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第5学年4組 音楽科学習指導案 指導者 1 題材名 言葉を大切に気持ちを
第5学年4組 音楽科学習指導案 指導者 1 題材名 言葉を大切に気持ちをこめて歌おう 教材名 「君をのせて」 宮崎 駿/作詞 久石 譲/作曲 富澤 祐/編曲 (歌唱) 「ハレルヤ・コーラス」 ヘンデル作曲 (鑑賞) 交響曲第5番第1楽章「運命」 ベートーヴェン作曲 「ぶんぶんぶん」(ドイツ民謡) 2 (鑑賞) (鑑賞) 題材について (1) 題材観 音楽集会で三部合唱に取り組み,様々なパートと声を重ねる楽しさを学習した。しかし,音楽 集会ではクラスごとに,パートに分かれて練習に取り組んだため,学級内でパート分けをしてい ない。学級内でパート分けをし,友達と協力し合って練習することを学習させ,パート練習のル ールなどを定着させたいという願いから本題材を設定した。また,6年生を送る会や卒業式が迫 っているため,合唱に対する関心をさらに高めさせたいと考えた。本題材は,跳躍進行があるが, 歌いやすい声域で作曲された楽曲で,パート練習にも容易に取り組みやすく深めやすい教材であ る。 学習指導要領とのかかわり 学習指導要領の内容 「A 表現」 (2) イ 歌詞の内容,曲想を生かした表現を工夫し,思いや意図をもって歌うこと。 ウ 呼吸及び発音の仕方を工夫して,自然で無理のない,響きのある歌い方で歌うこと。 エ 各声部の歌声や全体の響き,伴奏を聴いて,声を合わせて歌うこと。 「B 鑑賞」 (1) イ 音楽を形づくっている要素のかかわり合いを感じ取り,楽曲の構造を理解して聴くこと。 〔共通事項〕 ア (ア)拍の流れやフレーズ 音楽の重なりや和声の響き 音階や調 旋律 音楽を形作っている要素がもたらす音楽の雰囲気を感受し,言葉を大切に気持ちを込めて歌ってい くことをねらいとしている。 (2) 児童の実態 事前調査は以下の内容で行った。(男子 女子 計) ① 歌うことについてどう思いますか。 楽しい・・・90% 楽しくない・・・7% その他…3% [楽しいと答えた児童の理由] 他のパートの人と音を重ねることが楽しい,気持ちが明るくなる,歌えるようになると嬉しく なる,達成感を感じる,歌うとすっきりする,気分が良くなる,つらいことを忘れられる,音 楽がなごませてくれる,クラスで心がひとつになる,一人よりみんなで歌うと楽しい,いろい ろな歌を歌ってみたい,もやもやした気持ちがなくなる,声がそろうと楽しい [楽しくないと答えた児童の理由] 大きく口を開けることが苦手 ② 音楽活動の中で好きな活動は何ですか。 歌唱・・・61% 器楽・・・38% 発声・・・9% 鑑賞・・・41% その他・・・3% [器楽と答えた児童の理由] リコーダーが吹けるようになると楽しい,楽器を触るのが楽しい,リコーダーを吹けるよう になると達成感を感じる,覚えて吹けると楽しい [発声と答えた児童の理由] おもしろい,言葉が楽しい [鑑賞と答えた児童の理由] 音楽のいろんなことが分かって楽しい,歌を聴くと気持ちがスッとする,歌う前に歌う曲を 聴いてイメージしてから歌うのが好き ③ 簡単な楽譜の音名が読める。(問題 4問) 4問正解・・・64% 1問正解・・・0% 3問正解・・・16% 不正解・・・3% 2問正解・・・12% その他…1人 ④ 自分の考えを進んで発表することができる。 できる…22% あまりできない…74% その他…3% 本学級の児童は,男子17名(内わかば学級1名),女子14名で構成されている。どんなことでも 一生懸命,意欲的に取り組むことができるが,全体的におとなしい児童が多く,意欲的な発表も少な い。授業に至るまで,朝の歌や音楽の授業の前に,学級での練習に意欲的に取り組んでいる。そのた め,技能面については,前時の授業で学んだことがしっかりと定着した上で,次の授業に取り組むこ とができる児童が多い。表現豊かに自信を持って,歌うことができる児童が増え,表現面や発声面に おいて,より高いレベルを追求することができる学級である。特に,歌唱においては体全体を使い, よりよい響きを意識して歌うことができる。しかし,声量を上げようとすると,喉に力が入りやすく, 声質が暗くなりがちである。そこで,無理のない脱力した身体で,響く声を出せるような発声を多く 取り入れるようにしている。また,今回の事前調査により,歌うと「気持ちがすっきりする」「明る い気持ちになる」 「もやもやした気持ちがなくなる」といった回答が多く見られた。 この結果から, 「音楽経験を生かして生活を明るく潤いのあるものにする態度と習慣を育てる。」と いう,学習指導要領の目標に準拠できていることが分かった。また,様々な音楽活動のなかでも歌唱 に楽しさや喜びを感じている児童が多い学級である。 (3) 指導観 アニメ映画「天空の城ラピュタ」のテーマ曲で編曲者の富澤 裕さんによって編曲された曲である。ホ 短調で4分の4拍子。A(aa’)B(bc)A(aa’)の三部形式。A では主和音から順次下降する和声進行 が特徴的である。bで a の前半がト長調に転調された後,再びホ短調に戻り,曲の盛り上がりを迎える。 本題材は,児童にとってなじみの深い楽曲であり,歌詞にこめられた場面を想像し,主人公の気持ち になって歌いやすい楽曲である。また,曲の途中から転調していることから,学習指導要領の[共通事 項]である音階や調などの要素について着眼して学習を進めることができる教材である。曲の後半では 4度の跳躍進行が繰り返され,音の高さによって声質が変わらないように気をつけるなどといった,よ りよい発声が追求できる教材である。様々なことが学習できる教材であるが,本時は学習指導要領の[共 通事項]でもある「音階や調」に着眼する。曲の途中から,転調したことによって,曲がどのように変 化したのかを理解させる。 そのことから,どういう思いで歌っていきたいのかという児童の気持ちを大切にしたい。そして題材 名である言葉を大切にして歌うことにつなげていきたい。転調について理解を深めるために,本教材を 移調した曲を聴かせ,調の大切さを理解させる。また,鑑賞教材として,様々な調の曲を聴かせること も大切と考える。 鑑賞教材として,ヘンデル作曲の「ハレルヤ・コーラス」とベートーヴェン作曲の交響曲第5番第1楽 章「運命」とドイツ民謡の「ぶんぶんぶん」の三曲を鑑賞する。様々な調の音楽を鑑賞させることから, 調によって生まれる楽曲の雰囲気の違いを鑑賞する。鑑賞曲のそれぞれの調から生まれる楽曲の雰囲気 を聴き取らせることにより,本題材の転調部分に着眼させたい。また,調に関心を持たせることから, 調によって音楽の雰囲気が変わる,調の雰囲気が変わるという音楽の楽しさを体感させ,表現活動につ なげていくことをねらいとする。 このように,鑑賞活動と歌唱活動を組み合わせて行うことから,音楽を形づくっている要素のかかわ り合いを感じ取り,表現豊かな歌唱活動につなげて,子どもたちの感性を高めていきたい。 3 題材の目標 ・歌詞にこめられた場面を想像し,主人公の気持ちになって歌う。 ・転調の効果と曲想の変化に注意しながら,声の出し方や強弱の表現を工夫し,二部合唱ができるよう にする。 4 題材の評価規準 音楽への関心・ 音楽表現の創意工夫 音楽表現の技能 鑑賞の能力 ① オーケストラの音や ① 音楽を形づくって ① 正 し い音 程 やリ ズ ① 音 楽 を 形づ く って 音楽に対する関心を いる要素を聴き取 ムといった,音楽表 い る 要 素を 聴 き取 もち,鑑賞の学習に り,それらの働きが 現 を する た めの 基 り,それらの働きが 自ら取り組もうとす 生み出すよさや面 礎的な技能を高め, 生 み 出 すよ さ や面 る。 白さなどを感じ取 歌唱している。 白 さ な どを 感 じ取 ② 合唱の音や音楽に対 りながら,音楽表現 ② 呼 吸 及び 発 音の 仕 りながら,曲想とそ する関心をもち,音 を工夫し,どのよう 方を工夫して,自然 の 変 化 など の 特徴 楽表現の学習に自ら に表すかについて で 無 理の な い響 き を感じ取ったり,楽 取り組もうとする。 思いや意図をもっ をもって,基礎的な 曲の構造,楽曲の特 ている。 技能を高め,歌唱し 徴 や 演 奏の よ さを ている。 理解したりして,味 意欲・態度 わって聴いている。 5 題材の指導と評価の計画(4時間扱い) 時間 学習内容と学習活動 支援と評価 ねらい ・教師の働きかけ ○評価規準 ○学習内容 ・学習活動 ☆〔共通事項〕 【評価方法】 ねらい:歌詞にこめられた場面を想像し,主人公の気持ちになって歌う。 第 ○事前調査を行う。 一 次 ・これからどのような題材を学習していく のか伝える。 ○「天空の城ラピュタ」のサウンドトラック を鑑賞する。 ・各場面の「天空の城ラピュタ」のサウンド トラックを聴く。 つ ・各場面のサウンドトラックで拍のはじめ か にボールを回し,曲の速度や雰囲気の違 む いを感じ取る。 ・サウンドトラックを聞きながら,絵本を みて,フィナーレの曲である「君をのせ て」の歌詞に込められた思いを考える。 ・井上杏美さんが歌唱した「君をのせて」を 鑑賞し,意見を発表し合う。 ・「君をのせて」は,「天空の城ラピュタ」の フィナーレの曲であることをサウンド トラックから理解させ,どのように演奏 したらよいかイメージをもてるように する。 ・さまざまなシーンを体全体で表現できる ようボールを使う。 ・五感に働きかけ,イメージしやすいよう に絵本やワークシートを使う。 ・児童の言語活動が充実するよう,子ども たち同士で指名させるなど,児童が主体 的に話し合いを進めるように配慮する。 一 ☆拍の流れやフレーズ (関―①) 時 曲の流れやフレーズに乗って,ボールを ○オーケストラの音や音楽に対する関心 間 回し,拍が生み出す面白さや美しさを感 をもち,鑑賞の学習に自ら取り組もうと じ取ることができる。 する。 【記述,行動の観察】 ○「君をのせて」を斉唱する。 1 ・跳躍進行の部分や付点四分音符のリズム ・正しい音程やリズムで歌唱できるよう, など,音程やリズムが難しいところは, 旋律のピッチを聴き取りながらソプラノ 部分的に練習できるようピアノ伴奏す を全員で歌唱する。 る。 ・同様にアルトを全員で斉唱する。 ・ソプラノの音聴きながらアルトも歌唱で きるようにする。 ・音程が難しい部分は手を使い,音の高低 をイメージさせながら歌わせる。 ・次回のパート分けにつながったり,自分 の声質に合ったパートが見つけられた ☆音楽の重なりや和声の響き りするよう助言する。 二声部の音の重なりやピアノ伴奏の和声 ○各パートの音やしくみに関心をもち,音 進行による音楽の変化を感じ取りながら 楽表現の学習に自ら取り組もうとする。 歌うことができる。 【行動の観察】 ねらい:転調の効果と曲想の変化に注意しながら,声の出し方や強弱の表現を工夫し, 二部合唱ができるようにする。 ○パート練習 ・けじめをもってパート練習に取り組める 第 ・パートに分かれ,役割を決定する。 よう,パート練習のルールを伝え,パー 二 ・集中してパート練習に取り組めるように ト練習のはじめは挨拶から始めること 次 ルールを守る。 ができるようにする。 ・ストップウォッチを使い,時間を意識し ☆音の重なり 声の重なりを聴き,正しい音程で歌唱で 表 現 きる。 1 てパート練習に取り組めるようにする。 ・集中して取り組めるよう短時間練習にす る。 ・言語活動を充実させながら,思考判断し, す よりよい音楽表現につながるよう,パー る ト練習中は助言を控え見守るようにす る。 ・練習の後半では音源に頼らず,同じパー トの人の声を聴いて,正しい音程で歌え 三 るよう,ア・カペラで歌うようにする。 時 (技―①) 間 ○正しい音程やリズムといった,音楽表現 をするための基礎的な技能を高め,歌唱 している。 【行動の観察】 ○パート練習 ・前回より充実した練習ができるよう振り ・ア・カペラで歌唱する。 返ってから本時の活動に入るようにす ☆音の重なり る。 声の重なりを聴き,正しい音程で歌唱で きる。 ○「君をのせて」を朗読する。 ・言葉を大切に歌えるよう,単語のはじめ 1 ・気持ちを込めて歌い,さらに言葉の重み を表現できるよう段階的に練習させる。 に,クラップハンドを入れながら,歌唱 (技―-②) する。 ○呼吸及び発音の仕方を工夫して,自然で ・言葉を大切に歌えるよう,単語のはじめ に,重心移動をしながら歌唱する。 ・単語の始めを意識しながら歌唱する。 無理のない響きをもって,基礎的な技能 を高め,歌唱している。 【行動の観察】 ☆旋律 旋律の中で,言葉の構造から強弱を意識 して歌うことができる。 ○調のしくみを知る ・長調と短調の違いを確認させる。 ・長調と短調の音色の違い ・調色についてイメージを持たせ,楽曲の (「ぶんぶんぶん」) ・楽曲の調について ・様々な音楽と調の色 (「ハレルヤ」 ベートーヴェンの「運命」な ど) 調のイメージにつなげさせる。 ・移調した楽曲を鑑賞させ,調の大切さを 体感させる。 (鑑-①) ○音楽を形づくっている要素を聴き取り, ・移調した「君をのせて」 それらの働きが生み出すよさや面白さ ☆音階や調 などを感じ取りながら,曲想とその変化 1 調から生まれる曲のイメージを感受し, などの特徴を感じ取ったり ,楽曲の構 (本時) それぞれの曲の調の響きの美しさを味わ 造,楽曲の特徴や演奏のよさを理解した うことができる。 りして,味わって聴いている。 【記述,行動の観察】 ○「君をのせて」二部合唱 ・パート練習 ・声を遠くまでしっかり響かせられるよう に,声かけをする。 ・二部合唱 ・全体合唱を聴き,音楽を調整する。 ☆音階や調 (創―①) 調から生まれる曲のイメージを感じ,表 現につなげることができる。 ○音楽を形づくっている要素を聴き取り, それらの働きが生み出すよさや面白さ などを感じ取りながら,音楽表現を工夫 し,どのように表すかについて思いや意 図をもっている。 【行動の観察】 6 本時の指導 (4╱4時) (1) 本時の目標 音から色をイメージして,豊かな音楽表現につなげる。 (2) 本時の展開 過程 ウ ォ ー ミ ン グ ア ッ プ 時 学習内容と活動 支援と評価 配 ○主な学習内容と活動 ・学習活動 ・教師の働きかけ ○評価規準 ☆〔共通事項〕 【評価方法】 ○授業はじめのトレーニング ・楽しく声が出せる早口言葉から,声 15 ・早口言葉 を出すことの楽しさを体感させてか ・姿勢チェック ら,頭声発声へつなげるようにする。 ・ブレストレーニング ・正しい姿勢を授業のはじめにチェッ ・頭声発声 クし,集中して授業に取り組める雰 ・朗読法 囲気づくりをする。 ・1月の歌「えがおでいよう」 ・発声活動と合唱が繋がるように,「君 をのせて」の旋律を使って発声する。 ・体全体に息を入れ,息をしっかりと 出すことを促すことにより,次の発 声へとつなげる。 ・正しい発音で歌唱できるよう,歌う 前に朗読させることにより,発音に 意識を向ける。 ・発声活動での声の響きのまま,合唱 活動につなげていけるよう,意識さ せる。 ・楽曲の調のしくみや長調と短調の違 いを確認させる。 め あ て を も つ 15 ○本時のめあてを確認する。 調の雰囲気をイメージしながら歌おう。 ・長調と短調の音色の違い ・調色についてイメージを持たせ,楽 (「ぶんぶんぶん」) 曲の調のイメージにつなげさせる。 ・楽曲の調について ・移調した楽曲を鑑賞させ,調の大切 ・様々な音楽と調の色 (「ハレルヤ」 ベートーヴェンの「運命」 など) さを体感させる。 (鑑-①) ○音楽を形づくっている要素を聴き取 ・移調した「君をのせて」 り,それらの働きが生み出すよさや ・調の雰囲気を表現するためのテクニッ 面白さなどを感じ取りながら,曲想 クについて ☆音階や調 調から生まれる曲のイメージを感じ, とその変化などの特徴を感じ取った り,楽曲の構造,楽曲の特徴や演奏の よさを理解したりして,味わって聴 それぞれの曲の調の響きの美しさを味 わうことができる。 いている。 【記述,行動の観察】 ・パート練習は児童が主体となって練 表 現 を 工 夫 す る 習が進められるよう,見守る。 ・児童の合唱を聴いて,助言する。 15 ○「君をのせて」二部合唱 ・パート練習 ・二部合唱 ☆音階や調 (創-①) 調から生まれる曲のイメージを感じ, 表現につなげることができる。 ○音楽を形づくっている要素を聴き取 り,それらの働きが生み出すよさや 面白さなどを感じ取りながら,音楽 表現を工夫し,どのように表すかに ついて思いや意図をもっている。 【行動の観察】 (3) 板書の工夫 言葉を大切に気持ちをこめて歌おう 調の雰囲気をイメージしながら歌おう。 この曲何色? 調のしくみ (4) 本時の評価と教師の働きかけ 評価の判断 児童の様子と教師の働きかけ 十分満足できる状況 調の雰囲気から生まれるよさや面白さなどを感じ取り,その調に あった表現ができるように表現を工夫している。 努力を要する学習状況と思われる 表現が工夫できるように,児童の実態に合わせて支援する。 児童に対しての手だて (5) 児童の学習体系 一斉授業時 黒板 パート練習 黒板 アルト ソプラノ 二部合唱 黒板 アルト ソプラノ 指揮