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お 金を 引 き 寄 せ る コ ツ を 知 っ て る か い

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お 金を 引 き 寄 せ る コ ツ を 知 っ て る か い
お金を引き寄せるコツを
知ってるかい?
知 ら ない だ ろ 〜
お金って、
ほしいと思え ば思うほど、
離れていくんだ。
待って 〜 …
お金を好きになるんじゃなく、
お金に好きになってもらわないと、
いくら追いかけてもムダだよ。
だからこの本で 、
お金に好かれる方法を紹介するよ。
も す!
はじめに
はじめに
1週間の食費に300円しか使えなかったら、どうする?
コンビニで何か買ったら、あっという間に消えるよね。安売りスーパーに行っ
て、インスタント麺や食パンを買ってもいいけど、1週間もたせようとすると、
05
1日1食がやっとだな。
ゆ
1か月分でお米を買うという手もあるけど、お米だけで生活するには少ないか
ら、とうてい1か月はもたない。
だから僕は、小麦粉を買った。そして、水で練って茹でて食べた。
味付けは塩だけ。これが意外においしいんだ。いつもニコニコして食べてたの
を覚えてるよ。
小麦粉しか食べられなかったけど、当時は毎日楽しくて仕方なかった。
「当時」というのは、僕が来日してまもなく、 歳のころ。
止められてた。
そのころは笑っちゃうくらい貧乏でね。どのくらい笑っちゃうかというと、1
週間の食費はまさに300円だし、水道代やガス代が払えなくて、しょっちゅう
25
はじめに
暖房器具は、小さな電気ヒーターがひとつ。ナイジェリア生まれだから、冬は
つらくてさ。布団をかぶって電気ヒーターにしがみつきながら、ブルブル震えて
た な。 そ れ で も、 憧 れ の 日 本 で 生 活 で き て た ん だ か ら さ。 も う 毎 日 が 夢 の よ う
だった。
そんな超貧乏だった僕が、お金の本を書くことになったんだから、もう自分で
もビックリだよ。
もう
「お金の本を書きませんか?」という話が来たとき、正直、僕は戸惑ったんだ。
けようと思ったことは、今まで一度もないからさ。
だって、お金を儲
え?「またまた〜、ボビーお金儲けてるんでしょ」って?
出版社の人も、そう言ってたな。
「え、失礼ですけど、すごく稼いでるって話じゃないですか。年収は億を超えて
ると言うし、埼玉と都内に家がふたつあって、千葉に200坪の別荘もあるって、
聞きましたよ!」
よく調べてるなあ。確かに、それは事実なんだよ。
正確には、家はもう1軒あるし、千葉の別荘は建物が200坪で、敷地は10
00坪なんだけど。そして年収は、
「牛300頭分」ぐらい(笑)。
でもとにかく、それは「結果」であって、僕の目的ではなかったんだ。
じゃあ、僕の目的は何だったのかって?
それは、自分の能力を試すこと。どこまで自分ができるのか、チャレンジする
ことなんだ。
いつもバカなことをやってるボビーっぽくない
そうだよなあ。ちょっと照れるよな。
まあ、でもたまには僕も真面目なことをしゃぶって……じゃない、しゃべって
もいいだろう
それで出版社の人に、そう言ったわけ。
「僕は、お金を儲けようと思ったことはないんです。お金を追いかけるより、自
分 の 力 を 使 っ て、 お 金 に 好 か れ る 生 き 方 を す る こ と が ず っ と 大 事 な ん じ ゃ ね え
のって思います」って。
すると、出版社の人は「そうなんですか! 面白いですね。では、そのお金に
好かれる生き方について書いてください!」と言った。なんか軽いよなあ。
06
07
!?
それにお金って、儲けようと思うと儲からないものなんだよ。
お金は好きになるものじゃなくて、好かれるものだから。
!?
はじめに
だ け ど、 そ う い う 話 だ っ た ら こ ん な 僕 で も 書 き た い こ と は い っ ぱ い あ る ぜ! というわけで、この本を書くことになったんだ。
僕が日本でお金の本を書いたと知ったら、故郷の人たちは驚くと思う。
僕の育った家は、隣まで何㎞もある超田舎。今は違うけど、昔は電気が2日間
来ないなんて普通でさ。水道が止まったら、子どもの僕たちが水をくみに行かな
きゃならないんだ。
08
そ ん な 環 境 で、 小 さ な こ ろ か ら 日 本 に 憧 れ て 育 っ た。 ナ イ ジ ェ リ ア と 習 慣 が
まったく違う日本では、戸惑うこともたくさんあったけど、この国で自分の夢を
つかむためにがんばりたいって思いでいっぱいだった。
くわしくは本の中で書くけれど、街頭インタビューがきっかけでテレビに出る
ようになって、それから芸能界で仕事をするようになった。そして、自分で少し
ずつビジネスや投資も始めた。
そうしたら、いつの間にか別荘を買えるまでになっていたんだ。こんなに人生
が変わるなんて、自分でも驚いてるよ。
個くらい理由
1週間の食費が300円だった僕が200坪の別荘を買えるようになったのは
なぜなんだろうと思って、その理由を考えてみたんだ。そしたら
を思いついた。
だったら、投資してくれたものを、何千倍、何万倍にもしてあげないと、申し
お金に好かれるには、毎日どうやって生きればいいか。
せっかく、お金と時間を使ってこの本を読んでもらうわけだろ
僕が今までどんなふうにお金を使ってきたか。
お金を稼ぐアイデアは、どうやったら生まれるのか。
てを、この本に書くよ。
でも、そのコツさえわかれば、お金は必ず向こうからやってくるようになる。
どうしたらお金が寄ってきてくれる人になれるか、今まで学んできたことのすべ
そして、お金に好かれる人になるには、自分が毎日どんなふうに生きていくか
が大事になってくる。
お金が欲しいと思えば思うほど、お金に嫌われる。お金に好きになってもらわ
ないと、いくら追いかけてもムダなんだってこと。
この本ではその
くシンプルだよ。
え? 多いって? そんなの気にしない気にしない。
個の理由を書こうと思うんだけど、僕が伝えたいことはすご
43
!?
09
43
訳ないじゃん
お金に好かれる方法って、ぜんぜんむずかしくないんだよ。毎日が楽しくなる
ことばかりなんだ。ホントだぜ!
お金と仲良くなって、楽しく生きれば、貧乏だったボビーでも夢が叶う。だか
ら、たとえ年収200万円だとしても、きっと夢が叶うってことを伝えたいんだ。
こ の 本 で そ の 方 法 を 知 っ て も ら っ た ら、 お 金 が や っ て く る だ け じ ゃ な く て、
きっと未来がパッと明るくなると思う。
!!
ボビー・オロゴン
……
…………………………………………………………………………………………………………
目 次
そうなるといいな。……いや、絶対そうなるようにがんばって書くからさ。明
日に希望を持って読んでくれよ
2016年1月
はじめに
5
3
0
0
理 由 その
理 由 その
理 由 その
英会話教材の電話営 業をしていたから。
3
バスに
2
1
…
……
…………………………………
…
24
20
人の妻と 人の子どもがいる父が先生だったから。
―― お金よりもお金の手に入れ方のほうに価値があるんだ
理 由 その
六畳一間に 人で住んでいたから。
ハムスターを 増やして牛を買ったから。
理 由 その
4
万円を置き忘れたから。
――「謙 遜」に
「自 信 」が加われば無敵 だよ
………………………………
…
……
……………………………………
28
―― 人生に必要なのは冷静さと判断力、そしてリスク対応だよ
34
5
0
0
……
……………………………………………
―― お金は貧乏を楽しめる人のところにやってくるんだ
4
――「 じゃあ、やってやる!」
と思えたら 必ず成功できるよ
32
36
7
5
10
!!
『 週間の食費が
円だった僕が
坪の別荘を買えた本当の理由』
2 1
0
0
「ロマン」
を追いかけたらお金がついてきた。
章
1
第
―― ピンチのときほどチャンスをつかみやすいんだよ
理 由 その
奥さんが僕を「底値買い」
したから。
―― お金がない人が自分に自 信を持てば最 強 だよ
…
…………………………………………
……
………
結婚して子どもができたのに貯金ゼロだったから。
理 由 その
理 由 その
番目のお母さんがローラーコースターを
家と勘違いしたから。 ………………………………………………………………………………
40
理 由 その
理 由 その
理 由 その
理 由 その
理 由 その
―― 正々堂々と夢を追いかけることがお金 を 引き 寄せるんだ
……
………………………………………………………
―― お金で幸せになるには守るべき“ 順番 ”
があるんだ
お金を追いかけなかったから。
……
………………………………………………
…
…………………
――「ありえない!」という状況は自分が試されているんだと考 えよう
―― 今日足りないものも明日になれば絶対に余るよ
夫婦ゲンカのときにサングラスをかけるから。
―― カラ元気を続ける と そのうちマジ元気になれるよ
…
…………………………………………………………………………
―― ポジティブになれないときは自分に物理的な刺激を与えろ!
……………………………………………………………
…
………………………………………
―― どんなピンチも時間が解決 して くれるから心配 するな
…
…………………………………
――「 ごめんなさい」と 言いながら好き 勝 手やるくらいがちょう どいいよ
所属事務所とトラブルを起こしたから。
馬は何をしなくても水を飲めるから。
激辛料理を食べているから。
格闘技を始めたから。
……
…………………
78
つのスポーツジムに入会しているから。
―― お金のために我慢したらお金がかわいそうだよ
……
……………………………………………
―― 理解してもらえないレベルの刺激で家を楽しい空間にしよう
「 バタバタしてて」と言わないから。
……
………………………………
86
理 由 その
―― 運 動で体に溜まった負の感情 を洗い落とそう
オレオレ詐欺の話を聞くと悲しくなるから。
―― もっとも早い近道は 日1つアイデアを出すことだよ
……………………
…
お金を生むのは「アイデア」
だけだよ。
理 由 その
82
90
理 由 その
理 由 そ の 真面目にしゃべ
ってたらいつの間にか
「変な日本語を話す外国人」
になっていたから。
理 由 その
バイトの先輩に裏切られたから。
お金は楽しく生きている人が好き。
理 由 その
44
48
52
58
62
66
6
4
70
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
74
6
1
96
章
2
第
章
3
第
理 由 その
理 由 その
理 由 その
ゴミ捨てのルールを守らない人に
勇気を出して声をかけたから。
…
……………………………………………………
―― 批判してくる人は考え方や感性が違う人だから気にすることないよ
…
…………………………………………………
―― アイデアを 生む秘訣は
「書くこと」と「シェアすること」だよ
……
…………………………………………………………………
――「誰かに何かしてもらおう」を「自分で何かできないか」に変 えてみよう
カメは木に登れないから。
アフリカ生まれの田舎者だから。
円で買ったから。
……
…………………………………
人生もお金も、
自分で
コントロールすることが大切なんだ 。
を
……
………………………………………
―― パーセンテージで考えるとお金に振り回されなくなるよ
タイ米
円だったから。
――「 何 でも持っている人 」が豊かな人ではないんだ
バイトの時給が
…
………………………………………
家を買う気がなくても物件を探しているから。
―― 転ぶのは問題ない すぐ 立ち上がれないのが問題だよ
…
…………………
118
理 由 その
理 由 その
トラックが交通事故を起こしたから。
……
……………………………………
122
―― 物 事は必ず「 原価」で考えるクセをつけよう
父が一切借り入れをしなかったから。
―― 借金には
「いい借金」と
「悪い借金」があるよ
一晩で牛 頭分のお金を使ったから。
―― 通帳の残高を見て喜んでるうちは半人前だよ
…………………………………………
…
……
……………………………………
いつもスマホやタブレットをいじっているから。
―― 利益の追求よりも自分の予想が当たってるかを気にしよう
…………………
…
――一度はバカ騒ぎ をして後 悔 するお金の使い方をしておこ う
お金よりも自分のことが好きだから。
ライオンになったつもりでいるから。
……
……………
138
理 由 その
…
………………………………………
126
144
理 由 その
理 由 その
理 由 その
理 由 その
―― 投資をやれば人生最 大の勉強ができるよ
世界を動かす神さまになったつもりでいるから。
―― 投 資は「 パズル」、絶 対負けない方法があるよ
100
130
148
理 由 その
2
5
0
0
9
5
0
104
134
152
理 由 その
kg
投資はお金儲けじゃなくて
自分を試す場だ。
理 由 その
10
3
108
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
32
114
章
4
第
章
5
第
アメリカがお父さんで、
日本がお母さんだから。
―― 世界の動きがわかればいくらでも対策が立てられるよ
……
………………………………………………………………
飛んでるチョウを夢中で追いかけていたから。
―― ポリシーを持てば一度の失敗なんて気にならなくなるよ
芸能人だからって毎晩飲み歩いたりしないから。
―― 朝の1、
2時間がその日一日の質を高めるんだ
サラリーマンと駅でケンカしたから。
自分を好きになれば
絶対お金に好かれるよ。
理 由 その
理 由 その
理 由 その
理 由 その
―― 人につられて自分まで悲観的になる必要はないよ
銀行に預けているお金は笑わないから。
―― お金は笑顔を生み出すために使おう
近所の人とカラオケに行っていたから。
…
………………………………………………………
お葬式でも楽しむことが最優先だから。
―― 自分オリジナルのテンションを上げる言葉を持とう
…
………………………………
―― 人を思いやる余裕のない人のもとにはお金は集まってこないよ
「もす!」
って叫んでいるから。
……
………………………
―― 持って 生まれたものを 楽しくこの世に返していこう
残りの人生 年分しか心配していないから。
あとがき
……
…………………………………………………………………………………………………………
―― プリントした紙に生き方をしばられる必要はないよ
10
理 由 その
理 由 その
…
………………
…
…………………
―― 投 資も人生も 本 勝負で3本 取ることを考 えよう
…
………………
164
理 由 その
フンコロガシ、鳥かご、クワガタ……
たくさん持ってるから。 …………………………………………………………………………
年かけて勉強したから。
…
………………………………………
168
5
―― 手間を惜しんだやつから 負けていくんだ
……
………………………………
172
理 由 その
理 由 その
……
………………………………
178
190
理 由 その
10
156
182
194
理 由 その
33
34
35
36
37
38
39
40
41
42
43
160
186
198
202
章
6
第
1
章
「ロマン」
を追いかけたら
お金がついてきた。
第
ブックデザイン
河南祐介(ファンタグラフ)
構成
江藤ちふみ
写真
金田邦男
スタイリング
カナヤマヒロミ
編集協力
株式会社鷗来堂
編集
小野佑仁(サンマーク出版)
章 「ロマン」を追いかけたらお金がついてきた。
1
魚がほしければ魚の釣り方を学べ
僕は子どものころから、たくさんのお金を数えて育ってきたんだ。って
言うと「すげえ、金持ち!」と誤解されるけど、自分のお金じゃなくて、
父親の会社のお金ね。
僕の父は貿易会社を経営してて、僕がまだ7、8歳のころから、土曜に
なると会社に連れていかれ、お金を数える手伝いをさせられたんだ。それ
だけじゃない。売買が成立した後、売上から経費を引いて、利益がいくら
出たかまで計算させられた。まだ小さかったけど、ちゃんと計算できたよ。
商談で人の出入りの多い会社だったから、お金も動く。一日中計算して
はお金を数え、銀行に持っていく。それが、小学生の僕の仕事だったわけ。
ナイジェリアは古いお札が多くて、子どもが数えるのは大変だったけど、
僕はその手伝いが大好きだった。大人に交じって働くのは面白かったし、
お金を数えるのが楽しかった。そのころからお金が好きだったんだな。
ところが、父は子どもにお小遣いをほとんど与えない人でね。どんなに
がんばって働いても、お金をもらったことはなかったなあ。
20
21
理 由 その
お金よりも
お金の手に入れ方のほうに価値があるんだ
ハムスターを増やして
牛を買ったから。
1
第
1
章 「ロマン」を追いかけたらお金がついてきた。
第
一度、それで泣いたことがあってさ。社員にはお金を渡してるのに、僕
にはくれないから悲しくて。すると、こう言われたんだ。
「魚の釣り方を教えてあげるから、自分で釣りなさい。そうしたら、お父
さんより大きい魚が釣れるかもしれないよ」
自分で稼ぎなさいってことだと理解はできたけど、やっぱりお金は欲し
かった。
「なんで、僕は数えるばっかりなんだよ〜。このお金が自分のも
のにならないかな」って、子どもながらに思ったのを覚えてる。
お金の増やし方はハムスターが教えてくれた
それで、めずらしくお小遣いをもらったときに、僕はある買い物をした
んだ。それは、ハムスター。日本だとハムスターはペットだよね。かわい
いしね。でも向こうでは食用だから、ハムスターを繁殖させて売ったんだ。
そのお金で次に買ったのが、ニワトリ。これも増やして市場で売って、
次はウサギを買って、その次はヤギ。そうやって次々に買って増やして売
り、最後は、高校生のとき牛を買ったよ。
牛を飼うって、ナイジェリアではすごいステイタスなんだ。日本で言え
ばベンツを持ってるのと同じくらいかな。大学受験で世話ができなくなっ
たから売ったけど、ハムスターが牛になったんだから、ものすごく効率の
いい投資だった。今思えば、それが僕のはじめてのビジネス体験だね。
さすがに動物を繁殖させて売る子はいなかったけど、ナイジェリアの子
そう じ
どもたちは、みんな働き者。家の掃除や炊事、井戸の水くみなどは当たり
前で、男の子だったら、8、9歳くらいからタイヤ交換なんかもやるよ。
22
23
もちろん僕もひと通りやったし、8歳過ぎてからは、ご飯も自分で作っ
てた。驚くかもしれないけど、アフリカには子どもたちが家の仕事をする
文化があるんだよ。
でも楽しかったし、ハードだったからこそタフになれた。友だちと遊ぶ
時間もあったしね。
寝る、そんな毎日。お腹は空くし疲れるし、もう大変。
2時間歩いて学校に行くんだ。裸足でだよ! 地面が熱くて苦労したよ。
向こうは昼から夕方まで授業だったから、6時に終わって家に帰ってか
ら、また家庭教師と1時間勉強。その後、ご飯を食べて家の手伝いをして
その上うちは父が教育熱心で、家庭教師までつけられてたから、毎日す
ごく忙しかった。まず朝、家庭教師が来て9時〜 時まで勉強した後に、
10
章 「ロマン」を追いかけたらお金がついてきた。
2
父には7人の奥さんがいて、僕も含めて 人の子どもがいるよ。すごい
でしょ。これだけ多いのは、ナイジェリアでもめずらしいかな。
父には、心から感謝してるんだ。それは「魚の釣り方」をちゃんと教え
てくれたから。
父の成功要因は〝 すぐ動いた 〟から
34
こんなふうに、父の頭はいつもビジネスのことでいっぱいだった。世界
今でもコンクリートの卸では父の会社が地域ナンバーワンなんだ。
昔、他の町でコンクリートの家を見た父は、すぐに自分でも扱い始めた。
うちの町には土の家しかなかったから、ぜひ売りたいと思ったんだって。
あんなに成功できたのだと思う。
はいける!」と、インスピレーションを感じたらすぐに動く人だったから、
車、糸、コンクリート、タイヤチューブ……。会社では、いろんな商品
を扱っていたけど、
「次に売れるのは何か」と父は常に考えてたね。「これ
僕は上から3番目だけど、特に、ビジネスについていろんなことを教え
てもらったな。こいつは見込みがあるって、思ってもらってたのかも。
34
24
25
理 由 その
人生に必要なのは冷静さと
判断力、そしてリスク対応だよ
7人の妻と 人の
子どもがいる
父が先生だったから。
1
第
1
章 「ロマン」を追いかけたらお金がついてきた。
第
中を飛び回っていて、現地で見聞きしたことをいつも僕たちに話してくれ
た。 家 族 で 父 の ま わ り に 集 ま っ て、 知 ら な い 国 の 話 を 聞 く 時 間 が 楽 し み
か国近く行ってるしね。
だったなあ。そのおかげで「男は冒険して一人前だぜ!」って思うように
なったのかな。僕も今では、
でも僕のおじいちゃんも、それまで物々交換だったカカオを、はじめて
ビジネスとして本格的に扱い始めた人だったし、ひいおじいちゃんも中東
まで数年かけて徒歩で旅して、貿易の仕事をしてた。
オロゴン家には、ビジネスマンと冒険家の血が代々流れてるんだ。
空が落ちてきても冷静でいられるか?
父に教えてもらったことはすべて、今僕の中で生きている。その中で、
「お父さん、すげえ」って思った出来事を、ひとつだけ話しておこうか。
あるとき、父がヨーロッパで買い付けた車が、新しくできた法律で輸入
できなくなった。それは「左ハンドルの車は輸入禁止」という法律。
そんな法律、急に作るなよと思うけどね。でもそれがわかったとき、す
でにたくさんの車を船で輸送中。これって相当やばい。一緒に仕事をして
いた僕はもうパニックになった。でも、父はこう言ったんだ。
「ボビー、なぜそんなに心配するんだ。もし空が落ちてきたとしても、地
球の上にいるのは、自分だけじゃないだろう」って。
つまり、法律が変わって困ってるのは自分だけじゃないから、冷静にな
りなさいってこと。なるほどと思ったね。
それからどうなったと思う? 父はすぐ、荷揚げ先を隣国のベナンに変
更するよう指示した。それで、ハンドル交換ができる職人を 人ほど、ベ
だから、ある程度のリスクは考慮して、転んだときに傷が浅くて済むよ
うリスクヘッジしながら勝負する。これが大事なんだ。
たとえばビジネスの場合、リスクがなかったらみんなそのビジネスをや
るから、競争は激しくなるし、利益も薄くなるよね。
僕は、
「ああ、冷静さと判断力ってとても大事なんだな」って、このと
き学んだ。そして同時に、人生にはリスクがつきものなんだと。
も利益を出すことができたよ。
ルに変えて事なきを得た。もちろん、その分経費はかかったけど、それで
ナンに送り込んだ。そこで1か月寝泊まりさせて、すべての車を右ハンド
10
26
27
50
章 「ロマン」を追いかけたらお金がついてきた。
3
頭は使われるものではなく使うもの
─
。
父が話してくれた世界中の国で、断然輝いていた国。それが、日本
とくに、新幹線や関西空港の話に、少年ボビーはワクワクした。だから、
大人になって初めての来日で関空に着いたときは、超うれしかったよ。
実は、大学の経済学部を卒業したときは、銀行に入ろうと思ったんだ。
そうしてたら、日本に来ることもなかっただろうな。ボビーが銀行員なん
て 今 考 え る と 笑 っ ち ゃ う け ど、 当 時 は マ ジ だ ぜ。 お 金 を 数 え る の が 好 き
だったから、ずっと数えていたいと思ったんだ。
でも、父から「人間は、自分の頭を使うべきだ。でも、人から使われる
のではなく、自分自身で使ったほうがいい」と言われて父の会社に入るよ
うに勧められたわけ。それに、人のお金ばかり数えてても、自分のお金は
増えないなと思ったし。
それから、父と海外を回りながら、たくさん勉強した。
物の目利き、交渉術、人の見抜き方……。唯一の不満は、お給料がちゃ
んともらえなかったことくらいかな。
28
29
理 由 その
「謙遜」に「自信」が加われば
無敵だよ
バスに500万円を
置き忘れたから。
1
第
1
章 「ロマン」を追いかけたらお金がついてきた。
第
「ビジネスを教えてやっているのだから、給料をもらうのはおかしいだろ
う」ってのが、父の考え。だから、給料代わりに分けてくれた商品を自分
で売って利益を得ていたんだ。
落とした500万円が返ってくる国は日本以外にない
「日本人は、世界
で、話を元に戻すと、父はとにかく日本をほめてた。
で も ダ ン ト ツ で 信 頼 で き る 」 っ て。 そ れ で、 年 に「 糸 を 買 い 付 け て こ
い」と父に言われ、やる気満々で憧れの国日本に1人でやってきたんだ。
が! そのとき、事件は起きた。リムジンバスの中に、買付資金500
万円とパスポートを忘れたんだ。あり得ないだろう ほんと、焦ったぜ。
な文化、世界中のどこにある 少なくとも、今まで僕が見てきた他の国
にはなかった。僕も今、日本人としてこの国にいる以上、この美しい習慣
さらに、謙遜文化というものがあるよね?
「自分はあとでいいから、あなたがお先にどうぞ」と人に譲る文化。こん
日本では、落とし物は返ってくるし、バス停ではちゃんと並ぶし、それ
だけでも世界に誇れると思う。
から、毎回殴り合いだよ。じゃあ、女性は大丈夫? と思うかもしれない
けど、アフリカでは女の人のほうが怖いよ。格闘家も真っ青だぜ!
きちんと並んでいること(笑)
。向こうだったら、「自分が先に」って思う
日本に来て驚いたことは、まだあった。それは、バス乗り場でみんなが
きたんだよ! 「なんてすばらしい国だろう。お父さんの言ってたことは
本当だった」と感激したね。
ところがなんと、拾った人が交番に届けてくれて、無事そのまま戻って
もし、ナイジェリアだったら、財布を落として戻ってくる確率は1割く
らいかな。500万円も落としたら、残念だけどあきらめるしかない。
!?
でも正直に言えば、ビジネスをやる上では、この謙遜文化は不利なんだ。
ビジネスは、スピードとアピール力、そしてアタック力が大切だから、
自信を持って自分たちのよさをプレゼンしないと、どんどん追い越されて
しまう。実際アフリカでも、日本の存在感は以前に比べたら薄くなってる。
それでも、
「メイドインジャパン」は、今もみんなの憧れだよ。だから、
日本人はもっと自信を持って、世界に出ていっていいと思う。日本人の国
民性に自信がプラスされたら、絶対、無敵だからさ。
30
31
95
を守れたらいいなと思う。なかなかできなくて、悔しいときも多いけどね。
!?
章 「ロマン」を追いかけたらお金がついてきた。
4
買付資金をパチンコで使い切ったら人生が変わった
1度目の来日ですっかり日本を気に入った僕が、2度目にこの国を訪れ
たのは、3年後。今度は、タイヤのチューブを買付に来たんだ。
でも、そのとき知り合った人に「パチンコやると儲かるよ」って言われ
て、やってみたら面白くてね。気がついたら、買付資金を全部使ってた。
「今すぐ帰ってこい!」と怒った。でも、「わかった、帰
父はもちろん、
る、帰る」と言いながら、結局そのまま残ることにしたんだ。
だって、日本が楽しかったんだよ! ゲームセンター、カラオケ、六本
木、それからいろんなスポーツ……。父が僕たちに話してくれたみたいに、
日本でできることをすべて楽しんで、向こうに帰ってみんなに話したいと
思ったんだ。何十日でも話せるくらい、ネタを仕込まなきゃって。
それで、日本で知り合った仲間と部屋を借りて、働き始めたの。製紙工
場、ティッシュ配り、レストラン……。いろんなところで働いたなあ。
その中で一番大変だったのは、英会話教材の電話営業かな。
日本語は片言でいいって言うから始めたけど、本当に売れなかった。用
32
33
理 由 その
「じゃあ、やってやる!」
と思えたら
必ず成功できるよ
英会話教材の
電話営業を
していたから。
1
第
1
章 「ロマン」を追いかけたらお金がついてきた。
第
意 さ れ た 紙 を 見 な が ら、
「 オ イ ソ ガ シ イ ト コ ロ ス ミ マ セ ン。 ワ タ シ ハ
……」って話し始めると、いつも「けっこうです。ガチャン!」。心が折
れたね。
常に自分をスーパースターだと思いなさい
それでも、当時は若くて何も考えてなかったから、毎日楽しむことだけ
が大切だった。怖いものなんてない。なんでもやってやるぜって思ってた。
職場では自由奔放すぎて、嫌われてはいないけど、あきれられてたかも
しれないな。次に何をするかわからないところもあったし、仲間から「ボ
ビーは、日本では絶対成功できない」と言われたこともあったよ。
でも、やっぱり自分としては、ストレスなく生きていたいと思ってたか
ら、何を言われてもあんまり気にしなかったなあ。
そのころはわからなかったけど、自由なときが一番頭が働くと思うんだ。
そして、やってることを楽しんでたら、無理しなくても、自然に成長で
きるんだよ。だから、
「成長しよう」とか「成績を上げよう」と思って、
自分に嫌なプレッシャーをかけたことは、当時から一度もない。
でもね、さすがに英会話教材の営業は大変だった。売れないからお給料
も少なくて、2着のスーツを着回して靴もボロボロ。
さすがに2着しかないと恥ずかしいから、当時つきあい始めてた今の奥
さ ん の ジ ャ ケ ッ ト を 借 り た こ と も あ る。 も ち ろ ん 着 ら れ な い か ら、 ジ ャ
ケットを手にかけて出社したよ。そうすると、自分の服に見えるだろう
で、そのうち後輩のほうが売れ始めたりするわけ。すると、なんだかな
あって、さらにつらくなった。それである日、会社まで行って「また今日
も𠮟られるな」と思うと、どうしても足が進まなくなって、玄関の前で座
り込んでしまった。会社の人には申し訳ないことをしたけど、その日にや
めたんだ。結局、その会社には9か月お世話になった。
日本人だったら、こういうとき、深刻に悩むかもしれないよね。「オレ、
何やってるんだろう」って。でも、ナイジェリア人の国民性もあると思う
けど、僕は悩まないの。
成 功 で き な い と 言 わ れ て も、 い い 成 績 を 出 せ な く て 会 社 を や め て も、
「人生の主役は誰?」って考えたら、自分自身でしょ。自分の人生を生き
るんだから、僕が自信を持たなきゃ誰が持つの? 「オレは自分の人生の
スーパースターだ」っていつも思ってたし、今も思ってるよ。
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!?
章 「ロマン」を追いかけたらお金がついてきた。
5
1週間300円の食費でも未来はめちゃくちゃ明るい
僕にいいところがあるとすれば、どんな状況でもポジティブでいられる
ことだと思う。
「はじめに」にも書いたけど、日本に来たころはすごく貧乏で、1週間の
食 費 が 3 0 0 円 だ っ た。 今 と 違 っ て ガ リ ガ リ に や せ て た け ど、 毎 日 楽 し
かったから、ぜんぜん気にならなかったね。
だって、憧れの国日本で生活してるんだから、仕事がつらくても、朝起
きただけで、
「あぁ、オレは幸せだなあ」って思えたわけ。せっかく日本
に来られたのだから、このチャンスをムダにしたくないと思ってた。
当時は6畳の部屋に4人で住んでたから、寝るのも命がけだったよ。仕
事の都合に合わせて交代で寝るんだけど、油断すると、出勤していくヤツ
に踏まれる。だから、いつも隅っこにいたな。4人そろうと居場所がない
から、夜中に何時間も散歩に行くこともあった。
それでも、
「未来は明るいなあ。きっといいことある」っていつも思っ
てた。もちろん、今もそう思ってるよ。
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理 由 その
お金は貧乏を楽しめる人の
ところにやってくるんだ
六畳一間に
4人で住んでいたから。
1
第
1
章 「ロマン」を追いかけたらお金がついてきた。
第
300円しかなくても1億円持ってる人より幸せ
「貧乏生活は苦しかったでしょ」って言われるけど、お金がないからって
下を向いていたことは、人生で一度もないんだ。
確かに貧乏だったけど、自分が食事できるだけですごくありがたかった。
本当に苦しい人っていうのは、ご飯を口に入れても受け付けないんだ。
食事がもう喉を通らないから、食べたくても食べられなくなるの。
そうすると、どんなに助けてあげたくても、どうしようもない。もし日
本の人たちがあの光景を見たら、きっと泣くと思うよ。
僕は、そんな大人や子どもをアフリカでたくさん見てきた。
アフリカには、1日数時間しか電気が来ない場所や、何時間も歩いて水
くみに行かないと、一滴の水も飲めない場所がまだたくさんある。
だから、来日したとき、日本はなんて恵まれている国なんだって、すご
く感激したね。そして、そんな日本で生活できるだけで、ただうれしかっ
た。
「この国で自分の夢をつかむんだ」って思うと、希望が湧いてきた。
た と え 1 億 円 持 っ て て も、 自 分 が 満 足 で き な け れ ば、 そ の 人 は い つ も
「お金が足りない、どうしよう」って思わなきゃいけないよね。
幸せを感じられるかどうかは、持ってるお金の額じゃなくて、気持ち次
第なんだ。当時の僕は、お財布に300円入ってるだけで、自分はすごい
お金持ちだと思えた。
アフリカに、こんな言葉がある。
「もっとも幸せな人は、最高のものをすべて持っているわけではない。彼
らは、すべてのものを最高にしているだけだ」
欲しいものをすべて持ってるから、それで幸せになるとは限らなくて、
今持っているもので満足してうれしくなれる人が、ハッピーだってこと。
だから、たとえ今の状況が客観的に見て苦しかったとしても、それでく
さったり、自分を見失ったりせずに、自分の持ってるもので幸せになるに
はどうすればいいかってことを、考えるべきじゃないかな。
でも、お金が欲しいと思うこと自体は、決して悪くない。日本には、自
分の能力を使って稼ぐ道がたくさんあるし、チャンスにあふれている。
それって、すごいことだよ。そんな最高の国に住んでるんだから、みん
なポジティブに生きようぜって思うんだ。お金は、楽しく前向きに生きて
るとついてくるからさ。
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章 「ロマン」を追いかけたらお金がついてきた。
1万人受けたオーディションを勝ち抜けた理由
日本にずっと住もうと決めたのは、奥さんと出会ったことがきっかけ。
僕が「もうナイジェリアに帰る」と言ったとき、当時彼女だった奥さんが
「いつ帰ってくるの?」と聞くから、
「わからない」って正直に答えたの。
すると奥さんが「じゃあ、私も行く」と言ったわけ。
「あ、これはもう一度日本に戻ってきて、結婚しなきゃ」と
そのとき、
はじめて思ったんだ。
で、その後結婚して子どももできた。幸せだったんだけど、問題はお金
がないことだった。貯金はゼロ。お給料が安いから、貯まりもしない。
奥さんは子育てで働けないし、おむつ代がないこともあった。
そんなとき、街で偶然取材を受けたことがきっかけで、TBSの「さん
まのスーパーからくりTV」に出るようになったんだ。
あのときは、取材に答えたら5000円くれるって言うから、「ホント
に 」って3回も確認したよ。だって、当時の僕にとって、5000円は
大金だもの。
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6
!?
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理 由 その
ピンチのときほど
チャンスをつかみやすいんだよ
結婚して
子どもができたのに
貯金ゼロだったから。
1
第
1
章 「ロマン」を追いかけたらお金がついてきた。
第
その後、外国人3人がタレントのセイン・カミュさんに連れられて、い
ろ ん な こ と を 体 験 す る「 フ ァ ニ エ ス ト 外 語 学 院 」 と い う コ ー ナ ー の オ ー
ディションを受けないかって、スタッフから声をかけられて出演が決まっ
たんだ。あとで聞いたら、1万人も受けたらしいよ。
なぜ、その倍率で受かったかわからないけど、やっぱりとんがってたの
かな。普段もあのテレビのまま冗談ばかり言ってたから、奥さんの家族は、
「ボビーの頭は相当おかしい」と思ってたはずだよ。
今でも時々「あの番組、面白かったです」って言われるんだけど、超恥
ずかしいよ。
大使館に呼び出されて説教されても気にしない
はじめは、お小遣い稼ぎのつもりのテレビ出演だったけど、そのうち芸
能事務所から声をかけられて、契約したんだ。テレビに出演してはじめて
万円をもらったときは、
「芸能界でがんばれば、少しは家族にラクをさ
せてあげられるかな」とホッとして、すごくうれしかったな。
「何言ってるの。外国人なんて、使い捨て
でも、奥さんは冷静だった。
なんだから! ちゃんとした会社に就職して」と大反対。アフリカについ
ていくと言ってくれたあのかわいい奥さんも、子どもができたら超現実主
義者になってた。だけど、そこで僕は思ったんだ。
「じゃあ、使い捨てじゃないことを証明してやろう」って。
「何言ってんだよ!」って、奥さんに言い返すこともできたかもしれない。
でも、ケンカしたって始まらないだろ
家族を守るために自分ができるかぎりのことをする。それが、僕の基本。
そうしていればチャンスを逃がすことはなくなるし、一度つかんだチャ
ンスを手放すことはなくなるはずだよ。
そう言われても、やめるわけにはいかないよね。生活がかかってるんだ
から。みんなに喜んでもらえるのだったら、そこで最大の努力をする。
恥になるから、テレビでバカなことをするのはやめてください」って。
「バカなボビー」って笑われて、あるとき、ナイ
そんな姿が世間では、
ジェリア大使館から呼び出されたんだ。行ってみたら、「ナイジェリアの
がんばらなきゃって必死だった。
その後、番組内で盛り上がって、格闘技K 1
– にもチャレンジした。今
思い出しても、あのチャレンジは大変だった……。でも、家族がいるから
!?
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章 「ロマン」を追いかけたらお金がついてきた。
7
出産費用が払えず必死に電話営業をしたときに起きた奇跡
実は子どもが生まれるとき、ギリギリまで出産費用が準備できなかった
んだ。まだ英会話教材を売っていたころで、売上がぜんぜんなかったから。
奥さんから出産費用を聞かされたとき、はじめて「あ、オレがんばらな
きゃ」って本気で思った。遅いっていうの!
で も 商 品 は な か な か 売 れ な く て、 と う と う 出 産 予 定 日 に な っ ち ゃ っ た
……。頭の中には、契約を取ることしかない。もう、必死であちこちに電
話したよ。
そうしたら、1件契約が取れて、お客さんが会社まで来て契約書を書い
てくれた。それで、病院代を出すことができたんだ。もうあのときは、こ
れは何かの魔法かと思ったね。あのお客さんのことは、一生忘れないよ。
結婚前からずっと、そんなピンチの連続だったんだけど、なぜか「オレ
の 未 来 は 明 る い 」 と、 い つ も 思 っ て た。「 オ レ と い う 株 を 買 う な ら 今 だ
ぞ」って。誰がどう見ても、
「底値」だけどね。
その明日はどうなるかもわからないボビーを底値で買ったのが、奥さん
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理 由 その
お金がない人が
自分に自信を持てば最強だよ
奥さんが僕を
「底値買い」
したから。
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第
1
章 「ロマン」を追いかけたらお金がついてきた。
第
だ ね。 僕 は 奥 さ ん に、
「オレという紅茶の中の砂糖になってくれません
か?」ってプロポーズしたの。
「は? 何言ってるの?」と聞くから、「いや、いつかオレの言いたいこ
とがわかるから!」って答えたけど、たぶん今もわかってないだろうなあ。
でも、あのころの何にもなかった僕を底値買いしてくれた奥さんは、スゴ
い人だと思うよ。
お金を貯めてから結婚するのは間違っている
「日本でがんばるぞ!」って目はギラギラしていて、いつ
当時の僕は、
も冗談を言ってふざけてた。娘があんなヤツを結婚相手として連れてきた
ら、僕も絶対に反対するよ。
もちろん、奥さんの家族は結婚に大反対だった。だから、うちの奥さん
はすごい勝負師だよね。
でも、子どもができてからも仕事は次々にやめるし、いつもマイペース
だし、
「ああ、この結婚は失敗だったかも」と、思ってたこともあったん
じゃないかな。
」と泣いて𠮟られる。
しかも、仕事をやめるって事前に言うと反対されるから、いつもやめた
後に「オレ、今日仕事やめたから」と報告してたわけ。すると当然、「も
う子どももいるのに、どうするの
「そのうち、必ずオレは大当たりするから」っ
だから、こう言ってたの。
て。
もちろん、成功できる根拠なんてなかったよ。でも、どこに向かうかは
わからないけど、進む先には必ず明かりがあると感じられた。
だから、不安そうな奥さんに、
「どんなふうに当たるかわからないけど、
チャンスは来るから待ってて。これからまた、仕事を探すから」って、い
つも話してた。
そうしたら、あの街頭インタビューがあって、今があるわけ。
よく、
「お金が貯まったら結婚します」と言うでしょ。僕はあれは違う
んじゃないかなあって思う。
結婚してから、お金を貯めればいいんだよ。守るものがあると、人は強
くなる。それに、ゼロからスタートするのは、そんなに怖いことじゃない。
日本に住んでいれば食べるのに困ることはないんだから、将来について
心配しすぎなくていい。楽しんでいこうぜって、みんなに言いたいね。
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章 「ロマン」を追いかけたらお金がついてきた。
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お金持ちになりたい理由がない人が多すぎる
「 お 金 持 ち に な り た い 」 っ て み ん な 言 う け ど、「 な ぜ?」 っ て 聞 く と、
はっきり言えないことが多いんだよね。
「とりあえず、お金が欲しいから」
「大金持ちになってぜいたくしたいか
ら」
。そんなふうに答えるから、いつも不思議でしょうがないんだ。
僕もお金は大好きだけど、必要以上は追いかけないよ。
だって、お金をどれだけ持ってても、自分の食べる分なんてたかがしれ
ているでしょ? たくさん食べたら、おなか壊すだけだもの。8LDKの
大豪邸に住んでても1部屋でしか寝られないし、車を 台持ってても1台
しか乗れない。
でも、買いたいものも決まってないのに、なんで大金持ちになりたいん
だよって思うんだ。お金だけを追いかけて、その先に何があるのかなって。
ら稼げるかを考えて実際に手に入れるのって、狩りみたいで超楽しいし。
もちろん、何か欲しいものが決まっているなら、それを買うためにがん
ばればいいと思うよ。自分の欲しいものをゲットするために、どうやった
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理 由 その
お金で幸せになるには
守るべき“順番”があるんだ
6番目のお母さんが
ローラーコースターを
家と勘違いしたから。
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第
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章 「ロマン」を追いかけたらお金がついてきた。
第
むやみに「お金持ちになりたい!」って思うのは、本当は必要じゃない
ものを欲しいって言ってるのと同じじゃないのかな。
今までとかけ離れた生活をしたときに誰もがする反応とは?
「でも、お金はやっぱり、あればあるだけいい」って言う人もいるよね。
その気持ちもわかるよ。けれど、たとえば今日宝くじで5億円当たった
として、何に使う?
「えーっと」って悩まない? きっと、使い道に困ると思うんだよね。
豪邸を買って、ファーストクラスで海外に行って一流ホテルに連泊して
……。そんなぜいたくもいいけど、やっぱり居心地悪いんじゃないかな。
それまで普通に扱われてたのに、いきなりハイクラスな待遇を受けちゃっ
たら、僕だったら「やばい、オレ病気かな」って思うね。豪邸だって、た
ぶん管理費が大変だよ。
今までとかけ離れた生活をすると、人間って戸惑うものなんだ。
たとえば、以前ナイジェリアに帰ったとき、僕の6番目のお母さんを遊
園地に連れていってあげたの。
そこで、お母さんははじめてローラーコースターを見たのだけど、乗る
前に靴を脱いじゃった。あまりに立派すぎて、家かと思ったんだって。
いや、マジだから! ナイジェリアは、都市部と地方で発展の度合いが
大きく違う国。僕の実家は地方にあるから、いきなり都会の遊園地に行っ
たお母さんはビックリしたんだ。
「身の丈に合う」って言葉が日本にあるけど、いい言葉だと思う。
自分の身の丈に合わないお金を持ってても、扱いに困るだけだもんな。
僕自身は、家族を養って、自分のやりたいことができるお金があればい
いと思ってるんだ。たとえば、子どもたちと自然の中で過ごせる別荘が欲
しいなあと思ったから、がんばってその分のお金を稼いだ。そこで子ども
や仲間と過ごす時間は最高だよ。僕が欲しかったのは、その時間なんだ。
だから、でっかい夢があるなら、その夢を叶えるためにたくさん稼げば
いいと思う。欲しいものがあったら、それが手に入るまで努力する。
でも、ただ「お金が欲しい」と漠然と思ってるだけでは、何に向かって
どれだけ努力すればいいかわからないよね。それに、むやみに「欲しい、
欲しい」と思ってる時間がムダになる。具体的に動くには、まず自分が何
を欲しくて、いくら稼ぎたいのか見極めること。これが大事なんだ。
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章 「ロマン」を追いかけたらお金がついてきた。
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これがないとお金に好きになってもらえない
「お父さんみたいにかっこいい大人になって、ビジネスがした
僕には、
い」っていう夢があった。
小 さ い こ ろ か ら 父 の 仕 事 を 見 て き て、 生 き る た め に は 何 が 大 事 な の か
なって、 歳ごろから考えてたんだ。
恥ずかしいじゃん、言わせるなよ! あ、自分で言ったのか。
お金は追いかけると逃げるけど、不思議なことに、ロマンはいつまでも
待っててくれる。なぜかというと、ロマンはいつでも自分の中にあって、
その世界をつくることが、僕のロマンなんだよ、ロマン。
たいことをやっていこう。自分の世界をつくっていこうって。
だから、大人になったら強い男になって、自分のアイデアや能力を試し
てみたいって思ってたんだ。誰も信じてくれなくても、自分を信じてやり
じゃないかって。空を飛べると思ってたわりには、けっこう早熟だったな。
そして、思ったんだよ。人生で重要なのは、自分のアイデアを実行して、
完成させること。それができたうれしさを、自分の強さに変えることなん
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理 由 その
正々堂々と夢を追いかけることが
お金を引き寄せるんだ
お金を追いかけ
なかったから。
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第
自分自身が大切にしていれば、決してなくならないものだから。
だから、みんなも自分のロマンを見つけて追いかけようぜ!
そうしたら、必ずお金が集まり始める。お金は、ロマンを追いかけて人
生を楽しんでる人のところにやってくるものだから。
自分で自分を疑うのは悲しすぎる
といっても、こんなふうに感じる人が多いのも知ってるよ。
「自分は投資やビジネスをやってるわけでもないし、ロマンと言われても
ピンとこないな」
「ロマンとお金、本当につながるの?」……。
ロマンって、こんなふうに言うこともできるんだ。
大好きなことや、やりたいこと。人生でこうやって生きていきたいと思
うこと。それから、いつか実現したい夢や、こんなふうになれるといいな
という憧れ。
僕のまわりには、ロマンを追いかけて成功した人がたくさんいるよ。
スポーツ選手、タレントや俳優、アーティストたち、いろんなビジネス
をやってる仲間たち……。
彼らは、お金を追いかけてきたわけじゃないんだ。
「一流サッカー選手になりたい」
「いい女優になりたい」「自分の歌をたく
さんの人に聴いてほしい」と思って努力を続けただけ。
「自分の能力をビジネスの世界で試したい」と思って働いただけ。
すばらしい試合をするから、人を感動させる芝居や歌が届けられるから、
お金がついてきたんだよね。そして、自分のアイデアをビジネスにして、
その分だけ人の役に立ったから利益が出るんだ。
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「でも、特別な才能がある人しか無理でしょ」「夢物語を食べては生きら
れないよ」って言いたくなる? ノー! チッチッチ!
もっと自分に自信を持ったほうがいいんじゃないかな。せっかくこんな
夢の国に生まれてきてるんだからさ!
アフリカの田舎者で、テレビの収録では怒られてばかりのボビーが、な
んとか、
「まあ、今のところ、いいんじゃねえの」って結果が出せたのは、
自分を疑わなかったからだと思うんだ。
自分で自分を疑ったら、悲しすぎるだろう
自分を一番信じてあげら
れるのは誰かって言ったら、やっぱり自分自身しかいないよ。
だから、自信を持って正々堂々とロマンを追いかけよう。
!?
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