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技術提案書 様式7 設楽町新庁舎建設実施設計業務プロポーザル №3
設楽町新庁舎建設実施設計業務プロポーザル 人と自然が共有する憩いの庭園 地震災害に強い木造における構法への提案 1:基本木質構造計画 人をつなぐ大きな庭園 本庁舎と図書・児童館によるL型の施設配置の中央に町のコミュニティ空間となリ 防災拠点も兼ねた大きな庭園を提案します。庭の中央には設楽町のシンボルツリー であるエノキを配する他、庭園全体には空気浄化作用の大きい常緑樹であるシラカ シ、アラカシを主体に十数種の樹種を配置します。また、アプローチはいろどりの 庭とし、四季の自然を楽しむことのできる変化のある樹種・季節の花を配します。 本庁舎正面のみのりの庭は鳥の集るみのりのある樹種などを配置し、人といきもの の集まる庭を目指します。 本庁舎 また庭には4つのビオトープを各所に設け花壇のある川のせせらぎ(水路)でつな 図書室に面するオープンテラス ぐことにより、利用者が自然を身近に感じられる空間と考えています。その他ビオ 開放的なスペースにより利用者に居心 トープでは子供が中心となって動植物の観測が出来る空間を形成し、親子のコミュ 中庭 地の良い空間を提供する。 ニティスペースとなる他、子供広場等の利用によって新しいコミュニティを形成で 印刷室 出納室 風除室 当直室 WC 花壇 花壇 WC 事務局 きる空間となるように考えています。 議場 花壇 オープンテラス 通路下水路 本庁舎 アプローチ 花壇 花壇 花壇 花壇 通路下水路 町のシンボルツリーであるエノキを中 心にビオトープを配置、市民コミュニ ティの中心となる空間である。また「 図書室 実のなる樹種」により人といきものが みのりの喜びを分かち合う庭となりま す。 ギャラリー図書・児童 アプローチ 主要樹種:ソヨゴ・ヤマモモ・カキ ノキ・ザクロ 等 ビオトープ (観察池) 花壇 交流の場としてのビオトープ。 動植物の観測。親子の交流や官民と の交流の場となります。 花壇 花壇 花壇 花壇 花壇 花壇 花壇 花壇 花壇 花壇 花壇 交流の場となる 子供広場 児童館に面して 子供広場を設け 開放性があり、 子供たちの新た なコミュニティ 空間となります 。 町のシンボル交流の場 庁舎やコミィニティの中心である庭 のシンボルとして、町のシンボルツ リーであるエノキを配置します。 水源塔 子供広場 構造形式は柱・梁部材に大断面集成材を使用した2階建てとし、柱・梁の接合部に異 型鉄筋を挿入した上、接着剤(エポキシ樹脂)を充填・硬化させて接合部を剛接合とす る木質二方向ラーメン構造です。RC造・S造と同等の柱割と耐震性で自由度の高い設 計が可能です。又、金物を露出させない為、金物からの結露の心配がありません。 2:床構面の確保による防音・防振 二方向ラーメンとして外力を負担する場合、各柱・梁が水平抵抗要素として働き、 断面の大小に応じて均等に負担させる為、床はデッキプレート+普通コンクリート厚 60mmによる工法を採用します。これにより床は限りなく剛床仮定に近い構面を実現す る事が可能です。 木質構造の性能で重要な上下階の遮音性能を確保するための床の 振動・撓み・音等の障害軽減に配慮した構造といえます。 3:地震時の安全性への提案 ○接合部及び床構面のイメージ *1 接合部(柱・梁) *2 接合部(床)及び 外周接合鉄筋イメージ イメージ ラグスクリューボルト止め 柱 コンクリートt60 梁 今回建物に求める耐震基準は想定外の地震時も防災拠点として機能する必要があり ます。剛性率・偏心率の規定値を充分満たし、重要度係数1.5とし、地震力に対して十 分な耐震性を確保します。東日本大震災や津波に対しても倒壊しなかった強度+実績 があり、安全性を確保できます。又、躯体部材が木質構造である為、RC・S造に比 べ軽量で靭性もありますですが、今回は弾性域を超え塑性域に建物が変形を起こした 場合でも十分な靭性を有する接合により急激な倒壊を生じない、更なる高靭性タイプ の接合仕様を採用する事により、地震力に対してより有利となります。 4:木造準耐火構造について デッキプレート 鉄筋SD345 (D25) 基礎 柱梁接合部は集成材を 鉄筋で強固に止めます 燃え代 45mm 梁集成材 内部接合鉄筋 外周接合鉄筋 SD345(D25) コンクリート床で剛床を確保 上下階の遮音性を確保、 集成材に外周接合鉄筋挿入 ○構造フレームスケッチ-1(図書館) 梁210×600 5:木造樹種について 水路 花壇 いろどり の庭 ○木質二方向ラーメン構法イメージ (2階建て) 準耐火構造(1時間耐火)では、燃え代45mmや接合具被覆が求めら れます。大断面集成材によってその耐火性能を満足します。たと え外周接合鉄筋が無力となっても、集成材内部に配置する鉄筋で 曲げ耐力、または接合をヒンジ化しても、鉛直荷重で倒壊しない 事で二重の安全性を検討します。 シンボルツリー エノキ 花壇 市民メインアプローチとなるこのエリ 風除室 アは、いろどり鮮やかな樹木により訪 ショウブ れる人をもてなします。また季節の花 と樹木によって、四季を感じられる庭 児童館 となります。 主要樹種:キンモクセイ・カエデ・ ヤマザクラ・コブシ等 風除室 議場 アプローチ 花壇 みのり の庭 市民 花壇 アプローチ せせらぎを感じる 循環する水資源 水路 外部からのアプロ ビオトープ内水源塔により雨水を循 ーチラインに配し 環。水質資源の再利用を致します。 、水との戯れ等か ら自然を感じるこ とができます。 ショウブ シャクナゲ 南側から庭園イメージ №3 基本コンセプト、基本構想・基本設計に対する追加又は修正の提案 3 新平面計画、地震災害に強い安全で安心な施設建設のための提案 技術提案書 様式7 庭をいろどる植物たち 町の花シャクナゲを中心にショウ ブ・アジサイ・パンジー・アサガ オや季節を感じられる樹木の計画 を提案しています。 地産地消を基本とし地元材(杉)の有効利用を考慮します。今回の 材積として約300m3(ラミナ約450m3)程度必要となりますので製材 から乾燥まで地元の森林組合、林材業、市場関係者、地元業者等と協 議し、町産材の利用を積極的に行い、林業の活性化も促します。又、 内装等にも地元材を積極的に採用し、腰板や天井材に杉の製材や間伐 材を使用します。さらにシンボルツリーとして町の木「エノキ」を構 造を負担させない部位に配置します。 6:大断面集成材の更なる利用方法の提案 木質材料を使用する事で大気中のCO2を固定(重量の1/2)する、高性能な 断熱材であり調湿性能があるなどは、木造建築物の特徴としてよく知られて いますが。今回建物は高耐久長寿命な性能を目指した建物ではありますが、 その使用期限については有限であります。そこで今回の試みとして、 1)チップ化による更なるエンジニアウッドへの再利用 2)ペレット化による熱エネルギーへの変換 3)構造部材としての再利用可能性の検討 上記1)2)においては既に実用化されており今回も検討可能です。 3)については50∼100年後解体された大断面部材を他の建て建物への再利用 の方法として 梁210×600 ①接合箇所を極力減らしたシンプル明解な架構での設計 ②劣化を抑えた材料強度の推定 ③数十年後経過後の材料強度の推定 ③部材の材種・強度・製造所 の判る刻印(スタンプ) を検討にする事 も可能です。 柱500×500 ○構造フレームスケッチ-3(議場) 柱500×500 ○シンボルツリー のイメージ ○構造フレームスケッチ-2(庁舎) 梁210×700 柱500×500 スケルトンインフィル(SI)の提案 ●建物の長寿命を重視した工法 ・SI(スケルトンインフィル)とは、建物を100年以上の耐久性を持 つ建物の骨格(S:スケルトン)部分と、10年∼30年程度で変更す る居室等の間取りや内装、設備(I:インフィル)部分とを分離し た工法です。 ・現在の環境・資源問題に取り組むにあたり、建築物を長 持ちさせて継続使用する必要があり、SIはその解決策と して実績があります。 ●フレキシブル対応可能な空間 SI工法 のイメージ ・木質二方向ラーメン構造は耐 I(インフィル) ・庁舎内の内装 力壁・筋交いを使用することな ・電気設備、給排水 く骨組みを形成する為、その都 度の使用用途に応じて内部間仕 切り・内装・設備を自由に変更 配置、交換する事が可能となり ます。将来の「組織改編」や「 S(スケルトン) 高度情報化」などに柔軟に対応 ・柱 ・梁 でき、自由な間取り変更が可能 ・外壁 です。 ・床スラブ等