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2007年8月

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2007年8月
ロンドン事務所
【財務省による地域レベルの経済開発、地域開発に関する見直し作業の結果報告書が
発表に】
英国
イ ン グ ラ ン ド 8 地 域 ( ロ ン ド ン を 除 く ) 1に お け る 経 済 開 発 、 地 域 開 発 の 見 直 し 作 業
の 結 果 報 告 書 が 2007 年 の 7 月 17 日 に 発 表 さ れ た 。こ れ は 、2007 年 秋 発 表 予 定 の「 2007
年 包 括 的 支 出 見 直 し ( CSR)」 2 に そ の 内 容 を 反 映 さ せ る こ と を 目 的 に 、 財 務 省 が 中 心
となって作業が行われてきたもので、コミュニティー・地方自治省及び貿易・産業省
( 現 ビ ジ ネ ス・企 業・規 制 改 革 省 )と の 密 接 な 協 力 の も と 、統 括 責 任 者 で あ る ジ ョ ン ・
ヒ ー リ ー 財 務 省 金 融 担 当 大 臣 ( 当 時 ) 3の 指 揮 下 で 進 め ら れ た 。 そ の 他 の 省 か ら も 幅 広
い 協 力 を 得 、 民 間 企 業 、 地 域 審 議 会 ( Regional Assemblies)、 地 域 開 発 公 社 ( RDA)、
地方自治体、その他の公的団体なども意見を呈示した。
報告書は、イングランドの地方分権推進における権限と責任の所在を再設定する計
画の概略を明らかにした。この計画の目的は、全ての人が経済成長の恩恵を享受でき
るようにするため、地方自治体の役割を強化していくことである。報告書は、地域の
繁栄維持と都市の経済活動の再活性化、産業界とのより効率的な協働、企業と企業成
長の効果的な支援を目指して、地方自治体の権限とインセンティブの強化を行うとし
た 。 こ れ に よ り 、 イ ン グ ラ ン ド 全 土 で 都 市 の 経 済 再 生 ( economic renaissance) が 促
進されることが期待されている。
報 告 書 は 、2010 年 以 降 、自 治 体 が 、管 轄 区 域 を 越 え た よ り 広 い 地 域 に お け る 優 先 事
項の決定に対して、従来より遥かに大きな権限を付与されるのに併せ、地域審議会は
段階的に廃止されるとしている。コミュニティー・地方自治省は、今年末までに、地
域審議会廃止後の新たな取り決めについて協議することとしている。
8 地 域 毎 に 、雇 用 、経 済 成 長 、住 宅 、都 市 計 画 、環 境 に つ い て 各 分 野 に ま た が る 単 一
戦略が初めて策定されることになる(現在は、各分野で独自に膨大な数の戦略が策定
さ れ て お り 、内 容 が 重 複 し て い る こ と も あ る )。各 地 域 を 代 表 し て 単 一 戦 略 を 策 定 す る
のは地域開発公社になり、産業界、地方自治体、労働組合、教育界、環境団体、慈善
団体などと広範な協議を行った上で作成していく。この戦略策定の第一段階として、
地 方 自 治 体 は 、管 轄 地 域 の 開 発 に 向 け た ビ ジ ョ ン を 示 す 提 案 書 を 作 成 す る こ と と な る 。
1
政 府 地 域 事 務 所 (Government Offices)の管 轄 エリアに対 応 する 8 地 域 。各 地 域 に地 域 開 発 公 社 (RDA)があ
る。
2
毎 年 度 の予 算 とは別 に発 表 される予 算 の 3 ヵ年 計 画 のこと。2007 年 に秋 発 表 される 2007 年 版 は 2008 年 度 か
ら 2010 年 度 までをカバーする。
3
現地方自治担当大臣。
1
単一戦略の草案が完成したら、地方自治体のリーダーの承認を経て、一般に公開し、
意見を募る。地方自治体はまた、地域開発公社の業務に対する監視面でより大きな役
割 を 担 う こ と に な る 4。
報告書の主要な提案は下記の通りである。
・ 「 近 隣 地 域 再 生 資 金 ( Neighbourhood Renewal Fund)」 5 を 、 貧 困 が 最 も 著 し い
地域により集中させる。
・ 管轄地域の経済情勢と経済的課題を分析するという新たな責務を地方自治体に負
わ せ る 。こ れ に よ り 、地 方 自 治 体 が 、経 済 政 策 に お い て 明 確 な ビ ジ ョ ン を 持 ち 、リ
ーダーシップを発揮する一助とする。
・ 都 市 圏 に 存 在 す る 複 数 の 地 方 自 治 体 が 、「 地 域 連 携 協 定( Multi-Area Agreements、
MAAs)」 6 を 利 用 し て 、 効 果 的 か つ 説 明 責 任 を 有 す る 形 で 協 働 す る こ と 、 及 び よ り
恒久的な形で経済的責任を分担することを支援する。
・ 「 地 域 資 金 割 当 ( Regional Funding Allocations)」 7 を 拡 大 す る こ と に よ り 、 交
通 、地 域 再 生 へ の 投 資 を 含 め 、地 域 向 け 予 算 配 分 に つ い て 地 域 の 発 言 権 を 強 化 す る 。
・ 地 域 開 発 公 社 の 役 割 を 地 域 の 経 済 成 長 促 進 に 集 中 さ せ る 。地 方 自 治 体 に よ る 地 域
開 発 公 社 の 監 視 機 能 を 強 化 し 、中 央 政 府 に よ る 地 域 開 発 公 社 の 業 務 管 理 機 能 を 簡 素
化 、強 化 す る 。地 域 開 発 公 社 は ま た 、可 能 な 場 合 は 、地 方 自 治 体 に 資 金 を 移 譲 す る
ことが期待される。
・ 中 等 学 校 内 の シ ッ ク ス・フ ォ ー ム 、シ ッ ク ス・フ ォ ー ム・カ レ ッ ジ 8 及 び 継 続 教 育
カ レ ッ ジ ( Further Education College) 9 の 14∼ 19 歳 向 け 課 程 に 対 す る 資 金 は 、
学 習 ・ 職 業 技 術 協 議 会 ( LSCs) か ら で は な く 、 地 方 自 治 体 の 教 育 目 的 補 助 金 か ら
提供されるように変更する。
・ 政 府 に よ る 小 規 模 企 業 向 け 支 援 ス キ ー ム の 数 を 2010 年 ま で に 100 以 下 に 減 ら す 。
これにより、企業支援における地域開発公社の役割を拡大する。
政 府 は 1997 年 以 降 、地 域 へ の 意 思 決 定 権 移 譲 を 目 的 と し た 多 く の 措 置 を 実 行 し て お
4
尚 、政 府 は現 在 、下 院 に各 地 域 担 当 の特 別 委 員 会 を設 置 し、地 域 開 発 公 社 の業 務 を監 視 させることを検 討 中
である。
5
地 域 再 生 を目 的 とした政 府 の補 助 金 。イングランドの 88 の自 治 体 が対 象 。
6
主 に経 済 成 長 促 進 を目 的 に複 数 の自 治 体 が行 政 区 画 を越 えて連 携 することを約 する新 協 定 。2006 年 10 月 発
表 の地 方 自 治 白 書 「コミュニティーの強 化 と繁 栄 のために(Strong and Prosperous Communities)」で導 入 が提 案
された。
7
地 域 向 け予 算 配 分 について地 域 からアドバイスを求 める財 務 省 の仕 組 み。
8
シックス・フォームは大 学 進 学 希 望 者 向 けの 2 年 のカリキュラム。中 等 学 校 に設 置 されたシックス・フォームのコー
スに通 う場 合 と、シックス・フォームの専 門 学 校 であるシックス・フォーム・カレッジに通 う場 合 がある。
9 義 務 教 育 修 了 者 を対 象 とした教 育 機 関 の総 称 で、職 業 訓 練 学 校 、各 種 専 門 学 校 、地 域 のコミュニティ・カレッ
ジなどを含 む。大 学 (university)は含 まれない。
2
り、地方自治体と地域の政府機関は、経済成長促進と貧困削減という政府の目標を達
成すべく権限を付与されてきている。しかし、まだ足りないというのが政府の考えで
ある。政府は、イングランド内で最も経済状況の悪い6地域とその他の地域との格差
を 縮 め 、そ の 6 地 域 を 国 内 平 均 レ ベ ル に 押 し 上 げ る こ と に よ っ て 、英 国 経 済 に 年 間 600
億 ポ ン ド 程 度 ( 約 13 兆 8000 億 円 ) の 利 益 を も た ら す こ と が で き る と 説 明 し て い る 。
(参考)
www.hm-treasury.gov.uk/newsroom_and_speeches/press/2007/press_79_07.cfm
【大量住宅供給を目指す政府の住宅政策緑書】
英国
コ ミ ュ ニ テ ィ ー・地 方 自 治 省 は 7 月 23 日 、イ ン グ ラ ン ド の 住 宅 政 策 に 関 す る 緑 書「 未
来 に 向 け た 住 宅 づ く り:
よ り 安 価 で 、よ り 持 続 可 能 な 住 宅 建 設 に 向 け て( Homes for
the future: more affordable, more sustainable)」を 発 表 し た 。緑 書 は 、「 2020 年 ま で
に 300 万 戸 の 住 宅 を 新 規 に 建 設 す る 」 と い う ブ ラ ウ ン 首 相 の 目 標 10 を 達 成 す る た め の
大胆な政策方針転換の一環として、新たな投資や到達すべきターゲットなどを提案し
たものである。緑書の提案が実行されれば、経済格差、住宅格差解消の取り組みが加
速 し 、コ ミ ュ ニ テ ィ ー と そ の 住 民 に 大 き な 利 益 が も た ら さ れ る も の と 期 待 さ れ て い る 。
緑 書 に 含 ま れ た 提 案 の 一 つ に 、 2010 年 度 ま で に 、 適 正 な 値 段 の 住 宅 ( affordable
housing)を 少 な く と も 年 間 7 万 戸 建 設 す る と い う も の が あ る 。こ の う ち 4 万 5,000 戸
は 公 営 住 宅 で あ り( 2004 年 度 の 2 倍 以 上 )、ま た 今 年 秋 に 発 表 さ れ る「 2007 年 包 括 的
支 出 見 直 し ( Comprehensive Spending Review、 CSR)」 11 で は 、 2008 年 度 か ら の 3
年 間 、 年 間 5 万 戸 の 公 営 住 宅 を 建 設 す る と の 目 標 が 盛 り 込 ま れ る 。 CSR に は 、 こ れ ら
住 宅 の 供 給 費 用 と し て 、 2008 年 度 か ら 2010 年 度 か ら に か け て 80 億 ポ ン ド ( 約 1 兆
8,400 億 円 )を 投 資 す る こ と も 明 記 さ れ る 。こ れ は 、現 在 の CSR の 計 画 期 間 で あ る 2005
∼ 07 年 度 に 比 べ て 30 億 ポ ン ド ( 約 6,900 億 円 ) 多 い 額 で あ る 。 緑 書 は さ ら に 、 新 規
住 宅 建 設 に 合 わ せ た 交 通 イ ン フ ラ 整 備 に 向 け 、 3 億 ポ ン ド ( 約 690 億 円 ) を 投 入 す る
ことも提案している。
英国各地が今年、洪水による壊滅的な被害を受けたため、洪水被害のリスクが高い
地域への住宅建築に対する批判に応えるべく、新築住宅を洪水から守るための新たな
ルールと、それらルールの遵守状況を厳しく監視することも提案した。住宅建設計画
10
7 月 12 日 、ブラウン首 相 が新 政 権 による初 めての立 法 プログラムを公 表 した際 に明 らかにされた。
11
毎 年 度 の予 算 とは別 に発 表 される予 算 3 ヵ年 計 画 。今 秋 発 表 される 2007 年 版 は 2008 年 度 から 2010 年 度 ま
でをカバーする。
3
に つ い て 環 境 庁 ( Environment Agency、 EA) と 協 議 す る こ と を 地 方 自 治 体 に 義 務 付
け、自治体が環境庁の助言にかかわらず計画を実行しようとする場合は、政府は自治
体の決定に対する拒否権があると記している。
緑書に掲げられた提案は、①より迅速に、より多くの住宅を建設すること、②適正
な価格の住宅をより多く建設すること、③住宅設計に環境への配慮をより多く取り入
れること――という3つの原則に基づいたものである。これらの原則を踏まえた緑書
のその他の主な提案は下記の通りである。
・ 地方自治体がコミュニティーで必要とされている住宅を建設するための新たなイ
ン セ ン テ ィ ブ と ガ イ ダ ン ス を 導 入 す る 。 そ の 一 つ が 、「 住 宅 ・ 計 画 供 給 補 助 金
( Housing and Planning Delivery Grant)」の 新 設 で あ り 、こ れ は 、自 ら が 直 面 し
て い る 課 題 を 理 解 し 、少 な く と も 開 発 に 5 年 間 を 要 す る 土 地 を 有 す る 地 方 自 治 体 に
交付される。
・
地 方 自 治 体 が そ の パ ー ト ナ ー と と も に 、「 新 地 方 公 営 住 宅 供 給 公 社 ( New Local
Housing Companies、LHCs)」を 設 立 す る 。こ の 公 社 の 設 立 に よ っ て 、ロ ン ド ン か
ら リ ー ズ 市 ま で の エ リ ア に 約 3 万 5,000 戸 の 住 宅 を 新 た に 建 設 で き る と 見 積 っ て お
り、その少なくとも半分は適正な価格の住宅となる。地方自治体は土地を提供し、
土 地 の 価 格 上 昇 に よ る 利 益 は 、 新 地 方 公 営 住 宅 供 給 公 社 と 分 担 す る 。「 イ ン グ リ ッ
シ ュ ・ パ ー ト ナ ー シ ッ プ ス 」 12 が 財 政 的 、 技 術 的 支 援 を 引 き 受 け 、 土 地 開 発 業 者 が
資金と技術を提供する。
・
民 間 の 土 地 開 発 業 者 に よ る「 ラ ン ド バ ン キ ン グ( landbanking)」 13 防 止 を 狙 い と し
た 新 た な 措 置 を 導 入 す る 。政 府 は 、建 築 許 可 ル ー ル を 厳 格 化 し 、建 築 許 可 取 得 か ら
3年以内に基礎工事の大半を完了させることを開発業者に義務付けるべきかどう
か の 検 討 を 行 う 。ま た 、土 地 所 有 者 が 誰 で あ る か が 継 続 的 に 開 示 さ れ る よ う 、会 計
ルールを厳格化すべきかについても検討する。
・
住 宅 供 給 数 の 増 加 を 希 望 す る 地 方 自 治 体 に 財 政 支 援 を 行 う 政 府 の プ ロ グ ラ ム「 新 成
長 地 域 ( New Growth Points)」 を イ ン グ ラ ン ド 北 部 に も 拡 大 す る 。
・
「 地 域 空 間 戦 略 ( Regional Spatial Strategy、 RSS)」 に つ い て 小 規 模 な 見 直 し 作
業を行い、全国的に、地域、地方ごとの住宅供給数目標を引き上げる。
・
金 銭 的 価 値 に 見 合 う ( value for money) と 認 め ら れ る 場 合 は 、 地 方 自 治 体 が よ り
柔 軟 に 公 営 住 宅 を 建 設 す る こ と が で き る よ う に す る 。地 方 自 治 体 に よ る 新 た な 公 営
住 宅 の 建 設 を 規 制 す る 規 則 を 修 正 し 、自 治 体 が 建 設 し た 公 営 住 宅 の 家 賃 全 額 及 び 公
営住宅の借家人への売却で得られた売却金の全額を留保することを自治体に許可
す る 。 な お 現 在 は 、 売 却 金 の 一 部 は 中 央 政 府 で プ ー ル さ れ 、 住 宅 公 社 ( Housing
12
地 域 再 生 業 務 を担 う政 府 の外 郭 公 共 団 体 (Non-Departmental Public Body)。
13
将 来 的 に需 要 の見 込 める土 地 を開 発 前 に購 入 し、土 地 の値 上 がりを待 って売 却 する不 動 産 投 資 の手 法 。
4
Corporation) が 新 た な 公 営 住 宅 の 建 設 に 活 用 し て い る 。
・
業 績 の 良 い 地 方 自 治 体 に 、政 府 の 住 宅 補 助 金 を 受 給 で き る 機 会 を よ り 多 く 与 え 、住
宅供給を増やす。
・
「 コ ミ ュ ニ テ ィ ー 土 地 ト ラ ス ト( Community Land Trust)」を 新 た に 14 ヶ 所 に 設
置 し 、適 正 価 格 の 住 宅 供 給 数 を 増 や す 。コ ミ ュ ニ テ ィ ー 土 地 ト ラ ス ト は 、独 立 の 非
営 利 ト ラ ス ト で 、地 域 の 事 情 に 合 わ せ て 様 々 な 形 態 を と る こ と が で き る も の で あ る 。
・
地 方 に お け る 適 正 な 価 格 の 住 宅 供 給 数 を 増 や す 。供 給 数 の 達 成 目 標 は 、初 め て の 住
宅 購 入 支 援 を 目 的 と し た 地 方 自 治 体 向 け ガ イ ド ラ イ ン と と も に 、今 年 後 半 に 明 ら か
にされる。
・
家 の 価 値 の 17.5% 分 に 相 当 す る 金 額 を 政 府 が 家 の 購 入 希 望 者 に 貸 し 出 す 新 た な 低
金利のローンを創設し、住民にとって初めての住宅購入を支援する。
緑書はまた、イングランドの地方自治体及び土地開発業者に対し、少なくとも5つ
の 「 エ コ ・ タ ウ ン 」 創 設 申 請 を 提 出 す る よ う 呼 び か け て い る 。「 エ コ ・ タ ウ ン 」 と は 、
二 酸 化 炭 素 ( CO2) 排 出 量 が ゼ ロ と な る よ う に 設 計 さ れ た 街 で 、 政 府 は 今 回 の 緑 書 と
同時に、エコ・タウン創設計画とエコ・タウンの基準などを概略した目論見書を発表
し た 。 緑 書 は 、 2016 年 ま で に 、 一 つ の エ コ ・ タ ウ ン に つ き 5,000∼ 2 万 戸 の 住 宅 を 建
設 す る 計 画 を 示 し て い る 。政 府 は ま た 、設 計 コ ン ペ テ ィ シ ョ ン の 開 催 に よ っ て 、エ コ ・
タウンの建築面での水準を高める狙いである。
緑 書 は さ ら に 、「 2016 年 ま で に 全 て の 新 築 住 宅 の CO2 排 出 量 を ゼ ロ と す る 」と の 目
標 を 改 め て 繰 り 返 し た 。中 間 目 標 と し て 、「 2010 年 ま で に 、全 新 築 住 宅 の CO2 排 出 量
を 2006 年 規 定 比 で 25% 減 、 2013 年 ま で に 同 44% 減 と す る 」 こ と を 目 指 し て い る 。
(参考)
www.communities.gov.uk/index.asp?id=1002882&PressNoticeID=2466
【9 自治体にユニタリー化の許可下りる】
英国
コ ミ ュ ニ テ ィ ー ・ 地 方 自 治 省 は 2006 年 10 月 、 地 方 自 治 白 書 「 コ ミ ュ ニ テ ィ ー の 強
化 と 繁 栄 の た め に ( Strong and prosperous communities)」 の 中 で 、 イ ン グ ラ ン ド の
二 層 制 地 域 内 で 、一 層 制 の 自 治 体 で あ る ユ ニ タ リ ー( unitary)へ の 自 発 的 再 編 を 望 む
自 治 体 は 、 そ の 旨 を 申 請 す る よ う 呼 び か け た 。 こ れ に 呼 応 し て 、 26 の 自 治 体 が ユ ニ タ
リ ー 化 を 申 請 し 、同 省 は 2007 年 3 月 末 、最 終 候 補 に 残 っ た 16 の 自 治 体 名 を 発 表 し た 。
同 省 は 2007 年 6 月 、財 政 ル ー ル 14 が 許 容 す る よ り も 多 く の 申 請 が ユ ニ タ リ ー 化 の 基 準
を 満 た し て し ま っ た 場 合 に 備 え 、こ れ ら 16 の 自 治 体 に よ る 申 請 に 優 先 順 位 を つ け る こ
とについて専門家の意見を求めた。詳細な検討が行われた後、政府は、申請の優先順
14
自 治 体 再 編 準 備 金 の利 用 に関 する規 則 。
5
位付けは必要ないとの結論に至った。こうした過程を経て、ジョン・ヒーリー地方自
治 担 当 大 臣 は 7 月 25 日 、ユ ニ タ リ ー 化 を 許 可 さ れ た 9 つ の 自 治 体 の 名 前 を 明 ら か に し
た 。全 て の 新 た な ユ ニ タ リ ー 自 治 体 は 、2009 年 に は そ の 機 能 を 開 始 で き る 計 画 と な っ
ている。
今 回 の ユ ニ タ リ ー 化 の 決 定 に よ り 、 こ の 地 域 の 自 治 体 数 は 、 46 か ら 11 に 減 少 す る
こ と に な る 15 。9 の 自 治 体 は 、ユ ニ タ リ ー 化 に よ っ て 年 間 で 総 額 1 億 5,000 万 ポ ン ド( 約
345 億 円 ) 以 上 の 経 費 節 減 が 可 能 と な り 、 公 共 サ ー ビ ス 改 善 と カ ウ ン シ ル ・ タ ッ ク ス
引き下げを実現できるものと考えている。
最 終 候 補 と な っ た 16 の 自 治 体 に よ る 申 請 に つ い て 、 政 府 は 、 3 月 末 か ら 6 月 22 日
まで、当該地域の公共団体や関係組織などとの間で意見集約作業を行った。今回ユニ
タリー化が決まった9自治体の申請に関しては、①ユニタリー化が費用面で相応であ
るか
②ユニタリー化がリーダーシップの強化に繋がるか
公共サービス改善に繋がるか
③ユニタリー化が地域の
④ユニタリー化がコミュニティーの権限を強化するか
⑤ユニタリー化計画が地域の幅広い支持を得ているか、という5つの条件に照らし合
わせて厳しい審査にかけられた。
詳細な審査に基づき、政府は、今回選ばれた9自治体で、ベッドフォード自治市、
チェスター市、エクセター市、イプスウィッチ自治市の4市に対し、更なる作業を行
い、特に費用面でユニタリー化が実行可能であることを明確に示す追加情報を提出す
るよう求めている。9自治体とも、現在国会で審議中の「地方自治、保健サービスへ
の 住 民 関 与 法 案 ( Local Government and Public Involvement in Health Bill)」 の 法
制化を待ち、ユニタリー化が可能となる。
現在の行政区画のままでユニタリー化を目指したノリッジ市の申請は、ユニタリー
化の厳しい基準を満たさず、今回は選に漏れたが、政府は、同市がユニタリー化を実
現 さ せ る だ け の 十 分 な 理 由 が あ る と 判 断 し て い る 。こ の た め 政 府 は 、「 イ ン グ ラ ン ド 境
界 委 員 会 ( Boundary Committee for England)」 16 に 対 し 、 前 述 の 法 案 が 法 制 化 さ れ 、
同 委 に 新 た な 権 限 が 与 え ら れ た 後 に 、「 行 政 区 画 を 変 更 し て ノ リ ッ ジ 市 を ユ ニ タ リ ー
化した場合、公共サービスの改善基準を満たすかどうか」について助言を求めること
を決定した。
9自治体のユニタリー化を円滑に行うようにするため、コミュニティー・地方自治
15
チェスター市 は 2 つのユニタリーとなる。さらに、文 末 で述 べるように、ベッドフォードシャー県 では、ベッドフォード
シャー自 治 市 がユニタリー化 するほか、さらにもう一 つユニタリーが創 設 される見 込 みである。
16
イングランドの地 方 自 治 の構 造 および行 政 区 画 の見 直 しなどを行 う「選 挙 委 員 会 (Electoral Commission))付
属 の法 定 委 員 会 。
6
省 は 、地 方 自 治 体 協 議 会( LGA)、公 共 部 門 の 労 働 組 合 、地 方 自 治 体 、そ の 他 職 業 団 体
の代表者などで構成される専門家グループを結成した。同グループへの付託事項は、
財務や人員配置、また自治体の機能や資産、責任の継続に関するものなどを含めた、
ユニタリー化に向けて実際に行うべき準備について検討することである。検討にあた
っては、下記の項目を考慮することが求められている。
・
自治体の業務への混乱を最小限に留める必要性
・
可能な場合は常に地域の事情を反映させる必要性
・
公共サービス改革を継続させる必要性
・
納 税 者 に 対 し て 金 銭 的 価 値 に 見 合 う こ と ( Value for Money) を 保 障 す る 必 要 性
・
自治体職員、公共サービス受給者、その他のパートナー及び利害関係者に対する
ユニタリー化の影響
ユニタリー化が許可された9つの自治体は下記の通りである。
自治体名
申請案で示されたユニタリーの構造
ベッドフォード自治市
ベッドフォード自治市をユニタリー化
チェスター市
チェシャー県を二つのユニタリーに分割
コーンウォール県
コーンウォール県をユニタリー化
ダーラム県
ダーラム県をユニタリー化
エクセター市
エクセター市をユニタリー化
イプスウィッチ自治市
イプスウィッチ自治市をユニタリー化
ノーサンバーランド県
ノーサンバーランド県をユニタリー化
シュロップシャー県
シュロップシャー県をユニタリー化
ウィルトシャー県
ウィルトシャー県をユニタリー化
最終候補に残ったものの、ユニタリー化が認められなかった自治体は下記の通りで
ある。
自治体名
申請案で示されたユニタリーの構造
ベッドフォードシャー県
ベッドフォードシャー県をユニタリー化
チェシャー県
チェシャー県をユニタリー化
カンブリア県
カンブリア県をユニタリー化
ノーサンバーランド県の全市
ノーサンバーランド県を二つのユニタリ
ーに分割
ノースヨークシャー県
ノースヨークシャー県をユニタリー化
サマセット県
サマセット県をユニタリー化
7
なお、政府は、ベッドフォード自治市を除くベッドフォードシャー県の残りの地域
もユニタリー化したい考えである。同自治市のユニタリー化実現後、政府は、同県の
残りの地域の地方自治体に対し、前述の5つの条件を満たすユニタリー化案を提案す
るよう促す見込みである。
(参考)
www.communities.gov.uk/index.asp?id=1002882&PressNoticeID=2470
【マンチェスターでも混雑税導入へ】
英国
イ ン グ ラ ン ド 北 部 グ レ ー タ ー・マ ン チ ェ ス タ ー 17 で 、首 都 ロ ン ド ン に 続 き 、交 通 渋 滞
解 消 を 狙 っ た 道 路 課 金 制 度 ( congestion charge) が 導 入 さ れ る 可 能 性 が 出 て い る 。
グ レ ー タ ー・マ ン チ ェ ス タ ー に 属 し て い た 10 自 治 体 の 代 表 組 織 で あ る「 グ レ ー タ ー・
マ ン チ ェ ス タ ー 地 方 自 治 体 協 会 ( AGMA)」 は 7 月 27 日 、 公 共 交 通 シ ス テ ム 改 善 を 目
的 と す る 地 方 自 治 体 向 け 政 府 補 助 金「 交 通 改 革 フ ァ ン ド( Transport Innovation Fund、
TIF)」 を 申 請 に つ い て 採 決 を 行 い 、 8 自 治 体 が 賛 成 票 を 投 じ て 申 請 の 提 出 が 可 決 さ れ
た 。 AGMA の 案 は 、 12 億 ポ ン ド ( 約 2,760 億 円 ) を 補 助 金 と し て 受 給 し 、 さ ら に 18
億 ポ ン ド ( 約 4,140 億 円 ) を 政 府 か ら 借 り 入 れ 、 こ れ を 道 路 課 金 制 度 の 料 金 収 入 に よ
り 30 年 間 で 返 済 す る と い う も の で あ る 。補 助 金 及 び 借 入 金 は 、路 面 電 車「 メ ト ロ リ ン
ク」の路線拡張と、バス及び鉄道サービスの改善に投資したい意向である。反対票を
投じたのはトラフォード市とストックポート市であった。
AGMA が 計 画 し て い る 道 路 課 金 制 度 は 、 課 金 ゾ ー ン が 2 つ に 分 か れ る 。 一 つ は 高 速
道 路 M60 を 境 界 と す る 環 状 の エ リ ア で 、も う 一 つ は そ の 内 部 に 位 置 す る マ ン チ ェ ス タ
ー 市 中 心 部 で あ る 。 M60 内 に 入 る の に 2 ポ ン ド ( 約 460 円 )、 更 に 市 中 心 部 へ 入 る の
に 1 ポ ン ド ( 約 230 円 ) を 徴 収 す る 。 加 え て 、 両 エ リ ア と も 、 エ リ ア 外 に 出 る 車 両 か
ら 1 ポ ン ド を 徴 収 す る こ と が 計 画 さ れ て い る 。課 金 時 間 は 交 通 量 の 多 い 朝 と 夕 方 の み 。
車のフロントガラスに取り付けた電子タグに前払いで支払った金額が記録され、車両
が課金ゾーンに出入りする際、タグの情報が読み取り機によって読み取られ、自動的
に料金が差し引かれる。
今 回 の 採 決 に 先 立 ち ス ト ッ ク ポ ー ト 市 で 行 わ れ た 調 査 で は 、 住 民 の 67% 、 企 業 の
78% が 道 路 課 金 制 度 導 入 に 反 対 の 意 向 を 示 し て い た 。 同 市 の リ ー ダ ー で あ る デ ー ブ ・
17
「グレーター・マンチェスター」は 1974∼1986 年 、「大 都 市 圏 カウンティ(Metropolitan Country)」と呼 ばれる広
域 自 治 体 の一 つとして存 在 していた。大 都 市 圏 カウンティは 1986 年 に廃 止 された。しかし、同 地 域 におかれている
警 察 、消 防 、交 通 組 織 は、当 時 の「グレーター・マンチェスター」に属 していた 10 自 治 体 により構 成 されている。
8
ゴ ッ ダ ー ド 氏 は 、 採 決 の 結 果 を 受 け 、「 ( 今 日 は ) 民 主 主 義 に と っ て 悲 し い 日 で あ る 」
「 AGMA は メ ン バ ー 自 治 体 の 総 意 に 基 づ い て 機 能 し て い る は ず だ が 、 今 日 は 多 数 決 に
よって決定が下されてしまった」とコメントした。
一 方 で 、「 グ レ ー タ ー ・ マ ン チ ェ ス タ ー 旅 客 輸 送 委 員 会 ( Greater Manchester
Passenger Transport Authority)」の 会 長 で あ り 、サ ル フ ォ ー ド 市 の 市 議 会 議 員 で も あ
る ロ ジ ャ ー・ジ ョ ー ン ズ 氏 は 、「 我 々 の 補 助 金 申 請 で は 、道 路 課 金 制 度 は い か な る も の
であれ、それによって影響を受ける人々が、車に代わる信頼性の高い公共交通システ
ムを使えるようになるまで導入されないということが明確に示されている」と述べて
い る 。さ ら に 、「 我 々 の も と に は 、グ レ ー タ ー・マ ン チ ェ ス タ ー の 企 業 お よ び 住 民 か ら 、
道路課金制度に関して非常に多くの意見が寄せられている。我々は今後これらの意見
を、詳細な包括的戦略の策定に利用するつもりである」とも述べている。
AGMA に よ る 「 交 通 改 革 フ ァ ン ド 」 交 付 申 請 は 7 月 31 日 に 提 出 さ れ た 。
(参考)
http://news.bbc.co.uk/1/hi/england/manchester/6918585.stm
【 地 域 経 済 活 性 化 ス キ ー ム 「 LABGI」 の ビ ジ ネ ス ・ レ イ ト の 配 分 に 対 す る 異 議 が 認 め
られる】
英国
英国政府による地域経済活性化スキーム「地方自治体ビジネス成長インセンティブ
( LABGI)」は 、2002 年 予 算 案 で 初 め て そ の 構 想 が 明 ら か に さ れ 、2005 年 4 月 に 導 入
された。その内容は、地域経済の成長度合を、非居住者用資産(事業用資産)に対す
る 国 税 で あ る「 ビ ジ ネ ス・レ イ ト( business rate)」の 課 税 評 価 額 の 増 減 に よ っ て 判 断
し、増加が見られた地方自治体に対して、ビジネス・レイトによる増収の一部を、使
途を限定しない財源として自治体に交付するというものである。通常、ビジネス・レ
イ ト は 、政 府 か ら 各 自 治 体 の 成 人 人 口 に 応 じ て 配 分 さ れ る が 、LAGBI は そ れ と は 別 に 、
全く新規の財源として各地方自治体に交付されるものである。地方自治体に対し、地
域の経済成長への投資を促す直接的なインセンティブを与えることを狙いとしており、
自 治 体 へ の 交 付 金 は 3 年 間 で 最 高 10 億 ポ ン ド( 約 2,300 億 円 ))に 上 る 見 込 み で あ る 18 。
高 等 法 院 は 7 月 31 日 、 イ ン グ ラ ン ド 南 部 ス ラ ウ 市 と 同 中 部 コ ー ビ ー 市 が 、 2005 年
度( ス キ ー ム 1 年 目 )に お け る LABGI の 配 分 に 関 す る 政 府 の 決 定 を 不 服 と し て 司 法 審
査 ( judicial review) 19 を 求 め た 件 で 、 両 市 の 主 張 を 支 持 す る 判 決 を 下 し た 。 2 市 は 、
「 顕 著 な 経 済 成 長 が 見 ら れ た に も 拘 わ ら ず 、LABGI 交 付 金 が 支 給 さ れ な か っ た 」と し
18
LABGI は 3 年 間 のみのスキーム。
19
公 的 機 関 による決 定 の合 法 性 を裁 判 所 が審 査 、判 断 する司 法 手 続 き。
9
て 、 政 府 の 決 定 に 異 議 を 唱 え て い た 。 こ の 影 響 で 、 2006 年 分 の LABGI は 、 受 給 資 格
のある全ての地方自治体について、司法審査の結果が出るまで交付金の3割の支給を
保留する事態となっていた。
コミュニティー・地方自治省は、高等法院の判断に対し、下記のようにコメントし
ている。
「 今 回 の 高 等 法 院 の 判 断 は 残 念 だ が 、 こ の 決 定 は 、 い か な る 形 で あ れ 、 LABGI
の 成 功 に 影 響 を 与 え る も の で は な い 。地 方 自 治 体 は 、地 域 経 済 活 性 化 の た め の 有
効 な イ ン セ ン テ ィ ブ と し て LABGI を 歓 迎 し て い る 」「 今 回 の 決 定 は 、 LABGI の
配分方法に関連したものである。我々は、この決定が意味するところについて、
地方自治体が不明確に感じる点があれば、直ちにそれを是正する構えである。
我 々 は ま た 、 こ の 決 定 の 結 果 、 い か な る 地 方 自 治 体 も 、 過 去 の LABGI 受 給 額 が
減 額 さ れ る こ と の な い よ う 対 応 し て い く つ も り で あ る 」「 ゆ え に 我 々 は 、2005 年
度 、2006 年 度 の LABGI に つ い て 、業 務 拡 張 に よ る ビ ジ ネ ス・レ イ ト の 課 税 評 価
額 増 を 反 映 さ せ 、そ の 権 利 の あ る 地 方 自 治 体 に 対 し て 追 加 交 付 金 の 支 払 い を 行 う 。
こ の 原 則 は 、 2007 年 度 の LABGI 交 付 金 支 払 い に も 適 用 さ れ る 」「 我 々 は 現 在 、
LABGI の 後 継 ス キ ー ム の 策 定 に 取 り 組 ん で い る 。 そ の 狙 い は 、 地 域 経 済 活 性 化
と い う 目 的 を よ り 明 確 化 し 、地 方 自 治 体 に よ り 大 き な イ ン セ ン テ ィ ブ を 与 え る こ
と で あ る 。我 々 は 間 も な く 、後 継 ス キ ー ム の 案 に つ い て 意 見 集 約 作 業 を 行 う 予 定
である」
ま た 、 地 方 自 治 体 協 議 会 ( LGA) の 副 会 長 で ブ ラ ッ ド フ ォ ー ド 市 議 会 議 員 で も あ る
マーガレット・イートン氏は次のように述べている。
「 コ ー ビ ー 市 と ス ラ ウ 市 が 司 法 審 査 を 求 め た と い う 事 実 は 、 現 在 の LABGI の 仕
組 み が 非 常 に 複 雑 で 理 解 困 難 で あ る こ と を 示 し て い る 。 LABGI は 、 複 雑 な 行 政
シ ス テ ム が 生 ん だ 悪 夢 で あ る 」「 LABGI の 後 継 ス キ ー ム は 、よ り シ ン プ ル で 、 よ
り 透 明 度 が 高 く 、よ り 先 が 見 え 易 い も の で な け れ ば な ら な い と い う の が 、地 方 自
治 体 の 間 で の 共 通 認 識 で あ る 。 ま た 政 府 は 、 既 に 地 方 自 治 体 へ 支 払 わ れ た 2006
年 度 の LABGI 交 付 金 が 回 収 さ れ る こ と は な い 旨 を 自 治 体 に 対 し て 保 証 し な け れ
ば な ら な い 。支 払 い 保 留 と な っ て い る 交 付 金 に つ い て は 、で き る だ け 早 く 自 治 体
へ 支 払 う べ き で あ る 」「 LGA は 、 政 府 が 高 等 法 院 の 判 決 に つ い て 熟 考 し 、 こ れ を
考 慮 に 入 れ た 上 で LABGI の 後 継 ス キ ー ム を 提 案 す る こ と を 望 む 」
政 府 は 、 LABGI の 後 継 ス キ ー ム 策 定 に 向 け た 意 見 集 約 作 業 に 尽 力 す る 構 え で あ る 。
後 継 ス キ ー ム は 2008 年 4 月 に 導 入 さ れ る 見 込 み で あ る 。
10
(参考)
www.lga.gov.uk/newdesign/PressRelease.asp?lsection=344&printfriendly=true&id
=SX3D24-A7846A16&ccat=344
www.communities.gov.uk/index.asp?id=1512099
【 欧 州 の 都 市 の 現 状 報 告 と EU 改 革 条 約
−
EU 関 連 の 話 題 】
英国
「欧州における都市の現状」
欧 州 連 合 ( EU) の 欧 州 委 員 会 地 域 政 策 総 局 は 7 月 26 日 、 報 告 書 「 欧 州 の 都 市 の 現
状 ( The State of European Cities)」 を 発 表 し た 。 こ れ は 、 1996 年 か ら 2001 年 ま で
の デ ー タ に 基 づ き 、 2004 年 に 同 局 と EU の 統 計 局 「 ユ ー ロ ス タ ッ ト 」が 発 表 し た「 都
市 調 査 ( Urban Audit)」 を 更 に 発 展 さ せ 、 EU 内 258 都 市 の 生 活 の 質 に つ い て 統 計 を
まとめたものである。
報告書は、下記の4つの問いを掲げた。
1)欧 州 の 都 市 に お け る 人 口 増 加 お よ び 人 口 増 加 の 停 滞 の パ タ ー ン は 現 在 ど の よ う な も
のか。
2) 都 市 は 、 経 済 的 競 争 性 、 経 済 成 長 、 雇 用 に ど の 程 度 貢 献 し て い る か 。
3) 都 市 生 活 に 固 有 な 点 は 何 か 。
4) 都 市 は そ の 将 来 を 形 成 に つ い て ど の よ う な 権 限 を 持 っ て い る か 。
提供されたデータに基づき、報告書は下記のように結論付けた。
1)都 市 は 経 済 成 長 の 源 泉 で あ る 。人 口 100 万 人 以 上 の 都 市 に お け る 地 域 内 総 生 産 の 平
均 は EU 全 体 の 平 均 を 25% 上 回 り 、か つ そ れ ぞ れ の 国 の 国 内 総 生 産 を 40% 上 回 っ て い
る。
2)雇 用 面 で は 、欧 州 の 全 て の 都 市 に お い て 矛 盾 が 見 受 け ら れ る 。都 市 に は 雇 用 が 集 中
しているが、住民は必ずしも豊富な雇用機会の恩恵を受けていない。
3) 失 業 率 が 最 も 高 い の は 貧 困 地 区 で あ る 。
4) サ ー ビ ス 業 は 、 他 の ど の 産 業 よ り も 遥 か に 多 く の 雇 用 を 提 供 し て い る 。 ロ ン ド ン 、
パ リ 、ベ ル リ ン 、マ ド リ ー ド 、ロ ー マ で は 、 サ ー ビ ス 業 の 雇 用 は 全 雇 用 の 80∼ 90% を
占める。
5) 都 市 の 住 民 は 、 他 の 地 域 の 住 民 よ り 教 育 程 度 が 遥 か に 高 い 。
報告書はまた、都市間で一人当たりの居住面積に大きな開きがあることも指摘して
いる。
11
報 告 書 は 、「 北 欧 空 間 開 発 セ ン タ ー (NORDREGIO)」と コ ン サ ル タ ン ト 会 社「 ユ ー ロ
フ ュ ー チ ャ ー ズ( Eurofutures)の 協 力 の も と 、リ サ ー チ・コ ン サ ル タ ン ト 会 社「 エ コ
テ ッ ク ( ECOTEC)」 が 作 成 し て い る 20 。
EU 改 革 条 約
欧 州 理 事 会 は 6 月 23 日 、欧 州 憲 法 に 代 わ る EU の 基 本 条 約 と し て 構 想 さ れ て い る「 改
革 条 約 」の 草 案 に つ い て 合 意 に 達 し た 。同 条 約 に は 、EU 条 約 で 初 め て 、地 方 お よ び 地
域の自治政府の原則を明確に認める条項が含まれている。
欧 州 憲 法 は 、 2004 年 10 月 29 日 、 EU 加 盟 国 及 び 加 盟 候 補 国 の 首 脳 が 署 名 し て 締 結
されたが、フランス及びオランダの国民投票で批准が否決されたことを受け、批准の
無 期 限 延 期 が 欧 州 理 事 会 で 合 意 さ れ て い た 。「 改 革 条 約 」 は 、「 憲 法 」 と い う 名 称 を 避
け る こ と に よ っ て 、 加 盟 国 に 批 准 の 国 民 投 票 を 義 務 付 け る こ と な く 、 多 く の EU 法 、
EU 条 約 の 体 系 化 を 再 び 行 う 試 み で あ る と 受 け 止 め ら れ て い る 。
地 方 自 治 に つ い て 、「 改 革 条 約 」 に は 以 下 の よ う な 条 項 が 含 ま れ て い る 。
・
「 補 完 性( subsidiarity)」の 定 義 を 、地 方 、地 域 レ ベ ル の 行 政 単 位 も 含 む よ う
拡大する。これは、地方または地域レベルで対処することが適切な場合は、
EU は 当 該 の 問 題 に 関 与 し な い こ と を 意 味 す る 。 現 在 、「 補 完 性 の 原 則 」 は 、
EU と 国 と の 関 係 の み に 適 用 さ れ る と 考 え ら れ て い る 21 。
・
EU は 、 地 方 自 治 体 、 地 域 政 府 、 お よ び そ れ ら の 関 連 組 織 と 、 EU 法 に つ い て
よ り 効 果 的 に 協 議 す べ き で あ る 。協 議 す べ き 議 題 に は 、「 新 た に 制 定 さ れ る EU
法 で は 常 に 、地 方 自 治 体 に 対 す る 財 政 的 及 び 事 務 的 負 担 を 最 小 限 に 留 め る 」こ
とを欧州委員会に課す新法も含む。
・
EU の 目 的 は 、 経 済 的 ・ 社 会 的 融 合 に 加 え 、 地 域 的 な 融 合 も 含 む も の と す る 。
こ れ は 、 国 の み な ら ず 、 地 域 や 市 で も 、 EU 法 及 び EU の 政 策 に よ る 影 響 に よ
り大きな焦点が当てられることを意味する。
・
EU の 地 域 委 員 会 は 、補 完 性 の 原 則 が 守 ら れ な か っ た り 、同 委 に 関 係 す る 事 項
に つ い て 協 議 を 受 け る 権 利 が 尊 重 さ れ て い な い と 判 断 す る 場 合 、欧 州 司 法 裁 判
所に提訴できる権限を初めて与えられる。
20
これらの報 告 書 作 成 委 託 先 は入 札 によって選 定 された。
21
補 完 性 の原 則 (the principle of subsidiarity)とは、下 部 の行 政 機 関 、システムにできるだけ多 くの決 定 権 を委
譲 し、上 位 レベルの機 関 の権 限 は、下 位 レベルの権 限 を補 完 するだけに留 めるべきであるとする考 え方 。EU 統 合
を合 意 したマーストリヒト条 約 で規 定 された。
12
「改革条約」草案は現在、6月にブリュッセルで開催された欧州理事会が設置した
「政府間会議」で協議にかけられている。
(参考)
http://www.eurocities.org/main.php?content=content/news/all_news.php
http://ec.europa.eu/regional_policy/themes/urban/audit/index_en.htm
http://www.ccre.org/communiques_de_presse_detail_en.htm?ID=204
【州の州憲法裁判所が州政府の進める自治体再編を憲法違反と判決】
ドイツ
メ ク レ ン ブ ル ク ・ フ ォ ア ポ ン メ ル ン 州 憲 法 裁 判 所 は 7 月 26 日 、 州 議 会 が 2006 年 4
月に可決した地方自治体の構造改革を含む行政改革法が州憲法に違反する旨の判断を
下した。ドイツのほとんどの州には憲法または憲法に相当する法律が存在するし、憲
法裁判所も存在するが、シュレスウィヒ・ホルシュタイン州のみ、憲法裁判所が存在
していない。国全体の最高裁判所はカールスルーエにある連邦憲法裁判所である。メ
ク レ ン ブ ル ク・フ ォ ア ポ ン メ ル ン 州 の 今 回 の 訴 訟 は 、2006 年 の 行 政 改 革 法 の 下 で 合 併
が 予 想 さ れ た 11 郡 と 州 議 会 の 元 議 員 24 人 が 起 こ し て い た も の で あ る 。
メクレンブルク・フォアポンメルン州は、旧東ドイツに属する地域でバルト海に面
す る 北 部 の 州 で あ る 。 2 万 3,171 平 方 キ ロ に 176 万 人 の 人 口 で あ り 、 人 口 密 度 は 1 ヘ
ク タ ー ル 当 た り 77 人 と ド イ ツ で 最 も 低 い 。美 し い 風 景 で 有 名 な リ ュ ー ゲ ン 島 と メ ク レ
ンブルク湖水地方もあり、観光地としての開発がある程度進んでいるが、統一後には
問 題 も 多 く な っ た 。 そ の ひ と つ は 人 口 減 少 で あ る 。 1990 年 1 月 1 日 と 2003 年 12 月
31 日 の 間 、 人 口 の 11% に 相 当 す る 21 万 5,000 人 が 減 少 し た 。 今 の と こ ろ こ の 傾 向 に
歯止めをかけることができても、完全に止めることができる見込みはないのが現状で
あり、メクレンブルク・フォアポンメルン州にとって、人口が減少する市町村と人口
の高齢化に対する対策が緊急の課題となっている。
このため、州政府は数多くの大規模な改革プログラムを打ち出しており、中でも、
州 行 政 及 び 地 方 自 治 体 行 政 に お け る 行 政 の 縮 小 が 大 き な 目 玉 で あ る 。2006 年 の 行 政 改
革 法 は ま さ に そ の 目 的 に 資 す る た め 、現 在 の 12 郡 と 6 つ の 郡 独 立 市 を 5 つ の 広 域 郡 に
統合することを予定していた。これに対して郡の合併と郡独立市の格下げについては
当初から反対が強く、州政府は頻繁に説明や協議を行ってきたが、反対運動が続き、
州憲法裁判所の訴訟に行き着くこととなったものである。
裁 判 所 の 判 決 は 、2006 年 の 行 政 改 革 法 が 憲 法 違 反 で あ る 理 由 と し て 、今 回 予 定 さ れ
た合併は郡の地方自治権を侵害しており、市民が民主主義に参加するため地理的均整
の 原 則( Prinzip der Überschaubarkeit)を 尊 重 し な け れ ば な ら な い と い う 点 を 挙 げ た 。
基本的には、地方自治体の再編を含む構造改革自体は可能ではあるが、その再編過程
において、人々が地方民主主義に参加できる条件を守らなければならないというもの
13
である。有権者が、郡議会とその委員会の会議が開催される場所にアクセスできるこ
と は 参 加 の 基 本 条 件 と さ れ て い る 。つ ま り 、改 革 に よ り 郡 の 面 積 が 広 く な り す ぎ る と 、
地理的均整の原則に違反するというものである。今回の改革では、連邦州の一つであ
るザールランド州の何倍もの広さとなることが想定されていたが、これは市民の民主
主義への参加を不可能にするため、州憲法違法であるということとなるのである。
郡を代表するドイツ郡会議は以前から州政府の大胆な改革に反対する郡の立場を支
持 し て お り 、こ の 判 決 を 歓 迎 し た 。ド イ ツ 郡 会 議 の 代 表 者 は 、「 こ の 判 決 は 、州 政 府 は
郡の自治権に配慮する必要があり、好き勝手に再編することができないという根拠と
なるものであり、これはメクレンブルク・フォアポンメルン州だけでなく、他州への
影響も大きいものと考えられる」と述べている。
なお、シュレスウィヒ・ホルシュタイン州とザクセン・アンハルト州においても地
方自治体の構造改革が予定されているが、その行方は不透明である。
ドイツのいくつかの州は、高齢化を含む人口構造の変化に関する問題、そして経済
の衰退という問題を抱えており、これらに取り組むためには、行政構造改革自体は不
可欠である。しかし、メクレンブルク・フォアポンメルン州の例が示すように、こう
した改革は民主主義の諸原則と対立する可能性があり、解決策が見出されるのか現在
のところ不透明である。
(参照)
Deutscher Lankreistag im Internet, Pressemitteilung 26. Juli 2007, „Scheitern
der
Kreisgebietsreform
in
Mecklenburg-Vorpommern
hat
bundesweite
Auswirkungen“
http://www.kreise.de/landkreistag/start/
【ベルリン都市州とブランデンブルク州が統合を目指して協力関係を強化】
ドイツ
東 西 ド イ ツ 統 一 を 受 け て 東 ド イ ツ の 連 邦 州 が 誕 生 し た 時 点 か ら 、現 在 の 16 連 邦 州 の
統 合・再 編 の 議 論 が 存 在 す る が 、統 一 後 17 年 を 経 て も 、実 行 に は 至 っ て い な い 。特 に
ベルリン、ハンブルクとブレーメンの都市州は改革議論の対象となっているが、他の
広域州も歴史的理由や最近の人口・経済状況の推移を背景に、主として人口密度が低
い州について、議論がある。
特に注目を集めているのはベルリン都市州とブランデンブルク州である。ベルリン
は 人 口 が 340 万 人 、 面 積 が 891 平 方 キ ロ で 、 ド イ ツ に お い て 最 も 大 き い 都 市 で あ る 。
統 一 直 後 に は 人 口 が 一 時 増 加 し 、 90 年 代 半 ば か ら は 逆 に 人 口 が 郊 外 に 流 出 し 始 め た た
め 減 少 傾 向 に あ っ た が 、2000 年 あ た り か ら は ほ ぼ 現 在 の レ ベ ル に 落 ち 着 い て い る 。ブ
ラ ン デ ン ブ ル ク 州 は 、 こ の ベ ル リ ン 市 を 取 り 囲 む 人 口 250 万 人 、 面 積 約 2 万 9,000 平
方キロの広域州である。特にベルリンに隣接する地域の中には、繁栄しているところ
も あ り 、 州 首 都 で ベ ル リ ン の 隣 に あ る ポ ツ ダ ム 市 と そ の 周 辺 に は 、 160 企 業 が 集 ま り
14
約 3,200 人 を 直 接 雇 用 す る ド イ ツ 最 大 の バ イ オ テ ク ノ ロ ジ ー 産 業 ク ラ ス タ ー が あ る 。
しかし、ブランデンブルク州の遠隔地域は、他の東ドイツ広域州にも見られる経済的
衰退に伴う人口減少と高失業、及びそれに関連する問題に悩まされている。
統 一 直 後 か ら 、ベ ル リ ン 都 市 州 と ブ ラ ン デ ン ブ ル ク 州 に つ い て は 、そ の 統 合 を 図 り 、
両地域の将来的な発展を確保するのが最も望ましいとされていた。ベルリンが正式な
都市州になってから歴史が浅く、壁があった期間中には西ベルリンは特別なステータ
スをもっていたのに対して、東ベルリンは東ドイツの首都として機能していた。この
ため、ハンブルク都市州とブレーメン都市州と比べて、ベルリン市民は都市州として
のステータスがあるかないかにはそれほど興味がないという分析が当時は一般的であ
った。連邦憲法が州の変更・合併の場合に求めている両州の合併の是非を問う住民投
票 が 1996 年 に 実 施 さ れ 、 ベ ル リ ン で は 投 票 を 行 っ た 有 権 者 の 多 数 は 賛 成 し た も の の 、
ブランデンブルク州の有権者の多くはこれに反対した。しかし、ブランデンブルク州
内 の 投 票 率 が 25% 以 下 で あ っ た た め 、 住 民 投 票 は 無 効 と な っ た 。
ブランデンブルクの住民は、ベルリン都市州が抱えている多額の財政赤字を懸念し
ており、またベルリン都市州の人口の多さのため、ブランデンブルクのアイデンティ
ティーが消滅するのを恐れているというのが反対投票の大きな理由となっているよう
であった。
無効となった住民投票の後、両州の政府は、しばらくは行政当局間の協力を続けな
が ら 、 合 併 へ 向 け 10 年 ほ ど 後 に も う 一 回 投 票 を 行 い 、 再 度 2009 年 に 本 格 的 な 合 併 を
目 指 す こ と に し た 。 し か し 、 住 民 の 考 え 方 が 当 時 と 大 き く 変 化 し な か っ た た め 、 2006
年の投票は放棄され、合併への道は遠のいている。
合併の実現が当面見送られても、あらゆる分野での協力や個別の機能の統合は進ん
で い る 。両 州 の 統 計 局 は す で に 2005 年 か ら 統 合 さ れ 、州 間 契 約 に よ り 行 政 裁 判 所 な ど
が 2006 年 に 統 合 さ れ た 。 公 共 テ レ ビ ・ ラ ジ オ 局 で あ る RBB( ベ ル リ ン ・ ブ ラ ン デ ン
ブ ル ク 放 送 局 )は す で に 2003 年 に 合 併 が 済 ん で い る 。こ れ ら に 加 え 、戦 略 的 地 域 計 画
や交通政策を含む都市計画の分野も、共同で行うようになっている。
EU に 対 し て も 、 ベ ル リ ン ・ ブ ラ ン デ ン ブ ル ク 首 都 地 方 ( Hauptstadtregion
Berlin-Brandenburg) と し て 、 EU 政 策 や EU 加 盟 国 内 の 地 方 が 受 給 で き る 補 助 金 確
保のため、共同の活動が続けられている。この地方名を使って、企業誘致や観光宣伝
のためのマーケティングも行われている。
最 新 の 政 策 と し て は 、2007 年 8 月 に ベ ル リ ン・ブ ラ ン デ ン ブ ル ク 首 都 地 方 の 公 式 デ
ザインとウエブ・サイトが公開された。これらを使って、両州の協力政策や合併機関
の活動について情報提供を行うことができるようになる。これにより、両者の協力の
イメージを広く普及することとなる。
住民の賛成がなくても、あらゆる分野での協力と機関の合併が進んでいるが、正式
な合併が本当に実現するかにはまた疑問の余地がある。
15
(参照)
Offizielle Webpage Berlin-Brandenburg;
http://www.berlin-brandenburg.de/politik-verwaltung/dokumente/index.html
Senatskanzlei Berlin Pressemitteilung 7.8.2007, “Haupstadtregion
Berlin-Brandenburg: gemeinsames Erscheinungsbild in der Öffentlichkeit“;
http://www.berlin.de/landespressestelle/archiv/2007/08/07/83059/index.html
Land
Brandenburg
im
Internet,
Pressemitteilung
13.12.2005,
Intensivierung der Zusammenarbeit der Länder Berlin und Brandenburg“
http://www.stk.brandenburg.de/cms/detail.php?gsid=lbm1.c.320937.de
16
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