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神奈川県立障害福祉関係施設 指定管理者評価委員会 評価報告書

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神奈川県立障害福祉関係施設 指定管理者評価委員会 評価報告書
資料2
平成26年7月31日18時現在(最終稿)
神奈川県立障害福祉関係施設
指定管理者評価委員会
評価報告書
(津久井やまゆり園)
平成26年7月
1
委員会委員(◎は委員長、○は副委員長)
委員名
◎
○
2
職業等
石 渡
和 実
東洋英和女学院大学教授
学識経験者
佐 竹
昇 平
神奈川県知的障害福祉協会理事
障害福祉施設の運営
に関する精通者
嶋 田
芳 樹
神奈川県知的障害者施設保護者会
連合会副会長
施設利用者代表
髙 橋
温
新横浜法律事務所
法務に関する識見者
土 屋
崇 之
弁護士
日本公認会計士協会神奈川県会
公認会計士
経理に関する識見者
スケジュール
平成25年11月15日
平成26年4月3日
平成26年4月3日
平成26年4月18日
平成26年6月5日
平成26年6月19日
平成26年6月20日
平成26年7月8日
平成26年7月18日
3
委員区分
第1回委員会開催(指定管理者の選定に係る選定基準の検討)
募集要項配布
質問の受付開始
現地説明会
参加団体 1団体(8人)
質問の受付終了
質問数 8
募集受付終了
応募団体 1団体
現地視察等(居住エリア、日中活動エリア、診療所等を視察)
第2回委員会開催(応募団体の申請書類の評価等を協議)
第3回委員会開催(応募団体のプレゼンテーション及びヒアリング、
最終評価と報告書の作成等を協議)
評価の実施方法
(1)会議の公開・非公開について
第1回委員会は指定管理者の選定に係る基準の協議を、第2回委員会及び第3回
委員会は評価点の協議を行うため、公開することにより率直な意見の交換若しくは
意思決定の中立性が損なわれるおそれがあることから、神奈川県情報公開条例第5
条第3号に該当すると判断し、第1回委員会、第2回委員会及び第3回委員会の協
議・評価については非公開とし、第3回委員会の応募団体のプレゼンテーション及
びヒアリングについては公開として開催した。
(2)選定手続きについて
応募団体の申請書類を受理した神奈川県保健福祉局福祉部障害サービス課におい
て、資格審査及び申請内容の確認を行った後、評価委員会において書類と面接によ
る評価を行った。
指定管理者候補の選定にあたっては、「サービスの向上」、「管理経費の節減
等」及び「団体の業務遂行能力」の3つの観点から、神奈川県立の障害者支援施設
に関する条例及び同条例施行規則で規定する「指定の基準」を満たしているかを評
価した。
(3)委員会としての評価点について
選定基準に基づき、各委員による仮採点を行った後、各評価項目について委員間
で協議を行い、プレゼンテーション及びヒアリングの評価を踏まえて、委員会とし
ての評価点を決定した。
- 1 -
4
選定基準
(募集要項に記載している選定基準表を記載)
大
項
目
中項目
1 指定管理業務
実施にあたって
の考え方、運営
方針等
小項目
評価の視点
運営理念や利用者
支援の考え方
・県立施設としての津久
井やまゆり園の役割の
理解及び整合性
配
点
5
利用者の受入
に対する考え方
・施設役割を踏まえた受
入の確保
施設設備及び物品
の維持管理能力
・管理担当者の配置計画
・契約及び執行に係る事
務処理能力
・業務の一部を委託する
場合の業者選定の考え
方
5
重度・重複障害
への対応
・適正な支援水準の確保
5
強度行動障害
への対応
・障害特性の理解及び適
正な支援水準の確保
5
質の高い利用者
サービスの確保
と効率的な運営
の取組
・質の高い利用者サービ
スの確保
・利用者の障害特性やニ
ーズを踏まえた取組に
よる生活の質の向上
・職員配置の工夫
・効果的かつ効率的な業
務執行に向けた工夫
診療所の運営
方針
・日常的な健康管理実施
方法
・夜間等の緊急時の対応
・地域医療機関との連携
・誤与薬及び感染症対策
・業務を委託する場合の
医療機関選定条件
地域サービス
事業の実施
・短期入所事業等、地域
のニーズを踏まえた事
業の実施
・地域との連携体制の構
築方法
指定の基準
(条例、規則)
評価の対象 と
する申請書類
の該当箇所
条例5条1号
条例5条3号 事業計画書
規則6条4号 1、7
条例5条3号
2 施設の維持管理
Ⅰ
サ
ー
ビ
ス
の
向
上
(
5
0
点
)
3 利用促進のため
の取組、利用者へ
の対応、利用料金
- 2 -
5
事業計画書
2
委託予定業務一覧表
法人等に関
する書類
指導監査書類
条例5条3号
条例5条4号 事業計画書
規則6条4号 3、10、11
人員配置計画書
事業計画書
4、10
人員配置計画書
事業計画書
5
5
5
条例5条3号
条例5条4号 事業計画書
規則6条4号 6
大
項
目
中項目
3 利用促進のため
の取組、利用者へ
小項目
県の政策課題
への対応
の対応、利用料金
Ⅰ
サ
ー
ビ
ス
の
向
上
(
5
0
点
)
・県立直営施設入所者の
受入及び地域生活移行
に向けた取組
・加齢児の受入等、津久
井やまゆり園を活用し
た福祉型障害児入所施
設に滞留する加齢児解
消に向けた取組
日常時の安全
管理
・通常の指定管理業務を
行う際の事故防止等の
取組
緊急時の対応
・防災体制、施設内事故
発生時の対応方法
・急病人等が生じた場合
の対応
救命救急士等の配置、
救命に関する職員研修
等
5 地域と連携した
魅力ある施設づくり
ボランティア
の受入・地域
交流等の実施
・ボランティアの受入の
考え方や事業実施への
生かし方
・地域交流、施設開放の
考え方
注1
1 適切な積算
人件費、施設の維持管理費及び事業実施に
要する費用にかかる
・積算の適切性
・積算単価等の妥当性
・公の施設としての社会的責任の視点から
の積算の妥当性
・健全経営の視点からの積算の妥当性
4 事故防止等安全
管理
Ⅱ
管
理
経
費
の
節
減
等
(
2
5
点
評価の視点
)
注2
2 節減努力等
・指定管理料の節減度合いを次の計算式に
より算出。計算値が配点を超える場合は
配点を上限
(積算価格※1-申請書の提案額※2) ×調整
積算価格
係数(5)×20
※1積算価格:県が想定する指定期間内の
指定管理料の総額
※2申請者の提案額:指定期間内の指定管
理料の総額
- 3 -
配
点
指定の基準
(条例、規則)
評価の対象 と
する申請書類
の該当箇所
条例5条3号
条例5条4号 事業計画書
規則6条4号 7
5
事業計画書
8
5
5
事業計画書
9
条例5条3号
条例5条5号 収支計画書
5
事業計画書
13
20
大
項
目
中項目
小項目
人材育成の考え方
評価の視点
・年間研修実施計画と実
施方法
配
点
評価の対象 と
指定の基準
する申請書類
(条例、規則)
の該当箇所
5
条例5条4号
規則6条1号 事業計画書
11
・職員選考方法・基準
事業計画書
10、11
・職員採用数
1 人的な能力、
執行体制
・適切な支援水準を確保
するための職員配置
執行体制
・責任者及び指導的立場
5
にある職員配置の考え
方
・委託業務の執行確認、
指導体制
条例5条5号
Ⅲ
・基本財産及び運用財産
団
体
の
業
務
遂
行
能
力
(
2
5
点
)
2 財政的な能力
財務状況
の管理状況
・借入の目的、規模、内
5
法人等に関
する書類
5
条例5条3号
規則6条4号 法人等に関
する書類
法人独自に規定
した諸規程
事業計画書
1、11、12
容、償還計画
・指定管理業務を実施す
諸規程の整備
状況等
るために必要な法人等
の諸規程の整備状況
・法令遵守の徹底に向け
た取組の状況
3 コンプライアンス、
社会貢献
個人情報保護
の考え方
環境への配慮
障害者雇用促進
の考え方
4 これまでの実績
これまでの管理
運営状況等
・個人情報保護について
の考え方・方針
・個人情報の取扱い状況
・指定管理業務を行う際
の環境への配慮の状況
・障害者雇用等について
の考え方
・社会福祉施設での経営
実績の状況
・津久井やまゆり園と類
似の業務を行う施設で
の経営実績の状況
・社会福祉施設を経営す
る法人等の理事の構成
割合
5
条例5条6号
規則6条2号 法人等に関
規則6条3号 する書類
指導監査書類
役員の経歴書
注1
「適切な積算」の評価について
○ 積算に重大な誤りがある等、提案額に信憑性がない場合、または、積算の内容が法令
の規定に抵触している場合等は、失格となることがあります。
○
積算に重大な誤りは無く、提案額に信憑性があり失格には至らないものの、積算の内
容では、円滑かつ適正な指定管理業務の実施に支障を来たすおそれが極めて高い場合、
「適切な積算」の評価を与えないことがあります。
注2
「節減努力等」の評価について
○「適切な積算」において満点を得た場合にのみ評価します。
○
計算式の算定結果が「節減努力等」の配点を超える場合でも、「節減努力等」の配点
が上限となります。
- 4 -
5
評価結果
評価委員会において厳正な評価を行った結果、提案者の順位は次のとおりであった。
順位
団体名(所在地)
1
社会福祉法人かながわ
共同会 (秦野市)
サービス
の向上
38
- 5 -
選定基準別点数
管理経費の 団体の業務
節減等
遂行能力
9.7
22
合計点
69.7
6
提案概要及び評価の内容
提案者
社会福祉法人かながわ共同会
(1) 提案の概要
1サービスの概要
(1) 指定管理業務実施にあたっての考え方、運営方針等
① 運営理念や利用者支援の考え方
・人権に根ざした利用者本位の考え方に立ち、多様なニーズに対応する支援体制の整
備、サービスの量的、質的充実に努め、利用者と地域社会の繁栄に貢献する。
・多様な障害特性に合わせた支援の実現、人権擁護への徹底した取組及び職員の資質向
上を目指す。また、地域貢献への積極的な取組、在宅障害児等の支援のため地域の関
係機関との連携と相談支援体制の強化を目指す。
② 利用者の受入に対する考え方
・施設入所支援、短期入所ともに、重度重複障害等、民間施設での対応が困難な知的障
害者を積極的に受け入れる。
・強度行動障害対策事業実施施設として培ったノウハウを活用し、障害特性に配慮した
環境整備や支援プログラムの提供に取り組む。
・近隣の在宅障害者の個別ニーズに対応した質の高い活動内容の提供に取り組む。
(2) 施設の維持管理
① 施設設備及び物品の維持管理能力
・施設設備等の維持管理に係る担当者は、常勤事務員2名を配置する。
・施設設備等の維持管理に係る契約及び執行については、法人経理規程に準拠した適
正な処理を行い、公平性・透明性を確保しながら、効率的・効果的な経営に取り組
む。
・これまでの経営のノウハウを活かし、4施設共同入札や業務委託業者に係る情報の
共有化を図ってきた。引き続き、安全と効率化、利用者の生活に配慮したアウトソ
ーシングを導入する。これにより職員増を伴わない業務遂行の維持拡大、人件費削
減に取り組むことができる。
*給食業務 プロポーザルにより、障害のある利用者への食事提供業務に最も相応し
いと評価された業者に委託する。
*診 療 所 現行の委託体制を維持する。また、新たに皮膚科医師を確保して、皮膚
科診療を開始する。
*洗濯業務 現行の委託体制を維持する。地元の社会福祉法人に業務委託しており、
在宅障害者の雇用の場となっている。
*そ の 他 専門的ノウハウを必要とする管理業務(エレベーター保守管理、ボイラ
ー運転保守業務など)は外部委託する。
(3) 利用促進のための取組、利用者への対応、利用料金
① 重度重複障害への対応
・個別の特性に応じたプログラムを設定・提供し、心の豊かさを育む支援に取り組む。
・診療所機能を生かした健康管理体制を充実させる。
② 強度行動障害者への対応
・在宅障害者に係る相談や短期入所に向けての体験等、関係機関と協力の上、速やかな
対応を行う。また、学校や家庭等を訪問し、対応方法について助言し、予防的な支援
に努める。
・入所の利用者へは、ホーム担当職員・日中活動担当職員、強度行動障害対策事業担
当職員、心理担当職員からなる支援チームを組み、支援プログラムの作成、カンファ
レンスの実施、アセスメントの作成を行い、共通理解のもとに支援を進める。
・物理的構造化をすすめ、安心して過ごせる環境を築く。また、視覚的構造化を個別
に実施して、先の見通しが持てる生活を送れるよう支援する。
- 6 -
③
質の高い利用者サービスの確保と効率的な運営の取組
・「人権擁護」に関連する取組に力を入れて継続的に展開しており、職員研修を通して
職員の資質の向上に努め、利用者の尊厳を守っていく。
・現行、第三者委員を設置しており、第三者委員からの提言を受け止めながら、苦情解
決に取り組む。
・行政機関からの依頼に応じ、虐待を受けた障害者の保護に対して積極的に協力する。
・人権擁護の意識向上に努めた研修を企画、開催し、各部署における研鑽など、職員の
質の向上に努める。
・法人内ネットワークシステムを活用しながら、情報の共有に努め、支援に生かす。
・業務を計画的に遂行することや、セクション間の連携を強化することによって、時間
外労働を削減していく。
④ 診療所の運営方針
・現行の医師配置水準を維持する。また、新たに皮膚科医師を確保して、皮膚科診療を
開始する。
・利用者の重度化、高齢化に対応するため、協力医療機関を開拓していく。
・感染症の未然防止、職員及び家族等地域の普及啓発を図り、感染症等の予防接種等に
取り組む。
・夜間の利用者の緊急時には「夜間緊急時対応表」に沿って救急車の要請、家族や看護
師、関係職員への連絡を行い、医療機関と連携しながら、対応にあたる。
⑤ 地域サービス事業の実施
・重度・重複障害等、対応が困難な知的障害者の短期入所を積極的に受け入れる。
・相模原市自立支援協議会の事業や相模原市基幹相談支援センターへの協力を行う。
・津久井養護学校との積極的な情報交換、学校運営への協力など、緊密な連携を図る。
・体育館を活用して定期的に地域コンサートを開催するなど、幅広い方々に楽しんでい
ただける企画を計画する。
⑥ 県の政策課題への対応
・県立県営施設から移行する利用者も含めて、入所施設からの地域生活移行に取り組む
(平成27年度末までにグループホーム開設の予定あり、さらに地域生活移行を進め
る)。
・県立直営施設を長期的に利用している方の受入ニーズにこたえていくための支援体制
作りに取り組む。
・神奈川県の障害福祉政策に沿った対応ができるよう、加齢児の受入など計画を立てな
がら行う。
(4) 事故防止等安全管理
① 日常時の安全管理
・防災委員会を設置して、防災訓練、防災研修を定期的に行い、災害対応力の向上を図
る。また、適宜マニュアルの見直しを進める。
・事故防止マニュアルや感染症対策マニュアルなどに基づき、対応する。
・応急手当普及員を配置し、また、計画的な職員の資格取得を進める。救命救急講習会
を定期的に開催する。
・事業継続計画を策定する。
② 緊急時の対応
・大地震対応マニュアル、火災対応マニュアルなどに基づき、緊急時にも対応する。
(5) 地域と連携した 魅力ある施設づくり
① ボランティアの受入・地域交流等の実施
・日常生活から行事、環境整備等、様々な場面でボランティアを積極的に受け入れる。
・ボランティア担当者を配置する。
・体育館を開放して、定期的に地域コンサートを開催する。
・千木良小学校児童との合同清掃活動に取り組む
・地元消防団への職員の参画により、消防団活動を積極的に推進する。
・会議室・体育館・プールの施設開放、公用車ほかの備品等の貸出を行う。
- 7 -
2管理経費の節減等
(1) 適切な積算
・障害者支援施設及び短期入所の利用料、診療収入、受託事業収入などの収入をこれま
での実績を考慮して積算するとともに、人件費、事務費、事業費などの支出について積
算を行った。
(2) 節減努力等
・提案額 374,024千円
(県の積算額 392,374千円)
節減率 = (1 -( 374,024千円 ÷ 392,374千円 ))× 100 ≒ 4.7%
(392,374千円 - 374,024千円)÷ 392,374千円 ×5 ×20 ≒ 4.7点
3団体の業務遂行能力
(1) 人的な能力、執行体制
① 人材育成の考え方
・これからの施設経営は、いかに職員を確保し、人材育成を図り、良質のサービスを提
供できるかということ。そこで、次の3カテゴリーの研修を行う。
*法人主催研修として、常勤職員を対象とした階層別研修を年1回必修で行う。
また、法人内の別の施設での実務を体験する研修を行う。他に、採用前研修などを
行う。
*施設主催研修として、園内研修、人権擁護・セラピューティックホールド研修、た
んの吸引等の実施のための研修会などを行う。
*外部研修として相談支援従事者初任者研修・現任研修、サービス管理責任者養成研
修などを行う。
・さらに、資格取得を支援する取組を行う。
*社会福祉士等の受験資格に必要なスクーリングの職務専念義務免除。
*第二種衛生管理者資格等の取得経費の一部法人負担。
② 執行体制
・職員採用は法人事務局と施設で協力して取り組む。応募資格を規定して、定期採用と
臨時採用を行い、バランスのよい安定した支援体制の確立を図る。
・人員配置(カッコ内は非常勤者の内数)
職
名
園長
総務部長
ほか総務部員
支援部長
ほか支援部員
診療所課長
ほか診療所員
合 計
配
置
数
内
訳
1名
1名
14名(10名)
事務8名、栄養士1名、宿直員3名、洗濯担当2名
1名
134名(17名)
課長6名、生活支援員123名、ケースワーカー2名
強度行動障害担当2名、心理担当1名
1名
10名(7名)
162名(34名)
看護師7名、歯科衛生士2名、事務1名
*課長、ホーム長には経験者を配置する。
(2) 財政的な能力
・貸借対照表、財産目録等において示している。
(3) コンプライアンス、社会貢献
① 諸規程の整備状況等
・経理規程、給与規程、職務権限規程、文書管理規程ほか、諸規程、要領を法人として
作成している。
- 8 -
②
個人情報保護の考え方
・個人の尊厳を保つ上で個人情報の保護が重要であることに鑑み、保有する個人情報の
適正な取扱いの確保に関し、個人情報保護要領を定めている。個人情報の保護のため
の県の施策に協力を図る。
・個人情報保護要領に記載されている内容を個人情報保護要領運用指針に定め、適切な
運用を図る。別途、書類等の取扱い等について留意事項を定めた個人情報保護に関す
る職員マニュアルを作成している。
③ 環境への配慮
・神奈川県環境配慮方針を遵守し、自主的かつ積極的に環境負担を可能な限り低減させ
るよう取り組む。
・環境配慮実施要領に基づき、各セクションに環境配慮担当者を配置する。また、各環
境配慮担当者に指示を出す環境配慮責任者を配置して、環境に対する保全・改善を図
る。
・具体的な取組として、物品等の調達はグリーン調達に努めて、再生紙等利用率の向上
を図る。また、冷暖房の適正な温度設定や節水、昼休みの原則消灯、待機時消費電力
の削減、ウォームビズの励行、リユース・リデュース・リサイクルの推進、エコドラ
イブの推進などを図る。
④ 障害者雇用促進の考え方
・障害のあるなしに関わらず、その能力と適性に応じた雇用の場に就き、地域で自立し
た生活を送ることができるような社会の実現を目指し、就労環境の整備を図りなが
ら、積極的な障害者雇用に取り組む。
(4) これまでの実績
・津久井やまゆり園
平成17年4月から10年間の指定管理者として管理運営
・愛 名やまゆり園
平成18年4月から10年間の指定管理者として管理運営
・秦 野 精 華 園
平成18年4月から10年間の指定管理者として管理運営
・厚 木 精 華 園
平成18年4月から10年間の指定管理者として管理運営
- 9 -
(2) 外部評価委員会の採点結果
大
項
小項目
配
評価の視点
点
目
各委員による仮採点結果
委員会とし
ての評価点
A
B
C
D
E
5
4
4
3
3
4
4
5
4
5
4
3
4
4
5
5
3
5
3
4
4
5
4
4
4
4
4
4
5
4
4
5
3
3
4
5
3
5
4
3
3
4
5
3
4
5
5
3
4
運営の理念や利 ・県立施設としての津久井や
用者支援の考え
まゆり園の役割の理解及び
方
整合性
利用者の受入に ・施設役割を踏まえた受入の
対する考え方
確保
・管理担当者の配置計画
施設設備及び物 ・契約及び執行に係る事務処
品の維持管理能
理能力
力
・業務の一部を委託する場合
の業者選定の考え方
重度・重複障害
への対応
・適正な支援水準の確保
強度行動障害へ ・障害特性の理解及び適正な
の対応
支援水準の確保
・質の高い利用者サービスの
確保
Ⅰ
サ
ー
ビ
ス
の
向
上
質の高い利用者
・利用者の障害特性やニーズ
サービスの確保
を踏まえた取組による生活
と効率的な運営
の質の向上
の取組
・職員配置の工夫
・効果的かつ効率的な業務 執
行に向けた工夫
・日常的な健康管理実施方法
・夜間等の緊急時の対応
診療所の運営方 ・地域医療機関との連携
針
・誤与薬及び感染症対策
・業務を委託する場合の医療
機関選定条件
地域サービス事 ・短期入所事業等、地域のニ
業の実施
ーズを踏まえた事業の実施
・地域との連携体制の構築方
法
- 10 -
・県立直営施設入所者の受入
及び地域生活移行に向けた
県の政策課題へ
の対応
取組
・加齢児の受入等、津久井や
5
3
4
3
3
3
3
5
4
3
4
4
3
3
5
4
5
4
3
3
4
5
5
5
5
5
5
5
20
4.7
4.7
4.7
4.7
4.7
4.7
5
4
4
4
4
3
4
5
3
4
5
4
3
4
まゆり園を活用した福祉型
障害児入所施設に滞留する
加齢児解消に向けた取組
日常時の安全管 ・通常の指定管理業務を行う
理
際の事故防止等の取組
・防災体制、施設内事故発生
時の対応方法
・急病人等が生じた場合の対
緊急時の対応
応
救命救急士等の配置、救
命に関する職員研修等
ボランティアの
受入れ・地域交
流等の実施
・ボランティアの受入の考え
方や事業実施への生かし方
・地域交流、施設開放の考え
方
人件費、施設の維持管理費及び事業実施に要する
費用にかかる
・積算の適切性
Ⅱ
管
理
経
費
の
節
減
等
・積算単価等の妥当性
・公の施設としての社会的責任の視点からの積算
の妥当性
・健全経営の視点からの積算の妥当性
・指定管理料の節減度合いを次の計算式により算
出。計算値が配点を超える場合は配点を上限
(積算価格[※1]-申請者の提案額[※2])
/積算価格×調整係数(5)×20
[※1]県が想定する指定期間内の指定管理
料の総額
[※2]指定期間内の指定管理料の総額
人材育成の考え
Ⅲ
団
体
の
業
務
遂
行
能
力
(
25
)
方
・年間研修実施計画と実施方
法
・職員選考方法・基準
・職員採用数
・適切な支援水準を確保する
執行体制
ための職員配置
・責任者及び指導的立場にあ
る職員の配置の考え方
・委託業務の執行確認、指導
体制
- 11 -
・基本財産及び運用財産の管理状況
財務状況
・借入の目的、規模、内容、
5
3
5
4
4
4
4
5
3
5
5
4
3
5
5
4
5
4
5
5
5
償還計画
・指定管理業務を実施するた
諸規程の整備状
況等
めに必要な法人等の諸規程
の整備状況
・法令遵守の徹底に向けた取
組の状況
個人情報保護の
考え方
環境への配慮
障害者雇用促進
の考え方
・個人情報保護についての考
え方・方針
・個人情報の取扱いの状況
・指定管理業務を行う際の環
境への配慮の状況
・障害者雇用等についての考
え方
・社会福祉施設での経営実績の状況
これまでの管理
運営状況等
・津久井やまゆり園と類似の業務
を行う施設での経営実績の状況
・社会福祉施設を経営する法
人等の理事の構成割合
合
計
100
69.7
(3) 評価講評
○
サービスの向上に関しては、特に対応が難しい強度行動障害や重度重複障害のある障害
者への専門的な支援など、県立施設として求められる役割を果たすことが今後も期待でき
る。また、当該施設の利用者だけではなく、広く地域の障害者のニーズに応えるサービス
提供が今後も期待できる。
○
管理経費の節減等に関しては、適切な積算が行われており、コスト合理性の点でも、現
行の職員水準を確保した上で、経費の効率化を図り、新たな指定管理料の提案を行ってい
ることは十分評価に値する。
○
団体の業務遂行能力に関しては、きびしい条件下での職員確保、おおむね健全な財務内
容、規程類の整備によるコンプライアンスの確保、障害者雇用等の積極的な取組が認めら
れ、現行の指定期間における実績も十分に評価することができる。
○ 以上のとおり、総合的に評価して、提案内容は必要な水準を満たすものと認められる。
- 12 -
7
議事概要(主要論点)
Ⅰ
サービスの向上
○
障害者支援施設として重要な評価の要素となる利用者への対応については、職員の支
援体制や診療所の運営体制が全般に充実しており、特に対応が難しい強度行動障害や重
度重複障害のある障害者への専門的な支援など、県立施設として求められる役割を果た
すことが今後も期待できる。
また、住まいの場としての生活環境の改善や、一人ひとりの障害の状況を踏まえて、
よりよいサービスを総合的に提供するための計画相談支援についても積極的に取り組む
姿勢が認められる。
○ さらに、障害者支援施設に求められる機能・役割が、当該施設の利用者だけではなく、
広く地域の障害者のニーズに応えるサービス提供まで広がることが期待される中で、当
該施設における短期入所事業などに加え、直接の指定管理業務以外でも、施設周辺で独
自にグループホームや日中活動支援を展開することは、地域生活支援の積極的な取組と
して評価できる。
○ なお、障害の特性などから支援が困難な利用者の地域生活移行や、重要な課題となって
いる加齢児の受入といった県の政策課題への対応は容易なことではないため、関係機関と
十分連携を図り、具体的な方策を確立して取組を進め、着実に成果をあげていく必要があ
る。
○ また、利用者の高齢化、重度化が進み、リスクが高まっていくなかで、地域の関係医療
機関と連携して医療の充実を図るとともに、事故防止のための取組を日常の支援に反映す
る努力を怠らないことが重要である。
Ⅱ
管理経費の節減等
○ 積算は適切に行われており、コスト合理性の点でも、平均的な社会福祉法人の財務指標
と比較し、おおむね適正な水準と認められる。
○ 節減努力等の評価点は比較的低い数値になっているが、評価の基準となる県の積算価格
が現行の指定管理料よりも節減されているなかで、サービスの質を確保するために現行の
職員水準を確保し、その上で経費の効率化を図り、新たな指定管理料の提案を行っている
ことは十分評価に値する。
○ なお、管理経費の評価のあり方に関して、福祉施設と公園などを同様の評価基準で取り
扱うことが妥当であるかどうかについては議論があるところであり、今後、検討が望まれ
る。
Ⅲ
団体の業務遂行能力
○ 県の周縁部に位置し、交通事情がきびしい立地条件の中で職員確保に努力し、財務状況
も健全と認められる。
○ コンプライアンスの面では、個人情報保護などの規程類がよく整備されており、社会貢
献としての障害者雇用や障害者支援施設への業務委託にも積極的である。
○ 県立障害福祉施設として、はじめて指定管理者制度を導入した平成17年度以降の現行の
指定期間における実績は十分に評価することができる。
- 13 -
以上をもって、神奈川県立障害福祉関係施設指定管理者評価委員会における津久井やまゆり園
指定管理者候補の評価結果を報告する。
平成26年7月31日
神奈川県立障害福祉関係施設指定管理者評価委員会
委 員 長
石 渡 和 実
副委員長
髙 橋
委
員
佐 竹 昇 平
委
員
嶋 田 芳 樹
委
員
土 屋 崇 之
温
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