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「スポーツを活かした地方創生」へのアプローチ
「スポーツを活かした地方創生」へのアプローチ ∼スポーツ施設の視点から∼ 2016年1月28日 株式会社日本政策投資銀行 地域企画部 桂田 隆行 地方創生へ寄与しているスポーツ施設の例 1 地方創生へのアプローチ(再掲) 域外からの流入 域内の活性化 1 交流人口を増やす 2 定住人口(移住、二地域居住)を増やす 3 出生率を維持する、高める 4 地域住民が、いつまでもいきいき暮らす、働く 5 2 産業、雇用をつくる 【①と②と④の事例】広島市民球場 広島市民球場公式戦入場者数と (株)広島東洋カープ売上高等の推移 (出所:広島市民球場HP、広島市HP、「広島市民球場運営協議会」HP及び広島市都市整備局 都市機能部市民球場調整担当提供資料をもとにDBJ作成、写真は著者撮影) 3 【①と②と④の事例】広島市民球場 (出所:著者撮影) 4 【①と④の事例】アオーレ長岡 アリーナ 東棟 西棟 ナカドマ (出所:長岡市提供資料、アオーレ長岡HP) 5 地下駐車場 【①と④の事例】アオーレ長岡 (出所:長岡市提供資料) 6 【①と④の事例】 アオーレ長岡 長岡市中心市街地歩行者通行量 100,000 93,405 90,000 86,636 80,229 80,000 93,578 93,064 82,057 81,018 84,563 85,514 78,129 (人/日) 70,000 60,000 61,902 58,482 50,000 57,047 57,206 40,000 30,000 20,000 10,000 0 2008年 2009年 2010年 2011年 平日 (出所:長岡市歩行者通行量調査)) 7 休日 2012年 2013年 2014年 【①と④の事例】長岡市における多世代健康まちづくり事業 「長岡市多世代健康まち づくり事業プラン」を策定 健康づくり拠点の整備(タニタカフェ) 健康づくりセミナーの開催 (出所:長岡市HP) 8 【①と⑤の事例】横浜文化体育館の再整備 横浜文化体育館 (メインアリーナ) 横浜総合高校跡地 (サブアリーナ) (出所:横浜市HP) 9 【①と⑤の事例】横浜文化体育館の再整備 横浜市は、「横浜文化体育館再整備を核としたまちづくり」等をテーマに 関内駅地区周辺地区のまちの活性化と財政負 担の軽減を図るため、体育施設と相乗効果を発揮する民間事業の導入(事業モデルの構築等)について、参加者のグ ループワークにより検討を行った。 (出所:横浜市HP) 10 これからのスポーツ施設を活かしたまちづくり 11 スタジアム・アリーナ等の平均初期建設費 ●2012年シーズン、国内主要リーグなどのスポーツ興行で利用された スタジアム・アリーナ等は、全国に593施設 61億円 ●初期建設費の平均額は約 12 老朽化が進むスポーツ施設 ●そのうち、民間所有はわずか4.0%(24施設)のみ 市区町村 0% 都道府県 独立行政法人 20% [N=593] 40% 民間の株式会社 60% その他 80% 69.8 100% 23.8 1.2 4.0 1.2 ●築30年以上の施設は27.2%(161施設) 50年∼ 40年∼49年 0% [N=593] 20% 9.1 9.3 8.8 30年∼39年 20年∼29年 40% 60% 22.4 23.9 13 10年∼19年 ∼9年 80% 7.6 不明 100% 18.9 建て替えるのなら・・・まちづくり・地域づくりと連携してはどうか 街づくりにおける悩み・課題 ●中心市街地の空洞化 ●大型商業施設/工場の撤退 ●交通利便性の低下 ●公共サービスの低下 ●防災減災対策の必要性 ●地方財政の疲弊 コンパクトシティ形成 「する」・「観る」・「支える」スポーツの有用性 中核となる交流空間 効果と影響① 中心市街地の活性化 地方財政の負担軽減 スマート・ベニュー概念 効果と影響② 利用率増による収益改善効果 効果と影響③ 多機能複合型スポーツ施設 スポーツ施設における悩み・課題 ●施設の老朽化 ●郊外立地による低い利用率 ●低い収益性 ●世代/階層を超えた交流 ●地域アイデンティティの醸成 ●周辺地域への経済効果 ●健康的な社会生活(予防医療) 改築/改装の際に立地/概要検討 14 健康な地域コミュニティの構築 まちづくりをになう「スマート・ベニュー®」 今後のまちづくりには、単機能型のスポーツ施設ではなく、公共施設や商業施設との複合型など街づくりの中核拠点とな り得るサステナブルなスポーツ施設が国内でも必要ではないか。 「周辺のエリアマネジメントを含む、複合的な機能を組み合わせた サステナブルな交流施設」を「スマート・べニュー®」 と位置付ける。 ※ なかでもスタジアム・アリーナ等に特に着目して調査研究を進める ・単機能型 ・行政主導(公設公営等) ・郊外立地 ・コスト負担 スマート・ベニュー化 ・多機能型(商業施設複合等) ・民間活力導入 ・街なか立地 ・収支改善 * 「スマート・ベニュー」は株式会社日本政策投資銀行の登録商標(商標登録第5665393号)です。 15 +周辺エリアの マネジメント スポーツ施設への民間活力導入の歴史 年代 国内のスポーツ 環境の変化 スタジアム・アリーナ等の 整備・運営に関するトピック 1950年代 ○学校体育から社会体育へ ○公共体育館の建設開始 ○国体施設への補助金制度の整備 1960年代 ○高度経済成長の高まり ○スポーツ振興法の制定(1961) ○1964年東京オリンピック・パラリンピック(1964) ○1964年東京オリンピック・パラリンピック(1964) ○市民体育館の建設 (中央から地方へ) 1970年代 スタジアム・アリーナ等の 整備・運営に関する事例 ○横浜スタジアム(負担付き寄付:1978) 1980年代 ○バブル景気 ○生涯スポーツ時代の到来 1990年代 ○バブル景気の崩壊 ○Jリーグ開幕(1993) ○国際イベントの開催が可能な大規模公共体育施設の建設 ○民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に 関する法律(PFI法)の制定(1999) ○なみはやドーム(1996) ○大阪ドーム(第三セクター:1997) 2000年代 ○地域密着型プロスポーツの発展 ○スポーツ振興基本計画(2001) ○日韓ワールドカップ(2002) ○スポーツ振興基本計画の改正(2006) ○日韓ワールドカップ(2002) ○指定管理者制度の導入(2003) ○宮城球場(管理許可:2005) ○千葉マリンスタジアム(指定管理:2006) ○カシマサッカースタジアム(指定管理:2006) ○PFI法の改正(2011) ○2020年東京オリンピック・パラリンピック(2020) ○墨田区総合体育館(PFI:2010) ○ゼビオアリーナ仙台(定期借地権:2012) ○ガンバ大阪新スタジアム(寄付:2015) ○北九州スタジアム(PFI:2017予定) ○新国立競技場(2019予定) 2010年以降 ○スポーツ基本法の制定(2011) ○スポーツ基本計画(2012) ○スポーツ庁発足(2015) ○Bリーグ開始(2016予定) ○ラグビーW杯2019日本大会(2019) ○2020年東京オリンピック・パラリンピック(2020) ○関西ワールドマスターズゲームズ2021(2021) ○東京ドーム(民設民営:1988) 1990年代後半以降、スポーツ施設の整備・運営効率を高めるために、PFI、 指定管理者制度や寄付等、様々な形での民間活力導入事例が増えている。 16 内閣府(多様なPPP/PFI手法導入を優先的に検討するための指針) (出所:内閣府 民間資金等活用事業推進室HP)) 17 「スマート・ベニュー」に向けた段階的事業モデルの整理 国内既存の単機能型スポーツ施設を第1段階と位置づけ、「スマート・ベニュー」に至るまでを3段階+1(その先へ)と段 階的な施策を講じる。段階を経るにつれ、まちづくり・地域づくりへの貢献度合いは高くなる。 街づくりのあらゆる関係者の関与・協力・支援により街づくりを担う「スマート・ベニュー」が完成する 地域住民や行政との連携、街づくりのプロ のノウハウ活用 スタジアム・アリーナ機能以外の機能付与 (例:防災)による都市機能の拡充、補完 プロスポーツ・リーグ等の主 利用者(興行主)のノウハウ 活用 民間運営による収益施策と コスト削減の強化 ICT活用等による効率的に 稼働率を高める運営 周辺開発との連携によるまちづくり 地域コミュニティの再構築(交流空間 の創出) 地域経済への寄与 その先へ 第3段階(複合施設化) 第2段階(民間運営、一体経営) 第1段階(ハコ貸し主体) ※本図は段階として起債しているが、もちろん第1段階から 第2、第3段階と順序を踏む必要はなく、各段階に示した それぞれの行程で実現可能な行程から成し得ていけばよ い。 スマート・ベニュー化【街なか立地、民間活力導入、多機能型、収益力向上】 18 これからのスタジアム・アリーナ等整備運営の考え方 「する」スポーツ主体の施設整備運営 →地域の健康づくり・コミュニティへの無形の効果も意識した整備 運営 「みる」スポーツ主体の施設整備運営 →施設単体の収支改善の次は、まち全体への(経済)効果を意識 した整備運営 整備効果をまちづくりの観点から検証するデータがない →指標データがあることが次のスポーツ施設整備運営につながる 19 DBJ作成 スポーツ・オリンピック関連既刊レポートのご紹介 スポーツを核とした街づくりを担う「スマート・ベニュー®」 ∼地域の交流空間としての多機能複合型施設∼ (2013年8月) http://www.dbj.jp/ja/topics/dbj_news/2013/html/0000013322.html アジアから見たスポーツツーリズムの可能性 ∼アジア8地域・訪日外国人旅行者の意識調査より∼ (2014年6月) http://www.dbj.jp/ja/topics/dbj_news/2014/html/0000016079.html 欧米スタジアム・アリーナにおける「スマート・ベニュー®」事例 (2014年7月) http://www.dbj.jp/ja/topics/dbj_news/2014/html/0000016346.html スポーツツーリズムの展開 ∼地域資源を活用した観光地域づくりの一例∼ (2015年2月) http://www.dbj.jp/ja/topics/dbj_news/2014/html/0000018477.html 東京オリンピック・パラリンピック前後のインフラ整備・都市開発の計画・構想の動向はじめ社会経済情勢 の変化と、産業・地域の発展・成長に向けた方策に関する調査報告 (2015年3月) http://www.dbj.jp/ja/topics/dbj_news/2014/html/0000019199.html 2020年を契機とした国内スポーツ産業の発展可能性および企業によるスポーツ支援 ∼スポーツを通じた国内経済・地域活性化∼ (2015年5月) http://www.dbj.jp/ja/topics/dbj_news/2015/html/0000019534.html 20 お問い合わせ先 ご清聴ありがとうございました ご質問、ご相談等がございましたら、下記連絡先までお問い合わせください。 <連絡先> 株式会社日本政策投資銀行 地域企画部 桂田 TEL : 03−3244−1173 FAX : 03−3270−5237 E-mail: tkkatsu@dbj.jp 「スポーツを核とした街づくりを担う「スマート・ベニュー®」」レポートリンク先: http://www.dbj.jp/ja/topics/dbj_news/2013/html/0000013322.html 「欧米スタジアム・アリーナにおける「スマート・ベニュー®」事例」レポートリンク先: http://www.dbj.jp/ja/topics/dbj_news/2014/html/0000016346.html 当資料は、株式会社日本政策投資銀行(DBJ)により作成されたものです。 当資料は、著作物であり、著作権法に基づき保護されています。著作権法の定めに従い、引用する際は、必ず出所:日本政策投資銀行と明記して下さい。 当資料に記載された内容は、現時点において一般に認識されている経済・社会等の情勢および当行が合理的と判断した一定の前提に基づき作成されておりますが、当行はその正確性・ 確実性を保証するものではありません。また、ここに記載されている内容は、経営環境の変化等の事由により、予告なしに変更される可能性があります。 当行の承諾なしに、本資料(添付資料を含む)の全部または一部を引用または複製することを禁じます。 21