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RNA測定による血液を用いた大腸癌検診法の実用化研究

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RNA測定による血液を用いた大腸癌検診法の実用化研究
拠点名:名古屋大学
文部科学省 橋渡し研究加速ネットワークプログラム
RNA 測定による血液を用いた
大腸癌検診法の実用化研究
プロジェクト責任者 金子 周一(金沢大学医薬保健研究域医学系)
臨床検査で重要な末梢血液
血算:赤血球、白血球、血小板
好中球
血清:生化学検査
(AST, ALT, 腫瘍マーカー)
単球
マクロファージ 好酸球
T細胞
B細胞
背景:RNA 測定による血液を用いたがん検診法の研究
宿主防御免疫機構
比較的簡便な
検体採取
末梢血液白血球細胞
好塩基球
NK細胞
特定の遺伝子を測定すれば
がんが診断できることを確認する方法
Training Set
(TR72)
cRNA 合成
44000遺伝子から
使用できる2665遺伝子
に絞り込み
癌症例 59例
健
常人 13 例
スキャナによる
マイクロアレイ
データの取り込み
末梢血2.5cc を
採取
44,000
遺伝子を測定
Validation Set
(Valid 81)
膵臓癌
17例
上下部消化管内視鏡検査とその結果
・CEA 2.2
・CA19-9 47(32 2010人間ドック)
・PET-CT, MRI, MRCP
66/67
(98.5%)
① Expression Index
陽性例
13/14
(92.9%)
④階層クラスタリング
陰性例
陽性
陽性
陰性
*
膵癌
大腸癌
CEA
陰性検体
0 陰性例
切除後
切除後
陽性例
大腸癌スクリーニング便潜血検査の感度
早期大腸癌
27
検診対象者における大腸癌陽性的中率
便潜血反応 陽性的中率 0.1~3% *1
腫瘍マーカー(CEA) 陽性的中率 4%*2
便潜血検査においては、偽陽性は避けられず、早期がんのみでなく、進行がんであっても偽陰性例が存在する。
血液mRNA測定による大腸癌検出体外診断用医薬品開発による
大腸癌スクリーニング率の向上
体外診断薬承認、検診への普及
全大腸内視鏡
病院
日消誌2012;109:1156-1165
*2.日本臨床検査医学会
北陸地区18施設の大腸癌検診実態調査結果
医師主導臨床性能試験・薬事承認申請体制
病院
委託
便潜血陽性でがんが見つかる率
有症状でがんが見つかる率
無症状でがんが見つかる率
その他でがんが見つかる率
早期
早期
早期
早期
4.9%
1.4%
1.0%
2.1%
早期がん
259
54.3%
107
22.4%
36
7.5%
75
15.7%
477
516
進行
進行
進行
進行
3.3%
4.4%
0.7%
3.9%
進行がん
172
25.4%
340
50.2%
25
3.7%
140
20.7%
677
743
*株式会社A社
*株式会社B社
(製品開発・検査業務)
体外診断用医薬品
・薬事承認申請
PMDA
文科省
解析データ
体外診断用医薬品
・相談
予算
CRO
株式会社CTD
臨床性能試験
事務局
支
援
名古屋大学
先端医療臨床研究支援センター
・臨床性能試験計画作成等
・プロジェクト進捗確認
・データマネジメント
・生物統計・統計解析
・EDC構築
・モニタリング、監査
出願特許
特願2014-265859
発明の名称
遺伝子発現解析による大腸癌の検出
[その他評価項目]
①CEA検査における陽性的中度・陰性的中度
②腺腫と診断された被験者における感度・特異度
「 RNA 測定による血液を用いた大腸癌検診法」
実用化ロードマップ 研究期間内 (H26-28)と終了後の工程
H26年
項目
H27年
H28年
H29年-
I.医師主導治験の実施
金沢大学
大学院医薬保健学総合研究科
附属病院消化器内科
付属病院先端医療開発センター
治験参加病院
医師主導
臨床性能
試験プロト
コル作成
多施設医師主導治験実施
(大腸癌100例、非大腸癌100例)
*参加各施設倫理
委員会申請
(参加予定病院は先の
臨床研究を実施済み)
・症例登録
・治験実施
・データ管理
・モニタリング
・監査
・生物統計解析
評価
主要評価項目
・「 RNA測定による血液
を用いた大腸癌検診法」
感度・特異度
副次的評価項目
・一致割合、陽性的中率、
陰性的中率
(株)キュービクス
支援:名古屋大学医学部付属病院先端医療臨床研究支援センター
(支援業務:・プロジェクト進捗管理 ・試験計画作成 ・データマネジメント ・統計解析 ・モニタリング ・試験物製造 ・監査)
II.非臨床試験
試験のまとめ
承認申請
・性能、機能、輸送・保管等、測定値に対する配慮など
A社
III.医薬品・医療機器総合機構への相談
金沢大学附属病院
先端医療開発センター
名古屋大学
先端医療臨床研究支援センター
・体外診断用医薬品臨床評価相談
・体外診断用医薬品臨床評価相談
・体外診断用医薬品品質相談
・体外診断用医薬品臨床性能試験相談
開発前相談
検診実用化
便潜血陽性
有症状
無症状
その他
合計
割合
25.8%
38.3%
18.0%
17.9%
21,173
[主要評価項目]
大腸癌検出の感度、特異度
腫瘍マーカー
(CEA)
体外診断薬承認
・臨床性能試験計画作成等 ・生物統計
・論文発表
・各倫理委員会承認
・症例登録受付
・症例管理
■実施予定施設の大腸癌検診実態調査(2013年8月~2014年7月の検診状況)
例数
5,239
7,759
3,655
3,622
20,275
便潜血反応
測定による血液を用いた大腸癌検診法
RNA
金沢大学
 大学院医薬保健学総合研究科
 附属病院消化器内科・先端医療開発センター
検体収集
RNA解析
北陸地区18施設の調査結果
[対象]
全大腸内視鏡検査実施し、大腸癌
の有無の確定診断された者
[副次的評価項目]
①便潜血検査における陽性的中率・陰性的中率
②m-RNA検査における陽性的中率・陰性的中率
大腸癌を対象とした医師主導臨床性能試験
「 RNA測定による血液を用いた大腸癌検診法」の大腸癌検出感度を
主要評価項目とした臨床性能試験を行う
*1.日本消化器病学会
全大腸内視鏡
RNA測定による
血液を用いた大腸癌検診法
[目標対象者数]
大腸癌 100例、非大腸癌 100例
進行大腸癌
切除前
RNA測定による血液を用いた大腸癌検診法の医師主導性能試験
医師主導性能試験計画
消化器癌
*P=0.000001 **P=0.00001
CA19-9
陽性検体
切除前
18.1
12.5
胃癌
本法
33.3
陰性
検査検体
51.4
27.3
25
陽性
PCA-3次元
陽性検体
800
*
*
切除後
(5か月後)
陰性検体
1200
**
**
陽性例 陰性例
切除前
CA19-9:47→22
PCA解析
検査
検体
100
*
83.3
**
検査を実施
ポリープ切除前後の血液遺伝子発現変化
消化器癌における従来の検査法(腫瘍マーカー)と本法の陽性率の比較 (本法開発時の結果)
100
S状結腸にポリープ2ヶ
③消化器癌変動遺伝子判定
特異度
2006年特許出願
2011年成立
(特許番号4953334号)
2010年8ヶ国にPCT出願
カナダで成立
100
ポリープを内視鏡で切除、病理
ポリープに内包する大腸癌
② SVMによる判定
陽性
2665
RNA測定による血液を用いた大腸癌検診法の実用化研究
100
上部消化管には潰瘍瘢痕
末梢血液遺伝子発現による判定
感度
従来の開発者が発明できなかった要素:
採血方法(サンプル採取と処理こそが最重要)、質の良い多数サンプルによる確認(従来は品質の悪いサンプル)
100
90
80
70
60
50
40
30
20
10
0
Cancer Res 2008
tub1, carcinoma in adenoma
データ解析
健常人
13例
・Ubiquitin-proteasomal
ストレス応答
proteolysis and ER
炎症反応
・mRNA processing
・Antigen presentation
・Response to hypoxia and oxidative stress
癌症例67例
健常人14例
Validation
Set
(Valid 81)
癌症例と
健常人との
比較
胆道癌
8例
RNA 回収
症例:50歳男性
大腸癌
12例
シグナル 強度の
数値化
免疫応答
癌浸潤細胞
腫瘍病変は検知されず
2,665遺伝子
を用いて解析
胃癌
22例
末梢血細胞
がん局所に浸潤している炎症細胞と
末梢血単核球はよく似たRNA発現を示す
直径1cmのがんでも数千万個以上の細胞がある。免疫系が応答し、ストレスや炎症反応がみられた。
血液中の免疫担当細胞のRNAを測定、評価すれば、がんの存在診断ができる
(血液中の、がんが作りだすタンパクや、がん細胞由来のRNAを測定しているのではない)
がんを検出する血液検査に用いる遺伝子の特定
パクスジーン
RNA採血管
J Hepatology 2010
血液中の単核球に発現しているRNAを調べることによって脂肪組織、肝臓、心臓、
筋肉、血管、がんなどの疾病の状態を把握することが可能であった
がん組織
豊富な生体内情報
採血から測定と解析:
特定の遺伝子を抽出する方法
Diabetologia 2004 Obesity 2008 BBRC 2007
A社・B社
相談
A社
国際展開(欧州および北米)
血液メッセンジャー RNA 測定診断薬「大腸がん診断用キット(試験薬コード KaNa-Co01)」による診断システム
RNA 自動抽出装置
リアルタイム PCR 装置
検査キット(プロトタイプ)
血液 mRNA 大腸癌診断アルゴリズム「遺伝子発現解析による大腸癌の検出」(特願 2014-265856)
名古屋大学医学部附属病院
中部先端医療開発円環コンソーシアム
Chubu Regional Consoortium for Advanced Medicine
先端医療・臨床研究支援センター
CAMCR
Center for Advanced Medicine and Clinical Research
Nagoya University Hospital
Fly UP