を2万人余の沖縄大衆が包囲、ついに立法
化を阻止した闘い)があり、そのときに高校の恩師たちが頑張っている姿を見て、立法院へ支援
に駆けつけたことが政治への目覚めでした。また、高校時代に大干ばつに遭遇し、畑にまく水が
なかった。金武は石灰岩質の山が米軍基地内に存在し、鍾乳洞があるため地下水が豊富でした。
私たちは井戸水や溜池の水を2斗缶の空き缶に汲み、天秤棒で担いで畑に撒く状態でした。しか
し、米軍基地では兵士たちが日照りで暑いためホースで水を浴び、トラックなどの軍用車を水洗
いしていた光景に正義感がムラムラと湧いてきて学生運動に参加する契機になったと思います。
復帰後、沖縄県職員に採用され、福祉関係の仕事が中心でした。また、組合員として反戦運動
にも参加しました。米軍基地は米軍が強制収用した私有地が多く、復帰の際に地主の中から、自
分の土地を戦争に使われたくないと反戦地主会が誕生するのです。
一方で、沖縄返還でノーベル平和賞を受賞した佐藤栄作元首相は、沖縄県民の「核もない、基
地もない反戦復帰」要求を無視し、返還軍用地の復元保障費を米国政府の肩代わりと(後に思い
やり予算となる)、核の持ち込みを認める秘密協定などで在日米軍の75%が沖縄に集中する基
礎を作りました。毎日新聞の西山記者が沖縄返還協定での「密約」を報道しましたが、女性問題
でスクープを矮小化され、密約問題に封印され、今日に至っています。
密約問題をやった佐藤元首相は沖縄返還でノーベル平和賞をとったんです。去年のオバマ大統
領といっしょです。その佐藤栄作の息子さんが最近核持ち込みの密約を暴露しています。沖縄を
足蹴にしてノーベル平和賞をもらっているわけですから、今の私たちにしてみればこんなノーベ
ル平和賞は返せ、さらにお金も返せといいたくなります。
反戦地主は国からの米軍基地継続使用の要請に、基地使用の契約を拒否します。そうすると国
側は反戦地主へ軍用地料の差別的嫌がらせ、さまざま法律で強制使用など、当初2,000人い
た反戦地主は100人ほどに減少しました。反戦地主を支援するため一坪反戦地主会が誕生しま
す。新崎盛輝沖縄大学教授や自治労活動家などが中心になりました。その一坪反戦地主会の北部
地域の代表として就任して今日まで至っています。
沖縄本島の北部地域(通称やんばる)の反戦地主の誰を支えるかということになって、伊江島
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の阿波根昌鴻さん(伊江島の土地闘争の指導者、乞食行進や非暴力闘争で沖縄のガンジーと呼ば
れている人)を支えようとして、伊江島に渡り、阿波根さんのきび畑の援農を行いました。
そうこうしている間に、普天間基地の移転先としてキャンプ・シュワブに海上ヘリ基地建設計
画が浮上し、「ヘリポートはいらない名護市民の会」を立ち上げ、その市民運動の事務局長に就
任しました。それ以来辺野古新基地建設反対闘争にかかわってきました。
これで私の自己紹介を終わります。
沖縄の基地闘争の歴史
沖縄の反基地闘争は憲法で保障されている「平和的生存権」を求めて闘われています。私たち
の日常生活に支障をきたす「米軍機騒音」、基地から派生する事件・事故などに対する闘いなの
です。自衛隊のイラク派兵に反対する名古屋市民の闘いの中で、名古屋高裁で「平和的生存権」
違反に当たるとの判決が出ました。沖縄の米軍がイラク、アフガン戦争の出撃基地になっている。
沖縄県民は米軍が起こす戦争の加担者とされてしまうのです。この「平和的生存権」の判決は私
たちの闘いに法律的な自信を与えてくれました。
また、在日米軍の75%の施設が沖縄に集中している。面積も似ている東京都と比較したら、
沖縄本島の20%が基地です。東京都の離島を除いて、東京の面積の20%が基地としたらどの
ように思いますか。雑誌「世界」2月号での記事の中で、立川など東京にも米軍基地があり、永
田町でも迷彩服の米軍兵士が見られたと書かれていました。1950年代前半に北富士の海兵隊
が沖縄に移駐しています。日本復帰前にも米軍再編があったのです。日本の米軍基地は整理縮小
されるが、在日海兵隊は沖縄に移動する。この再編の動きに、日本政府は沖縄に「施政権」が及
ばないことで黙認か協力して結果が今日の状態を迎えるのです。
沖縄には旧日本軍の基地はありませんでした。豊かな自然とともに暮らし、生活は貧しかった
が平和な生活を営んでいました。それが、大本営により天皇制維持(国体護持)のため沖縄を捨
石作戦として位置づけ、中国から「石」部隊などが移駐してきたのです。そして、農民の土地が
天皇の名のもとに奪われ、嘉手納飛行場や、読谷飛行場、伊江島飛行場などが造られ、しかも農
民たちが強制労働させられたのです。だから国有地がほとんどないのです。石部隊は日本軍の侵
略地中国本土から移駐してきましたが、当時の沖縄は知識のある人しか日本語を上手に操れない。
多くの農民たちはウチナグチが日常会話でした。侵略軍であった日本軍は激戦の中で、方言しか
喋れないウチナンチュをスパイ容疑として虐殺したのです。集団自決を強要したのも、当時の日
本軍が異国の地、あるいは植民地としてみていたから、玉砕作戦が実行されたのではないでしょ
うか。そういう観点で沖縄戦を振り返る必要があります。
沖縄には日本軍が移駐するまで軍事基地はなかったのです。沖縄戦後、米軍は日本軍の基地を
奪い、日本へ空襲する基地として利用しました。また、普天間基地は飛行場敷地内に住んでいた
住民が収容所で生活している隙に、米軍がブルトーザーで整地して飛行場に変貌させたのです。
支配者が住民の了解を得ず勝手に土地強奪して、返すときに代替基地を要求するなんて、盗人
猛々しい居直り強盗の論理ではないでしょうか。国際法上、違法行為を続けるアメリカ政府に抗
議すらできず、協力姿勢を見せる日本政府を私たちは許せるのでしょうか。
沖縄の反戦・反基地闘争に対して、自公政権は防衛官僚に「基地と共存共生」の政策を行わせ、
振興策の引き換えに「日本の平和のために沖縄は犠牲になってもらう」(石破元防衛大臣)など
の発言でも理解されるように「アメとムチ」の沖縄政策が続いてきたのです。
私たちは復帰後も反戦・反基地闘争を長く続けてきましたが、辺野古新基地建設反対闘争は1
3年というと短い闘いですが、その闘いが大きな転換点を迎えています。最近の新聞やテレビの
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報道は酷いものです。普天間基地移転問題の報道はジャーナリズム精神が希薄で、権力側に沿っ
た報道しかなされていません。「日米同盟にひびが入る」、「日米同盟のゆるぎない堅持」と権力
発表=大本営発表と何ら変わりがありません。私たちが辺野古新基地建設に何故反対するのか、
基地のたらい回しになぜ抵抗するのかを検証しようとする報道がありません。鳩山首相が「駐留
なき安保」論を封じて、「日米同盟の深化」をうたい、辺野古新基地建設問題での指導力を見せ
ないことは追及しますが、問題の本質については何ら言いません。
この状況に少しでも異を唱えているのは東京新聞や共同通信の沖縄記者ぐらいです。日本のマ
スメディアは記者クラブとして、政府発表や米国政府の動向記事を垂れ流す大本営発表的体質に
変貌しています。外交・防衛問題だからこそシビリアン・コントロールを発揮して、検証が必要
です。外交・防衛は国の専管事項、国策として、反論をさせない。そのことに異を唱えているの
が沖縄の世論です(昨今の密約問題が好事例です)。
辺野古新基地にオスプレイ配備?
元旦のテレビ朝日の衛星放送で、田原総一郎の「朝まで生」という政治討論番組がありました。
各政党の論客と様々な分野の評論家が普天間基地移設問題で討論する番組が放映されました。そ
の番組で、前政権の御用学者である森本敏(拓殖大学教授)氏がMV22オスプレイ問題を暴露
しました。ヘリではない飛行機(垂直離着陸機)、未亡人製造機と言われたMV22オスプレイ
が配備されると説明したのです。また、離着陸するときに機能的に不安定なため海岸近くに飛行
場を造るのだとも言いだしました。だから、辺野古なのだと。アメリカ海兵隊は3個師団で36
0機を配備する予定であり、普天間代替基地には100機ちかくのオスプレイが配備される。下
地島は滑走路の距離は十分だが収容能力が狭いため、埋め立てした辺野古が適当だと言っている
わけです。沖縄のアセス審査会で配備はないと防衛官僚は嘘をついていたことになります。沖縄
選出の野党国会議員、照屋寛徳議員、山内徳信議員、赤嶺政寛議員などに協力してもらい、米国
ジュゴン裁判の国防省資料を提供しながら追及しても、アメリカ政府からは配備計画はないとの
一点張りでした。ところが、普天間基地司令官は、2012年までに配備されると沖縄の記者に
説明しています。そして、民主党連立政権が樹立すると、防衛省はオスプレイ配備を認めました。
シビリアン・コントロールが全く機能を果たしていません。防衛省曰く、「現行のヘリはベトナ
ム戦争時代の古いもの。機種の変更による配備計画だから認められる」となるのです。県外移転
先の名前が挙がった「大村海自飛行場」や「関西国際空港」に配備してごらんなさい。墜落事故
の危険性から国会論議にならんといけません。それが無いし、マスコミも危険性での追及がされ
ていない。情けない国です。外交・防衛問題を政府にまかせっぱなしにしてきた国民自身の弱さ
なのです。だからアメリカの属国と言われる由縁でしょう。
民主党政権に交代
今回の衆議院選挙で、政権交代が起こりました。選挙での政権交代は戦後初めてです。私たち
は何故政権交代が生じたのか検証する必要があります。小泉構造改革以降、改革に反対する者は
抵抗勢力として排除する政策が行われてきました。ファッショ的な政治手法でした。しかし、年
金問題、官僚の天下り問題、官僚の渡り天下り退職金問題、後期高齢者保険制度、障害者自立支
援法という美名のもとで障害者の生活を奪っていく法律の酷さ、枚挙のいとまがないほどです。
高級官僚の出鱈目さはあきれます。社会保険庁の高級官僚は積立年金で様々な保養施設を造り、
赤字となったら二束三文で売り払う。積立年金の赤字問題で官僚や政治家たちは誰一人として責
任を取らなかった。そのような政治に無関心な社会構造を造ったのは私たち国民です。政治の問
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題点を追及し、変革していく力が弱かったからです。
高齢者や障害者の人たちが闘ってきました。多くの国民は自分の身に降りかかってきた問題で
初めて知るわけです。郵政改革もそうです。私が住んでいる本島の北部地域は僻地や離島を抱え
た町村があります。山の多いある村では3か所の郵便局がありましたが、1か所にした。その結
果、お年寄りの多いところであるため、郵便局へ行くのに不便になった。こういう地域格差を生
じさせたのが郵政改革だった。また、膨大な郵便貯金をアメリカの金融資本が狙っていたという
うわさもあります。
主権者たる国民が今回の衆院選挙で初めて政権交代のパワーを感じたのではないでしょうか。
民主党の政策すべてを支持して投票所に行ったのではないと思います。自民党や自浄能力に欠け
た政府に愛想を尽かして、国民の生活を無視する自民党を見限った結果だと思います。二大政党、
小選挙区制の結果、民主党を選んだと思います。民主党が有権者を無視する政策を実行するなら
ば、政権交代させる運動を作ればいいと思います。今回の選挙は主権者である国民が変革を作り
上げたのです。民主党が作ったのではありません。圧勝のため、民主党の指導部は有頂天になっ
ているのではないでしょうか。民主党はなんでもできると思っている。それは小沢さんがいい例
です。
沖縄では今回の選挙では辺野古への基地誘致をした自民党の国会議員は全員落ちている。比例
区でも自民党の議員は誰も当選していません。一昨年前には県議会選挙があり、それも仲井真知
事の与党が惨敗して野党が勝った。仲井真さんは「ベストは県外移設だが普天間の危険性を早期
に除去するために県内移設の沖合論がいい」と、つい最近まで発言していた。もう最近はそれを
声たかだかに言えなくなっている。彼は渉外基地知事会で神奈川県の松沢知事とアメリカへ要請
に(11.8の県民大会に沖縄にいたくないもんだから)行った時の記者会見で、松沢知事は「沖
縄の米軍再編がすすまない、厚木を岩国に移す計画もそれですすまない、早く辺野古の新基地建
設に着手すべきだ」という記者会見をやり、そばにいる仲井真知事はよけいなことをいってくれ
るなということすらもいわなかった、制御できなかった、それに対してタイムスや新報の社説で
もうこてんこてんに批判された。県議会の与党議員にすら「あんたはね」という状態でした。
そういう具合に世論は新基地建設反対、普天間基地はすぐに返せ、新基地はつくるなという風
にかわってきている。仲井真知事は今風に言うとKYなんですね。沖縄の空気が読めない。
新政権が誕生した時に、私たちは3党合意のなかで普天間・辺野古問題が大きな焦点だったん
です。民主党のマニフェストに普天間・辺野古問題が載らなかったんです。これはおかしいと民
主党沖縄県連に抗議しました。「これはおかしい、最低でも県外移設といっているのになぜ載ら
ないのだ」と。民主党本部にも抗議したが、無視された。民主党の沖縄ビジョン政策に載ってい
るからそれはいいんだと無視された。
政権が交代したら普天間基地問題を大きな柱にするかどうかでやはり3党でもめた。そのとき
の民主党のリーダーは岡田さんです。彼は本当は分かっているはずです。彼は「世界」の7月号
で編集長のインタビューにこう答えています。「民主党は普天間基地は県外移設だ」とはっきり
答えている。ところが、外相に就任してゲーツ国防相がきて、キャンベルがきて脅かされたらこ
ろっと変わるわけですね。県外移設から嘉手納統合案になったり、最終的にV字形飛行場の現行
案になったり。岡田外相は連立政権が誕生した時に「対等な外交交渉」といった。民主党が対等
な外交交渉というとき、裏をかえせば自民党はいままで対等な外交交渉をやっていないというこ
とでしょ。
ところが、民主党は対等外交といったのに、脅かされたらすぐころっと変わる。これ、ペリー
の黒船以来、砲艦外交といわれて、恫喝すればなんとかなるという、こういうことがアメリカ政
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府では綿々と受け継がれてきているとしか思えません。
たとえば知日派といわれるキャンベルとかナイとかアーミテージとかいう人たちは、日本は叩
けば自由に動くということを知っているから知日派だと思うんです。「世界」の2月号で寺島実
郎さんは同じことをいっている。さらに知日派も親日派も変わらないと言っている。そういう人
たちに振り回されるようではだめだといっている。「世界」2月号は普天間・辺野古問題が非常
に丁寧に書かれています。
我々は連立政権に期待したけれど、交渉の窓口の岡田さんの揺れ、一方で防衛大臣は最初から
現行案。われわれからみれば北沢防衛大臣は防衛官僚の操り人形としか映らない。民主党は官僚
依存しない、政治主導型といったのに、なんでアメリカとの交渉でいままでの官僚を連れていく
のかと、もっと政治家としてやることがあるだろうと、ところがアメリカとの交渉ではそういう
官僚がうしろにちゃんと坐っている。まずこの官僚を人事異動でどこかに飛ばせと、もっといい
防衛官僚もいるだろうと思うぐらい腹立たしい姿を目にする。だから防衛問題を考える大臣とし
ては大変弱い。弱いからアメリカの恫喝にコロッと負けて、12月決着しようということで、ア
メリカと日本の共同作業グループを立ち上げてつめようとした。そこで私たちも11・8のオバ
マ訪日に対する私たちの訴えをしようと2万人あまりで県民大会を成功させました。県民大会後
に民主党政権への要請行動をしました。要請内容を無視する動きがあまりにも甚だしくなってい
く。それで私たちも、連立政権の社民党におかしいんじゃないか、どうするつもりだとある議員
に文句をいいました。待ってくれ社民党もしっかりやると、それで最後には社民党も政権離脱の
動きになっていきました。勿論、社民党はいまの動きに腹ただしかったからこういう結論になっ
たと思います。
名護市長選挙
これは私たちの現場の闘いと社民党の思いがそこで繋がっているからだと思います。それで1
2月15日の結論「5月まで先送り」になったんだと思います。それでも私がメディアに感想を
求められた時にいった言葉は「一歩前進、一歩後退」だと。なぜなら、新幹線並みに辺野古現行
案で一気にいこうとした日米作業グループを止めたということは前進です。一歩後退はなにかと
いうと普天間移設に関する予算はそのままです。あるいは環境調査に関するアセスはそのまま続
けていくということです。これでは5月に延ばしたって、また辺野古に舞い戻る可能性だってあ
る。だから一歩後退だとおもうのです。実質的には現状維持だからチャラと、評価に値するもの
はないと言いました。なかには言いすぎだといわれましたが、これが私の本音です。
これからの闘いをどうするかということが焦点になっていくわけですが、今日名護市長選挙が
告示されました。1月24日は名護市の市長選挙の投票日です。この市長選挙もいまの候補者に
統一するまでに、さまざまな紆余曲折がありました。今の候補者は当初は基地建設についてはノ
ーコメントだと、それは民主党政権ができる前ですね。私たちは基地建設反対をうち出すべきだ
ということで事前の選定作業をやったわけですが、いろいろあってなかなか決定できない。衆議
院選挙で連立政権が誕生し、候補者として名前が挙がっていた人が3名になってきた。これでは
まずいんじゃないかと、いまの統一する候補者にも話しかけて、結局基地建設ノーということに
落ち着いて、統一となった。ということで今日から選挙戦にはいるんです。
沖縄で今日同じ時間帯に、右翼が名護で200名規模の平和行進をやるため屋内集会を1時か
ら予定されています。こんなのは沖縄で初めてです。選挙にからめてです。私たちのテント村に
幸福実現党(幸福の科学)が2名きました。
(幸福実現党であるということはあとから判明した)
最初名前をいわないで、NPOで取材にきたという。少し話をしていると、中国のミサイルは日
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本に向けているじゃないですか、なぜこの基地建設に反対するんですかというふうになってきた
から、これは右翼だということで討論はじめたんです。あんたそういうんだったら、どこの出身
かと、東京なら東京へ持って行きなさいよ、あなたの住んでいるところへもっていけばいいので
はないか、中国のミサイルが狙っているならあんたのところで迎え打つようなミサイル基地をつ
くりなさいといったら、そういうことに対しては無視して、中国は防衛予算をふやしているとか、
話にならないから追い返した。この幸福の科学は辺野古新基地建設に賛成、日米同盟堅持です。
こういうのが名護市内にポスターで貼られている。純然たる右翼がやはり名護市内でポスターを
貼っています。小沢批判とか、独裁者鳩山とか。ひどい表現です。今日集会をやって、デモ。こ
の集会のためにホテルパックで沖縄へ行きましょうという右翼のブログを私たちの支援者が見
つけて、こういう動きに対策しながら、今日選挙戦に入ってます。
24日の投票日、なんとしても勝たねばならない、そのためにみんな一生懸命努力していると
ころです。まあ一つは公明党の動きも注視しながら選挙運動をやらねばならない。なぜそういう
ことを言うかというと、あの11・8県民大会では公明党はこなかったけれど、創価学会青年部
の旗がありました。公明党はこんどの選挙で自民よりからスタンスを変えつつある。今度の選挙
でかれらがどう動くか注視していかねばならない。状況は拮抗しているので、油断することなく
闘っていく。市長選にかてば連立政権にたいして大きく要請行動ができるし、そのことを想定し
て辺野古新基地を止めていく。
もうひとつは、普天間基地の訓練を止めさせることなんです。これが交渉されていないです。
移設ばかりを論議して、また事故が起きた時にだれが責任を問うのか、政府でしょ。そのことの
重要性を感じる部分に弱さがある。政府はアメリカと交渉する際、普天間は演習の訓練をさせな
いというのが最初の課題です。ぼくが言っているのは移設は時間をかけてもいいが、まず普天間
の機能をストップさせることです。
環境アセスメント
もうひとつは環境アセスの問題です。今日のレジュメにも書いてますが、日本の環境アセスメ
ントは事業アワセメントと揶揄されています。どうして事業アワセメントかというと、まず事業
者が環境調査するんです。事業者というのは建設する業者です。事業者が環境調査するんですか
ら、都合のいい環境調査になるでしょう。企業が環境調査するんです。たとえば、原発を造ろう
という業者がその地域の環境アセスをするわけです。都合のいい結果になるわけです。欧米では
その方式をとっていません。やっぱり管轄する環境省が中心になって、環境調査をするわけです。
そして環境へ影響をあたえる場合は欧米ではその事業をストップすることができます。環境が優
先なんです。日本はそういうことになってない。だから今年は環境アセス法の見直し時期と言わ
れています。しかも名古屋で生物多様性の国際会議が10月開かれます。環境アセス法を見直す
時期ですから欧米並みのいいものをつくらなければいけない。そういうことを運動の中でつくっ
ていかなければならない。いま環境関係団体では討議されているようです。事業者もはいります
から、現行をなんとか維持しようというのが企業とそれに使われている御用学者、それに環境省
です。それを欧米並みに変えていくのをつくってほしいと願っています。私たちはアメリカでジ
ュゴンを守れという裁判をおこして、アメリカの法律で門前払いではなくて、日本がつくるにし
てもこの飛行場は米軍がつかうのだから、米国の環境アセス法に照らし合わせるという中間報告
がでています。こういうなかで3年にわたる環境アセス調査の報告書が準備書という形で去年提
出されました。その準備書には消えたジュゴンが掲載されました。環境省の調査でも発見してい
る海域のジュゴンが削除されたり、あたかもジュゴンは3頭しかいないという報告書になってい
6
る。去年の8月から10月にかけてWWFJAPAN(WWFジャパン)の委嘱を受けた研究員
が大浦湾の干潟調査で36種類のエビ・カニ類の新種を発見した。エビ・カニ類の新種です。日
本では発見されていない種もあったという報告がでてきた。環境省の調査がいかに杜撰であるか
わかるわけです。このことについてWWFJAPANは環境省・防衛省・総理大臣に報告書を添
付して基地建設反対の要請文をつくっています。そういうわけで環境アセスがいかに杜撰・でた
らめであるかということから、辺野古・違法アセス糾弾訴訟を闘っています。
これには現在若手の弁護士30数名が弁護団に加わっています。これも画期的なことです。基
地問題の反戦地主会弁護団の主力弁護士が参加していますが、辺野古問題では司法研修終わって
2~3年の、弁護士資格をとって沖縄で弁護士活動をしたいという本土からきている若手弁護士
が多いのです。
安保問題という基地問題は沖縄で勉強になるそうです。そういう若手の30名ぐらいの弁護士
にまかせてるんです。それを指導しているのが池宮城・三宅・新垣さんで反戦地主を指導してい
る弁護士たちが相談役みたいな形でやってます。基本的には30代の若手弁護士がアセス違法糾
弾裁判訴訟に名を連ねてくれています。
私たちは環境アセスを最初からやり直せということで提訴しています。でたらめなアセスだと。
しかもMV22の配備について県アセス審査会で追及したら、ないといっていたのが、最近はあ
るということで防衛省は開き直っている。MV22の騒音調査をやっていません。防衛省は官僚
だからこういっています。後から配備されるものについてはアセスの対象じゃない。官僚という
のはずる賢い発想をします。これから配備されるものを前提につくるんですから、当然アセスの
対象にしなければならない。それをやったら基地建設ができなくなるからやらない。それを許し
ているのが北沢防衛大臣です。私たちは「アセスをストップしなさい、一からやり直しなさい」
と。こういう問題は内閣の中で討議しなければいけないはずです。
アセスはこれからの大きな課題になっていくでしょう。
地位協定
もうひとつ最後に言いたいのは地位協定の問題です。第一次裁判権の問題があります。一般事
件では第一次裁判権の起訴を、法務省は通達でやらないようにしている。米兵を逃げ得させてい
る。交通事故を起こして、被害者の沖縄の人が追及しても、それの補償はされないで、部隊移動
で逃げていく。暴行事件を起こしても除隊したりして追及されない。最近読谷村で轢き逃げ事件
がありました。轢き逃げされた人は、その時もし救急車を呼んで病院に運んだら命は助かったか
もしれない。轢き逃げした米兵は、翌日自分の車を修理に出した。そのことがあとでわかった。
それで犯人が特定できたのです。犯人が所属する部隊はトリイ通信部隊といってグリーンベレー
の部隊で、グリーンベレーといえばゲリラ戦で人間の命を何とも思わない部隊です、といっても
過言ではない。轢き逃げしても何とも思わない。日本の法律では、轢き逃げは重大事件ですよ。
ところがアメリカとの地位協定には入っていない。だから逮捕して身柄を沖縄県警に移して、現
場検証ができなかった。こういう不平等条約がひとつある。
さらに日本人はほんとに気前がいい、というのか、表現しにくいのですが、そういうところが
ある。米軍基地が返されたのち、この土地の浄化について地位協定では日本政府がやることにな
っている。一般の日常社会で考えてみてください。店子である米軍が引っ越しをするときに、大
家に負担させることが日常社会でありえますか。当然自分で使ったのだからきれいにして大家さ
んに返すのが当たり前でしょ。ところが日米政府の取り決めで、我々の税金で負担させる、これ
が日米地位協定の実態ですよ。
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思いやり予算
そういう不平等な状況が多々ある。思いやり予算が30年積算で5兆6000億円だそうです。
税金がそれだけ米軍のためにつかわれているわけですよ。具体的にどういうものか。米軍基地に
あるマンションみたいなもの全部思いやり予算で造られているんです。嘉手納基地など高層マン
ションみたいなものが沖縄に沢山ある。その住民たる米兵は家賃を払いません。米兵家族が夏休
みなんかに1週間か10日実家に帰るときどうしているのか、沖縄の夏の暑さはたいへんですか
らね、クーラーつけっぱなしで、帰ってきたときクーラーで部屋が涼んでいる部屋に帰りたいと
いってメイドさんたちに消すなといって行くんです。そういう不平等さをメイドさんたち基地従
業員は不満をもつわけだから、どんどんそういう事実が口コミで流れていくんです。これは事実
として米軍側も認めているし、防衛省も認めているわけですね。そこで光熱費のカットが去年か
今年ありましたよね。少しですが。
国防総省の同盟国の貢献度の報告が3年か4年に一度ある。その中にでているんですが、国外
に米軍の基地がある国々の米国に対する援助額がなんと日本が半分以上貢献しているんです。他
の国々はそれほど思いやり予算みたいなものを出していないんです。そういうものを総計したら
半分以上出しているのは日本だということがアメリカの報告に出ているんです。こんなに優遇さ
れる国から米軍が出ていくわけがないでしょ。地政学的に沖縄に米軍基地が必要だというのは嘘
だということもミエミエです。
日本の敵国は?
去年11月初めに爆笑問題の大田光が総理になったらという日本テレビの番組に、私とジュゴ
ン保護運動を展開している東恩納琢磨さんとが沖縄からの意見ということで日本テレビに出演
しました。討論したのは2時間で放映は1時間(実際は45分)でした。その討論の中で石破元
防衛大臣が、自民党の人も何人か出演していましたが、彼は何といったか、「日本の安全と平和
のために沖縄の米軍基地は必要だ。だから日本の安全と平和のため、沖縄の人は犠牲になってほ
しい」とはっきり言いました。そこで僕等はやりあうんですけれど、その時に、アメリカ軍を必
要とする根拠はなんですか、日本にとって敵はどこなのですか。あなた方は説明すべきなんです、
と。番組の最後のところになってから、北朝鮮と中国だと言ったわけです。考えられないですね。
そんなことをいまの政権は継承しているのでしょうか。
私は中国が日本を攻撃するほど愚かな国ではないと思っています。なぜならば、日本との交易
が年間10兆円ぐらいあるそうです。そんな国と戦争するとは考えられません。日中戦争になっ
たら上海の労働者がみんな路頭に迷うわけです。共産党政権がそんな阿呆なことをするはずがな
い。しかも北朝鮮がミサイルを開発して、恫喝しているんだろうけれど、もし北朝鮮が日本にミ
サイル攻撃したと仮定します。で、戦争が起きます。以前だったら中国とソ連が支援するかも知
れませんが、今すると思いますか。そんな状況ではないですよ。北朝鮮の指導者問題はあるのだ
が、以前みたいな同盟関係、三国の堅い絆ではないです。戦争を継続するような経済力は持って
ないし、アメリカから攻撃されたらすぐに解体されるような国です。逆にもしかするとアメリカ
が北朝鮮を攻撃したら、韓国の人々がどういう反応を示すか。同邦に対する思いは強いはずです
から逆に朝鮮半島が混乱するはずです。そんな阿呆なことはアメリカはやらないはずです。北朝
鮮も自滅するようなことを今できる状態じゃない。そういう意味では敵なんていう妄想を持つの
はおかしいと思います。
基本的に鳩山さんがいう東アジア共同体ということを考えるのならば、アメリカと手を切って
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軍備にたよらない平和をアジアの人々とつくるような共同体構想を真摯に話し合うような平和
外交に向けていくべきだと思います。その場合には誰かが「世界」に書いていましたが、朝鮮半
島は非核武装地帯にする、そういう形で平和交渉すべきだと、これも一理ある。
私たちの日本がアジアを侵略したわけです。その反省にたてば米軍の傘とか自衛隊を背景にア
ジアとの平和交渉はできるわけはないのです。
一番参考にしなければいけないのはペシャワール会の中村哲先生の努力です。このことは私た
ちは忘れてはいけない。やっぱりそういう地道な努力をもってアジアの人々との平和を真剣に議
論し、討論する、そういう運動を私たち国民の手でつくるべきじゃないですか。住民運動の中で。
そして日本政府をそのような方向にもっていくことが大事なんです。
最後に私のいいたいこと
そろそろ閉めますが国策に抵抗することが大事だと思います。まさに出鱈目な国策を住民運動
で正していくことによって民主主義は発展する。誤りの国策を追及していくこと、それが私たち
の地域社会をつくりあげていくのではないでしょうか。国のやることには間違いがあります。点
検し、われわれも問題点を国に要請し実践する。こういう関係が民主主義の発展だと思います。
いま、それがこれからの日本の民主主義をもっとよくする、素晴らしいものにしていく、それが
試されている時期であり、その出発点になっていると僕は思います。
普天間・辺野古問題もそこにあると思いますので、私たちは自信を持って辺野古での闘い、こ
れからも現場で闘いながら、辺野古に新基地をつくらせない、他の県のどこにもつくらせない、
欠陥機を配備させない運動を展開します。
私はヘリ基地反対協の統一見解ではないが、私個人的に言うとアメリカ本国に普天間基地をも
っていくべきです。一つの基地がなくなったぐらいで日米同盟にひびが入るという、それで右往
左往するような国ではだめです。むしろ普天間基地をなくし、次に私が考えているのは米軍再編
のパッケージ論で出てきた嘉手納以南の施設を返してもらう運動をやらねばならない。
それらの基地を返してもらうことによって基地に依存する沖縄でない町づくり、私たち「沖縄
の力」でつくり上げていきたい。基地の城下町というのは全国でも繁栄していません。ほとんど
がシャッター通りになってます。そのことを想定すれば、私たち沖縄の経済発展を阻害している
基地を返還させることによって、沖縄の経済はかなり発展していくだろうと思います。
そのために、これからも普天間・辺野古問題を大きな足掛かりにして、米軍との共存共生から
脱却する沖縄の地域づくりを目指していきたい、ということで終わります。
ありがとうございました。
質疑応答
① ネットの活用について
ネットの活用がやっとできるようになりました。これからです。
また、アメリカ国際フォーラムやグァムや韓国との連携も深めております。
② 裁判について
出鱈目なアセスに対して、辺野古・違法アセス訴訟裁判ではこれからも
闘い続けていきます。
③ 名護市長選について
基地反対の統一候補をたてて闘います。予断がゆるされない厳し
い闘いです。
以上
(文責 南北)
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