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優秀賞(北海道新聞社賞) 番 切なこと

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優秀賞(北海道新聞社賞) 番 切なこと
優秀賞(北海道新聞社賞)
⼀番⼤切なこと
美唄市⽴美唄中学校三年
林
体が不⾃由だから出来るわけがない。そう私
は、勝⼿に決めつけてしまっていた。
ゆうか
⽀援の⼦を⽀えるどころではない。そんなとき
クラスの中⼼にいる⼈たちが私たちの気持ちを
ある⽇の帰りに担任の先⽣から
盛り上げてくれ、だんだんみんなの⼼が⼀つに
「今回の体育祭は特別⽀援の⼦は競技によっ
なっていった。そして隣のクラスよりも跳べる
て出場しないという話があった。」
ようになった。みんなの⼼が⼀つになったこと
と聞いた。そのとき私は、もし特別⽀援の⼦が
で特別⽀援の⼦が失敗してしまっても声をかけ
出ないで優勝出来たとしても素直に喜べないの
て⽀えることが出来た。そしてついに本番。⾵
ではないかなと思った。すると
も強く初めはあまり思うように跳べなかった。
「でも先⽣は今回の体育祭、特別⽀援の⼦と
でも、何度も励まし合ったことで練習でも跳べ
全ての競技⼀緒に出たほうが良いと思ってい
なかった回数を跳ぶことが出来た。そのとき私
る。」
たちは今まで以上に喜び合った。さらに、総合
私は担任の先⽣の考えに賛成だった。みんな
優勝も出来、すごく嬉しかった。そして私は特
で⽀えれば優勝出来ると思ったからだ。そして、
別⽀援の⼦がいても、みんなで励ましながら⽀
クラス全員で優勝したいと思った。クラスのみ
えることでみんなと同じことも出来るというこ
んなも担任の先⽣の考えに賛成で私たちのクラ
とを感じた。
スは特別⽀援の⼦も全ての競技⼀緒に出場する
ことになった。
この体育祭、クラス全員で特別⽀援の⼦を⽀
えることが出来たからこそ優勝でき、最⾼の思
私たちの学校の体育祭には⻑縄跳びという種
い出になったのだと思う。そして私は、
「みんな
⽬がある。⻑縄跳びは全員がひとつにならない
で⽀え、励まし合うことが⼤切。」これを改めて
と⻑くは続かない。私はこの種⽬が⼀番⼤変で
強く感じた。
はないかと思った。そして私はこの種⽬こそ特
今まで私は体が不⾃由だから、となんでも勝
別⽀援の⼦を⽀えなければならないと思った。
⼿に決め付けていた。これも差別と同じことだ
それから毎⽇昼休みや放課後、⻑縄跳びを中⼼
という事に気が付いた。差別はだめだ、と⼝で
に練習した。初めは⼀回も跳べなかったがお互
⾔う事は簡単だが、⾃分を⾒直してみると差別
い励まし合いながらたくさん練習した。私たち
と同じことをしている⼈も多いと思う。私はこ
のクラスはなかなかうまく跳べず、隣のクラス
の体育祭で⾃分が差別と同じことをしていたと
はどんどん跳べるようになっていった。そのこ
いうこと、体が不⾃由でもみんなで⽀えれば私
ろからみんなの⼼が離れていき、練習も最初の
たちと同じことが出来るということを感じた。
ころに⽐べてやる気がなくなっていった。私は
私はみんなで⽀え、励まし合うことが⼀番⼤
このままではだめだ、と思った。でも私は何を
切で、これが平等に⽣きるということだと思う。
することも出来なかった。こんな状態では特別
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